JP3073608B2 - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板

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JP3073608B2 JP04207149A JP20714992A JP3073608B2 JP 3073608 B2 JP3073608 B2 JP 3073608B2 JP 04207149 A JP04207149 A JP 04207149A JP 20714992 A JP20714992 A JP 20714992A JP 3073608 B2 JP3073608 B2 JP 3073608B2
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秀一 市川
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清孝 宮下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙製振動板並びに合成樹
脂フィルム振動板等の電気音響変換器用振動板の改良に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気音響変換器用振動板に要望される物
性は、密度が小さく高弾性で適当な内部損失を有し、機
械的疲労なく耐候性等が良いことである。上記物性を満
足するものとして、種々の高分子材料、セラミックス等
が提案され使用されているが、物性のコントロールと製
造上の問題でこれらは高価となる。 一方、物性のコン
トロールと製造の容易なことで、現状にては紙製振動板
と合成樹脂フィルムを成形加工したものが多く用いられ
ている。紙製振動板の力学的性質は、使用される単繊維
の物性や繊維間結合強度並びに結合面積で決定される。
【0003】しかし、植物繊維を用いた紙製振動板は天
然繊維であるため、単繊維の物性は限定される。繊維間
結合強度と結合面積を増加することを目的に、単繊維を
叩解処理するが、叩解処理を増加させると単繊維の物性
は低下し、紙製振動板の物性は限定されることになる。
これらの物性を改善するために、単繊維物性の良好な炭
素繊維、アルミナ繊維、アラミド繊維等が用いられてい
るが、これらは繊維間結合強度が弱いため、繊維間結合
材料が必要となり製造方法が煩雑となり高価になること
と、振動板重量が大きくなり、内部損失が小さくなる欠
点がある。
【0004】一方、合成樹脂フィルムを成形加工して振
動板を製造する場合は、製造法は容易であるが、成形加
工上、振動板の厚さが不均一となる欠点がある。振動板
の物性の向上と厚さの均一性(成形性)を向上させるた
め、芳香族ポリアミドフィルムが使用されているが、成
形加工が煩雑となり高価となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記物性を改善するこ
とを目的に、微生物セルロースを使用して高弾性で内部
損失の大きな音響用振動板を得る方法が提案(特開昭6
1−281800)され使用されている。微生物セルロ
ースで作製されたシートは、密度が1.2〜1.4の場
合、ヤング率は15〜35(GPa)、内部損失は0.
04となり、振動板素材としては適当な物性を有してい
る。しかし、紙製振動板並びに合成樹脂フィルムに比較
して、内部損失が小さく、かつ耐折強度が小さい欠点が
ある。従って、大きな振幅を必要とする振動板には使用
できない。
【0006】本発明は、微生物セルロースを用いた振動
板の上記欠点を改善するために提案されたもので、その
目的は高弾性で高内部損失を有し、かつ耐久性のある振
動板を安価に提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明の電気音響変換器用振動板は、ゲル状膜微生
物セルローズまたはゲル状膜を乾燥してなる微生物セル
ローズシートとフェノール系樹脂等を含浸した動物繊維
とを重ね、金型にて加熱加圧して積層一体化することに
より、主成分が動物繊維と微生物セルロースで構成した
ことに特徴を有している。本発明に使用されるセルロー
ス性物質は微生物が算出するものであればどのようなも
のでも使用できる。上記セルロース性物質のうち、例え
ば酢酸菌アセトバクター・アセチ・サブスピーシス・キ
シリナム(Acetobacter aceti subsp. xylinum AJ 1236
8 )を用いた培養におけるゲル状膜は約20〜50nm
のまっすぐに伸長したフィブリルがランダムに走り、網
目構造を作りあげている。フィブリルの長さは10μm
以上である。フィブリルは独立のものと分岐のものも認
められる。
【0008】このゲル状膜は水分が99%以上含有して
いる。ゲル状膜を乾燥すると収縮し、硬いセルロースの
シートになる。このシート状物質を音響振動板として、
多く使用されているポリエステルフィルムとの比較値を
表−1に示す。 表−1より明らかなように、微生物セルロースはポリエ
ステルフィルムに比較して硬くて脆いという性質があ
る。
【0009】
【作用】本発明は、微生物セルロースの特徴である軽量
で高弾性を有する性質と電気音響変換器用振動板として
の欠点である引裂き強度と内部損失を、動物繊維を併用
することで補整したので、軽量で高弾性、高内部損失を
有し、かつ、高強度の振動板を得ることが可能である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。微生物セ
ルロースの作製方法は下記のものを使用した。培地組成
はシュクロース(sucrose)50g,酵母エキス
(Difco) 5g,硫酸アンモニウム((NH4
2 SO4 )5g,リン酸水素カリウム(KH2 PO4
3g,硫酸マグネシウム(MgSO4 ・7H2 O)0.
5g,蒸留水1リットル,PH5.0のものであった。
この培地を用いて静置培養を行い、生産されたゲル状膜
を流水洗浄と2%水酸化ナトリウム溶液で煮沸洗浄を組
み合わせて精製し、ゲル状膜に含まれている細胞や吸着
している各種の培地成分などを取り除いて作製した。
【0011】上記微生物セルロースを用い、動物繊維と
して絹の織布を用いた場合について説明する。糸の太さ
が21〜28デニールのものを用い、打込み本数が90
本/インチの平織織布を作製した。この時の織布の重量
は約20g/m2 、厚さは約0.12mmである。上記
絹織布をフェノール系樹脂(セメダイン105)に対し
てメタノールで8倍に希釈した含浸液を作製し含浸・乾
燥した。
【0012】次に第1図に示すように、微生物セルロー
ス1を含浸した絹織布2に挟み、第2図に示した上型3
と下型4から成る金型にて加熱加圧して振動板5を作製
した。このようにして作製された振動板5と従来より使
用されている同形状のポリエステルフィルム振動板にて
30mmのスピーカを作製し、その周波数特性を測定し
た。図3にその音圧−周波数特性を、又、図4に歪み−
周波数特性を示す。
【0013】図3,4より明らかなように、本発明の振
動板はポリエステルフィルムに対して高弾性で高内部損
失を有しているため、高音部の帯域が著しく改善され、
かつ歪みの少ない周波数特性が得られた。また、各種の
耐久性試験を行ったが絹織布で微生物セルロースを補強
しているため、その耐久性は微生物セルロース単体の振
動板に比較して100倍以上あった。
【0014】本実施例では絹織物で微生物セルロースを
上下に挟んで作製した場合について説明したが、その効
果は片面であっても、又、部分的に補強しても同様に認
められる。また、絹繊維を抄紙法にて不織布を作製し、
上記織布と同様に用いても上記効果は認められた。動物
繊維は、一般に微生物セルロースに比較して内部損失が
大きく、強度も大きいので、羊毛、コラーゲン等を使用
しても同様な効果が得られる。なお、実施例ではスピー
カ用振動板について記したが、100μm以下の薄い振
動板も容易に作製が可能であり、本振動板はヘッドホ
ン、マイクロホン等の電気音響変換用振動板に最適であ
る。また振動板の形状としては、コーン形状、ドーム形
状等適宜選択できることはもちろん、振動板本体以外に
も、センターキャップ、エッジ単体としての利用も可能
である。
【0015】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の電気音響変
換器用振動板は、ゲル状膜微生物セルローズまたはゲル
状膜を乾燥してなる微生物セルローズシートとフェノー
ル系樹脂等を含浸した動物繊維とを重ね、金型にて加熱
加圧して積層一体化し、主成分が動物繊維と微生物セル
ロースで構成したことにより、高弾性で高内部損失を有
し、かつ耐久性のある振動板を安価に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】微生物セルロースを絹織布に挟んだ状態を示す
図である。
【図2】微生物セルロースを絹織布に挟んだものを金型
で加熱加圧して振動板を作成する状態を示す図である。
【図3】振動板の音圧−周波数特性を示す図である。
【図4】振動板の歪み−周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
1 微生物セルロース 2 絹織布 3 上型 4 下型 5 振動板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 英一郎 東京都昭島市宮沢町512番地 フォスタ ー電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−23597(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 7/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル状膜微生物セルローズまたはゲル状
    膜を乾燥してなる微生物セルローズシートとフェノール
    系樹脂等を含浸した動物繊維とを重ね、 金型にて加熱加圧して積層一体化することにより、 主成分が動物繊維と微生物セルロースで構成したことを
    特徴とする電気音響変換器用振動板。
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