JP2016184900A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】通過帯域の広帯域化に対応した低損失の弾性表面波フィルタを提供する。
【解決手段】本発明に係るラダー型の弾性表面波フィルタ10は、LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、当該圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される直列共振子および並列共振子を有し、通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、並列共振子のバルク波放射のカットオフ周波数が通過帯域よりも高周波側にある。
【選択図】図4B

Description

本発明は、リーキー波を利用した弾性表面波フィルタに関する。
通信機器などのRF(Radio Frequency)回路に使用される帯域フィルタとして、弾性表面波フィルタが実用化されている。無線通信のための周波数資源を有効活用するという観点から、携帯電話機などの通信帯域として、多様な周波数帯域が割り当てられる。このため、弾性表面波フィルタは、多様な周波数仕様に応じて設計開発される。
特許文献1には、2GHz以上の高周波帯域に適用可能な弾性表面波素子が開示されている。具体的には、圧電基板上に形成されたIDT(Interdigital Transducer)電極のパラメータの好適な範囲として、膜厚が7.5%λ〜8%λ(λはIDT電極ピッチ)であり、かつ、ライン占有率(デューティー比)が0.55〜0.65であることが規定されている。圧電基板には、45〜46°YカットX伝搬のタンタル酸リチウム単結晶が用いられている。そして、リーキー波を利用することにより、周波数帯域が2GHz以上の高周波帯域であっても通過帯域における低損失性が実現される。
特開2013−102418号公報
特許文献1に開示された弾性表面波素子では、通過帯域における低損失性を実現するため、弾性表面波素子を構成する共振子の共振周波数から反共振周波数までの伝搬損失が小さくなるように、IDT電極のパラメータである膜厚およびライン占有率が規定されている。通過帯域幅が2.3%程度のような狭帯域仕様である場合、特許文献1のように、共振子の共振点〜反共振点の伝搬損失が小さくなるようにすれば、弾性表面波フィルタの通過帯域における低損失性を実現できる。
しかしながら、通過帯域幅が、比帯域(通過帯域幅/中心周波数)換算で、例えば3%以上のような広帯域仕様である場合、通過帯域全域における弾性表面波フィルタの伝搬性能は、共振子の共振点〜反共振点の伝搬損失だけでは決まらない。つまり、通過帯域の広帯域化が進行するほど、共振子の共振点〜反共振点の伝搬損失を低減させるだけでは弾性表面波フィルタの低損失性を確保できないという課題がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、通過帯域の広帯域化に対応した低損失の弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る弾性表面波フィルタは、LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される直列共振子および並列共振子を有するラダー型の弾性表面波フィルタであって、前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記並列共振子のバルク波放射が増加するカットオフ周波数が前記通過帯域よりも高周波側にある。
これにより、並列共振子の反共振周波数より高周波側でのバルク波放射が増加するカットオフ周波数を、フィルタ通過帯域より高周波側に外すことができるため、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、前記比帯域が3.0%以上であってもよい。
これにより、ラダー型弾性表面波フィルタにおける共振子の共振Q値、反共振Q値、および温度特性などの基本特性を満たすことが可能なデューティー比の範囲において、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、前記並列共振子の前記櫛形電極を構成する複数の電極指の繰り返しピッチに対する当該櫛形電極の膜厚の割合である規格化膜厚が9.0%以上13.0%以下であり、かつ、前記複数の電極指のライン幅とスペース幅との加算値に対する前記ライン幅の割合であるデューティー比が0.3以上0.8以下であってもよい。
また、前記規格化膜厚および前記デューティー比が、図10に示した領域Aの範囲にあってもよい。
これらで規定された範囲の規格化膜厚およびデューティー比を選択することにより、上記カットオフ周波数を、フィルタ通過帯域より高周波側に外すことができるため、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る弾性表面波フィルタは、LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される直列共振子および並列共振子を有するラダー型の弾性表面波フィルタであって、前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記並列共振子のバルク波放射が増加するカットオフ周波数より高周波側のリターンロスが1.0dB以下である。
これにより、並列共振子の反共振周波数より高周波側の周波数領域において、バルク波放射が増加するカットオフ周波数より高周波側のリターンロスを十分に小さくできるので、上記カットオフ周波数が通過帯域内に存在する場合であっても、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、前記比帯域が4.0%以上であってもよい。
また、前記並列共振子の前記櫛形電極を構成する複数の電極指の繰り返しピッチに対する当該櫛形電極の膜厚の割合である規格化膜厚が10.3%以上13.0%以下であり、かつ、前記複数の電極指のライン幅とスペース幅との加算値に対する前記ライン幅の割合であるデューティー比が0.3以上0.8以下であってもよい。
また、前記規格化膜厚および前記デューティー比が、図10に示した領域Bの範囲にあってもよい。
これらで規定された範囲の規格化膜厚およびデューティー比を選択することにより、上記カットオフ周波数より高周波側のリターンロスを十分に小さくできるので、当該カットオフ周波数が通過帯域内に存在する場合であっても、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る弾性表面波フィルタは、LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される共振子を有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタであって、前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記共振子のバルク波放射が増加するカットオフ周波数が前記通過帯域よりも高周波側にある。
これにより、縦結合共振子型の弾性表面波フィルタにおいて、共振子の反共振周波数より高周波側でのバルク波放射のカットオフ周波数を、フィルタ通過帯域より高周波側に外すことができるため、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、本発明の一態様に係る弾性表面波フィルタは、LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される共振子を有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタであって、前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記共振子のバルク波放射ロスが増加するカットオフ周波数より高周波側のリターンロスが1.0dB以下である。
これにより、縦結合共振子型の弾性表面波フィルタにおいて、共振子の反共振周波数より高周波側でのバルク波放射のカットオフ周波数より高周波側のリターンロスを十分に小さくできるので、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
本発明に係る弾性表面波フィルタによれば、通過帯域が広帯域化された場合においても、通過帯域内の低損失性を実現できる。
実施例1に係る弾性表面波フィルタの回路構成図である。 実施例1に係る弾性表面波フィルタの共振子を模式的に表す平面図および断面図である。 実施例1および比較例1に係る弾性表面波フィルタの通過特性を比較したグラフである。 実施例1および比較例1に係る並列共振子のインピーダンスの周波数特性を比較したグラフである。 実施例1および比較例1に係る並列共振子のリターンロスの周波数特性を比較したグラフである。 規格化膜厚およびデューティー比とバルク波放射のカットオフ周波数との相関関係を表すグラフである。 実施例2に係る弾性表面波フィルタの回路構成図である。 実施例2および比較例2に係るに係る弾性表面波フィルタの通過特性を示すグラフである。 実施例2および比較例2に係る並列共振子のインピーダンスの周波数特性を比較したグラフである。 実施例2および比較例2に係る並列共振子のリターンロスの周波数特性を比較したグラフである。 規格化膜厚およびデューティー比とリターンロスとの相関関係を表すグラフである。 実施の形態に係る弾性表面波フィルタの規格化膜厚およびデューティー比の好適範囲を示すグラフである。 実施例3に係る弾性表面波フィルタの平面概略図である。 実施例3および比較例3に係る弾性表面波フィルタの通過特性を比較したグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、実施例およびその図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。
(1.実施例1)
[1−1.弾性表面波フィルタの基本構成]
本発明の実施例1に係る弾性表面波フィルタの基本構成について説明する。本実施例では、TD−LTE(Time Division Long Term Evolution)規格のBand41 NarrowBand−Filter(通過帯域:2555−2655MHz、比帯域:3.84%)に適用される帯域通過型の弾性表面波フィルタについて例示する。なお、本明細書において、比帯域とは、通過帯域Bを中心周波数fで除した値(Bw/f)と定義される。
図1は、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10の回路構成図である。同図に示すように、弾性表面波フィルタ10は、直列共振子101〜105と、並列共振子201〜204と、整合インダクタンス301および302と、入力端子701および出力端子702とを備える。
直列共振子101〜105は、入力端子701と出力端子702との間に互いに直列に接続されている。また、並列共振子201〜204は、入力端子701、出力端子702および直列共振子101〜105の各接続点と基準端子(グランド)との間に並列に接続されている。直列共振子101〜105および並列共振子201〜204の上記接続構成により、弾性表面波フィルタ10は、ラダー型のバンドパスフィルタを構成している。また、整合インダクタンス301および302は、それぞれ、入力端子701および出力端子702と基準端子との間に接続されている。
図2は、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10の共振子を模式的に表す平面図および断面図である。同図には、弾性表面波フィルタ10を構成する複数の共振子のうち、並列共振子201の構造を表す平面摸式図および断面模式図が示されている。なお、図2に示された並列共振子201は、上記複数の共振子の典型的な構造を説明するためのものであって、電極を構成する電極指の本数や長さなどは、これに限定されない。
弾性表面波フィルタ10の各共振子は、圧電基板11と、櫛形(IDT:InterDigital Transducer)電極14aおよび14bとで構成されている。
圧電基板11は、44.5°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックス(X軸を中心軸としてY軸から44.5°回転した軸を法線とする面で切断したタンタル酸リチウム単結晶またはセラミックスであって、X軸方向に弾性表面波が伝搬する単結晶またはセラミックス)からなる。
図2の平面図に示すように、圧電基板11の上には、互いに対向する一対のIDT電極14aおよび14bが形成されている。IDT電極14aは、互いに平行な複数の電極指140aと、複数の電極指140aを接続するバスバー電極141aとで構成されている。また、IDT電極14bは、互いに平行な複数の電極指140bと、複数の電極指140bを接続するバスバー電極141bとで構成されている。複数の電極指140aおよび140bは、X軸方向と直交する方向に沿って形成されている。
また、複数の電極指140aおよび140b、ならびに、バスバー電極141aおよび141bは、図2の断面図に示すように、密着層12と主電極13との積層構造となっている。密着層12は、圧電基板11と主電極13との密着性を向上させるための層であり、材料として、例えば、Tiが用いられる。また、主電極13は、材料として、例えば、Alが用いられる。なお、主電極13および密着層12を構成する材料は、上述した金属材料に限定されない。さらに、IDT電極14aおよび14bは、密着層12と主電極13との積層構造でなくてもよい。IDT電極14aおよび14bは、例えば、Ti、Al、Cu、Pt、Au,Ag、Pdなどの金属又は合金から構成されてもよく、また、上記の金属又は合金から構成される複数の積層体から構成されてもよい。また、圧電基板11上に、電極保護または特性改善を目的として、密着層12および主電極13を覆う誘電体膜が形成されていてもよい。
本発明に係る弾性表面波フィルタの要部特徴は、通過帯域が広帯域化されても低損失性が確保されるIDT電極のパラメータの好適な範囲が規定されることである。ここで、IDT電極のパラメータとは、規格化膜厚およびデューティー比である。規格化膜厚は、図2に示すIDT電極14aおよび14bの膜厚をhとし、IDT電極14aまたは14bのピッチをλとした場合、h/λで定義される。また、デューティー比は、複数の電極指140aおよび140bのライン幅占有率であり、複数の電極指140aおよび140bのライン幅とスペース幅との加算値に対する当該ライン幅の割合である。より具体的には、デューティー比は、IDT電極14aおよび14bを構成する電極指140aおよび140bのライン幅をWとし、隣り合う電極指140aと電極指140bとの間のスペース幅をSとした場合、W/(W+S)で定義される。
なお、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10の規格化膜厚は、例えば、h/λ=10.3%であり、デューティー比は0.60である。
表1に、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10の直列共振子101〜105、並列共振子201〜204、ならびに整合インダクタンス301および302の設計パラメータ(容量および波長)の詳細を示す。
Figure 2016184900
上記表1に示された各共振子の波長は、図2で示したIDT電極14aまたは14bのピッチλにより決定される。また、表1に示された各共振子の容量は、電極指140aおよび140bの長さ、スペース幅S、ライン幅Wおよび圧電基板11の誘電率などにより決定される。
なお、実施例1では、9個の共振子によりT型のラダー型フィルタを構成しているが、π型のラダー型フィルタを構成してもよい。また、共振子の数は9個に限らない。
[1−2.弾性表面波フィルタの動作原理]
次に、本実施の形態に係るラダー型の弾性表面波フィルタの動作原理について説明する。
並列共振子201〜204は、それぞれ、共振特性において共振周波数frpおよび反共振周波数fap(>frp)を有している。また、直列共振子101〜105は、それぞれ、共振特性において共振周波数frsおよび反共振周波数fas(>frs>frp)を有している。なお、直列共振子101〜105の共振周波数frsは、略一致しているが、表1に示されたように各共振子の設計パラメータが異なることから、必ずしも一致していなくてもよい。また、直列共振子101〜105の反共振周波数fas、並列共振子201〜204の共振周波数frp、および、並列共振子201〜204の反共振周波数fapについても同様であり、必ずしも一致していなくてもよい。
ラダー型の共振子によりバンドパスフィルタを構成するにあたり、並列共振子201〜204の反共振周波数fapと直列共振子101〜105の共振周波数frsとを近接させる。これにより、並列共振子201〜204のインピーダンスが0に近づく共振周波数frp近傍は、低域側阻止域となる。また、これより周波数が増加すると、反共振周波数fap近傍で並列共振子201〜204のインピーダンスが高くなり、かつ、共振周波数frs近傍で直列共振子101〜105のインピーダンスが0に近づく。これにより、反共振周波数fap〜共振周波数frsの近傍では、入力端子701から出力端子702への信号経路において信号通過域となる。さらに、周波数が高くなり、反共振周波数fas近傍になると、直列共振子101〜105のインピーダンスが高くなり、高周波側阻止域となる。
図1および図2に示された上記構造および上記動作原理を有する弾性表面波フィルタ10において、入力端子701から高周波信号が入力されると、入力端子701と基準端子との間で電位差が生じ、これにより、圧電基板11が歪むことでX方向に伝搬する弾性表面波が発生する。ここで、IDT電極14aおよび14bのピッチλと、通過帯域の波長とを略一致させておくことにより、通過させたい周波数成分を有する高周波信号のみが弾性表面波フィルタ10を通過する。
[1−3.弾性表面波フィルタの通過特性]
図3は、実施例1および比較例1に係る弾性表面波フィルタの通過特性を比較したグラフである。同図のグラフには、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10(規格化膜厚h/λ=10.2%)、および、比較例1に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.6%)についての挿入損失の周波数特性が示されている。なお、本実施例における挿入損失とは、入力端子701における入力電力に対する出力端子702における出力電力の比をデシベル表示したものである。図3の通過特性から、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10(規格化膜厚h/λ=10.2%)の方が、比較例1に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.6%)よりも、通過帯域内の高周波側において低損失化できていることがわかる。この要因について、図4Aおよび図4Bを用いて説明する。
図4Aは、実施例1および比較例1に係る並列共振子201のインピーダンスの周波数特性を比較したグラフである。また、図4Bは、実施例1および比較例1に係る並列共振子201のリターンロスの周波数特性を比較したグラフである。図4Aおよび図4Bでは、比較例1に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.6%)を構成している並列共振子、および、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10(規格化膜厚h/λ=10.2%)を構成している並列共振子201についての、インピーダンス(=20log|Z|)およびリターンロス(dB)を比較している。なお、本実施例におけるリターンロス(反射損失)とは、並列共振子201への入力電力に対する並列共振子201からの反射電力の比をデシベル表示したものである。
図4Aおよび図4Bから、共振周波数frp(インピーダンス極小)〜反共振周波数fap(インピーダンス極大)付近では、比較例1(規格化膜厚h/λ=9.6%)および実施例1(規格化膜厚h/λ=10.2%)のいずれの場合でも、リターンロスは約0.6dB以下であり良好な反射特性となっている。
一方、通過帯域の高域端付近である2.66GHz付近から高周波側の周波数領域では、比較例1よりも実施例1の方が、リターンロスは良好であることがわかる。この高域端付近から高周波側の周波数領域でのリターンロスの差が、通過帯域内の高周波側における挿入損失の差に大きく影響する。
反共振周波数fapより高周波側のリターンロスの劣化は、表面波の圧電基板内部への漏えい成分(バルク波放射)が増加することによるものである。発明者らは、規格化膜厚h/λが大きくなるほど、バルク波放射のカットオフ周波数(以下、fBRと記す)が、より高周波側に移動し、かつ、バルク波放射のレベルも小さくなることを見出した。ここで、バルク波放射のカットオフ周波数fBRとは、表面波の音速がバルク波の音速を超え、バルク波によるロスが増加し始める周波数と定義される。
なお、実施例1におけるカットオフ周波数fBRは、2.73GHzであり、比較例1におけるカットオフ周波数は、2.72GHzである。
[1−4.IDT電極パラメータの最適化]
従来の一般的な狭帯域の弾性表面波フィルタ(比帯域で2.3%以下)において、バルク波放射ロスのカットオフ周波数fBRは、フィルタ通過帯域よりも十分に高周波側の減衰域に存在する。そのため、フィルタの挿入損失は、当該フィルタを構成する共振子の共振周波数〜反共振周波数の損失でほぼ決まり、規格化膜厚h/λの好適範囲は7.5〜8.0%であり、かつ、デューティー比の好適範囲は0.55〜0.65にあるとされている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、弾性表面波フィルタが広帯域化されていくにしたがい、バルク波放射のカットオフ周波数fBRが通過帯域内に存在するようになり、これにより通過帯域における挿入損失が劣化する。
この観点から、弾性表面波フィルタの通過帯域における挿入損失を低減するためには、共振子の共振周波数〜反共振周波数における伝搬損失の低減に加えて、特に、並列共振子におけるバルク波放射の影響を考慮した規格化膜厚およびデューティー比の設定が必要となる。
図5は、規格化膜厚およびデューティー比とバルク波放射のカットオフ周波数fBRとの相関関係を表すグラフである。具体的には、図5のグラフは、規格化膜厚およびデューティー比を変化させた場合に、バルク波放射のカットオフ周波数fBRと並列共振子201の反共振周波数fapとの周波数間隔(fBR−fap)がどのように変化するかを有限要素法シミュレーションにて解析した結果を表している。
図5に示すように、デューティー比(0.30〜0.80)を一定としてグラフを見た場合、規格化膜厚h/λが大きくなるほど周波数間隔(fBR−fap)は広くなっていく。また、規格化膜厚h/λ(8.0〜14.2)を一定として見た場合、デューティー比が大きくなるほど周波数間隔(fBR−fap)は広くなっていく。これにより、デューティー比および規格化膜厚h/λが大きいほど、バルク波放射のカットオフ周波数fBRは、より高周波側へとシフトしていくことがわかる。
なお、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10(比帯域が3.84%)の場合、バルク波放射のカットオフ周波数fBRを、通過帯域よりも高周波側の減衰域に外すことができる周波数間隔(fBR−fap)は、130MHz以上である。この周波数間隔(fBR−fap)は、弾性表面波フィルタ10の比帯域により変化する。例えば、比帯域が4%である弾性表面波フィルタの周波数間隔(fBR−fap)は、約155MHzであり、比帯域が5%の場合には約195MHzであり、比帯域が6%の場合には約235MHzである。つまり、弾性表面波フィルタの帯域幅Bが広くなるにつれて、周波数間隔(fBR−fap)を広く設定する必要がある。
なお、図5のグラフには、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10(規格化膜厚h/λ=10.2%)をプロットした点(二重丸)、および、比較例1に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.6%)をプロットした点(二重三角)が示されている。
また、上述したように、規格化膜厚やデューティー比を大きくすることにより、通過帯域内におけるバルク波放射による損失の影響は小さくできるが、一方で、各共振子の共振Q値、反共振Q値、および温度特性が悪化するという傾向がある。さらに、製造工程におけるIDT電極の加工精度を確保するため、規格化膜厚およびデューティー比には上限および下限が設定される。これらの観点から、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10の規格化膜厚h/λは、8%以上かつ14%以下で設定されることが好ましく、また、デューティー比は0.30以上かつ0.80以下で設定されることが好ましい。
以上、弾性表面波フィルタの比帯域が2.3%程度より広くなるほど、通過帯域の挿入損失は共振子の共振周波数〜反共振周波数の伝搬損失だけで決まらず、反共振周波数より高周波側でのバルク波放射による損失が大きく影響してくる。
これに対して、本実施例に係るラダー型の弾性表面波フィルタ10は、44.5°YカットX伝搬LiTaO単結晶からなる圧電基板11を伝搬するリーキー波を利用し、圧電基板11上に2つのIDT電極14aおよび14bを対向させて形成された直列共振子101〜105および並列共振子201〜204を有し、比帯域が2.5%以上であって、並列共振子201のバルク波放射のカットオフ周波数fBRが通過帯域よりも高周波側にあることを特徴としている。
これにより、並列共振子201の反共振周波数fapより高周波側でのバルク波放射のカットオフの周波数fBRを、フィルタ通過帯域より高周波側に外すことができるため、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
なお、本実施例に係る圧電基板11は、44.5°YカットX伝搬LiTaO単結晶を使用したものであるが、単結晶材料のカット角はこれに限定されない。つまり、LiTaO基板を圧電基板として用い、リーキー弾性表面波を利用し、2.5%以上の比帯域において、並列共振子のバルク波放射のカットオフ周波数fBRが通過帯域よりも高周波側にある弾性表面波フィルタの圧電基板のカット角は、44.5°Yであることに限定されない。上記以外のカット角を有するLiTaO圧電基板を用いた弾性表面波フィルタであっても、同様の効果を奏することが可能となる。
(2.実施例2)
本実施例では、実施例1と比較して、実施例1よりもさらに比帯域が大きい弾性表面波フィルタの規格化膜厚およびデューティー比の好適化条件について説明する。
[2−1.弾性表面波フィルタの基本構成]
本発明の実施例2に係る弾性表面波フィルタの基本構成について説明する。本実施例では、TD−LTE規格のBand41 FullBand−Filter(通過帯域:2496-2690MHz、比帯域:7.46%)に適用される帯域通過型の弾性表面波フィルタについて例示する。
図6は、実施例2に係る弾性表面波フィルタ20の回路構成図である。同図に示すように、弾性表面波フィルタ20は、ラダー型回路10Aと、ラダー型回路10Bと、整合インダクタンス303、304および305と、入力端子801、中間端子802および出力端子803とを備える。ラダー型回路10Aは、直列共振子111および112と、並列共振子211〜213とを備える。ラダー型回路10Bは、直列共振子121および122と、並列共振子221〜223とを備える。
ラダー型回路10Aとラダー型回路10Bとは、中間端子802を介して直列に接続されている。直列共振子111、112、121および122は、入力端子801と出力端子803との間に互いに直列に接続されている。また、並列共振子211、212、213、221、222および223は、入力端子801、中間端子802、出力端子803、直列共振子111、112、121および122の接続点と基準端子(グランド)との間に並列に接続されている。本接続構成により、弾性表面波フィルタ20は、ラダー型のバンドパスフィルタを構成している。また、整合インダクタンス303〜305は、それぞれ、入力端子801、中間端子802および出力端子803と基準端子との間に接続されている。
各共振子を構成するIDT電極および圧電基板の基本構成は、図1で示したものと同様である。具体的には、圧電基板11の上には、互いに対向する一対のIDT電極14aおよび14bが形成されている。圧電基板11は、44.5°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックスからなる。また、IDT電極の積層構造は、実施例1と同様である。
なお、実施例2に係る弾性表面波フィルタ20の規格化膜厚は、例えば、h/λ=10.5%(実施例2A)および11.5%(実施例2B)であり、デューティー比は0.60である。
表2に、実施例2に係る弾性表面波フィルタ20の直列共振子111、112、121および122、並列共振子211、212、213、221、222および223、ならびに整合インダクタンス303、304および305の設計パラメータ(容量および波長)の詳細を示す。
Figure 2016184900
上記表2に示された各共振子の波長は、図2で示したIDT電極14aまたは14bのピッチλにより決定される。また、表2に示された各共振子の容量は、電極指140aおよび140bの長さ、スペース幅S、ライン幅Wおよび圧電基板11の誘電率などにより決定される。
なお、実施例2では、ラダー型回路10Aおよびラダー型回路10Bは、π型のラダー型回路を構成しているが、T型のラダー型回路を構成してもよい。また、ラダー型回路を3段以上接続してもよい。
[2−2.弾性表面波フィルタの動作原理]
本実施例に係るラダー型の弾性表面波フィルタの動作原理は、実施例1に係るラダー型の弾性表面波フィルタの動作原理と同様であるため、説明を省略する。
図6に示された構成を有する弾性表面波フィルタ20において、入力端子801から高周波信号を入力すると、入力端子801と基準端子との間で電位差が生じ、これにより、圧電基板11が歪むことでX方向に伝搬する弾性表面波が発生する。ここで、IDT電極14aおよび14bのピッチλと、通過帯域の波長とを略一致させておくことにより、通過させたい周波数成分を有する高周波信号のみが弾性表面波フィルタ20を通過する。
[2−3.弾性表面波フィルタの通過特性]
図7は、実施例2および比較例2に係る弾性表面波フィルタの通過特性を比較したグラフである。同図のグラフには、実施例2Aに係る弾性表面波フィルタ20(規格化膜厚h/λ=10.5%)、実施例2Bに係る弾性表面波フィルタ20(規格化膜厚h/λ=11.5%)、および、比較例2に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.5%)の挿入損失の周波数特性が比較されている。なお、本実施例における挿入損失とは、入力端子801における入力電力に対する出力端子803における出力電力の比をデシベル表示したものである。図7の通過特性から、実施例2Aおよび実施例2Bに係る弾性表面波フィルタ20(規格化膜厚h/λが10.5%以上)の方が、比較例2に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.5%)よりも、通過帯域内の高周波側において低損失化できていることがわかる。この要因について、図8Aおよび図8Bを用いて説明する。
図8Aは、実施例2および比較例2に係る並列共振子211のインピーダンスの周波数特性を比較したグラフである。また、図8Bは、実施例2および比較例2に係る並列共振子211のリターンロスの周波数特性を比較したグラフである。図8Aおよび図8Bでは、比較例2に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.5%)を構成している並列共振子、実施例2Aに係る弾性表面波フィルタ20(規格化膜厚h/λ=10.5%)を構成している並列共振子211、および、実施例2Bに係る弾性表面波フィルタ20(規格化膜厚h/λ=11.5%)を構成している並列共振子211についての、インピーダンス(=20log|Z|)およびリターンロス(dB)を比較している。なお、本実施例におけるリターンロス(反射損失)とは、並列共振子211への入力電力に対する並列共振子211からの反射電力の比をデシベル表示したものである。
図8Bに示すように、規格化膜厚h/λが大きくなるにつれて、バルク波放射のカットオフ周波数fBRが高周波側に移動するだけでなく、規格化膜厚h/λが大きくなるにつれて、カットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスが良化していることがわかる。
本実施例に係る弾性表面波フィルタ20は、比帯域が7.46%であり、実施例1に係る弾性表面波フィルタ10(比帯域3.84%)と比較して、さらに広帯域化されている。このため、並列共振子211のバルク波放射のカットオフ周波数fBRを通過帯域の高周波側に外すためには、当該カットオフ周波数fBRと並列共振子211の反共振周波数fapとの周波数間隔(fBR−fap)は、約310MHz必要となる。この周波数間隔を確保するための規格化膜厚およびデューティー比の好適条件を取得することは困難である。
しかしながら、本実施例に係る弾性表面波フィルタ20では、バルク波放射のカットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスを低減させることで、カットオフ周波数fBRが通過帯域内にあっても、通過帯域の挿入損失を低減させることが可能となる。
なお、実施例2Aにおけるカットオフ周波数fBRは、2.62GHzであり、実施例2Bにおけるカットオフ周波数fBRは、2.64GHzであり、比較例2におけるカットオフ周波数は、2.60GHzである。
[2−4.IDT電極パラメータの最適化]
従来の一般的な狭帯域の弾性表面波フィルタ(比帯域で2.3%以下)において、バルク波放射のカットオフ周波数fBRは、フィルタ通過帯域よりも十分に高周波側の減衰域にある。そのため、フィルタの挿入損失は、当該フィルタを構成する共振子の共振周波数〜反共振周波数の損失でほぼ決まり、規格化膜厚h/λの好適範囲は7.5〜8.0%であり、かつ、デューティー比の好適範囲は0.55〜0.65にあるとされている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、弾性表面波フィルタが広帯域化されていくにしたがい、バルク波放射のカットオフ周波数fBRが通過帯域内に存在するようになり、これにより通過帯域における挿入損失が劣化する。
この観点から、弾性表面波フィルタの通過帯域における挿入損失を低減するためには、共振子の共振周波数〜反共振周波数における伝搬損失の低減に加えて、バルク波放射による損失の影響を考慮した規格化膜厚およびデューティー比の好適化が必要となる。
図9は、規格化膜厚およびデューティー比とリターンロスとの相関関係を表すグラフである。具体的には、図9のグラフは、規格化膜厚およびデューティー比を変化させた場合に、並列共振子211のバルク波放射のカットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスがどのように変化するかを有限要素法シミュレーションにて解析した結果を表している。
図9に示すように、デューティー比(0.30〜0.80)を一定としてグラフを見た場合、規格化膜厚h/λが大きくなるほど、カットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスは小さくなっていく。また、規格化膜厚h/λ(8.0〜14.2)を一定として見た場合、デューティー比が大きくなるほど、カットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスは小さくなっていく。これにより、デューティー比および規格化膜厚h/λが大きいほど、カットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスを低減させることが可能となる。
なお、図9のグラフには、実施例2Aおよび2Bに係る弾性表面波フィルタ20(規格化膜厚h/λ=10.5%および11.5%)をプロットした点(二重丸)、および、比較例2に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.5%)をプロットした点(二重三角)が示されている。
なお、上述したように、規格化膜厚やデューティー比を大きくすることにより、通過帯域内におけるバルク波放射による損失の影響は小さくできるが、本実施例においても実施例1と同様の観点から、規格化膜厚およびデューティー比には上限および下限が設定される。つまり、実施例2に係る弾性表面波フィルタ20の規格化膜厚h/λは、8%以上かつ14%以下で設定されることが好ましく、また、デューティー比は0.30以上かつ0.80以下で設定されることが好ましい。
以上、弾性表面波フィルタの比帯域が2.3%程度より広くなるほど、通過帯域の挿入損失は共振子の共振周波数〜反共振周波数の伝搬損失だけで決まらず、反共振周波数より高周波側でのバルク波放射による損失が大きく影響してくる。
これに対して、本実施例に係るラダー型の弾性表面波フィルタ20は、44.5°YカットX伝搬LiTaO単結晶からなる圧電基板11を伝搬するリーキー波を利用し、圧電基板11上に2つのIDT電極14aおよび14bを対向させて形成された直列共振子111、112、121および122ならびに並列共振子211〜213および221〜223を有し、比帯域が2.5%以上であって、並列共振子211のバルク波放射のカットオフ周波数fBRよりも高周波側のリターンロスが1dB以下であることを特徴としている。
これにより、カットオフ周波数fBRより高周波側のバルク波放射による損失が低減されるので、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
なお、本実施例に係る圧電基板11は、44.5°YカットX伝搬LiTaO単結晶を使用したものであるが、単結晶材料のカット角はこれに限定されない。つまり、LiTaO基板を圧電基板として用い、リーキー弾性表面波を利用し、2.5%以上の比帯域において、並列共振子のバルク波放射のカットオフ周波数より高周波側のリターンロスが1dB以下となる弾性表面波フィルタの圧電基板のカット角は、44.5°Yであることに限定されない。上記以外のカット角を有するLiTaO圧電基板を用いた弾性表面波フィルタであっても、同様の効果を奏することが可能となる。
(3.実施例1および実施例2を総括した場合のIDT電極パラメータの最適化)
実施例1に係る弾性表面波フィルタ10の規格化膜厚およびデューティー比の好適範囲と実施例2に係る弾性表面波フィルタ20の規格化膜厚およびデューティー比の好適範囲とを総括した場合の好適化条件を、詳細に説明する。
図10は、実施の形態に係る弾性表面波フィルタの規格化膜厚およびデューティー比の好適範囲を示すグラフである。同図には、広帯域化に対応すべく、バルク波放射の影響を低減する弾性表面波フィルタのIDT電極の規格化膜厚およびデューティー比の好適範囲が表されている。図10の横軸は弾性表面波フィルタの比帯域を示し、縦軸は、デューティー比を変化させた場合の規格化膜厚を示している。
図10に示すように、弾性表面波フィルタの比帯域の大きさにより規格化膜厚の好適値は異なり、規格化膜厚およびデューティー比の好適範囲は、大きく3つの比帯域範囲(範囲1〜範囲3)ごとに規定される。
範囲1は、弾性表面波フィルタの比帯域が小さい(2.5%未満)場合である。この場合には、帯域幅Bに対して周波数間隔(fBR−fap)が十分に広い状態であり、従来の手法により、共振子の共振周波数〜反共振周波数の伝搬損失の影響だけを考えればよい。図10に示すように、42〜46°YカットX伝搬LiTaO圧電基板を用いた場合、規格化膜厚h/λは、約9%に好適値がある。
範囲2は、弾性表面波フィルタの比帯域が2.5〜4.0%の範囲にある場合である。この場合は実施例1に対応しており、共振子の共振周波数〜反共振周波数の伝搬損失の影響に加えて、バルク波放射のカットオフ周波数fBRを、フィルタ通過帯域よりも高周波側に外す場合である。この場合には、比帯域により規格化膜厚の好適範囲が変化し、比帯域に応じた規格化膜厚およびデューティー比は、図10に示した領域Aの範囲にある。つまり、規格化膜厚が9.0%以上13.0%以下であり、かつ、デューティー比が0.3以上0.8以下である。
なお、領域Aは、(比帯域、規格化膜厚)で表される座標A1−A4により規定してもよい。つまり、領域Aは、A1(2.5、9.0)とA2(3.3、9.0)とを結ぶ直線、A2(3.3、9.0)とA3(4.0、10.3)とを結ぶデューティー0.80の線、A3(4.0、10.3)とA4(4.0、13.0)とを結ぶ直線、およびA4(4.0、13.0)とA1(2.5、9.0)とを結ぶデューティー0.30の線で囲まれた領域である。
さらに、デューティー比を0.40〜0.70の範囲に設定するがより好ましい。その理由としては、各共振子の共振Q値、反共振Q値、および温度特性を所定性能に維持することができ、プロセスの加工精度による周波数バラツキ等を小さくできるためである。このときの領域Aは、比帯域3.2%以上の範囲となる。
範囲3は、弾性表面波フィルタの比帯域が4.0%以上の場合である。この場合は実施例2に対応しており、バルク波放射のカットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスが1.0dB以下となっている範囲である。この場合の好適な規格化膜厚およびデューティー比は、図10に示した領域Bの範囲にある。つまり、規格化膜厚が10.3%以上13.0%以下であり、かつ、比帯域が4.0%以上15.6%以下の範囲である。なお、デューティー比は、0.3以上0.8以下でることが好ましい。
また、規格化膜厚を13.0%以下としているのは、以下の理由によるものである。すなわち、規格化膜厚を13%より大きくすると、弾性表面波フィルタの基本特性である共振子の共振周波数〜反共振周波数の伝搬損失が悪化してしまい、通過帯域の挿入損失が逆に悪化してしまうためである。
なお、バルク波放射のカットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスが1.0dB以下となっている実施例2の特徴を実現する規格化膜厚およびデューティー比は、図10における領域Bであるとしたが、これに限らない。例えば、比帯域が2.5〜4.0%である範囲2においても、カットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスが1.0dB以下となっている条件を適用することにより、通過帯域の挿入損失が低減される。つまり、実施例2に係る弾性表面波フィルタ20の好適な規格化膜厚は10.3%以上13.0%以下であり、かつ、好適なデューティー比は0.30以上0.80以下であり、比帯域は2.5%以上15.6%以下であってもよい。
これにより、カットオフの周波数fBRより高周波側のバルク波放射が低減されるので、カットオフの周波数fBRが通過帯域外に存在する場合であっても、通過帯域内の高周波側における挿入損失をさらに低減させることが可能となる。
以上、本発明に係る弾性表面波フィルタによれば、比帯域が4%以下の場合には、領域Aにおける規格化膜厚およびデューティー比を適用することにより、並列共振子の反共振周波数fapより高周波側でのバルク波放射のカットオフの周波数fBRを、フィルタ通過帯域より高周波側に外すことができるため、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
また、比帯域が4%以上の場合には、並列共振子におけるカットオフの周波数fBRより高周波側のリターンロスが1dB以下となりバルク波放射が低減されるので、カットオフの周波数fBRが通過帯域内に存在する場合であっても、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
(4.実施例3)
本実施例では、縦結合型の弾性表面波フィルタの低損失化について説明する。
[4−1.弾性表面波フィルタの基本構成]
本発明の実施例3に係る弾性表面波フィルタの基本構成について説明する。本実施例では、Band28(通過帯域:758−803MHz、比帯域:5.76%)に適用される帯域通過型の弾性表面波フィルタを例示する。
図11は、実施例3に係る弾性表面波フィルタ30の平面概略図である。同図に示すように、弾性表面波フィルタ30は、IDT501〜505と、反射器601および602と、入力端子901および出力端子902とを備える。
IDT501〜505は、それぞれ、互いに対向する一対のIDT電極で構成されている。IDT502および504は、IDT503をX軸方向に挟み込むように配置され、IDT501および505は、IDT502、503および504をX軸方向に挟み込むように配置されている。反射器601および602は、IDT501〜505をX軸方向に挟み込むように配置されている。また、IDT502および504は、入力端子901と基準端子(グランド)との間に並列接続され、IDT501、503および505は、出力端子902と基準端子との間に並列接続されている。
IDT501〜505および圧電基板の基本構成は、図2で示したものと同様である。具体的には、圧電基板の上には、互いに対向する一対のIDT電極14aおよび14bが形成されている。圧電基板は、42.0°YカットX伝搬LiTaO圧電単結晶または圧電セラミックスからなる。また、IDT電極の積層構造は、実施例1および実施例2と同様である。
また、実施例3に係る弾性表面波フィルタ30の規格化膜厚は、h/λ=10.9%であり、デューティー比は0.70である。
表3に、実施例3に係る弾性表面波フィルタ30のIDT501〜505(、ならびに、反射器601および602)の設計パラメータ(容量および波長)の詳細を示す。
Figure 2016184900
[4−2.弾性表面波フィルタの通過特性]
図12は、実施例3および比較例3に係る弾性表面波フィルタの通過特性を比較したグラフである。同図のグラフには、実施例3に係る弾性表面波フィルタ30(規格化膜厚h/λ=10.9%)、および、比較例3に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.0%)についての挿入損失の周波数特性が比較されている。図12の通過特性から、実施例3に係る弾性表面波フィルタ30(規格化膜厚h/λ=10.9%)の方が、比較例3に係る弾性表面波フィルタ(規格化膜厚h/λ=9.0%)よりも、通過帯域の高周波側において低損失化できていることがわかる。
縦結合型の弾性表面波フィルタの比帯域が従来の2.3%程度より広くなるほど、通過帯域の挿入損失は共振子の共振周波数〜反共振周波数の伝搬損失だけで決まらず、反共振周波数より高周波側でのバルク波放射による損失が大きく影響してくる。
これに対して、実施例3に係る縦結合型の弾性表面波フィルタ30は、42.0°YカットX伝搬LiTaO単結晶からなる圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、圧電基板上にIDT501〜505を有し、比帯域が2.5%以上であって、IDT501〜IDT505および圧電基板で構成される共振子のバルク波放射のカットオフ周波数fBRが通過帯域よりも高周波側にあることを特徴としている。
これにより、バルク波放射のカットオフ周波数fBRを、フィルタ通過帯域より高周波側に外すことができるため、通過帯域の高域端の挿入損失を低減させることが可能となる。
また、本実施例に係る弾性表面波フィルタ30は、上記共振子のバルク波放射ロスのカットオフ周波数fBRよりも高周波側のリターンロスが1dB以下であってもよい。
これにより、カットオフ周波数fBRより高周波側のバルク波放射ロスが低減されるので、カットオフ周波数fBRが通過帯域内に存在する場合であっても、通過帯域内の高周波側における挿入損失を低減させることが可能となる。
なお、本実施例に係る圧電基板11は、42.0°YカットX伝搬LiTaO単結晶を使用したものであるが、単結晶材料のカット角はこれに限定されない。つまり、LiTaO基板を圧電基板として用い、リーキー弾性表面波を利用し、2.5%以上の比帯域において、共振子のバルク波放射のカットオフ周波数fBRが通過帯域よりも高周波側にある弾性表面波フィルタの圧電基板のカット角は、42.0°Yであることに限定されない。また、LiTaO基板を圧電基板として用い、リーキー弾性表面波を利用し、2.5%以上の比帯域において、共振子のバルク波放射ロスのカットオフ周波数より高周波側のバルク波放射ロスが1dB以下となる弾性表面波フィルタの圧電基板のカット角は、42.0°Yであることに限定されない。上記以外のカット角を有するLiTaO圧電基板を用いた弾性表面波フィルタであっても、同様の効果を奏することが可能となる。
(5.その他の変形例など)
以上、本発明の実施の形態に係る弾性表面波フィルタついて、実施例1〜3を挙げて説明したが、本発明は、個々の実施例には限定されない。例えば、上記各実施例に次のような変形を施した態様も、本発明に含まれ得る。
例えば、実施例1では、複数の並列共振子のうち、入力端子701に最近接する並列共振子201についてのバルク波放射のカットオフ周波数fBRを抽出したが、これに限らない。つまり、並列共振子202〜204の少なくとも1つについてのカットオフの周波数fBRを抽出することにより、当該並列共振子の規格化膜厚およびデューティー比を規定してもよい。
また、例えば、実施例2では、複数の並列共振子のうち、入力端子801に最近接する並列共振子211についてのバルク波放射のカットオフ周波数fBRより高周波側のリターンロスを抽出したが、これに限らない。つまり、並列共振子212、213、221、222および223の少なくとも1つについてのカットオフの周波数fBRより高周波側のリターンロスを抽出することにより、当該並列共振子の規格化膜厚およびデューティー比を規定してもよい。
本発明は、比帯域の大きい低損失の弾性表面波フィルタとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
10、20、30 弾性表面波フィルタ
10A、10B ラダー型回路
11 圧電基板
12 密着層
13 主電極
14a、14b IDT電極
101、102、103、104、105、111、112、121、122 直列共振子
201、202、203、204、211、212、213、221、222、223 並列共振子
301、302、303、304、305 整合インダクタンス
501、502、503、504、505 IDT
601、602 反射器
701、801、901 入力端子
702、803、902 出力端子
802 中間端子

Claims (10)

  1. LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される直列共振子および並列共振子を有するラダー型の弾性表面波フィルタであって、
    前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記並列共振子のバルク波放射が増加するカットオフ周波数が前記通過帯域よりも高周波側にある
    弾性表面波フィルタ。
  2. 前記比帯域が3.0%以上である
    請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 前記並列共振子の前記櫛形電極を構成する複数の電極指の繰り返しピッチに対する当該櫛形電極の膜厚の割合である規格化膜厚が9.0%以上13.0%以下であり、かつ、前記複数の電極指のライン幅とスペース幅との加算値に対する前記ライン幅の割合であるデューティー比が0.3以上0.8以下である
    請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  4. 前記規格化膜厚および前記デューティー比が、図10に示した領域Aの範囲にある
    請求項3に記載の弾性表面波フィルタ。
  5. LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される直列共振子および並列共振子を有するラダー型の弾性表面波フィルタであって、
    前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記並列共振子のバルク波放射が増加するカットオフ周波数より高周波側のリターンロスが1.0dB以下である
    弾性表面波フィルタ。
  6. 前記比帯域が4.0%以上である
    請求項5に記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 前記並列共振子の前記櫛形電極を構成する複数の電極指の繰り返しピッチに対する当該櫛形電極の膜厚の割合である規格化膜厚が10.3%以上13.0%以下であり、かつ、前記複数の電極指のライン幅とスペース幅との加算値に対する前記ライン幅の割合であるデューティー比が0.3以上0.8以下である
    請求項5に記載の弾性表面波フィルタ。
  8. 前記規格化膜厚および前記デューティー比が、図10に示した領域Bの範囲にある
    請求項7に記載の弾性表面波フィルタ。
  9. LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される共振子を有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタであって、
    前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記共振子のバルク波放射が増加するカットオフ周波数が前記通過帯域よりも高周波側にある
    弾性表面波フィルタ。
  10. LiTaO圧電基板を伝搬するリーキー波を利用し、前記LiTaO圧電基板上に形成されたIDT電極を備え、当該IDT電極によって構成される共振子を有する縦結合共振子型の弾性表面波フィルタであって、
    前記弾性表面波フィルタの通過帯域の帯域幅を示す比帯域が2.5%以上であり、前記共振子のバルク波放射ロスが増加するカットオフ周波数より高周波側のリターンロスが1.0dB以下である
    弾性表面波フィルタ。
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