以下、本発明の第1から第3実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、繊維を含む原料を乾式解繊する解繊部を備え、解繊された解繊物の少なくとも一部を用いてシートを製造する装置である。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物投入部60と、堆積部70と、加熱加圧部120と、切断部130等を備えている。また、これらの部材を制御する制御部2を備えている。
供給部10は、粗砕部20に原料としての古紙Pu等を供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、繊維を含む材料を空気中で解繊するものである。具体的には、解繊部30は、回転する回転部を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。本願においては、解繊部30で解繊されるものを被解繊物と言い、解繊部30を通過したものを解繊物と言う。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転部の回転によって気流が発生する機構となっており、解繊された繊維はこの気流に乗って配管202を介して空気中で分級部40に搬送される。なお、解繊された繊維を分級部40に搬送させるための気流を発生させる気流発生装置を解繊部30に別途設けてもよい。また、解繊部30の詳細な構成については後述する。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された解繊物をインク粒と繊維とに気流分級することができる。なお、サイクロンに替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより、比較的小さいインク粒と、インク粒より大きい繊維塊とに分けられる。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入物が導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、解繊物は遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が排出される。そして、排出されたインク粒は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて空気中で搬送される。分級部40から選別部50へは、分級される際の気流によって搬送されてもよいし、上方にある分級部40から重力で下方にある選別部50に搬送されてもよい。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。分級は、あるサイズや密度を境にして正確に分けられるものではない。また、繊維とインク粒とに正確に分けられるものでもない。繊維の中でも比較的短い繊維はインク粒と共に上部排気口40cから排出される。インク粒の中でも比較的大きいものは繊維とともに下部取出口40bから排出される。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物(解繊物)を複数の開口を有するふるい部51を通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、開口を通過する通過物と、開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。
選別部50の選別により開口を通過した通過物は配管204を介して堆積部70に空気中で搬送される。選別部50から堆積部70へは、気流を発生させる図示しないブロワーによって搬送されてもよいし、上方にある選別部50から下方にある堆積部70に重力で搬送されてもよい。配管204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物に対して結着樹脂(例えば、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、結着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤、吸収調整剤、芳香剤、脱臭剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。
堆積部70は、繊維を含む材料を堆積可能にするものであり、解繊部30で解繊された解繊物の少なくとも一部を空気中で堆積するものである。具体的には、堆積部70は、配管204から投入された繊維や結着樹脂を含む混合物を用いて堆積させてウエブWを形成するものであり、繊維を空気中に均一に分散させる機構を備えている。また、堆積部70は、移動しながら混合物を堆積物(ウエブW)として堆積する移動部を有している。なお、本実施形態の移動部は、張架ローラー72と、メッシュが形成されたエンドレスのメッシュベルト73とで構成されている。メッシュベルト73は、張架ローラー72によって張架されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に回転(移動)するようになっている。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と結着樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び結着樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と結着樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、メッシュベルト73が配されている。また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と結着樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属性でも、樹脂性でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュに繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凹凸になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の白抜き矢印)に従って搬送される。メッシュベルト73の上側には剥離部としての中間搬送部90が配置される。ウエブWは中間搬送部90によりメッシュベルト73上から剥離されて、加圧部110側に搬送される。つまり、移動部(メッシュベルト73)から堆積物(ウエブW)を剥離する剥離部(中間搬送部90)を有し、剥離した堆積物(ウエブW)を加圧部110に搬送できる。中間搬送部90は、鉛直上方(ウエブWがメッシュベルト73から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送可能に構成されている。中間搬送部90は、メッシュベルト73から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向においてメッシュベルト73と一部が下流側にずれて配置されている。そして、中間搬送部90の搬送区間は、メッシュベルト73の下流側の張架ローラー72aから加圧部110までの区間となる。
中間搬送部90は、搬送ベルト91と、複数の張架ローラー92と、吸引室93と、を有する。搬送ベルト91は、メッシュが形成されたエンドレスのメッシュベルトであり、張架ローラー92によって張架されている。そして、複数の張架ローラー92のうちの少なくとも1つが自転することで、搬送ベルト91が一方向に回転(移動)するようになっている。
吸引室93は、搬送ベルト91の内側に配置され、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方に位置する搬送ベルト91と対向する面)が開口している。また、吸引室93は、吸引室93内に気流(吸引力)を発生させる吸引部を備えている。そして、吸引部を駆動させることにより吸引室93の内部空間が吸引されて、吸引室93の底面から空気が流れ込む。これにより吸引室93の上方に向けた気流が発生し、ウエブWをウエブWの上方から吸引して搬送ベルト91に吸着させることができる。そして、搬送ベルト91は、張架ローラー92が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを加圧部110に向けて搬送することができる。また、吸引室93は、上方から見て、メッシュベルト73と一部が重なり、また、サクション装置75と重ならない下流側の位置に配置されるため、メッシュベルト73上のウエブWは、吸引室93と対向する位置においてメッシュベルト73から剥離させて搬送ベルト91に吸着させることができる。張架ローラー92は、搬送ベルト91がメッシュベルト73と同速度で移動するように自転する。メッシュベルト73と搬送ベルト91の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。
ウエブWの搬送方向における中間搬送部90の下流側に加圧部110が配置されている。加圧部110は、一対の加圧ローラー111,112で構成され、搬送されるウエブWを加圧する。例えば、加圧部110により、堆積部70で形成されたウエブWの厚みに対しておよそ1/5から1/30の厚みのウエブWとなるように加圧する。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部110の下流側に加熱加圧部120が配置されている。加熱加圧部120は、堆積部70で堆積した堆積物としてのウエブWを加熱加圧し、ウエブWに含まれる繊維同士を結着樹脂を介して結着させるものである。本実施形態の加熱加圧部120は、一対の加熱ローラー121,122で構成されている。加熱ローラー121,122の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー121,122間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121,122によって加熱加圧されることで、結着樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。
加熱加圧部120の搬送方向の下流側には、ウエブWを切断する切断部130として、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第1切断部130aとウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する第2切断部130bとが配置されている。第1切断部130aは、例えば、スリッターであり、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断する。第2切断部130bは、例えば、ロータリーカッターであり、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。切断されたシートPrはスタッカー160等に積載される。なお、ウエブWを切断せずに、連続状のまま巻き取りローラーによってロール状に巻き取るように構成してもよい。以上により、シート製造装置1においてシートPrを製造することができる。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凹凸を有する形状)であってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、解繊部の構成について説明する。本実施形態の解繊部は、原料が供給される供給口と、解繊物を排出する排出口と、供給口と排出口との間に位置する解繊室の内面に設けられた固定部と、解繊室に配置され、固定部に対向し回転軸から離れる方向に突出した複数の刃部を備える回転部と、を備え、解繊室と排出口とを連通させる円錐状の連通部であって、円錐状の頂部が解繊室よりも排出口側に位置するものである。
図2は、解繊部の構成を示す概略図である。図3は、回転部の構成を示す概略図である。図4は、回転プレートの構成を示す斜視図である。図5は、固定部の構成を示す斜視図である。図6は、固定プレートの構成を示す斜視図である。図7は、回転プレート及び固定プレートの平面図である。
図2に示すように、解繊部30は、原料(粗砕紙片)が供給される供給口301と、原料(粗砕紙片)が解繊された解繊物を排出する排出口302と、を備えている。供給口301は配管201に接続され、排出口302は配管202に接続されている。また、供給口301と排出口302と間には解繊室305が設けられている。当該解繊室305は固定部390によって形成されている。そして、解繊室305には回転部310が配置されている。当該回転部310は回転軸380に支持され、固定部390に対向し回転軸380から離れる方向に突出した複数の刃部311を備えている。なお、刃部311の回転軸方向における長さは、所望の繊維長よりも長くなるように構成される。
回転軸380は、例えば、ベアリング(軸受け)によって両持ちに懸架され、駆動機構により自在に回転することができる。このような駆動機構としては、モーターにより直接回転軸380を回転させる機構や、ベルト及びプーリー、チェーン及びスプロケット、又はギア等の動力伝達装置を介して回転軸380を回転させる機構等が挙げられる。そして、回転軸380が回転することにより回転部310が回転するように構成されている。
また、解繊部30には、回転軸380の延びる方向の両端側に連通部(連通室)370(370a,370b)が設けられている。連通部370は、固定部390の回転軸380の延びる方向の両端側を、回転軸380が貫通できる状態で塞いでいる。なお、空間の大きさは、特に限定されない。
一方の連通部370aには供給口301が設けられ、また、他方の連通部370bには排出口302が設けられている。これにより、供給口301と解繊室305とが連通し、解繊室305と排出口302とが連通する。なお、連通部370bは円錐状を成し、連通部370bの円錐状の頂部371が解繊室305よりも排出口302側に位置している。連通部370bは、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した側面372を有している。従って、連通部370bの内部空間(回転部310bと側面372との間の回転軸380に沿った方向の空間)の広さは、回転軸380から離れる方向に向けて狭くなっていく。
次に、回転部の詳細な構成について説明する。図3に示すように、回転部310は、回転軸380から離れる方向に突出した複数の刃部311を備えている。本実施形態の刃部311は、回転方向に対向する面(対向面)330に少なくとも1つの凹部360を有している。なお、本実施形態では、各刃部311の対向面330毎に6つの凹部360が設けられている。
回転部310は、回転軸380から離れる方向に突出した突出部316を備えた板状部材としての回転プレート312を複数有している。そして、突出部316が回転軸方向に重なるように積層されて刃部311が形成されている。なお、刃部311を構成する回転プレート312の数は特に限定されない。図3に示すように、回転部310は、回転軸380に対して、回転軸380の延びる方向に、複数(少なくとも2枚)の回転プレート312を接して積層した構造を有する。また、図3に示すように、回転部310において、仕切り板395等の他の部材が積層されてもよく、そのような場合は、回転プレート312は必ずしも全てが接して積層されなくてもよい。
図4は回転プレートの構成を示し、図4(a)は、刃部311の対向面330において凹部360が形成されていない部分に対応する回転プレート312aの構成を示し、図4(b)は、刃部311の対向面330において凹部360が形成されている部分に対応する回転プレート312bの構成を示している。図4(a),(b)に示すように、回転プレート312(312a,312b)は、板状の部材であり、回転中心R側に位置する基部313と、基部313から回転中心Rから離れる方向に突出する複数の突出部316とを備えている。なお、回転中心Rは、回転部310が回転する際にその中心となる位置であり、回転プレート312の重心付近を通る仮想的な線である。回転プレート312は、回転軸380によって回転中心Rの周りに回転されるので、回転中心Rに対して重量のバランスがとれるように形成されることが好ましい。
回転プレート312の基部313には、回転軸380に勘合して回転軸380の回転とともに回転プレート312が回転できるようにする勘合孔314を有している。また、基部313は、回転プレート312の軽量化のための肉盗み(本実施形態では開口)315を複数有している。さらに、基部313には、複数の回転プレート312を積層させた状態で保持するためのボルト孔317が複数形成されている。
回転プレート312の突出部316は、平面的に見て略矩形の突起であり、回転中心Rから外側に向って放射状に突設されている。突出部316の個数は、解繊処理の能力を損なわない限り、特に限定されない。本実施形態では、回転プレート312には突出部316が等間隔で20個設けられている。
突出部316の先端(回転中心Rから最も離れた位置)であって、回転した場合に進む側の先端の部分(回転部310の回転によって被解繊物に衝突する側の先端部分)は鋭利でない形状となっている。突出部316の先端であって、回転した場合に進む側の面は略矩形となっている。
また、図4(a)に示すように、回転プレート312aでは、突出部316の側面316a(刃部311の対向面330を構成する面)は平坦面を有している。これにより、複数の回転プレート312aの突出部316の側面316aを揃えて積層することにより、刃部311の対向面330において平坦面を形成することができる。
一方、図4(b)に示すように、回転プレート312bでは、突出部316の側面316a(刃部311の対向面330を構成する面)には凹部が形成されおり、平坦面とともに凹部面316bを有している。本実施形態では、突出部316の両側面316aに凹部面316bを有している。また、凹部面316bにおいて、凹部面316bの底面と側面とはほぼ90度を有している。これにより、複数の回転プレート312bの突出部316の側面316a及び凹部面316bを揃えて積層することにより、刃部311の対向面330において凹部360を形成することができる。すなわち、刃部311の対向面330の凹部360は、複数の回転プレート312bの凹部面316bが対応する。なお、本実施形態では、複数の回転プレート312aと複数の回転プレート312bとを積層することにより対向面330に凹部360を有する刃部311が形成される。そして、対向面330に形成される凹部360において、凹部360の底面部と側面部とがほぼ90度を有するエッジ部が形成される。
また、本実施形態では、回転プレート312の基部313に6個の肉盗み315と、6個のボルト孔317が形成されているが、これらは必要に応じて適宜の個数設ければよい。また基部313は、平面視において略円形の形状を有しているが、多角形や曲線を含む形状であってもよい。また、図示しないが、回転プレート312に積層される部材(隣り合う回転プレート312を含む)に対して、位置を合わせるための突起やガイドが形成されてもよく、これらは回転プレート312の厚み方向に突設されていてもよい。
また、回転プレート312の厚みは、特に限定されない。回転プレート312の基部313及び突出部316のそれぞれの厚みは、同じでも異なってもよいが、異なる場合には隣り合う回転プレート312のそれぞれに属する突出部316が互いに接触できるように突出部316の厚みの方が大きいことが好ましい。回転プレート312の基部313及び突出部316のそれぞれの厚みが同じであれば、プレス加工等により容易に製造することができるため好ましい。また、突出部316の厚みは、基部313側から先端まで同じである。回転プレート312の基部313及び突出部316は、一体的に形成されてもよいし、別体として形成され、適宜の手段によって基部313から突出するように突出部316を配置してもよい。なお、本実施形態において、回転プレート312(基部313及び突出部316を含む)の厚みとは、回転軸380の延びる方向における回転プレート312の寸法のことを指す。
回転プレート312の材質としては、ステンレス、高硬度鋼、セラミックス、超硬合金、析出硬化系ステンレス材などを挙げることができる。また、基部313及び突出部316は、互いに異なる材質で形成されてもよい。また、回転プレート312は、所定の材質で形成された後に、ガス窒化処理、メッキ等によって、表面を硬化する処理が施されてもよい。さらに、硬化処理は、各プレートが積層された後に行われてもよい。このようにすれば、硬化処理に用いる材料を削減することができる。回転プレート312は、冷間圧延鋼板、鋼帯(SPCC、SPCD、SPCE、SPCF、SPCG)等をプレスによって打抜いて形成することができる。
回転部310を、回転プレート312を積層して形成すれば、上記のようにプレス加工によって形成することができるので、鋳造や切削によって回転部を形成するよりも、効率的に回転部を作成することができる。また、プレス加工であれば、上述の肉盗み315やボルト孔317の位置も適宜に変更できるため、突出部316をずらして配置する態様にも容易に対応することができる。さらに、回転部310を、回転プレート312を積層して形成すれば、厚み(回転軸380に沿う方向の長さ)を容易に所定の厚みとすることができる。
回転プレート312の大きさは、解繊部30の処理能力等によって適宜決定することができる。また、基部313の大きさ、突出部316の基部313から突出する長さなどについても特に限定されない。なお、回転中心Rから突出部316の先端までの距離は、複数の突出部316において同じである。これにより、回転部310が回転した際、回転軸方向から見た場合に各突出部316の先端がほぼ同一の円となる軌跡を描くため、突出部316と固定部390との隙間(ギャップG)の大きさを、全周にわたってほぼ一定に保つことができる。
回転部310において、回転プレート312は、回転中心R(回転軸380)が延びる方向において、隣り合う回転プレート312にそれぞれ属する突出部316が接するように積層される。なお、仕切り板395が存在する部分では、突出部316同士が接するように積層されなくてもよい。
ここで、2つの突出部316が接するように積層されるとは、回転軸380が延びる方向において、2つの突出部316が隙間なく配置される場合をいう。しかし、実際には各部材の寸法誤差や反りなどによって、わずかな隙間が生じて配置される場合がある。隙間が生じる場合でも、繊維が入りにくい程度の隙間であれば問題はないため、その程度の隙間は、接するように積層された態様に含まれるものとする。また、2つの突出部316が接するように積層される際には、突出部316の回転軸380が延びる方向に交差する面の少なくとも一部が積層されていればよい。
このように、回転部310は、回転プレート312の突出部316が回転軸380の延びる方向に積層された構造を有する。これにより、積層された回転プレート312のそれぞれに属する突出部316の側面316aによって、回転部310が回転する方向に向って進む対向面330が形成される(図3参照)。かかる対向面330は、突出部316の側面316aが、突出部316が積層することにより連なって形成される面である。このような面が形成されることにより、回転部310が高速回転した場合に、乱流の発生も合わせ解繊部30に導入された被解繊物を叩く(叩いてほぐす)効果を奏することができる。
回転部310は、回転プレート312の平面に対して垂直な回転軸380を有する。回転軸380は、モーター等の外部の駆動装置によって、回転中心R周りに回転することができる。回転軸380が回転することにより、回転プレート312を回転させることができる。回転軸380は、回転プレート312の勘合孔314に対して勘合することができる外形形状を有する。また、回転軸380の回転によって回転プレート312を回転させることができれば、回転軸380及び回転プレート312は、その他の構成を採用してもよい。
回転部310の回転軸380に沿う方向の大きさは、解繊部30に被解繊物が導入され、回転部310が回転した場合に、被解繊物が解繊される作用を及すことができる範囲で、特に限定されない。回転部310の回転軸380に沿う方向の大きさは、回転プレート312の厚み及び積層数等を変更することによって調節することができる。
また、図3に示すように、回転部310は、24枚の回転プレート312が積層された段部399を4段有し、各段部399の間及び両端に、5枚の仕切り板395が積層されて構成されている。本実施形態では、回転プレート312は、全て同じ形状、同じ厚みとなっている。また、ここでは1つの段部399を構成する回転プレート312の突出部316は、周方向にほぼずれることなく積層され、回転軸380方向に隣り合う段部399において、それぞれの突出部316が周方向にずれるように配置されている。また、段部399と隣り合う段部399との間には仕切り板395が配置されている。このため、各段部399内においては突出部316が接するように積層され、仕切り板395が配置されている部分において突出部316は、接することなく配置されている。この回転部310は、回転プレート312、仕切り板395等が、ボルト308及びナット309によって締結されている。
回転部310は、複数の回転プレート312が接するように積層しているため、回転プレート312の交換が容易であり、一体的に形成された場合に比較して、破損時のメンテナンスの手間や、交換時のコストを削減することができる。
また、本実施形態では、回転部310の回転軸380に沿う方向の供給口301側の端部に羽根板340が取付けられている。羽根板340には、当該羽根板340の一部を回転軸380に沿う方向に起立させた羽根341が、放射状に設けられている。なお、本実施形態において羽根341は、回転部310の供給口301側に配置されているが、排出口302側に配置してもよい。
羽根341は、被解繊物又は解繊物を供給口301側から排出口302側へと移動させる作用を少なくとも有するが、供給口301側から排出口302側のいずれか一方又は両方に、ブロワー、送風機等の風送り機構又は風吸引機構を設けるような場合には、排出口302側には必ずしも必要な構成ではない。供給口301側に配置された羽根341は、回転軸380近傍に導入された被解繊物を散らしながら、解繊部30の円周(外周側)へと移動させる作用も合わせ持ち、効率的に被解繊物を解繊させることができる。また、本実施形態では、羽根341は、仕切り板395に隣り合って積層された羽根板340の6箇所を、折曲げて回転軸380に沿う方向に起立させた形状となっている。しかし、このような形状に限定されず、羽根341は、仕切り板395に対して溶接等によって設置されてもよい。さらに、羽根341の形状についても限定されず、任意の形状とすることができる。また羽根板340が回転プレート312の肉盗み315を塞ぐことができる場合には、羽根板340は、仕切り板395の機能を兼ねることができ、その場合は羽根板340の設けられる側の仕切り板395を設省くことができる。
次に、固定部の詳細な構成について説明する。図2に示すように、固定部390は、回転部310に対して回転中心Rから離れる方向に離間して配置される。また、図5に示すように、固定部390の内面(回転中心R側の表面)は、回転部310の周方向において凹凸を有している。
固定部390は、単一の部材で構成されてもよいし、複数の部材で構成されてもよい。図5に示すように、本実施形態の固定部390は、複数の固定プレート391によって形成されている。固定プレート391は、図6に示すように、板状の部材であり、平面視において円環状の形状を有している。固定プレート391の円環の内側の面には、平面視において、円環状の部分から回転中心Rに向う方向に凹凸が形成されている。当該凹凸は等間隔に形成され、各凸部の先端(回転中心R側)と回転中心Rとの間の距離は同じである。同様に、各凸部の間にある凹部の底部(回転中心Rから離れる側)と、回転中心Rとの間の距離は同じである。そして、図7に示すように、固定プレート391の内側の面を包絡する面は、回転プレート312の突出部316が回転したときに描かれる軌跡の面よりも回転中心Rからみて外側となっている。換言すると、平面視において、固定プレート391の内側の面に内接する円の半径は、回転プレート312の突出部316が回転したときに描かれる円の半径よりも大きい。
本実施形態では、平面視において、固定プレート391の内側の面に内接する円の半径から、回転プレート312の突出部316が回転したときに描かれる円の半径を差引いた距離のことを、ギャップGと称する。
平面視において、固定プレート391の内側の面を包絡する面は、円形であって当該円の中心が、回転部310の回転中心Rと組立て誤差を考慮の上、一致していることが好ましい。このようにすれば、回転部310と固定部390によって形成されるギャップGの大きさが、回転軸380の周方向で大きく異ならないため、より安定した解繊処理を行うことができる。
本実施形態の解繊部30では、ギャップGは、被解繊物の厚みよりも大きく設定される。ギャップGが被解繊物の厚みよりも大きいため、被解繊物がギャップ(回転部310及び固定部390の間の隙間)に入ったときに、切断されることが抑制され、かつ、磨り潰されることが抑制される。ギャップGの大きさは、被解繊物の厚みの10〜 100倍程度とすることが好ましい。
回転部310及び固定部390の間のギャップGは、回転プレート312の外径や固定プレート391の内径を変更することにより適宜調節され得る。
固定プレート391は、図6及び図7に示すように、複数の固定プレート391を積層させた状態で保持するためのボルト孔392が複数形成されている。ここでは固定プレート391に8個のボルト孔392が形成されているが、必要に応じて適宜の個数設ければよく、また、他の手段によって固定プレート391を積層する場合にはボルト孔392は不要となる場合がある。
本実施形態において固定プレート391の外側の形状は、平面視において略円形の形状を有しているが、多角形や曲線を含む形状であってもよい。固定プレート391の外側の形状を凹凸とすると、解繊部30の空冷を促進できる場合がある。また、図示しないが、固定プレート391に積層される部材(隣り合う固定プレート391を含む)に対して、位置を合わせるための突起やガイドが形成されてもよく、これらは固定プレート391の厚み方向に突設されていてもよい。
固定プレート391の厚みは、特に限定されない。固定プレート391と回転プレート312の厚みは、同じでも異なってもよい。固定プレート391の厚みと回転プレート312の厚みが同じである場合には、両者を同一の原材料(例えば鋼板)からプレス打抜きによって製造する際に、同時に製造できるため、寸法精度や生産性を向上させることができる。特にギャップGの寸法精度を良好なものとすることができる。また、固定プレート391の厚みは、固定プレート391内の各部分において同じであることが好ましい。なお、本実施形態において、固定プレート391の厚みとは、回転部310を配置した場合の、回転軸380の延びる方向における固定プレート391の寸法のことを指す。
固定プレート391の大きさは、解繊部30の処理能力や、回転プレート312との間のギャップG等の設計に応じて適宜決定されることができる。
固定プレート391の材質は、回転プレート312の項で説明したものと同様とすることができる。固定プレート391は、冷間圧延鋼板、鋼帯(SPCC、SPCD、SPCE、SPCF、SPCG)等をプレスによって打抜いて形成することができる。
固定部390において、固定プレート391は、回転中心R(回転軸380)が延びる方向において、隣り合う固定プレート391が接するように積層される。図5では、回転プレート312と同じ厚みで形成された固定プレート391が101枚、接するように積層されている。
本実施形態の固定部390が有する固定プレート391の数は、複数であれば限定されない。固定プレート391の数は、回転プレート312の数と同じでも異なってもよい。本実施形態では、固定部390は、回転部310の回転軸380に対して、回転軸380の延びる方向に、複数の固定プレート391を接するように積層した構造を有する。そのため、図5に示すように、固定部390は、凹凸を有する内面側に、中心軸が存在するような直管状(チューブ状)の形状となっている。
固定プレート391は、積層された際に、隣り合う固定プレート391にそれぞれ形成された内側の凹凸が互いに接するように積層される。そのため積層された固定プレート391のそれぞれに属する凹凸によって、固定部390の回転中心R側の表面(内表面)には、周方向を辿った際に凹凸となる溝が形成されている。係る凹凸の形状や大きさは、図5では同じであるが凹凸間で互いに異なってもよい。図5では、内表面に形成された凹凸は、隣り合う固定プレート391の凹凸が周方向に、ずれないように積層されているため、固定部390の内面には、回転軸380の延びる方向に平行な溝が形成されている。図示しないが、内表面に形成された凹凸は、隣り合う固定プレート391の凹凸が周方向に、ずれるように積層されてもよく、このような場合には、固定部390の内面には、回転軸380の延びる方向に対して傾いた溝(螺旋状の溝)が形成されることになる。固定部390の内面の溝の態様は、上述のように変更することができるが、被解繊物の種類や、回転部310の構造等の条件に合わせて任意に設計することができる。
固定部390の回転中心R側の表面に形成される凹凸は、回転部310が固定部390内で回転した場合に、ギャップGに進入した被解繊物を固定し、回転部310が発生する気流と相まって被解繊物を解きほぐすような気流を生じさせる機能を有する。回転部310が固定部390内で回転した場合に、突出部316が凹凸の近傍を通過する際に、凹部内に回転するような気流が生じて、係る気流によって、突出部316や固定部390の凸部に被解繊物が衝突を繰り返すことで被解繊物が解繊される。
固定部390の内面に形成される凹凸の形状、又は、個々の固定プレート391に形成される凹凸の形状は、上記のような作用を奏することができるかぎり任意である。また、固定プレート391の内面に形成される凹凸の粗さについても特に制限はなく、ほとんど平坦であってもよく、そのような固定プレート391が粗い凹凸を有する固定プレート391とともに積層されてもよいし、そのような固定プレート391の積層の順序についても何ら限定されない。
固定プレート391の回転中心R側の表面に形成される凹凸の凸部は、鋭利な形状でないことがより好ましい。例えば凸部は台形形状であり、その先端に平面部が形成されてもよい。例えば凸部の先端ほど厚みが薄く鋭利になっている場合、回転部310の回転に起因して、被解繊物が凸部に衝突した場合に、被解繊物に凸部が食込む場合がある。ただし、図7に示すような、先端の角度が60°程度となっている凸部であって、仮に、凸部の先端が鋭利であっても、これに衝突する被解繊物は、回転部310の回転によって回転中心R側から衝突するよりも、凸部の側面側から衝突しやすいため、このような形状であってもよい。これにより被解繊物に含まれる繊維を切断することが抑制され、延いては解繊部30を通過した解繊物の繊維が短くなることを抑制することができる。また、このような形状とすることで、被解繊物を叩いてほぐす作用も高めることができる。
固定部390の回転軸380に沿う方向の大きさは、解繊部30に被解繊物が導入され、回転部310が回転した場合に、被解繊物が解繊される作用を及ぼすことができる範囲で、特に限定されない。固定部390の回転軸380に沿う方向の大きさは、固定プレート391の厚み及び積層数等を変更することによって調節することができる。また、固定部390の回転軸380に沿う方向の大きさは、回転部310の回転軸380に沿う方向の大きさと同じであっても異なってもよい。
図5に示すように、本実施形態の固定部390は、101枚の同じ厚みで同じ形状の固定プレート391が積層されて構成されている。そして、回転部310を構成する回転プレート312(24枚×4(段部)=96枚)及び仕切り板395(5枚)は同じ厚みで積層されている。従って、固定部390で積層される固定プレート391の枚数と回転部310で積層される部材の枚数が同じ、かつ厚みも同じである。そのため、回転部310及び固定部390の回転軸380に沿う方向の大きさは、互いに同じとなっている。この固定部390は、固定プレート391が、ボルト393及びナット394によって締結されている。
また、固定部390を、複数の固定プレート391が接するように積層した態様とする場合には、固定プレート391の交換が容易であり、一体的に形成された場合に比較して、破損時のメンテナンスの手間や、交換時のコストを削減することができる。
次に、解繊部の動作について説明する(図2及び図3参照)。解繊部30は、回転軸380を回転させることによって回転部310を回転させ、回転部310と固定部390との間のギャップGに被解繊物を気流によって導くことにより、被解繊物を乾式解繊処理することができる。回転部310の周速は、乾式解繊処理のスループット、被解繊物の滞留時間、解繊の程度、回転部310、固定部390、その他の各部材の形状や大きさ等の条件を考慮して、適宜に設定することができるが、20〜100m/sが好ましく、50〜100m/sがより好ましい。この速度未満では、十分な解繊作用が得られず、この速度より大きいと、過解繊になりやすい。
具体的には、供給口301から被解繊物が解繊部30内部に供給されると、被解繊物は羽根板340を介して解繊室305に流動される。解繊室305に流動された被解繊物は回転する回転部310の対向面330に衝突する。なお、本実施形態では、対向面330には凹部360が設けられており、被解繊物は凹部360のエッジにも衝突し解繊される。また、回転部310の回転により回転方向に高速な気流が発生し、当該気流によって被解繊物が回転部310と固定部390との間のギャップGに流動される。固定部390の回転中心R側の表面には凹凸が形成されているため、気流によって被解繊物が凹凸に衝突し、被解繊物が解繊される。さらに、固定部390の凹部の回転流や、回転部310(刃部311)が通過した後に発生する渦流により被解繊物は再度巻き込まれ、対向面330の凹部360に衝突することを繰り返し、解繊が進む。
そして、解繊室305において解繊された解繊物は気流によって連通部370b側に流動される。ここで、連通部370bは円錐状部をもち、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した側面372を有している。したがって、連通部370bの内部空間(回転部310と側面372との間の回転軸380に沿った方向の空間)の広さは、回転軸380から離れる方向に向けて狭くなっていく。すなわち、図2において 、回転部310から連通部370bの側面372までの回転軸380に沿った方向の長さは、回転軸380から離れるにしたがって短くなっていく。従って、連通部370bにおける回転軸380から離れた領域、すなわち、回転部310と連通部370bの側面372とによる狭い空間では、回転による遠心力から気圧が回転軸380側の領域(空間)よりも高く、解繊物が解繊室305から移動しづらくなる。未解繊物や比較的大きい解繊物は回転部310の回転の遠心力により、回転軸380から離れた領域に流動されるので排出されづらく、より解繊処理が行われる。一方、比較的小さく解繊された解繊物は空気抵抗により回転部310の回転の遠心力の作用が小さいため、回転軸380に近い側の領域に流動されるとともに排出口302から解繊物として排出される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
解繊部30では、回転部310の刃部311の対向面330に凹部360が設けられており、被解繊物と衝突するエッジ部が増えるため、解繊効率を高めることができる。また、連通部370bは円錐状部をもち、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した面を有するため、遠心力と空気抵抗により、解繊物の大きさによる異なる解繊作用機能を有し、比較的大きい解繊物はさらに解繊され、所定の大きさに解繊された解繊物のみを排出口302から排出させることができる。すなわち、解繊効率を上げ、ばらつきを低減させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。まず、本実施形態にかかるシート製造装置の構成について説明する。本実施形態のシート製造装置は、繊維を含む原料を乾式解繊する解繊部を備え、解繊された解繊物の少なくとも一部を用いてシートを製造するシート製造装置であって、解繊部は、原料が供給される供給口と、解繊物を排出する排出口と、供給口と排出口との間に位置する解繊室の内面に設けられた固定部と、解繊室に配置され、固定部に対向し回転軸から離れる方向に突出した複数の刃部を備える回転部と、解繊室と排出口とを連通させる円錐状の連通部であって、円錐状の頂部が解繊室よりも排出口側に位置する装置である。さらに、本実施形態にかかるシート製造装置の刃部は、回転方向に対向する面に少なくとも1つの突部を有している。
まず、シート製造装置の構成について説明する。なお、本実施形態のシート製造装置1aの基本的な構成は第1実施形態にかかるシート製造装置1の構成と同様なので説明を省略し、異なる部分、すなわち、解繊部30aの構成について説明する。
図8は、解繊部の構成を示す概略図であり、図9は回転プレートの構成を示す斜視図である。図8に示すように、シート製造装置1aの解繊部30aは、回転部310aを備えている。なお、本実施形態にかかる解繊部30aは、第1実施形態における解繊部30の構成と同様にして供給口301、排出口302、解繊室305、固定部390及び連通部370(370a,370b)等を備えている。なお、これらの具体的な構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する(図2参照)。
図8に示すように、回転部310aは、回転軸380に支持され、固定部390に対向し回転軸380から離れる方向に突出した複数の刃部311aを備えている。なお、刃部311aの回転軸方向における長さは、所望の繊維長よりも長くなるように構成される。
回転軸380は、例えば、ベアリング(軸受け)によって両持ちに懸架され、駆動機構により自在に回転することができる。このような駆動機構としては、モーターにより直接回転軸380を回転させる機構や、ベルト及びプーリー、チェーン及びスプロケット、又はギア等の動力伝達装置を介して回転軸380を回転させる機構等が挙げられる。そして、回転軸380が回転することにより回転部310aが回転するように構成されている。
回転部310aは、回転軸380から離れる方向に突出した複数の刃部311aを備えている。本実施形態の刃部311aは、回転方向に対向する面(対向面)330aに少なくとも1つの突部(凸部)361を有している。なお、本実施形態では、各刃部311aの対向面330a毎に8つの突部361が設けられている。
回転部310aは、回転軸380から離れる方向に突出した突出部316を備えた板状部材としての回転プレート312を複数有している。図9(a)は、刃部311aの対向面330aにおいて突部361が形成されていない部分に対応する回転プレート312aの構成を示し、図9(b)は、刃部311aの対向面330aにおいて突部361が形成されている部分に対応する回転プレート312cの構成を示している。図9(a),(b)に示すように、回転プレート312(312a,312c)は、板状の部材であり、回転中心R側に位置する基部313と、基部313から回転中心Rから離れる方向に突出する複数の突出部316とを備えている。
回転プレート312aは、図9(a)に示すように、突出部316の側面316a(刃部311aの対向面330aを構成する面)は平坦面を有している。これにより、複数の回転プレート312aの突出部316の側面316aを揃えて積層することにより、刃部311aの対向面330aにおいて平坦面を形成することができる。
一方、図9(b)に示すように、回転プレート312cでは、突出部316の側面316a(刃部311aの対向面330aを構成する面)には突部が形成されおり、平坦面とともに突部面316cを有している。本実施形態では、突出部316の両側面316aに突部面316cを有している。突部面316cにおいて、突部面316cの頂部面と突部面316cの側面とはほぼ90度を有している。これにより、複数の回転プレート312cの突出部316の側面316a及び突部面316cを揃えて積層することにより、刃部311aの対向面330aにおいて突部361を形成することができる。すなわち、刃部311aの対向面330aの突部361は、複数の回転プレート312cの突部面316cが対応する。なお、本実施形態では、複数の回転プレート312aと複数の回転プレート312cとを積層することにより対向面330aに突部361を有する刃部311aが形成される。そして、対向面330aに形成される突部361では、突部361の頂部面部と側面部とがほぼ90度を有するエッジ部が形成される。
なお、回転プレート312(312a,312c)の他の構成、例えば、材質、形状、積層方法、基部313、仕切り板395等の構成については、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
次に、解繊部の動作について説明する(図2及び図8参照)。解繊部30aは、回転軸380を回転させることによって回転部310aを回転させ、回転部310aと固定部390との間のギャップGに被解繊物を気流によって導くことにより、被解繊物を乾式解繊処理することができる。
具体的には、供給口301から被解繊物が解繊部30内部に供給されると、被解繊物は羽根板340を介して解繊室305に流動される。解繊室305に流動された被解繊物は回転する回転部310aの対向面330aに衝突する。なお、本実施形態では、対向面330aには突部361が設けられており、被解繊物は突部361にも衝突し解繊される。また、回転部310aの回転により回転方向に高速な気流が発生し、当該気流によって被解繊物が回転部310aと固定部390との間のギャップGに流動される。固定部390の回転中心R側の表面には凹凸が形成されているため、気流によって被解繊物が凹凸に衝突し、被解繊物が解繊される。さらに、固定部390の凹部の回転流や、回転部310a(刃部311a)が通過した後に発生する渦流により被解繊物は再度巻き込まれ、対向面330の突部361に衝突することを繰り返し、解繊が進む。
そして、解繊室305において解繊された解繊物は気流によって連通部370b側に流動される。ここで、連通部370bは円錐状部をもち、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した面を有している。したがって、連通部370bの内部空間(回転部310aと側面372との間の回転軸380に沿った方向の空間)の広さは、回転軸380から離れる方向に向けて狭くなっていく。すなわち、図2において 、回転部310aから連通部370bの側面372までの回転軸380に沿った方向の長さは、回転軸380から離れるにしたがって短くなっていく。従って、連通部370bにおける回転軸380から離れた領域、すなわち、回転部310aと連通部370bの側面372とによる狭い空間では、回転による遠心力から気圧が回転軸380側の領域(空間)よりも高く、解繊物が解繊室305から移動しづらくなる。未解繊物や比較的大きい解繊物は回転部310aの回転の遠心力により、回転軸380から離れた領域に流動されるので排出されづらく、より解繊処理が行われる。一方、比較的小さく解繊された解繊物は空気抵抗により回転部310の回転の遠心力の作用が小さいため、回転軸380に近い側の領域に流動されるとともに排出口302から解繊物として排出される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
解繊部30aでは、回転部310aの刃部311aの対向面330aに突部361が設けられており、被解繊物と衝突するエッジ部が増えるため、解繊効率を高めることができる。また、連通部370bは円錐状部をもち、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した面を有するため、遠心力と空気抵抗により、解繊物の大きさによる異なる解繊作用機能を有し、比較的大きい解繊物はさらに解繊され、所定の大きさに解繊された解繊物のみを排出口302から排出させることができる。すなわち、解繊効率を上げ、ばらつきを低減させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。まず、本実施形態にかかるシート製造装置の構成について説明する。本実施形態のシート製造装置は、繊維を含む原料を乾式解繊する解繊部を備え、解繊された解繊物の少なくとも一部を用いてシートを製造するシート製造装置であって、解繊部は、原料が供給される供給口と、解繊物を排出する排出口と、供給口と排出口との間に位置する解繊室の内面に設けられた固定部と、解繊室に配置され、固定部に対向し回転軸から離れる方向に突出した複数の刃部を備える回転部と、解繊室と排出口とを連通させる円錐状の連通部であって、円錐状の頂部が解繊室よりも排出口側に位置する装置である。さらに、本実施形態にかかるシート製造装置の刃部は、回転軸方向に接する部分を有すると共に、回転方向における位置が異なっている。
まず、シート製造装置の構成について説明する。なお、本実施形態のシート製造装置1bの基本的な構成は第1実施形態にかかるシート製造装置1の構成と同様なので説明を省略し、異なる部分、すなわち、解繊部30bの構成について説明する。
図10は、解繊部の構成を示す概略図であり、図11は回転プレートの構成を示す斜視図である。図10に示すように、シート製造装置1bの解繊部30bは、回転部310bを備えている。なお、本実施形態にかかる解繊部30bは、第1実施形態における解繊部30の構成と同様にして供給口301、排出口302、解繊室305、固定部390及び連通部370(370a,370b)等を備えている。なお、これらの具体的な構成は第1実施形態と同様なので説明を省略する(図2参照)。
図10に示すように、回転部310bは、回転軸380に支持され、固定部390に対向し回転軸380から離れる方向に突出した複数の刃部311bを備えている。なお、刃部311bの回転軸方向における長さは、所望の繊維長よりも長くなるように構成される。
回転軸380は、例えば、ベアリング(軸受け)によって両持ちに懸架され、駆動機構により自在に回転することができる。このような駆動機構としては、モーターにより直接回転軸380を回転させる機構や、ベルト及びプーリー、チェーン及びスプロケット、又はギア等の動力伝達装置を介して回転軸380を回転させる機構等が挙げられる。そして、回転軸380が回転することにより回転部310bが回転するように構成されている。
回転部310bは、回転軸380から離れる方向に突出した複数の刃部311bを備えている。なお、本実施形態の刃部311bは、回転軸方向に接する部分を有すると共に、回転方向における位置が異なっている。本実施形態の刃部311bの頂部は鋸歯状に尖った部分を有している。
本実施形態の回転部310bは、回転軸380から離れる方向に突出した突出部316を備えた板状部材としての回転プレート312を複数有している。図11に示すように、回転プレート312(312d)は、板状の部材であり、回転中心R側に位置する基部313と、基部313から回転中心Rから離れる方向に突出する複数の突出部316とを備えている。
回転プレート312dは、図11に示すように、突出部316の側面316a(刃部311bの対向面330bを構成する面)は平坦面を有している。これにより、複数の回転プレート312dの突出部316の側面316aを揃えて積層することにより、刃部311bの対向面330bにおいて平坦面を形成することができる。
また、突出部316の頂部は先端部が尖った尖部316dを有している。本実施形態での尖部316dは、回転プレート312dを回転中心Rに交差する方向からみたときに、突出部316の頂部が一方側から他方側に斜めとなる斜面を有している。これにより、複数の回転プレート312dを積層することにより、刃部311bの頂部には回転方向における位置が異なる刃部311bが形成される。この斜面は平面でなくても、エッジが形成されていれば曲面でもよい。
なお、回転プレート312(312d)の他の構成、例えば、材質、形状、積層方法、基部313、仕切り板395等の構成については、第1実施形態の構成と同様なので説明を省略する。
次に、解繊部の動作について説明する(図2及び図10参照)。解繊部30bは、回転軸380を回転させることによって回転部310bを回転させ、回転部310bと固定部390との間のギャップGに被解繊物を気流によって導くことにより、被解繊物を乾式解繊処理することができる。
具体的には、供給口301から被解繊物が解繊部30b内部に供給されると、被解繊物は羽根板340を介して解繊室305に流動される。解繊室305に流動された被解繊物は回転する回転部310bの対向面330bに衝突する。そして、回転部310aの回転により回転方向に高速な気流が発生し、当該気流によって被解繊物が回転部310bと固定部390との間のギャップGに流動される。固定部390の回転中心R側の表面には凹凸が形成されているため、気流によって被解繊物が凹凸に衝突し、被解繊物が解繊される。さらに、本実施形態では、固定部390の凹部の回転流や、回転部310b(刃部311b)が通過した後に発生する渦流により被解繊物は再度巻き込まれ、回転部310bの刃部311bの頂部は尖部316dを有しているため、被解繊物が尖部316dに衝突し、さらに解繊が促進される。
そして、解繊室305において解繊された解繊物は気流によって連通部370b側に流動される。ここで、連通部370bは円錐状部をもち、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した側面372を有している。したがって、連通部370bの内部空間(回転部310bと側面372との間の回転軸380に沿った方向の空間)の広さは、回転軸380から離れる方向に向けて狭くなっていく。すなわち、図2において 、回転部310bから連通部370bの側面372までの回転軸380に沿った方向の長さは、回転軸380から離れるにしたがって短くなっていく。従って、連通部370bにおける回転軸380から離れた領域、すなわち、回転部310bと連通部370bの側面372とによる狭い空間では、回転による遠心力から気圧が回転軸380側の領域(空間)よりも高く、解繊物が解繊室305から移動しづらくなる。未解繊物や比較的大きい解繊物は回転部310bの回転の遠心力により、回転軸380から離れた領域に流動されるので排出されづらく、より解繊処理が行われる。一方、比較的小さく解繊された解繊物は空気抵抗により回転部310bの回転の遠心力が小さいため、回転軸380に近い側の領域に流動されるとともに排出口302から解繊物として排出される。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
解繊部30bでは、回転部310bの刃部311bの頂部には尖部316dが設けられており、被解繊物と衝突するエッジ部が増えるため、解繊効率を高めることができる。また、連通部370bは円錐状部をもち、回転軸380に沿った断面視において、回転軸380に向けて傾斜した面を有するため、遠心力と空気抵抗により、解繊物の大きさによる異なる解繊作用機能を有し、比較的大きい解繊物はさらに解繊され、所定の大きさに解繊された解繊物のみを排出口302から排出させることができる。すなわち、解繊効率を上げ、ばらつきを低減させることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。なお、上記実施形態及び変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)第3実施形態では、回転部310bの刃部311bの対向面330bが平坦面となるように複数の回転プレート312dを積層したが、これに限定されない。例えば、複数の回転プレート312dを回転軸380の周方向に互いに角度をずらした状態で積層した構成であってもよい。すなわち、刃部311bの対向面330bが平坦面でなくてもよい。図12は変形例にかかる解繊部の構成を示す概略図である。
図12(a)に示すように、回転部310cの刃部311bの対向面330cが回転軸380に対して交差するように複数の回転プレート312dを積層した構成であってもよい。すなわち、刃部311bの頂部方向に見た場合に、回転部310cの刃部311bの対向面330cが斜め形状に構成されている。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
また、図12(b)に示すように、回転部310dの刃部311bの対向面330dに細かい凹凸がジグザグ状に構成されるように複数の回転プレート312dを積層した構成であってもよい。このようにすれば、対向面330dにおけるエッジ部が増加するため、さらに解繊効率を向上させることができる。
また、図12(c)に示すように、回転部310eの刃部311bの対向面330eが波形状に構成されるように複数の回転プレート312dを積層した構成であってもよい。このようにすれば、対向面330eにおけるエッジ部が増加するため、さらに解繊効率を向上させることができる。
なお、上記の回転部310c,310d,310eにおける突出部316をずらして積層する場合のずらす方向は、回転方向に関わらず任意であり、被解繊物の種類やその他の条件に合わせて適宜設定すればよい。
(変形例2)第1から第3実施形態における解繊部30,30a,30bはシート製造装置1,1a,1bに含まれた構成であったが、これに限定されない。例えば、解繊部30,30a,30bを単体の解繊機として適用してもよい。すなわち、解繊機は、原料が供給される供給口と、解繊物を排出する排出口と、供給口と排出口との間に位置する解繊室の内面に設けられた固定部と、解繊室に配置され、固定部に対向し回転軸から離れる方向に突出した複数の刃部を備える回転部と、解繊室と排出口とを連通させる円錐状の連通部であって、円錐状の頂部が解繊室よりも排出口側に位置するものであればよい。このようにしても、繊維を含む原料に対する解繊効率を向上させることができる。