JP2016196389A - スラグからの六価クロム溶出抑制方法 - Google Patents

スラグからの六価クロム溶出抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】六価クロムの溶出の可能性がある塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグに対し、その排滓後の冷却過程において、当該スラグの比表面積に応じて冷却速度を規定することで、当該スラグ中からの六価クロムの溶出抑制を確実に行うことができる六価クロム溶出抑制方法を提供する。
【解決手段】本発明のスラグ10からの六価クロム溶出抑制方法は、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグ10を排滓するにあたり、当該スラグ10が雰囲気と接触する面積Sと当該スラグ10の重量Wとの比(S/W)と、当該スラグ10の冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧40となるように、当該スラグ10を溶融状態から600℃まで冷却することで、リサイクル時にスラグ10からの六価クロムの溶出を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リサイクル時にスラグから六価クロムが溶出することを抑制できる六価クロム溶出抑制方法に関する。
近年、廃棄物を低減するためや天然資源の枯渇等の問題から、製鋼などで生成されたスラグを土木資材や路盤材等に利用することが注目されている。スラグを浚渫した土砂(底質)として海面埋立などへ利用するためには、環境庁告示14号(以下、環告14号)に定められた水底土砂基準を満足する必要があり、六価クロムの溶出量は0.5mg/L以下とすることが定められている。加えて、スラグを土工用、路盤材として利用するためには、環境庁告示46号(以下、環告46号)に定められた土壌環境基準を満足する必要があり、六価クロムの溶出量は0.05mg/L以下とすることが定められている。
クロム(Cr)を大量に含む鋼種を精錬する際に生成されるスラグには、冷却条件などによってはクロム酸化物から六価クロムが生成する場合がある。それゆえ、クロム酸化物を含み冷却条件などにより六価クロムが生成したスラグを路盤材などとしてリサイクルする場合には、スラグ中の六価クロムが雨などの水分と反応し、六価クロムイオンとして溶け出す虞があり、このような六価クロムイオンの溶出を抑制する必要がある。
リサイクル時にスラグから六価クロムの溶出を抑制する技術としては、特許文献1〜特許文献4に開示された技術がある。これら特許文献1〜特許文献4では、排滓されたスラグの冷却条件や組成などを制御することで、六価クロムの溶出抑制が可能とされたスラグを製造している。
例えば、特許文献1には、クロムを含有する溶融スラグを鉄板上若しくは鋳型内に排出し、その溶融状態から400℃まで温度領域を5℃/mim以上の冷却速度で冷却して、六価クロムの生成を抑制する方法が開示されている。
また、特許文献2には、製鋼工程で発生した酸化クロムを含有するスラグであって、スラグ塩基度[質量比:%CaO/%SiO]が1.5以上、Fe含有量が10質量%以上のスラグに還元材を添加し、スラグ温度が1000℃以上で撹拌混合した後、10℃/minで冷却して、六価クロムの生成を抑制する方法が開示されている。
特許文献3には、クロム含有スラグに対し、塩基度(%CaO/%SiO)>1.2に調整することによってクロムの還元を導き、三価のクロム酸化物(Cr)濃度を3.0%以下にし、排滓時に、湯面面積S(m)/スラグ容積V(m)が4以下である容器に排滓して、六価クロムの生成を抑制する方法が開示されている。
特許文献4には、脱酸剤としてAl,Siの内1種あるいは2種以上を投入し、且つ造作剤としてスラグ主要成分の内2種以上を投入して、無害化スラグを生成させる方法が開示されている。
特開昭56−45789号公報 特開2010−105826号公報 特開2002−53905号公報 特許3991562号公報
上述した特許文献1〜特許文献4に開示された六価クロムの溶出抑制技術においては、排滓されたスラグの冷却速度などを制御することで、六価クロムの溶出抑制を可能としている。しかしながら、実際には、以下に示す問題が生じる虞がある。
特許文献1は、クロムを含有する溶融スラグを冷却ヤードの鉄板上に載せた場合、鉄板とスラグ界面しか急冷されないため、大気雰囲気と接触するスラグ表面が冷却できているかは不明である。さらには、溶融スラグの流涎厚さを調整すると記載されているが、実施例がなく定量性に乏しい。加えて、(wt%CaO/wt%SiO)の比が大きい高塩基度のスラグにおける実施例がなく、スラグの塩基度によっては、冷却条件を満足した場合でも、六価クロムが生成し六価クロムイオンとして溶出する虞がある。
特許文献2は、スラグの冷却速度の範囲が1200℃〜400℃であり、1200℃以上のときの冷却速度が規定されていないため、スラグの温度が1300℃のときにCa−Al−Cr−O系の六価クロム化合物が生成されてしまう虞がある。また、還元剤を添加しているため、製造コストを高騰させ、且つ製造プロセスを増加させる原因となる。
特許文献3は、スラグを冷却する際の比表面積の規定はされているが、冷却速度に対する規定はされていないため、冷却速度が遅い場合には六価クロムが生成する虞がある。また、不活性ガス雰囲気下においてスラグを冷却することは、製造コストを高騰させる原因となる。また、Cr濃度を3%以下に低減するためには、多量の添加剤が必要となり、製造コストの増加要因となる。また、スラグが排滓された容器中での最終冷却温度が規定されておらず、容器からのスラグ取り出し時に六価クロムが生成する虞がある。加えて、高塩基度のスラグにおける実施例がなく、スラグの塩基度によっては、冷却条件を満足した場合でも、六価クロムが生成し六価クロムイオンとして溶出する虞がある。
特許文献4は、スラグを所望の組成とするためには、脱酸剤あるいは造滓剤が必要となり、製造コストを高騰させ、且つ製造プロセスを増加させる原因となる。また、スラグの冷却速度や比表面積の規定がなされておらず、これらの条件によっては六価クロムが生成する恐れがある。
すなわち、特許文献1〜特許文献4に開示された技術を用いたとしても、スラグが高塩基度且つ冷却速度や比表面積を規定していない場合、環告46号などの基準を満たすことができない虞がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、クロムを含有し、wt%CaO/wt%SiOの比が大きな高塩基度であり、且つ冷却条件などによっては六価クロムの溶出の可能性があるスラグに対し、その排滓後の冷却過程において、スラグの比表面積に応じて冷却速度を規定することで、スラグ中からの六価クロムの溶出抑制を確実に行うことができる六価クロム溶出抑制方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明においては以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明のスラグからの六価クロム溶出抑制方法は、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグを排滓するにあたり、前記スラグが雰囲気と接触する面積Sと当該スラグの重量Wとの比(S/W)と、当該スラグの冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧40となるように、前記スラグを溶融状態から600℃まで冷却することで、リサイクル時に前記スラグからの六価クロムの溶出を抑制することを特徴とする。
好ましくは、前記スラグが雰囲気と接触する面積Sと当該スラグの重量Wとの比(S/W)と、当該スラグの冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧100となるように冷却するとよい。
本発明の六価クロム溶出抑制方法によれば、クロムを含有し、wt%CaO/wt%SiOの比が大きな高塩基度であり、且つ冷却条件などによっては六価クロムの溶出の可能性があるスラグに対し、その排滓後の冷却過程において、スラグの比表面積に応じて冷却速度を規定することで、スラグ中からの六価クロムの溶出抑制を確実に行うことができる。
リサイクル時にスラグからの六価クロムの溶出を抑制するために、本実施形態の六価クロム溶出抑制方法に従って、スラグを冷却する手順を示した模式図である。 比表面積(S/W)と六価クロムの溶出量の関係(環告14号溶出試験)を示した図である。 比表面積(S/W)と六価クロムの溶出量の関係(環告46号溶出試験)を示した図である。 冷却速度(CV)と六価クロムの溶出量の関係(環告14号溶出試験)を示した図である。 冷却速度(CV)と六価クロムの溶出量の関係(環告46号溶出試験)を示した図である。 CV/(S/W)と六価クロムの溶出量の関係(環告14号溶出試験) を示した図である。 図6の部分拡大図である。 CV/(S/W)と六価クロムの溶出量の関係(環告46号溶出試験) を示した図である。 図8の部分拡大図である。
以下、本発明にかかるスラグからの六価クロム溶出抑制方法の実施の形態を、図を基に説明する。
なお、本実施形態においては、本発明の六価クロム溶出抑制方法を、電気炉にて精錬処理をする際に生成される、鉄鋼副産物である電気炉酸化スラグ(以降、単にスラグと呼ぶこともある)に適用させて説明する。また、本実施形態のスラグ10からの六価クロム溶出抑制方法を説明する前に、電気炉1について、図を基に説明する。
図1は、含クロム鋼を製造する電気炉1を模式的に示したものである。なお、以下の説明において、溶銑や溶鋼のことを溶湯2と表現し説明を行う。
図1に示すように、電気炉1は、内部に投入した冷鉄源を溶解すると共に、溶解した冷鉄源すなわち溶湯2を精錬するものであって、溶湯2を精錬する容器本体3と、この容器本体3を覆う蓋体4とを備えている。
容器本体3と蓋体4とは上下分離可能となっている。この容器本体3と蓋体4とによって、一方側(紙面、右側)に排滓口5が形成され、他方側(紙面、左側)に出鋼口6が形成されている。この排滓口5には、容器本体3内の溶湯に対して、酸素を吹き込むためのランス7を装入することができる。蓋体4等には、アークを発生させる単独もしくは複数の電極8(例えば、炭素電極)を通すための穴が設けられ、この電極8のアーク放電によって内部の冷鉄源を溶解するようになっている。
かかる構成の電気炉1では、電極8によるアーク放電によって、容器本体3内の冷鉄源及び副原料を加熱溶解して溶融状態とし、その溶湯2に対してランス7により酸素を吹き込むことにより、精錬処理(脱炭処理)を行い、鋼を製造する。
このように、電気炉1にて、精錬処理(脱炭処理)が行われた際には、スラグ(電気炉酸化スラグ)が生成される。
生成されたスラグは、土木資材、路盤材、コンクリート用骨材などにリサイクルされている。
しかしながら、生成されたスラグをそのまま路盤材などにリサイクルすることはできない。なぜならば、クロム(Cr)を大量に含む鋼種を精錬する際に生成されるスラグには、冷却条件などによってはクロム酸化物から六価クロムが生成される場合があるためである。
それゆえ、冷却条件などによってはクロム酸化物から六価クロムが生成される場合があるスラグを路盤材などとしてリサイクルする場合には、スラグ中で六価クロムが生成していると雨などの水分と反応し、六価クロムイオンとして雨水や土壌などに溶出する可能性がある。特に、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が高いスラグは、六価クロムを生成しやすい化合物(CaCrなど)を含有する場合があるため、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が高いスラグは冷却速度および酸化面積を制御し六価クロムの生成を抑制する必要がある。
そのため、各基準に適合するように六価クロムイオンの溶出を抑制する必要がある。
上記した各基準においては、六価クロムの溶出量の上限が定められている。具体的には、この六価クロムの溶出量は、水底土砂に係る判定基準についての「環境庁告示14号」並びに、土壌の汚染に係る環境基準についての「環境庁告示46号」により定められている。
「環境庁告示14号」においては、浚渫した土砂(底質)を海面埋立または海洋投入するにあたって「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令第5条第1項に規定する埋立場所等に排出しようとする金属等を含む廃棄物に係る判定基準を定める省令」等に定められており、六価クロムの溶出量は0.5mg/L以下とすると定められている。
「環境庁告示46号」においては、環境基本法(平成5年法律第91号)の第16条第1項において、土壌の汚染に係る環境上の条件につき、六価クロムの溶出量は0.05mg/L以下とすると定められている。
以下に、本実施形態のスラグ10からの六価クロム溶出抑制方法、すなわち溶融状態のスラグ10の冷却条件の決定方法を、図を基に説明する。
本実施形態の六価クロム溶出抑制方法は、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグ10を、六価クロム溶出抑制の対象材としている。
本実施形態の六価クロム溶出抑制方法は、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグ10を排滓するにあたり、当該スラグ10が雰囲気(大気雰囲気など)と接触する面積S(cm)と当該スラグ10の重量W(g)との比(S/W)と、当該スラグ10の冷却速度CV(℃/min)との関係が、CV/(S/W)≧40となるように、当該スラグ10を溶融状態から600℃まで冷却することで、路盤材などにリサイクルする時に、当該スラグ10からの六価クロムの溶出を抑制する。
さらに好ましくは、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10が雰囲気と接触する面積Sと当該スラグ10の重量Wとの比(S/W)と、当該スラグ10の冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧100となるように、当該スラグ10を溶融状態から600℃まで冷却するとよい。
塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の重量Wに対する当該スラグ10の酸化表面積Sの比(S/W)および冷却速度(CV)からなるCV/(S/W)を規定する理由としては、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10はCaCrやCaAlCr13など冷却条件などによっては六価クロムを生成しやすい化合物が生成する虞があるため、六価クロムの生成抑制因子である冷却速度および酸化比表面積を厳密に制御することが必要となる。
すなわち、熱されたクロム化合物の六価クロム生成反応は酸化であり、六価クロムを生成抑制するには、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の表面と酸素(雰囲気)とをできるだけ接触させないこと、600℃以上で当該スラグ10を保持すると六価クロムを生成する可能性があるため、六価クロムの生成を抑制するには、熱された塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10、すなわち溶融状態のスラグ10を600℃になるまで速やかに冷却することが両方必要となる。
そのため、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10に対し、当該スラグ10の表面と酸素との接触面積、すなわち塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の重量Wに対する当該スラグ10の酸化表面積Sの比(S/W)および塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10が溶融状態から600℃になるまでの間の当該スラグ10の冷却速度CVからなるCV/(S/W)を規定している。
なお、この塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の冷却速度CVは、溶融状態の当該スラグ10の表面温度と、当該スラグ10が溶融状態から600℃になるまでの経過時間とから算出する。また、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の冷却方法は、当該スラグ10を効果的に冷却できれば、空冷や散水冷却など様々な方法を採用してもよい。但し、ポット冷却のような、スラグ10表面に復熱が発生する虞がある場合には、均熱冷却を行うことが望ましい。
以上述べた六価クロム溶出抑制方法によれば、塩基度(wt%CaO/wt%SiO
)が2.5以上のスラグ10を冷却する際に、前記した二つの六価クロム生成の抑制因子を同時に制御する、すなわち当該スラグ10の比表面積(S/W)と冷却速度CVとの関係がCV/(S/W)≧40となるように、厳密に冷却過程を制御することで、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグ10の六価クロムの生成を確実に抑制することができる。
さらに好ましくは、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の比表面積(S/W)と冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧100となるように、当該スラグ10を溶融状態から600℃まで冷却すると、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグ10の六価クロムの生成を、より確実に抑制することができる。
この本願発明の技術に至るための知見を、図2〜図5に基づいて説明する。
塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10を冷却する際に、冷却速度CVを一定とし、比表面積(S/W)を制御すると、図2、図3に示すような結果となる。
図2は、環告14号の溶出試験における塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10の比表面積(S/W)と六価クロム溶出量の関係を示す図である。また、図3は、環告46号の溶出試験における比表面積と六価クロム溶出量の関係を示す図である。なお、いずれの溶出試験においても、共に塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10の冷却速度CVを、5.7(℃/min)及び10(℃/min)としている。
図2、図3に示すように、横軸の比表面積(S/W)の値が減少すると、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10の重量当たりの酸化面積が小さくなり、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10の六価クロム生成量が減少する。それ故、リサイクル時において、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10からの六価クロム溶出量が小さくなると思われる。
ところが、図2、図3を参照するに、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10の六価クロム溶出量は、同一比表面積(S/W)であっても、冷却速度が異なると基準値を満足できない場合がある。そのため、比表面積(S/W)制御のみでは、六価クロム溶出量の抑制は不十分であり、冷却速度CVも考慮した制御が必要であることを知見した。
また、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10を冷却する際に、比表面積(S/W)を所定値とし、冷却速度CVを制御すると、図4、図5に示すような結果となる。
図4は、環告14号の溶出試験において、冷却速度CVに対して、比表面積(S/W)を変化させたときの六価クロムの溶出量の関係を示す図である。また、図5は、環告46号の溶出試験において、冷却速度CVに対して、比表面積(S/W)を変化させたときの六価クロムの溶出量の関係を示す図である。なお、いずれの溶出試験においても、共に塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10に対し、比表面積(S/W)を、0.1(cm/g)及び0.6(cm/g)としている。
図4、図5に示すように、横軸の冷却速度CVの値が増加する、すなわち冷却速度CVが早くなると、高温領域でのスラグ10の酸化時間が短くなり、スラグ10の六価クロム生成量が減少する。それ故、リサイクル時において、スラグ10からの六価クロム溶出量が小さくなると思われる。
ところが、図4、図5を参照するに、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10は同一冷却速度CVであっても、比表面積(S/W)が異なると、環告14号や環告46号の六価クロムの溶出基準値を満足できない場合がある。そのため、冷却速度CVの制御だけでは、六価クロムの溶出抑制は不十分であり、比表面積(S/W)も考慮する必要があることを知見した。
上記の知見を基に、本願出願人は、比表面積(S/W)と冷却速度CVとの両方を適切に制御し、CV/(S/W)≧40とすることで塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10からの六価クロムの溶出値を環告14号の基準値である0.5mg/L−Cr6+以下に確実に抑制し、さらにはCV/(S/W)≧100とすることで、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であるスラグ10からの六価クロムの溶出値を環告46号の基準値である0.05mg/L−Cr6+以下に確実に抑制できることを想定するに至った。
[実験例]
次に、本実施形態のスラグ10からの六価クロム溶出抑制方法の実験例について、図と表を基に説明する。
まず、本実験例に際して、パラメータの定義について説明する。
本実験例は、環告14号及び、環告46号に準拠した方法で六価クロムの溶出量(mg/L)を計測した。環告14号に準拠した方法においては、0.5mm以上5mm以下の粒径の、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10からの六価クロムの溶出量を計測した。また、環告46号に準拠した方法においては、<2mmの粒径の、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10からの六価クロムの溶出量を計測した。
なお、六価クロムの溶出成分の定量方法については、ジフェニルカルバジド吸光光度法(JIS KO102の65.2.1)及び、ICP発光分析法(JIS KO102の65.2.4)を採用している。
表1に示すように、本実験例においては、組成が異なる8種類の、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10(電気炉酸化スラグ)を用いて、所定量のスラグ10を白金坩堝に装入した後、Ar雰囲気中の雰囲気炉にて加熱し、溶融状態にしてから大気雰囲気下で、所定の冷却条件で冷却したスラグ10の六価クロムの溶出量を計測した。
なお、雰囲気炉内の、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の温度を測温するに際しては、予めPt−Rh熱電対で測温した雰囲気炉内温度とサーモグラフィーで測温した雰囲気炉内温度が、5回の測定の平均値でほぼ等しくなるように調整したサーモグラフィーで測温した。また、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の酸化表面積Sは、スラグが白金坩堝内へ広がった面積としている。
なお、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の酸化表面積Sは、当該スラグ10の排滓時に冷却ヤード9内に広がった面積でも適用できる。加えて、冷却ヤード9内に広がった面積を、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の酸化表面積Sとした場合は、当該スラグ10の冷却速度CVはサーモグラフィーなどを用いてそのスラグ10の表面温度を測定し、その表面温度の経時変化より算出する。
表1A,B,D〜Hのスラグ10は、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上であり、本発明の対象材である。なお、表1Cのスラグは、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.1であり、参考例として挙げている。
表2は、組成が異なる8種類のスラグ10を用いた本実験例の結果を、まとめたもので
ある。
まず、表2に示す本実験例の結果について、説明する。
比較例1,2では、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上(表1Aのスラグ)のスラグ10において、CV/(S/W)が40より小さいため、環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告14号の六価クロムの溶出量が基準値(0.5mg/L−Cr6+)を超過していることがわかる。
一方で、実施例1,3では、CV/(S/W)が40以上であるため、六価クロムの溶出量は上記の環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告14号の0.5(mg/L)以下であることがわかる。
さらには、実施例2では、CV/(S/W)が100以上であるため、六価クロムの溶出量は環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告46号の0.05(mg/L)以下であることがわかる。
上記の試験結果より、同じ冷却速度CVで比表面積(S/W)が小さいと、六価クロムの溶出量が少なくなることがわかる。
また、比較例4と実施例4を比較すると、比較例4では、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10において、同一の比表面積(S/W)で冷却速度CVが小さい(異なる)場合、CV/(S/W)が40より小さいため、環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、六価クロムの溶出量は環告14号の基準値(0.5mg/L−Cr6+)を超過していることがわかる。
一方で、実施例4では、同一の比表面積であっても、冷却速度CVが大きい場合、CV/(S/W)が40以上の結果となり、六価クロムの溶出量は環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告14号の0.5(mg/L)以下であることがわかる。
さらには、実施例5〜8では、CV/(S/W)が100以上の結果となり、六価クロムの溶出量は環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告46号の0.05(mg/L)以下であることがわかる。
ここで、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10を用いた、実施例4と比較例6及び、実施例5と比較例7をそれぞれ比較すると、比較例6、比較例7においては、実施例4と実施例5の場合と冷却速度CVが同じにも関わらず、比表面積(S/W)が大きく、CV/(S/W)が40より小さくなると、環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、六価クロムの溶出量は環告14号の基準値(0.5mg/
L−Cr6+)を超過していることがわかる。
例えば、冷却速度CVが4(℃/min)の場合、実施例4では、六価クロム溶出量は、環告14号の溶出試験で0.47(mg/L)、環告46号の溶出試験で0.49(mg/L)であり、環告14号の溶出基準値以下となっている。一方、比較例6では、六価クロム溶出量は環告14号の溶出試験で10.2(mg/L)、環告46号の溶出試験で10.4(mg/L)であり、環告14号および環告46号の溶出基準値を超過していることがわかる。
また、冷却速度CV=10(℃/min)の場合、実施例5では、六価クロム溶出量は、環告14号の溶出試験で0.04(mg/L)、環告46号の溶出試験で0.05(mg/L)であって環告14号および環告46号の溶出基準値以下となっている。
一方、比較例6では、六価クロム溶出量は、環告14号の溶出試験で2.4(mg/L)、環告46号の溶出試験で及び2.5(mg/L)であって、環告14号および環告46号の溶出基準値を超過していることがわかる。
つまり、実施例4,5と比較例6,7の比較結果より、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10において、冷却速度CVが同じであっても、比表面積(S/W)を小さくし、CV/(S/W)を40以上にすると、六価クロムの溶出量は環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告14号の0.5(mg/L)以下であることがわかる。
また、実施例1〜9では、CV/(S/W)が40以上の結果となり、六価クロムの溶出量は環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告14号の0.5(mg/L)以下であることがわかる。
さらには、実施例2,5〜8,11〜14では、CV/(S/W)が100以上となり、六価クロムの溶出量は環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、環告46号の0.05(mg/L)以下であることがわかる。
一方で、比較例1〜7では、CV/(S/W)が40より小さくなるため、環告14号、環告46号の溶出試験方法を問わず、六価クロムの溶出量は環告14号の基準値(0.5mg/L−Cr6+)を超過していることがわかる。
加えて、比較例8〜11、参考例1,2では、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10(比較例8〜11、表1A,Bのスラグ)と、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5未満のスラグ(参考例1,2、表1Cのスラグ)を比較すると、CV/(S/W)の値が同じにも関わらず、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10では、環告14号の溶出基準値(0.5mg/L−Cr6+)および環告46号の溶出基準値(0.05mg/L−Cr6+)を超過することから、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10は六価クロムが溶出しやすくなるといえる。
つまり、比較例及び参考例の結果から、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10に対しては、比表面積(S/W)と、スラグ10の冷却速度CVとを制御した厳密な六価クロムの溶出抑制方法が必要であると見出せる。
なお、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以下のスラグ10については、冷却速度CVあるいは、比表面積(S/W)を制御することで、環告14号および環告46号溶出試験における六価クロムの溶出量を環告14号の溶出基準値(0.5mg/L−Cr6+)および環告46号の溶出基準値(0.05mg/L−Cr6+)の基準値以下にすることができる。
また、実施例12〜14では、スラグ10中のCrの量に関わらず、CV/(S/W)≧40以上、且つ、CV/(S/W)≧100以上であるため、環告14号の溶出試験における六価クロムの溶出量は環告14号溶出基準値(0.5mg/L−Cr6+)以下となり、且つ、環告46号の溶出試験における六価クロムの溶出量は環告46号溶出基準値(0.05mg/L−Cr6+)以下となり、各基準値を満足できていることがわかる。
さらには、実施例15,16では、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10におけるスラグ重量が大きい値であっても、また酸化面積Sが大きい値であっても、CV/(S/W)≧40となるように当該スラグ10を冷却することで、環告14号における六価クロムの溶出量を環告14号の基準値(0.5mg/L)以下とすることが可能となる。さらに、CV/(S/W)≧100となるように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10を冷却することで、環告46号における六価クロムの溶出量を環告46号の基準値(0.05mg/L)以下とすることが可能となる。
なお、この実施例15,16は実機スケールを模擬しており、実機スケールにおける、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の酸化面積は、当該スラグ10が冷却ヤード9へ広がった面積としている。加えて、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の冷却速度CVは、サーモグラフィーなどを用いて当該スラグ10の表面温度を測定し、その表面温度の経時変化より算出している。
以上、実施例1〜16の結果より、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10中のCrの量に関わらず、さらにはスラグ重量Wや酸化面積Sに関わらず、CV/(S/W)≧40となるように当該スラグ10を冷却することで、環告14号における六価クロムの溶出量を環告14号の基準値(0.5mg/L)以下とすることが可能となる。さらに、CV/(S/W)≧100となるように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10を冷却することで、環告46号における六価クロムの溶出量を環告46号の基準値(0.05mg/L)以下とすることが可能となる。
すなわち、CV/(S/W)≧40となるように、好ましくは、CV/(S/W)≧100となるように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10を溶融状態から600℃になるまで冷却することは非常に有効な手段であるといえる。
次に、CV/(S/W)と六価クロムの溶出量の関係を、図6〜図9に基づいて説明する。
図6は、CV/(S/W)と六価クロムの溶出量の関係(環告14号の溶出試験)を示す図であり、図7は図6の部分拡大図である。
図6、図7に示すように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の冷却速度CV及び比表面積(S/W)を考慮したパラメータ、すなわちCV/(S/W)≧40を用いて当該スラグ10を溶融状態から600℃になるまで冷却すると、六価クロムが生成しやすいという厳しい条件である塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10においても、リサイクル時における六価クロムの溶出量を抑制する、すなわち水底土砂判定基準(環告14号)を遵守することが可能となる。なお、図6、図7中の線の傾向から外れているプロットは、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以下のスラグ10である。
図8は、CV/(S/W)と六価クロムの溶出量の関係(環告46号の溶出試験)を示す図であり、図9は図8の部分拡大図である。
図8、図9に示すように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の冷却速度CV及び比表面積(S/W)を考慮したパラメータ、すなわちCV/(S/W)≧100を用いて当該スラグ10を溶融状態から600℃になるまで冷却すると、六価クロムが生成しやすいという厳しい条件である塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10においても、路盤材などのリサイクル時における六価クロムの溶出量を抑制する、すなわち土壌環境基準(環告46号)を満足することが可能となる。なお、図6、図7中の線の傾向から外れているプロットは、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以下のスラグ10である。
以上をまとめると、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の排滓時の冷却過程に際し、当該スラグ10の比表面積(S/W)と冷却速度CVとを同時に制御する、すなわちCV/(S/W)≧40となるように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10を溶融状態から600℃になるまで冷却することで、六価クロムの溶出量を0.5(mg/L)以下とすることができる。さらに好ましくは、CV/(S/W)≧100となるように、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10を溶融状態から600℃になるまで冷却することで、六価クロムの溶出量を0.05(mg/L)以下とすることができる。このようにすることで、リサイクル時における六価クロム(有害元素)の溶出量を抑制することが可能となり、環境安全性に優れた資材を製造することができる。
本発明の六価クロム溶出抑制方法によれば、リサイクル時に必要となる塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の環境基準を満足させることが可能となる。また、クロムを含む塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10(鉄鋼副産物)の再利用を促進させて、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の処理費用の削減を図ると共に、塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上のスラグ10の有効利用を可能とする。それ故、産業廃棄物量の削減が可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
例えば、本実施形態では、電気炉において精錬する際に生成される鉄鋼副産物である電気炉酸化スラグを例示して説明したが、製鉄所において様々な精錬処理で生成される鉄鋼副産物、例えば、脱炭スラグ、溶銑脱燐スラグ、溶銑脱硫スラグ、溶銑脱珪スラグ、取鍋精錬スラグ、その他クロムを含み塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上である物質においても本発明は適用可能である。
1 電気炉
2 溶湯
3 容器本体
4 蓋体
5 排サイ口
6 出鋼口
7 ランス
8 電極
9 冷却ヤード
10 電気炉酸化スラグ

Claims (2)

  1. 塩基度(wt%CaO/wt%SiO)が2.5以上で且つクロムを含有するスラグを排滓するにあたり、
    前記スラグが雰囲気と接触する面積Sと当該スラグの重量Wとの比(S/W)と、当該スラグの冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧40となるように、前記スラグを溶融状態から600℃まで冷却することで、リサイクル時に前記スラグからの六価クロムの溶出を抑制する
    ことを特徴とするスラグからの六価クロム溶出抑制方法。
  2. 前記スラグが雰囲気と接触する面積Sと当該スラグの重量Wとの比(S/W)と、当該スラグの冷却速度CVとの関係が、CV/(S/W)≧100となるように冷却する
    ことを特徴とする請求項1に記載のスラグからの六価クロム溶出抑制方法。
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