JP6484768B2 - 靴底用部材及び靴 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本願は、国際特許出願第PCT/JP2017/003415号の優先権を主張し、引用によって本願明細書の記載に組み込まれる。
本発明は、靴底用部材及び靴に関し、より詳しくは、複数の樹脂発泡粒子が一体化した発泡体で一部又は全部が形成された靴底用部材、及びその靴底用部材を備えた靴に関する。
靴底用部材は、緩衝性に優れていることが求められる。一般には、このような要求を満たす靴底用部材の材料として、発泡体が用いられている。例えば、特許文献1及び2には、複数の発泡粒子を溶着させて形成された発泡体を備えた靴底用部材が開示されている。
発泡体を用いた靴底用部材では、発泡体の発泡率を高くすることにより、靴底用部材の緩衝性を効果的に高めることができる。さらに、高発泡率の発泡体の低い初期剛性によって、そのような発泡体を靴底用部材として備えた靴は、柔らかで快適な足入れ感覚を有している。
一方で、剛性が小さく(柔らかく)緩衝性が高い材料は、通常、負荷を受けた際の変形が大きい。そのため、上述のように高発泡率の発泡体を靴底用部材として備えた靴は、高い負荷を受けた際に過度に変形してしまうことがある。その場合、変形によって俊敏性が大きく損なわれることや、着用者が怪我をするリスクが助長されるという問題がある。特に、バスケットボールシューズやランニングシューズのような、靴底に高い負荷が掛かりやすいタイプのスポーツシューズでは、高い負荷を受けた際のひずみ量(変形量)が比較的少ない靴底用部材を備えていることが求められる。
他方、靴底用部材における発泡体の発泡率を低めにすると、靴底用部材のひずみ量は比較的小さくなるが、高い負荷を受けていない通常の使用時における靴底用部材の緩衝性も低くなるという問題がある。さらに、該発泡体の剛性が高くなるため、該靴底用部材を備えた靴では、足入れ感覚が硬いという問題がある。
日本国特開2013−220354号公報 日本国特開2014−151210号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、靴に備えられた際に柔らかな足入れ感覚を示し、過度の変形を抑制しつつ高い緩衝性を発揮することができる靴底用部材、及びそのような靴底用部材を備えた靴を提供することを課題とする。
本発明者らは、複数の樹脂発泡粒子の間に比較的弾性率の低いエラストマーが分散した樹脂複合体を用いることにより、前記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明に係る靴底用部材は、複数の樹脂発泡粒子と、23℃における初期弾性率が前記樹脂発泡粒子よりも小さい1つ又は複数の非発泡の弾性体とが一体化した樹脂複合体で一部又は全部が形成されている。
本発明に係る靴底用部材では、好ましくは、前記弾性体が複数であり、前記樹脂複合体が、前記複数の樹脂発泡粒子により構成されたマトリクス内に複数の前記非発泡の弾性体が分散したものである。
本発明に係る靴底用部材では、好ましくは、前記樹脂複合体が、前記1つ又は複数の非発泡の弾性体により構成されたマトリクス内に前記複数の樹脂発泡粒子が分散したものである。
本発明に係る靴底用部材では、好ましくは、前記複数の樹脂発泡粒子が、ポリアミド系エラストマーを含む樹脂組成物からなる。
本発明に係る靴底用部材では、好ましくは、前記複数の樹脂発泡粒子が、オレフィン系エラストマーを含む樹脂組成物からなる。
本発明に係る靴底用部材では、好ましくは、前記複数の樹脂発泡粒子が、ウレタン系エラストマーを含む樹脂組成物からなる。
本発明に係る靴底用部材では、好ましくは、前記1つ又は複数の弾性体が、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体を含む樹脂組成物からなる。
本発明に係る靴は、上述の樹脂複合体を備えている。
一実施形態の靴底用部材が用いられてなる靴を示した概略図。 実施例及び比較例の発泡体の圧縮応力−ひずみ曲線。 実施例及び比較例の発泡体の圧縮応力−ひずみ曲線。 実施例及び比較例の発泡体の圧縮応力−ひずみ曲線。 実施例及び比較例の発泡体の圧縮応力−ひずみ曲線。
以下、図面を参照しつつ、本発明の靴底用部材及び靴の一実施形態について説明する。ただし、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
図1は、本実施形態の靴底用部材を備えた靴を示したものである。
該靴1は、足の上面を覆うアッパー材2と、アッパー材2の下側に配置されて靴底をなす靴底用部材3,4とを有している。
該靴1は、前記靴底用部材として、地面と接する位置に配されたアウターソール4と、アッパー材2とアウターソール4との間に配されたミッドソール3とを有している。
本実施形態の靴底用部材は、複数の樹脂発泡粒子と、23℃における初期弾性率が前記樹脂発泡粒子よりも小さい1つ又は複数の非発泡の弾性体が一体化した樹脂複合体で一部又は全部が形成されている。詳細には、本実施形態の靴底用部材では、該靴底用部材の一部又は全部が、複数の樹脂発泡粒子が一体化したマトリクスである発泡体と、前記発泡体内に分散している非発泡の弾性体であって、23℃における初期弾性率が前記発泡体よりも小さい弾性体と、を含む樹脂複合体により形成されている。
斯かる構成により、該靴底用部材は、初期剛性が比較的小さく、通常使用時のひずみ量が比較的大きく、かつ、高負荷時のひずみ量が比較的小さくなる。したがって、該靴底用部材を備えた靴は、柔らかな足入れ感覚を示し、過度の変形を抑制しつつ高い緩衝性を発揮することができる。ここで、高負荷時とは、概ね0.6〜1.0MPa程度の応力を該靴底用部材が受けている場合をいう。
なお、本明細書では、樹脂組成物等の弾性率(ヤング率)とは、23℃における圧縮弾性率をいう。より詳細には、後述する実施例に記載された条件により測定して得られた値をいう。
例えば、本実施形態の靴1では、ミッドソール3及びアウターソール4の両方が前記樹脂複合体で形成されていてもよく、ミッドソール3またはアウターソール4のいずれか一方が前記樹脂複合体で形成されていてもよい。また、ミッドソール3の一部またはアウターソール4の一部が前記樹脂複合体で形成されていてもよい。
好ましくは、本実施形態の靴1では、少なくともミッドソール3の一部または全部が、前記樹脂複合体で形成されていてもよい。
(発泡体)
本実施形態の樹脂複合体に含まれる発泡体は、複数の樹脂発泡粒子が一体化したものである。
本明細書において、樹脂発泡粒子とは、樹脂組成物により構成され、該樹脂組成物の内部に複数の空隙を有する発泡粒子をいう。
前記複数の樹脂発泡粒子は、樹脂発泡粒子とすることが可能な任意の樹脂組成物により構成されていてもよい。例えば、前記樹脂組成物はポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリエステル(PEs)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)であってもよく、好ましくは、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリエチレン(PE)であってもよい。これらの樹脂組成物は、単独で使用されてもよく、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
好ましくは、前記樹脂組成物は、ポリアミド系エラストマーを含んでいる。その場合には、本実施形態の靴底用部材は、靴底用部材として好適な剛性及び好適な軽量性を有し得る。
また、好ましくは、前記樹脂組成物は、オレフィン系エラストマーまたはウレタン系エラストマーを含んでいる。その場合には、本実施形態の靴底用部材は、比較的安価で製造することができる。
前記樹脂組成物に含まれるポリアミド系エラストマーは、特に限定されないが、ポリアミド単位からなるハードセグメントと、ポリエーテル単位からなるソフトセグメントとから構成されるポリエーテルブロックアミド
(PEBA)が好ましい。
前記ハードセグメントを構成するポリアミド単位は、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などであってもよく、ポリアミド11、ポリアミド12がより好ましい。これらのポリアミド単位は、単独で使用されてもよく、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
前記ソフトセグメントを構成するポリエーテル単位は、例えば、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどであってもよく、ポリテトラメチレンエーテルグリコールがより好ましい。これらのポリエーテル単位は、単独で使用されてもよく、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
なお、前記樹脂組成物は、他の任意の樹脂組成物を含んでいてもよく、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの薬品をさらに含んでいてもよい。
前記複数の樹脂発泡粒子は、従来公知の方法を用いて、前記樹脂組成物より作製され得る。具体的には、前記樹脂発泡粒子を構成する発泡樹脂粒子は、例えば、発泡剤を含有していない樹脂粒子を作製した後に発泡剤を含浸させる含浸法を用いて作製されてもよく、発泡剤を含んだ前記樹脂組成物を冷却水中に押し出して造粒する押出法を用いて作製されてもよい。
前記含浸法では、まず、前記樹脂組成物を成形して樹脂粒子を作製する。次に、前記樹脂粒子、発泡剤及び水系分散剤をオートクレーブ内に導入し、熱及び圧力を加えて撹拌することにより、前記樹脂粒子に発泡剤を含浸させる。この含浸させた発泡剤を発泡させることにより、前記発泡樹脂粒子が得られる。
前記押出法では、例えば、先端に多数の小孔を有するダイが装着された押出機内に、前記樹脂組成物及び発泡剤を添加して溶融混練する。この溶融混練物を前記ダイからストランド状に押出した後、直ちに冷却水中に導入して硬化させる。このようにして得られた硬化物を所定の長さに切断することにより、前記発泡樹脂粒子が得られる。
上記の方法において使用される発泡剤は、特に限定されず、例えば、化学発泡剤であってもよく、物理発泡剤であってもよい。
前記化学発泡剤は、化学反応または熱分解により気体を発生する発泡剤である。このような化学発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの無機系化学発泡剤や、アゾジカルボンアミドなどの有機系化学発泡剤が挙げられる。
前記物理発泡剤は、液化ガスや超臨界流体などであり、圧力低下または加熱により発泡する。このような物理発泡剤としては、例えば、ブタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロブタンなどの脂環式炭化水素類、炭酸ガス、窒素、空気などの無機ガスが挙げられる。
本実施形態において、前記発泡樹脂粒子を作製するには、前記樹脂組成物を発泡させるために超臨界流体を用いた含浸法を用いることが特に好ましい。その場合には、前記樹脂組成物を比較的低い温度にて超臨界流体に溶解させることができるため、前記樹脂組成物を溶融するための高温が不要となる。このことは、前記樹脂組成物がポリアミド系エラストマーのような融点の高い樹脂を含んでいる場合において、特に有利である。また、該方法では化学発泡剤を使用しないため、化学発泡剤の発泡に由来する有害ガスの発生が抑制されるという利点も有する。
なお、前記複数の樹脂発泡粒子の密度及び発泡倍率は、特に限定されない。
前記複数の樹脂発泡粒子の形状や大きさは、特に限定されない。前記樹脂発泡粒子の形状は、好ましくは球状である。その場合、前記樹脂発泡粒子の体積平均粒径D50(メディアン径)は、好ましくは、直径1〜20mmの範囲であってもよく、より好ましくは、直径2〜10mmの範囲であってもよい。
なお、本明細書では、樹脂粒子の粒径は、マイクロスコープにて粒子の長径を測定した値をいう。
前記発泡体は、前記複数の樹脂発泡粒子が熱プレス又は蒸気法等によって一体化されることにより形成されている。なお、後述するように、前記複数の樹脂発泡粒子と前記弾性体とを混合した状態で前記複数の樹脂発泡粒子を一体化することにより、内部に前記弾性体が分散された状態で前記発泡体を形成されることができる。
前記発泡体の初期弾性率は、23℃において、前記弾性体の初期弾性率以上となっている。好ましくは、前記弾性体の23℃における初期弾性率は、0.3MPa以上20MPa以下が好ましく、0.5MPa以上10MPa以下がより好ましい。その場合には、前記樹脂複合体の初期剛性及びひずみ量を、靴底用部材としてより好適な値とすることができる。
なお、前記樹脂複合体に含まれる前記発泡体の初期弾性率の測定は、前記樹脂複合体から、前記弾性体が含まれていない発泡体部分を切り出して試験片とし、この試験片の初期弾性率を測定することにより行うことができる。
ここで、前記発泡体の初期弾性率は、前記樹脂発泡粒子の初期弾性率とみなすことができる。
(弾性体)
本実施形態の樹脂複合体では、前記発泡体からなるマトリクス内において、前記複数の樹脂発泡粒子の間に、複数の弾性体が分散している。該弾性体は、前記発泡体の弾性率よりも低い弾性率を有するものである。具体的には、前記弾性体の23℃における初期弾性率が、前記発泡体の23℃における初期弾性率よりも低い。
好ましくは、前記弾性体の23℃における初期弾性率は、0.1MPa以上5MPa以下が好ましく、0.2MPa以上2MPa以下がより好ましい。前記弾性体の23℃における初期弾性率が0.1MPa未満であると、靴底用部材の耐久性や機械的強度が不足することがある。その場合には、前記樹脂複合体の初期剛性及びひずみ量を、靴底用部材としてより好適な値とすることができる。
前記弾性体は、比較的弾性率の低いエラストマーにより構成されていることが好ましい。本明細書において、エラストマーにより構成される弾性体は、概して、エラストマーを構成する成分に対して10%以上(重量比)の樹脂成分を含んでいる。
好ましくは、前記樹脂成分としては、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂またはウレタン系樹脂を用いることができる。前記スチレン系樹脂は、例えば、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、水添ポリスチレン−ポリ(スチレン・ブタジエン)−ポリスチレン(SSEBS))、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などであってもよく、SEBS、SSEBS、SISがより好ましい。前期ポリオレフィン系樹脂は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィンコポリマー、エチレン−プロピレンゴム、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル、エチレン−アクリル酸共重合体などであってもよく、エチレン−αオレフィンコポリマーがより好ましい。前記ウレタン系樹脂は、例えば、熱可塑性ウレタン、熱硬化性ウレタンなどであってもよく、熱可塑性ウレタンがより好ましい。また、これらの樹脂は、単独で使用されてもよく、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
前記エラストマーがスチレン系樹脂を含む場合には、該スチレン系樹脂中に含まれるスチレン成分の含有量(スチレン含有量)を適宜調節することによって、前記エラストマーの初期弾性率を適切な値に調節することができる。それにより、靴底用部材の初期剛性及びひずみ量を、適切な値に調整することができる。
前記エラストマーは、可塑剤をさらに含んでいてもよく、該可塑剤は、例えば、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系、オレフィン系などであり、パラフィン系がより好ましい。
また、前記弾性体は、前記弾性体主成分樹脂以外の任意の成分を含んでいてもよく、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの薬品をさらに含んでいてもよい。
前記弾性体に含まれる前記樹脂成分の量は、前記弾性体を構成する組成物全体に対して10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましく、40重量%以上が最も好ましい。
前記弾性体は、前記発泡体とは異なり、非発泡体である。これにより、前記弾性体を比較的高密度とすることができる。そのため、前記樹脂複合体は、高負荷時のひずみ量が小さいという特性を効果的に発揮することができる。
また、非発泡の弾性体を用いることにより、後述する樹脂複合体の成形時において、発泡度の異なる複数の材料を混合して熱プレスした場合に生じ得る樹脂発泡粒子の収縮が起こらないという利点も生じる。
(樹脂複合体)
本実施形態の樹脂複合体は、前記発泡体からなるマトリクス内に前記弾性体が分散したものである。具体的には、前記発泡体からなるマトリクス内において、前記複数の樹脂発泡粒子の間に、複数の前記非発泡の弾性体が分散したものである。そのため、本実施形態の樹脂複合体により形成された靴底用部材は、弾性体を含まない樹脂発泡体により形成された従来の靴底用部材に比べ、軽量でありながら、柔らかな足入れ感覚、過度の変形抑制、緩衝性を発揮することができる。
前記樹脂複合体に含まれる前記弾性体と前記樹脂発泡粒子との体積比率は、前記樹脂発泡粒子の量が前記弾性体の量よりも大きくなるように設定されるのが好ましい。その場合には、該靴底用部材は、該樹脂複合体による上述の特徴を、より効果的に発揮することができる。
前記樹脂複合体は、上記のようにして形成された複数の樹脂発泡粒子に前記弾性体を混合した後、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を一体化させることにより得られる。
前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を一体化させる方法は、例えば、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を熱プレス機により成形型内で熱プレスする、あるいは、蒸気法にて前記複数の樹脂発泡粒子及び前記弾性体を溶着させることにより行われ得る。このような方法を用いることにより、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を一回のステップにて一体化することができる。
前記弾性体は、好ましくは、従来公知の方法を用いて粒子状に成形された後に、前記複数の樹脂発泡粒子と混合され得る。粒子状に成形された前記弾性体の形状や大きさは、特に限定されない。
もっとも、前記弾性体を前記複数の樹脂発泡粒子に混合する方法は、特に限定されず、前記弾性体は、任意の方法により前記複数の樹脂発泡粒子に混合され得る。
前記熱プレスの際の温度は、前記複数の樹脂発泡粒子を構成する樹脂組成物の種類、及び前記弾性体を構成するエラストマーの種類に応じて、適宜調整される。例えば、前記樹脂発泡粒子がPEBAを含む樹脂組成物からなり、前記弾性体がSEBSを含むエラストマーからなる場合には、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子は、100〜180℃の範囲で適宜加圧して熱プレスされ得る。
本実施形態では、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を一体化させる際に、前記複数の樹脂発泡粒子と前記弾性体との配合割合を、求められる初期剛性及びひずみ量に応じて適宜調整することにより、幅広い物性を備えた種々の樹脂複合体を得ることができる。
また、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を一体化させる前に、求められる初期剛性及びひずみ量に応じて、前記複数の樹脂発泡粒子と前記弾性体との配合割合を所定の領域毎に別々に調整しておき、その後一体化させて樹脂複合体としてもよい。
例えば、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を熱プレスにより一体化する場合には、靴底用部材において比較的大きな負荷のかかりやすい領域、具体的には踵部、前足部の領域における弾性体の配合割合を、他の領域における弾性体の配合割合に比べて大きくしてもよい。靴底用部材の踵部における弾性体の配合割合が大きいと、各種スポーツ動作における着地時に、踵部に比較的大きな負荷がかかった場合にも、弾性体の特性による衝撃緩衝効果を効果的に発揮することができる。また、靴底用部材の前足部における弾性体の配合割合が大きいと、カッティング動作時に靴底の過度な変形を抑制することにより、スムーズな体重移動が可能となる。
一方、靴底用部材において比較的大きな負荷のかかりにくい領域では、弾性体の配合割合を、他の領域における弾性体の配合割合に比べて小さくしてもよい。例えば、中足部には大きな負荷はかかりにくいため、靴底用部材の中足部には一定程度の緩衝性があればよい。そのため、中足部の領域における弾性体の配合割合は小さくてもよく、それにより、靴底用部材を軽量化することができる。
上記のように、前記複数の樹脂発泡粒子と前記弾性体との配合割合を所定の領域毎に別々に調整することにより、初期剛性及びひずみ量が領域毎に異なる樹脂複合体を形成することができる。
本実施形態では、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を一体化させるために、結合剤を適宜用いてもよい。前記結合剤としては、例えば、表面改質剤やウレタン等の前記発泡樹脂以外のバインダーなどが挙げられる。これらの結合剤は、単独で使用されてもよく、2種以上組み合わせて使用されてもよい。
好ましくは、前記弾性体が混合された前記複数の樹脂発泡粒子を熱プレスする際に、前記結合剤を用いてもよい。
本実施形態の前記樹脂複合体は、初期剛性が比較的小さく、通常使用時のひずみ量が比較的大きく、かつ、高負荷時のひずみ量が小さい。これらの初期剛性及びひずみ量は、後述する実施例に記載される方法に基づく圧縮応力−ひずみ曲線より求めることができる。
前記樹脂複合体の23℃における初期弾性率は、好ましくは10MPa以下であり、より好ましくは5MPa以下である。
(靴底用部材及び靴)
本実施形態の靴底用部材、及び該靴底用部材を備えた靴は、従来公知の靴の製造方法と同様にして製造することができる。
例えば、本実施形態の靴底用部材を備えた靴底用部材の製造方法は、以下の工程を含む。
(a)樹脂発泡粒子用の樹脂組成物より、上述の含浸法、押出法等により前記複数の樹脂発泡粒子をそれぞれ製造する第1工程、
(b)前記第1工程で得られた前記複数の樹脂発泡粒子に、前記弾性体を混合させる第2工程、
(c)前記混合物を成形型内に導入し、熱プレス機により該成形型を熱プレスすることにより、前記複数の樹脂発泡粒子が一体化され、内部に弾性体が分散された樹脂複合体を得る第3工程、
(d)前記第3工程で得られた樹脂複合体で一部又は全部が形成された靴底用部材を作製する第4工程。
このような方法によれば、前記第3工程において、前記複数の第1及び第2の樹脂粒子を一回のステップにて一体化することができる。
なお、前記第3工程では、成形型を用いた熱プレスにより、靴底用部材の形状を直接成形してもよい。その場合、前記樹脂複合体で全部が形成された靴底用部材を直接製造することができるため、前記第4工程を省略できる。
以上のように、本実施形態の靴底用部材は、複数の樹脂発泡粒子と、23℃における初期弾性率が前記樹脂発泡粒子よりも小さい1つ又は複数の非発泡の弾性体とが一体化した樹脂複合体で一部又は全部が形成された靴底用部材であるため、初期剛性が比較的小さく、通常使用時のひずみ量が比較的大きく、かつ、高負荷時のひずみ量が比較的小さくなる。したがって、該靴底用部材を備えた靴は、柔らかな足入れ感覚を示し、過度の変形を抑制しつつ高い緩衝性を発揮することができる。
また、本実施形態の靴は、前記靴底用部材を備えているため、柔らかな足入れ感覚を示し、過度の変形を抑制しつつ高い緩衝性を発揮することができる。
なお、本発明に係る靴底用部材及び靴は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る靴底用部材及び靴は、上記した作用効果によって限定されるものでもない。本発明に係る靴底用部材及び靴は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施形態における靴底用部材を形成する樹脂複合体は、前記樹脂発泡粒子により構成された発泡体からなるマトリクス内に前記弾性体が分散したものであったが、これとは逆に、前記弾性体からなるマトリクス内に複数の樹脂発泡粒子が分散したものであってもよい。そのような樹脂複合体により形成された靴底用部材は、前記樹脂発泡粒子により構成された発泡体内に前記弾性体が分散した樹脂複合体で形成された靴底用部材に比べ、より柔軟な足入れ感を実現し、高負荷時における過度な変形をより抑制することができる。
この場合において、樹脂複合体に含まれる前記弾性体と前記樹脂発泡粒子との体積比率は、前記弾性体の量が前記樹脂発泡粒子の量よりも大きくなるように設定されるのが好ましい。その場合には、該靴底用部材は、該樹脂複合体による上述の特徴を、さらに効果的に発揮することができる。
また、ここではこれ以上の詳細な説明を繰り返して行うことをしないが、上記に直接的に記載がされていない事項であっても、靴底用部材について従来公知の技術事項については、本発明においても適宜採用可能である。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
後述する実施例1〜7及び比較例1〜8に使用する樹脂組成物として、以下の粒子状の原料を用いた。
スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS):密度0.9g/cm
熱可塑性ポリウレタン(TPU−1):密度1.07g/cm
熱可塑性ポリウレタン(TPU−2):密度1.17g/cm
・樹脂発泡粒子用材料
ポリエーテルブロックアミド(PEBA):アルケマ社製「PEBAX5533」
熱可塑性ポリウレタン(TPU−3)
(樹脂組成物の物性試験)
測定の結果、上述のSEBS、TPU−1及びTPU−2の23℃における初期弾性率は、それぞれ0.67MPa、7.6MPa及び1.1MPaであった。
初期弾性率は、SEBS、TPU−1及びTPU−2を直径29mm×高さ12mmの円柱形状に裁断し、そのサンプル片を、オートグラフ精密万能試験機((株)島津製作所製、製品名「AG−50kNIS MS型」)を用いて、23℃下で、ひずみ速度0.1mm/秒にて圧縮することによって得られた応力−ひずみ曲線より算出した。
(樹脂粒子の作製)
上述の各樹脂組成物原料を下記の装置を用いて粒子化することにより、粒径1.3mmの樹脂粒子をそれぞれ製造した。
押出機:口径65mm−50mmのタンデム型。
造粒用ダイス:直径0.8mm、ランド長さ3.0mmのノズルを40個備えており、押出機の押出し出口に連接されている。
水中ホットカット機:円周方向に8枚の刃を有する毎分3000回転の高速回転カッターを備えており、造粒用ダイスのノズル出口に該高速回転カッターが密着されている。該水中ホットカット機のダイバーター樹脂排出口には、ダイバーター樹脂排出口口径変更冶具(口径:3mm、ランド長:
15mm)が装備されている。
具体的には、以下のようにして前記樹脂組成物を粒子化した。まず、前記樹脂組成物を50kg/時間の割合で押出機内に供給し、前記樹脂組成物を加熱して溶融混練した。該押出機の押出し出口側では、樹脂組成物の温度が175℃となるように、樹脂組成物を冷却した。続いて、押出機内の樹脂組成物を、ヒーターにより300℃に保持された造粒用ダイスを通して、水圧0.4MPa、40℃の冷却水が循環しているチャンバー内に押出した。この押出しと同時に、ダイスより押し出された樹脂組成物を、水中ホットカット機の高速回転カッターにより切断した。このようにして切断された樹脂粒子をチャンバー内から取り出した後、脱水乾燥することにより、粒径1.3mmの球形の樹脂粒子を得た。
(樹脂発泡粒子の作製)
樹脂発泡粒子A
上記方法により製造された、PEBA原料「PEBAX5533」からなる樹脂粒子を用いて、樹脂発泡粒子Aを以下のようにして製造した。
内容積5Lの攪拌機付オートクレーブに、前記樹脂粒子2.3kgと、蒸留水2.3kgと、分散安定剤としてのピロリン酸マグネシウム6.0g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3gと、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド2.3gとを導入した後、該オートクレーブ内を320rpmで攪拌することにより懸濁させた。続いて、該オートクレーブ内を110℃まで昇温した後、該オートクレーブ内に発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=35:65(質量比))460gを圧入して、該オートクレーブ内を110℃で6時間保持した。その後、該オートクレーブ内を20℃まで冷却した後、該オートクレーブ内の前記樹脂粒子を取り出した。取り出した前記樹脂粒子を130℃の水蒸気存在下に置くことにより、前記樹脂粒子に含浸したブタン発泡剤を発泡させて、PEBAからなる樹脂発泡粒子Aを得た。
樹脂発泡粒子B
発泡剤であるブタンの圧入量を減らしたこと以外は樹脂発泡粒子Aと同様にして、樹脂発泡粒子Aとは発泡率の異なる、PEBAからなる樹脂発泡粒子Bを得た。
樹脂発泡粒子C〜F
発泡剤であるブタンの圧入量をそれぞれ異なる量とした以外は樹脂発泡粒子Aと同様にして、樹脂発泡粒子Aとは発泡率の異なる、PEBAからなる樹脂発泡粒子C〜Fをそれぞれ得た。
樹脂発泡粒子G
樹脂粒子としてTPU−3原料からなる樹脂粒子を使用し、従来公知の方法を用いて、TPU−3からなる樹脂発泡粒子Gを製造した。
(樹脂複合体の製造)
実施例1〜6及び比較例1〜3
以下の表1に示す所定量の前記PEBAからなる樹脂発泡粒子A又はBを、密閉容器内に導入した。この密閉容器内に窒素を0.5MPaGの圧力で圧入した後、該密閉容器内を常温にて6時間に亘って放置した。このようにして、前記樹脂発泡粒子に窒素を含浸させた。
前記樹脂発泡粒子を該密閉容器から取り出した後、表1に示す所定量の粒子状の弾性体と混合して、混合粒子原料を作製した。続いて、該混合粒子原料を成形型のキャビティ内に充填した。この成形型を0.24MPaの水蒸気で35秒間加熱することにより前記樹脂発泡粒子を一体化させて、樹脂複合体を成形した。得られた樹脂複合体では、前記樹脂発泡粒子が一体化した発泡体が全体として連続体となっており、該発泡体内に前記弾性体が散在していた。
その後、該樹脂複合体を直径29±1mm、厚さ12±1mmの円盤状に切断し、実施例1〜3の試験片を得た。
比較例4〜7
該混合粒子原料の代わりに樹脂発泡粒子C〜Fのうち1種のみを密閉容器内にそれぞれ導入したこと以外は実施例1〜6及び比較例1〜3と同様にして、前記樹脂発泡粒子を一体化させて発泡体をそれぞれ成形し、円盤状に切断して比較例4〜7の試験片をそれぞれ得た。
実施例7
前記PEBAからなる樹脂発泡粒子A又はBの代わりに、前記TPU−3からなる樹脂発泡粒子Gを用いたこと以外は実施例1〜6及び比較例1〜3と同様にして樹脂複合体を成形し、円盤状に切断して実施例7の試験片を得た。
比較例8
該混合粒子原料の代わりに樹脂発泡粒子Gのみを密閉容器内に導入したこと以外は実施例7と同様にして、前記樹脂発泡粒子を一体化させて発泡体を成形し、円盤状に切断して比較例8の試験片を得た。
(靴底用部材の物性試験)
密度の測定
実施例1〜7及び比較例1〜8の試験片の密度(真密度)は、水中置換法により測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1〜7の樹脂複合体試験片について、弾性体の含まれていない約10m×10mm×2mm程度の大きさの発泡体部分を切り出して、その密度をJIS K 7311:1995(水中置換法)に準拠して測定した。そして、実施例1〜6の樹脂複合体試験片の密度と、該発泡体部分の密度及び弾性体の密度とを比較することにより、実施例1〜7の樹脂複合体試験片に配合されている弾性体の量(体積%)を計算した。結果を表1に示す。
圧縮応力−ひずみ曲線の測定
実施例1〜7及び比較例1〜8の試験片の圧縮応力−ひずみ曲線は、発泡体を直径29mm×高さ12mmの円柱形状に裁断し、そのサンプル片を、オートグラフ精密万能試験機((株)島津製作所製、製品名「AG−50kNIS MS型」)を用いて、23℃下で、ひずみ速度0.1mm/秒にて圧縮することによって得た。このようにして測定した圧縮応力−ひずみ曲線を、図2〜5に示す。また、圧縮応力−ひずみ曲線から求められる、実施例1〜7及び比較例1〜8の試験片の23℃における初期弾性率E(MPa)、ひずみ0.4時の圧縮応力σ0.4(MPa)及び圧縮応力1MPa時のひずみεを、表1に示す。
Figure 0006484768
表1及び図2〜4から明らかなように、実施例1〜3の樹脂複合体は、比較例4の発泡体に比べ、ひずみ0.4時の圧縮応力σ0.4が同等でありながら、初期剛性Eが小さく、圧縮応力1MPa時のひずみεが比較的小さい。また、比較例5の発泡体に比べ、初期剛性Eが小さく、ひずみ0.4時の圧縮応力σ0.4が小さく(すなわち、比較的小さな応力で大きなひずみ量となる。すなわち、通常使用時のひずみ量が比較的大きい)、圧縮応力1MPa時のひずみεが比較的小さい。
さらに、実施例4〜6の樹脂複合体は、比較例7の発泡体に比べ、圧縮応力1MPa時のひずみεが同等でありながら、初期剛性Eが小さく、ひずみ0.4時の圧縮応力σ0.4が小さい。同様に、実施例7の樹脂複合体もまた、比較例8の発泡体に比べ、圧縮応力1MPa時のひずみεが同等でありながら、初期剛性Eが小さく、ひずみ0.4時の圧縮応力σ0.4が小さい。
そのため、実施例1〜7の樹脂複合体を靴底用部材として備えた靴は、柔らかな足入れ感覚を示し、過度の変形を抑制しつつ高い緩衝性を発揮できることがわかる。
これに対し、前記発泡体よりも弾性率の高い前記TPUからなる弾性体が前記発泡体内に分散している比較例1〜3の樹脂複合体は、実施例1〜3に比べて初期剛性E及び圧縮応力σ0.4が大きい。そのため、これらの樹脂複合体を靴底用部材として備えた靴は、実施例1〜3の樹脂複合体を備えた靴に比べて、足入れ感覚が硬く、通常使用時の緩衝性に乏しいことがわかる。
1:靴、3:ミッドソール、4:アウターソール

Claims (6)

  1. 複数の樹脂発泡粒子と、23℃における初期弾性率が前記樹脂発泡粒子よりも小さい複数の非発泡の弾性体とが一体化した樹脂複合体であって、前記複数の樹脂発泡粒子により構成されたマトリクス内に前記複数の非発泡の弾性体が分散した樹脂複合体で一部又は全部が形成された靴底用部材。
  2. 前記複数の樹脂発泡粒子が、ポリアミド系エラストマーを含む樹脂組成物からなる、請求項に記載の靴底用部材。
  3. 前記複数の樹脂発泡粒子が、オレフィン系エラストマーを含む樹脂組成物からなる、請求項に記載の靴底用部材。
  4. 前記複数の樹脂発泡粒子が、ウレタン系エラストマーを含む樹脂組成物からなる、請求項に記載の靴底用部材。
  5. 記複の非発泡の弾性体が、スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体を含む樹脂組成物からなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の靴底用部材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の靴底用部材を備えた靴。
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