JP2007329565A - 電気音響変換器用振動板の製造方法、および電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板の製造方法、および電気音響変換器用振動板 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な製造工程により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製すること、比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を提供すること等。
【解決手段】繊維材料402及び熱硬化性樹脂403を抄紙する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂403を硬化させて所定形状の電気音響変換器用振動板4を作製する工程とを有するので、簡単な製造方法により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気音響変換器用振動板の製造方法、および電気音響変換器用振動板に関するものである。
スピーカやマイクロフォン等の電気音響変換器用振動板の製造方法に要望される物性は、比弾性率(E/ρ)、比曲げ剛性率(E/ρ3 )が大きく、適度な内部損失を有し、機械的疲労に強く、耐候性が良いことである。例えば一般的にパルプを抄紙して作製された紙振動板が多く使用されているが、振動板を物性の異なる複数の素材を含む縣濁液を抄紙することで、各種特性を備える振動板を得ることが提案されている。
例えば特許文献1には、ラテックスを抄紙前の抄紙原料に添加してパルプに定着させ、その抄紙原料を抄紙成形することにより、防水性能を向上させた振動板が開示されている。
また、例えば特許文献2には、生分解性高分子材料であるポリ乳酸樹脂エマルジョンをサイズ剤として内部添加された紙で形成された生分解性を備える紙振動板が開示されている。
特開平6−311594号公報 特開2005−269427号公報
ところで、例えばパルプ等の繊維材料からなる紙振動板の防湿性を向上させるために、単純に樹脂を含浸して紙振動板を作製する場合には、先ず、繊維を含む抄紙原料を抄紙したのち乾燥処理により所定形状の紙振動板を形成し、その紙振動板に樹脂を含浸させたのち再度乾燥処理を施すという製造工程を要する。しかし、上記製造方法では紙振動板を作製するために2度の乾燥工程を要する。
また、振動板の剛性の向上が望まれているが、単純に樹脂含浸工程を行った場合には、剛性値をより向上させることが困難である。
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、簡単な製造工程により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製すること、比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を提供すること、等が本発明の目的である。
このような目的を達成するために、本発明は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
請求項1に記載の発明は、叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙して形成される電気音響変換器用振動板の製造方法であって、前記繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙する工程と、加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させて所定形状の前記電気音響変換器用振動板を作製する工程とを有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙したのち加熱乾燥処理により所定形状に形成される電気音響変換器用振動板の製造方法であって、前記抄紙したのち前記加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂を含む溶液を前記抄紙された振動板に塗布する工程と、前記加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記電気音響変換器用振動板を作製する工程とを有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明に係る電気音響変換器用振動板は、叩解された繊維材料と熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙したのち加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明に係る電気音響変換器用振動板は、叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙したのち、熱硬化性樹脂を含む溶液を前記抄紙された未乾燥状態の振動板に塗布し、加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させてなることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る電気音響変換器用振動板の製造方法は、叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙して形成される電気音響変換器用振動板の製造方法であって、繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂を硬化させて所定形状の電気音響変換器用振動板を作製する工程とを有することを特徴とする。
上記電気音響変換器用振動板の製造方法では、繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙したのち、加熱乾燥処理により、その抄紙された振動板に含まれる熱硬化性樹脂を硬化させて所定形状の電気音響変換器用振動板を作製するので、簡単な製造工程により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製することができる。
詳細には、例えば水や有機溶剤などの溶媒に、熱硬化性樹脂と繊維材料が均一に分散した縣濁液を抄紙することにより、熱硬化性樹脂が略均一に分散した状態となり、この状態で加熱乾燥処理を施すことにより、繊維間を熱硬化性樹脂により結合させるので、振動板全体で均一に繊維間の結合力が向上して、均一な剛性や耐湿性を備える高品質な電気音響変換器用振動板を作製することができる。
また本発明の一実施形態に係る電気音響変換器用振動板の製造方法は、叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙したのち加熱乾燥処理により所定形状に形成される電気音響変換器用振動板の製造方法であって、抄紙したのち加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂を含む溶液を抄紙された振動板に塗布する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂を硬化させて電気音響変換器用振動板を作製する工程とを有することを特徴とする。
上記電気音響変換器用振動板の製造方法では、抄紙したのち加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂を含む溶液を抄紙された振動板に塗布した後、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂を硬化させて電気音響変換器用振動板を作製するので、より簡単な製造工程により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製することができる。また所定量の熱硬化性樹脂を塗布することで、製造工程時の熱硬化性樹脂の量を低減することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気音響変換器用振動板を採用したスピーカ装置10を説明するための図であり、図1(A)はスピーカ装置の半断面図であり、図1(B)は図1(A)に示した電気音響変換器用振動板を説明するための断面拡大図である。
以下、コーン形状の電気音響変換器用振動板を例示して説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではなく、ドーム形状、平面形状、平板形状など各種形態の電気音響変換器用振動板を対象とすることができる。また、コーン型電気音響変換器用振動板においても、以下の構造に特に限定されるものではない。また、円形状電気音響変換器用振動板を説明するがこの形態に限られるものではない。電気音響変換器用振動板は、例えば楕円形状、矩形状、その他任意の形状に形成されていてもよい。本発明に係る電気音響変換器用振動板は、例えばスピーカやマイクロフォン等の電気音響変換器の振動板に採用することができる。
本発明の第1実施形態に係るスピーカ用振動板4を採用したスピーカ装置10は、図1(A)に示すように、磁石1A、プレート1B、ヨーク1Cにより形成される磁気回路1と、磁気回路1の磁気ギャップ内に配置された、ボイスコイルボビン2に巻回されたボイスコイル3と、中心部がボイスコイルボビン2に固定されたスピーカ用振動板(振動板)4を有する。振動板4の外周縁は、エッジ5およびガスケット6を介して、スピーカフレーム7に固定されている。ボイスコイルボビン2はダンパ8により、スピーカフレーム7に固定され、ボイスコイルボビン2の開口部は、センターキャップ9により覆われている。
スピーカ用振動板(振動板)4は、本発明に係る電気音響変換器用振動板の一実施形態に相当する。
図1(A),(B)に示した振動板4は、叩解された繊維材料と熱硬化性樹脂を含む縣濁液を所定形状に抄紙したのち加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂を硬化させて所定形状に形成されてなる。また、図1(B)に示すように抄紙および加熱乾燥処理により形成された振動板4は、中央部が切り抜かれ、その中央部にボイスコイルボビン2が嵌合して固定される。
本実施形態では単層構造の振動板4を説明するが、この形態に限られるものではなく、振動板4は2層以上の多層構造を有していてもよい。また後述するように発泡剤を含ませて抄紙および加熱乾燥処理を施すことにより発泡構造を有する振動板4を作製してもよい。
スピーカ用振動板4の形成材料としては、木材パルプ繊維、非木材パルプ繊維、化学繊維、合成繊維、動物繊維、植物繊維、有機繊維、無機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アラミド繊維等の各種繊維材料を採用することができる。熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等の各種材料を採用することができる。この熱硬化性樹脂は、樹脂が一度硬化すると、熱可塑性がなくなり融点のない状態となるため、耐熱性が向上するという特性を有する。
上記構成の振動板4の製造方法は、記繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂を硬化させて所定形状の前記電気音響変換器用振動板を作製する工程とを有する。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る振動板4の製造方法を詳細に説明する。
図2は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る振動板4の製造方法を説明するための図である。図2(A)は繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を説明するための図であり、図2(B)は容器内の縣濁液400を示す図である。図2(C)は抄紙工程を説明するための図であり、図2(D)は加熱乾燥処理を説明するための図である。
図2(E)は加熱乾燥処理後の電気音響変換器用振動板を説明するための断面図であり、図2(F)は図2(E)に示した加熱乾燥処理後の電気音響変換器用振動板の拡大断面図である。
[抄紙工程]
先ず、図2(A),(B)に示すように、例えば離解機等により叩解された繊維材料402が溶媒401に溶解した抄紙原液に、熱硬化性樹脂403を含ませて本発明に係る縣濁液(抄紙原液、抄紙原料ともいう)400を作製する。
溶媒401は、例えば水や有機溶剤等の各種材料を採用することができ、繊維材料402や熱硬化性樹脂403に応じた最適な材料を用いることが好ましい。
繊維材料402は、例えば上述したように、木材パルプ繊維、非木材パルプ繊維、化学繊維、合成繊維、動物繊維、植物繊維、有機繊維、無機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、アラミド繊維等の各種繊維材料を採用することができる。繊維材料402の繊維長は、例えば約0.1〜10mm程度のものを採用することができる。この繊維長は適宜設定される。また、例えば繊維材料402としてアラミド繊維等を採用した場合には、それ自身だけでは抄紙が困難であるが、アラミド繊維のフィブリル化したものは、同じアラミド繊維や炭素繊維、ガラス繊維との抄紙が可能である。但し、この状態だけでは木材パルプのような水素結合をしているわけではないために、強度(特に引裂き強度)的に不利であり、樹脂処理を行う必要がある。
熱硬化性樹脂403としては、上述したように例えばフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等の各種材料を採用することができる。本実施形態では溶媒401として水を用いた場合には、水溶性で粒状の熱硬化性樹脂403を採用する。また、熱硬化性樹脂403の形態はこの形態に限られるものではない。
また、熱硬化性樹脂403の添加量が多いほど、スピーカ用振動板4の剛性が高くなる特性がある。このため作製された振動板4が規定の剛性値となるように、熱硬化性樹脂403の添加量が設定される。つまり、作製された振動板4が規定の剛性値となるように、繊維材料402と熱硬化性樹脂403の割合が決定される。
本実施形態に係る振動板4の製造方法では、振動板4において熱硬化性樹脂403が、例えば1平方メートル当り10〜50g程度となるように、所定濃度、詳細には熱硬化性樹脂403の濃度が約0.2%程度、繊維材料の濃度が約0.2%程度となるように縣濁液(抄紙原料)400を作製する。
次に、図2(C)に示すように、抄造装置500に、容器410から上記構成の縣濁液400を投入して抄紙を行う。
抄造装置500は、抄造金型501、抄造網502、および抄造タンク503を有する。抄造金型501は、略円筒形状に形成されており、中央部に抄造網502が備えられている。抄造金型501の底部中央部には、排水口501Aが形成されている。排水口501Aには必要に応じて排水ポンプを設けて、強制的に排水を行う。抄造網502は、例えば金網などからなり、所定形状、例えばコーン形状や平面形状、断面屈曲形状など各種形状に形成されている。この抄造網502の形状が振動板4の形状に相当する。
抄造タンク503は、例えば略円筒形状に形成され、抄造金型501上に配置されている。本実施形態では、抄造タンク503が抄造金型501上に抄造網502を介して着脱可能に配置される。
上記構成の抄造装置500の抄造タンク503に、図2(C)に示すように、容器410から上記構成の縣濁液400を注入すると、規定形状の抄造網502では溶媒401が網目を通過して、抄造網502上に繊維材料402及び熱硬化性樹脂403が堆積する。この際、排水口501Aからポンプ(不図示)により強制的に吸引してもよいし、強制吸引せずに繊維材料402及び熱硬化性樹脂403が抄造網502上に自然に堆積するようにしてもよい。
抄造網502上には、繊維材料402及び熱硬化性樹脂403が略均一に分散されて所定形状に堆積される。
[加熱乾燥工程(加熱乾燥処理)]
次に、上記抄紙工程により抄紙された振動板4を、図2(D)に示すように加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂403を硬化させてスピーカ用振動板(電気音響変換器用振動板)4を作製する。加熱乾燥処理は、例えばホットプレス法、ウェットプレス法、オーブン法、等の成形法を採用することができる。
詳細には、抄造網502上に堆積した振動板4を取り出して、例えば図2(D)に示すように、加熱部611を備えた雌金型61と、加熱部621を備えた雄金型62とを有する金型60にて、加熱及び加圧して所定形状の振動板4を作製する。
振動板4は、図2(E),(F)に示すように、繊維材料402が絡み合った構造を有し、詳細には図2(F)に示すように、繊維材料402間に略均一に分散された熱硬化性樹脂403が熱硬化して、繊維材料402間を結合する。つまり図2(F)に示すように、熱硬化性樹脂403は、繊維材料402間で加熱乾燥処理により変形した状態403Aで熱硬化しているので、繊維材料402間の結合力を向上させる。つまり上記構造の振動板4は、従来の振動板よりも剛性、耐湿性、耐水性等の特性が向上する。
以上説明したように、本実施形態に係る振動板の製造方法は、繊維材料402及び熱硬化性樹脂403を抄紙する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂403を硬化させて所定形状の電気音響変換器用振動板4を作製する工程とを有するので、簡単な製造方法により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製することができる。また、上記製造方法により、比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を提供することができる。
詳細には、振動板4は、図2(E),(F)に示すように、繊維材料402が絡み合った構造を有し、繊維材料402間に略均一に分散された熱硬化性樹脂403が熱硬化して、繊維材料402間を結合した構造を有するので、従来の振動板と比べて、高品質、高い剛性,耐湿性,耐水性等の特性を備える。
[第2実施形態]
図3は、本発明の第2実施形態に係る振動板4の製造方法を説明するための図である。図3(A)は繊維材料402を含む縣濁液400Aを説明するための図であり、図3(B)は抄紙工程を説明するための図であり、図3(C)は熱硬化性樹脂403を含む溶液430を説明するための図であり、図3(D)は熱硬化性樹脂403を含む溶液430を塗布する工程を説明するための図である。図3(E)は加熱乾燥処理を説明するための図である。
本発明の第2実施形態に係る振動板の製造方法は、叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙する工程と、抄紙したのち加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂を含む溶液を抄紙された振動板に塗布する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂を硬化させて電気音響変換器用振動板4を作製する工程とを有する。
[抄紙工程]
詳細には、先ず、図3(A),(B)に示すように、例えば離解機等により叩解された繊維材料402を溶媒401に溶解させた縣濁液(抄紙原液、抄紙原料ともいう)400Aを作製する。
次に、図3(B)に示すように、抄造装置500に、容器410から上記構成の縣濁液400Aを投入して抄紙を行う。抄造装置500の抄造タンク503に、図3(B)に示すように、容器410から上記構成の縣濁液400を注入すると、規定形状の抄造網502では溶媒401が網目を通過して、抄造網502上に繊維材料402が略均一に分散されて堆積する。
[熱硬化性樹脂403を含む溶液430を塗布]
次に図3(C),図3(D)に示すように、抄紙したのち加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂403を溶媒431に溶解させた溶液430を、抄紙された振動板4に塗布する。溶液430を塗布する際に、例えばディッピング法やスプレー等の塗布装置600により塗布する方法など、各種塗布方法を採用することができる。この際、未乾燥状態の振動板4に塗布することで、より熱硬化性樹脂403を振動板4の繊維材料402間に略均一に分散させることができる。また溶液430を塗布する際に、振動板4の表面及び裏面に塗布してもよいし、いずれか一方に塗布してもよい。
[加熱乾燥工程(加熱乾燥処理)]
次に、上記溶液430が抄紙された振動板4を、図3(E)に示すように加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂403を硬化させてスピーカ用振動板(電気音響変換器用振動板)4を作製する。加熱乾燥処理は、例えばホットプレス法、ウェットプレス法、オーブン法、等の成形法を採用することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る振動板4の製造方法は、叩解された繊維材料402を含む縣濁液400Aを抄紙する工程と、抄紙したのち加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂403を含む溶液430を、抄紙された振動板に塗布する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂403を硬化させて振動板4を作製する工程とを有するので、簡単な製造方法により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製することができる。
また必要最小限の熱硬化性樹脂403を塗布することにより、第1実施形態と比べて製造時の熱硬化性樹脂403の量を低減することができる。また抄造装置500等の抄紙設備に熱硬化性樹脂403が付着することを低減することができる。また、廃棄される水(溶媒401)に、熱硬化性樹脂403が残留することを防止することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限られるものではない。上述した実施形態それぞれを組み合わせてもよい。また、振動板4を例示して説明したが、スピーカ装置のセンターキャップなどに、本発明に係る製造方法を適用してもよい。
また、図4(A)に示すように、熱硬化性樹脂403を含む縣濁液400を抄紙して加熱乾燥処理された振動板4を、表面振動板層41や中間振動板層42の両方または一方に適用して、多層構造の振動板4Bを作製してもよい。また図4(A)に示した振動板4Bは3層構造であるが、この形態に限られるものではなく、2層構造や3層構造以上の多層構造であってもよい。表面振動板層41や中間振動板層42に、本発明に係る振動板を適用することで、所定の音響特性の振動板を、より簡単に高品質に作製することができる。
また、図4(B),図4(C)に示すように、繊維材料402、熱硬化性樹脂403、及び発泡剤404を含む縣濁液400Cを抄紙して加熱乾燥処理を施すことにより、発泡構造を有する振動板4Cを作製してもよい。例えば単純に発泡剤404を縣濁液に加えた場合では、発泡による繊維間の結合力が低下するが、この振動板4Cは、繊維材料402、熱硬化性樹脂403、及び発泡剤404を含む縣濁液400Cを抄紙したのち加熱乾燥処理を施して作製されるので、発泡構造を有していても繊維間の結合力が強く、軽量かつ高剛性の特性を得ることができる。この発泡剤404の添加量は適宜設定される。また、繊維材料402、熱硬化性樹脂403、発泡剤404の割合は、発泡倍率や振動板4Cの剛性値により適宜設定する。
また、上記縣濁液中の熱硬化性樹脂の形態は、例えば液状であってもよいし、粒状であってもよいし、各種形態であってもよい。また溶媒として水を用いた場合には、水溶性で粒状の熱硬化性樹脂を採用することが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る振動板の製造方法は、繊維材料402及び熱硬化性樹脂403を抄紙する工程と、加熱乾燥処理により熱硬化性樹脂403を硬化させて所定形状の電気音響変換器用振動板4を作製する工程とを有するので、簡単な製造方法により比較的高い耐湿性や剛性を備える電気音響変換器用振動板を作製することができる。
詳細には、1.抄紙後の補強目的のための樹脂含浸工程を省くことができる(製造工程の簡略化)。2.従来の抄紙工程では得られなかった剛性を確保することができる。3.高音質化、耐水性などの耐環境性が向上する。4.樹脂濃度を調整することにより振動板の剛性値を調整することができる。5.耐湿性や耐水性を向上させることができる。6.音響特性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る電気音響変換器用振動板を採用したスピーカ装置10を説明するための図であり、(A)はスピーカ装置の半断面図であり、(B)は(A)に示した電気音響変換器用振動板を説明するための断面拡大図である。 図1に示した本発明の第1実施形態に係る振動板4の製造方法を説明するための図である。(A)は繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を説明するための図であり、(B)は容器内の縣濁液400を示す図であり、(C)は抄紙工程を説明するための図であり、(D)は加熱乾燥処理を説明するための図であり、(E)は加熱乾燥処理後の電気音響変換器用振動板を説明するための断面図であり、(F)は(E)に示した加熱乾燥処理後の電気音響変換器用振動板の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る振動板4の製造方法を説明するための図である。(A)は繊維材料402を含む縣濁液400Aを説明するための図であり、(B)は抄紙工程を説明するための図であり、(C)は熱硬化性樹脂403を含む溶液430を説明するための図であり、(D)は熱硬化性樹脂403を含む溶液430を塗布する工程を説明するための図であり、(E)は加熱乾燥処理を説明するための図である。 本発明の他の実施形態を説明するための図である。(A)は多層構造の振動板4Bを説明するための断面図であり、(B)は繊維材料402、熱硬化性樹脂403、及び発泡剤404を含む縣濁液400Cを説明するための図であり、(C)は縣濁液400Cを抄紙して加熱乾燥処理を施すことにより形成された発泡構造を有する振動板4Cを説明するための図である。
符号の説明
1 磁気回路
1A 磁石
1B プレート
1C ヨーク
2 ボイスコイルボビン
3 ボイスコイル
4 スピーカ用振動板(電気音響変換器用振動板)
5 エッジ
6 ガスケット
7 スピーカフレーム
8 ダンパ
9 センターキャップ
10 スピーカ装置
400,400A縣濁液(抄紙原液、抄紙原料)
401 溶媒
402 繊維材料
403 熱硬化性樹脂
430 溶液

Claims (7)

  1. 叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙して形成される電気音響変換器用振動板の製造方法であって、
    前記繊維材料及び熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙する工程と、
    加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させて所定形状の前記電気音響変換器用振動板を作製する工程と
    を有することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  2. 叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙したのち加熱乾燥処理により所定形状に形成される電気音響変換器用振動板の製造方法であって、
    前記抄紙したのち前記加熱乾燥処理前の未乾燥状態にて、熱硬化性樹脂を含む溶液を前記抄紙された振動板に塗布する工程と、
    前記加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させて前記電気音響変換器用振動板を作製する工程と
    を有することを特徴とする電気音響変換器用振動板の製造方法。
  3. 叩解された繊維材料と熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙したのち加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させてなることを特徴とする電気音響変換器用振動板。
  4. 叩解された繊維材料を含む縣濁液を抄紙したのち、熱硬化性樹脂を含む溶液を前記抄紙された未乾燥状態の振動板に塗布し、加熱乾燥処理により前記熱硬化性樹脂を硬化させてなることを特徴とする電気音響変換器用振動板。
  5. 前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂のいずれかを含むことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気音響変換器用振動板。
  6. 前記繊維材料、熱硬化性樹脂、及び発泡剤を含む縣濁液を抄紙して形成された発泡構造を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気音響変換器用振動板。
  7. 前記熱硬化性樹脂を含む縣濁液を抄紙して加熱乾燥処理された表面振動板層または中間振動板層を含む多層構造を特徴とする請求項3または請求項4に記載の電気音響変換器用振動板。
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