JP2016185669A - ゴム成形用金型、ゴムモールド品の製造方法、および常温収縮チューブの製造方法 - Google Patents

ゴム成形用金型、ゴムモールド品の製造方法、および常温収縮チューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムモールド品の離型が容易になるとともに、そのゴムモールド品をゴム成形用金型にセットしてオーバーモールドするときにゴム同士を良好に接着させることができる技術を提供する。
【解決手段】本発明のゴム成形用金型20は、ゴムモールド品を成形する際に用いられるもので、内型21と外型22を組み合わせた構成になっている。内型21には成形面23が形成され、外型22には成形面24が形成されている。各々の成形面23,24は、離型性の高いコーティング膜26で被覆されている。このコーティング膜26付きのゴム成形用金型20を用いた場合は、成形によって得られるゴムモールド品の表面に離型剤が残存しなくなる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ゴム成形用金型、ゴムモールド品の製造方法、および常温収縮チューブの製造方法に関する。
電力ケーブルの接続構造として、接続対象となる一対の電力ケーブルを同軸上に配置してケーブル導体同士を突き合わせ、この突き合わせ部分を金属製のスリーブで接続する構造が知られている。このような電力ケーブルの接続部には、常温収縮チューブが装着される。常温収縮チューブの代表的なものに、RBJ(Rubber Block Joint)がある。RBJは、ワンピースタイプのゴムブロック型ジョイントである。この種の常温収縮チューブを図9に示す。図示した常温収縮チューブ50は、半導電性ゴムからなるストレスコーン部51と、半導電性ゴムからなる内部半導電部52と、絶縁性ゴムからなる絶縁部53と、半導電性ゴムあるいは半導電性ゴム塗料からなる外部半導電部54と、を備え、全体に筒状に形成されている(たとえば、特許文献1を参照)。
常温収縮チューブ50を製造する場合は、あらかじめ所望の形状に成形(プレモールド)されたストレスコーン部51と内部半導電部52を、絶縁部53の成形に用いるゴム成形用金型にセットするか、あるいはストレスコーン部51と内部半導電部52と外部半導電部54を、絶縁部53の成形に用いるゴム成形用金型にセットし、この金型のキャビティに絶縁性のゴム材料を注入することにより絶縁部53を成形している。このような工程を経て製造された常温収縮チューブ50は、電力ケーブルの接続部に装着する前に、図示しない拡径保持部材によって内径が拡径される。「拡径」とは、径を拡げて大きくすることを意味する。常温収縮チューブ50の内径を拡径する理由は、電力ケーブルの接続部に常温収縮チューブ50を通すためである。したがって、常温収縮チューブ50の内径は、拡径保持部材で拡径しない状態ではケーブル接続部の外径よりも小さく、拡径保持部材で拡径した状態ではケーブル接続部の外径よりも大きくなる。
実際に電力ケーブルの接続部に常温収縮チューブ50を装着する場合は、あらかじめ拡径保持部材で拡径状態に保持した常温収縮チューブ50をケーブル接続部の所望の位置に移動し、そこで拡径保持部材による拡径状態から常温収縮チューブ50を解放する。そうすると、常温収縮チューブ50は、自身の弾性力によって収縮する。その結果、常温収縮チューブ50は、電力ケーブルの接続部に密着した状態になる。
常温収縮チューブ50はストレスコーン部51や内部半導電部52といった半導電性のゴム成形部を一体に備えている。ストレスコーン部51や内部半導電部52は、絶縁性のゴム成形部である絶縁部53を成形する前に、あらかじめゴムモールド品(以下、「プレモールド品」という。)として製造される。また、ストレスコーン部51や内部半導電部52は、電界ストレスを緩和するために曲面形状を有している。このため、ストレスコーン部51や内部半導電部52の成形に用いるゴム成形用金型(以下、単に「金型」ともいう。)も、曲面形状の成形面を有する複雑な金型構造になっている。本明細書において、ゴム成形用金型の「成形面」とは、ゴムモールド品を所定(所望)の形状に成形するために金型の材料(素材)そのものによって形成される面(金属面)をいう。
ここで、仮に、ゴム成形用金型の成形面に離型剤を塗布せずにストレスコーン部51などのゴムモールド品をモールド成形(金型を用いて成形)すると、金型内で硬化させたゴムが成形面から剥がれにくくなり、ゴム成形用金型からゴムモールド品を取り出す(離型する)ことが困難になる。また、ゴム成形用金型からゴムモールド品を取り出せたとしても、ゴムモールド品の一部に欠け等の欠陥が発生することがある。このような欠陥のあるゴムモールド品をそのまま使用すると、常温収縮チューブの電気的な欠陥となり、その性能を低下させる原因になる。
このため、従来においては、ゴムモールド品をゴム成形用金型から容易に取り出せるように、ゴムモールド品を1回または数回成形するたびに、ゴム成形用金型の成形面に離型剤を塗布して対応している。
特開2014−27791号公報
ところで、常温収縮チューブ50は、それを生産する工場などで拡径保持部材により拡径され、拡径状態のまま長期にわたって保管される場合がある。そのような場合は、施工業者からの注文などに応じて工場から常温収縮チューブ50を出荷する。こうして出荷された常温収縮チューブ50は施工現場に送られ、そこで拡径保持部材による拡径状態から解放される。その際、常温収縮チューブ50が戻り特性の良くないゴムで構成されていると、拡径状態を解放した際に常温収縮チューブ50の復元力(収縮しようとする力)が弱くなるおそれがある。ゴムの「戻り特性」とは、ゴムに加えている力を取り除いたときに元の形状(大きさ)に戻る特性をいう。
近年では、拡径状態で長期に保管しても復元力の低下が少ないゴム材料としてシリコーンゴムが用いられ、その中でも、特に戻り特性の良いゴム材料として液状シリコーンゴムが用いられている。ただし、常温収縮チューブ50の原料ゴムに液状シリコーンゴムを使用すると、以下のような不都合が生じるおそれがある。
液状シリコーンゴムは、これをゴム成形用金型に注入した際に、有機過酸化物による架橋反応ではなく、加熱による付加反応で硬化する。その場合、ゴム成形用金型の成形面に塗布した離型剤がストレスコーン部51や内部半導電部52の表面に残存していると、これらのゴムモールド品をゴム成形用金型にセットして絶縁部53をオーバーモールドするときに、それぞれの接触界面に介在する離型剤がゴム同士の接着を阻害し、十分な接着力が得られないおそれがある。
本明細書に記載する「オーバーモールド」とは、モールド成形の一種であって、プレモールド品を成形用金型にセットし、そのプレモールド品の少なくとも一部を覆うようにモールド品を成形することをいう。
本発明の主な目的は、ゴムモールド品の離型が容易になるとともに、そのゴムモールド品をゴム成形用金型にセットしてオーバーモールドするときにゴム同士を良好に接着させることができる技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
ゴムモールド品を成形する際に用いられるゴム成形用金型であって、
前記ゴムモールド品を成形するための成形面を有し、この成形面を当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆した
ことを特徴とするゴム成形用金型である。
本発明の第2の態様は、
ゴムモールド品を成形する際に用いられるゴム成形用金型であって、
前記ゴムモールド品を成形するための成形面に、前記ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗い凹凸を形成した
ことを特徴とするゴム成形用金型である。
本発明の第3の態様は、
ゴムモールド品を成形するための成形面を有するゴム成形用金型内にゴム材料を注入した後、前記ゴム材料を硬化させてゴムモールド品を成形する成形工程と、
前記ゴム成形用金型から前記ゴムモールド品を取り出す離型工程と、
を備え、
前記成形工程では、前記成形面よりも離型性が高いコーティング膜で当該成形面を被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とするゴムモールド品の製造方法である。
本発明の第4の態様は、
第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部を形成するストレスコーン部形成工程と、
第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部を形成する内部半導電部形成工程と、
前記ストレスコーン部および前記内部半導電部を第3のゴム成形用金型にセットし、当該第3のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
前記絶縁部の外周部に、半導電性ゴムからなる外部半導電部を形成する外部半導電部形成工程と、
を備え、
前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程および前記絶縁部形成工程工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とする常温収縮チューブの製造方法である。
本発明の第5の態様は、
第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部を形成するストレスコーン部形成工程と、
第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部を形成する内部半導電部形成工程と、
第3のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる外部半導電部を形成する外部半導電部形成工程と、
前記ストレスコーン部、前記内部半導電部および前記外部半導電部を第4のゴム成形用金型にセットし、当該第4のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
を備え、
前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程、前記外部半導電部形成工程および前記絶縁部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とする常温収縮チューブの製造方法である。
本発明によれば、ゴムモールド品の離型が容易になるとともに、そのゴムモールド品をゴム成形用金型にセットしてオーバーモールドするときにゴム同士を良好に接着させることができる。
本発明の適用対象となる電力ケーブルの接続構造の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る常温収縮チューブの構成を説明するための断面図である。 常温収縮チューブの製造方法を工程順に示す図である。 ストレスコーン部の製造方法を工程順を示す図である。 本発明の実施形態に係るゴム成形用金型の構成例を示す断面図である。 ゴム成形用金型内にゴム材料を注入した状態を示す断面図である。 成形面の表面粗さとゴム材料の形状追従性の関係を説明するための模式図である。 ストレスコーン部の構成を示す断面図である。 従来の常温収縮チューブの構成を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<電力ケーブルの接続構造>
図1は本発明の適用対象となる電力ケーブルの接続構造の一例を示す断面図である。
図示した電力ケーブルの接続構造1では、接続対象となる一対の電力ケーブル2,3を同軸上に配置している。電力ケーブル2,3は、たとえば、CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース)ケーブルを構成するものである。電力ケーブル2の中心には、芯線となるケーブル導体2aが配置されている。ケーブル導体2aの周囲には、内部半導電層(不図示)、ケーブル絶縁体2b、外部半導電層2c、ケーブル遮蔽層(不図示)、ケーブルシース(不図示)が、この順に同心円状に配置されている。電力ケーブル2の各部の構成材料を例示すると、ケーブル導体2aは、銅あるいはアルミニウムの撚り線によって構成され、内部半導電層は、半導電性架橋ポリエチレンによって構成され、ケーブル絶縁体2bは、架橋ポリエチレンによって構成される。また、外部半導電層2cは、半導電性架橋ポリエチレンによって構成され、ケーブル遮蔽層は、銅等の金属層によって構成され、ケーブルシースは、ビニルシースによって構成される。これと同様に、電力ケーブル3は、ケーブル導体3aを芯線とし、このケーブル導体3aを中心として、内部半導電層(不図示)、ケーブル絶縁体3b、外部半導電層3c、ケーブル遮蔽層(不図示)、ケーブルシース(不図示)を同心円状に配置した構造になっている。
各々の電力ケーブル2,3の端部は、それぞれ末端処理(段剥き処理等)され、これによってケーブル導体2a,3aやケーブル絶縁体2b,3b等が外部に露出している。一対の電力ケーブル2,3は、互いにケーブル導体2a,3a同士を突き合わせた状態で配置されている。ケーブル導体2a,3aの突き合わせ部分は、金属製のスリーブ4によって電気的かつ機械的に接続されている。スリーブ4には、ケーブル導体2aが挿入される孔と、ケーブル導体3aが挿入される孔が形成されている。実際にスリーブ4を用いてケーブル導体2a,3aを接続する場合は、ケーブル導体2a,3aをそれぞれに対応するスリーブ4の孔に挿入した後、その孔径を縮小するようにスリーブ4をダイス等によって圧縮変形させる。これにより、ケーブル導体2a,3aがスリーブ4によって接続される。このような電力ケーブル2,3の接続部には、常温収縮チューブ10が装着されている。
<常温収縮チューブの構成>
以下、常温収縮チューブ10の構成について説明する。
常温収縮チューブ10は、図2に示すように、複数のゴム成形部(11〜14)によって全体に断面円形の筒状に形成されている。さらに詳述すると、常温収縮チューブ10は、半導電性ゴムからなるストレスコーン部11と、半導電性ゴムからなる内部半導電部12と、絶縁性ゴムからなる絶縁部13と、半導電性ゴムからなる外部半導電部14と、を一体に備えている。半導電性ゴムは、たとえば、絶縁性ゴムにカーボン粉末などの導電性フィラーを混合したものである。
ストレスコーン部11は、常温収縮チューブ10の中心軸方向(図2の左右方向)の両端部に対をなして配置されている。ストレスコーン部11は、常温収縮チューブ10の両端部で、常温収縮チューブ10の内周面の一部を形成している。内部半導電部12は、常温収縮チューブ10の内周側に設けられている。内部半導電部12は、常温収縮チューブ10の内周面の一部を形成している。絶縁部13は、常温収縮チューブ10の本体部分を構成している。絶縁部13は、ストレスコーン部11および内部半導電部12とともに、常温収縮チューブ10の内周面を形成している。また、絶縁部13は、外部半導電部14以外の部分で、常温収縮チューブ10の外周面を形成している。外部半導電部14は、絶縁部13の外周面を覆うかたちで、常温収縮チューブ10の外周側に設けられている。外部半導電部14は、絶縁部13とともに、常温収縮チューブ10の外周面を形成している。
上記構成からなる常温収縮チューブ10を電力ケーブル2,3の接続部に装着する場合は、図示しない拡径保持部材によって常温収縮チューブ10の内径を拡径する。拡径保持部材は、たとえば、細長いリボンを螺旋状に巻いて円筒状に形成したもので、そのリボンの一端を引っ張ることにより、リボン相互の結合が解除される構成になっている。拡径保持部材によって常温収縮チューブ10の内径を拡径すると、常温収縮チューブ10を構成しているストレスコーン部11、内部半導電部12および絶縁部13の内径も拡径される。また、拡径保持部材によって拡径状態に保持した常温収縮チューブ10を電力ケーブル2,3の接続部に配置し、そこでリボンの一端を引っ張ると、拡径保持部材の端から順にリボンがほどけていく。これにより、常温収縮チューブ10は拡径保持部材による拡径状態から解放されるため、自身の弾性力によって収縮する。その結果、常温収縮チューブ10は、電力ケーブル2,3の接続部に密着した状態になる。
<常温収縮チューブの製造方法>
次に、常温収縮チューブ10の製造方法について説明する。
常温収縮チューブ10の製造工程は、図3に示すように、ストレスコーン部11を形成する第1工程S1と、内部半導電部12を形成する第2工程S2と、絶縁部13を形成する第3工程S3と、外部半導電部14を形成する第4工程S4と、を備える。このうち、第1工程S1と第2工程S2については、どちらを先に行ってもよい。
第1工程S1では、ストレスコーン部11の形状に対応した第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部11を形成する。
第2工程S2では、内部半導電部12の形状に対応した第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部12を形成する。
第3工程S3では、絶縁部13の形状に対応した第3のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部13を形成する。
第4工程S4では、半導電性ゴムからなる外部半導電部14を形成する。
まず、第1工程S1について詳しく説明する。
第1工程S1では、図4に示す3つの工程を経て、ゴムモールド品となるストレスコーン部11を製造する。具体的には、ストレスコーン部11の製造工程となる第1工程S1は、成形工程S11、離型工程S12および後処理工程S13といった3つの工程を少なくとも備える。各工程の詳細については後段で説明する。
また、ストレスコーン部11を製造するにあたっては、図5に示すゴム成形用金型を用いる。図示したゴム成形用金型20は、上述した第1のゴム成形用金型に相当するものである。ゴム成形用金型20は、内型21と外型22を組み合わせた構成になっている。内型21と外型22は、図の左右方向に分離可能に構成されている。内型21には成形面23が形成され、外型22には成形面24が形成されている。成形面23は、滑らかな曲面で形成されている。成形面24は、ゴム成形用金型20の径方向で成形面23と対向する位置に形成されている。これらの成形面23,24は、ストレスコーン部11の形状に対応して形成されている。ゴム成形用金型20の内部には、成形面23,24で区画されたキャビティ25が形成されている。キャビティ25は、ゴム注入用の空間となる。
内型21および外型22の各成形面23,24は、ゴム成形用金型20が金属製(たとえば、鉄製)であれば金属面となる。ただし、金属の成形面23,24を露出させたままゴム材料を注入して成形すると、金型内で硬化させたゴムが成形面23,24から剥がれにくくなる。また、成形面23,24に離型剤を塗布すると、この離型剤がストレスコーン部11の表面に残存し、絶縁部13をオーバーモールドする際にゴム材料の接着性低下の要因となる。そこで本実施形態においては、ゴム成形用金型20の成形面23,24およびキャビティ25にゴム材料を注入するための注入経路(不図示)をコーティング膜26で被覆することとした。図2ではコーティング膜26で覆った部分を簡易的に点線で示している。
コーティング膜26は、少なくとも成形面23,24に比べて離型性がより高い被膜である。具体的には、コーティング膜26は、たとえば、フッ素樹脂、微粉末シリカ、PEEK(ポリ・エーテル・エーテル・ケトン)樹脂などの膜で構成することができる。また、コーティング膜26は、ゴム成形用金型20の成形面23,24を樹脂膜で覆った後、その膜材料を加熱処理等によって焼成し、成形面23,24に定着させることにより形成することができる。特に、ゴム成形用金型20に求められる離型性や耐熱性などの観点からすると、フッ素樹脂のコーティング膜26を採用することが好ましい。
また本実施形態においては、ゴム成形用金型20の成形面23,24に微小な凹凸(不図示)を形成し、この凹凸付きの成形面23,24を覆うようにコーティング膜26を形成している。ゴム成形用金型20の成形面23,24に微小な凹凸を形成する方法としては、たとえば、サンドブラスト加工(シボ加工)を挙げることができる。その場合、凹凸による成形面23,24の表面粗さは、ストレスコーン部11の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗くするとよい。
成形時におけるゴム材料の形状追従性は、成形面の表面粗さが粗くなるほど低下する傾向にある。その理由は、次のとおりである。すなわち、成形面の表面粗さが粗くなると、それだけ凹凸の高低差が大きくなる。これに対して、ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料は、たとえ液状シリコーンゴムであっても、水などの液体に比べて高い粘度を有する。このため、成形面の表面粗さが粗くなると、成形面の凹凸形状をゴム材料が正確に追従できなくなる。その結果、ゴム材料の形状追従性が低下する。
次に、ゴム成形用金型20を用いたストレスコーン部11の製造方法について、図4に示す工程順に説明する。
(成形工程:S11)
まず、成形工程S11では、ゴム成形用金型20のキャビティ25に半導電性のゴム材料27を注入(充填)する(図5、図6参照)。ゴム材料27は、半導電性ゴムからなるストレスコーン部11の成形に用いられる未硬化の原料ゴムである。本実施形態においては、一例として、ゴム材料27に液状シリコーンゴムを用いることとする。液状シリコーンゴムは、ミラブル型シリコーンゴムよりも低粘度のシリコーンゴムである。また、液状シリコーンゴムは、有機過酸化物による架橋反応ではなく、加熱などによる付加反応で硬化するゴム材料である。また、成形工程S11では、ゴム成形用金型20内でゴム材料27を硬化させてゴムモールド品(ストレスコーン部11)を成形する。ゴム材料27として液状シリコーンゴムを用いた場合は、ゴム材料27を加熱による付加反応によって硬化させる。
(離型工程:S12)
次に、離型工程S12では、ゴム成形用金型20の内型21と外型22を分離して、ゴム成形用金型20からゴムモールド品を取り出す。このとき、ゴム成形用金型20の成形面23,24を離型性の高いコーティング膜26で覆っておけば、硬化後のゴムモールド品をゴム成形用金型20から剥がしやすくなる。また、ゴム成形用金型20の成形面23,24に微小な凹凸を形成する場合に、この凹凸による成形面23,24の表面粗さを、ゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも大きくしておけば、図7に示すように、成形面23(24)に形成した凹凸の谷底部分までゴム材料27が入り込まなくなる。このため、成形面23(24)に対するゴム材料27の接触面積が小さくなる。
(後処理工程:S13)
その後、後処理工程S13では、ゴムモールド品から不要部分を切除する。これにより、図8に示すようなストレスコーン部11がゴムモールド品として得られる。また、ゴム材料27に液状シリコーンゴムを用いた場合は、戻り特性に優れたストレスコーン部11が得られる。
図示したストレスコーン部11は、上述したゴム成形用金型20の成形面23,24に倣って筒状に形成されている。また、ストレスコーン部11は、内表面11aと外表面11bとを有している。このうち、内表面11aは、上述した内型21の成形面23に倣って形成され、外表面11bは、上述した外型22の成形面24に倣って形成されている。
以上は、第1工程S1に適用されるストレスコーン部11の製造方法についての説明である。第2工程S2に適用される内部半導電部12の製造方法は、使用するゴム成形用金型の形状が異なるだけで、基本的にストレスコーン部11の製造方法と同様である。このため、内部半導電部12の製造方法についての詳しい説明は省略する。
次に、第3工程S3に適用される絶縁部13の製造方法について説明する。
第3工程S3では、ストレスコーン部11の製造方法と同様に、成形工程、離型工程および後処理工程といった3つの工程を順に行う。
(成形工程)
まず、成形工程では、上記第1工程S1で得られたストレスコーン部11と、上記第2工程S2で得られた内部半導電部12を、図示しない第3のゴム成形用金型にセットする。次に、第3のゴム成形用金型のキャビティに、液状シリコーンゴムからなる絶縁性のゴム材料を注入(充填)する。このとき、ストレスコーン部11の一部と内部半導電部12の一部が、それぞれ絶縁性のゴム材料が覆われる。次に、第3のゴム成形用金型内でゴム材料を硬化させてゴムモールド品(絶縁部13)を成形する。これにより、絶縁部13は、ストレスコーン部11の一部と内部半導電部12の一部を覆うように成形(オーバーモールド)される。この場合、ストレスコーン部11と絶縁部13との関係でみると、ストレスコーン部11は「第1のゴム成形部」に相当し、絶縁部13は「第2のゴム成形部」に相当する。また、内部半導電部12と絶縁部13との関係でみると、内部半導電部12は「第1のゴム成形部」に相当し、絶縁部13は「第2のゴム成形部」に相当する。
(離型工程および後処理工程)
次に、離型工程では、第3のゴム成形用金型からゴムモールド品を取り出し、その後の後処理工程では、ゴムモールド品から不要部分を切除する。これにより、絶縁性ゴムからなる絶縁部13を、ストレスコーン部11および外部半導電部14と一体化した構造のゴムチューブがゴムモールド品として得られる。
次に、第4工程S4について説明する。
第4工程S4では、上記第3工程S3で得られたゴムチューブの外周部に外部半導電部14を形成する。具体的には、たとえば、絶縁部13の外周面の所定部位(外部半導電部14を形成すべき部位)に、液状シリコーンゴムからなる半導電性のゴム材料をスプレーで吹き付ける。その際、外部半導電部14を形成しない部分をマスキングしてゴム材料をスプレーすることにより、絶縁部13の外周面の一部を覆うように外部半導電部14を形成する。
なお、第4工程S4では、外部半導電部14をモールド成形によって形成してもよい。その場合は、第3工程S3で得られたゴムモールド品を、外部半導電部14のモールド成形に用いるゴム成形用金型にセットして、半導電性ゴムからなる外部半導電部14を形成することになる。
以上述べた第1工程S1〜第4工程S4により、上記図2に示す常温収縮チューブ10が得られる。このようにして得られた常温収縮チューブ10では、ゴム成形用金型20の成形面23,24に形成した微小な凹凸が、ストレスコーン部11の表面(11a,11b)に転写される。このため、ストレスコーン部11の表面にも微小な凹凸が形成される。また、絶縁部13は、ストレスコーン部11の一部を覆うようにオーバーモールドされるため、ストレスコーン部11と絶縁部13との接触界面にも、微小な凹凸が形成される。ただし、ストレスコーン部11の表面に形成される凹凸は、ゴム成形用金型20の成形面23、24に形成した凹凸よりも高低差が小さくなる。その理由は、上記図7を用いて説明したように、成形面23(24)の凹凸の谷底部分までゴム材料27が入り込むことなく、ストレスコーン部11が成形されるためである。
なお、上記の製造方法では、第1工程S1でストレスコーン部11を形成し、第2工程S2で内部半導電部12を形成し、第3工程S3で絶縁部13を形成し、最後の第4工程S4で外部半導電部14を形成するとしたが、これ以外にも、たとえば、第1工程S1でストレスコーン部11を形成し、第2工程S2で内部半導電部12を形成し、第3工程S3で外部半導電部14を形成し、第4工程S4で絶縁部13を形成してもよい。その場合、第1工程S1〜第3工程S3の順序は任意でよい。また、第3工程S3では、外部半導電部14の形状に対応したゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる外部半導電部14を形成することになり、最後の第4工程S4では、第1工程S1〜第3工程S3で得られたストレスコーン部11、内部半導電部12および外部半導電部14を、絶縁部13のモールド成形に用いるゴム成形用金型にセットして、絶縁性ゴムからなる絶縁部13を形成することになる。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(1)本実施形態においては、ストレスコーン部11を成形する際に用いられるゴム成形用金型20の成形面23,24を、当該成形面23,24よりも離型性が高いコーティング膜26で被覆している。このため、ゴムモールド品であるストレスコーン部11をゴム成形用金型20から容易に取り出すことができる。また、ゴム成形用金型20から取り出されたストレスコーン部11の表面には離型剤が残留しない。このため、ストレスコーン部11をプレモールド品としてゴム成形用金型にセットし、絶縁部13を成形(オーバーモールド)する場合に、ストレスコーン部11を構成する半導電性ゴムと絶縁部13を構成する絶縁性ゴムとの接触界面に離型剤が介在することがない。このため、それらのゴム同士を良好に接着させることができる。これにより、有機過酸化物による架橋反応を用いない液状シリコーンゴムをゴム材料として使用した場合でも、ゴム同士を強く接着することができる。したがって、常温収縮チューブ10を構成するストレスコーン部11と絶縁部13との接触界面において、半導電性ゴムと絶縁性ゴムの剥離を抑制することができる。その結果、常温収縮チューブ10の歩留まりおよび信頼性の向上を図ることが可能となる。
ちなみに、上記同様の効果は、内部半導電部12を成形する際に用いられるゴム成形用金型の成形面を上記同様のコーティング膜で被覆した場合や、絶縁部13を成形する際に用いられるゴム成形用金型の成形面を上記同様のコーティング膜で被覆した場合、あるいは外部半導電部14を成形する際に用いられるゴム成形用金型の成形面を上記同様のコーティング膜で被覆した場合にも得られる。
(2)本実施形態においては、ストレスコーン部11を成形する際に用いられるゴム成形用金型20の成形面23,24に微小な凹凸を形成し、この凹凸付きの成形面23,24を覆うようにコーティング膜26を形成している。このため、ゴム成形用金型20の成形面23,24に対して、より強固にコーティング膜26を定着させることができる。
(3)本実施形態においては、ゴム成形用金型20の成形面23,24に微小な凹凸を形成するにあたって、この凹凸による成形面23,24の表面粗さを、ゴム成形用金型20のキャビティ25に注入するゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗くしている。これにより、成形面23,24に対するゴム材料27の接触面積を小さくし、両者の密着力を弱めることができる。また、コーティング材の優れたすべり性の影響もあり、離型性が良くなる。
<変形例等>
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
たとえば、上記実施形態では、ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料の一例として液状シリコーンゴムを挙げたが、本発明はこれに限らず、たとえば、ミラブル型シリコーンゴムを用いてもよい。また、シリコーンゴム以外にも、たとえば、エチレンプロピレンゴムなどの他のゴム材料を用いてもよい。
また、離型性の高いコーティング膜で成形面を被覆したゴム成形用金型を用いる工程は、上述した第1工程S1、第2工程S2、第3工程S3および第4工程S4のうち少なくともいずれか一つの工程であればよい。
また、上記実施形態では、ゴム成形用金型20の構成として、成形面23,24にサンドブラスト加工により微小な凹凸を形成したうえで、成形面23,24をコーティング膜26で覆う構成を採用しているが、本発明は限らない。すなわち、ゴム成形用金型20の成形面23,24に、ストレスコーン部11の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗い凹凸を形成するだけでも、上記同様の理由により離型性を高めることができる。この場合は、コーティング膜26の形成が不要になるため、ゴム成形用金型のコストダウンを図ることができる。
また、常温収縮チューブ10を構成するストレスコーン部11、内部半導電部12、絶縁部13および外部半導電部14の各部の形状および寸法については、適宜変更が可能である。
また、上記実施形態では、電力ケーブル2,3の接続部に装着される常温収縮チューブを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、電力ケーブルの終端部に装着されるゴムモールド品やその製造方法にも適用可能である。
<実施例>
従来同様に成形面に離型剤(フッ素系)を塗布したゴム成形用金型を用いて、180度剥離試験用の貼り合わせゴムシートを作製し、実際に180度剥離試験を行ったところ、ゴムシートの接着強度は1.5N/mmであった。
これに対して、成形面にコーティング膜を形成したゴム成形用金型を用いて、180度剥離試験用の貼り合わせゴムシートを作製し、実際に180度剥離試験を行ったところ、以下のような結果が得られた。
まず、コーティング膜の形成には、以下の2つの方法を採用した。
(A)空焼きしたゴム成形用金型の成形面をサンドブラスト加工した後、フッ素樹脂のコーティングと焼成を2回繰り返して行うことにより、コーティング膜を形成した。また、コーティング膜の材料として、テフロンS(「テフロン」はデュポン社の登録商標、「S」はStratificationの頭文字)を使用した。
(B)空焼きしたゴム成形用金型の成形面をサンドブラスト加工した後、プライマーのコーティングと焼成を1回ずつ行い、その後、フッ素樹脂のコーティングと焼成を1回ずつ行うことにより、コーティング膜を形成した。また、コーティング膜の材料として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を使用した。
上記2通りの方法でコーティング膜を形成したゴム成形用金型を用いて、180度剥離試験用の貼り合わせゴムシートを作製した場合、ゴムシートの接着強度は、いずれの方法でも3.0N/mm以上となり、なかにはゴムシートが剥離する前に接着強度5.0N/mm付近でシート自体が破断してしまうものがあった。
この結果からも、ゴム成形用金型の成形面をコーティング膜で被覆することが、ゴムの剥離を抑制するのに有効であることが立証された。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様を付記する。
(付記1)
ゴムモールド品を成形する際に用いられるゴム成形用金型であって、
前記ゴムモールド品を成形するための成形面を有し、この成形面を当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆した
ことを特徴とするゴム成形用金型。
(付記2)
前記コーティング膜は、フッ素樹脂のコーティング膜からなる
ことを特徴とする付記1に記載のゴム成形用金型。
(付記3)
前記コーティング膜は、微粉末シリカのコーティング膜からなる
ことを特徴とする付記1に記載のゴム成形用金型。
(付記4)
前記コーティング膜は、PEEKのコーティング膜からなる
ことを特徴とする付記1に記載のゴム成形用金型。
(付記5)
前記成形面に微小な凹凸が形成されている
ことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載のゴム成形用金型。
(付記6)
前記凹凸による前記成形面の表面粗さは、前記ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗い
ことを特徴とする付記5に記載のゴム成形用金型。
(付記7)
前記ゴムモールド品は、前記成形面に倣って筒状に成形され、モールド成形後に拡径保持部材によって内径が拡径されるものである
ことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載のゴム成形用金型。
(付記8)
前記ゴムモールド品は、液状シリコーンゴムまたはミラブル型シリコーンゴムにより成形されるものである
ことを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載のゴム成形用金型。
(付記9)
前記ゴムモールド品は、モールド成形後にオーバーモールドによって他のゴム材料と接着され、かつ、前記オーバーモールド後に内径が拡径されるものである
ことを特徴とする付記1〜7のいずれかに記載のゴム成形用金型。
(付記10)
ゴムモールド品を成形する際に用いられるゴム成形用金型であって、
前記ゴムモールド品を成形するための成形面に、前記ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗い凹凸を形成した
ことを特徴とするゴム成形用金型。
(付記11)
ゴム成形用金型の成形面に倣って形成された表面を有するゴムモールド品であって、
前記ゴムモールド品の表面に微小な凹凸が形成されている
ことを特徴とするゴムモールド品。
(付記12)
ゴムモールド品を成形するための成形面を有するゴム成形用金型内にゴム材料を注入した後、前記ゴム材料を硬化させてゴムモールド品を成形する成形工程と、
前記ゴム成形用金型から前記ゴムモールド品を取り出す離型工程と、
を備え、
前記成形工程では、前記成形面よりも離型性が高いコーティング膜で当該成形面を被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とするゴムモールド品の製造方法。
(付記13)
第1のゴム成形部と、前記第1のゴム成形部の少なくとも一部を覆うように成形されるとともに、前記第1のゴム成形部とは導電性が異なる第2のゴム成形部と、を備える常温収縮チューブであって、
前記第1のゴム成形部と前記第2のゴム成形部との接触界面において、前記第1のゴム成形部の表面に微小な凹凸が形成されている
ことを特徴とする常温収縮チューブ。
(付記14)
第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部を形成するストレスコーン部形成工程と、
第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部を形成する内部半導電部形成工程と、
前記ストレスコーン部および前記内部半導電部を第3のゴム成形用金型にセットし、当該第3のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
前記絶縁部の外周部に、半導電性ゴムからなる外部半導電部を形成する外部半導電部形成工程と、
を備え、
前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程および前記絶縁部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とする常温収縮チューブの製造方法。
(付記15)
前記外部半導電部形成工程では、前記絶縁部形成工程で得られたゴムモールド品を第4のゴム成形用金型にセットし、当該第4のゴム成形用金型を用いて、前記外部半導電部を形成し、
前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程、前記絶縁部形成工程および前記外部半導電部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とする付記14に記載の常温収縮チューブの製造方法。
(付記16)
第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部を形成するストレスコーン部形成工程と、
第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部を形成する内部半導電部形成工程と、
第3のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる外部半導電部を形成する外部半導電部形成工程と、
前記ストレスコーン部、前記内部半導電部および前記外部半導電部を第4のゴム成形用金型にセットし、当該第4のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
を備え、
前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程、前記外部半導電部形成工程および前記絶縁部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
ことを特徴とする常温収縮チューブの製造方法。
(付記17)
一対の電力ケーブルのケーブル導体同士を接続するスリーブと、
前記スリーブによる前記電力ケーブルの接続部に装着された常温収縮チューブと、を備える電力ケーブルの接続構造であって、
前記常温収縮チューブは、
第1のゴム成形部と、前記第1のゴム成形部の少なくとも一部を覆うように成形されるとともに、前記第1のゴム成形部とは導電性が異なる第2のゴム成形部と、を備え、
前記第1のゴム成形部と前記第2のゴム成形部との接触界面において、前記第1のゴム成形部の表面に微小な凹凸が形成されている
ことを特徴とする電力ケーブルの接続構造。
1…電力ケーブルの接続構造
2,3…電力ケーブル
2a,3a…ケーブル導体
4…スリーブ
10…常温収縮チューブ
11…ストレスコーン部
12…内部半導電部
13…絶縁部
14…外部半導電部
20…ゴム成形用金型
23,24…成形面
26…コーティング膜

Claims (10)

  1. ゴムモールド品を成形する際に用いられるゴム成形用金型であって、
    前記ゴムモールド品を成形するための成形面を有し、この成形面を当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆した
    ことを特徴とするゴム成形用金型。
  2. 前記コーティング膜は、フッ素樹脂のコーティング膜からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載のゴム成形用金型。
  3. 前記成形面に微小な凹凸が形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のゴム成形用金型。
  4. 前記凹凸による前記成形面の表面粗さは、前記ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗い
    ことを特徴とする請求項3に記載のゴム成形用金型。
  5. 前記ゴムモールド品は、液状シリコーンゴムまたはミラブル型シリコーンゴムにより成形されるものである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム成形用金型。
  6. ゴムモールド品を成形する際に用いられるゴム成形用金型であって、
    前記ゴムモールド品を成形するための成形面に、前記ゴムモールド品の成形に用いるゴム材料が形状的に追従可能な表面粗さよりも粗い凹凸を形成した
    ことを特徴とするゴム成形用金型。
  7. ゴムモールド品を成形するための成形面を有するゴム成形用金型内にゴム材料を注入した後、前記ゴム材料を硬化させてゴムモールド品を成形する成形工程と、
    前記ゴム成形用金型から前記ゴムモールド品を取り出す離型工程と、
    を備え、
    前記成形工程では、前記成形面よりも離型性が高いコーティング膜で当該成形面を被覆したゴム成形用金型を用いる
    ことを特徴とするゴムモールド品の製造方法。
  8. 第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部を形成するストレスコーン部形成工程と、
    第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部を形成する内部半導電部形成工程と、
    前記ストレスコーン部および前記内部半導電部を第3のゴム成形用金型にセットし、当該第3のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
    前記絶縁部の外周部に、半導電性ゴムからなる外部半導電部を形成する外部半導電部形成工程と、
    を備え、
    前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程および前記絶縁部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
    ことを特徴とする常温収縮チューブの製造方法。
  9. 前記外部半導電部形成工程では、前記絶縁部形成工程で得られたゴムモールド品を第4のゴム成形用金型にセットし、当該第4のゴム成形用金型を用いて、前記外部半導電部を形成し、
    前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程、前記絶縁部形成工程および前記外部半導電部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
    ことを特徴とする請求項8に記載の常温収縮チューブの製造方法。
  10. 第1のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなるストレスコーン部を形成するストレスコーン部形成工程と、
    第2のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる内部半導電部を形成する内部半導電部形成工程と、
    第3のゴム成形用金型を用いて、半導電性ゴムからなる外部半導電部を形成する外部半導電部形成工程と、
    前記ストレスコーン部、前記内部半導電部および前記外部半導電部を第4のゴム成形用金型にセットし、当該第4のゴム成形用金型を用いて、絶縁性ゴムからなる絶縁部を形成する絶縁部形成工程と、
    を備え、
    前記ストレスコーン部形成工程、前記内部半導電部形成工程、前記外部半導電部形成工程および前記絶縁部形成工程のうち少なくともいずれかの工程では、ゴム成形用金型の成形面を、当該成形面よりも離型性が高いコーティング膜で被覆したゴム成形用金型を用いる
    ことを特徴とする常温収縮チューブの製造方法。
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