JP2016194669A - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】熱物性や機械物性を維持しつつ、TCT耐性に優れた硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供する。【解決手段】(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子と、(B)表面処理された無機フィラーと、(C)硬化性樹脂とを含み、前記(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子の硬化性反応基が、前記(C)硬化性樹脂と反応する基であることを特徴とする硬化性樹脂組成物等である。【選択図】なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物およびプリント配線板に関する。
プリント配線板のソルダーレジスト、層間絶縁層、カバーレイ等の永久塗膜を形成する材料として硬化性樹脂組成物が用いられている。近年、エレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に対応して、硬化性樹脂組成物にも作業性や高性能化が要求されている。例えば、電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い、半導体パッケージの小型化、多ピン化が実用化され、量産化が進んでいる。
このような高密度化に対応して、QFP(クワッド・フラットパック・パッケージ)、SOP(スモール・アウトライン・パッケージ)等と呼ばれるICパッケージに代わって、BGA(ボール・グリッド・アレイ)、CSP(チップ・スケール・パッケージ)等と呼ばれるICパッケージが登場した。このようなパッケージ基板のようにファインピッチの配線パターンを備えるプリント配線板においては、配線パターンが高密度に、互いに近接して形成されるため、配線パターンのライン間でショートやクロストークノイズが生じたりするおそれが高くなる。従って、このようなパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト等の永久塗膜には、特に高度な信頼性が求められる。
従来、信頼性の向上を目的として、コアシェルゴム粒子を硬化性樹脂組成物に配合する方法が知られている。例えば、特許文献1には、コアシェルゴム粒子を含有する硬化性樹脂組成物がTCT耐性(冷熱衝撃特性)に優れることが記載されている。また、従来、硬度等の特性を向上する目的として、硬化性樹脂組成物に、無機フィラーを配合することが知られている(例えば、特許文献2)。
特開2009−192632号公報 特開平8−335767号公報
上記のとおり、コアシェルゴム粒子はTCT耐性といった信頼性や引張り伸び率の向上を目的として配合される成分であるが、信頼性へ影響をおよぼす線膨張係数の上昇や引張り強度の低下を招く恐れがあった。そのため、硬化性樹脂組成物には無機フィラーを添加することにより、線膨張係数の低下や引張り強度を向上させてきた。しかし、このような硬化性樹脂組成物では満足するTCT耐性を維持することができなかった。
そこで本発明の目的は、熱物性や機械物性を維持しつつ、TCT耐性に優れた硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供することにある。
本発明者等は上記を鑑み鋭意検討した結果、コアシェルゴム粒子と無機フィラーを含有する硬化性樹脂組成物において、コアシェルゴム粒子を硬化系に取り込み、かつ、表面処理された無機フィラーを用いることによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子と、(B)表面処理された無機フィラーと、(C)硬化性樹脂とを含み、前記(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子の硬化性反応基が、前記(C)硬化性樹脂と反応する基であることを特徴とするものである。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(C)硬化性樹脂が(C−1)熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(C−2)光硬化性樹脂を含有することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(B)表面処理された無機フィラーが(C−2)光硬化性樹脂と反応する硬化性反応基を表面に有することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(B)表面処理された無機フィラーが、シランカップリング剤で表面処理された無機フィラーであることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに、(D)光重合開始剤および(E)光塩基発生剤のうちから選ばれる少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(B)表面処理された無機フィラーの大きさが、平均粒子径で2μm以下であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記(B)表面処理された無機フィラーの含有量が組成物中の固形分の全量あたり20〜80質量%であることが好ましい。
本発明のドライフィルムは、前記硬化性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするものである。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物または前記ドライフィルムの樹脂層を、硬化して得られることを特徴とするものである。
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、熱物性や機械物性を維持しつつ、TCT耐性に優れた硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物、該組成物から得られる樹脂層を有するドライフィルム、該組成物または該ドライフィルムの樹脂層の硬化物、および、該硬化物を有するプリント配線板を提供することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子(以下、「(A)コアシェルゴム粒子」とも称する)と、(B)表面処理された無機フィラー(以下(B)無機フィラーとも称する)と、(C)硬化性樹脂とを含み、前記(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子の硬化性反応基が、前記(C)硬化性樹脂と反応する基であることを特徴とするものである。通常、硬化成分以外の成分は、硬化反応には加わらないことから、硬化反応後は架橋ネットワークを有する樹脂に囲まれた状態で硬化物に内包されるため、架橋ネットワークを有する樹脂との間には界面が生じる。詳しいメカニズムは明らかではないが、コアシェルゴム粒子を硬化物が含有する場合、このような界面が応力発生時の弱点となり、これに起因してクラックが発生すると考えられ、本発明においては、硬化性樹脂とコアシェルゴム粒子の架橋ネットワークを形成し、硬化系に取り込むことにより、このような界面に起因するクラックが発生しづらくなり、TCT耐性が向上すると考えられる。また、表面処理された無機フィラーを用いることによって樹脂との濡れ性を向上させることが可能であり、架橋ネットワークを有する樹脂との間に界面が生じづらくなり、TCT耐性が向上すると考えられる。
また、(B)表面処理された無機フィラーが(C)硬化性樹脂と反応する硬化性反応基を有することが好ましい。これによって、(B)表面処理された無機フィラーも硬化系に取り込まれ、よりクラックが発生しづらくなるからである。表面処理の種類としては、表面処理の容易性からシランカップリングで処理されることが好ましい。
本願明細書において硬化性反応基とは、硬化性樹脂が有する硬化性の官能基(熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂が有するエポキシ基等や光硬化性樹脂であるアクリレート化合物のアクリル基等)と反応する基を意味し、硬化性の官能基も含む概念である。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(C)硬化性樹脂は熱硬化性樹脂であっても光硬化性樹脂であってもよい。例えば、(C)硬化性樹脂として熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含有する場合は、(A)コアシェルゴム粒子が硬化性反応基としてエポキシ基と硬化反応する基を有すれば、硬化系に取り込むことができる。(B)無機フィラーが硬化性反応基を有する場合も同様である。
具体的な例としては、硬化性樹脂組成物が、エポキシ基を有する(A)コアシェルゴム粒子、エポキシ基を有する(B)無機フィラー、および、(C)硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂である場合、加熱によって各成分のエポキシ基が化学結合を開始し、(A)コアシェルゴム粒子および(B)無機フィラーが硬化系に取り込まれた硬化物を得ることができる。
また、(C)硬化性樹脂は硬化性の官能基の他に1種以上の硬化性反応基を有していてもよい。さらに、(C)硬化性樹脂は2種以上含まれていてもよい。具体的な例としては、硬化性樹脂組成物が、エポキシ基を有する(A)コアシェルゴム粒子、エチレン性不飽和結合を有する(B)無機フィラー、および、(C)硬化性樹脂としてエチレン性不飽和結合を有するカルボキシル基含有樹脂およびエポキシ樹脂を含有する場合、光照射によって(B)無機フィラーのエチレン性不飽和結合と(C)硬化性樹脂のエチレン性不飽和結合が化学結合を開始し、(B)無機フィラーが硬化系に取り込まれる。その後、加熱によって(A)コアシェルゴム粒子のエポキシ基並びに(C)硬化性樹脂のカルボキシル基およびエポキシ樹脂が化学結合を開始し、(A)コアシェルゴム粒子が硬化系に取り込まれる。
クラック耐性をさらに向上させるために、(A)コアシェルゴム粒子と(B)無機フィラーの粒子径を限りなく一次粒径に近づけることが好ましい。
次に、本発明の硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
[(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子]
コアシェルゴム粒子とは、互いに異なる組成のコア層と、それを覆う1以上のシェル層と、で構成される多層構造のゴム材料を指す。コアシェルゴム粒子として、後述するように、コア層を柔軟性に優れた材料で構成し、シェル層を他の成分に対する親和性に優れた材料で構成することにより、ゴム成分の配合による低弾性率化を達成しつつ、分散性が良好となる。
コア層の構成材料としては、柔軟性に優れた材料が用いられる。具体的には、シリコーン系エラストマー、ブタジエン系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーン/アクリル系複合系エラストマーなどが挙げられる。
一方、シェル層の構成材料としては、他の成分に対する親和性に優れた材料が用いられる。例えば、硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂を含有する場合は、エポキシ樹脂に対する親和性に優れた材料で構成したシェル層を有するコアシェルゴム粒子を用いることが好ましい。より好ましくは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂である。
(A)コアシェルゴム粒子が表面に有する硬化性反応基は(C)硬化性樹脂と硬化反応する基であれば特に限定されず、熱硬化性反応基であっても光硬化性反応基であってもよい。また、(A)コアシェルゴム粒子は2種以上の硬化性反応基を有していてもよい。
熱硬化性反応基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、イミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等が挙げられる。より好ましくは、エポキシ基である。
光硬化性反応基としては、ビニル基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基等が挙げられる。フィラー含有量が多量の場合であっても反応性が適当になるため、メタクリル基、アクリル基であることが好ましい。
(A)コアシェルゴム粒子が表面に有する硬化性反応基の導入方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いて導入すればよい。例えば、コア層の周囲にシェル層を形成する際に、シェル層の構成材料として、コア層と重合反応するための官能基とは異なる硬化性反応基を有する材料をコア層に重合することによって導入することができる。
(A)コアシェルゴム粒子の市販品としては、ロームアンドハース社製パラロイドELX2655、日本合成ゴム社製XER−91等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(A)コアシェルゴム粒子は、平均粒径が2μm以下であることが、クラック耐性により優れることから好ましい。より好ましくは、0.01〜1μmである。尚、本明細書において、平均粒径とは日機装社製マイクロトラック粒度分析計を用いて測定したD50の値である。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(A)コアシェルゴム粒子の含有量が組成物中の固形分中の有機成分あたり1〜30質量%であることが好ましい。1質量%以上だと、クラック耐性がより優れる点で好ましい。一方、30質量%以下だと、印刷性、および、現像性に優れる点で好ましい。より好ましくは、3〜20質量%である。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、発明の効果を損なわない範囲で、硬化性反応基を有しないコアシェルゴム粒子を含有してもよい。なお、ここで有機成分とはフィラー等の無機成分以外の固形全成分をいう。
[(B)表面処理された無機フィラー]
(B)無機フィラーの表面処理は特に限定されるものではなく、無機フィラーの表面に硬化性反応基を導入可能な表面処理が好ましい。
無機フィラーとしては、特に限定されず、公知慣用の充填剤、例えばシリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、水酸化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、亜鉛華等の無機フィラーを用いることができる。中でも、シリカが好ましく、表面積が小さく、応力が全体に分散するためクラックの起点になりにくいことから、球状シリカであることがより好ましい。
(B)無機フィラーは、(C)硬化性樹脂と反応する硬化性反応基を表面に有することが好ましい。硬化性反応基は、熱硬化性反応基でも光硬化性反応基でもよく、これらの例としては、前記(A)コアシェルゴム粒子で挙げた硬化性反応基が挙げられる。中でも、光硬化性反応基としては、メタクリル基、アクリル基、ビニル基が好ましく、熱硬化性反応基としては、エポキシ基が好ましい。また、(B)無機フィラーは2種以上の硬化性反応基を有していてもよい。
(B)無機フィラーの表面に硬化性反応基の導入方法は特に限定されず、公知慣用の方法を用いて導入すればよく、硬化性反応基を有する表面処理剤、例えば、硬化性反応基を有機基として有するカップリング剤等で無機フィラーの表面を処理すればよい。
(B)無機フィラーの表面処理としては、カップリング剤による表面処理が好ましい。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を用いることができる。中でも、シランカップリング剤が好ましい。
シランカップリング剤としては、(B)無機フィラーに、硬化反応性基を導入可能なシランカップリング剤が好ましい。熱硬化反応性基を導入可能なシランカップリング剤としては、有機基として、エポキシ基を有するシランカップリング剤、アミノ基を有するシランカップリング剤、メルカプト基を有するシランカップリング剤、イソシアネート基を有するシランカップリング剤が挙げられ、中でもエポキシ基を有するシランカップリング剤がより好ましい。光硬化反応性基を導入可能なシランカップリング剤としては、有機基として、ビニル基を有するシランカップリング剤、スチリル基を有するシランカップリング剤、メタクリル基を有するシランカップリング剤、アクリル基を有するシランカップリング剤が好ましく、中でもメタクリル基を有するシランカップリング剤がより好ましい。
また、硬化性反応基を有しない(B)無機フィラーとしては、例えば、アルミナ表面処理がされた無機フィラー等が挙げられる。
(B)無機フィラーは、表面処理された状態で本発明の硬化性樹脂組成物に配合されていればよく、表面未処理の無機フィラーと表面処理剤とを別々に配合して組成物中で無機フィラーが表面処理されてもよいが、予め表面処理した無機フィラーを配合することが好ましい。予め表面処理した無機フィラーを配合することによって、別々に配合した場合に残存しうる表面処理で消費されなかった表面処理剤によるクラック耐性等の低下を防ぐことができる。予め表面処理する場合は、溶剤に(B)無機フィラーを予備分散した予備分散液を配合することが好ましく、表面処理した無機フィラーを溶剤に予備分散し、該予備分散液を組成物に配合するか、表面未処理の無機フィラーを溶剤に予備分散する際に十分に表面処理した後、該予備分散液を組成物に配合することがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物において、(B)無機フィラーは、平均粒径が2μm以下であることが、クラック耐性により優れることから好ましい。より好ましくは、1μm以下である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(B)無機フィラーの他に、表面処理されていない無機フィラーを含有することができる。その場合、(B)無機フィラーは、(B)無機フィラーと表面処理されていない無機フィラーの総量あたり、30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。また、表面処理されていない無機フィラーは、球状シリカであることが好ましい。
(B)無機フィラーの配合量は、硬化性樹脂組成物の固形分の全量あたり20〜80質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましく、35〜60質量%であることがさらに好ましい。
[(C)硬化性樹脂]
(C)硬化性樹脂は、(C−1)熱硬化性樹脂でも(C−2)光硬化性樹脂であってもよい。また、(C)硬化性樹脂は、1種を単独で、または、2種以上を用いてもよい。
(C−1)熱硬化性樹脂としては、加熱により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。特に、本発明においては、エポキシ化合物およびオキセタン化合物を好適に用いることができ、これらは併用してもよい。
上記エポキシ化合物としては、1個以上のエポキシ基を有する公知慣用の化合物を使用することができ、中でも、2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのモノエポキシ化合物などのモノエポキシ化合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、ビフェニル−4,4’−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、具体的には、三菱化学社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC社製のエピクロン840、エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、新日鉄住金化学社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウケミカル日本社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、旭化成イーマテリアルズ社製のA.E.R.330、A.E.R.331、A.E.R.661、A.E.R.664等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL903、DIC社製のエピクロン152、エピクロン165、新日鉄住金化学社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウケミカル日本社製のD.E.R.542、住友化学社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、旭化成イーマテリアルズ社製のA.E.R.711、A.E.R.714等のブロム化エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER152、jER154、ダウケミカル日本社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC社製のエピクロンN−730、エピクロンN−770、エピクロンN−865、新日鉄住金化学社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、NC−3000、住友化学社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、旭化成イーマテリアルズ社製のA.E.R.ECN−235、ECN−299、新日鉄住金化学社製のYDCN−700−2、YDCN−700−3、YDCN−700−5,YDCN−700−7、YDCN−700−10、YDCN−704 YDCN−704A、DIC社製のエピクロンN−680、N−690、N−695(いずれも商品名)等のノボラック型エポキシ樹脂;DIC社製のエピクロン830、三菱化学社製jER807、新日鉄住金化学社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER604、新日鉄住金化学社製のエポトートYH−434;住友化学社製のスミ−エポキシELM−120等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;ダイセル社製のセロキサイド2021等の脂環式エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−933、ダウケミカル日本社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱化学社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂またはそれらの混合物;日本化薬社製EBPS−200、ADEKA社製EPX−30、DIC社製のEXA−1514等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjER157S等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱化学社製のjERYL−931等のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業社製のTEPIC等の複素環式エポキシ樹脂;日油社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;新日鉄住金化学社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄住金化学社製ESN−190、ESN−360、DIC社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日油社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂(例えば新日鉄住金化学社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられるが、これらに限られるものではない。これらの中でも、特に変色耐性に優れることよりビスフェノールA型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂またはそれらの混合物が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、オキセタン化合物について説明する。下記一般式(I)、
Figure 2016194669
(式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示す)により表されるオキセタン環を含有するオキセタン化合物の具体例としては、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亞合成社製OXT−101)、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(東亞合成社製OXT−211)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(東亞合成社製OXT−212)、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン(東亞合成社製OXT−121)、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(東亞合成社製OXT−221)などが挙げられる。さらに、フェノールノボラックタイプのオキセタン化合物なども挙げられる。これらオキセタン化合物は、上記エポキシ化合物と併用してもよく、また、単独で使用してもよい。
(C−2)光硬化性樹脂としては、活性エネルギー線照射により硬化して電気絶縁性を示す樹脂であればよく、特に、本発明においては、分子中に1個以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物が好ましく用いられる。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、公知慣用の感光性モノマーである光重合性オリゴマー、光重合性ビニルモノマー等を用いることができる。また、光硬化性樹脂として、後述するようなエチレン性不飽和結合を有するカルボキシル基含有樹脂等のポリマーを用いることができる。
光重合性オリゴマーとしては、不飽和ポリエステル系オリゴマー、(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、フェノールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックエポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性ビニルモノマーとしては、公知慣用のもの、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン誘導体;酢酸ビニル、酪酸ビニルまたは安息香酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルイソブチルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−t−ブチルエーテル、ビニル−n−アミルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルビニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド類;トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリルなどのアリル化合物;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート類、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどのアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類;ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート類;トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートなどのイソシアヌルレート型ポリ(メタ)アクリレート類などが挙げられる。これらは、要求特性に合わせて、単独で、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。
(C)硬化性樹脂は、硬化性の官能基の他に1種以上の硬化性反応基を有していてもよく、例えば、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂等を用いることができる。このようなカルボキシル基含有樹脂はアルカリ可溶性を有し、本発明の硬化性樹脂組成物をアルカリ現像型の光硬化性樹脂組成物とすることができるため好ましい。
エチレン性不飽和結合を有するカルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、低級アルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物、および、上記のような感光性モノマーとの共重合により得られる、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。なお、低級アルキルとは、炭素原子数1〜5のアルキル基を指す。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物およびポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキシド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基およびアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその部分酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物およびジオール化合物の重付加反応による、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂。
(5)上記(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂。
(6)上記(2)または(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物など、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化した、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有ポリウレタン樹脂。
(7)上記のような多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させた、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。ここで、多官能エポキシ樹脂は固形であることが好ましい。
(8)2官能エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に2塩基酸無水物を付加させた、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。ここで、2官能エポキシ樹脂は固形であることが好ましい。
(9)上記のような2官能オキセタン樹脂にジカルボン酸を反応させ、生じた1級の水酸基に2塩基酸無水物を付加させた、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。
(10)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドとを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。
(11)1分子中に複数のフェノール性水酸基を有する化合物とエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート化合物とを反応させて得られる反応生成物に不飽和基含有モノカルボン酸を反応させ、得られる反応生成物に多塩基酸無水物を反応させて得られる、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。
(12)1分子中に複数のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、p−ヒドロキシフェネチルアルコール等の1分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と1個のフェノール性水酸基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和基含有モノカルボン酸とを反応させ、得られた反応生成物のアルコール性水酸基に対して、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、アジピン酸等の多塩基酸無水物を反応させて得られる、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかの樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなる、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂。
上記エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂の中でも、エポキシ樹脂を出発原料として用いていないカルボキシル基含有樹脂を好適に用いることができる。従って、上述したカルボキシル基含有樹脂の具体例のうち、(2)、(3)、(10)、(11)のいずれか1種以上のエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂を好適に用いることができる。中でも、(10)のエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂を用いることが特に好ましい。
このように、エポキシ樹脂を出発原料として用いないことにより、塩素イオン不純物量を例えば100ppm以下と非常に少なく抑えることができる。本発明において好適に用いられるエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂の塩素イオン不純物含有量は好ましくは0〜100ppm、より好ましくは0〜50ppm、さらに好ましくは0〜30ppmである。
上記したようなエチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数のカルボキシル基を有するため、アルカリ水溶液による現像が可能である。
また、エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂の酸価は、20〜200mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは40〜150mgKOH/gの範囲である。エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂の酸価が20mgKOH/g以上の場合には、塗膜の密着性が良好になり、アルカリ現像性が良好になる。一方、酸価が200mgKOH/g以下の場合には、表面硬化性に優れ、現像液による露光部の現像ダメージを低減することができる。
エチレン性不飽和基を有するカルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000であることが好ましい。重量平均分子量が2,000以上の場合では、指触乾燥性に優れた乾燥塗膜が得られる。一方、重量平均分子量が150,000以下の場合では、アルカリ現像性が良好になり、貯蔵安定性の良好となる。より好ましくは、5,000〜100,000である。
((D)光重合開始剤)
本発明の硬化性樹脂組成物は、(C)硬化性樹脂として(C−2)光硬化性樹脂を含有する場合は、(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。(D)光重合開始剤としては、光重合開始剤や光ラジカル発生剤として公知の光重合開始剤であれば、いずれのものを用いることもできる。
(D)光重合開始剤としては、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製IRGACURE819)等のビスアシルフォスフィンオキサイド類;2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルフォスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASFジャパン社製IRGACURE TPO)等のモノアシルフォスフィンオキサイド類;1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のヒドロキシアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾインアルキルエーテル類;ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル)−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アントラキノン、クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−アミノアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p−ジメチル安息香酸エチルエステル等の安息香酸エステル類;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル類;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(2−(1−ピル−1−イル)エチル)フェニル]チタニウム等のチタノセン類;フェニルジスルフィド2−ニトロフルオレン、ブチロイン、アニソインエチルエーテル、アゾビスイソブチロニトリル、テトラメチルチウラムジスルフィド等を挙げることができる。(D)光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でもモノアシルフォスフィンオキサイド類、オキシムエステル類が好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)がより好ましい。
(D)光重合開始剤の配合量は、(C−2)光硬化性樹脂の固形分100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましい。5質量部以上の場合、表面硬化性が良好となり、20質量部以下の場合ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。
((E)光塩基発生剤)
本発明の硬化性樹脂組成物は、(E)光塩基発生剤を含有することができる。
(E)光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、熱硬化反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
(E)光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましく、オキシムエステル化合物がより好ましく、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)がより好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。(E)光塩基発生剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この他、光塩基発生剤としては、カルバメート誘導体、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
その他の光塩基発生剤として、WPBG−018(商品名:9−anthrylmethyl N,N’−diethylcarbamate)、WPBG−027(商品名:(E)−1−[3−(2−hydroxyphenyl)−2−propenoyl]piperidine)、WPBG−082(商品名:guanidinium2−(3−benzoylphenyl)propionate)、 WPBG−140(商品名:1−(anthraquinon−2−yl)ethyl imidazolecarboxylate)等を使用することもできる。
さらに、前述した光重合開始剤の一部の物質が光塩基発生剤としても機能する。光塩基発生剤としても機能する光重合開始剤としては、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。この他、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する光重合開始剤も光塩基発生剤として用いることもできる。
(E)光塩基発生剤の配合量は、(C−2)光硬化性樹脂の固形分100質量部に対して0.5〜5質量部であることが好ましい。0.5質量部以上の場合、表面硬化性が良好となり、5質量部以下の場合ハレーションが生じにくく良好な解像性が得られる。
(硬化剤および熱硬化触媒)
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化剤および熱硬化触媒の少なくとも何れか1種を添加することができる。
硬化剤としては、多官能フェノール化合物、ポリカルボン酸およびその酸無水物、脂肪族または芳香族の一級または二級アミン、ポリアミド樹脂、イソシアネート化合物、ポリメルカプト化合物などが挙げられる。これらの中で、多官能フェノール化合物、並びに、ポリカルボン酸およびその酸無水物が、作業性、絶縁性の面から、好ましく用いられる。
また、熱硬化触媒は、エポキシ化合物およびオキセタン化合物等の熱硬化性樹脂と、硬化剤との反応において熱硬化触媒となり得る化合物、または、硬化剤を使用しない場合に重合触媒となる化合物である。硬化触媒としては、具体的には例えば、三級アミン、三級アミン塩、四級オニウム塩、三級ホスフィン、クラウンエーテル錯体、および、ホスホニウムイリドなどが挙げられ、これらの中から任意に、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(有機溶剤)
本発明の硬化性樹脂組成物には、組成物の調製や、基板やキャリアフィルムに塗布する際の粘度調整等の目的で、有機溶剤を含有させることができる。有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で、または二種類以上組み合わせて用いることができる。
(その他の任意成分)
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、電子材料の分野において公知慣用の他の添加剤を配合してもよい。他の添加剤としては、熱重合禁止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、老化防止剤、抗菌・防黴剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、密着性付与剤、チキソ性付与剤、着色剤、光開始助剤、増感剤、熱可塑性樹脂、有機フィラー、離型剤、表面処理剤、分散剤、分散助剤、表面改質剤、安定剤、蛍光体等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物およびアルカリ現像型の感光性熱硬化性樹脂組成物から選ばれる一種であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合は、(C)硬化性樹脂として(C−1)熱硬化性樹脂を含有し、(A)コアシェルゴム粒子および(B)表面処理された無機フィラーが熱硬化性反応基を有することが好ましい。また、(C−1)熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることがより好ましく、さらに(A)コアシェルゴム粒子および(B)表面処理された無機フィラーが熱硬化性反応基として、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、イソシアネート基を有することが好ましい。より好ましくはエポキシ基である。
本発明の硬化性樹脂組成物が光硬化性樹脂組成物である場合は、(C)硬化性樹脂として(C−2)光硬化性樹脂を含有し、さらに(D)光重合開始剤を含有する。(A)コアシェルゴム粒子が光硬化性反応基として、メタクリル基、アクリル基、ビニル基を有することが好ましい。より好ましくは、メタクリル基、またはアクリル基である。(B)表面処理された無機フィラーは光硬化性反応基を有することが好ましく、光硬化性反応基として、メタクリル基、アクリル基、ビニル基を有することが好ましい。より好ましくは、メタクリル基、またはアクリル基である。
本発明の硬化性樹脂組成物がアルカリ現像型の感光性熱硬化性樹脂組成物である場合は、(C)硬化性樹脂として(C−1)熱硬化性樹脂を含有し、さらに(C‐2)光硬化性樹脂および(D)光重合開始剤を含有することが好ましい。(C−1)熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂であることが好ましく、(C‐2)光硬化性樹脂はアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。(A)コアシェルゴム粒子が熱硬化性反応基として、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、イソシアネート基を有することが好ましい。より好ましくはエポキシ基である。(B)表面処理された無機フィラーは光硬化性反応基を有することが好ましく、光硬化性反応基として、メタクリル基、アクリル基、ビニル基を有することが好ましい。より好ましくは、メタクリル基またはアクリル基である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、ドライフィルム化して用いても液状として用いても良い。液状として用いる場合は、1液性でも2液性以上でもよい。
次に、本発明のドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより得られる樹脂層を有する。ドライフィルムを形成する際には、まず、本発明の硬化性樹脂組成物を上記有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整した上で、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等により、キャリアフィルム上に均一な厚さに塗布する。その後、塗布された組成物を、通常、40〜130℃の温度で1〜30分間乾燥することで、樹脂層を形成することができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、5〜150μm、好ましくは15〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等を用いることができる。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。より好ましくは15〜130μmの範囲である。
キャリアフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した後、膜の表面に塵が付着することを防ぐ等の目的で、さらに、膜の表面に、剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルムやポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができる。カバーフィルムとしては、カバーフィルムを剥離するときに、樹脂層とキャリアフィルムとの接着力よりも小さいものであればよい。
なお、本発明においては、上記カバーフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥させることにより樹脂層を形成して、その表面にキャリアフィルムを積層するものであってもよい。すなわち、本発明においてドライフィルムを製造する際に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布するフィルムとしては、キャリアフィルムおよびカバーフィルムのいずれを用いてもよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物を、例えば、上記有機溶剤を用いて塗布方法に適した粘度に調整して、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布した後、60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることで、タックフリーの樹脂層を形成することができる。また、上記組成物をキャリアフィルムまたはカバーフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により本発明の組成物の層が基材と接触するように基材上に貼り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂層を形成できる。
上記基材としては、あらかじめ銅等により回路形成されたプリント配線板やフレキシブルプリント配線板の他、紙フェノール、紙エポキシ、ガラス布エポキシ、ガラスポリイミド、ガラス布/不繊布エポキシ、ガラス布/紙エポキシ、合成繊維エポキシ、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネート等を用いた高周波回路用銅張積層板等の材質を用いたもので、全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、その他、金属基板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ガラス基板、セラミック基板、ウエハ板等を挙げることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用いて乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法およびノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
本発明の硬化性樹脂組成物が熱硬化性の場合は、例えば、100〜220℃の温度に加熱して熱硬化させることにより、耐熱性、耐薬品性、耐吸湿性、密着性、電気特性等の諸特性に優れた硬化皮膜(硬化物)を形成することができる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物が光硬性の場合は、本発明の硬化性樹脂組成物を塗布し、溶剤を揮発乾燥した後に得られた樹脂層に対し、露光(光照射)を行うことにより、露光部(光照射された部分)が硬化する。また、本発明の硬化性樹脂組成物が感光性熱硬化性であって光塩基発生剤を含有する場合は、露光部(光照射された部分)の塩基を活性化した後、加熱して露光部を深部まで硬化する。具体的には、接触式または非接触方式により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光、もしくは、レーザーダイレクト露光機により直接パターン露光する。未露光部を希アルカリ水溶液(例えば、0.3〜3質量%炭酸ソーダ水溶液)により現像することにより、レジストパターンを形成できる。
上記活性エネルギー線照射に用いられる露光機としては、高圧水銀灯ランプ、超高圧水銀灯ランプ、メタルハライドランプ、水銀ショートアークランプ等を搭載し、350〜450nmの範囲で紫外線を照射する装置であればよく、さらに、直接描画装置(例えば、コンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)も用いることができる。直描機のランプ光源またはレーザー光源としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるものでよい。画像形成のための露光量は膜厚等によって異なるが、一般には10〜1000mJ/cm、好ましくは20〜800mJ/cmの範囲内とすることができる。
上記現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類等のアルカリ水溶液が使用できる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、プリント配線板上に硬化皮膜を形成するために好適に使用され、より好適には、永久被膜を形成するために使用され、さらに好適には、ソルダーレジスト、層間絶縁層、カバーレイを形成するために使用される。また、本発明の硬化性樹脂組成物によれば、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができることから、クラック発生による不良の影響が大きいファインピッチの配線パターンを備えるプリント配線板、例えばパッケージ基板に用いられるソルダーレジスト等の永久塗膜の形成に好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」および「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
[光硬化性樹脂の合成例(ワニスC−2−1)]
温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置、および撹拌装置を備えたオートクレーブに、ノボラック型クレゾール樹脂(昭和電工社製、ショーノールCRG951、OH当量:119.4)119.4部、水酸化カリウム1.19部およびトルエン119.4部を仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、加熱昇温した。次に、プロピレンオキシド63.8部を徐々に滴下し、125〜132℃、0〜4.8kg/cmで16時間反応させた。その後、室温まで冷却し、この反応溶液に89%リン酸1.56部を添加混合して水酸化カリウムを中和し、不揮発分62.1%、水酸基価が182.2g/eq.であるノボラック型クレゾール樹脂のプロピレンオキシド反応溶液を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りアルキレンオキシドが平均1.08モル付加しているものであった。
得られたノボラック型クレゾール樹脂のアルキレンオキシド反応溶液293.0部、アクリル酸43.2部、メタンスルホン酸11.53部、メチルハイドロキノン0.18部およびトルエン252.9部を、撹拌機、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、110℃で12時間反応させた。反応により生成した水は、トルエンとの共沸混合物として、12.6部の水が留出した。その後、室温まで冷却し、得られた反応溶液を15%水酸化ナトリウム水溶液35.35部で中和し、次いで水洗した。その後、エバポレーターにてトルエンをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(カルビトールアセテート)118.1部で置換しつつ留去し、ノボラック型アクリレート樹脂溶液を得た。
次に、得られたノボラック型アクリレート樹脂溶液332.5部およびトリフェニルホスフィン1.22部を、撹拌器、温度計および空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を10ml/分の速度で吹き込み、撹拌しながら、テトラヒドロフタル酸無水物60.8部を徐々に加え、95〜101℃で6時間反応させ、冷却後、固形物の酸価88mgKOH/g、固形分65.8%のカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。以下、ワニスC−2−1と称する。
[光硬化性樹脂の合成例(ワニスC−2−2)]
冷却管、攪拌機を備えたフラスコに、ビスフェノールA 456部、水228部、37%ホルマリン649部を仕込み、40℃以下の温度を保ち、25%水酸化ナトリウム水溶液228部を添加した、添加終了後50℃で10時間反応した。反応終了後40℃まで冷却し、40℃以下を保ちながら37.5%リン酸水溶液でpH4まで中和した。その後静置し水層を分離した。分離後メチルイソブチルケトン300部を添加し均一に溶解した後、蒸留水500部で3回洗浄し、50℃以下の温度で減圧下、水、溶媒等を除去した。得られたポリメチロール化合物をメタノール550部に溶解し、ポリメチロール化合物のメタノール溶液1230部を得た。得られたポリメチロール化合物のメタノール溶液の一部を真空乾燥機中室温で乾燥したところ、固形分が55.2%であった。
得られたポリメチロール化合物のメタノール溶液500部、2,6−キシレノール440部を仕込み、50℃で均一に溶解した。均一に溶解した後50℃以下の温度で減圧下メタノールを除去した。その後シュウ酸8部を加え、100℃で10時間反応した。反応終了後180℃、50mmHgの減圧下で溜出分を除去し、ノボラック樹脂A 550部を得た。
更に、温度計、窒素導入装置兼アルキレンオキシド導入装置及び撹拌装置を備えたオートクレーブに、上記のノボラック樹脂Aを130部、50%水酸化ナトリウム水溶液2.6部、トルエン/メチルイソブチルケトン(質量比=2/1)100部を仕込み、撹拌しつつ系内を窒素置換し、次に加熱昇温し、150℃、8kg/cmでエチレンオキシド45部を徐々に導入し反応させた。反応はゲージ圧0.0kg/cmとなるまで約4時間を続けた後、室温まで冷却した。この反応溶液に3.3部の36%塩酸水溶液を添加混合し、水酸化ナトリウムを中和した。この中和反応生成物をトルエンで希釈し、3回水洗し、エバポレーターにて脱溶剤して、水酸基価が175g/eq.であるノボラック樹脂Aのエチレンオキシド付加物を得た。これは、フェノール性水酸基1当量当りエチレンオキシドが平均1モル付加しているものであった。
このように得られたノボラック樹脂Aのエチレンオキシド付加物175部、アクリル酸50部、p−トルエンスルホン酸3.0部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、トルエン130部を撹拌機、温度計、空気吹き込み管を備えた反応器に仕込み、空気を吹き込みながら攪拌して、115℃に昇温し、反応により生成した水をトルエンと共沸混合物として留去しながら、さらに4時間反応させたのち、室温まで冷却した。得られた反応溶液を5%NaCl水溶液を用いて水洗し、減圧留去にてトルエンを除去したのち、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを加えて、固形分68%のアクリレート樹脂溶液を得た。
次に、撹拌器および還流冷却器の付いた4つ口フラスコに、得られたアクリレート樹脂溶液312部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1部、トリフェニルホスフィン0.3部を仕込み、この混合物を110℃に加熱し、テトラヒドロ無水フタル酸45部を加え、4時間反応させ、冷却後、固形分70%、固形分酸価65mgKOH/gのカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。以下、ワニスC−2−2と称する。
[光硬化性樹脂の合成例(ワニスC−2−3)]
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製、EOCN−104S、エポキシ当量220g/eq)220部(1当量)、カルビトールアセテート140.1部、およびソルベントナフサ60.3部をフラスコに仕込み、90℃に加熱・攪拌し、溶解した。得られた溶液を一旦60℃まで冷却し、アクリル酸72部(1モル)、メチルハイドロキノン0.5部、トリフェニルホスフィン2部を加え、100℃に加熱し、約12時間反応させ、酸価が0.2mgKOH/gの反応物を得た。これにテトラヒドロ無水フタル酸80.6部(0.53モル)を加え、90℃に加熱し、約6時間反応させ、固形分酸価が85mgKOH/g、固形分65.8%のエチレン性不飽和結合を有するカルボキシル基含有樹脂溶液を得た。以下、ワニスC−2−3と称する。
[表面処理されたシリカの調整(B−1)]
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−20M)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、シランカップリング剤として信越化学工業社製KBM−503を2gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品B−1を得た。
[表面処理されたシリカの調整(B−2)]
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−20M)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、シランカップリング剤として信越化学工業社製KBM−5103を2gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品B−2を得た。
[表面処理されたシリカの調整(B−3)]
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−20M)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、シランカップリング剤として(信越化学工業社製KBM−402)を2gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品B−3を得た。
[表面処理された硫酸バリウムの調整(B−4)]
硫酸バリウム(堺化学工業社製B−30(アルミナ表面処理硫酸バリウム))を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、シランカップリング剤として信越化学工業社製KBM−503を2gとを均一分散させて、硫酸バリウム溶剤分散品B−4を得た。
[表面処理された硫酸バリウムの調整(B−5)]
硫酸バリウム(堺化学工業社製B−30(アルミナ表面処理硫酸バリウム))を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、分散剤としてBYK社製BYK−111を2gとを均一分散させて、硫酸バリウム溶剤分散品B−5を得た。
[表面処理されていないシリカの調整]
球状シリカ(電気化学工業社製SFP−20M)を70gと、溶剤としてPMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を28gと、分散剤剤としてBYK社製BYK−111を2gとを均一分散させて、シリカ溶剤分散品を得た。
[硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子をエポキシ樹脂に分散させたエポキシ分散品A−1の作製]
(硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子の作製)
ゴムラテックス1300g、および純水440gを、3リットルのガラス反応器に仕込み、この混合物を、窒素を導入下、攪拌しながら70℃まで加熱した。このゴムラテックスは、平均粒径0.1μmのポリブタジエン粒子480g、およびこのポリブタジエンを100質量%として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5質量%を含む。そこに、アゾイソブチロニトリル1.2gを加えた後、スチレン36g、メチルメタクリレート48g、アクリロニトリル24g、およびグリシジルメタクリレート12gの混合物を、3時間かけて添加した。その後、更に2時間攪拌して、コアシェルゴム粒子(ラテックス(L))を得た。ラテックス(L)の固形分は32%であった。また、ラテックス(L)中のコアシェル共重合体のゲル分率は98%であった。また、ラテックス(L)中のゴム粒子径は0.5μmであった。
(エポキシ分散品の作製)
メチルエチルケトン(MEK)340gを1リットルの槽に仕込み、上記で得たラテックス(L)273gを25℃で加えた。よく混合した後に、純水126gを添加し、攪拌しながら硫酸ナトリウム5質量%水溶液30gを添加した。攪拌を中止したところ、水相とMEK相とに分離した。水相を除去し、残ったMEK相にMEK90gを添加した後、攪拌しながら純水302gを添加し、さらに、硫酸ナトリウム5質量%水溶液30gを添加した。攪拌を中止したところ、水相とMEK相とに分離した。水相を除去し、残ったMEK相と、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER828:三菱化学社製、エポキシ当量189)204gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にコアシェル共重合体が分散した分散体を得た。この分散体100質量%は、60質量%のエポキシ樹脂、および40質量%のコアシェル共重合体からなる。なお、分散体のエポキシ当量は266であった。以下、エポキシ分散品A−1と称する。
ゴム粒子の分散の程度を調べる為に、この分散体にピペリジンを添加して120℃で16時間硬化させた。得られた硬化物の外観は透明であった。このことから、架橋ゴム粒子がエポキシ樹脂中に完全に一次分散していることが判る。
[硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子をエポキシ樹脂に分散させたエポキシ分散品A−2の作製]
(硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子の作製)
ゴムラテックス1300g、および純水440gを、3リットルのガラス反応器に仕込み、この混合物を、窒素を導入下、攪拌しながら70℃まで加熱した。このゴムラテックスは、平均粒径0.1μmのポリブタジエン粒子480g、およびこのポリブタジエンを100質量%として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5質量%を含む。そこに、アゾイソブチロニトリル1.2gを加えた後、スチレン36g、メチルメタクリレート48g、アクリロニトリル24g、およびグリシジルメタクリレート12gの混合物を、3時間かけて添加した。その後、更に2時間攪拌して、コアシェルゴム粒子(ラテックス(L))を得た。ラテックス(L)の固形分は32%であった。また、ラテックス(L)中のコアシェル共重合体のゲル分率は98%であった。また、ラテックス(L)中のゴム粒子径は0.5μmであった。
(エポキシ分散品の作製)
メチルエチルケトン(MEK)340gを1リットルの槽に仕込み、上記で得たラテックス(L)273gを25℃で加えた。よく混合した後に、純水126gを添加し、攪拌しながら硫酸ナトリウム5質量%水溶液30gを添加した。攪拌を中止したところ、水相とMEK相とに分離した。水相を除去し、残ったMEK相にMEK90gを添加した後、攪拌しながら純水302gを添加し、さらに、硫酸ナトリウム5質量%水溶液30gを添加した。攪拌を中止したところ、水相とMEK相とに分離した。水相を除去し、残ったMEK相と、エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER806:三菱化学社製、エポキシ当量165)204gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にコアシェル共重合体が分散した分散体を得た。この分散体100質量%は、75質量%のエポキシ樹脂、および25質量%のコアシェル共重合体からなる。なお、分散体のエポキシ当量は266であった。以下、エポキシ分散品A−2と称する。
ゴム粒子の分散の程度を調べる為に、この分散体にピペリジンを添加して120℃で16時間硬化させた。得られた硬化物の外観は透明であった。このことから、架橋ゴム粒子がエポキシ樹脂中に完全に一次分散していることが判る。
[硬化性反応基を表面に有しないコアシェルゴム粒子をエポキシ樹脂に分散させたエポキシ分散品R−1]
(コアシェルゴム粒子径の作製)
ゴムラテックス1300g、および純水440gを、3リットルのガラス反応器に仕込み、この混合物を、窒素を導入下、攪拌しながら70℃まで加熱した。このゴムラテックスは、平均粒径0.1μmのポリブタジエン粒子480g、およびこのポリブタジエンを100質量%として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5質量%を含む。そこに、アゾイソブチロニトリル1.2gを加えた後、スチレン36g、メチルメタクリレート48g、およびアクリロニトリル24gの混合物を、3時間かけて添加した。その後、更に2時間攪拌して、コアシェルゴム粒子(ラテックス(L))を得た。ラテックス(L)の固形分は32%であった。また、ラテックス(L)中のコアシェル共重合体のゲル分率は98%であった。また、ラテックス(L)中のゴム粒子径は0.5μmであった。
(エポキシ分散品の作製)
メチルエチルケトン(MEK)340gを1リットルの槽に仕込み、上記で得たラテックス(L)273gを25℃で加えた。よく混合した後に、純水126gを添加し、攪拌しながら硫酸ナトリウム5質量%水溶液30gを添加した。攪拌を中止したところ、水相とMEK相とに分離した。水相を除去し、残ったMEK相にMEK90gを添加した後、攪拌しながら純水302gを添加し、さらに、硫酸ナトリウム5質量%水溶液30gを添加した。攪拌を中止したところ、水相とMEK相とに分離した。水相を除去し、残ったMEK相と、エポキシ樹脂としてビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER806:三菱化学社製、エポキシ当量165)204gを混合した。この混合物から、回転式の蒸発装置で、MEKを除去した。このようにして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にコアシェル共重合体が分散した分散体を得た。この分散体100重量%は、75重量%のエポキシ樹脂、および25重量%のコアシェル共重合体からなる。なお、分散体のエポキシ当量は266であった。以下、エポキシ分散品R−1と称する。
ゴム粒子の分散の程度を調べる為に、この分散体にピペリジンを添加して120℃で16時間硬化させた。得られた硬化物の外観は透明であった。このことから、架橋ゴム粒子がエポキシ樹脂中に完全に一次分散していることが判る。
[実施例1〜22、比較例1〜6]
上記の樹脂溶液(ワニス)を、表1に示す種々の成分とともに表1に示す割合(質量部)にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルで混練し、硬化性樹脂組成物を調製した。尚、実施例1、2および比較例1、2は熱硬化性樹脂組成物、実施例3〜22および比較例3〜6はアルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物である。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
アルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、銅箔基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布した。これを乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、最適露光量にて、50mm×3mmの短冊状のネガマスクを通して露光を行った。その後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液を噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターンを得た。更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
熱硬化性樹脂組成物の場合は、銅箔基板上に50mm×3mmの短冊状のパターン印刷を行った。これを乾燥し、更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
上記により得られた評価基板の硬化被膜を銅箔より剥離し、評価を実施した。測定は、TMA測定装置(島津製作所社製TMA/SS6000)を用いて行い、Tgの評価を行った。判定基準は以下の通りである。
◎…145℃以上
○…140℃以上145℃未満
△…135℃以上140℃未満
×…135℃未満
<CTEの評価>
アルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、銅箔基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布した。これを乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、最適露光量にて、50mm×3mmの短冊状のネガマスクを通して露光を行った。その後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液を噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターンを得た。更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
熱硬化性樹脂組成物の場合は、銅箔基板上に50mm×3mmの短冊状のパターン印刷を行った。これを乾燥し、更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
上記により得られた評価基板の硬化被膜を銅箔より剥離し、評価を実施した。測定は、TMA測定装置(島津製作所社製TMA/SS6000)を用いて行い、CTEα1(0−50℃)を行った。判定基準は以下の通りである。
◎…40ppm未満
○…40ppm以上50ppm未満
△…50ppm以上60ppm未満
×…60ppm以上
<強靭性の評価>
アルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、銅箔基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布した。これを乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、最適露光量にて、80mm×10mmの短冊状のネガマスクを通して露光を行った。その後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液を噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターンを得た。更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
熱硬化性樹脂組成物の場合は、銅箔基板上に80mm×10mmの短冊状のパターン印刷を行った。これを乾燥し、更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
上記により得られた評価基板の硬化被膜を銅箔より剥離し、評価を実施した。測定は、引張試験機(島津製作所社製AGS-G 100N)を用いて行い、最大点応力または破断点伸び率について評価を行った。判定基準は以下の通りである。
◎…破断点伸び率6%以上
○…破断点伸び率4%以上6%未満
△…破断点伸び率2%以上4%未満
×…破断点伸び率2%未満
<TCT耐性の評価>
アルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、パッケージ基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布した。これを乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、最適露光量にて、銅パッド上にSRO(Solder Resist Opening)80μmの開口サイズでダイレクトイメージング露光を行った。その後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液を噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターンを得た。更に既定の条件で加熱して硬化した。その後、Auめっき処理、はんだバンプ形成、Siチップを実装し、評価基板を得た。
熱硬化性樹脂組成物の場合は、パッケージ基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布し、これを乾燥し、更に既定の条件で加熱して硬化した。その後、UVレーザー等によりSRO80μmの開口サイズを開け、硬化被膜のパターンを得た。その後、Auめっき処理、はんだバンプ形成、Siチップを実装し、評価基板を得た。
上記により得られた評価基板を、−65℃と150℃の間で温度サイクルが行われる冷熱サイクル機に入れ、TCT(Thermal Cycle Test)を行った。そして、600サイクル時、800サイクル時および1000サイクル時の硬化被膜の表面を観察した。判定基準は以下の通りである。
◎:1000サイクルで異常なし
○:800サイクルで異常なし、1000サイクルでクラック発生
△:600サイクルで異常なし、800サイクルでクラック発生
×:600サイクルでクラック発生
<PCT耐性の評価>
アルカリ現像型の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、パッケージ基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布した。これを乾燥し、室温まで放冷することにより、硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を形成した。これに対して、最適露光量にて、銅パッド上にSRO80μmの開口サイズでダイレクトイメージング露光を行った。その後、30℃の1wt%炭酸ナトリウム水溶液を噴射することにより現像を行い、硬化被膜のパターンを得た。更に既定の条件で加熱して硬化し、評価基板を得た。
熱硬化性樹脂組成物の場合は、パッケージ基板上に、硬化性樹脂組成物を全面塗布し、これを乾燥し、更に既定の条件で加熱して硬化した。その後、UVレーザー等によりSRO80μmの開口サイズを開け、硬化被膜のパターンを得た。
得られた評価基板を、PCT装置(エスペック社製HAST SYSTEM TPC−412MD)を用いて、121℃、飽和、0.2MPaの条件で168時間PCT(Pressure Cooker Test)を行った。そして、PCT後の塗膜の状態を評価した。判定基準は以下の通りである。
○:膨れ、剥がれ、変色、溶出のないもの
×:膨れ、剥がれ、変色、溶出が多く見られるもの
Figure 2016194669
Figure 2016194669
Figure 2016194669
Figure 2016194669
*1:上記で得たワニスC−2−1(カルボキシル基含有感光性樹脂のワニス)(固形分65.8%、カルボン酸当量790g/eq.)
*2:上記で得たワニスC−2−2(カルボキシル基含有感光性樹脂のワニス)(固形分70%、カルボン酸当量654g/eq.)
*3:上記で得たワニスC−2−3(カルボキシル基含有感光性樹脂のワニス)(固形分65.8%、カルボン酸当量668g/eq.)
*4:オキシムエステル類(BASFジャパン社製IrgOXE02:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム))
*5:アセトフェノン類(BASFジャパン社製Irg184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)
*6:モノアシルフォスフィンオキサイド類(BASFジャパン社製TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)
*7:Bis−A型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製jER828)
*8:フェノールノボラックエポキシ樹脂(ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社製DEN431:フェノールノボラックエポキシ樹脂)
*9:ナフタレン型フェノールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬社製NC−7000Lをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)で溶解、固形分60%)
*10:上記で作製した硬化性反応基を有するコアシェルゴム粒子(エポキシ分散品A−1:コアシェルゴム粒子をBis−A型エポキシ樹脂に均一分散。エポキシ反応基有。コアシェルゴム粒子40%。コアシェルゴム粒子径0.5μm)
*11:上記で作製した硬化性反応基を有するコアシェルゴム粒子(エポキシ分散品A−2:コアシェルゴム粒子をBis−F型エポキシ樹脂に均一分散。エポキシ反応基有。コアシェルゴム粒子25%。コアシェルゴム粒子径0.5μm)
*12:上記で作製した硬化性反応基を有しないコアシェルゴム粒子(エポキシ分散品R−1:コアシェルゴム粒子をBis−A型エポキシ樹脂に均一分散。エポキシ反応基無。コアシェルゴム粒子25%。コアシェルゴム粒子径0.5μm)
*13:エポキシ化ポリブタジエン(ダイセル社製PB3600)
*14:上記で調整した表面処理されたシリカ溶剤分散品B−1(球状シリカをPMAに均一分散。メタクリル表面処理。シリカ含有量70wt%(固形分)。シリカ平均粒径0.8μm)
*15:上記で調整した表面処理されたシリカ溶剤分散品B−2(球状シリカをPMAに均一分散。ビニル表面処理。シリカ含有量70wt%(固形分)。シリカ平均粒径0.8μm)
*16:上記で調整した表面処理されたシリカ溶剤分散品B−3(球状シリカをPMAに均一分散。エポキシ表面処理。シリカ含有量70wt%(固形分)。シリカ平均粒径0.8μm)
*17:上記で調整した表面処理された硫酸バリウム溶剤分散品B−4(硫酸バリウムをPMAに均一分散。メタクリル表面処理。硫酸バリウム含有量70wt%(固形分)。硫酸バリウム平均粒径0.5μm。
*18:上記で調整した表面処理された硫酸バリウム溶剤分散品B−5(硫酸バリウムをPMAに均一分散。アルミナ表面処理。硫酸バリウム含有量70wt%(固形分)。硫酸バリウム平均粒径(0.5μm))
*19:上記で調整した表面処理されていないシリカ溶剤分散品(球状シリカをPMAに均一分散。表面処理無。シリカ含有量70wt%(固形分)。シリカ平均粒径0.8μm)
上記表中に示す結果から、本発明の硬化性樹脂組成物の硬化物は、TCT耐性に優れることがわかる。また、Tg、CTE、強靭性およびPCT耐性を悪化させないこともわかる。一方、(B)無機フィラーにかえて表面処理されていない無機フィラーを含有する比較例1、3の硬化性樹脂組成物、(A)コアシェルゴム粒子にかえて硬化性反応基を有しないコアシェルゴム粒子を含有する比較例2、4の硬化性樹脂組成物、(A)コアシェルゴム粒子を含有しない比較例5の硬化性樹脂組成物、および、(A)コアシェルゴム粒子にかえて熱可塑性樹脂を含有する比較例6の硬化性樹脂組成物の硬化物は、TCT耐性に劣ることがわかる。

Claims (12)

  1. (A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子と、
    (B)表面処理された無機フィラーと、
    (C)硬化性樹脂とを含み、
    前記(A)硬化性反応基を表面に有するコアシェルゴム粒子の硬化性反応基が、前記(C)硬化性樹脂と反応する基であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(C)硬化性樹脂が(C−1)熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. さらに、(C−2)光硬化性樹脂を含有することを特徴とする請求項2記載の硬化性樹組成物。
  4. 前記(B)表面処理された無機フィラーが(C−2)光硬化性樹脂と反応する硬化性反応基を表面に有することを特徴とする請求項3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記(B)表面処理された無機フィラーが、シランカップリング剤で表面処理された無機フィラーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. さらに、(D)光重合開始剤および(E)光塩基発生剤のうちから選ばれる少なくともいずれか一方を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(B)表面処理された無機フィラーの大きさが、平均粒子径で2μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記(B)表面処理された無機フィラーの含有量が組成物中の固形分の全量あたり20
    〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を、フィルムに塗布、乾燥して得られる樹脂層を有することを特徴とするドライフィルム。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を、硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  11. 請求項9記載のドライフィルムの樹脂層を、硬化して得られることを特徴とする硬化物。
  12. 請求項10または11記載の硬化物を有することを特徴とするプリント配線板。
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