JP2016187168A - スピーカ用振動板、及び、スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ用振動板、及び、スピーカ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高い曲げ弾性を備えることが可能となるスピーカ用振動板、および、そのようなスピーカ用振動板を備えたスピーカ装置を提供する。
【解決手段】繊維交絡体から形成された複数の繊維交絡体層が積層されて形成されたスピーカ用振動板8において、隣り合う前記繊維交絡体層の層間のうち、少なくとも1つの層間に境界面8cが形成され、かつ、繊維交絡体の相互間に境界面8cが形成された層間を形成する一方の繊維交絡体層8aの繊維が境界面8cを越えて他方の繊維交絡体層8bの繊維と交絡している交絡構造が、境界面8c全体に形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明はスピーカ用振動板、及び、スピーカ用振動板を備えたスピーカ装置に関する。
スピーカ用振動板は、一般にパルプなどの天然繊維を抄紙して作製されるが、ヤング率と内部損失との良好なバランスを得る、あるいは、十分な曲げ剛性を得る等の目的で、様々な材料を併用する技術が提案されている。
例えば、このような技術として、ポリビニルアルコール系繊維を振動板に用いることが知られている(特許文献1)。しかしながら、ポリビニルアルコール系繊維を用いても、所望の曲げ剛性を有する振動板を得ることが難しい。
特開昭53−96822号公報
本発明の課題は、高い曲げ剛性を備えることが可能となるスピーカ用振動板、或いはこのようなスピーカ用振動板を備えたスピーカ装置を提供することが一例として挙げられる。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のスピーカ用振動板では、繊維交絡体で形成された繊維交絡体層が複数積層され、互いに接する2つの前記繊維交絡体層間に境界面が形成されており、前記2つの繊維交絡体のうち、一方の前記繊維交絡体層の繊維が前記境界面を越えて他方の前記繊維交絡体層の繊維と交絡している交絡構造が、前記境界面全体に形成されていることを特徴とする。
本発明の一実施例のスピーカ装置のモデル断面図である。 交絡構造を説明するモデル図である。 本発明の他の実施例のスピーカ用振動板がスピーカ装置に組み込まれた状態を示すモデル部分断面図である。
以下、本発明の一実施形態を説明する。本発明の一実施形態にかかるスピーカ用振動板では、形成形成交絡構造形成繊維交絡体で形成された繊維交絡体層が複数積層され、互いに接する2つの前記繊維交絡体層間に境界面が形成されており、前記2つの繊維交絡体のうち、一方の前記繊維交絡体層の繊維が前記境界面を越えて他方の前記繊維交絡体層の繊維と交絡している交絡構造が、前記境界面全体に形成されている。この形成により、スピーカ用振動板は高い曲げ剛性を備えることができ、適切な音響特性を得ることが可能となる。
また、透気抵抗値が4秒以上20秒以下であってもよい。形成このような形成により、スピーカ用振動板の内部の密度又は交絡度が比較的大きくなり、スピーカ用振動板は高い曲げ剛性を備えることができる。
また、形成複数の繊維交絡体層の繊維がすべて非溶融性繊維であってもよい。このような形成により、高い内部損失をスピーカ用振動板は備えることができる。
また、複数の繊維交絡体層のうち、1つの繊維交絡体層が、溶融性繊維を有しても構わない。形成このような形成により、スピーカ用振動板は高いヤング率を備える、又は繊維交絡体層間の接着力を向上させ、繊維交絡体層間で剥離が生じることを抑止することができる。
また、互いに接する繊維交絡体層を形成する形成2つの繊維交絡体層の透気抵抗度が互いに異なっていても構わない。このような形成により、スピーカ用振動板の曲げ剛性を調整し、かつ内部損失やヤング率も調整でき、所望の音響特性を有するスピーカ用振動板を得ることが可能となる。
本発明のスピーカ装置は、前述のスピーカ用振動板と、エッジと、スピーカ用振動板をエッジを介して支持するフレームと、スピーカ用振動板に支持されるボイスコイルと、磁気回路と、を備え、スピーカ用振動板の曲げ剛性が、エッジの曲げ剛性より大きいことを特徴とする。このような形成により、所望のスピーカ装置を提供することができる。
本発明の実施例のスピーカ装置1を、図1を参照して説明する。
図1(a)に本発明のスピーカ用振動板の一例を備えたスピーカ装置のモデル断面図を示す。
スピーカ装置1は、スピーカ用振動板8、センターキャップ9、エッジ6、フレーム11、ダンパ7、ボイスコイル5、ボイスコイル支持部2、ヨーク12、磁石3、および、プレート4を備え、プレート4とヨーク12との間には磁気ギャップ10が形成されている。
これらのうち、ヨーク12、磁石3、プレート4、および、磁気ギャップ10は磁気回路を形成しており、これらによりボイスコイル5が駆動される。
磁気ギャップ10には所定の長さの導線が巻回されて形成されるボイスコイル5が配置される。このボイスコイル5には外部から音声信号が入力される。このボイスコイル5は、筒状のボイスコイル支持部2により支持される。またボイスコイル支持部2はダンパ7を介してフレーム11に支持され、その軸方向(図中上下方向)に前後動できるようになっている。このボイスコイル支持部2の上端部付近はスピーカ用振動板(本発明のスピーカ用振動板の一例)8の開口縁端と接続されて支持されている。さらにボイスコイル支持部2の上端部にはセンターキャップ9が設けられている。
スピーカ振動板8の外周は、スピーカ振動板8とフレーム11との間に介在しこれらを連結するエッジ6により支持されている。このスピーカ用振動板8の曲げ剛性はエッジ6の曲げ剛性よりも高い。このために、適切な音響特性を得ることが可能となる。
このようなスピーカ用振動板は、複数の繊維が交絡されてなる繊維交絡体により形成されている。このスピーカ用振動板8は、図1(b)に図1(a)のA部分を拡大して示すように、繊維交絡体から形成された、繊維交絡体層8aと繊維交絡体層8bとの2つの繊維交絡体層が全体に亘って積層されて形成されている。なお、これら繊維交絡体層8aと繊維交絡体層8bとの間には形成境界面8cが形成されている。この境界面8cは、互いに対面する繊維交絡体層8aの面(裏面)と繊維交絡体層8bの面(表面)で形成されている。
ここで、一方の繊維交絡体層、この例では繊維交絡体層8aを形成する繊維が境界面8cを越えて他方の繊維交絡体層である繊維交絡体層8bの繊維と交絡している。これら一方及び他方の繊維交絡層を形成する繊維が交絡している交絡構造が、境界面8c全体に形成されている。そのため、これら一方及び他方の繊維交絡層を形成する繊維が一方及び他方の繊維交絡体層の2層を接続している。この交絡構造を、図2を用いてモデル的に説明する。なお、図2においては、一方の層にのみ属する繊維の図示を省略している。この図に示した例では、繊維交絡体層M1と繊維交絡体層M2とが境界面MCで互いに接しており、また、繊維交絡体層M2に属する繊維Fの一部(例:先端)が繊維交絡体層M1内の繊維と互いに交絡している。
このような両繊維交絡体層間の、繊維同士による交絡構造により、これら2つの繊維交絡体層は接着剤、粘着剤、バインダ、溶融性繊維等の一般的な接着手段なしで、また、後述する製造時のドライプレス処理がなくても強固に密着している。
製造においてドライプレス処理をこのように不要とすることで、スピーカ用振動板8は、厚さ方向に圧縮されることなく、抄造時の厚い状態を保つことができる。このために、スピーカ用振動板8は、ドライプレス処理を行なう従来技術のスピーカ用振動板に比べて、スピーカ用振動板8全体の曲げ弾性が高い。
スピーカ装置では、ボイスコイル5の振動がスピーカ用振動板8に伝搬され、スピーカ用振動板が振動して音波を放射する。この時、ボイスコイル5、又はボイスコイル5を支持するボイスコイル支持部2に接続したスピーカ用振動板8の接続部には、比較的大きな応力が作用し、長期間にわたってスピーカ用振動板8を振動させることにより接続部が折れたりする。このため、スピーカ用振動板では、一般に、ボイスコイル支持部2との接続部、および、その付近で耐久性、特に高い曲げ弾性が求められるが、スピーカ用振動板8ではこの接続部、或いは接続部及び接続部から変曲点近傍までの部分も高い曲げ弾性を有する。さらに、交絡構造により、繊維交絡体層同士が互いに保持し合うためにバインダが不要となるのでスピーカ用振動板として軽量化が可能となる。また、繊維同士の摩擦が生じる箇所が多くなることによる内部損失が増加し、所望の音響特性を得ることが可能となる。
ここで、従来、スピーカ用振動板の製造において、ドライプレス処理を行うことにより、繊維交絡体層同士の密着性を向上させることができると考えられていたが、本発明者等の詳細な検討の結果、むしろ密着性を低下させる恐れがあることが判った。
以下、その原理について推測を交えて説明する。
ドライプレス処理は、抄紙により得られた繊維交絡体層を濡れた状態で、あるいは、水分が多い状態で、加熱された1対のプレス金型の間に挟んで加圧し乾燥させる処理である。
2層などの複数の繊維交絡体層の積層体に対して、このドライプレス処理を行うと、繊維交絡体層内部の水や水分が急激に蒸発する。そしてドライプレス処理前の水の状態での体積と比べると非常に大きい体積となった水蒸気は、金型の外縁方向に極めて速い速度で移動する。この水蒸気の急激な移動により、繊維交絡体層同士の境界付近の繊維(特に叩解等によりフィブリル化された繊維)の、交絡形成において非常に重要な部分である末端部分が、水蒸気の進行方向に引き揃えられた状態となるものと考えられる。この引き揃えられてしまった繊維の末端部は交絡に寄与できないため、結果として、ドライプレス処理が繊維交絡体層同士の密着を妨げるものと考えられる。そのため、本発明のスピーカ用振動板では、その製造において、複数の繊維交絡体層同士の密着を妨げるドライプレス処理を行わない。
ここで、繊維交絡体層同士の、繊維による上記の交絡構造を特に効果的なものするためには、例えば次に示すような方法が挙げられる。
1つの方法としては、隣り合う繊維交絡体層を形成する繊維の長さを異なったものとする方法である。すなわち、一方の繊維交絡体層は比較的長い繊維から、他方の繊維交絡体層は比較的短い繊維から形成すると、一方の繊維交絡体層の比較的長い繊維の末端部がこれら繊維交絡体層間の境界を越えて、他方の繊維交絡体層内の短い繊維と容易に、堅固な交絡構造を形成する。ここで十分な交絡構造を得るために、例えば、長い方の繊維としては繊維長(数平均繊維長)が5mm以上のものと、短い方の繊維としては繊維長が1mm以下のものと、を組み合わせて用いることが好ましい。
他の方法としては、隣り合う繊維交絡体層を形成する繊維の太さを異なったものとする方法である。細い繊維は自由度が高く、これら繊維交絡体層間の境界を越えて、他の繊維交絡体層の太い繊維と容易に、堅固な交絡構造を形成する。
さらに他の方法としては、隣り合う繊維交絡体層を形成する繊維の叩解度を異なったものとする方法である。比較的高い叩解度を有する繊維は、フィブリル化、すなわち、部分的な微少繊維化が進行しており、これら部分的な微少繊維部分の多くの末端部は、これら繊維交絡体層間の境界を越えて、他方の繊維交絡体層内の叩解度の比較的少ない繊維と、しかも、その比較的太い部分と容易に、かつ、堅固な交絡構造を形成する。ここで十分な交絡構造を得るために、例えば、低い叩解度を有する繊維として10°SR(ショッパーリグラー:JIS P8121で定義される叩解度の単位)未満のものと、高い叩解度を有する繊維として20°SR以上の叩解度を有するものと、を組み合わせて用いることが好ましい。
あるいは、隣り合う繊維交絡体層を形成する繊維を柔軟度の異なるものとする方法も挙げられる。柔軟な繊維は、これら繊維交絡体層間の境界を越えて、他方の繊維交絡体層内の比較的剛直な繊維と容易に、かつ、堅固な交絡構造を形成する。ここで柔軟な繊維としてはレーヨン、リンター、麻などの非木材パルプ系繊維と、剛直な繊維としてはNUKP(針葉樹未晒パルプ)、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)等の木材パルプで、かつ、高叩解度とした繊維と、組み合わせて用いることが好ましい。
なお、このような交絡構造は例えば次のようにして確認することができる。すなわち、積層させる繊維交絡体層を互いに異なった色で染色するか、繊維交絡体層を作製する際に互いに異なった色に染色された繊維を用いて、両者を層間剥離すると、一方の繊維交絡体層の剥離面に他の繊維交絡体層の繊維の一部が残った状態で剥離するので、繊維同士の交絡が確認できる。また、染色を行わなくても、繊維交絡体層を剥離したときに剥離面の繊維を採取して、顕微鏡等の観測手段で他方の繊維交絡体層の残存を確認することできる。
上記の交絡構造を得るための4つの方法では、いずれも、繊維交絡体層同士の積層体を剥離した後に、一方の繊維交絡体層の剥離面全体に、他方の繊維交絡体層からの繊維が全面に多く残存付着していた。このように、上記の4つの方法が、繊維交絡体層同士の繊維の交絡構造を得るために適した方法であることが確認された。
ここで、スピーカ用振動板を形成する繊維をすべて非溶融性繊維とすることで、高い内部損失を付与することが可能となる。しかし、少なくとも1つの繊維交絡体層で溶融性繊維を混抄することで、スピーカ用振動板の製造を容易にすることができ、また、このとき、内部損失を調整することも可能となる。このため、要求される特性によって、溶融性繊維の要不要を適宜選択する。
本発明のスピーカ用振動板を形成する複数の繊維交絡体層は、例えば上記の4つの例のような繊維の組合せとなるように、通常の方法で抄造する。このとき、それぞれの繊維交絡体層を別々に抄造してもよい。
あるいは、抄造された繊維交絡体層(抄紙体)が抄網上に残っている状態でその繊維交絡体層の上に、さらに他の繊維交絡体層を抄造して積層抄紙体としてもよい。このとき、第一の繊維交絡体層の抄造後に、一方の繊維交絡体層の上面から部分的に突出している繊維が、他方の繊維交絡体層の抄造時に他方の繊維交絡体層内に取り込まれて、一方の繊維交絡体層と他方の繊維交絡体層との両方に属する繊維となり、この繊維により両者の交絡構造が堅固となるので高い曲げ弾性向上効果が得られる。
このようにして得た繊維交絡体層の積層体は、所望の形状を有する型(例えば、ドライプレス処理用の一対の金型のうち、音響放射面側の型)に載置し、加熱して乾燥する。ここで、繊維交絡体層を別々に抄紙した場合にはこれらを積層して乾燥用の上記型に載置して乾燥させることができる。また、乾燥後にこれら繊維交絡体層を積層してもよい。
なお、本発明において、その繊維交絡体層を形成する際に用いる抄紙スラリーには、繊維以外に、各種染料や顔料等の着色剤、マイカ等の無機粉末、その他の各種添加剤を配合してもよい。また、抄造後に必要に応じて、染色するなどの加工を行ってもよい。
ここで、本発明のスピーカ用振動板の透気抵抗度は4秒以上20秒以下の範囲であることが好ましい。透気抵抗度がこの範囲より小さいスピーカ用振動板を非溶融繊維を用いて抄造法で形成することは、実質的に困難であった。一方、この範囲よりも大きいスピーカ用振動板は比較的小さい曲げ剛性を有する点で好ましくない。より好ましい透気抵抗値の範囲は12秒以上である。このような透気抵抗値は繊維交絡体層の繊維の量や繊維の種類、積層数を変えることで調整することができる。なお、本発明では、透気抵抗値はガーレイ式透気度試験機(Gurley Type Densometer,Model B)を用いた方法(JIS P8117:2009に準拠)で測定する。
また、本発明のスピーカ用振動板の面密度は0.14g/m2以上0.18g/m2以下であることが好ましい。面密度が高い場合には所望の内部損失を得にくくなりやすく、低い場合には所望のヤング率を得にくくなりやすい。
本発明のスピーカ用振動板において、厚さは0.3mm以上0.6mm以下であることが好ましい。この範囲よりも薄いと十分な曲げ剛性向上効果を得られにくく、また、厚すぎるとスピーカ用振動板の重量が比較的大きくなる点で好ましくない。厚さは使用する繊維の量、叩解度、繊維の種類等で調整することができる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のスピーカ用振動板、及び、スピーカ装置は、上記実施形態の形成に限定されるものではない。
当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のスピーカ用振動板、及び、スピーカ装置を適宜改変することができる。このような改変によってもなお、本発明のスピーカ用振動板、及び、スピーカ装置の形成を具備する限り、もちろん、本発明の範疇に含まれるものである。
前述の実施例における振動板8の変形例として、図3の、スピーカ装置に組み込まれた状態のモデル部分断面図で示されるスピーカ用振動板18を採用しても構わない。なお、前述したスピーカ用振動板8と共通する点についての説明は割愛し、以下では記載されているものとする。図3に示されるスピーカ用振動板18は、ボイスコイル支持部2に接続する内周部としての接続部18aと、胴体部18bと、エッジ6に接続される外周部としての接続部20を有する。
この振動板18の内周部から胴体部にかけての接続部18aに湾曲部が形成されている。また、この湾曲部における外周部に相当する位置には変曲部18cがある。この変曲部18cは、振動板9の断面形状が湾曲した形状からフラットな形状に変化する位置となっている。
以下に、本発明のスピーカ用振動板及びスピーカ装置についての具体例を示す。
<繊維交絡体層Aの形成>
高叩解度パルプ(叩解度を20°SRとしたショッパーグリラ―)による抄紙スラリーを調製し、抄紙した後に温風乾燥して繊維交絡体層Aを得た。繊維交絡体層Aの面密度は0.147g/m2、透気抵抗度(JIS P 8117)は14秒であった。
<繊維交絡体層Bの形成>
繊維交絡体層Aと形成時と同様に、ただし、高叩解度パルプの代わりに高内部損失パルプ(叩解度を15°SRとしたショッパーグリラー)を用いて作製した繊維交絡体層Bを得た。この繊維交絡体層Bの面密度は0.174g/m2、透気抵抗度は4秒であった。
<スピーカ用振動板(実施例品)の作製>
上記で作製した繊維交絡体層A(例:白色)と繊維交絡体層B(例:黒色)とを、繊維交絡体層Aが音響放射側となるように重ね、乾燥機で乾燥させて、実施例のスピーカ用振動板αを得た。このスピーカ用振動板αの厚さは0.429mm、面密度は0.160g/m2、透気抵抗度は4秒であった。
<スピーカ用振動板(比較例品)の作製>
上記スピーカ用振動板αと同様に、ただし、抄紙後の各繊維交絡体層にドライプレス処理を行って乾燥させてスピーカ用振動板βを得た。なお、後述する各繊維交絡体層の厚さ(プレス処理)は、前述した本発明の各繊維交絡体層の厚さ(ノンプレス処理)より小さい。
このとき、高内部損失パルプによる繊維交絡体層の厚さは0.312mm、面密度は0.147g/m3、透気抵抗度は18秒で、高内部損失パルプによる繊維交絡体層の厚さは0.382mm、面密度は0.174g/m2、透気抵抗度は13秒、スピーカ用振動板βの厚さは0.328mm、面密度は0.160g/m2、透気抵抗度は21秒であった。
<交絡構造の確認>
上記で作製したスピーカ用振動板αおよびβについて、それぞれ繊維交絡体層を実際に手で引きはがした。その結果、スピーカ用振動板αでは、黒色の繊維交絡体層Bの剥離面に白色の繊維交絡体層Aの繊維が全面に残留していて、交絡構造が形成されていることが実証された。一方のスピーカ用振動板βでの剥離面ではこのような繊維の残留はスピーカ用振動板αの場合に比して遙かに少なく、スピーカ用振動板αよりも交絡構造がほとんど形成されていないことが判った。
1 スピーカ装置
2 ボイスコイル支持部
3 磁石
4 プレート
5 ボイスコイル
6 エッジ
7 ダンパ
8 スピーカ用振動板
8a、8b 繊維交絡体層
9 センターキャップ
10 磁気ギャップ
11 フレーム
12 ヨーク

Claims (6)

  1. 繊維交絡体形成で形成された繊維交絡体層が複数積層され、互いに接する2つの前記繊維交絡体層間に境界面が形成されており、
    前記2つの繊維交絡体のうち、形成一方の前記繊維交絡体層の繊維が前記境界面を越えて他方の前記繊維交絡体層の繊維と交絡している交絡構造が、前記境界面全体に形成されていることを特徴とするスピーカ用振動板。
  2. 透気抵抗値が4秒以上20秒以下であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカ用振動板。
  3. 前記複数の繊維交絡体層の形成繊維がすべて非溶融性繊維であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ用振動板。
  4. 前記複数の繊維交絡体層のうち、1つの前記繊維交絡体層は、溶融性繊維を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスピーカ用振動板。
  5. 前記互いに接する繊維交絡体層形成の透気抵抗度が互いに異なることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のスピーカ用振動板。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のスピーカ用振動板と、エッジと、前記スピーカ用振動板を前記エッジを介して支持するフレームと、前記スピーカ用振動板に支持されるボイスコイルと、磁気回路と、を備え、
    前記スピーカ用振動板の曲げ剛性が、前記エッジの曲げ剛性より大きいことを特徴とするスピーカ装置。
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