JP2016190989A - アミド系エラストマー発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体 - Google Patents

アミド系エラストマー発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】融着性が良好な発泡成形体を与え得るアミド系エラストマー発泡粒子を提供することを課題とする。【解決手段】非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部とを基材樹脂として含む発泡粒子であることを特徴とするアミド系エラストマー発泡粒子により課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、アミド系エラストマー発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、発泡成形体を製造する際に表面の伸びがよく、発泡粒子同士の融着が良好な発泡成形体を与え得るアミド系エラストマー発泡粒子、その製造方法、及びアミド系エラストマー発泡粒子から得られる発泡成形体に関する。本発明の発泡成形体は、工業分野、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション、自動車部材等に用いることができる。特に回復性の向上が求められる用途に用いることができる。
従来、緩衝材や梱包材としてポリスチレン発泡成形体が汎用されている。ここで、発泡成形体は、発泡性ポリスチレン粒子のような発泡性粒子を加熱して発泡(予備発泡)させて発泡粒子(予備発泡粒子)を得、得られた発泡粒子を金型のキャビティ内に充填した後、二次発泡させて発泡粒子同士を熱融着により一体化させることで得ることができる。
ポリスチレン発泡成形体は、原料となる単量体がスチレンであるため、剛性は高いものの、回復性や反発性が低いことが知られている。そのため、繰り返し圧縮される用途や柔軟性が求められる用途では使用し難いという課題があった。
上記課題を解決すべく、特許文献1には、結晶性ポリアミドセグメント及びポリエーテルセグメントを有するブロック共重合体からなる熱可塑性エラストマー樹脂の架橋処理物からなる発泡粒子を用いた13〜27倍程度の倍率の発泡成形体が提案されている。この発泡成形体は、高度のゴム弾性を示すとされている。
特公平4−17977号公報
しかし、特許文献1の発泡粒子は、その表面においても架橋されている。そのため、成形時の表面の伸び及び粒子間の融着の不足により形状自由度が低くなるという課題があった。
そこで、本発明の発明者等は、鋭意検討した結果、基材樹脂に、非架橋のアミド系エラストマーに加えて、変性ポリオレフィンを使用することで、発泡成形体を製造する際の表面の伸び、発泡粒子同士の融着性を改善した発泡粒子を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
かくして本発明によれば、非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部とを基材樹脂として含む発泡粒子であることを特徴とするアミド系エラストマー発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記アミド系エラストマー発泡粒子の製造方法であり、
非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部と気泡調整剤0.02〜1質量部とを含む樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程と、前記発泡性粒子を発泡させる工程とを含むアミド系エラストマー発泡粒子の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記アミド系エラストマー発泡粒子を型内発泡させて得られた発泡成形体が提供される。
本発明のアミド系エラストマー発泡粒子によれば、発泡成形体を製造する際の表面の伸び及び発泡粒子同士の融着性を改善できる。
非架橋のアミド系エラストマーが、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有するコポリマーであり、変性ポリオレフィンが、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体から選択される場合、発泡成形体を製造する際の表面の伸び及び発泡粒子同士の融着性をより改善できる。
変性ポリオレフィンが、アミド系エラストマー発泡粒子の最表層の気泡壁断面の5000倍の写真において、微粒子として分散し、微粒子が2〜30個/μmで分散している場合、発泡成形体を製造する際の表面の伸び及び発泡粒子同士の融着性をより改善できる。
アミド系エラストマー発泡粒子が、20〜250μmの平均気泡径を有し、1.5〜15mmの平均粒子径を有する場合、発泡成形体を製造する際の表面の伸び及び発泡粒子同士の融着性をより改善できる。
アミド系エラストマー発泡粒子の製造方法において、気泡調整剤が、脂肪酸アミド系の有機物である場合、より簡便にアミド系エラストマー発泡粒子を製造できる。
実施例の微粒子の分散個数及び合計面積断面写真の撮影方法の説明図である。 実施例1の発泡粒子の断面写真である。 実施例2の発泡粒子の断面写真である。 比較例1の発泡粒子の断面写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(アミド系エラストマー発泡粒子)
アミド系エラストマー発泡粒子(以下、発泡粒子ともいう)は、非架橋のアミド系エラストマー及び変性ポリオレフィンを基材樹脂として含む。本明細書において、非架橋とは、溶解可能な有機溶剤に不溶なゲル分率が3.0質量%以下のものを意味する。
ここで、発泡粒子のゲル分率は下記の要領で測定される。
発泡粒子の質量W1を測定する。次に、130℃の溶剤(例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール)100ミリリットル中にアミド系エラストマー発泡粒子を24時間に亘って浸漬する。
次に、溶剤中の残渣を80メッシュの金網を用いて濾過し、金網上に残った残渣を150℃にて1時間に亘って乾燥させる。金網上に残った残渣の質量W2を測定し、下記式に基づいて発泡粒子のゲル分率を算出することができる。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
(1)非架橋のアミド系エラストマー
非架橋のアミド系エラストマーは、ポリアミドブロック(ハードセグメント)とポリエーテルブロック(ソフトセグメント)とを有するコポリマーを使用できる。
ポリアミドブロックとしては、例えば、ポリεカプラミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリラウラミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリナノメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)等のポリアミド構造が挙げられる。ポリアミドブロックは、これらポリアミド構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリエーテルブロックとしては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)及びポリテトラメチレングリコール(PTMG、ポリテトラヒドロフラン:PTHF)等のポリエーテル構造が挙げられる。ポリエーテルブロックは、これらポリエーテル構造を構成する単位の組み合わせでもよい。
ポリアミドブロックとポリエーテルブロックはランダムに分散していてもよい。
ポリアミドブロックの数平均分子量Mnは300〜15000であることが好ましく、600〜5000であることがより好ましい。ポリエーテルブロックの数平均分子量Mnは100〜6000であることが好ましく、200〜3000であることがより好ましい。
非架橋のアミド系エラストマーは、ショアD硬度が20〜75であることが好ましく、30〜70であることがより好ましい。ショアD硬度は、JIS K6253−3:2012により測定される。
非架橋のアミド系エラストマーは融点が120〜180℃であることが好ましく、125〜175℃であることがより好ましい。融点が120℃を下回ると発泡後に常温に晒された時点で収縮する恐れがあり、融点が180℃を超えると所望の発泡倍数への発泡が困難となることがある。
非架橋のアミド系エラストマーの融点はJIS K7121:1987に準拠し示差熱分析計(DSC)で測定される。なお、融点は、再昇温過程での吸熱ピーク値温度である。
非架橋のアミド系エラストマーには、米国特許第4,331,786号明細書、米国特許第4,115,475号明細書、米国特許第4,195,015号明細書、米国特許第4,839,441号明細書、米国特許第4,864,014号明細書、米国特許第4,230,838号明細書及び米国特許第4,332,920号明細書に記載されたアミド系エラストマーも使用できる。
非架橋のアミド系エラストマーは、反応性末端を有するポリアミドブロックと反応性末端を有するポリエーテルブロックとの共重縮合で得られるものが好ましい。この共重縮合としては特に下記のものを挙げることができる:
1)ジアミン鎖端を有するポリアミドブロックとジカルボン酸鎖端を有するポリオキシアルキレンブロックとの共重縮合
2)ポリエーテルジオールとよばれる脂肪族ジヒドロキシ化α,ω−ポリオキシアルキレン単位のシアノエチル化及び水素化で得られるジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とジアミン鎖端を有するポリオキシアルキレン単位との共重縮合
3)ジカルボン酸鎖端を有するポリアミド単位とポリエーテルジオールとの共重縮合(この場合に得られるものを特にポリエーテルエステルアミドとよんでいる)
ジカルボン酸鎖端を有するポリアミドブロックを与える化合物としては、例えば、α,ω−アミノカルボン酸、ラクタム又はジカルボン酸の連鎖調節剤の存在下でのジカルボン酸とジアミンの縮合で得られる化合物が挙げられる。
1)の共重縮合の場合、非架橋のアミド系エラストマーは、例えば、ポリエーテルジオールと、ラクタム(又はα,ω−アミノ酸)と、連鎖制限剤のジアシッドとを少量の水の存在下で反応させて得ることができる。非架橋のアミド系エラストマーは、種々の長さのポリエーテルブロックとポリアミドブロックとを有していてもよく、更に各成分がランダムに反応することでポリマー鎖中に分散していてもよい。
上記共重縮合時において、ポリエーテルジオールのブロックはそのまま用いてもよく、その水酸基とカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックとを共重合して用いてもよく、その水酸基をアミノ化してポリエーテルジアミンに変換した後にカルボキシ末端基を有するポリアミドブロックと縮合して用いてもよい。また、ポリエーテルジオールのブロックをポリアミド前駆体及び連鎖制限剤と混合して共重縮合させることで、ランダムに分散させたポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを含むポリマーを得ることも可能である。
基材樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲で、非架橋のアミド系エラストマー以外に、アミド系樹脂、ポリエーテル樹脂、架橋アミド系エラストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等の他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
(2)変性ポリオレフィン
変性ポリオレフィンとしては、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられる。この内、より融着性を向上させる観点から、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体が好ましい。
オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のエチレン系炭化水素を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。この中でもアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
不飽和カルボン酸には、その無水物も含まれる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸)のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好ましい。
また、オレフィン、(メタ)アクリル酸エステル及び不飽和カルボン酸に由来する単位の共重合体中での形態は限定されず、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等の形態で存在し得る。
オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体を用いることが最も好ましい。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル又はアクリル酸エチルが挙げられ、特にアクリル酸エチルが好ましい。
オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体において、(メタ)アクリル酸エステル含量は0.1〜30質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、3〜30質量%であることが更に好ましい。また、不飽和カルボン酸含量は0.05〜20質量%であることが好ましく、0.1〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが更に好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましく、1〜5質量%であることが特により好ましい。
変性ポリオレフィンは、メルトフローレート(MFR)が0.5〜200g/10分であることが好ましく、1〜50g/10分であることがより好ましい。MFRは、JIS K 7210:1999により測定される。
変性ポリオレフィンの配合量は、アミド系エラストマー100質量部に対し1〜30質量部である。変性ポリオレフィンの配合量が1質量部未満の場合、融着改善の効果が見られないことがある。30質量部より多い場合、発泡成形体の硬度低下を招き、アミド系エラストマーの特徴を妨げたり、コストアップしたりすることがある。配合量は、3〜25質量部であることが好ましく、5〜20質量部であることがより好ましい。
(3)発泡粒子の形状等
発泡粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
変性ポリオレフィンは、アミド系エラストマー発泡粒子の最表層の気泡壁断面の5000倍の写真において、微粒子として分散していることが好ましい。この分散した変性ポリオレフィンの微粒子は、発泡成形時の融着性の向上に寄与していると発明者等は考えている。ここで、微粒子は2〜30個/μmで分散していることが好ましい。分散個数が2個未満の場合、融着改善の効果が得られないことがある。30個より多い場合、変性ポリオレフィンの割合が多くなり表面硬度が低くなることがある。より好ましい分散個数は5〜20個である。
発泡粒子は、20〜250μmの平均気泡径を有する。平均気泡径が20μm未満の場合、発泡成形体が収縮することがある。250μmより大きい場合、成形体の外観の悪化や融着の不良を招くことがある。より好ましい平均気泡径は、20〜200μmである。
発泡粒子は、1.5〜15mmの平均粒子径を有することが好ましい。平均粒子径が1.5mm未満の場合、発泡粒子の製造自体が困難でありかつ製造コストが増大することがある。15mmより大きい場合、型内成形により発泡成形体を作製する際に複雑形状の発泡成形体を得ることが困難な場合がある。より好ましい平均粒子径は、2.0〜12mmである。
発泡粒子は、0.02〜0.2g/cmの範囲の嵩密度を有することが好ましい。嵩密度が0.02g/cm未満の場合、得られる発泡成形体に収縮が発生して外観が良好とならずかつ発泡成形体の機械的強度が低下することがある。0.2g/cmより大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。より好ましい嵩密度は、0.05〜0.1g/cmである。
発泡粒子は、クッションの充填材ではそのまま使用でき、また型内発泡させるための発泡成形体の原料として使用できる。発泡成形体の原料として用いられる場合、通常、発泡粒子を「予備発泡粒子」と称し、それを得るための発泡を「予備発泡」と称する。
(アミド系エラストマー発泡粒子の製造方法)
アミド系エラストマー発泡粒子は、非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部と気泡調整剤0.02〜1質量部とを含む樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)と、発泡粒子を発泡させる工程(発泡工程)とを経て得ることができる。
(1)含浸工程
発泡剤を含浸させる樹脂粒子は、非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部と気泡調整剤0.02〜1質量部とを含む。
(a)気泡調整剤
気泡調整剤としては、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
上記気泡調整剤の内、高級脂肪酸アミド及び高級脂肪酸ビスアミドの脂肪酸アミド系の有機物が好ましい。
気泡調整剤量は、非架橋のアミド系エラストマー100質量部に対して、0.02〜0.3質量部である。気泡調整剤量が0.02質量部未満の場合、気泡調整剤による気泡の微細化効果が低下することがある。この低下は、発泡性粒子を発泡させて得られる発泡粒子の気泡を粗くし、その結果、発泡粒子が型内発泡成形時に破泡して収縮してしまい発泡成形体を得ることができないか、発泡成形体が得られたとしても、その表面に凹凸が生じる等の外観の低下が発生することにつながる。0.3質量部より多い場合、その効果が頭打ちとなり、却って発泡成形体の融着不足、コストアップ等問題が生じることがある。気泡調整剤量は、0.05〜0.1質量部であることが好ましい。
(b)樹脂粒子
樹脂粒子は、公知の製造方法及び製造設備を使用して得ることができる。
例えば、押出機を使用して非架橋のアミド系エラストマー樹脂を溶融混練し、次いで押出、水中カット、ストランドカット等により造粒することによって、樹脂粒子を製造できる。溶融混練時の温度、時間、圧力等は、使用原料及び製造設備に合わせて適宜設定できる。
溶融混練時の押出機内の溶融混練温度は、非架橋のアミド系エラストマーが十分に軟化する温度である、170〜250℃が好ましく、200〜230℃がより好ましい。溶融混練温度とは、押出機ヘッド付近の溶融混練物流路の中心部温度を熱伝対式温度計で測定した押出機内部の溶融混練物の温度を意味する。
樹脂粒子の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。
樹脂粒子は、その長さをL、平均径をDとした場合のL/Dが0.8〜3であることが好ましい。樹脂粒子のL/Dが0.8未満や3を超えている場合、成形型内への充填性が低下することがある。なお、樹脂粒子の長さLは、押出方向の長さをいい、平均径Dは長さLの方向に実質的に直交する樹脂粒子の切断面の直径をいう。
樹脂粒子の平均径Dは0.5〜3mmが好ましい。平均径が0.5mm未満の場合、発泡剤の保持性が低下して発泡性粒子の発泡性が低下することがある。3mmより大きいと、成形型内への発泡粒子の充填性が低下すると共に、板状の発泡成形体を製造する場合に発泡成形体の厚みを薄くできないことがある。
気泡調整剤は、押出機内で樹脂と混合してもよく、樹脂粒子に付着させてもよい。
樹脂粒子は、他に、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
(c)発泡性粒子
樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を製造する。なお、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる要領としては、公知の要領を用い得る。例えば、オートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、空気、窒素及び二酸化炭素(炭酸ガス)等の無機ガス;プロパン、ブタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素;ハロゲン化炭化水素が挙げられ、脂肪族炭化水素が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
樹脂粒子に含浸させる発泡剤の量は、少ないと、発泡性粒子を発泡できないことがある。多いと、発泡剤による可塑化効果によって樹脂粒子が発泡時に破泡することがある。発泡剤の量は、樹脂粒子100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、5〜30質量部の割合であることより好ましく、10〜20質量部の割合であることが更に好ましい。
樹脂粒子100質量部対して含浸された発泡剤の含有量(含浸量)は、以下のようにして測定される。
樹脂粒子を15mg程度の量を精秤し、島津製作所社製熱分解炉PYR−1Aの分解炉入り口にセットし、15秒間ほど窒素でパージしてサンプルセット時の混入ガスを排出する。密閉後試料を200℃の炉心に挿入し、120秒間加熱してガスを放出させ、この放出ガスを島津製作所社製ガスクロマトグラフ GC−14B(検出器:FID)を用いて定量することで残ガス量を得る。その測定条件はカラムがShimalite 60/80NAW(Squalane 25%)3m×3φを用い、カラム温度(70℃)、キャリアーガス(窒素)、キャリアーガス流量(50ml/min)、注入口温度(110℃)、検出器温度(110℃)とする。
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸温度は、60〜120℃が好ましく、70〜110℃がより好ましい。発泡助剤(可塑剤)を、発泡剤と併用してもよい。発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
(2)発泡工程
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
発泡工程において、発泡性粒子に、無機成分を添加することが好ましい。無機成分としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物粒子が挙げられる。発泡性粒子100質量部に対して、無機成分の添加量は好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、好ましくは0.2質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下である。
高圧蒸気下で発泡を行う場合には、有機系の合着防止剤を用いると、発泡時に溶融することがある。一方、炭酸カルシウムのような無機系の合着防止剤は、高圧蒸気加熱下でも十分な合着防止効果を有する。
無機成分の粒子径は、好ましくは5μm以下である。無機成分の粒子径の最小値は、0.01μm程度である。無機成分の粒子径が上限以下であると、無機成分の添加量を少なくすることができ、無機成分が後の成形工程に悪影響(阻害)を与えにくくなる。
なお、発泡前に、樹脂粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウムを塗布してもよい。この塗布により、発泡工程における樹脂粒子同士の結合を減少できる。また、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤を塗布してもよい。帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル及びステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール及びシリコンオイル等が挙げられる。
(発泡成形体)
発泡成形体は、発泡粒子を型内成形させて得られ、複数の発泡粒子の融着体から構成される。例えば、多数の小孔を有する閉鎖金型内に発泡粒子を充填し、加圧水蒸気で発泡粒子を加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させ、一体化させることにより得ることができる。その際、例えば、金型内への発泡粒子の充填量を調整する等して、発泡成形体の密度を調整できる。
発泡成形体は、0.05〜0.1g/cmの密度を有するのが好ましい。この範囲であれば、回復性と機械的物性とを良好なバランスで両立できる。
更に、発泡粒子に不活性ガスを含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい。発泡力を向上させることにより、型内成形時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡成形体は更に優れた機械的強度を有する。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
発泡粒子に不活性ガスを含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に不活性ガスを含浸させる方法が挙げられる。発泡粒子は、金型内に充填する前に不活性ガスが含浸されてもよいが、発泡粒子を金型内に充填した後に金型ごと不活性ガス雰囲気下に置くことで含浸されてもよい。なお、不活性ガスが窒素である場合、0.1〜2.0MPaの窒素雰囲気中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って放置することが好ましい。
発泡粒子に不活性ガスを含浸させた場合、発泡粒子をこのまま、金型内にて加熱、発泡させてもよいが、発泡粒子を金型内に充填する前に加熱、発泡させて、高発泡倍率の発泡粒子とした上で金型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような高発泡倍率の発泡粒子を用いることによって、高発泡倍率の発泡成形体を得ることができる。
また、発泡粒子の製造時に、合着防止剤を用いた場合、発泡成形体の製造時に、合着防止剤が発泡粒子に付着したまま成形を行ってもよい。また、発泡粒子相互の融着を促進するために、合着防止剤を成形工程前に洗浄して除去してもよく、除去するかせずして成形時に融着促進剤としてのステアリン酸を添加してもよい。
本発明の発泡成形体は、例えば、工業分野、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション、自動車部材等に用いることができる。特に回復性の向上が求められる用途に用いることができる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<発泡粒子の嵩密度>
まず、発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、軽くゆすって試料の見掛け体積(V)cmを一定にし、その質量と体積を測定し、下記式に基づいて発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
また、発泡粒子の嵩倍数は次式により算出される数値である。
嵩倍数(倍)=1/嵩密度(g/cm
<発泡粒子の平均粒子径>
発泡粒子約50gをロータップ型篩振とう機(テラオカ社製)を用いて、篩目開き5.60mm、4.75mm、4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mmのJIS標準篩で5分間分級する。篩網上の試料質量を測定し、その結果から得られた累積質量分布曲線を元にして累積質量が50%となる粒子径(メディアン径)を平均粒子径とする。
<平均気泡径>
発泡粒子の平均気泡径は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定されたものをいう。具体的には、発泡粒子を押出方向に対して垂直方向にて略二等分となるように切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製 商品名「S−3000N])を用いて100倍に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙に印刷し、任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描き、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式より算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたり、直線が気泡に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することもなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均弦長を算出し、これらの平均弦長の相加平均値を発泡粒子の気泡の平均気泡径とする。
<微粒子の分散個数及び合計面積>
発泡粒子の断面写真を以下の条件で撮影し、得られた写真から以下の条件で分散個数及び合計面積を算出する。
(1)写真撮影
実施例と比較例の5000倍の断面写真を以下の条件で撮影する。
(実施例)
図1に示すように、発泡粒子1の表面部分から押出方向2に対して平行な面(図のA面)が観察できるようB面と交差してスライスした切片を切り出し、その切片をエポキシ樹脂中に包理後、60℃の温度で24時間かけて前記エポキシ樹脂を硬化させ、ウルトラミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製「LEICA ULTRACUT UCT」を用いて超薄切片(厚み70nm)を作製する。次いで、超薄切片を透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製「H−7600」、AMT社製 カメラシステム「ER−B」)にて写真撮影を行う。染色剤は四酸化ルテニウムを用いる。
(比較例)
染色剤を四酸化オスミウムと四酸化ルテニウムを用いたこと以外は実施例と同じ方法にて写真撮影を行う。
(2)分散個数及び合計面積の算出
分散個数の測定方法は、表層部分の透過型電子顕微鏡の倍率で5000倍の断面写真を使用し、面積(cm)を算出する。その面積を実寸面積(μm)に変換する。次に、写真に写っている微粒子の数を数える。このとき、黒い部分と白い部分を合わせた数を合計個数とする。合計個数と実寸面積から1μm当たりの個数を算出する。更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で分散個数を算出し、相加平均値を分散個数とする。
<発泡成形体の外観>
発泡成形体の外観を目視にて評価した。発泡成形体表面の発泡粒子同士が接合した境界部分が平滑である場合を○、気泡の合一が発生し、発泡粒子及び発泡成形体を得ることができなかった場合を×とする。
<熱融着率>
縦300mm×横400mm×高さ10mmである直方体形状の発泡成形体の表面に、カッターで横方向に長さ300mm、深さ2mmの切り込み線を入れ、この切り込み線に沿って発泡成形体を二分割する。そして、発泡成形体の分割面において、二次発泡粒子内で破断している発泡粒子数(a)と、二次発泡粒子間の界面で破断している発泡粒子数(b)を測定し、下記式に基づいて熱融着率を算出した。熱融着率は、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。
熱融着率(%)=100×(a)/〔(a)+(b)〕
(アミド系エラストマーの樹脂粒子の製造例)
まず、ナイロン12をハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとする非架橋(結晶性)のアミド系エラストマー(商品名「Pebax5533」、アルケマ社製、ゲル分率3質量%以下)100質量部と変性ポリオレフィン(商品名「BONDINE AX8390」、エチレン−アクリル酸エチル(29質量%)−無水マレイン酸(1.3質量%)共重合体、MFR:7g/10分、アルケマ社製)5質量部を口径が65mmの単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、アミド系エラストマーを始めは150℃にて溶融混練した後に200℃まで昇温させながら溶融混練した。
続いて、溶融状態のアミド系エラストマーを冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型の各ノズルからアミド系エラストマーを押出した。なお、マルチノズル金型は、出口部の直径が1.0mmのノズルを20個有しており、ノズルの出口部は全て、マルチノズル金型の前端面に想定した、直径が139.5mmの仮想円上に等間隔毎に配設されていた。マルチノズル金型は200℃に保持されていた。
そして、回転軸の後端部外周面には、4枚の回転刃が回転軸の周方向に等間隔毎に一体的に設けられており、各回転刃はマルチノズル金型の前端面に常時、接触した状態で仮想円上を移動するように構成されていた。
更に、冷却部材は、正面円形状の前部と、この前部の外周縁から後方に向かって延設されかつ内径が315mmの円筒状の周壁部とからなる冷却ドラムを備えていた。そして、供給管及びドラムの供給口を通じて冷却ドラム内に冷却水が供給されており、周壁部の内面全面には、この内面に沿って20℃の冷却水が前方に向かって螺旋状に流れていた。
そして、マルチノズル金型の前端面に配設した回転刃を3000rpmの回転数で回転させてあり、マルチノズル金型の各ノズルの出口部から押出されたアミド系エラストマー押出物を回転刃によって切断して略球状のアミド系エラストマーの樹脂粒子を製造した。
なお、樹脂粒子の製造にあたっては、まず、マルチノズル金型に回転軸を取り付けずかつ冷却部材をマルチノズル金型から退避させておいた。この状態で、押出機からアミド系エラストマーを押出した。次に、マルチノズル金型に回転軸を取り付けかつ冷却部材を所定位置に配設した後、回転軸を回転させ、アミド系エラストマーをノズルの出口部の開口端において回転刃で切断して樹脂粒子を製造した。
樹脂粒子は、回転刃による切断応力によって外方あるいは前方に向かって飛ばされ、冷却部材の冷却ドラムの内面に沿って流れている冷却水に衝突して直ちに冷却された。
冷却された樹脂粒子は、冷却ドラムの排出口を通じて冷却水と共に排出された後、脱水機にて冷却水と分離された。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが1.2〜1.7mmで、粒子の径Dが1.3〜1.6mmであった。
(実施例1)
<発泡性粒子の作製>
内容積5リットルの攪拌機付オートクレーブに上記樹脂粒子2.0kg、蒸留水1.5kg、ピロリン酸マグネシウム5.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.70gを入れ、320rpmの攪拌下で懸濁させた。
次いで蒸留水0.5kgにピロリン酸マグネシウム0.8g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム0.1gに気泡調整剤としてエチレンビスステアリン酸アミド2.0g(樹脂粒子100質量部に対して0.1質量部)を加えてホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を反応器内に加えた。その後、110℃まで昇温し、発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=35:65(質量比))410gを圧入して110℃で6時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥し、発泡性粒子を得た。得られた発泡性粒子100質量部に対して、炭酸カルシウム0.1質量部を発泡性粒子の表面全面に均一に被覆した。
<発泡粒子の作製>
発泡性粒子を容積量が50リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に投入し、蒸気により加熱することにより発泡粒子を得た。この発泡粒子の嵩密度は0.1g/cmであり、平均気泡径は41μmであり、平均粒子径は2.6mmであった。発泡粒子の断面写真を図2(a)〜(c)に示す。図2(a)は表層部、図2(b)及び(c)は内部の写真である。これら写真から、変性ポリオレフィンが表層部で微粒子として分散していることが分かる。
<発泡成形体の作製>
発泡粒子を密閉容器内に入れ、この密閉容器内に窒素を0.5MPaGの圧力で圧入して常温にて12時間に亘って放置して発泡粒子に窒素を含浸させた。
発泡粒子を密閉容器から取り出し、400mm×300mm×10mmの大きさのキャビティを有する成形型の該キャビティ内に充填し、0.25MPaの水蒸気で35秒間加熱し成形を行い、密度0.1g/cmの発泡成形体を得た。得られた発泡成形体は、40%の熱融着率を有し、微細で均一なセル構造を有していた。
(実施例2)
変性ポリオレフィンを10質量部添加したこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の熱融着率は50%であり、微細で均一なセル構造を有していた。発泡粒子の嵩密度は0.11g/cmであり、平均気泡径は31μmであり、平均粒子径は2.6mmであった。
発泡粒子の断面写真を図3(a)及び(b)に示す。図3(a)は表層部、図3(b)は内部の写真である。これら写真から、変性ポリオレフィンが表層部で微粒子として分散していることが分かる。
(実施例3)
ナイロン12をハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとする非架橋(結晶性)のアミド系エラストマー(商品名「UBASTA9040」、宇部興産社製、ゲル分率3質量%以下)を使用したこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の熱融着率は50%であり、微細で均一なセル構造を有していた。発泡粒子の嵩密度は0.1g/cmであり、平均気泡径44μmであり、平均粒子径は2.6mmであった。また、発泡粒子において、変性ポリオレフィンが表層部で微粒子として分散していることを確認した。
(実施例4)
アミド系エラストマーの樹脂粒子の製造例において、アミド系エラストマー100質量部に対して気泡調整剤として重曹クエン酸系の化学発泡剤(商品名「ファインセルマスターPO410K」、大日精化社製)0.5質量部を供給したこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体は、微細で均一なセル構造を有していた。発泡粒子の嵩密度は0.1g/cmであり、平均気泡径は53μmであり、平均粒子径は2.6mmであった。また、発泡粒子において、変性ポリオレフィンが表層部で微粒子として分散していることを確認した。
(比較例1)
変性ポリオレフィンを添加しないこと以外は実施例1と同様にして発泡成形体を得た。得られた発泡成形体の熱融着率は30%で、微細で均一なセル構造を有していた。発泡粒子の嵩密度は0.1g/cmであり、平均気泡径は162μmであり、平均粒子径は2.6mmであった。
発泡粒子の断面写真を図4(a)及び(b)に示す。図4(a)は表層部、図4(b)は内部の写真である。これら写真から、表層部に微粒子が存在していないことが分かる。
表1に実施例及び比較例の物性をまとめて記載する。表中、AはPebax5533、BはUBASTA9040、CはBONDINEAX8390、EBSAはエチレンビスステアリン酸アミドを意味する。
表1から、非架橋のアミド系エラストマーと変性ポリオレフィンとを基材樹脂として含む発泡粒子により、融着性が良好な発泡成形体が得られることが分かる。
1 発泡粒子、2 押出方向、A 押出方向に対して平行な面、B Aと交差する面

Claims (7)

  1. 非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部とを基材樹脂として含む発泡粒子であることを特徴とするアミド系エラストマー発泡粒子。
  2. 前記非架橋のアミド系エラストマーが、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有するコポリマーであり、変性ポリオレフィンが、オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル−不飽和カルボン酸共重合体から選択される請求項1に記載のアミド系エラストマー発泡粒子。
  3. 前記変性ポリオレフィンが、前記アミド系エラストマー発泡粒子の最表層の気泡壁断面の5000倍の写真において、微粒子として分散し、前記微粒子が2〜30個/μmで分散している請求項1又は2に記載のアミド系エラストマー発泡粒子。
  4. 前記アミド系エラストマー発泡粒子が、20〜250μmの平均気泡径を有し、1.5〜15mmの平均粒子径を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のアミド系エラストマー発泡粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のアミド系エラストマー発泡粒子の製造方法であり、
    非架橋のアミド系エラストマー100質量部と変性ポリオレフィン1〜30質量部と気泡調整剤0.02〜1質量部とを含む樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程と、前記発泡性粒子を発泡させる工程とを含むアミド系エラストマー発泡粒子の製造方法。
  6. 前記気泡調整剤が、脂肪酸アミド系の有機物である請求項5に記載のアミド系エラストマー発泡粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のアミド系エラストマー発泡粒子を型内発泡させて得られた発泡成形体。
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