JP2016190465A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明においては、建装材として十分な製造特性および耐後加工性を備え、難燃性に優れた化粧シートを提供することを目的とする。【解決手段】本発明の化粧シート1は、複数の樹脂層からなる化粧シート1であって、前記樹脂層のうち少なくとも1層が、ポリオレフィン系樹脂に対して難燃化剤が配合された熱可塑性樹脂組成物からなる層とされ、前記難燃化剤が、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化されていることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、建築物内装材、建具の表面、家電製品の表面材などに用いられる化粧シートに関するもので、超臨界逆相蒸発法によりベシクル化された難燃剤を添加してなる熱可塑性樹脂組成物からなる層を有している化粧シートに関する。
従来からポリ塩化ビニル系樹脂からなる化粧シートが優れた加工適正や難燃性から化粧シートの主材料として用いられてきたが、廃棄後の焼却処理時に有毒ガスなどが発生するとして問題視されており、ポリ塩化ビニル系樹脂に替わり、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートが提案されている。
しかし、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートは、塩化ビニル樹脂を使用しないことで、焼却時における有毒ガス等の発生は抑制されるものの、ポリオレフィン系樹脂は燃焼性の高い樹脂の1つであり、不燃材料の技術的基準を満たすことが困難であった。
ポリオレフィン系樹脂の燃焼性を改善し不燃性を付与する手法としては、特許文献1乃至3において、層状珪酸塩、金属水酸化物、臭素系難燃化剤、リン系難燃化剤、塩素系難燃化剤、グラスファイバーおよび/またはメラミン誘導体などの難燃化剤を配合することが開示されている。
特開2003−311901号公報 特開2004−149664号公報 特開2004−160818号公報
燃焼性の高いポリオレフィン系樹脂に不燃性を付与するには、多量の難燃化剤を配合する必要がある。しかしながら、多量の難燃化剤を配合すると、ポリオレフィン系樹脂に難燃化剤を添加して形成される熱可塑性樹脂組成物シートの機械的特性が著しく低下し、当該熱可塑性樹脂組成物シートに対する絵柄印刷やその他の樹脂層の積層における製造工程が困難となるとともに、得られた化粧シートの後加工性に劣るという問題点を有していた。
そこで、本発明においては、ポリオレフィン系樹脂への難燃化剤の分散性を良好なものとするために、超臨界逆相蒸発法により当該難燃化剤にナノカプセル化処理を施した後に、ポリオレフィン系樹脂に配合することにより、建装材として十分な製造特性および耐後加工性を備え、不燃性に優れた化粧シートを提供することを目的とする。
上記課題を達成するべく、本発明の第1の態様の化粧シートは、複数の樹脂層からなる化粧シートであって、前記樹脂層のうち少なくとも1層が、ポリオレフィン系樹脂に対して難燃化剤が配合された熱可塑性樹脂組成物からなる層とされ、前記難燃化剤が、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化されていることを特徴とする。
このような、本発明の第1の態様の化粧シートにおいては、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化された難燃化剤とすることにより、ポリオレフィン系樹脂への分散性を極めて良好なものとすることができる。その結果、難燃化剤がポリオレフィン系樹脂中において二次凝集することなく均一に分散するため、難燃化剤の表面積が増大して少ない配合量においても不燃性を付与した化粧シートを実現することを可能とする。さらには、難燃化剤の添加量を低減化できることで、化粧シートに要求される機械的強度を維持した不燃性の化粧シートを提供することができる。
本発明の第2の態様の化粧シートは、前記難燃化剤が、少なくとも無機系難燃化剤を含み、前記無機系難燃化剤が、金属水酸化物であることを特徴とする。
本発明の第3の態様の化粧シートは、前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムであることを特徴とする。
このような、本発明の第2の態様および第3の態様の化粧シートにおいては、焼却処理時に有毒ガスなどの発生がなく環境適正を備えた化粧シートを提供することを可能とする。
本発明の第4の態様の化粧シートは、前記ベシクルが、リン脂質の外膜からなるリポソームであることを特徴とする。
このような、本発明の第4の態様の化粧シートにおいては、外膜をリン脂質からなるリポソームとすることで、ポリオレフィン樹脂との相溶性が向上し、難燃剤の分散性をさらに良好なものとすることができる。
本発明の第5の態様の化粧シートは、前記熱可塑性樹脂組成物からなる層が、引張弾性率が500MPa以上2000MPa以下であり、かつ、引張破断伸度が200%以上であることを特徴とする。
このような、本発明の第5の態様の化粧シートにおいては、印刷加工や他の樹脂層との積層加工などの製造適正を有し、例えばVカット曲げ加工などの耐後加工性に優れた化粧シートを提供することを可能とする。
本発明の第6の態様の化粧シートは、前記熱可塑性樹脂組成物からなる層が、一軸延伸加工または二軸延伸加工されていることを特徴とする。
このような、本発明の第6の態様の化粧シートにおいては、熱可塑性樹脂組成物からなる層に対して、一軸延伸加工または二軸延伸加工を施していることにより、結晶化度を向上させてさらに機械的強度を向上させることができるとともに、表面の平滑性を確保してインキの着肉性を向上させることができるので印刷適正が良好な化粧シートを提供することを可能とする。
本発明の第7の態様の化粧シートは、不燃性基材と貼り合わせた状態でのISO5660−1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、建築基準法施工例第108条の2第1号および第2号に記載の要件を満たす不燃材料であることを特徴とする。
このような、本発明の第7の態様の化粧シートにおいては、不燃性に優れた化粧シートを提供することを可能とする。
本発明によれば、建装材として十分な製造特性および耐後加工性を備え、不燃性を付与した化粧シートを提供することができる。
本発明の化粧シートの第1実施形態を示す断面図 本発明の化粧シートの第2実施形態を示す断面図
本発明の化粧シートは、複数の樹脂層からなる化粧シートであって、当該樹脂層のうち少なくとも1層が、ポリオレフィン系樹脂に対して難燃化剤が配合された熱可塑性樹脂組成物からなる層とされ、当該難燃化剤が、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化された後、当該ポリオレフィン系樹脂に対して配合されていることが重要である。
本発明のおける難燃化剤とは、燃えにくい不燃性の材料であり、樹脂シートに配合することで当該樹脂シートの燃焼性を低下させるものである。具体的には、リン系化合物、ハロゲン系化合物、アルカリ土類酸化物、リン・窒素系化合物、リン・ハロゲン系化合物、ハロゲン・リン・窒素系化合物、硫黄・窒素系化合物、リン・硫黄・窒素・ハロゲン系化合物、ハロゲン・硫黄・窒素・硼素系化合物、リン・窒素系散る子に生む錯塩、ハロゲン・多価金属酸化物系、その他無機系化合物などの中から1種もしくは2種以上の混合物として選定することができる。特に、本発明においては、環境適正の観点から無機系化合物を用いることが重要である。
無機系化合物としては、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、アンチモンソーダ、珪化ジルコン、酸化ジルコンなどのジルコニウム化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、硼砂、硼酸亜鉛、三酸化モリブデン、あるいはジモリブデン酸アンチモンと水酸化アルミの錯体など、三酸化アンチモンとシリカの錯体、三酸化アンチモンと亜鉛華の錯体、ジルコニウムの珪酸塩、ジルコニウム化合物と三酸化アンチモンの錯体などの複合無機系難燃化剤などが挙げられ、工業製品への適応を想定した場合に、粒径および表面処理等のグレードが多く、入手が容易であり、材料コストの面より水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
ここで、超臨界逆相蒸発法は、本発明者等が提案している再表02/032564号公報、特開2003−119120号公報、特開2005−298407号公報および特開2008−063274号公報(以下、「超臨界逆相蒸発法公報類」と称する)に開示されている超臨界逆相蒸発法および装置を用いて行うことができる。
具体的に説明すると、超臨界逆相蒸発法とは、超臨界状態または臨界点以上の温度条件下の二酸化炭素もしくは臨界点以上の圧力条件下の二酸化炭素にベシクルの膜を形成する物質を均一に溶解させた混合物中に、水溶性または親水性の封入物質としての無機系難燃化剤を含む水相を加えて、一層の膜で封入物質を内包するカプセル状のベシクルとする方法である。なお、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度(30.98℃)および臨界圧力(7.3773±0.0030MPa)以上の超臨界状態にある二酸化炭素を意味し、臨界点以上の温度条件下の二酸化炭素もしくは臨界点以上の圧力条件下の二酸化炭素とは、臨界温度だけ、あるいは臨界圧力だけが臨界条件を超えた条件下の二酸化炭素を意味するものである。この方法により、直径50〜800nmの単層ラメラベシクルを得ることができる。ここで、ベシクルとは、球殻状に閉じた膜構造を有する小胞であり、内部に液相を含むものを指す。そして、外膜がリン脂質のような生体脂質から構成されるベシクルをリポソームと称する。
本発明の化粧シートの熱可塑性樹脂組成物を調製する際には、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化された難燃化剤を用いることが重要であり、このような、ベシクル内に内包された状態の難燃化剤は、当該ベシクルとポリオレフィン系樹脂とを混練させた際に、ポリオレフィン系樹脂中において凝集することなく均一に分散するため、ポリオレフィン系樹脂に対する難燃化剤の充填量を増大させても、機械的強度や耐後加工性などに優れたシートを形成可能な熱可塑性樹脂組成物を得ることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどを)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。
ベシクルの外膜を形成するリン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、カルジオピン、黄卵レシチン、水添黄卵レシチン、大豆レシチン、水添大豆レシチン等のグリセロリン脂質、スフィンゴミエリン、セラミドホスホリルエタノールアミン、セラミドホスホリルグリセロール等のスフィンゴリン脂質などが挙げられる。これらのリン脂質からなる外膜を具備するベシクルは、リポソームと称する。
また、ベシクルの外膜には、少なくともリン脂質などの生体脂質が含まれていればよいので、生体脂質と下記のようなその他の物質との混合物から外膜を形成するようにしてもよい。
前記その他の物質としては、ノニオン系界面活性剤や、これとコレステロール類もしくはトリアシルグリセロールの混合物などが挙げられる。このうちノニオン系界面活性剤としては、ポリグリセリンエーテル、ジアルキルグリセリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマー、ポリブタジエン−ポリオキシエチレン共重合体、ポリブタジエン−ポリ2−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリアクリル酸共重合体、ポリエチレンオキシド−ポリエチルエチレン共重合体、ポリオキシエチレン−ポリカプロラクタム共重合体等の1種または2種以上を使用することができる。コレステロール類としては、コレステロール、α−コレスタノール、β−コレスタノール、コレスタン、デスモステロール(5,24−コレスタジエン−3β−オール)、コール酸ナトリウムまたはコレカルシフェロール等を使用することができる。上記の物質から適宜選択して用いることにより、例えば、水溶性ではない内包物を水溶性の分散剤で包んだベシクルとすることにより、水溶性の溶媒などに水溶性ではない内包物を均一に分散させることができる。
本発明においては、ベシクルの外膜をリン脂質から形成したリポソームとされていることが重要である。外膜をリン脂質からなるリポソームとすることで、ポリオレフィン樹脂との相溶性が向上し、難燃剤の分散性をさらに良好なものとすることができる。
本発明の化粧シートは、引張弾性率が500MPa以上、2000MPa以下であって、引張破断伸度が200%以上であることが重要である。
引張破断伸度とは、試料を所定の速度で引っ張り、破断した際の伸びを表す値であり、破断時の試料の長さ(L)から試験前の試料の長さ(L)を引いた値を試験前の試料の長さ(L)で除した値を百分率で表した値であり、値が小さいほど伸びが悪く、印刷加工時における破断の発生など印刷適正に劣り、値が大きいほどよく伸びて印刷特性に優れている。この他にも例えば、値が大きいほどVカット曲げ加工などの耐後加工性に優れていることを示す。
また、本発明の化粧シートにおいては、熱可塑性樹脂組成物からなる層が、一軸延伸加工または二軸延伸加工されていることが重要である。本発明の化粧シートにおける熱可塑性樹脂組成物からなる層は、難燃化剤の高い分散性を実現していることで、当該難燃化剤を高充填した場合においてもフィルムとして十分な機械的強度を保持しているが、当該熱可塑性樹脂組成物からなる層に一軸延伸加工または二軸延伸加工を施して熱可塑性樹脂組成物の結晶性を高めることによって、フィルムとしての機械的強度をさらに向上させることができる。また、難燃化剤を高充填した場合には、得られるフィルムの表面に凹凸が生じて平滑性に劣る場合があり、当該フィルムの表面に絵柄印刷を施す際にインキの着肉性が悪くなるなどの影響があったが、一軸延伸加工または二軸延伸加工を施してフィルム表面の平滑性を改善することによって、印刷適正を良好にすることができる。
ここで、建築基準法施工令に規定の不燃材料の技術的基準においては、ISO5660−1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において下記の要件を満たしている必要がある(建築基準法施工令第108条の2第1号および第2号)。本発明の化粧シートが不燃材料として認定されるためには、不燃性基材と貼り合わせた状態で50kW/mの輻射熱による加熱にて20分間の加熱時間において下記の1〜3の要求項目をすべて満たす必要がある。
1.総発熱量が8MJ/m以下
2.最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/mを超えない
3.防炎上有害な裏面まで貫通する亀裂および穴が生じない
なお、不燃性基材としては、石こうボード、繊維混入ケイ酸カルシウム板または亜鉛メッキ鋼板から選択して用いることができる。
そして、本発明の化粧シートは、前記不燃性基材と貼り合わせた状態でのISO5660−1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、前記施工令第108条の2第1号および第2号に記載の要件をともに満たす不燃材料を実現している。
以下に、本発明における熱可塑性樹脂組成物からなる層を備えた化粧シートの構成の具体例を図に従って詳細に説明する。
図1は本発明の化粧シート1の第1実施形態を示し、複数の樹脂層からなる化粧シート1であって、当該樹脂層が、熱可塑性樹脂組成物からなる層としての原反層2である態様について説明する。化粧シート1は、当該化粧シート1が貼り合わせられる木質ボード類、無機質ボード類または金属板などの基材Bに面する側から、原反層2、絵柄模様層3およびトップコート層5を設けた構成とされている。なお、原反層2と基材Bとの間および/または絵柄模様層3とトップコート層5との間の接着性に問題があれば、原反層2と基材Bとの間および/または絵柄模様層3とトップコート層5との間にプライマー層6を適宜設けてもかまわない。
原反層2には、上記で説明した熱可塑性樹脂組成物、すなわち、ポリオレフィン系樹脂に対して、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化された難燃化剤を配合した難燃性の樹脂材料を用いる。また、シート状に形成する際に、一軸延伸加工または二軸延伸加工を施して熱可塑性樹脂組成物の結晶化度を高めて機械的強度を向上させるとともに、表面の平滑性を良好なものとしていることが好ましい。
絵柄模様層3としては、バインダーとしての硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定して用いることができる。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させる方法を用いてもよい。中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、イソシアネートによって硬化させる方法である。これらのバインダー以外には、通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤などが添加されている。汎用性の高い顔料としては、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等が挙げられる。また、インキの塗布とは別に各種金属の蒸着やスパッタリングで意匠を施すことも可能である。
トップコート層5としては、表面の保護や艶の調製としての役割を果たす樹脂組成物であればよく、熱硬化型樹脂もしくは熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂との混合物を用いることができる。より具体的には、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系などから適宜選択して用いることができる。熱硬化型樹脂としては、イソシアネートを用いたウレタン系のものが作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。イソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などから適宜選定して用いることができるが、耐候性を考慮すると、直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が好ましい。材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。この他にも、表面硬度の向上を図る場合には、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は相互に組み合わせて用いることが可能であり、例えば、熱硬化型樹脂と光硬化型樹脂とのハイブリッド型とすることにより、表面硬度の向上、効果収縮の抑制および絵柄印刷層3との密着性の向上を図ることができる。
また、化粧シートの表面の硬度をさらに向上させるために、トップコート層5として紫外線や電子線照射で硬化する樹脂を使用することも可能である。さらに耐候性を向上させるためには、トップコート層5に対して、紫外線吸収材および光安定材を適宜添加してもよい。そして、各種機能を付与するために抗菌材、防カビ材等の機能性添加材の添加も任意に行うことができる。さらに、表面の意匠性を向上させるために、艶の調整のための、あるいはさらに耐磨耗性を付与するための、アルミナ、シリカ、窒化珪素、炭化珪素、ガラスビーズ等を添加することもできる。
プライマー層6としては、基本的には絵柄模様層3と同じ材料を用いることができるが、化粧シートの裏面に施されるためにウエブ状で巻取りを行うことを考慮すると、ブロッキングを避けて且つ接着剤との密着を高めるために、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加させてもよい。
第1実施形態の化粧シート1においては、原反層2は印刷作業性、コストなどを考慮して20μm〜150μmとすることが望ましく、化粧シート1の総厚は25μm〜200μmの範囲内とすることが好適である。
図2は本発明の化粧シート1の第2実施形態を示し、第1実施形態の化粧シート1に対してさらに透明樹脂層4を具備した態様について説明する。なお、積層方法および透明樹脂層4の層数は、所望の化粧シート1の性能などに応じて適宜選択することができる。本実施形態の化粧シート1は、当該化粧シート1が貼り合わせられる木質ボード類、無機質ボード類または金属板などの基材Bに面する側から、原反層2、絵柄模様層3、接着層7(感熱接着層、アンカーコート層、ドライラミ接着材層)、透明樹脂層4、トップコート層5と積層された構成とされている。また、意匠性を向上させるために透明樹脂層4のトップコート層5側の面にエンボス模様4aを適宜設けてもよい。
また、本発明の化粧シート1における原反層2のように、オレフィン系の樹脂を用いる場合には、表面が不活性な状態とされていることが多いので、原反層2と基材Bとの間に、プライマー層6を設けることが好ましい。この他にも、オレフィン系材料からなる原反層2と基材Bとの接着性を向上させるために、原反層2の表裏にコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等を行うことが望ましい。
第2実施形態における絵柄模様層3、トップコート層5およびプライマー層6は、第1実施形態と同様の構成のものを用いることができる。
透明樹脂層4としては、ポリオレフィン系樹脂を用いることができ、オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどを)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、化粧シート1の表面強度の向上を図る場合には、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
なお、透明樹脂層4には、必要に応じて熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤および艶調整剤等を各種添加剤を添加することもできる。熱安定剤としては、フェノール系、硫黄系、リン系、ヒドラジン系等、紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤としては、ヒンダードアミン系等を、任意の組み合わせで添加するのが一般的である。
接着層7としては、発熱性試験時の熱量を考慮して、可能な限り薄く積層されていることが望ましい。接着材としては、可能な限り燃焼時の熱量が少ないものが望ましく、それ以外は特に限定されるものではない。
また、化粧シート1に隠蔽性を付与したい場合には、原反層2を着色シートとすることで隠蔽性を付与したり、原反層2などは透明シートのままで、別途、不透明な隠蔽層8を設けて隠蔽性を付与することができる。
隠蔽層8としては、基本的には絵柄模様層3と同じ材料から構成することができるが、隠蔽性を保たせることを目的としているので、顔料としては不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用することが好ましい。また隠蔽性を上げるために金、銀、銅、アルミ等の金属を添加することも可能である。一般的にはフレーク状のアルミを添加させることが多い。
本発明の化粧シート1を形成するに当たり、積層方法は特に限定するものではなく、熱圧を応用した方法、押し出しラミネート方法およびドライラミネート方法などの一般的に用いられる方法から適宜選択して形成することができる。エンボス模様4aを形成する場合には、一旦、前記積層方法によってラミネートした後に熱圧によってエンボス模様4aを入れる方法または冷却ロールに凹凸模様を設けて押し出しラミネートと同時にエンボス模様4aを形成することができる。
第2実施形態の化粧シートにおいては、原反層2は印刷作業性、コストなどを考慮して20μm〜150μm、接着層7は1μm〜20μm、透明樹脂層4は20μm〜200μm、トップコート層5は3μm〜20μmとすることが望ましく、化粧シート1の総厚は45μm〜250μmの範囲内とすることが好適である。接着層7が1μm以下の場合、積層体として求められる密着性を得ることができず、10μm以上であると不燃性能に劣る可能性が高い。
以上のように、本発明の化粧シート1においては、超臨界逆相蒸発法によりベシクル化された無機系難燃化剤がポリオレフィン系樹脂に配合されているので、当該難燃化剤を凝集させることなく均一に分散させた状態で高充填することが可能となり、難燃化剤が充填された分だけ化粧シート1に要する樹脂成分を低減化させて、燃焼時に生じる発熱量を抑制し、建築基準法施工令に記載の不燃材料の技術的基準を満たした「不燃材料」としての化粧シート1を提供することを可能とする。
またさらに、熱可塑性樹脂組成物からなる層を一軸延伸加工または二軸延伸加工することにより、結晶化度を向上させてさらに機械的強度を向上させることができるとともに、延伸によって表面を平滑化してインキの着肉性を向上させ印刷適正を良好なものとすることができる。
<本発明の熱可塑性樹脂組成物の作成>
以下に、本発明の熱可塑性樹脂組成物の詳しい作成方法について説明する。
本発明のベシクルの調製は超臨界逆相蒸発法により下記の方法で行った。メタノール100重量部、難燃化剤としての水酸化マグネシウム162重量部、ベシクルの外膜を形成する物質としてのホスファチジルコリン5重量部を60℃に保たれた高圧ステンレス容器に入れて密閉し、圧力が20MPaとなるように二酸化炭素を注入して超臨界状態とした後、激しく攪拌混合しながらイオン交換水を100重量部注入する。容器内の温度および圧力を保持した状態で15分間攪拌後、二酸化炭素を排出して大気圧に戻すことによって難燃化剤としての水酸化マグネシウムが内包されたリン脂質からなる外膜を具備するリポソームを得た。
そして、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記方法により調整したリポソーム30重量部と、ホモポリプロピレン樹脂100重量部とをヘンシェルミキサーを用いて400rpm、15分間混合し、噛合い型2軸押出機を用いて真空脱気しながら溶融混練した後、ストランドカット法により熱可塑性樹脂組成物のペレタライズを得た。
以下に、本発明の化粧シート1の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>
実施例1は、ポリエチレン樹脂に対して、超臨界逆相蒸発法によりベシクル化処理を施した水酸化マグネシウム30重量部を配合したフィルムを原反層2とした透明樹脂層4を具備しない化粧シートとした。
具体的には、上記方法によって得られた難燃化剤としての水酸化マグネシウムを内包したリポソーム30重量部を、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製:ハイゼックス5305E MFR=0.8g/10min(190℃))100重両部に添加し、噛合い型2軸押出機を用い溶融混練した後、ストランドカット法によりペレタイズを実施して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。この熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いたカレンダー成形法により膜厚90μmの原反層2としての原反シート2を製膜した。当該原反シート2の一方の面に2液硬化型ウレタンインキ(V180:東洋インキ製造(株)製)にて絵柄印刷を施して絵柄印刷層3を形成し、また、その原反シート2の他方の面にプライマーコートを施してプライマー層6を形成した。そして、当該プライマー層6上に2液硬化型ウレタントップコート(W184:DICグラフィックス社製)を塗布量3g/mにて塗布してトップコート層5を形成して図1に示す総厚94μmの化粧シート1を得た。
<実施例2>
実施例2は、ポリエチレン樹脂に対して、超臨界逆相蒸発法によりベシクル化処理を施した水酸化マグネシウム30重量部を配合したフィルムを原反層2とした透明樹脂層4を具備する化粧シートとした。
具体的には、まず、ペンタッド分率が97.8%、MFR(メルトフローレート)が15g/10min(230℃)、分子量分布MWD(Mw/Mn)が2.3の高結晶化ホモポリプロピレン樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:BASF社製)を500PPMと、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン328:BASF社製)を2000PPMと、ヒンダードアミン系光安定剤(キマソーブ944:BASF社製)を2000PPMとを添加した樹脂を溶融押出機を用いて押し出し、透明樹脂層4として使用する厚さ80μmの高結晶性ポリプロピレン製の透明樹脂シート4を製膜した。続いて、製膜された透明樹脂シート4の両面にコロナ処理を施して表面の濡れを40dyn/cm以上とした。
他方、上記方法によって得られた難燃化剤としての水酸化マグネシウムを内包したリポソーム30重量部を、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製:ハイゼックス5305E MFR=0.8g/10min(190℃))100重両部に添加し、噛合い型2軸押出機を用い溶融混練した後、ストランドカット法によりペレタイズを実施して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。この熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いたカレンダー成形法により膜厚70μmの原反層2としての原反シート2を製膜した。当該原反シート2の一方の面に2液硬化型ウレタンインキ(V180:東洋インキ製造(株)製)にて絵柄印刷を施して絵柄印刷層3を形成し、また、その原反シート2の他方の面にプライマーコートを施してプライマー層6を形成した。しかる後、原反シート2一方の面に形成された絵柄印刷層3側に対して、上記の透明樹脂シート4による透明樹脂層4をドライラミネート用接着剤(タケラックA540:三井化学工業製;塗布量2g/m )による接着層7を介してドライラミネート法にて貼り合わせた。次に貼り合わせたシートの透明樹脂層4の上面に、エンボス用の金型ロールを用いてプレスしてエンボス模様4aを施した後、そのエンボス模様4a面上に2液硬化型ウレタントップコート(W184:DICグラフィックス社製)を塗布量3g/mにて塗布してトップコート層5を形成して図2に示す総厚154μmの化粧シート1を得た。
<比較例1>
比較例1においては、ポリエチレン樹脂に対して、ベシクル化処理を施していない水酸化マグネシウム30重量部を配合したフィルムを原反層2とした透明樹脂層4を具備する化粧シート1とした。なお、透明樹脂層4は実施例2と同じものを用いる。
具体的には、実施例2について、水酸化マグネシウム30重両部を、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製:ハイゼックス5305E MFR=0.8g/10min(190℃))100重両部に添加し、噛合い型2軸押出機を用い溶融混練したのちストランドカット法によりペレタイズを実施して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。この熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いたカレンダー成形法により膜厚70μmの原反層2としての原反シート2を製膜した。以下の工程に関しては、実施例2と同様の加工により化粧シート1を得た。
<比較例2>
比較例2においては、ポリエチレン樹脂に対して、ベシクル化処理を施していない水酸化マグネシウム60wt%を配合したフィルムを原反層2とした透明樹脂層4を具備する化粧シート1とした。なお、透明樹脂層4は実施例2と同じものを用いる。
具体的には、水酸化マグネシウム60重両部を、高密度ポリエチレン(プライムポリマー製:ハイゼックス5305E MFR=0.8g/10min(190℃))100重両部に添加し、噛合い型2軸押出機を用い溶融混練したのちストランドカット法によりペレタイズを実施して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。この熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いたカレンダー成形法により膜厚70μmの原反層2としての原反シート2を製膜した。以下の工程に関しては、実施例2と同様の加工により化粧シート1を得た。
<比較例3>
比較例3においては、固相法にてナノ化処理を施した水酸化マグネシウムを添加した化粧シートとした。具体的な作成方法を以下に説明する。なお、透明樹脂層4は実施例2と同じものを用いる。
イソプロピルアルコールと水酸化マグネシウムの混合物をビーズミルで60分間、30μmの安定化ジルコニアビースを用いて、固相法によりナノ化処理を施した水酸化マグネシウム30重両部を高密度ポリエチレン(プライムポリマー製:ハイゼックス5305E MFR=0.8g/10min(190℃))100重両部に添加し、噛合い型2軸押出機を用い溶融混練したのちストランドカット法によりペレタイズを実施して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。この熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いたカレンダー成形法により膜厚70μmの原反層2としての原反シートを製膜した。以下の工程に関しては、実施例2と同様の加工により化粧シート1を得た。
上記実施例1、2および上記比較例1〜3で得られた各々化粧シートについて、コーンカロリーメータ試験機による発熱性試験および引張試験を実施した結果を表1に示す。
Figure 2016190465
各試験を実施した結果から、表1に示すように、本発明の超臨界逆相蒸発法によりベシクル化された難燃剤を添加した原反層2を採用した実施例1、2における化粧シート1は、建築基準法施工令に規定の不燃材料の技術的基準を満たしている「不燃材料」であることが明らかとなった。ナノ化処理を施していない難燃剤を添加した比較例1および固相法によりナノ化処理を施した比較例2については、不燃材料の技術的基準を満たしていない。一方難燃剤を過剰に添加した比較例2については不燃材料の技術を満たしている。しかし、比較例2において引張試験における弾性率が高く、破断伸度が小さい結果であり、不燃規格はみたすものの化粧シートとしての耐後加工性に問題があるといえる。
一方、実施例1、2における化粧シート1は、いずれの化粧シート1においても引張弾性率が500MPa以上、2000MPa以下、引張破断伸度が200%以上を達成しており、化粧シートに求められる機械的強度を備えた耐後加工性に優れた化粧シート1であることが明らかとなった。
以上の結果から、実施例1、2における化粧シート1は、建築基準法施工令に規定の不燃材料の技術的基準を満たす「不燃材料」であるとともに、化粧シートに要求される機械的強度を備えた耐後加工性に優れた化粧シート1であると言える。
本発明の化粧シート1は、上記の実施形態および実施例に限定されるものではなく、発明の特徴を損なわない範囲において種々の変更が可能である。
1 化粧シート
2 原反層
3 絵柄模様層
4 透明樹脂層
4a エンボス模様
5 トップコート層
6 プライマー層
7 接着層
8 隠蔽層
B 基材

Claims (7)

  1. 複数の樹脂層からなる化粧シートであって、
    前記樹脂層のうち少なくとも1層が、ポリオレフィン系樹脂に対して難燃化剤が配合された熱可塑性樹脂組成物からなる層とされ、
    前記難燃化剤が、超臨界逆相蒸発法によってベシクル化されていることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記難燃化剤が、少なくとも無機系難燃化剤を含み、
    前記無機系難燃化剤が、金属水酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記金属水酸化物が、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムで
    あることを特徴とする請求項2に記載の化粧シート。
  4. 前記ベシクルが、リン脂質の外膜からなるリポソームであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の化粧シート。
  5. 前記熱可塑性樹脂組成物からなる層が、引張弾性率が500MPa以上2000MPa以下であり、かつ、引張破断伸度が200%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の化粧シート。
  6. 前記熱可塑性樹脂組成物からなる層が、一軸延伸加工または二軸延伸加工されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の化粧シート。
  7. 前記化粧シートが、不燃性基材と貼り合わせた状態でISO5660−1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、建築基法施行令第108条の2第1号および第2号に記載の要件を満たす不燃材料であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の化粧シート。
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