JP2017222917A - Cr含有スラグの六価クロム溶出抑制方法 - Google Patents

Cr含有スラグの六価クロム溶出抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Cr含有スラグに対し、スラグの排滓時の冷却過程に際し、スラグが大気との接触を遮断可能となるように制御することで、Cr含有スラグの高温酸化を確実に抑制する。
【解決手段】本発明にかかるCr含有スラグの六価クロム溶出抑制方法は、Crを含有するスラグ10を冷却するに際して、前記スラグが大気と接触する部分の全面を被覆するように大気遮断剤12を装入するにあたり、大気遮断剤12の最大粒径(D[mm])、大気遮断剤12の均等係数(UC)、大気遮断剤12の曲率係数(UC’)、大気遮断剤12の厚み(h1[mm])との関係を、D≦40、UC>5、1≦UC’≦UC^0.5、h1×UC≧50とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、リサイクル時にCr含有スラグ(含Cr鉄鋼副産物)から六価クロムが溶出することを抑制できる六価クロム溶出抑制方法に関するものであり、再利用先で発生するスラグの環境基準を満足することで、Cr含有スラグの再利用を促進し、処理費用の削減を図ると共に、利材化を可能とするものである。
近年、廃棄物を低減するためや天然資源の枯渇等の問題から、製鋼などで生成されたスラグを土木資材や路盤材等に利用することが注目されている。スラグを土工用、路盤材として利用するためには、環境庁告示46号(以下、環告46号)に定められた土壌環境基準を満足する必要があり、六価クロムの溶出量は0.05mg/L以下とすることが定められている。
リサイクル時にスラグから六価クロムの溶出を抑制する技術としては、特許文献1〜特許文献3に開示された技術がある。これら特許文献1〜特許文献3では、排滓されたスラグの冷却条件や組成などを制御することで、六価クロムの溶出抑制が可能とされたスラグを製造している。
特許文献1は、含クロム鋼をAODまたはVODで炉外精錬する時に発生するスラグについて、このスラグの塩基度をCaO/SiO2(以下、C/Sと記載する)>1.2に調整することによって、クロムの還元を導いて、三価のクロム酸化物Crが濃度を3.0wt%以下にし、その後、精錬後の含クロム溶鋼を、排滓後のスラグが大気にさらされる面積を示す、スラグ湯面面積(Sm)とスラグ容積(Vm)との比(S/Vm−1)が4以下である容器中に排滓する含クロム鋼精錬スラグの処理方法を開示する。
特許文献2は、Crを含むスラグにおいて、前記スラグに含まれる全Cr量に対するMgO・Crに含有されるCr量の割合を判断するCr量判断工程と、前記Cr量判断工程にて判断されたCr量の割合が50質量%未満である場合には、前記スラグが溶融状態となった溶融スラグを冷却する過程で、800℃以下に冷却されるまで非酸化性雰囲気とする第1の冷却工程と、前記Cr量判断工程にて判断されたCr量の割合が50質量%以上80質量%未満である場合には、前記溶融スラグを冷却する過程で、600℃以下に冷却されるまで非酸化性雰囲気とする第2の冷却工程と、を備えるCr含有スラグの処理方法を開示する。
特許文献3は、含クロム鋼を製造する際に発生した酸化スラグを再利用する方法において、
溶解精錬後の組成が、質量%で、CaO:35〜55%、SiO2:5〜20%、Al23:0.5〜15%、MgO:3〜15%、MnO:2〜15%、CaF2:0.05〜0.5%、T.Fe:10〜30%、Cr23:0.2〜6.0%であり、且つ、残部が不可避不純物である酸化スラグに対し、当該酸化スラグ中の酸化鉄にマンガン元素が固溶してなる鉱物相の量が、12.5質量%以上となるように、溶解精錬後の前記酸化スラグを冷却することで再利用するリサイクルスラグを生成する酸化スラグの再利用方法を開示する。
特開2008−81845号公報 特開2014−237556号公報 特開2011−174166号公報
上述した特許文献1は、クロム含有スラグの環境安全性確保を目的として、クロム含有スラグに対し、C/S>1.2とし、Cr濃度を3.0%以下にし、排滓時にS(湯面面積)/V(スラグ容積)が4以下である容器に排滓し、六価クロム生成を抑制するようにしている。
しかしながら、この技術は、不活性ガス雰囲気下においてスラグを冷却するため、リサイクルコストが嵩むこととなる。また、C/S>1.2かつCr濃度を3%以下に低減するためには、多量の添加剤が必要となり、この点においても、リサイクルコストが嵩むこととなる。
一方、特許文献2は、クロム含有スラグの環境安全性確保を目的とし、CrO含有スラグに対し、スラグに含まれる前Crに対するMgO・CrOに含有されるCr量の割合を判断するCr量判断工程により、Cr量が50質量%未満である場合には800℃、50質量%以上80質量%未満である場合には、600℃以下まで非酸化性雰囲気としている。
しかしながら、この技術は、不活性ガス雰囲気下においてスラグ冷却を行うため、リサイクルコストが嵩むことになる。また、大気遮断剤の使用に際して、粒径に制約(2mm以下のものを用いる)があるため、粒度調整が必要となり処理工程が増加し、コストの増加要因となる。加えて、大気遮断剤の厚さすなわち装入量について記載されておらず、大気遮断剤の厚さによっては、大気を完全に遮断できず六価クロムが溶出する虞がある。
特許文献3は、クロム含有スラグの環境安全性確保を目的とし、溶解精錬後の酸化スラグを冷却する工程において、酸化スラグの表面に酸化防止剤を添加し、六価クロムの溶出を抑制することにしている。
しかしながら、特許文献3においては、酸化防止剤の使用に際して、必要な装入量について記載されておらず、酸化防止剤の粒度分布によっては、過剰に装入している恐れがあり、高コストの要因となる虞がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、大気遮断剤の特性などを考慮した大気遮断方法を確立することで、六価クロム溶出抑制を実現可能とするリサイクルスラグを製造することを目的とする。具体的には、Cr含有スラグに対し、スラグの排滓時の冷却過程に際し大気との接触を遮断可能となるように制御することで、Cr含有スラグの高温酸化を確実に抑制し、リサイクルスラグにおける六価クロム溶出抑制を確実に抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明においては以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明にかかる含Crスラグの六価クロム溶出抑制方法は、Crを含有するスラグを冷却するに際して、前記スラグが大気と接触する部分の全面を被覆するように大気遮断剤を装入するにあたり、前記大気遮断剤の最大粒径(D[mm])、前記大気遮断剤の均等係数(UC)、前記大気遮断剤の曲率係数(UC’)、前記大気遮断剤の厚み(h1[mm])との関係が、以下の式を満たすことを特徴とする。
D≦40
UC>5
1≦UC’≦UC^0.5
h1×UC≧50
好ましくは、前記大気遮断剤が、Crを含まないスラグであるとよい。
本発明の技術によれば、六価クロム溶出の虞のあるスラグに対し、その排滓後の冷却過程において大気との接触を遮断可能となるように制御し、スラグの酸化を抑制することで、六価クロムの溶出抑制を実現でき、環境安全性に優れたリサイクル材とすることが可能となる。
均等係数UCと六価クロム溶出量との関係を示した図である(環告46号溶出試験)。 曲率係数UC’と六価クロム溶出量との関係を示した図である(環告46号溶出試験)。 大気遮断剤の高さ×均等係数の値と六価クロム溶出量との関係を示した図である(環告46号溶出試験)。 Cr含有スラグを冷却する方法を模式的に示した図である。
以下、本発明にかかるCr含有スラグ(含Cr鉄鋼副産物)の六価クロム溶出抑制方法の実施の形態を、図を基に説明する。
なお、本実施形態においては、電気炉にて、含クロム鋼を精錬処理する際に生成される電気炉酸化スラグ(以降、Cr含有スラグと呼ぶ)を例示して説明する。
まず、本実施形態のCr含有スラグ10からの六価クロム溶出抑制方法を説明する前に、電気炉1について、図を基に説明する。
図1は、ステンレス鋼などの含クロム鋼を製造する電気炉1を模式的に示したものである。図1に示すように、電気炉1は、内部に投入した冷鉄源を溶解すると共に、溶解した冷鉄源すなわち溶湯2(溶銑や溶鋼)を精錬するものであって、溶湯2を精錬する容器本体3と、この容器本体3を覆う蓋体4とを備えている。
容器本体3と蓋体4とは上下分離可能となっている。この容器本体3と蓋体4とによって、一方側(紙面、右側)に排滓口5が形成され、他方側(紙面、左側)に出鋼口6が形成されている。この排滓口5には、容器本体3内の溶湯に対して、酸素を吹き込むためのランス7を装入することができる。蓋体4等には、アークを発生させる単独もしくは複数の電極8(例えば、炭素電極)を通すための穴が設けられ、この電極8のアーク放電によって内部の冷鉄源を溶解するようになっている。
かかる構成の電気炉1では、電極8によるアーク放電によって、容器本体3内の冷鉄源及び副原料を加熱溶解して溶融状態とし、その溶湯2に対してランス7により酸素を吹き込むことにより、精錬処理を行い、鋼を製造する。
このように、電気炉1にて、精錬処理(脱炭処理)が行われた際には、Cr含有スラグ10が生成される。生成されたCr含有スラグ10は、土木資材、路盤材、コンクリート用骨材などにリサイクルされている。
しかしながら、路盤材や土工用途にリサイクルする場合には、土壌環境基準を遵守するように六価クロムイオンの溶出を抑制する必要がある。
上記の基準においては、六価クロムの溶出量の上限が定められている。具体的には、この六価クロムの溶出量は、土壌の汚染に係る環境基準である「環境庁告示46号」により定められている。「環境庁告示46号」においては、環境基本法(平成5年法律第91号)の第16条第1項において、土壌の汚染に係る環境上の条件につき、六価クロムの溶出量は0.05mg/L以下とすると定められている。
以下に、本実施形態のCr含有スラグ10からの六価クロム溶出抑制方法、すなわち、Cr含有スラグ10の冷却方法を、図を基に説明する。
図4は、本発明にかかるスラグ10の冷却方法を模式的に示したものである。
電気炉1による精錬終了後に、当該電気炉1から排滓されたCr含有スラグ10は、スラグパンやスラグポット11の中に装入されるようになる。その後、自然冷却により、常温となるまで冷却されるわけであるが、本発明の場合、スラグが大気と接触する部分の全面を被覆するように大気遮断剤12を装入している。
すなわち、図4に示すように、スラグポット11の中に、Cr含有スラグ10を装入し、そのCr含有スラグ10の上面全体を大気遮断剤12で覆うようにしている。これにより、空気中の酸素との接触が遮断された状態で、Cr含有スラグ10の冷却が進むこととなり、含CrスラグにおけるCrの酸化が抑制されることで、冷却後のCr含有スラグ10は六価クロムの溶出が抑制されたスラグとなる。
大気遮断剤12としては、スラグポット11内に存在するCr含有スラグ10と大気とを遮断するものであれば何でもよく、本実施形態では、非Cr含有スラグ(Crを含まないスラグ)を用いることとしている。大気遮断剤12として、砂や砂利などのCrを含まず非可燃性のものを採用することもできる。
しかしながら、大気遮断剤12として非Cr含有スラグを用いるだけでは、本願の作用効果を奏することができず、大気遮断剤12には、以下に述べる様々な条件を備えるものが用いられる。
まず、スラグパンやスラグポット11の中にCr含有スラグ10が装入され、その上面に、大気遮断剤12が装入されるが、装入完了時、Cr含有スラグ10の大気遮断剤の装入開始温度は、Cr含有スラグ10の酸化を抑制するために、好ましくは1200℃以上、より好ましくは1400℃以上であることが望ましい。
その上で、大気遮断剤12の最大粒径(D[mm])が、D≦40[mm]であるとよい。こうすることで、大気遮断剤12のハンドリング性(作業性)が著しく向上する。加えて、ハンドリング性の低下原因となる「粒径が2mm以下」の存在率は、50%以下、好ましくは30%以下、より好ましくは15%以下であるとよい。
また、大気遮断剤の大気遮断性すなわち充填性について検討したところ、均等係数UCと曲率係数UC’を適切な範囲に制御することが重要であることを知見した。これは、均等係数UCは1に近いほど粒度分布が単一粒度であることを意味するため、酸化防止剤としては、粒子間の空隙を充填することできるよう粒度分布に幅があった方が有効である。即ち、UCは大きい方が良いと言える。但し、均等係数だけでは充填性(大気遮断性)を精緻に評価できるものではなく、粒度分布のなだらかさ(中間粒度も存在)が必要である。このなだらかさを示す指標が曲率係数(UC’)であり、UC’は小さすぎても大きすぎても粒度が偏っていることを意味し、充填性が不足する。即ち、UC’を適正は範囲に制御することで充填性を向上させることが可能である。これらを踏まえて鋭意検討した結果、大気遮断剤12の均等係数(UC)、大気遮断剤12の曲率係数(UC’)、大気遮断剤12の厚み(h1)[mm]との関係を明らかにした。
すなわち、
・D≦40
・UC>5
・1≦UC’≦UC^0.5
・h1×UC≧50
を満たすように大気遮断剤12を装入している。
ここで、均等係数(UC)は、UC=D60/D10で求められ、曲率係数(UC’)はUC’=(D30)2/(D10×D60)で求められる。ここで、D60は粒径加積曲線において篩い通過質量百分率が60%に相当する粒径であり、D30は粒径加積曲線において篩い通過質量百分率が30%に相当する粒径であり、D10は粒径加積曲線において篩い通過質量百分率が10%に相当する粒径である。なお、粒径加積曲線とは、例えばJIS Z 8815 篩い分け試験などの粒度分布評価方法によって得られた粒度分布を示す曲線であり横軸が粒径(mm)、縦軸が篩いの通過百分率(%)を示したグラフである。
以上述べた関係を満足する大気遮断剤12を用いることで、Cr含有スラグ10の大気遮断を行うにあたり、大気遮断剤12の最大粒径が2mm以上であっても、大気遮断剤12の必要量を過不足なく決定出来るため、ハンドリング性に優れた六価クロムの溶出抑制を実現できる。
なお、大気遮断剤12により、確実にCr含有スラグ10と大気との接触を遮断するためには、2mm以下の粒径を用いるとの従来技術が存在するものの、本願発明は、従来の技術とは異なり、確実にCr含有スラグ10と大気との接触を遮断するために、適切な粒径、粒度分布(2mm以上の粒径)を持つ大気遮断剤12を用い、かつ均等係数UCに応じて、大気遮断剤12の厚さを一定以上に制御するものである。すなわち、大気遮断剤12は単純に添加すればよいのではなく、粒径、粒度分布特性、大気遮断剤12の被覆厚みなどの様々な条件を加味することで、微粒状のスラグを作るためのコストを削減した上で、対象材の塩基度やCr23の量などの組成によらず六価クロム溶出抑制が確実なものとされたリサイクルスラグを生成することが可能となる。
次に、本実施形態にかかるCr含有スラグ10(含Cr鉄鋼副産物)の六価クロム溶出抑制方法の実験例について、図と表を基に説明する。
まず、本実験例に際して、パラメータの定義について説明する。
粒径D[mm]は、JIS Z 8815「ふるい分け試験方法」に基づき、評価することとしている。また、均等係数UCは、大気遮断剤の粒度分布の幅を示す指標であり、UC=D60/D10で算出される。D60,D10については、前述の通りである。
曲率係数UC’は、大気遮断剤の粒度分布のなだらかさ(中間粒度も存在)示す指標であり、UC’=(D30)2/(D10×D60)で算出される。なお、ふるい分け試験によって、ある粒径(mm)のふるい目を通過した大気遮断剤の量の重量百分率(%)を縦軸に、粒径を対数目盛の横軸にしてプロットしたものを粒径加積曲線と呼び、このグラフにおいて、重量百分率にして10%通過粒径がD10であり、30%通過粒径がD30、60%通過粒径がD60として算出される。大気遮断剤12はCrやCrなどを含まないもので非可燃性であるものが好ましい。
本実験例は、環告46号に準拠した方法で六価クロムの溶出量(mg/L)を計測している。
表1は、本実験に使用したCr含有スラグ10の組成を示したものである。表2は、本実験例で使用した大気遮断剤12の組成を示したものである。なお、本実験で使用した大気遮断剤は表2に示されるような組成のCrを含まない製鋼スラグを用いている。
表3は、表1,2に記したCr含有スラグ及び大気遮断剤12を使用した実験例をまとめたものであり(実施例、比較例)、図1〜図3は、表3のデータをグラフ化したものである。
表3から明らかなように、例えば、実施例1などは、本願の請求項に記載した条件を全て満たすために、六価クロムの溶出量が0.01mg/L未満となっている。
一方で、比較例は、本願の請求項に記載した条件のいずれかを満たさないために、六価クロムの溶出量が環境庁告示46号を満たさないような状況となっている。例えば、比較例1は、大気遮断剤12の均等係数(UC)が5以下であり、且つh1×UCが50以下であるため、六価クロムの溶出量が0.13mg/L(>0.05mg/L)となっている。
比較例2は、大気遮断剤12の曲率係数(UC’)が1以下であるため、六価クロムの溶出量が0.15mg/L(>0.05mg/L)となっている。
比較例3は、大気遮断剤12の曲率係数(UC’)がUC^0.5以上であるため、六価クロムの溶出量が0.07mg/L(>0.05mg/L)となっている。
比較例4は、h1×UCが50以下であるため、六価クロムの溶出量が0.15mg/L(>0.05mg/L)となっている。
表3の比較例1、実施例1および実施例2をまとめた図1から明らかなように、均等係数UCが5以下になると、Cr含有スラグ10からの六価クロムの溶出量が基準値である0.05mg/Lを超過するため、大気遮断剤12に関しては、UC>5としている。
また、表3の比較例2、比較例3および実施例3をまとめた図2から明らかなように、曲率係数UC’が1より小さい値となったり、UC^0.5以上になると、Cr含有スラグ10からの六価クロムの溶出量が0.05mg/Lを越えるため、1≦UC’≦UC^0.5としている。
また、表3の比較例4、実施例4および実施例5をまとめた図3から明らかなように、h1×UCが50以下になると、Cr含有スラグ10からの六価クロムの溶出量が基準値である0.05mg/Lを超過するため、大気遮断剤12に関しては、h1×UC≧50を満たす厚みh1だけ、Cr含有スラグ10の上面に大気遮断剤12を覆い被せるようにする。なお、表3の実施例7〜13より、対象材の組成によらず六価クロムの抑制が可能であることは明らかである。
以上述べたように、Cr含有スラグ10を冷却するに際して、スラグが大気と接触する部分の全面を被覆するように大気遮断剤を装入するにあたり、大気遮断剤12の最大粒径(D[mm])、前記大気遮断剤12の均等係数(UC)、前記大気遮断剤12の曲率係数(UC’)、前記大気遮断剤12の厚み(h1[mm])との関係が所定の関係を満たすようにすることで、六価クロム溶出の虞のあるCr含有スラグ10に対し、その排滓後の冷却過程において、Cr含有スラグ10が大気との接触を遮断可能となるように制御し、Cr含有スラグ10の酸化を抑制することで、対象材の組成によらず六価クロムの溶出抑制を実現でき、環境安全性に優れた素材(リサイクルスラグ)とすることが可能となる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 電気炉
2 溶湯
3 容器本体
4 蓋体
5 排滓口
6 出鋼口
7 ランス
8 電極
10 Cr含有スラグ(電気炉酸化スラグ)
11 スラグポット
12 大気遮断剤

Claims (2)

  1. Crを含有するスラグを冷却するに際して、前記スラグが大気と接触する部分の全面を被覆するように大気遮断剤を装入するにあたり、
    前記大気遮断剤の最大粒径(D[mm])、前記大気遮断剤の均等係数(UC)、前記大気遮断剤の曲率係数(UC’)、前記大気遮断剤の厚み(h1[mm])との関係が、以下の式を満たす
    ことを特徴とするCr含有スラグの六価クロム溶出抑制方法。
    D≦40
    UC>5
    1≦UC’≦UC^0.5
    h1×UC≧50
  2. 前記大気遮断剤が、Crを含まないスラグであることを特徴とする請求項1に記載のCr含有スラグの六価クロム溶出抑制方法。
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