JP2016188066A - エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの接続口部に配設される補強シートの耐熱性を簡便に向上させることができるエアバッグ装置を提供すること。【解決手段】エアバッグ装置Sのエアバッグ30は、エアバッグ本体31のインフレーター20を挿入させる接続口部33内に、可撓性を有した補強シート70を配設させている。補強シートは、インフレーターの軸方向IDと交差する方向の折目72を設けて二つ折りされてインフレーターの先端側20aを包むように配設される第1カバー部71と、インフレーターの軸方向に沿う折目82を設けて二つ折りされて、インフレーターの先端側を包むように配設される第2カバー部81と、を備える。第1,第2カバー部71,81は、折目72,82を連ならせるように、重ねて配設されるとともに、エアバッグ本体の本体膨張部31側を開口させる開口部71c,81cを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載されて、略円柱状のインフレーターからの膨張用ガスを流入させて膨らむエアバッグを備えたエアバッグ装置に関する。
従来、略円柱状のインフレーターを接続させるエアバッグとしては、エアバッグ本体と、エアバッグ本体内に配設される可撓性を有した補強シート(補強布)と、を備えていた(例えば、特許文献1参照)。エアバッグ本体は、膨張用ガスを流入させて正面側壁部と背面側壁部とを離すように膨らむ本体膨張部と、インフレーターからの膨張用ガスを本体膨張部へ流入させるように、インフレーターと接続される筒状の接続口部と、を備えていた。接続口部は、本体膨張部側に略直交するように接続される本体側筒部と、本体側筒部に略直交するように連なるとともに、インフレーターを挿入させてインフレーターと接続される挿入側筒部と、を有するL字状に屈曲された状態として、車両に搭載される構成としていた。補強シートは、耐熱性を向上させるために、エアバッグ本体の接続口部の内周側で、インフレーターの外周を覆うように配設されていた。そして、従来の補強シートは、袋織りのもの(例えば、特許文献2参照)に比べて、安価に製造できるように、平織り等したシート状の布材を二つ折りして、膨張用ガスを本体膨張部側に案内するように、所定の周縁を縫合して形成されていた。
特開2011−201518号公報([0041]、図14,18) 特開2006−117109号公報
しかし、従来のエアバッグ装置では、補強シートが、平織りした布材を、接続口部内の挿入側筒部における本体膨張部から離れた上縁側に折目を付けて二つ折りし、本体側筒部内におけるインフレーターから離れた前縁側近傍部位に、縫合部位を設けていた。
そして、接続口部内における挿入側筒部から本体側筒部を経て本体膨張部に供給されるインフレーターからの膨張用ガスは、挿入側筒部の軸方向に沿って流れて、接続口部の本体側筒部の前縁に当たるように流れ、その後、本体側筒部の軸方向に沿って本体膨張部側に流れていた。しかしながら、従来のエアバッグでは、膨張用ガスが当たる本体側筒部の前縁側には、補強シートの縫合部位が配設されることとなっていた。
そのため、補強シートの縫合部位が、より高温の膨張用ガスと当たれば、ダメージを受ける虞れが生ずることから、補強シートの耐熱性向上に課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアバッグの接続口部に配設される補強シートの耐熱性を簡便に向上させることができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグ装置は、膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、先端側から吐出する膨張用ガスを前記エアバッグに供給する略円柱状のインフレーターと、を備えて構成される。前記エアバッグは、エアバッグ本体と、該エアバッグ本体の内周側に配置される可撓性を有した補強シートと、を備える。前記エアバッグ本体は、膨張用ガスを流入させて正面側壁部と背面側壁部とを離すように膨らむ本体膨張部と、前記インフレーターからの膨張用ガスを前記本体膨張部へ流入させるように、前記インフレーターと接続される筒状の接続口部と、を備える。前記補強シートは、前記接続口部の内周側で、前記インフレーターの外周側を覆うように配設される。
前記補強シートは、第1カバー部と第2カバー部とを備える。該第1カバー部は、前記インフレーターの先端側から前記インフレーターの軸方向に沿って離れた方向で前記インフレーターの軸方向と交差する方向の交差方向側折目を設けて二つ折りされて、前記交差方向側折目の両側に位置し、前記交差方向側折目から離れる両端側により、前記インフレーターの先端側を包んで配設される。前記第2カバー部は、前記本体膨張部から離れる離隔縁側に、前記インフレーターの軸方向に沿う軸方向側折目を設けて二つ折りされて、前記インフレーターの先端側を包んで配設される。
そして、前記第1カバー部と前記第2カバー部とは、前記インフレーターの先端から離れた部位において、前記交差方向側折目と前記軸方向側折目とを連ならせるように、重ねて配設されるとともに、前記エアバッグ本体の前記本体膨張部側を開口させる開口部を設けて、配設される。
本発明に係るエアバッグ装置では、作動時、インフレーターの先端側から吐出される膨張用ガスは、エアバッグ本体の接続口部の内部を経て、本体膨張部側に流れる。その際、補強シートの内部で流れる膨張用ガスは、接続口部から開口部を経て本体膨張部側に流れるが、その本体膨張部に流れる前に、補強シートの第1カバー部の交差方向側折目の部位に当たる。しかし、その折目の部位は、第1カバー部の正面側部と背面側部とが連続的に連なって形成されている折目の部位であって、第1カバー部の正面側部と背面側部とを縫合して形成した部位でないことから、従来の補強シートに比べて、耐熱性を向上させることができる。また、インフレーターの先端側から吐出する膨張用ガスは、補強シートにおける開口部から離れた離隔縁側と当たるが、その部位には、第2カバー部の軸方向側折目の部位が配設され、その折目の部位も、第2カバー部の正面側部と背面側部とが連続的に連なって形成されている折目の部位であって、第2カバー部の正面側部と背面側部とを縫合して形成した部位でないことから、耐熱性を有している。そして、補強シートは、これらの交差方向側折目と軸方向側折目とが連なるように、第1カバー部と第2カバー部とを重ねて配設するだけで、形成できることから、耐熱性を有した補強シートを、簡便に製造することができる。
したがって、本発明に係るエアバッグ装置では、エアバッグの接続口部に配設される補強シートの耐熱性を簡便に向上させることができる。
そして、本発明に係るエアバッグ装置では、前記補強シートの前記第2カバー部が、前記第1カバー部の内側に配設されていることが望ましい。
このような構成では、軸方向側折目を有した第2カバー部が、インフレーターに接近する内側に配設されることなり、インフレーターの先端側から吐出される膨張用ガスは、補強シートの第1カバー部より先にインフレーターに接近している第2カバーの軸方向側折目の部位に当たって、エアバッグ本体の接続口部内において、第2カバー部の軸方向側折目の部位から、第1カバー部の交差方向側折目の部位に案内されて、本体膨張部側に流れることとなり、膨張用ガスの上流側において、補強シートが耐熱性をより好適に発揮することができる。
この場合、前記第2カバー部における前記インフレーターの軸方向に沿って前記インフレーターの先端から離れた縁側が、前記第1カバー部と縫合されていることが望ましい。
このような構成では、第2カバー部におけるインフレーターの軸方向に沿ってインフレーターの先端から離れた縁側が、第1カバー部から離れるようなめくれを防止できる。そのため、膨張用ガスが、第2カバー部の縁を回りこんで、第2カバー部の外周側と第1カバー部の内周側との間に進入することを防止できる。したがって、例えば、膨張用ガスが、第1カバー部の交差方向側折目の部位に当たって跳ね返り、その後、第2カバー部の軸方向側折目の側に向かっても、第2カバー部の縁が捲れ難いことから、軸方向側折目の外周側に進入し難くなり、第2カバー部の軸方向側折目の外周側に、第1カバー部等の縫合部位があったとしても、その縫合部位における膨張用ガスによるダメージを防止できる。
また、本発明に係るエアバッグ装置では、前記補強シートの前記第1カバー部が、前記交差方向側折目を、前記インフレーターの軸直交方向から前記開口部側に向かって拡開するような角度を設けて、傾斜するように、配設させていることが望ましい。
このような構成では、インフレーターの先端側から吐出された膨張用ガスが、交差方向側折目の部位に当たった後、その交差方向側折目の傾斜角度によって、開口部側に案内されるように、流れることから、交差方向側折目付近の圧力上昇を抑制して、円滑に、交差方向側折目付近の膨張用ガスを、補強シートの開口部を経て、エアバッグ本体の本体膨張部側に流すことができる。
さらに、本発明に係るエアバッグ装置では、前記補強シートの前記第1カバー部が、前記交差方向側折目から連なった前記本体膨張部から離れる離隔縁相互を、縫合させていることが望ましい。
このような構成では、補強シートの第1カバー部の正面側部と背面側部との開口部から離れる離隔縁相互を縫合させていることから、第1カバー部を接続口部内に配設する際、第1カバー部の正面側部と背面側部とがずれ難く、補強シートの第1カバー部を接続口部内の所定位置に容易に配設させることができる。
また、本発明に係るエアバッグ装置では、前記補強シートの前記第2カバー部が、前記軸方向側折目から離れ、かつ、前記開口部に連なり、前記接続口部の前記インフレーターを挿入させる開口側の縁相互を、縫合させていることが望ましい。
このような構成では、補強シートの第2カバー部を接続口部内に配設する際、第2カバー部の正面側部と背面側部とがずれ難く、補強シートの第2カバー部を接続口部内の所定位置に容易に配設させることができる。
また、本発明に係るエアバッグ装置では、前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、前記軸方向側折目から離れ、かつ、前記開口部に連なり、前記接続口部の前記インフレーターを挿入させる開口側の縁、を相互に重ねて、共縫いされていることが望ましい。
このような構成では、第1カバー部と第2カバー部とが、それらの正面側部と背面側部との相互も含めて、相互にずれ難く、接続口部内の所定位置に、補強シートを容易に配設することができる。
さらに、本発明に係るエアバッグ装置では、前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、相互に連結された一枚の補強用シート材から形成されていることが望ましい。
このような構成では、第1カバー部と第2カバー部とが、予め、連結されていることから、取り扱いが容易となり、また、第1カバー部と第2カバー部とを連結させる作業を、軽減させることができる。
そしてさらに、本発明に係るエアバッグ装置では、前記第1カバー部が、前記交差方向側折目付近を複数層とする補強部、を備えて構成されたり、あるいは、前記第2カバー部が、前記軸方向側折目付近を複数層とする補強部、を備えて構成されていてもよい。
このような構成では、第1カバー部や第2カバー部が、補強部により、交差方向側折目付近や軸方向側折目付近を、複数層とすることができて、より一層、補強シートの耐熱性を向上させることができる。
また、本発明に係るエアバッグ装置では、前記第1カバー部と前記第2カバー部とにおける少なくとも一方の前記インフレーターの外周面に接近している側が、前記インフレーターと接触する内側面に、耐熱性を有したコーティング層を、配設させて構成されていることが望ましい。
このような構成では、補強シートの耐熱性を向上させることができる。
さらに、本発明に係るエアバッグ装置では、前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、共に、前記インフレーターの外周面側と対向して前記膨張用ガスに曝される面に、耐熱性を有したコーティング層を、配設させて構成されていることが望ましい。
このような構成では、補強シートの耐熱性を一層向上させることができる。
そして、上記のように、前記第1カバー部と前記第2カバー部とにおける前記インフレーターの外周面に接近している側が、耐熱性を有したコーティング層を配設させて構成されていれば、前記第1カバー部と前記第2カバー部とにおける前記インフレーターの外周面に接近している側は、前記接続口部の前記インフレーターを挿入させる開口側で、前記インフレーターを間にして対向するように延設されるベロ部を設け、対向する二つの前記ベロ部の先端を、前記接続口部の外表面側に折り返して、前記接続口部の外表面側に取り付けることが望ましい。
このような構成では、耐熱性を有したコーティング層は、一般的に、シリコーン樹脂等のコーティング剤からなり、滑り難く、インフレーターを挿入し難い。しかし、接続口部の開口の端面側が、内周面側から外周面側に折り返されたベロ部で覆われていれば、ベロ部を持って、インフレーターを、接続口部の補強シートの内周側に押し込むことができて、インフレーターの接続口部への挿入作業を容易に行うことができる。また、ベロ部により、補強シートやエアバッグ本体の接続口部の端面側が、覆われることから、補強シートの外周面側とエアバッグ本体の接続口部の内周面側との間に、インフレーターを挿入させるような誤組付も無くすことができる。
また、本発明に係るエアバッグ装置では、前記エアバッグが、前記エアバッグ本体の前記接続口部と前記接続口部近傍の前記本体膨張部の内部に配設されて、内周側に前記補強シートを配設させた可撓性を有した整流シートを備え、該整流シートが、前記接続口部内に配設されるとともに前記インフレーターの先端側を挿入させて前記インフレーターと接続される接続筒部と、該接続筒部から前記本体膨張部側に延びて、端部側で、前記接続筒部を経て流入した前記インフレーターからの膨張用ガスを、両側に分岐させて流出可能な少なくとも二つの流出口を有した流出口部と、を備えて構成されていることが望ましい。
このような構成では、補強シートによって耐熱性を向上させた整流シートが、インフレーターの膨張用ガスを、接続筒部を経て流出口部に流し、そして、流出口部の少なくとも両側の流出口から、エアバッグ本体の本体膨張部側に、円滑に分岐させて、流出させることができる。
この場合、前記整流シートは、一枚の可撓性を有したシート材から形成されるとともに、前記流出口部側に折目を設けて二つ折りされて、重ねた外周縁相互を縫合されて、形成されていることが望ましい。
このような構成では、膨張用ガスが、補強シートの開口部を経て、整流シートの流出口部に流れ、そして、両側の流出口から流出する際、流出口部の折目の部位に当るが、その部位は、整流シートの正面側部と背面側部とが連続的に連なって形成されている折目の部位であって、整流シートの正面側部と背面側部とを縫合して形成した部位ではないことから、耐熱性が向上している。そのため、上記のような構成では、耐熱性を有した整流シートを簡便に形成することができる。
この場合、前記整流シートは、前記流出口部における両側の前記流出口間に、前記膨張用ガスを流出可能な中間流出口を、備えていてもよい。
このように、整流シートが、流出口部に、両側の流出口の他に、中間流出口を設けて構成されていれば、整流シートの各流出口から流出させる膨張用ガスの流量を、エアバッグ本体に設けられた複数の膨張部位に応じて、種々設定できて、エアバッグの性能を向上させることができる。
そして、本発明に係るエアバッグ装置では、前記整流シートが、重ねた外周縁相互の縫合部位に、前記流出口部から前記接続筒部に向かって略L字状に屈曲する屈曲部を配設させて構成され、
前記整流シートにおける前記屈曲部の少なくとも近傍の内周側に、可撓性を有した当て布が配設され、
前記当て布が、前記屈曲部の前記縫合部位から離れた前記屈曲部近傍で、前記整流シートにおける二つ折りされた前記折目の両側の部位に対して、それぞれ、前記屈曲部に沿って縫合されて、前記整流シートと一体化されるとともに、前記屈曲部の前記縫合部位で、端縁相互を重ねて、前記整流シートとともに縫合されていることが望ましい。
このような構成では、整流シートが、エアバッグ本体の内周側で、かつ、補強シートの外周側において、接続筒部から流出口部側を膨張させる際、膨張用ガスの圧力による引張り力により、屈曲部付近の縫合部位に応力が集中する。しかし、整流シートは、屈曲部の縫合部位が、当て布を縫合させて補強されている。すなわち、整流シートにおける二つ折りされた折目の両側の部位が、それぞれ、屈曲部の縫合部位の手前で、当て布を縫合させて、厚さを増すように補強されている。そのため、整流シートの屈曲部付近の縫合部位は、膨張用ガスの圧力によるダメージを受け難く、破損することなく、円滑に、流出口から、膨張用ガスを流出させることができる。
この場合、前記当て布は、前記整流シートの内周側で連なった一枚のシートから構成されていれば、一つの整流シートに対して、1枚の当て布を配設するだけでよく、当て布の取り扱いや管理が容易となる。
本発明に係る一実施形態の頭部保護エアバッグ装置を搭載した車両の車内側から見た正面図である。 実施形態のエアバッグ装置の作動時におけるインフレーター付近の概略部分拡大正面図である。 実施形態のエアバッグ装置の概略断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 実施形態のエアバッグ装置の概略断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。 実施形態のエアバッグ装置に使用するエアバッグの正面図である。 実施形態のエアバッグの構成部材を示す正面図である。 実施形態のエアバッグに使用する補強シートを形成する補強用シート材の正面図である。 実施形態のエアバッグに使用する補強シートを形成する工程を順に説明する図である。 実施形態のエアバッグに使用する補強シートを形成する工程を順に説明する図であり、図8の後の工程を示す。 実施形態のエアバッグに使用する補強シートを形成する工程を順に説明する図であり、図9の後の工程を示す。 実施形態の補強シートを形成した状態を示す図である。 実施形態のエアバッグに使用するインナチューブを形成する工程を順に説明する図である。 実施形態のエアバッグを製造する工程を説明する図である。 実施形態のエアバッグを製造する工程を説明する図であり、図13の後の工程を示す。 実施形態の補強用シート材の変形例を示す正面図である。 実施形態の補強用シート材の他の変形例を示す正面図である。 実施形態のエアバッグの変形例の袋織りにより形成された接続口部付近を示す拡大正面図である。 図17のXVIII−XVIII部位の概略縦断面図である。 図17に示す接続口部内に配設される補強シートの第2カバー部を形成する工程を順に説明する図である。 図17に示す接続口部内に配設される補強シートの第1カバー部を形成する工程を順に説明する図である。 図17に示す接続口部内に配設されるインナチューブを形成する工程を説明する図である。 図17に示す接続口部内に配置されるインナチューブに補強シートを設けた補強シート組付体を形成する工程を説明する図である。 他の実施形態の頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグの正面図である。 図23に示すエアバッグの接続口部付近の拡大正面図である。 インフレーターを接続させた状態のエアバッグの概略縦断面図であり、図24のXXV−XXV部位に対応する。 インフレーターを接続させた状態のエアバッグの概略横断面図であり、図24のXXVI−XXVI部位に対応する。 膨張時のエアバッグの概略縦断面図であり、図24のXXVII−XXVII部位に対応する。 図23のエアバッグの構成部材を示す正面図である。 図23のエアバッグに使用する補強シートの第2カバー部を形成する工程を説明する図である。 図23のエアバッグの補強シートを形成する工程を説明する図である。 図23のエアバッグの補強シートを形成する工程を説明する図であり、図30の後の工程を示す。 図23のエアバッグの補強シートを形成する工程を説明する図であり、図31の後の工程を示す。 図23のエアバッグに使用するインナチューブを形成する工程を説明する図である。 図23のエアバッグのインナチューブと補強シートとを組み付ける工程を説明する図である。 図23のエアバッグのインナチューブと補強シートとを組み付ける工程を説明する図であり、図34の後の工程を示す。 図23のエアバッグを製造する工程を説明する図である。 図23のエアバッグを製造する工程を説明する図であり、図36の後の工程を示す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のエアバッグ装置は、図1に示すように、頭部保護エアバッグ装置Sであり、頭部保護エアバッグ(カーテンエアバッグともいう、以下、単にエアバッグとする)30と、膨張用ガスを吐出するインフレーター20と、エアバッグカバー11と、取付ブラケット13と、を備えて構成されている。エアバッグ30は、車両Vの車内側における前席や後席の側方で前後に並設される窓(サイドウインド)W1,W2の上縁WU側において、フロントピラー部FPの下縁側から、中間ピラー部CPの上方を経て、リヤピラー部RPの上方まで、の範囲に、折り畳まれて収納されている。
インフレーター20は、図2〜4に示すように、略円柱状のシリンダタイプとして、エアバッグ30における膨張用ガスGを流入させるための後述する接続口部33に挿入されて、エアバッグ30と連結される。インフレーター20は、燃焼して膨張用ガスGを発生させる薬剤や点火装置等を内蔵して構成され、円柱状の本体部21と、本体部21の先端に設けられた小径の円柱状のガス吐出部22と、を備えて構成されている。ガス吐出部22には、複数のガス吐出口22aが配設されており、インフレーター20は、作動時、これらのガス吐出口22aから膨張用ガスGを吐出することとなる。
このインフレーター20は、本体部21の外周面21aの元部側、すなわち、元部側外周面21cに、本体部21を挟持するように取付ブラケット24が取り付けられ、取付ブラケット24がボルト26止めされることにより、中間ピラー部CPの上方付近におけるルーフサイドレール部RRのインナパネル2に対し、ルーフヘッドライニング5の下縁5aに覆われて、取付固定される(図1参照)。また、インフレーター20は、ガス吐出部22を含めた先端側20aから接続口部33の後述する挿入側筒部35内に挿入されて、挿入側筒部35を、接続手段としてのクランプ28により、インフレーター20側に挟持させるように押圧して、挿入側筒部35に接続される。
また、このインフレーター20は、車両Vの側面衝突や、オフセット衝突を含む斜め衝突を検知した所定の制御装置により、作動される。
各取付ブラケット13は、図1に示すように、取付ボルト14によって、エアバッグ30の後述する取付部60をインナパネル2に取付固定している。なお、各取付ボルト14は、インナパネル2におけるナット等を設けたねじ孔に、締結されている。
エアバッグカバー11は、図1に示すように、フロントピラー部FPに配置されるフロントピラーガーニッシュ4の下縁4a側と、ルーフサイドレール部RRに配置されるルーフヘッドライニング5の下縁5a側と、から構成されている。
エアバッグ30は、図1,5に示すように、窓W1,W2を覆うように膨張するエアバッグ本体31と、エアバッグ本体31内に配設される可撓性を有した整流シート(実施形態の場合、整流布とも言える)としてのインナチューブ63と、耐熱性を向上させる可撓性を有した補強シート(実施形態の場合、補強布とも言える)70と、を備えて構成される。
エアバッグ本体31は、インフレーター20からの膨張用ガスGを流入させて、折り畳み状態から展開して、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆うように展開膨張する。このエアバッグ本体31は、図2〜5に示すように、膨張用ガスGを流入させて対向する正面側壁部としての車内側壁部32aと背面側壁部としての車外側壁部32bとを離すように膨張するガス流入部32と、車内側壁部32aと車外側壁部32bとを結合させたような状態として膨張用ガスGを流入させない非流入部45と、を備えて構成される。
ガス流入部32は、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆う本体膨張部37と、インフレーター20からの膨張用ガスGを本体膨張部37へ流入させるように、インフレーター20と接続される筒状の接続口部33と、を備えて構成される。
接続口部33は、本体膨張部37の前後方向の中央付近から上方に突出するように配設されている。そして、接続口部33は、本体膨張部37側から略直交して上方へ突出するようにして本体膨張部37と接続される本体側筒部34と、本体側筒部34の上端で、本体側筒部34から略直交して後方へ突出するように本体側筒部34に連なるとともに、後端の開口35cからインフレーター20を挿入させてインフレーター20と接続される挿入側筒部35と、を有するL字状として構成され、その屈曲された状態として、車両Vに搭載される。
また、本体膨張部37は、膨張完了時、窓W1の車内側を覆うように配設される前側膨張部39と、窓W2の車内側を覆うように配設される後側膨張部40と、エアバッグ本体31の上縁31a側で前後方向に沿って筒状に配設される供給路部38と、を備えて構成されている。供給路部38は、前後方向の中間部位で、接続口部33と接続されて、接続口部33からの膨張用ガスGを、インナチューブ63を利用しつつ、前側膨張部39と後側膨張部40とに供給する部位となる。
さらに、実施形態の場合、エアバッグ本体31は、構成部材として、非流入部45の後述する取付部60と、接続口部33の車内側壁部32aや車外側壁部32bを構成する接続口部用布材52(図3,4,6,13参照)と、本体膨張部37の部位を構成して袋織りで形成される袋織り部47と、の三種類の部材から構成されている。袋織り部47は、ポリアミドやポリエステル等の糸から袋織りにより形成され、膨張用ガスGを流入させて車内側壁部32aと車外側壁部32bとを分離させるように膨らむガス流入部32を構成する袋本体部48と、ガス流入部32の周囲に配置される閉じ部49と、を備えて構成されている。接続口部用布材52(52I,52O)や取付部60、さらに、補強シート70を形成するための補強用シート材90、インナチューブ63を形成するためのチューブ用シート材68、及び、後述する案内布(案内シートともいえる)94は、可撓性を有したシート材、例えば、ポリアミド等の糸を平織りした布材等から形成されている。
非流入部45は、周縁部46と取付部60とから構成されている。周縁部46は、ガス流入部32の周囲を囲むように形成されて、エアバッグ本体31の上縁31a側に位置する上縁46aが、袋織りで形成される袋織り部47の閉じ部49と、接続口部用布材52等と一体的な縫合により形成されるバッグ形成用縫合部55と、から構成されている。
なお、閉じ部49は、エアバッグ本体31の上縁31a側に、上前閉じ部49aと上後閉じ部49bとを備え、両者の間に、開口部としての分断部位50を配設させている。分断部位50の周縁の車内側壁部32aと車外側壁部32bとには、図3,5,13に示すように、接続口部用布材52(52I,52O)の下縁側の延設部位52cが、それぞれ、連結縫合部57により、縫合されている。
接続口部用布材52I,52Oは、図3〜6,13に示すように、接続口部33の車内側壁部32aと車外側壁部32bとを形成するものであり、それぞれ、本体側筒部34を形成する本体側部52aと、挿入側筒部35を形成する挿入側部52bと、本体膨張部37側、換言すれば、分断部位50側に縫合される延設部位52cと、を備えている。
そして、分断部位50と接続口部33とにおける車内側壁部32aと車外側壁部32bとの相互は、バッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aと後縁側縫合部55bとにより、縫合されている。前縁側縫合部55aは、上前閉じ部49aから後方へ延び、分断部位50を経て、接続口部33の本体側筒部34の前縁34aから挿入側筒部35の上縁35aにおける車内側壁部32aと車外側壁部32bとの相互を縫合している(図5,14参照)。後縁側縫合部55bは、上後閉じ部49bから前方に延び、分断部位50を経て、接続口部33の本体側筒部34の後縁34bから挿入側筒部35の下縁35bの車内側壁部32aと車外側壁部32bとの相互を縫合している(図5,14参照)。
なお、実施形態の場合、バッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aは、車内側壁部32aと車外側壁部32bと共にインナチューブ63と補強シート70も共縫い(同じ場所で縫合すること)し、後縁側縫合部55bは、同様に、車内側壁部32aと車外側壁部32bと共にインナチューブ63と補強シート70も縫合し、インナチューブ63と補強シート70の後述する縫合部75,85も共縫いしている。
取付部60は、図5に示すように、エアバッグ本体31の上縁31a側における周縁部46の上縁46aから上方へ突出するように、複数(実施形態では6個)形成されている。各取付部60には、取付ボルト14を挿通させる取付孔60aが、形成されている。各取付部60には、既述したように、ボディ1側のインナパネル2に取り付けるための取付ブラケット13が固着され、そして、各取付孔60aを挿通する取付ボルト14がインナパネル2の各ねじ孔に締結されることにより、各取付部60が、インナパネル2に固定される。
前端の取付部60Fは、ポリアミド等の織布から形成された別体の布材からなり、エアバッグ本体31の袋織りで形成された周縁部46の前縁46cに対して、縫合されて形成されている。また、この取付部60Fは、フロントピラー部FPの下部付近に固定されて、エアバッグ30の膨張完了時、エアバッグ30の下縁31b側、具体的には、取付部60Fとフロントピラー部FPから離れた取付部60(60B、図1参照)とを結ぶライン上に、強い張力を発揮させ、エアバッグ30における乗員の室内側への拘束性を良好にするように、構成されている。
なお、前方から二番目の取付部60Sは、取付部60Fの布材に縫合して配設されている。
整流シートとしてのインナチューブ63は、図2〜5に示すように、エアバッグ本体31の接続口部33内から接続口部33の近傍の供給路部38内に延びるように配設されている。すなわち、インナチューブ63は、接続口部33内に配設されるとともにインフレーター20の先端側20aを挿入させてインフレーター20と接続される接続筒部64と、接続筒部64からエアバッグ本体31の本体膨張部37側の供給路部38に延びて、端部側でインフレーター20からの膨張用ガスGを両側の流出口65a,65bから分岐させて流出させる流出口部65と、を備えている。接続筒部64の後端には、インフレーター20を挿入させる挿入口64aが開口され、流出口部65は、インナチューブ63の下縁63c側の前後両端に、前後方向で対向させるように、流出口65a,65bを開口させている。
このインナチューブ63は、図6,12に示すように、一枚の可撓性を有したチューブ用シート材68から形成されている。チューブ用シート材68は、既述したように、ポリアミド等の織布から形成されて、中央に前後方向に沿う折目68aを付けて折り重ね、挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除き、折り重ねた外周縁を縫合することにより、形成されている。すなわち、インナチューブ63は、折目68aから、正面側部としての車内側部63aと背面側部としての車外側部63bとが上方に延び、挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除く車内側部63aと車外側部63bとの外周縁相互が縫合されることにより、形成されている。換言すれば、インナチューブ63は、折目68aが下で、縫合部66a,66b,66cが上縁側に配置されている。
補強シート70は、図2〜5に示すように、接続口部33内に配設されたインナチューブ63の内部に配設されている。詳しくは、補強シート70は、インナチューブ63内における接続筒部64と流出口部65の上部付近に配設されている。換言すると、補強シート70は、接続筒部64内と供給路部38に到達しないエリアの流出口部65内とにわたって、配設されている。そして、補強シート70は、インフレーター20の先端側20aの周囲と、インフレーター20からインフレーター20の軸方向IDに沿って離れた部位(先端側20aの前の空間の部位)と、を覆うように配設されて、これらの部位を覆うように、第1カバー部71と第2カバー部81とを備えて構成されている。
第1カバー部71は、図2に示すように、インフレーター20の先端側20aからインフレーター20の軸方向IDに沿って離れた方向、換言すれば、インフレーター20の軸方向IDでインフレーター20の先端と対向する縁(対向縁)、実施形態では、補強シート70の前縁70a側で、インフレーター20の先端側20aを覆うように、インフレーター20の軸方向IDと交差する方向の交差方向側折目72を設けて二つ折りされて、交差方向側折目72の両側に位置する正面側部としての車内側部73と背面側部としての車外側部74との折目72から離れた両端側により、インフレーター20の先端側20aを包んで、配設されている。第1カバー部71は、インフレーター20の本体部21の先端側外周面21b側に巻き付けられる筒状ラップ部71aと、筒状ラップ部71aからインフレーター20のガス吐出部22の周囲を覆って交差方向側折目72に至るまでの部位のガス流路部71bと、を備えて構成されることとなる。
第2カバー部81は、エアバッグ本体31の本体膨張部37から離れる離隔縁側、実施形態では、補強シート70の上縁70b側に、インフレーター20の軸方向IDに沿う軸方向側折目82を設けて二つ折りされて、軸方向側折目82から延びる正面側部として車内側部83と背面側部としての車外側部84とにより、インフレーター20の先端側20aを包んで、配設されている。第2カバー部81は、インフレーター20の本体部21の先端側外周面21b側に巻き付けられる筒状ラップ部81aと、筒状ラップ部81aからインフレーター20のガス吐出部22の周囲を覆って補強シート70の前縁70a側に向かう部位のガス流路部81bと、を備えて構成されることとなる。
そして、第1カバー部71と第2カバー部81とは、インフレーター20の先端のガス吐出部22から離れた部位において、交差方向側折目72と軸方向側折目82とを連続するように、重ねて(二重にして)配設されるとともに、整流シートとしてのインナチューブ63の流出口部65側を開口させる開口部71c,81cを下端側に設けて、配設されている。さらに、実施形態の場合、第2カバー部81が、第1カバー部71の内側に配設されている。
なお、補強シート70は、実施形態の場合、インフレーター20のガス吐出部22から吐出された膨張用ガスGに対して、接続口部33の耐熱性と整流シートとしてのインナチューブ63の耐熱性とを向上させるために配設されるものである。そして、実施形態の場合、この補強シート70は、第1カバー部71と第2カバー部81との交差方向側折目72と軸方向側折目82とを連ならせた部位により、インフレーター20のガス吐出部22から吐出された膨張用ガスGが、インナチューブ63の接続筒部64や流出口部65における上前縁の縫合部66aに、直接当たらないように、縫合部66aを内側から覆っている。
また、実施形態では、第1カバー部71が、交差方向側折目72を、図11に示すように、インフレーター20の軸直交方向VDから開口部71c側に向かって拡開する傾斜角度θ(実施形態で約45°)を設けて、傾斜するように、配設させている。
さらに、実施形態では、第1カバー部71は、交差方向側折目72の部位を含めたガス流路部71bの内周側に、耐熱性を高める補強部77が配設され、第2カバー部81は、軸方向側折目82の部位を含めたガス流路部81bの外周側に、耐熱性を高める補強部86が配設されている。
そして、実施形態の第1カバー部71と第2カバー部81とは、図6,7に示すように、既述のポリアミド等の織布からなる一枚の補強用シート材90から形成されている。補強用シート材90は、第1カバー部71を形成する第1カバー構成部91と、第2カバー部81を形成する第2カバー構成部92とが、連結部93によって連結されて構成されている。
第1カバー構成部91は、本体部91aと積層用補強部91bと、を備えて構成されている。本体部91aは、交差方向側折目72の配置部位から車内側部73と車外側部74とを延ばすように構成され、それらの車内側部73と車外側部74との交差方向側折目72の近傍の略台形状の部位を、車内外方向で対向させて、ガス流路部71bを形成する流路側構成部91ab(図7の斜線部分参照)とし、流路側構成部91abに隣接する略長方形形状の部位を、車内外方向で対向させて、筒状ラップ部71aを形成する筒側構成部91aaとしている。積層用補強部91bは、車外側部74の流路側構成部91abの縁から延設されるように配設され、その縁に折目91cを付けて本体部91a側に折り重ねて配設されることとなる。なお、実施形態の場合には、本体部91aから補強部91bがずれないように、重ねた後、略コ字形に縫った縫合部91d(図9のB参照)により、本体部91aと補強部91bとが縫合されることとなる。
第2カバー構成部92は、本体部92aと積層用補強部92bと、を備えて構成されている。本体部92aは、軸方向側折目82の配置部位から車内側部83と車外側部84とを延ばすように構成され、それらの車内側部83と車外側部84との軸方向側折目82から幅寸法の広い略長方形形状の部位を、車内外方向で対向させて、ガス流路部81bを形成する流路側構成部92ab(図7の斜線部分参照)とし、流路側構成部92abから軸方向側折目82に沿って軸方向側折目82からの幅寸法を狭くする略長方形形状の部位を、車内外方向で対向させて、筒状ラップ部81aを形成する筒側構成部92aaとしている。積層用補強部92bは、車内側部83と車外側部84との流路側構成部92abにおける筒側構成部92aaから離れた縁から、延設されるように配設され、その縁に折目92cを付けて本体部92a側に折り重ねて配設されることとなる。なお、実施形態の場合には、本体部92aから補強部92bがずれないように、重ねた後、略長方形に縫った縫合部92d(図9のA参照)により、本体部92aと補強部92bとが縫合されることとなる。
さらに、実施形態では、この縫合部92dの形成時、インフレーター20の先端側20aを補強シート70の挿入口70eから補強シート70内に挿入させ易いようにするために、インフレーター20の外周面21aに直接接触して案内できるように、第2カバー構成部92の本体部92aに、略長方形板状の案内布94が共縫いされている。案内布94は、軸方向側折目82と一致する折目で折られ、インフレーター20の本体部21の先端側外周面21bを摺動可能に、略筒状に形成される。案内布94は、挿入口70eから突出する把持部94aを備え、これらの把持部94aを把持しつつ、インフレーター20の先端側20aを挿入部70dに挿入させることができて、インフレーター20の挿入部70dへの挿入作業を容易にさせることができる。
補強シート70の製造工程を説明すると、まず、図8のA,Bに示すように、案内布94を第2カバー構成部92の本体部92aの内周側となる所定位置に配置させ、さらに、折目92cを付けて、本体部92aにおける案内布94の配置側と反対側(本体部92aの外周側)に、積層用補強部92bを折り重ねて、図8のB,図9のAに示すように、ポリアミド等からなる縫合糸95を使用して、縫合部92dを設けて、補強部86を形成する。ついで、図9のA,Bに示すように、折目91cを付けて、第1カバー構成部91の本体部91aの内周側に積層用補強部91bを折り重ね、縫合糸95を使用して、縫合部91dを設けて、補強部77を形成する。
その後、図9のB,図10のAに示すように、連結部93の部位に折目を付けて、第2カバー構成部92を、第1カバー構成部91の内周側となる車内側部73の部位に載せ、図10のA,Bに示すように、第2カバー構成部92に軸方向側折目82を付けて、案内布94とともに、第2カバー構成部92を折り重ねる。なお、この時、第2カバー部81の外形形状が形成される。
その後さらに、図10のB,Cに示すように、交差方向側折目72を付けて、第1カバー構成部91の車内側部73の上に第2カバー部81を載せたまま、第1カバー構成部91の車内側部73を車外側部74の上に載せれば、第1カバー部71の外形形状も形成され、補強シート70が形成される。
なお、実施形態では、図10のCや図11に示すように、第1カバー部71と第2カバー部81とのずれを防止し、さらに、第1カバー部71の車内側部73と車外側部74とのずれを防止するように、縫合糸95を使用して、縫合部75,76,85を縫合している。
縫合部75は、補強シート70のインフレーター20の先端側20aを挿入させる挿入部70dの周縁の下縁側の部位であり、第1カバー部71の車内側部73と車外側部74との下縁後部側相互を縫合して形成されている。縫合部76は、補強シート70の上縁70bの部位であり、第1カバー部71の交差方向側折目72から後方側に延びる車内側部73と車外側部74との重なった外周縁相互を縫合して形成されている。縫合部85は、補強シート70のインフレーター20の先端側20aを挿入させる挿入部70dの周縁の下縁側の部位であり、第2カバー部81の車内側部83と車外側部84との下縁後部側相互を縫合して形成されている。
なお、実施形態では、縫合部75,85は、第1カバー部71と第2カバー部81との車内側部73,83と車外側部74,84とを共縫いして形成されており、異なる符号を付しているものの、同じ縫合部位である。
このように形成した補強シート70は、図11に示すように、後端側にインフレーター20の先端側20aを前方側に向けて挿入可能な挿入口70eを配設させた筒状の挿入部70dと、前縁70a側の下縁70c側に、膨張用ガスGを流出させる放出口70gを配設させた放出部70fが形成されることとなる。放出部70fは、インフレーター20のガス吐出部22のガス吐出口22aから吐出される膨張用ガスGを受け止めて、放出口70g、換言すれば、第1カバー部71と第2カバー部81との開口部71c,81cから放出することとなる。そして、実施形態では、放出部70fの部位が、第1カバー部71と第2カバー部81とのガス流路部71b,81bにより構成されている。
このように形成した補強シート70は、図12のA〜Cに示すように、折り畳む前のチューブ用シート材68の上に載せ、折目68aで折り、重ねた車内側部63aと車外側部63bとの挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除く所定の外周縁相互を、縫合糸95を使用して縫合する。すなわち、実施形態では、インナチューブ63の後縁側の挿入口64aと流出口65bとの間の外周縁の縫合部66bを形成し、さらに、縫合部66bから分岐するように、車内側部63aと車外側部63bとをL字状に縫合する縫合部66cを形成している。
なお、縫合部66bと縫合部66cとは、部分的に、補強シート70と共縫いしている。そのため、この時、インナチューブ63の形状が形成されるとともに、補強シート70もインナチューブ63に締結されて、補強シート70を設けたインナチューブ63、換言すれば、補強シート組付体97、が形成されることとなる。
なお、実施形態の場合、インナチューブ63の前縁の流出口65aと挿入口64aとの間の外周縁の部位(上前縁)は、実施形態の場合、接続口部33の前縁側縫合部55aの縫合時に、縫合するように構成しているが、このインナチューブ63の形成時、上前縁の車内側部63aと車外側部63bとの相互を縫合して、縫合部66aを形成しておいても良い。
その後、エアバッグ本体31に、インナチューブ63に補強シート70を設けた補強シート組付体97を組み付ける。その際、エアバッグ本体31では、図13のA,Bに示すように、予め、袋織り部47の分断部位50の車内側壁部32aと車外側壁部32bとに、接続口部用布材52I,52Oとを、縫合糸95を使用する連結縫合部57を設けて、縫合しておく。ついで、図14のA,Bに示すように、開いた接続口部用布材52I,52Oの間に、補強シート組付体97を配置する。そして、縫合糸95を使用するバッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aと後縁側縫合部55bとを設けて、接続口部用布材52I,52O、補強シート70、及び、インナチューブ63、を共縫いすれば、接続口部33を形成できるとともに、接続口部33内に、インナチューブ63に補強シート70を設けた補強シート組付体97を、配設固定することができる。前縁側縫合部55aにより接続口部用布材52I,52Oに共縫いされる部位は、インナチューブ63の上前縁66aの部位と補強シート70における軸方向側折目82より上方側の上縁70bの部位である(図11参照)。後縁側縫合部55bにより接続口部用布材52I,52Oに共縫いされる部位は、補強シート70の縫合部75,85に重なって、インナチューブ63と補強シート70との挿入側筒部35の下縁側の部位である。換言すれば、前縁側縫合部55aは、軸方向側折目82の部位を縫合していない。
ついで、取付部60を所定部位に縫合すれば、エアバッグ30を形成することができる。
その後、下縁31b側を上縁31a側に接近させるようにエアバッグ30を折り畳んで、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないテープを巻き付けるとともに、取付部60に取付ブラケット13を取り付け、接続口部33の挿入側筒部35の開口35c側から、インナチューブ63の接続筒部64内の補強シート70の挿入部70d内に、挿入口70eを経て、インフレーター20の先端側20aを挿入し、クランプ28を挿入側筒部35の外周側からインフレーター20側に押圧するように締結して、インフレーター20を挿入側筒部35に接続させれば、エアバッグ組付体99を組み立てることができる。
そして、このように組み立てたエアバッグ組付体99は、取付ブラケット13を組み付けた各取付部60を、ボディ1側のインナパネル2の対応する取付部位に配置させ、各取付孔60aに挿通させる等して、取付ボルト14をねじ孔に締結し、さらに、取付ブラケット24をボルト26止めし、インフレーター20をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体99をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター20に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、中間ピラーガーニッシュ7やリヤピラーガーニッシュ8をボディ1に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置Sを、車両Vに搭載することができる。
頭部保護エアバッグ装置Sの車両Vへの搭載後、インフレーター20が作動すれば、膨張用ガスGが、インフレーター20のガス吐出部22のガス吐出口22aから吐出されて、エアバッグ30の接続口部33から本体膨張部37側に流れる。詳しくは、膨張用ガスGは、図2〜4に示すように、ガス吐出部22のガス吐出口22aから補強シート70の放出部70fに流出し、放出部70fの放出口70gからインナチューブ63の流出口部65の上部に流出し、インナチューブ63の下縁63cに到達して、前後両側に分岐して、流出口部65の前後両端の流出口65a,65bからエアバッグ本体31の本体膨張部37における供給路部38を経て、本体膨張部37の前側膨張部39と後側膨張部40とに流れることから、エアバッグ30は、エアバッグカバー11を押し開いて、図1の二点鎖線に示すように、窓W1,W2、中間ピラー部CP、及び、リヤピラー部RPの車内側を覆うように展開膨張することとなる。
そして、実施形態の頭部保護エアバッグ装置Sでは、作動時、図2〜4に示すように、インフレーター20の先端側20aから吐出される膨張用ガスGは、エアバッグ本体31の接続口部33の内部で、挿入側筒部35に沿って流れ、そして、挿入側筒部35から曲がって、本体側筒部34に流れ、そして、本体膨張部37側に流れる。その際、補強シート70の内部では、挿入側筒部35から曲がって本体側筒部34に流れる膨張用ガスGは、開口部71c,81cを経て整流シートとしてのインナチューブ63の流出口部65側に流れるが、その前に、補強シート70の第1カバー部71の交差方向側折目72の部位(前縁70a)に当たる。しかし、その折目72の部位は、図2,4に示すように、第1カバー部71の車内側部(正面側部)73と車外側部(背面側部)74とが連続的に連なって形成されている折目の部位であって、第1カバー部71の車内側部73と車外側部74とを縫合して形成した部位でないことから、従来の補強シート(平織り等の布材からなる補強布)に比べて、耐熱性を向上させることができる。また、インフレーター20の先端側20aのガス吐出口22aから吐出する膨張用ガスGは、補強シート70における開口部71c,81cから離れた反対側の離隔縁70b側と当たるが、その部位は、図2,3に示すように、第2カバー部81の軸方向側折目82の部位が配設され、その折目82の部位も、第2カバー部81の車内側部(正面側部)83と車外側部(背面側部)84とが連続的に連なって形成されている折目の部位であって、第2カバー部81の車内側部83と車外側部84とを縫合して形成した部位でないことから、耐熱性を有している。そして、補強シート70は、これらの交差方向側折目72と軸方向側折目82とが連なるように、第1カバー部71と第2カバー部81とを重ねて配設するだけで、形成できることから、耐熱性を有した補強シート70を、簡便に製造することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Sでは、エアバッグ30の接続口部33に配設される補強シート70の耐熱性を簡便に向上させることができる。
そして勿論、実施形態の補強シート70では、第1カバー部71と第2カバー部81との交差方向側折目72と軸方向側折目82とを連ならせた部位により、インフレーター20のガス吐出部22から吐出される膨張用ガスGを、インナチューブ63の接続筒部64や流出口部65における上前縁の縫合部66aに、直接当たらないようにしており、インナチューブ63の耐熱性を向上させている。
なお、実施形態では、エアバッグ30が、エアバッグ本体31の接続口部33と接続口部33の近傍の本体膨張部37の内部に配設されて、内周側に補強シート70を配設させた可撓性を有した整流シートとしてのインナチューブ63を備え、インナチューブ63が、接続筒部64と流出口部65とを備えて構成されている。接続筒部64は、接続口部33内に配設されるとともにインフレーター20の先端側20aを挿入させて、補強シート70を介在させて、インフレーター20と接続される。流出口部65は、接続筒部64から本体膨張部37側に延びて、端部側(下縁63c側)で、接続筒部64を経て流入したインフレーター20からの膨張用ガスGを、前後両側に分岐させて流出可能な少なくとも二つの流出口65a,65bを有して構成されている。
そのため、実施形態では、補強シート70によって耐熱性を向上させた整流シートとしてのインナチューブ63が、インフレーター20の膨張用ガスGを、接続筒部64を経て流出口部65に流し、そして、流出口部65の少なくとも前後両側の流出口65a,65bから、エアバッグ本体31の本体膨張部37側の前側膨張部39や後側膨張部40に、円滑に分岐させて、流出させることができる。
そして、実施形態のエアバッグ装置Sでは、整流シートとしてのインナチューブ63が、一枚の可撓性を有したチューブ用シート材68から形成されるとともに、流出口部65側に折目68aを設けて二つ折りされて、重ねた外周縁相互を縫合されて、形成されている。
そのため、実施形態では、膨張用ガスGが、補強シート70の開口部71c,81cを経て、インナチューブ63の流出口部65に流れ、そして、両側の流出口65a,65bから流出する際、流出口部65の折目68aの部位に当るが、その部位は、インナチューブ63の正面側部としての車内側部63aと背面側部としての車外側部63bが連続的に連なって形成されている折目68aの部位であって、インナチューブ63の車内側部63aと車外側部63bとを縫合して形成した部位ではないことから、耐熱性が向上している。そのため、上記のような構成では、耐熱性を有したインナチューブ63を簡便に形成することができる。
勿論、上記の点を考慮しなければ、インナチューブ63の上前縁66aの部位を折目として、二つ折りするようなチューブ用シート材を使用して、二つ折りして、重ねた外周縁の下縁63cと後方側の内周縁(縫合部66bの配置される縁)とを縫合して、整流シートとしてのインナチューブを、形成してもよい。
また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、補強シート70の第2カバー部81が、第1カバー部71の内側に配設されている。
そのため、実施形態では、軸方向側折目82を有した第2カバー部81が、インフレーター20に接近する内側に配設されることなり、インフレーター20の先端側20aから吐出される膨張用ガスGは、補強シート70の第1カバー部71よりインフレーター20に接近している第2カバー部81の軸方向側折目82の部位に当たって、エアバッグ本体31の接続口部33内において、第2カバー部81の軸方向側折目82の部位から、第1カバー部71の交差方向側折目72に案内されて、本体膨張部37側に流れる。すなわち、インフレーター20の先端側20aから吐出される膨張用ガスGは、接続口部33の挿入側筒部35から円滑に本体側筒部34側に流れることとなり、膨張用ガスGの上流側において、補強シート70が耐熱性をより好適に発揮することができる。
勿論、この点を考慮しなければ、第1カバー部71を第2カバー部81の内側に配設してもよい。例えば、第2カバー部81を前後方向に長く形成し、その軸方向側折目82の前端から後方にずれた位置に、交差方向側折目72の上端を当てるように配置させれば、交差方向側折目72と軸方向側折目82とを連ならせた状態として、第2カバー部81の内側に、第1カバー部71を配設することができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、補強シート70の第1カバー部71が、交差方向側折目72を、インフレーター20の軸直交方向から開口部71c側に向かって拡開するような傾斜角度θ(実施形態では約45°)を設けて、傾斜するように、配設させている(図11参照)。
そのため、実施形態では、インフレーター20の先端側20aのガス吐出口22aから吐出された膨張用ガスGが、交差方向側折目72の部位に当たった後、その交差方向側折目72の部位の傾斜角度θによって、開口部71c側に案内されるように、流れることから、交差方向側折目72付近の圧力上昇を抑制して、円滑に、交差方向側折目72付近の膨張用ガスGを、補強シート70の開口部71c,81cを経て、整流シートとしてのインナチューブ63の流出口部65側や本体膨張部37側に流すことができる。
この点を考慮しなければ、傾斜角度θを設けずに、インフレーター20の軸方向IDと直交するように、交差方向側折目72を設けても良い。
なお、実施形態では、傾斜角度θを45°としたが、折目72のコンパクトな配置スペースを確保し、かつ、円滑なガスの案内を確保するためには、傾斜角度θは、15〜75°の範囲内が好ましく、さらに、望ましくは、30〜60°の範囲内が望ましい。ちなみに、傾斜角度θが小さくなれば、交差方向側折目72の前後方向の縮小に伴なって補強シート70の前後方向の寸法を小さくできることから、補強シート70をコンパクトに構成できる。そのため、補強シート70の補強用シート材90の強度が大きければ、傾斜角度θを15°未満、例えば、0〜5°の範囲内として、補強シート70をコンパクトに構成してもよい。
さらに、実施形態のエアバッグ装置Sでは、補強シート70の第1カバー部71が、交差方向側折目72の部位から連なった本体膨張部37から離れる離隔縁70b相互を、縫合部76を設けて、縫合させている。
そのため、実施形態では、補強シート70の第1カバー部71の車内側部(正面側部)73と車外側部(背面側部)74との開口部71cから離れる離隔縁70b相互を縫合させていることから、第1カバー部71を、整流シートとしてのインナチューブ63内(接続口部33内)に配設する際、第1カバー部71の車内側部73と車外側部74とがずれ難く、補強シート70の第1カバー部71をインナチューブ63内(接続口部33内)内の所定位置に容易に配設させることができる。
勿論、第1カバー部71は、インフレーター20との接続時に、インフレーター20の先端側外周面21bに対し、クランプ28を使用して、インナチューブ63とともに締結されることから、インナチューブ63や接続口部33に対して、最終的にずれずに配置されることとなるため、縫合部76を省いても良い。さらに、実施形態では、接続口部33を形成する前縁側縫合部55aや後縁側縫合部55bによっても、インナチューブ63と第1カバー部71とは共縫いされることから、縫合部76を省いても良い。
また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、補強シート70の第2カバー部81が、軸方向側折目82の部位から離れ、かつ、開口部81cとインフレーター20を挿入させる開口(挿入口)70e側に隣接する縁70c相互を、縫合部85を設けて、縫合させている。
そのため、実施形態では、補強シート70の第2カバー部81をインナチューブ63内(接続口部33内)に配設する際、第2カバー部81の車内側部83と車外側部84とがずれ難く、補強シート70の第2カバー部81をインナチューブ63内(接続口部33内)の所定位置に容易に配設させることができる。
勿論、第2カバー部81も、インフレーター20との接続時に、インフレーター20の先端側外周面21bに対し、クランプ28を使用して、インナチューブ63とともに締結されることから、インナチューブ63や接続口部33に対して、最終的にずれずに配置されることとなるため、縫合部85を省いても良い。さらに、実施形態では、接続口部33を形成する後縁側縫合部55bによっても、インナチューブ63と第2カバー部81とは共縫いされることから、縫合部85を省いても良い。
また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、第1カバー部71と第2カバー部81とが、軸方向側折目82から離れ、かつ、開口部71c,81cに連なり、インフレーター20を挿入させる開口(挿入口)70e側の下縁側相互を重ね、縫合部75,85として、共縫いされている。
そのため、実施形態では、第1カバー部71と第2カバー部81とが、車内側部73,83と車外側部74,84との相互も含めて、相互にずれ難く、インナチューブ63内(接続口部33内)の所定位置に、補強シート70を容易に配設することができる。
勿論、インナチューブ63や接続口部33に対して、縫合部75,85は、後縁側縫合部55bにより縫合されることから、上記の点を考慮しなければ、補強シート70の形成時、共縫いする縫合部75,85を設けなくとも良い。あるいは、相互にずれた位置に縫合部75,85を配置させてもよい。
さらに、実施形態のエアバッグ装置Sでは、第1カバー部71と第2カバー部81とが、相互に連結された一枚の補強用シート材90から形成されている。
そのため、実施形態では、第1カバー部71と第2カバー部81とが、予め、連結部93を利用して、連結されていることから、取り扱いが容易となり、また、第1カバー部71と第2カバー部81とを連結させる作業を、軽減させることができる。
勿論、第1カバー部71と第2カバー部81とは、クランプ28により、インフレーター20の先端側外周面21bに締結されて、相互に連結されたり、あるいは、縫合部75,85の共縫い時や補強シート70の形成時、あるいは、インナチューブ63の形成時、さらには、接続口部33の形成時に、相互に連結される態様となることから、図15に示すように、第1カバー部71を形成する第1カバー構成部91と第2カバー部81を形成する第2カバー構成部92とが、相互に分離されていてもよい。
そしてさらに、実施形態のエアバッグ装置Sでは、第1カバー部71が、交差方向側折目72付近を二層構造とする補強部77、を備えて構成されている。同様に、第2カバー部81が、軸方向側折目82付近を二層構造とする補強部86、を備えて構成されている。
そのため、実施形態では、第1カバー部71や第2カバー部81が、補強部77,86により、交差方向側折目72付近や軸方向側折目82付近の耐熱性をより一層向上させることができる。
さらに、実施形態では、これらの補強部77,86が、補強用シート材90の第1カバー構成部91や第2カバー構成部92の本体部91a,92aに、折り重ねて配設できるように、積層用補強部91b,92bとして、本体部91a,92aから連なって配設されており、取り扱いが容易となって、容易に、補強部77,86を配設できる。
勿論、インフレーター20の出力に対応させて、補強部77,86の一方を省力したり、両方を省略してもよい。例えば、図16に示す補強用シート材90Aのように、積層用補強部91b,92bを設けずに、第1カバー構成部91Aと第2カバー構成部92Aとを構成しても良い。逆に、さらに補強する場合には、追加する積層用補強部91b,92bを、本体部91a,92aから延設させたり、本体部91a,92aから延設させた積層用補強部91b,92bから、さらに延設させても良い。
勿論、補強部77,86は、設ける補強層の数に対応させて、別途、縫合して、配設させてもよい。
また、実施形態では、補強シート70の挿入部70dの内周側に案内布94を設けており、把持部94aを把持しつつ、インフレーター20の先端側20aを挿入部70d内に容易に挿入できるように構成されている。勿論、この点を考慮しなければ、案内布94は設けなくともよい。
なお、実施形態では、エアバッグ30の接続口部33を、袋織り部47に縫合する接続口部用布材52(52O,52I)を利用して形成した場合を示したが、図17,18に示すように、エアバッグ30Bのポリアミド糸等による袋織りで形成されたエアバッグ本体31Bの接続口部33Bに、整流シートとしてのインナチューブ63Bに補強シート70Bを設けた補強シート組付体97Bを配設させてもよい。この接続口部33Bは、エアバッグ30の本体膨張部37Bから上方に延びる本体側筒部34Bと、本体側筒部34Bから後方に屈曲する挿入側筒部35Bと、を備え、挿入側筒部35Bの後端にインフレーター20を挿入させる開口35cを設けて構成されている。接続口部33Bの本体側筒部34Bは、本体膨張部37Bの上部側の供給路部38に連通されている。勿論、供給路部38や接続口部33Bは、縫合されずに、袋織りによって、一体化するように形成されている。
インナチューブ63Bは、図17,図21のA,Bから図22のA,Bに示すように、図12のAからCに示すインナチューブ63と同様に、ポリアミド糸等の織布から形成されたチューブ用シート材68Bを、インナチューブ63Bの流出口部65Bの下縁63c側となる部位に、折目68aを設けて、二つ折りされ、重ねた車内側部63aと車外側部63bとの所定の外周縁に縫合部66a,66b,66cを設けて形成されている。縫合部66aは、インナチューブ63Bのインフレーター20を接続させる接続筒部64の挿入口64aと前側の流出口65aとに連なる前上縁を縫合した部位であり、縫合部66bは、挿入口64aと後側の流出口65bとに連なる内周縁を縫合した部位であり、縫合部66cは、縫合部66bから分岐したL字状の部位としている。縫合部66cは、補強シート70Bと共縫いされ、縫合部66bは、その一部が補強シート70Bと共縫いされている。
なお、このインナチューブ63Bは、流出口部65Bの車内側部63aと車外側部63bとに、バタツキを防止するように、補強シート70Bにおける第2カバー部81Bの開口部81cの下縁81dを、縫合部81fにより結合させている。この下縁81dは、縫合部81fを接続口部33Bの内周側に露出させないように、インナチューブ63Bのチューブ用シート材68Bを二つ折りする前に、車内側部63aと車外側部63bとに縫合されて、縫代81gから反転されている(図18及び21B参照)。
補強シート70Bは、図17,19Aから図20Cに示すように、第1カバー部71Bを構成する第1カバー構成部91Bと第2カバー部81Bを構成する第2カバー構成部92Bとが、分離して構成されている。勿論、この補強シート70Bでも、第1カバー部71Bが、インフレーター20の先端側20aからインフレーター20の軸方向IDに沿って離れた方向における補強シート70Bの前縁70a側で、インフレーター20の軸方向IDと交差する方向の交差方向側折目72を設けて二つ折りされて、交差方向側折目72の両側に配置される正面側部としての車内側部73と背面側部としての車外側部74との折目72から離れた両端側により、インフレーター20の先端側20aを包んで、配設されている。第1カバー部71Bは、インフレーター20の本体部21の先端側外周面21b側に巻き付けられる筒状ラップ部71aと、筒状ラップ部71aからインフレーター20のガス吐出部22の周囲を覆って交差方向側折目72に至るまでの部位のガス流路部71bと、を備えて構成されることとなる。第2カバー部81Bは、エアバッグ本体31Bの本体膨張部37Bから離れる離隔縁側、実施形態では、補強シート70Bの上縁70b側に、インフレーター20の軸方向IDに沿う軸方向側折目82を設けて二つ折りされて、軸方向側折目82から延びる正面側部として車内側部83と背面側部としての車外側部84とにより、インフレーター20の先端側20aを包んで、配設されている。第2カバー部81Bは、インフレーター20の本体部21の先端側外周面21b側に巻き付けられる筒状ラップ部81aと、筒状ラップ部81aからインフレーター20のガス吐出部22の周囲を覆って補強シート70Bの前縁70a側に向かう部位のガス流路部81bと、を備えて構成されることとなる。
そして、第1カバー部71Bと第2カバー部81Bとは、補強シート70と同様に、インフレーター20の先端のガス吐出部22から離れた部位において、交差方向側折目72と軸方向側折目82とを連ならせるように、重ねて配設されるとともに、インナチューブ63Bの流出口部65B側を開口させる開口部71c,81cを設けて、配設されている。さらに、第2カバー部81Bが、第1カバー部71Bの内側に配設されている。
勿論、この補強シート70Bでも、交差方向側折目72と軸方向側折目82との連なった部位は、インナチューブ63Bの上前縁側の縫合部66aの内周側を覆って、インフレーター20のガス吐出部22から吐出される膨張用ガスGが、直接、その縫合部66aに当たらないようして、インナチューブ63Bの耐熱性を向上させるように、配設されている。
また、この第1カバー部71Bでも、交差方向側折目72を、図22のBに示すように、インフレーター20の軸直交方向VDから開口部71c側に向かって拡開するような傾斜角度θ(実施形態で約45°)を設けて、傾斜するように、配設させている。
さらに、第1カバー部71Bでも、交差方向側折目72の部位を含めたガス流路部71bの内周側に、耐熱性を高める補強部77が配設され、第2カバー部81でも、軸方向側折目82の部位を含めたガス流路部81bの外周側に、耐熱性を高める補強部86が配設されている。
この補強シート組付体97Bの製造について説明すると、まず、図19のA,Bに示すように、案内布94を第2カバー構成部92Bの本体部92aの内周側となる所定位置に配置させ、さらに、折目92cを付けて、本体部92aにおける案内布94の配置側と反対側(本体部92aの外周側)に、積層用補強部92bを折り重ねて、図19のBに示すように、縫合糸95を使用して、縫合部92dを縫合する。そして、図21のAの二点鎖線に示すように、二つ折りする前のチューブ用シート材68Bの所定位置に、流路側構成部92abの端縁となる下縁81d,81dを、縫代81gを外側に向くように配置させた状態で、縫合糸95を使用して縫合し、縫合部81fを形成する。
ついで、図21のB(図19のC参照)に示すように、第2カバー構成部92Bに軸方向側折目82を付けて、案内布94とともに、第2カバー構成部92を折り重ねるとともに、チューブ用シート材68Bを折目68aを付けて二つ折りする。なお、この時、第2カバー部81Bとインナチューブ63Bとの外形形状(折畳形状)が形成される。
同時に、図20A,Bに示すように、第1カバー構成部91Bにおける本体部91aと積層用補強部91bとの連結部91cに折目を付けて、積層用補強部91bを本体部91aの上に載せて、積層用補強部91bがずれないように、縫合部91dを設けて、両者を縫合する。そして、図20のCに示すように、交差方向側折目72を付けて、第1カバー構成部91Bの車内側部73を車外側部74の上に載せれば、第1カバー部71Bの外形形状(折畳形状)が形成される。
そして、図22のA,Bに示すように、第2カバー部81Bを縫合しているインナチューブ63Bの内側の所定位置に、開いた上前縁側から、第1カバー部71Bを入れ、そして、インナチューブ63Bに、縫合部66a,66b,66cを設ければ、補強シート組付体97Bを形成することができる。なお、インナチューブ63Bの上前縁の縫合部66aは、第2カバー部81Bの軸方向側折目82から上方に離れた配置位置として、第1カバー部71Bの交差方向側折目72から延びる上縁の縫合部76を、重ねて共縫いして形成している(図22A参照)。また、既述したように、縫合部66cは、補強シート70Bと共縫いされ、縫合部66bは、その一部が補強シート70Bと共縫いされている。
このように形成した補強シート組付体97Bを接続口部33Bの開口35cから挿入させて、補強シート70Bの放出部70fとともに、インナチューブ63Bの流出口部65Bを、エアバッグ本体31Bの接続口部33Bの本体側筒部34Bから供給路部38にわたる領域に配置させ、また、補強シート70Bの挿入部70dとともに、インナチューブ63Bの接続筒部64を、エアバッグ本体31Bの接続口部33Bの挿入側筒部35Bに配置させれば、エアバッグ30Bを形成でき、既述したエアバッグ30と同様に、車両Vに搭載すれば良い。
そして、図例のような構成のインナチューブ63Bに補強シート70を組み付けた補強シート組付体97Bでは、袋織りされた接続口部33B内に、容易に、インナチューブ63Bと補強シート70Bとを配設することができる。勿論、このような補強シート組付体97Bでは、縫製される接続口部33にも、使用することができる。
そして、図例のように、補強シート70Bとしては、インナチューブ63Bに対して、第2カバー部81Bと第1カバー部71Bとを別々に組み付けて、補強シート70Bを形成しても良い。
さらに、図例のように、第2カバー部81Bの開口部81cの下縁81d側が、供給路部38の領域に進入するように、長く下方に延びて配設されていても、下縁81d側が、縫合部81fによりインナチューブ63Bに縫合されて、インナチューブ63B内で、バタついたり、ずれたりしない。そのため、インナチューブ63Bは、流出口部65Bにおける前後両側の流出口65a,65bから分岐させて膨張用ガスGを流出させる整流作用を、円滑に発揮させることができる。さらに、下縁81d側の縫合部81fは、縫代81g側が反転されてインナチューブ63Bの車内側部63aと車外側部63bに直接接触するように縫合され、縫合部81fが、膨張用ガスGの流れる第2カバー部81Bの内周側に対して、車内側部83と車外側部84とに覆われて、膨張用ガスGに曝されず、耐熱性を有している(図18参照)。そのため、第2カバー部81Bは、ずれない下縁81d側の開口部81cから、円滑に、インナチューブ63Bの流出口部65B側に膨張用ガスGを流すことができる。
また、頭部保護エアバッグ装置に使用するエアバッグとしては、図23に示すように構成してもよい。
このエアバッグ30Cは、図2〜6に示すエアバッグ30と同様に、図23〜28に示すように、エアバッグ本体31Cが、複数の取付部60と、袋織り部47と、接続口部用布材52と、から構成されている。しかし、大きく異なる点として、以下の相違点がある。
すなわち、補強シート70Cの第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとが、別体として、耐熱性を高めるために、図25,26に示すように、インフレーター20の先端側外周面21bと対向して膨張用ガスGに曝される面に、シリコーン樹脂等からなる耐熱性を高めるためのコーティング層CLが配設されている。
また、第2カバー部81Cが、第1カバー部71Cの内側に配置されるとともに、膨張用ガスGによって捲れないように、第1カバー部71Cと縫合されている。具体的には、第2カバー部81Cは、図25,26,30,32に示すように、第2カバー部81Cにおけるインフレーター20の軸方向IDに沿ってインフレーター20の先端から離れた前縁81h側を、縫合糸95による縫合部78,79により、第1カバー部71Cに縫合させている。
さらに、補強シート70Cが、補強シート70に設けた案内布94を備えずに、図26,29,37に示すように、内周側の第2カバー部81Cに、挿入口70eから車内外方向で対向するように、突出し、そして、先端88aを折り返されるベロ部88(88I,88O)を備えている。これらのベロ部88(88I,88O)は、第2カバー部81Cの周囲に配置される第1カバー部71C、整流シートとしてのインナチューブ63C、及び、接続口部用布材52に設けられた貫通孔87を貫通して、インフレーター20の外周面21bに接触する第2カバー部81Cの部位に溶着されている。すなわち、ベロ部88I,88Oは、この溶着部89により、補強シート70Cの内周面側から接続口部33Cの外周面側に折り返された状態を維持して、第1カバー部71C、整流シートとしてのインナチューブ63C、及び、接続口部用布材52における開口35c(挿入口64a,70e)側の端面を覆っている。
さらに、整流シートとしてのインナチューブ63Cが、図23,24に示すように、流出口部65Cに、前後の流出口65a,65bの他に、エアバッグ本体31Cに対応して、折目68a側となる下縁63c側における前後の流出口65a,65b間の部位に、中間流出口65cを備えて構成されている。
なお、エアバッグ本体31Cは、供給路部38の下縁側に、中間流出口65cから流出する膨張用ガスGを通過させる開口38aを備えている。そして、エアバッグ本体31Cの本体膨張部37Cは、後側膨張部40の前方側の前側膨張部39が、開口38aに連通する調圧室39bと、調圧室39bの前方の主室39aを備えて構成されている。このエアバッグ本体31Cでは、前側膨張部39が、調圧室39bに膨張用ガスGを流入させることにより、膨張初期の主室39aの過度の圧力上昇を抑制できる。
さらにまた、インナチューブ63Cが、図25〜28,33に示すように、内周側に当て布69を縫合させて、耐熱性を高めるとともに、さらに、膨張時の応力集中によるダメージを抑制できるように構成されている。すなわち、当て布69が、インナチューブ63Cを形成するチューブ用シート材68Cにおけるインナチューブ63Cの内周面側に、縫合糸95を利用した縫合部69a,69b,69cにより、縫合されている。縫合部69cは、中間流出口65cの周縁の縫合部位であり、縫合部69a,69bが、応力集中を分散するように、チューブ用シート材68Cを折目68aで二つ折りして重ねた外周縁相互の縫合部66bに沿って、配設されている。すなわち、縫合部66bは、インナチューブ63Cの流出口部65Cから接続筒部64に向かって略L字状に屈曲する屈曲部67の縫合部位であり(図35参照)、縫合部69a,69bは、屈曲部67の縫合部位66bから離れた屈曲部67近傍で、屈曲部67に沿って、チューブ用シート材68Cにおける二つ折りされた折目68aの両側の部位である車内側部63aと車外側部63bとに対して、当て布69を縫合している。
このエアバッグ30Cでは、図28に示すように、構成部材としての接続口部用布材52、チューブ用シート材68C、当て布69、第1カバー部71Cを形成する第1カバー構成材91C、及び、第2カバー部81Cを形成する第2カバー構成材92Cは、それぞれ、可撓性を有したシート材、例えば、ポリアミド等の糸を平織りした布材等に、シリコーン樹脂等の耐熱性を高めるコーティング剤を塗布したコーティング層CLを設けて構成され、そして、コーティング層CL側の面を、膨張用ガスGに曝されたり、膨張用ガスG側に接近させて、配設される。なお、接続口部用布材52、チューブ用シート材68C、当て布69、第1カバー部71Cを形成する第1カバー構成材91C、及び、第2カバー部81Cを形成する第2カバー構成材92Cには、縫合時の位置決め用の位置決め孔(図符号省略)が、周縁に、開口されている。
なお、このエアバッグ30Cでは、エアバッグ30と大きく異なる部位・部材には、大文字のCを適宜付け、エアバッグ30と近似若しくは同様となる部位・部材には、エアバッグ30に付した符号を付けて、適宜、説明を省略する。
このエアバッグ30Cの製造について説明する。まず、補強シート70Cの製造工程を説明すると、図29のA,Bに示すように、折目92cを付けて、第2カバー構成材92Cの本体部92aの外周側に、積層用補強部92bを折り重ねて、ポリアミド等からなる縫合糸95を使用して、縫合部92dを設けて、補強部86を形成する。
その後、図30のA,Bに示すように、第2カバー構成材92Cを、第1カバー構成材91Cの内周側に配置し、縫合部78を設けて、第1カバー構成材91Cに縫合する。なお、この縫合部78は、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cの車内側部73,83相互を縫合するように、略長方形の環状に形成され、極力、第2カバー部81Cの前縁81h側における軸方向側折目82の近傍から下縁81d側へ延びるように、配設されている。但し、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cの車外側部74,84相互も、縫合部79(図32参照)により、縫合することから、補強シート70Cの厚さ寸法を小さくするように、縫合部78は、縫合部79と重ならないように、軸方向側折目82の近傍におけるガス流路部81bの上側半分のエリアに配設されている。
その後さらに、図30のB,図31のAに示すように、軸方向側折目82を付けて、第2カバー構成材92Cを二つ折りして第2カバー部81Cを形成し、さらに、図31のA,Bに示すように、交差方向側折目72を付けて、第1カバー構成材91Cを二つ折りして、第2カバー部81Cを内側に配置させた状態で、第1カバー部71Cを形成する。
なお、この第1カバー部71Cの交差方向側折目72は、インフレーター20の軸直交方向VDから開口部71c側に向かって拡開するような傾斜角度θ(図例では約60°)を設けて、傾斜するように、配設させている(図32参照)。
さらに、図31のB,図32のAに示すように、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとの車内側部73,83を捲り、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cの車外側部74,84相互を、縫合部79により、縫合する。この縫合部79は、略長方形の環状に形成され、極力、第2カバー部81Cの前縁81h側として、縫合部78と車内外方向で重ならないように、下縁81d側に配設されている。そして、図32のBに示すように、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとのずれを防止し、さらに、第1カバー部71の車内側部73と車外側部74とのずれを防止するように、縫合糸95を使用して、縫合部75,85を縫合すれば、補強シート70Cが形成される。そして、この補強シート70Cでも、交差方向側折目72と軸方向側折目82とが連なるように、重ねて配設されている。
なお、実施形態では、縫合部75,85は、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとの車内側部73,83と車外側部74,84とを共縫いして形成されており、異なる符号を付しているものの、同じ縫合部位である。
このように形成した補強シート70Cは、図32Bに示すように、後端側にインフレーター20の先端側20aを前方側に向けて挿入可能な挿入口70eを配設させた筒状の挿入部70dと、前縁70a側の下縁側に、膨張用ガスGを流出させる放出口70gを配設させた放出部70fが形成されることとなる(図24〜26参照)。放出部70fは、インフレーター20のガス吐出部22のガス吐出口22aから吐出される膨張用ガスGを受け止めて、放出口70g、換言すれば、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとの開口部71c,81cから放出することとなる。そして、補強シート70と同様に、放出部70fの部位が、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとのガス流路部71b,81bにより構成されている。
このように形成した補強シート70Cは、図34,35に示すように、折り畳む前のチューブ用シート材68Cの上に載せ、折目68aで折り、重ねた車内側部63aと車外側部63bとの挿入口64aや流出口65a,65bの部位を除く所定の外周縁相互を、縫合糸95を使用して縫合する。すなわち、インナチューブ63Cの前縁側の流出口65aと挿入口64aとの間の外周縁の縫合部66aと、後縁側の挿入口64aと流出口65bとの間の外周縁の縫合部66bとを形成すれば、インナチューブ63Cが形成される。縫合部66bは、接続筒部64の挿入口64a側の後縁64bと、流出口部65Cの接続筒部64より後方側の上縁65dと、に配設される略L字状に屈曲される屈曲部67の縫合部位としている。
なお、エアバッグ30Cの場合、縫合部66aは、補強シート70Cと共縫いしていないが、縫合部66bは、部分的に、補強シート70Cを共縫いしている。そのため、縫合部66a,66bにより、インナチューブ63Cの形状が形成されるとともに、縫合部66bにより、補強シート70Cもインナチューブ63Cに締結されて、補強シート70Cを設けたインナチューブ63C、換言すれば、補強シート組付体97C、が形成されることとなる。
また、折目68aで二つ折りする前のチューブ用シート材68Cには、図33のA,Bに示すように、内周側に、当て布69が縫合されている。当て布69は、インナチューブ63Cの接続筒部64の前側と、流出口部65Cにおける流出口65a,65bの周縁を除いた中央部位と、に配設されている。そして、縫合糸95による縫合部69a,69b,69cによって、当て布69は、チューブ用シート材68Cの内周側に縫合される。
縫合部69aは、図27,35に示すように、インナチューブ63Cの屈曲部67の縫合部66bの近傍における縫合部66bから離れたインナチューブ63Cの内周面側となって、縫合部66bに沿うように、インナチューブ63Cの車内側部63aに、当て布69を縫合する部位である。縫合部69bは、インナチューブ63Cの屈曲部67の縫合部66bの近傍における縫合部66bから離れたインナチューブ63Cの内周面側となって、縫合部66bに沿うように、インナチューブ63Cの車外側部63bに、当て布69を縫合する部位である。なお、縫合部69a,69bにおける相互に離れる端部(上端)69at,69bt側は、図33に示すように、折目68aと直交するように直線状に延びている。
また、縫合部69cは、中間流出口65cの周縁で、当て布69をチューブ用シート材68Cに縫合する部位としている。
その後、エアバッグ本体31Cに、インナチューブ63Cに補強シート70Cを設けた補強シート組付体97Cを組み付ける際には、エアバッグ本体31Cでは、エアバッグ本体31と同様に、図36のA,Bに示すように、予め、袋織り部47の分断部位50の車内側壁部32aと車外側壁部32bとに、接続口部用布材52I,52Oとを、縫合糸95を使用する連結縫合部57を設けて、縫合しておく。ついで、図37のA,Bに示すように、開いた接続口部用布材52I,52Oの間に、補強シート組付体97Cを配置する。そして、縫合糸95を使用するバッグ形成用縫合部55の前縁側縫合部55aと後縁側縫合部55bとを設けて、接続口部用布材52I,52O、補強シート70C、及び、インナチューブ63C、を共縫いすれば、接続口部33Cを形成できるとともに、接続口部33C内に、インナチューブ63Cに補強シート70Cを設けた補強シート組付体97Cを、配設固定することができる。前縁側縫合部55aにより接続口部用布材52I,52Oに共縫いされる部位は、インナチューブ63Cの上前縁と補強シート70Cにおける軸方向側折目82より上方側の上縁70bの部位である(図24参照)。後縁側縫合部55bにより接続口部用布材52I,52Oに共縫いされる部位は、補強シート70Cの縫合部75,85の後方側に配設されて、インナチューブ63Cと補強シート70Cとの挿入側筒部35の下縁側の部位である。換言すれば、前縁側縫合部55aは、交差方向側折目72や軸方向側折目82の部位を縫合していない。
なお、接続口部33Cでは、補強シート70Cの挿入口70eから車内外方向で対向するように突出するベロ部88(88I,88O)の先端88a側を、折り返して、第2カバー部81Cの周囲に配置される第1カバー部71C、インナチューブ63C、及び、接続口部用布材52に設けられた貫通孔87を貫通して、インフレーター20の外周面21bに接触する第2カバー部81Cの部位に溶着させて、開口35cの周縁における接続口部33Cの挿入側筒部35Cの外周面側に取り付けておく(図24,26参照)。
ついで、取付部60を所定部位に縫合すれば、エアバッグ30Cを形成することができる。
その後、下縁31b側を上縁31a側に接近させるようにエアバッグ30Cを折り畳んで、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないテープを巻き付けるとともに、取付部60に取付ブラケット13(図1参照)を取り付け、接続口部33Cの挿入側筒部35Cの開口35c側から、インナチューブ63Cの接続筒部64内の補強シート70Cの挿入部70d内に、挿入口70eを経て、インフレーター20の先端側20aを挿入し、クランプ28を挿入側筒部35の外周側からインフレーター20側に押圧するように締結して、インフレーター20を挿入側筒部35に接続させれば、エアバッグ組付体99を組み立てることができる。
そして、このように組み立てたエアバッグ組付体99は、図1に示すように、取付ブラケット13を組み付けた各取付部60を、ボディ1側のインナパネル2の対応する取付部位に配置させ、各取付孔60aに挿通させる等して、取付ボルト14をねじ孔に締結し、さらに、取付ブラケット24をボルト26止めし、インフレーター20をインナパネル2に固定して、エアバッグ組付体99をボディ1に取り付ける。ついで、インフレーター20に、所定のインフレーター作動用の制御装置から延びる図示しないリード線を結線し、フロントピラーガーニッシュ4やルーフヘッドライニング5をボディ1に取り付け、さらに、中間ピラーガーニッシュ7やリヤピラーガーニッシュ8をボディ1に取り付ければ、頭部保護エアバッグ装置Sを、車両Vに搭載することができる。
このようなエアバッグ30Cを使用してエアバッグ装置Sでも、作動時には、エアバッグ30を使用したエアバッグ装置Sと同様な作用・効果を得ることができる。そしてさらに、エアバッグ30Cの構成により、つぎのような作用・効果を得ることができる。
すなわち、このエアバッグ30Cでは、図24〜26に示すように、補強シート70Cの第2カバー部81Cにおけるインフレーター20の軸方向IDに沿ってインフレーター20の先端から離れた前縁81h側が、縫合部78,79により、第1カバー部71Cと縫合されている。
そのため、このエアバッグ30Cでは、第2カバー部81Cの前縁81h側が、第1カバー部71Cから離れるようなめくれを防止できる。そして、膨張用ガスGが、第2カバー部81Cの前縁81hを回りこんで、第2カバー部81Cの外周側と第1カバー部71Cの内周側との間に進入することを防止できる。したがって、例えば、膨張用ガスGが、第1カバー部71Cの交差方向側折目72の部位に当たって跳ね返り、その後、第2カバー部81Cの軸方向側折目82の側に向かっても、第2カバー部81Cの前縁81hが捲れ難いことから、軸方向側折目82の外周側に進入し難くなり、第2カバー部81Cの軸方向側折目82の外周側に、第1カバー部71Cやインナチューブ63C等を縫合する縫合部位(縫合部)55aがあったとしても、その縫合部55aにおける膨張用ガスGによるダメージを防止できる。
なお、第2カバー部81Cの捲れを防止するように、第2カバー部81Cの前縁81h側を上下にわたって、第1カバー部71Cに縫合する構造は、図11に示す補強シート70に適用してもよい。
また、このエアバッグ30Cでは、図25,26に示すように、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとにおける少なくとも一方のインフレーター20の外周面21bに接近している側(図例では、第2カバー部81C側)が、インフレーター20と接触する内側面に、耐熱性を有したコーティング層CLを、配設させて構成されている。
そのため、このような構成では、補強シート70Cの耐熱性を向上させることができる。
特に、このエアバッグ30Cでは、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとが、共に、インフレーター20の外周面21b側と対向して膨張用ガスGに曝される面に、耐熱性を有したコーティング層CLを、配設させて構成されているため、補強シート70Cの耐熱性を一層向上させることができる。
なお、エアバッグ30Cでは、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとを別体の第1カバー構成材91Cと第2カバー構成材92Cとから構成しており、容易に、インフレーター20の外周面21b側と対向して膨張用ガスGに曝される面側に、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとのコーティング層CL側を配置させることができる。
ちなみに、一枚状の補強用シート材90から形成される補強シート70では、図8〜10に示すように、第1カバー部71と第2カバー部81との内周面側が、シート材90の表裏となって、異なることから、少なくとも、インフレーター20に近い第2カバー部81の内周面側にコーティング層CLが配設されるように、補強用シート材90の表裏の片面側に、コーティング層CLに設けてもよい。
また、図19,20に示す第2カバー部81Bや第1カバー部71Bにおいても、膨張用ガスGに曝される面に、インナチューブ63B(図3のインナチューブ63も同様である)を含めて、耐熱性を有したコーティング層を設けることが望ましい。
そして、エアバッグ30Cでは、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとにおけるインフレーター20の外周面21b側に接近している側が、耐熱性を有したコーティング層CLを配設させて構成されていても、第1カバー部71Cと第2カバー部81Cとにおけるインフレーター20の外周面21b側に接近している側、図例の場合には、第2カバー部81C側は、つぎのように構成されている。すなわち、第2カバー部81C側は、接続口部33Cのインフレーター20を挿入させる開口35c側で、インフレーター20を間にして対向するように延設されるベロ部88(88I,88O)を設け、対向する二つのベロ部88I,88Oの先端88aを、図26に示すように、接続口部33Cの外表面側に折り返し、溶着部89を利用して、接続口部33Cの外表面側に取り付けている。
そのため、このエアバッグ30Cでは、耐熱性を有したコーティング層CLが、一般的に、シリコーン樹脂等のコーティング剤からなり、滑り難く、インフレーター20を挿入し難い。しかし、接続口部33Cの開口35cの端面側が、内周面側から外周面側に折り返されたベロ部88(88I,88O)で覆われていれば、ベロ部88I,88Oを持って、インフレーター20を、接続口部33Cの補強シート70Cの内周側に押し込むことができて、インフレーター20の接続口部33Cへの挿入作業を容易に行うことができる。また、ベロ部88I,88Oにより、補強シート70Cやエアバッグ本体31Cの接続口部33Cの端面側が、覆われることから、補強シート70Cの外周面側とエアバッグ本体31Cの接続口部33Cの内周面側との間に、インフレーター20を挿入させるような誤組付も無くすことができる。
また、このエアバッグ30Cでは、インナチューブ63Cが、流出口部65Cにおける両側の流出口65a,65b間の折目68a側(下縁63c側)に、膨張用ガスGを流出可能な中間流出口65cを、備えている。
そのため、インナチューブ63Cが、流出口部65Cに、両側の流出口65a,65bの他に、中間流出口65cを設けて構成されており、インナチューブ63Cの各流出口65a,65b,65cから流出させる膨張用ガスGの流量を、エアバッグ本体31Cに設けられた複数の膨張部位39a,39b,40に応じて、種々設定できて、エアバッグ30Cの性能を向上させることができる。ちなみに、このエアバッグ本体31Cでは、前側膨張部39が、調圧室39bに膨張用ガスGを流入させることにより、膨張初期の主室39aの過度の圧力上昇を抑制できることとなり、主室39aの上部近傍に乗員頭部が配置されている場合、その頭部への圧力を抑制できる。
そしてさらに、このエアバッグ30Cでは、インナチューブ63Cが、チューブ用シート材68Cを折目68aで二つ折りして、重ねた外周縁相互を、縫合部66a,66bにより、縫合して形成されている。そして、縫合部66bの部位には、流出口部65Cから接続筒部64に向かって略L字状に屈曲する屈曲部67を配設させて構成されている。そして、このエアバッグ30Cでは、インナチューブ63Cにおける屈曲部67の少なくとも近傍の内周側に、可撓性を有した当て布69が配設されている。この当て布69は、屈曲部67の縫合部66bから離れた屈曲部67近傍で、インナチューブ63Cにおける二つ折りされた折目68aの両側の部位である車内側部63aと車外側部63bに対して、それぞれ、屈曲部67に沿って縫合されて、インナチューブ63Cと一体化されるとともに、屈曲部67の縫合部66bで、端縁69d,69e相互を重ねて、インナチューブ63Cとともに縫合されている。
そのため、インナチューブ63Cが、エアバッグ本体31Cの内周側で、かつ、補強シート70Cの外周側において、接続筒部64から流出口部65C側を膨張させる際、膨張用ガスGの圧力による引張り力Tにより、屈曲部67付近の縫合部66bに応力が集中する。しかし、インナチューブ63Cは、図24,27に示すように、屈曲部67の縫合部66bが、当て布69を縫合させて補強されている。すなわち、インナチューブ63Cにおける二つ折りされた折目68aの両側の車内側部63aと車外側部63bとが、それぞれ、屈曲部67の縫合部66bの手前で、縫合部69a,69bにより、当て布69を縫合させて、厚さを増すように、一体化されて補強されている。そのため、インナチューブ63Cの屈曲部67付近の縫合部66bは、膨張用ガスGの圧力によるダメージを受け難く、破損することなく、円滑に、流出口65a,65b,65cから、膨張用ガスを流出させることができる。
なお、図例の場合、縫合部69a,69bは、接続筒部64から流出口部65Cにおけるインナチューブ63Cの外周縁の縫合部66a,66bの内、曲率の大きな後縁側のL字状(J字状ともいえる)の縫合部66bの近傍に配設されているが、前方側の縫合部66a側が、膨張時のダメージが生じやすい場合には、縫合部66aの近傍にも、当て布69の縫合部位を設けてもよい。
ちなみに、図例の場合には、図33,35に示すように、縫合部66a側は、縫合部66bから離れているものの、縫合部66b側より曲率が小さく、さらに、縫合部69a,69bによる当て布69のシート材68Cへの一体化により、縫合部66a付近も厚さを増すように、一体化される状態となり、膨張時のダメージを受け難く構成されている。特に、図例の場合には、縫合部69a,69bが、折目68aから離れたシート材68Cの端縁、すなわち、接続筒部64の上縁64c側まで延びる端部69at,69btを備えている。そのため、縫合部66a側は、端部69at,69btによる接続筒部64の周壁の部位におけるシート材68Cへの当て布69の一体化により、補強される態様となって、端部69at,69btの縫合部位によっても、縫合部66aは膨張時のダメージを防止されることとなる。
したがって、シート材68C(インナチューブ63C)の厚さを増すように、当て布69を縫合してシート材68C(インナチューブ63C)と一体化させる場合には、少なくとも、前後の縫合部66a,66bの間で、インナチューブ63Cの接続筒部64の外周縁から略直線状に下方に延びて、流出口部65Cの曲率の大きな屈曲部67を越えるエリアまで、当て布69をシート材68Cに縫合することがよい。
そしてさらに、接続筒部64と流出口部65Cとの外周縁の交差部位に関し、縫合部66aより曲率の大きな屈曲部を有した縫合部66bがある場合には、図例のように、その曲率の大きな屈曲部67側に接近させて、インナチューブ63Cの接続筒部64の外周縁(上縁64c側)から略直線状に流出口部65C側の下方に延ばし、その端側の下端69ab、69bb側を、屈曲部67に沿って曲げ、そして、流出口部65Cの外周縁の縫合部位である後上縁65dに沿わせて、縫合部69a,69bを当て布69の前後方向の端縁(後縁)69gまで設けることが望ましい。
なお、縫合部69a,69bの端部69at,69bt側は、図例のように、接続筒部64の上縁64c側に延ばせばよく、接続筒部64の上縁64自体でなくとも、接続筒部64の前縁側、すなわち、縫合部66aと交差するように、配設させてもよい。
そして、図例の場合、当て布69が、整流シートとしてのインナチューブ63Cの内周側で連なった一枚のシートから構成されており、一枚のインナチューブ63Cを構成するチューブ用シート材68Cに対して、1枚の当て布69を配設するだけでよく、当て布69の取り扱いや管理が容易となる。
この点を考慮しなければ、屈曲部67の縫合部66bの手前における車内側部63aと車外側部63bとに対して、各縫合部69a,69b付近から縫合部66bまで縫合する二枚から、当て布を構成してもよい。
なお、実施形態では、エアバッグ30,30B,30Cでは、インナチューブ(整流シート)63,63B,63Cを設けた場合を示したが、インナチューブを設けない構成のエアバッグとして、挿入側筒部35,35B,35Cと本体側筒部34,34B,34Cとを備えた接続口部33,33B,33C内に、補強シート70,70B,70Cを配設させるだけの構成としてもよい。この場合でも、補強シート70,70B,70Cが、接続口部33,33B,33Cの前縁34aや上縁35aの耐熱性を向上させることができ、特に、前縁側縫合部55aを配設されている接続口部33,33Cの場合には、好適となる。
なお、実施形態では、頭部保護エアバッグ装置Sを例示したが、エアバッグが、本体膨張部から接続口部が突出される構成として、接続口部が、車両への搭載時、L字状に屈曲されて、その内部に、補強シートが配設される構成であれば、本発明を実施することができ、例えば、カーテンエアバッグでなくとも、歩行者保護エアバッグ等に本発明を適用してもよい。
また、本発明のエアバッグの接続口部は、本体膨張部から単に直線状に突出し、車両への搭載時、L字状に屈曲されて、本体側筒部と挿入側筒部とを形成する構成であってもよい。
20…インフレーター、30,30B,30C…(カーテン)エアバッグ、31,31B,31C…エアバッグ本体、32a…(正面側壁部)車内側壁部、32b…(背面側壁部)車外側壁部、33,33B,33C…接続口部、34,34B…本体側筒部、35,35B…挿入側筒部、37,37B,37C…本体膨張部、
63,63B,63C…(整流シート)インナチューブ、64…接続筒部、65,65B,65C…流出口部、65a,65b…流出口、65c…中間流出口、66b…(屈曲部の)縫合部、67…屈曲部、68,68B,68C…チューブ用シート材、68a…折目、69…当て布、69a,69b…(屈曲部に沿った)縫合部、
70,70B,70C…補強シート、70b…離隔縁、71,71B,71C…第1カバー部、71c…開口部、72…交差方向側折目、75…(共縫い)縫合部、76…(離隔縁・上縁の)縫合部、77…補強部、78,79…(第1カバー部と第2カバー部との)縫合部、81,81B,81C…第2カバー部、81c…開口部、81h…(インフレーターの軸方向に沿ってインフレーターの先端から)縁、82…軸方向側折目、85…(共縫い)縫合部、86…補強部、88…ベロ部、
90,90A…補強用シート材、91,91A,91B…第1カバー構成部、、91C…第1カバー構成材、91b…積層用補強部、92,92A,92B…第2カバー構成部、92C…第2カバー構成材、92b…積層用補強部、93…連結部、CL…コーティング層、
V…車両、ID…(インフレーターの)軸方向、G…膨張用ガス、S…頭部保護エアバッグ装置。

Claims (18)

  1. 膨張用ガスを流入させて膨張するエアバッグと、先端側から吐出する膨張用ガスを前記エアバッグに供給する略円柱状のインフレーターとを備えて構成されるとともに、
    前記エアバッグが、エアバッグ本体と、該エアバッグ本体の内周側に配置される可撓性を有した補強シートと、を備え、
    前記エアバッグ本体が、膨張用ガスを流入させて正面側壁部と背面側壁部とを離すように膨らむ本体膨張部と、前記インフレーターからの膨張用ガスを前記本体膨張部へ流入させるように、前記インフレーターと接続される筒状の接続口部と、を備え、
    前記補強シートが、前記接続口部の内周側で、前記インフレーターの外周を覆うように配設される構成のエアバッグ装置であって、
    前記補強シートが、
    前記インフレーターの先端側から前記インフレーターの軸方向に沿って離れた位置で、前記インフレーターの軸方向と交差する方向の交差方向側折目を設けて二つ折りされて、前記交差方向側折目の両側の部位における前記交差方向側折目から離れる両端側により、前記インフレーターの先端側を包んで配設される第1カバー部と、
    前記本体膨張部から離れる離隔縁側に、前記インフレーターの軸方向に沿う軸方向側折目を設けて二つ折りされて、前記軸方向側折目の両側の部位により前記インフレーターの先端側を包んで配設される第2カバー部と、
    を備えて構成されるとともに、
    前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、
    前記インフレーターの先端から離れた部位において、前記交差方向側折目と前記軸方向側折目とを連ならせるように、重ねて配設されるとともに、前記エアバッグ本体の前記本体膨張部側を開口させる開口部を設けて、配設されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記補強シートの前記第2カバー部が、前記第1カバー部の内側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記第2カバー部における前記インフレーターの軸方向に沿って前記インフレーターの先端から離れた縁側が、前記第1カバー部と縫合されていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記補強シートの前記第1カバー部が、前記交差方向側折目を、前記インフレーターの軸直交方向から前記開口部側に向かって拡開する角度を設けて、傾斜するように、配設させていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記補強シートの前記第1カバー部が、前記交差方向側折目から連なった前記本体膨張部から離れる離隔縁相互を、縫合させていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  6. 前記補強シートの前記第2カバー部が、前記軸方向側折目から離れ、かつ、前記開口部に連なり、前記接続口部の前記インフレーターを挿入させる開口側の縁相互を、縫合させていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  7. 前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、前記軸方向側折目から離れ、かつ、前記開口部に連なり、前記接続口部の前記インフレーターを挿入させる開口側の縁相互を重ねて、共縫いされていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  8. 前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、相互に連結された一枚の補強用シート材から形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  9. 前記第1カバー部が、前記交差方向側折目付近を複数層とする補強部、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  10. 前記第2カバー部が、前記軸方向側折目付近を複数層とする補強部、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  11. 前記第1カバー部と前記第2カバー部とにおける少なくとも一方の前記インフレーターの外周面に接近している側が、前記インフレーターと接触する内側面に、耐熱性を有したコーティング層を、配設させて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  12. 前記第1カバー部と前記第2カバー部とが、共に、前記インフレーターの外周面側と対向して前記膨張用ガスに曝される面に、耐熱性を有したコーティング層を、配設させて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
  13. 前記第1カバー部と前記第2カバー部とにおける前記インフレーターの外周面に接近している側が、前記接続口部の前記インフレーターを挿入させる開口側で、前記インフレーターを間にして対向するように延設されるベロ部を備え、
    対向する二つの前記ベロ部が、先端を、前記接続口部の外表面側に折り返されるとともに前記接続口部の外表面側に取り付けられて、配設されていることを特徴とする請求項11若しくは請求項12に記載のエアバッグ装置。
  14. 前記エアバッグが、前記エアバッグ本体の前記接続口部と前記接続口部近傍の前記本体膨張部の内部に配設されて、内周側に前記補強シートを配設させた可撓性を有した整流シートを備え、
    該整流シートが、
    前記接続口部内に配設されるとともに前記インフレーターの先端側を挿入させて前記インフレーターと接続される接続筒部と、
    該接続筒部から前記本体膨張部側に延びて、端部側で、前記接続筒部を経て流入した前記インフレーターからの膨張用ガスを、両側に分岐させて流出可能な少なくとも二つの流出口を有した流出口部と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載のエアバッグ装置。
  15. 前記整流シートが、一枚の可撓性を有したシート材から形成されるとともに、前記流出口部側に折目を設けて二つ折りされて、重ねた外周縁相互を縫合されて、形成されていることを特徴とする請求項14に記載のエアバッグ装置。
  16. 前記整流シートが、前記流出口部における両側の前記流出口間に、前記膨張用ガスを流出可能な中間流出口を、備えて構成されていることを特徴とする請求項15に記載のエアバッグ装置。
  17. 前記整流シートが、重ねた外周縁相互の縫合部位に、前記流出口部から前記接続筒部に向かって略L字状に屈曲する屈曲部を配設させて構成され、
    前記整流シートにおける前記屈曲部の少なくとも近傍の内周側に、可撓性を有した当て布が配設され、
    前記当て布が、前記屈曲部の前記縫合部位から離れた前記屈曲部近傍で、前記整流シートにおける二つ折りされた前記折目の両側の部位に対して、それぞれ、前記屈曲部に沿って縫合されて、前記整流シートと一体化されるとともに、前記屈曲部の前記縫合部位で、端縁相互を重ねて、前記整流シートとともに縫合されていることを特徴とする請求項15若しくは請求項16に記載のエアバッグ装置。
  18. 前記当て布が、前記整流シートの内周側で連なった一枚のシートから構成されていることを特徴とする請求項17に記載のエアバッグ装置。
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