JP2016193961A - 表面処理カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

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【課題】短時間で表面酸化処理を完了できる、表面処理カーボンブラックの製造方法の提供。【解決手段】カーボンブラック、酸化剤、及び水を含有する分散液を、加圧下でマイクロ波照射により加熱して、カーボンブラックの表面処理を行うことを特徴とする、表面処理カーボンブラックの製造方法;前記加熱の時間は、60秒未満であることが好ましい;前記マイクロ波照射は、シングルモードキャビティを用いることが好ましい;製造された表面処理カーボンブラックは、インクジェットインク用であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、表面処理がなされたカーボンブラックの製造方法に関する。より具体的には、加圧下、及び酸化剤の存在下でマイクロ波照射により加熱を行うことで、表面が修飾され、水に良好に分散可能な表面処理カーボンブラックを製造する方法に関する。
カーボンブラックは黒色の印刷インキの顔料として広く用いられている。カーボンブラックをインクジェット用黒色顔料として用いる場合、インクジェットノズルの詰まりを防止するため、水を主成分とする分散液中で分散粒径として200nm以下に分散していることが求められる。しかしながら、カーボンブラックの表面には親水性基が極めて少なく、カーボンブラック自体が疎水性であることから、水に良好に分散させることが非常に困難である。
そこで、カーボンブラックの水分散性を向上させるため、カーボンブラックを酸化処理して表面に親水性基を導入することが試みられている。
従来、親水性基の導入は、カーボンブラックの表面を酸化処理することにより行われている。酸化処理としては、オゾン等の酸化性ガスとの反応による酸化、プラズマによる表面酸化、水中に分散したカーボンブラックと、次亜塩素酸、硫酸、硝酸、過酸化水素、過硫酸及びこれらの塩等の酸化剤とを反応させる液相反応による酸化等が行われている。なかでも、特別な設備を必要としない液相反応による酸化が頻繁に工業利用されている。
また、特許文献1には、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が120cm/100g以上であるカーボンブラック粒子表面に形成した酸性水酸基を、一価のカチオンと共に二価以上の価数を有する多価カチオンで中和して、良好な水分散性を有する表面処理カーボンブラック粒子を得ることが開示されている。
最近では、カーボンナノチューブ等の非対称性の分子構造を有する炭素類に対して、酸化剤の存在下でマイクロ波を照射し、炭素類の表面を修飾する方法が提案されている(特許文献2参照)。
国際公開第2012/121362号 特開2007−55863号公報
水に良好に分散するカーボンブラックを得るためには、カルボキシル基又はフェノール性水酸基の量の合計が400μmol/g以上であることが好ましいとされている。
しかしながら従来の液相反応による酸化では、上記のようなモル量の親水性基を有するカーボンブラックを得るためには数時間以上の反応時間が必要であった。特許文献1に記載の発明においても、前段の液相酸化処理には10時間の時間を要している。
また、特許文献2に記載の発明においても、反応時間は1〜30分であって、生産性向上の観点から、より短時間で反応を完結できる方法が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、短時間で表面酸化処理を完了できる、表面処理カーボンブラックの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、加圧下でマイクロ波照射を行ってカーボンブラックの表面処理を行うことにより短時間でカーボンブラックの酸化処理を完結できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有する表面処理カーボンブラックの製造方法に関する。
(1)カーボンブラック、酸化剤、及び水を含有する分散液を、加圧下でマイクロ波照射により加熱して、カーボンブラックの表面処理を行うことを特徴とする、表面処理カーボンブラックの製造方法。
(2)前記加熱の時間が60秒未満である、(1)の表面処理カーボンブラックの製造方法。
(3)前記マイクロ波照射が、シングルモードキャビティを用いる、(1)又は(2)の表面処理カーボンブラックの製造方法。
(4)製造された表面処理カーボンブラックがインクジェットインク用である、(1)〜(3)のいずれかの表面処理カーボンブラックの製造方法。
本発明の表面処理カーボンブラックの製造方法は、加圧下でマイクロ波照射を行ってカーボンブラックの表面処理を行うことにより、短時間でカーボンブラックの酸化処理を完結できることから、生産性に優れたものである。
マイクロ波照射装置の一例を示す模式構成図である。 マイクロ波照射装置の他例を示す模式構成図である。
本発明の表面処理カーボンブラックの製造方法は、カーボンブラック、酸化剤、及び水を含有する分散液を、加圧下でマイクロ波照射により加熱して、カーボンブラックの表面処理を行うものである。
・カーボンブラック
カーボンブラックは、炭化水素の熱分解、又は油やガスの不完全燃焼により製造される炭素の微粒子である。
本発明で原料として用いるカーボンブラックの平均粒子径は1〜200nmが好ましく、5〜100nmがより好ましく、5〜50nmがさらに好ましく、10〜30nmが特に好ましい。
本発明で原料として用いるカーボンブラックの、窒素吸収比表面積、着色力、DBP吸収量等は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
・酸化剤
本発明で用いる酸化剤は、カーボンブラックを液相中で良好に酸化し得るものであれば特に限定されるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜ハロゲン酸塩;過硫酸、硝酸、次亜塩素酸等の酸、等公知の酸化剤を用いることができる。
・分散液
本発明の分散液は、前記カーボンブラック、前記酸化剤、及び水を含有するものである。一般的に酸化剤として用いられる化合物は水に溶解性を示すため、分散液が水を含有することで分散液中に酸化剤を良好に溶解させることができ、酸化剤として機能させることができる。また、本発明では、加圧条件下でマイクロ波照射を行うため、水の沸点も上昇することから、常圧下における水の沸点である100℃を超えて、マイクロ波照射による加熱を行うことができる。
分散液中のカーボンブラックの含有量は特に限定されるものではないが、短時間で好適に処理を行う観点から、分散液全量に対するカーボンブラックの含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、0.8〜5質量%であることが特に好ましい。
また、分散液中の酸化剤の含有量は特に限定されるものではないが、例えば、0.5〜60質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましく、4〜15質量%であることが特に好ましい。
分散液は、加熱及びカーボンブラックの酸化処理を妨げない範囲で、カーボンブラック、酸化剤及び水以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、他の溶媒等が挙げられる。例えば、マイクロ波を吸収し得る溶媒を、水と組みわせて用いることにより、加熱を促進することができる。また、高沸点を有する溶媒を、水と組み合わせて用いることにより、加圧を弱めた場合にも、カーボンブラックを良好に加熱することが可能となる。具体的には、マイクロ波を吸収するエネルギーは下記式中のPによって示されるため、導電率や誘電損率の高い溶媒を用いることが好ましい。
Figure 2016193961
[式中、σは溶媒の電導率、fはマイクロ波の周波数、εは真空の誘電率、ε”は溶媒の誘電損率、Eは電界強度、μは真空の透磁率、μ”は溶媒の磁気損失、Hは磁場の強さを示す。]
このような溶媒として具体的には、電解質が溶解した水溶液;酸やアルカリ及びその水溶液;N−メチル―2−ピロリドン、N,N―ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の極性有機溶媒;また、エチルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのグリコール類、アセトンなどのケトン類、プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテ−トなどのグリコールエーテル類などが挙げられ、これらの1種以上を混合した溶媒も用いることができる。
溶媒を水と組わせて用いる場合の溶媒量としては、水100質量部に対して50質量部以下が好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
・表面処理方法
本発明では、前記分散液を、加圧下でマイクロ波照射により加熱することによって、カーボンブラックの表面処理を行う。カーボンブラックはマイクロ波を吸収し発熱するため、カーボンブラック表面が高温になり、酸化剤による酸化反応を促進することができる。一方、酸化剤を良好に溶解させる目的で溶媒に水を用いると、溶媒(水)が100℃で沸点に達してしまい、それ以上マイクロ波を照射することが困難となる。そこで本発明では、加圧を行いながらマイクロ波を照射することで、溶媒(水)が常圧下における沸点温度以上になった場合にもマイクロ波を照射し続けることが可能となり、溶媒の温度も高温になるので、反応時間を大幅に短縮することができる。
加圧時の圧力は、0.5〜10MPaが好ましく、0.8〜5MPaがより好ましく、1〜2MPaが特に好ましい。
表面処理方法は、加圧下でマイクロ波照射ができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、特開2010−207735号公報に挙げられるような定在波を用いたシングルモードキャビティを備えるマイクロ波照射装置において、さらに背圧弁等を設けて加圧を行う方法が挙げられる。
シングルモードキャビティは、金属製の円筒状の共振空間を有し、円筒の中心部分に反応管を置くことで、反応管に電界を局所的に集中できるものである。この反応管内にカーボンブラックを分散させた分散液を連続的に通液しながら、加圧下及び酸化剤の存在下でマイクロ波を照射することで、極めて短時間でカーボンブラックの表面処理(酸化処理)を完了させることができる。
マイクロ波照射により分散液及び分散液中のカーボンブラックが到達する温度は、カーボンブラックの酸化処理が良好に進行し得る温度であれば特に限定されるものではないが、50〜300℃であることが好ましい。
以下、図1を用いて、定在波を用いたシングルモードキャビティを備えるマイクロ波照射装置の一例を説明する。図1のマイクロ波照射装置は、マイクロ波発振器・制御器6、TM010キャビティ(キャビティ)2、送液ポンプ3、反応管7を備える。キャビティ2は、内部に円筒型の空間を有する金属製の空胴共振器である。キャビティ2の内部空間は、TM010と呼ばれる定在波が形成できるように、その内寸を適宜設定することができる。
キャビティ2の中心軸に沿って、キャビティ2を貫通するように、石英ガラス管、フッ素樹脂等から構成される反応管7が配される。照射するマイクロ波周波数が2.4〜2.5GHzの場合には、反応管7の内径は2.9mm以下が好ましく、0.1〜1.5mmがさらに好ましい。カーボンブラック分散液8が反応管7を流通できるように、片側に送液ポンプ3が配設される。反応管7の送液ポンプ3の配設方向と反対側には、流体の温度を計測できるように、温度計5として熱電対が配設される。また、キャビティ2内部の電界強度を計測するため、電界モニター4も配設される。さらに、背圧弁(図示省略)が反応管7の送液ポンプ3の配設方向と反対側に配設され、該背圧弁によって反応管7内の圧力を調整する。
マイクロ波発振器・制御器6から発生したマイクロ波は、マイクロ波照射口1を介して円筒型のキャビティ2に照射される。このとき、キャビティ2の内部にTM010の定在波が形成できるよう、マイクロ波の発振周波数又は円筒型キャビティ2の内径を、適宜調整する。
また、TM010の定在波の形成は、電界モニター4からの信号に基づき判断することができる。定在波が形成されていない場合には、マイクロ波発振器・制御器6から発振されるマイクロ波発振周波数を変化させるか、或いは、キャビティ2の内径を調整することにより、定在波が形成されるようフィードバック制御を行ってもよい。
本発明では、上述した図1のような、マイクロ波を分散液に均一かつ集中的に照射できるマイクロ波照射装置を用いることが好ましい。
電界を集中できる構造の電磁波照射空間のひとつとして、空胴共振器とよばれる空間を利用した、特定の定在波を安定に形成できる容器を用いる方法が知られているが、円筒型の空胴共振器(キャビティ)内に形成されたTM010定在波の電界強度分布を調べると、円筒の中心部に電界が集中していることが分かる。また、TM010の定在波を用いれば、円筒中心軸上の電界強度は、位置によらず一定である。すなわち、円筒内に形成したTM010の定在波を有する空胴共振器を用いることにより、その円筒の中心軸に沿って配置したチューブ状の反応器に対して、常に強力でかつ均一な電界をもつマイクロ波を照射することが可能となる。上記ではTM010について説明したが、TMmn0(mは0以上、nは1以上の整数)の定在波も、円筒の半径方向に電界の集中する場所があり、中心軸に平行な部位では均一な電界強度を有するため、同様に利用することができる。また、電界で説明したが、電磁波は磁界による加熱作用もあるため、磁界が強くなる部分を利用しても同様な効果を得ることができる。
上述のようなマイクロ波照射装置を用いることにより、反応管7中を流通するカーボンブラック分散液8を集中的に照射されるマイクロ波エネルギーで極めて急速に加熱することができ、瞬間的にカーボンブラックの酸化処理を行うことができる。
目的とするカーボンブラックの酸化処理の時間は、0.005秒超、60秒未満程度であって、0.01〜10秒で行うことが特に好ましい。
マイクロ波照射によって分散液が到達する温度は、カーボンブラックの酸化処理が良好に進行する温度以上であれば特に現手されるものではないが、一般的には50〜300℃である。
本発明で用いるマイクロ波照射装置は、図1に示される装置に限定されるものではなく、各構成が改変されていてもよい。
例えば、図2に示すように、複数(例えば2〜10個)のシングルモードキャビティが連結され、それらの中心軸を中空管が連通していてもよい。
図2に示す装置では、マイクロ波照射装置は、キャビティ12、12’、キャビティ12及び12’を連通する反応管17、送液ポンプ13、原料液プール14、温度計15、背圧弁18、及び受液プール19を有する。マイクロ波発振器・制御器、電界モニターは図示省略する。キャビティ12、12’は、上述したキャビティ2と同様の空胴共振器が垂直方向にそれぞれ4つ連結されたものである。キャビティ12は垂直方向の長さが10cmのシングルモードキャビティが4つ連結されたものであり、キャビティ12’は垂直方向の長さが1cmのシングルモードキャビティが4つ連結されたものである。
このような構成とすることにより、カーボンブラック分散液に対するマイクロ波照射時間を調整することが可能となる。複数のシングルモードキャビティを備える場合、各シングルモードキャビティの大きさは同一であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
(カルボキシル基量の算出方法)
表面修飾カーボンブラック0.2gを秤量し、0.1N−NaHCOを5mL加えて6時間窒素下で撹拌しながら反応させた。反応後に濾過してカーボンを除いた液を、0.01N−HClで滴定し、滴定に要したHCl量がカルボキシル基量に相当するとして、カルボキシル基量を算出した。
(フェノール性OH基量の算出方法)
表面修飾カーボンブラック0.2gを秤量し、0.1N−NaOHを5mLと蒸留水30mLとを加え、6時間窒素下で撹拌しながら反応させた。反応後に濾過してカーボンを除いた液を、0.01N−HClで滴定し、滴定に要したHCl量から(1)の測定で要した量を引いたHCl量が、フェノール性OH基に相当するとしてフェノール性OH基量を算出した。
(カーボンブラックの分散粒子径)
表面修飾カーボンブラック20mgに対し、0.24%KOH水溶液2mlを加えてメノウ乳鉢でよくすりつぶした後、マイクロトラック(日機装社製)を用いて分散粒子径を測定した。
[実施例1]
過硫酸ナトリウム3質量部の水溶液にカーボンブラック(商品名:#960、平均粒子径:16nm、三菱化学社製)を分散した分散液を調製し、分散液を加熱することにより、カーボンブラックの表面修飾を行った。
具体的には、加熱には図1に示すような構成のマイクロ波照射装置を用いた。マイクロ波周波数2.4〜2.5GHzに基づいて設計された内径を有する垂直方向10cmの円筒型アルミ製のTM010シングルモードキャビティの中心軸を貫通するよう外径1mm外径3mm長さ12cmの石英ガラス管を設置し、石英管の両端は、バイトン製Oリングシールを有するステンレス製の耐圧継手により、SUS316製の1/16インチ配管に接続させた。前記キャビティには100Wマイクロ波発生器、電界モニター、放射温度計が接続してあり、つねにTM010の定在波が形成できるよう照射するマイクロ波の発振周波数を、反応溶液が所定の温度になるようマイクロ波電力を制御した。マイクロ波照射部に接続させたSUS316製の1/16インチ配管中に設置している熱電対温度計とさらにその後の出口部分には背圧弁を設置しており(図示省略)、液温の計測と背圧の調節ができる。
系内圧力を背圧弁で1.5MPaに調節させながら、前記分散液をプランジャーポンプで前記ガラス管内部を2mL/分で流通させ、100Wの出力でマイクロ波を照射し、出口から連続的に吐出される液を氷冷しながらガラスビーカーで受けて分散液を回収した。このとき、熱電対で測定した温度は180℃になっており、分散液にマイクロ波が照射された時間は2.3秒であった。
得られた分散液を透析膜で電気伝導度が2mS/cm以下になるまで残存塩を洗浄した後、60℃で真空乾燥することで、表面修飾カーボンブラックを得た。
得られた表面修飾カーボンブラックのCOOH基は208μmol/gであり、フェノール性OH基は608μmol/gであった。
分散粒子径を測定すると100nmであった。
このことから、非常に短い反応時間にもかかわらず、水に易分散な表面修飾カーボンブラックが得られたことが確認できた。
[比較例1]
過硫酸ナトリウム3質量部の水溶液にカーボンブラック(商品名:#960、平均粒子径:16nm、三菱化学社製)を分散した分散液を調製した。
加圧を行っていない実施例1のマイクロ波照射装置の内部を、当該分散液を9.2mL/分で通過させ、出力100Wでマイクロ波を照射した。このとき、熱電対で計測された温度は80℃であった。出口で吐出された分散液を氷冷しながらガラスビーカーで受けた。この分散液に対して、さらに3回、同様のマイクロ波照射処理を行った。合計のマイクロ波を照射した時間は2.3秒であった。
得られた分散液を透析膜で電気伝導度が2mS/cmになるまで残存塩を洗浄した後、60℃で真空乾燥することで表面修飾カーボンブラックを得た。
得られた表面修飾カーボンブラックにおいて、COOH基は検出されず、フェノール性OH基は180μmol/gであった。
分散粒子径を測定したが、粒子が凝集しており、1000nm以上の粒子が多数存在していた。
このことから、水に易分散な表面修飾カーボンブラックが得られていないことが確認できた。
本発明により、水に易分散な表面修飾カーボンブラックを短時間で製造可能な方法を提供することができる。
1…マイクロ波照射口、2…TM0101キャビティ、3、13…送液ポンプ、4…電界モニター、5、15…温度計、6…マイクロ波発振器・制御器、7、17…反応管、8…カーボンブラック分散液、12、12’…キャビティ、14…原料液プール、18…背圧弁、19…受液プール

Claims (4)

  1. カーボンブラック、酸化剤、及び水を含有する分散液を、加圧下でマイクロ波照射により加熱して、カーボンブラックの表面処理を行うことを特徴とする、表面処理カーボンブラックの製造方法。
  2. 前記加熱の時間が60秒未満である、請求項1に記載の表面処理カーボンブラックの製造方法。
  3. 前記マイクロ波照射が、シングルモードキャビティを用いる、請求項1又は2に記載の表面処理カーボンブラックの製造方法。
  4. 製造された表面処理カーボンブラックがインクジェットインク用である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の表面処理カーボンブラックの製造方法。
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