JP2016184131A - 中間転写ベルトおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 クリーニング性が維持されると共に、基材層と補強テープとの間に高い接着強度が得られて高い耐久性が得られる中間転写ベルトおよびその製造方法の提供。【解決手段】 中間転写ベルトは、基材層の両側縁部に補強テープが積層されると共に、当該補強テープが積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂よりなる表面層が形成されてなる中間転写ベルトであって、前記基材層の表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下であり、前記基材層と補強テープとの間に、前記光硬化型樹脂による層が介在されていることを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、中間転写ベルトおよびその製造方法に関する。
近年、電子写真方式のフルカラー画像形成装置においては、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に係る感光体上にそれぞれ形成された潜像を各色のトナーにより現像し、得られた各色のトナー像を中間転写ベルト上に重畳して一時的に保持させ、中間転写ベルト上に重ねられたトナー像を紙などの記録材上に転写する、中間転写方式の画像形成方法が多く採用されている。この中間転写方式の画像形成方法によれば、高速化を図ることができ、ペーパーフリー性が得られ、さらに全面コピーを行うことなどの利点が得られる。
このような画像形成方法に用いる中間転写ベルトとしては、柔軟性を有する樹脂からなる基材層の表面に、耐摩耗性や耐キズ性の向上のために光硬化型樹脂などの硬い樹脂からなる表面層が形成されたものが提案されている。柔軟性を有する樹脂からなる基材層を備える中間転写ベルトによれば、画像形成装置の小型化を図ることができる。
このような中間転写ベルトにおいては、基材層の両側縁部に補強テープを接着させることが一般的に行われている(特許文献1参照)。
このような中間転写ベルトにおいては、基材層の両側縁部に補強テープを接着させることが一般的に行われている(特許文献1参照)。
しかしながら、画像形成装置の耐刷性を向上させることに伴って中間転写ベルトを長期間にわたって使用する場合に、耐刷末期までに中間転写ベルトの蛇行や補強テープの劣化による当該補強テープの割れや剥がれが生じてしまう、という問題がある。
上記のような基材層と補強テープとの間の接着強度の問題を解決するために、基材層の表面を粗面化することによってアンカー効果による接着性の向上を図ることが考えられているが、基材層を均一に粗面化することは困難であり、基材層と補強テープとの間に大きな隙間が生じることによって逆に接着性が低下しまうことや、表面層の表面に凹凸が形成されてクリーニング時にトナーすり抜けが発生してしまうことなどの不具合が生じるおそれがある。
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、クリーニング性が維持されると共に、基材層と補強テープとの間に高い接着強度が得られて高い耐久性が得られる中間転写ベルトおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の中間転写ベルトは、基材層の両側縁部に補強テープが積層されると共に、当該補強テープが積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂よりなる表面層が形成されてなる中間転写ベルトであって、
前記基材層の表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下であり、
前記基材層と前記補強テープとの間に、前記光硬化型樹脂による層が介在されていることを特徴とする。
前記基材層の表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下であり、
前記基材層と前記補強テープとの間に、前記光硬化型樹脂による層が介在されていることを特徴とする。
本発明の中間転写ベルトにおいては、前記表面層の厚みが、2.0μm以上5.0μm以下であることが好ましい。
本発明の中間転写ベルトにおいては、前記光硬化型樹脂を形成するための重合性成分が、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
本発明の中間転写ベルトにおいては、前記補強テープが、アクリル材料よりなる粘着剤層を有し、当該粘着剤層を介して基材層上に積層されていることが好ましい。
本発明の中間転写ベルトにおいては、前記基材層がポリフェニレンサルファイド樹脂からなることが好ましい。
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、上記の中間転写ベルトを製造する方法であって、
表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下の基材層の両側縁部に補強テープを積層した後、当該基材層の前記補強テープが積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂を形成するための重合性成分を含有する表面層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜に活性エネルギー線を照射することによって前記重合性成分を重合させて表面層を形成することを特徴とする。
表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下の基材層の両側縁部に補強テープを積層した後、当該基材層の前記補強テープが積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂を形成するための重合性成分を含有する表面層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜に活性エネルギー線を照射することによって前記重合性成分を重合させて表面層を形成することを特徴とする。
本発明の中間転写ベルトによれば、基材層の表面が適度な粗さを有し、かつ、基材層と補強テープとの間に光硬化型樹脂による層が介在されているので、クリーニング性が維持されると共に、基材層と補強テープとの間に高い接着強度が得られて中間転写ベルトに高い耐久性が得られる。
本発明の中間転写ベルトの製造方法によれば、上記の中間転写ベルトを確実に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔中間転写ベルト〕
本発明の中間転写ベルトは、例えば無端ベルト状のものであり、具体的には、図1に示すように、基材層2の表面における両側縁部に補強テープ5が積層されると共に、当該補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂よりなる表面層4が形成され、さらに、基材層2と補強テープ5との間に光硬化型樹脂による層(以下、「光硬化型樹脂による接着層」ともいう。)3が介在されてなるものである。この光硬化型樹脂による接着層3は、表面層4の両側縁部に連続して当該表面層4と一体に形成されてなるものである。
本発明の中間転写ベルトは、例えば無端ベルト状のものであり、具体的には、図1に示すように、基材層2の表面における両側縁部に補強テープ5が積層されると共に、当該補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂よりなる表面層4が形成され、さらに、基材層2と補強テープ5との間に光硬化型樹脂による層(以下、「光硬化型樹脂による接着層」ともいう。)3が介在されてなるものである。この光硬化型樹脂による接着層3は、表面層4の両側縁部に連続して当該表面層4と一体に形成されてなるものである。
〔基材層2〕
基材層2は、例えば樹脂からなり、特に、電気抵抗を調整することができることから、樹脂に導電剤を分散させて導電性を有するものであることが好ましい。
基材層2は、単層構成のものであっても、2層以上の複数層構成のものであってもよい。また、基材層2は、無端ベルト状のものであることが好ましい。
基材層2は、例えば樹脂からなり、特に、電気抵抗を調整することができることから、樹脂に導電剤を分散させて導電性を有するものであることが好ましい。
基材層2は、単層構成のものであっても、2層以上の複数層構成のものであってもよい。また、基材層2は、無端ベルト状のものであることが好ましい。
基材層2を形成するための樹脂(以下、「基材層用樹脂」ともいう。)としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
基材層用樹脂としては、特にポリフェニレンサルファイド樹脂を用いることが好ましい。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、フェニレン単位と硫黄原子とが交互に並んだ構造を有する熱可塑性樹脂である。ポリフェニレンサルファイド樹脂のフェニレン単位は、置換基を有していてもよく、o−フェニレン単位、m−フェニレン単位およびp−フェニレン単位であってもよく、それらが混合されていてもよい。フェニレン単位の好ましい構成は、少なくともp−フェニレン単位を含み、その含有量が全フェニレン単位に対して50%以上であることである。フェニレン単位は、特に、無置換のp−フェニレン単位のみからなることが好ましい。
基材層用樹脂としては、特にポリフェニレンサルファイド樹脂を用いることが好ましい。
ポリフェニレンサルファイド樹脂は、フェニレン単位と硫黄原子とが交互に並んだ構造を有する熱可塑性樹脂である。ポリフェニレンサルファイド樹脂のフェニレン単位は、置換基を有していてもよく、o−フェニレン単位、m−フェニレン単位およびp−フェニレン単位であってもよく、それらが混合されていてもよい。フェニレン単位の好ましい構成は、少なくともp−フェニレン単位を含み、その含有量が全フェニレン単位に対して50%以上であることである。フェニレン単位は、特に、無置換のp−フェニレン単位のみからなることが好ましい。
導電剤としては、カーボンブラック、アルミニウムやニッケルなどの金属粉末、酸化チタンなどの金属酸化物、第4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミン、含硼素高分子化合物およびポリピロールなどの導電性高分子化合物などを用いることができる。これらは、1種単独で、または2種以上を混合して使用することができる。
基材層2中には、必要に応じて、酸化防止剤、滑材などの添加成分が含有されていてもよい。
そして、本発明においては、基材層2の表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下とされる。
基材層2の表面粗さRzが0.30μm以上であることによって、当該基材層2と補強テープ5との隙間に表面層4を形成するための表面層形成用塗布液を浸透させることができて当該基材層2と補強テープ5との間に光硬化型樹脂による接着層3を形成することができ、これにより基材層2と補強テープ5との間に高い接着強度が得られて中間転写ベルトに高い耐久性が得られる。一方、基材層2の表面粗さRzが1.00μm以下であることによって、表面層4の表面にトナーすり抜けを発生させるほどの大きな凹凸が形成されないので、十分なクリーニング性が維持される。
基材層2の表面粗さRzが0.30μm以上であることによって、当該基材層2と補強テープ5との隙間に表面層4を形成するための表面層形成用塗布液を浸透させることができて当該基材層2と補強テープ5との間に光硬化型樹脂による接着層3を形成することができ、これにより基材層2と補強テープ5との間に高い接着強度が得られて中間転写ベルトに高い耐久性が得られる。一方、基材層2の表面粗さRzが1.00μm以下であることによって、表面層4の表面にトナーすり抜けを発生させるほどの大きな凹凸が形成されないので、十分なクリーニング性が維持される。
基材層2の表面粗さRzは、最大高さ粗さRzであって、JIS B0601(2001年)に準じて測定される、基準長さ(λc)における粗さ曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値との和である。具体的には、基準長さにおける輪郭曲線の山高さZpの最大値Rpと谷深さZvの最大値Rvとの和(Rz=Rp+Rv)である。
本発明の中間転写ベルトの基材層2の表面粗さRzは、測定装置として表面粗さ測定機「サーフコム1400D」(東京精密社製)を用い、基準長さλc=0.08mm、評価長さL=8mm、測定速度=0.15mm/secの条件で測定されたものであり、100点の最大高さ粗さの平均値を用いるものである。
本発明の中間転写ベルトの基材層2の表面粗さRzは、測定装置として表面粗さ測定機「サーフコム1400D」(東京精密社製)を用い、基準長さλc=0.08mm、評価長さL=8mm、測定速度=0.15mm/secの条件で測定されたものであり、100点の最大高さ粗さの平均値を用いるものである。
基材層2の表面粗さRzは、押出し機の内面形状、押出し速度、冷却マンドレルの冷却温度を制御することによって調整することができる。
基材層2の肉厚は、機械的強度、画質、製造コストなどを考慮し、50〜250μmであることが好ましい。
〔補強テープ5〕
補強テープ5は、基材層2の両側縁部に接着により積層されるものであって、中間転写ベルトの耐久性を向上させるものである。
補強テープ5は、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂などの高強度の材料よりなる補強テープ本体5aと、例えばアクリル材料よりなる粘着剤層5bとを有し、当該粘着剤層5bを介して基材層2上に積層されていることが好ましい。
補強テープ5は、基材層2の両側縁部に接着により積層されるものであって、中間転写ベルトの耐久性を向上させるものである。
補強テープ5は、例えばポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂などの高強度の材料よりなる補強テープ本体5aと、例えばアクリル材料よりなる粘着剤層5bとを有し、当該粘着剤層5bを介して基材層2上に積層されていることが好ましい。
補強テープ5の厚みは例えば50〜100μmとされ、幅は例えば8〜15mmとされる。
〔光硬化型樹脂による接着層3〕
光硬化型樹脂による接着層3は、表面層4を形成するときに塗布する表面層形成用塗布液が基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとの間の隙間に浸透したものが硬化されて形成されたものである。
本発明において、基材層2の表面における補強テープ5と対向するすべての領域にこの光硬化型樹脂による接着層3が形成されていることは必須ではなく、基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとが直接的に接触された領域が形成されていてもよい。
光硬化型樹脂による接着層3は、表面層4を形成するときに塗布する表面層形成用塗布液が基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとの間の隙間に浸透したものが硬化されて形成されたものである。
本発明において、基材層2の表面における補強テープ5と対向するすべての領域にこの光硬化型樹脂による接着層3が形成されていることは必須ではなく、基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとが直接的に接触された領域が形成されていてもよい。
〔表面層4〕
表面層4は、光硬化型樹脂からなり、当該光硬化型樹脂を形成するための重合性成分としては、多官能(メタ)アクリレートや、当該多官能(メタ)アクリレート以外の低表面エネルギー基を有する重合性化合物などを含有させることができ、多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
表面層4は、光硬化型樹脂からなり、当該光硬化型樹脂を形成するための重合性成分としては、多官能(メタ)アクリレートや、当該多官能(メタ)アクリレート以外の低表面エネルギー基を有する重合性化合物などを含有させることができ、多官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
〔多官能(メタ)アクリレート〕
多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもので、中間転写ベルトの表面層4の耐摩耗性、強靱性、密着性を発現させるために用いられる。具体的には、ビス(2−アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ウレタンアクリレートなどの2官能性単量体;トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ウレタンアクリレート、多価アルコールと多塩基酸および(メタ)アクリル酸とから合成されるエステル化合物、例えばトリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸=2/1/4モルから合成されるエステル化合物などの3官能以上の多官能単量体などが挙げられる。得られる表面層4にハードコート性を持たせるためには、3官能以上の多官能アクリレートを使用することが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、重合性成分中20〜90質量%の割合で含有されることが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有するもので、中間転写ベルトの表面層4の耐摩耗性、強靱性、密着性を発現させるために用いられる。具体的には、ビス(2−アクリロキシエチル)−ヒドロキシエチル−イソシアヌレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、ウレタンアクリレートなどの2官能性単量体;トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ウレタンアクリレート、多価アルコールと多塩基酸および(メタ)アクリル酸とから合成されるエステル化合物、例えばトリメチロールエタン/コハク酸/アクリル酸=2/1/4モルから合成されるエステル化合物などの3官能以上の多官能単量体などが挙げられる。得られる表面層4にハードコート性を持たせるためには、3官能以上の多官能アクリレートを使用することが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートは、重合性成分中20〜90質量%の割合で含有されることが好ましい。
〔低表面エネルギー基を有する重合性化合物〕
低表面エネルギー基を有する重合性化合物において、低表面エネルギー基とは、表面層の表面自由エネルギーを低減する機能を有する官能基をいい、具体的には、シリコーン変性またはフッ素変性されたアクリレート基のことをいう。このようなシリコーン変性部位としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、フッ素変性部位としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられる。
低表面エネルギー基を有する重合性化合物としては、具体的には、1つ以上のポリオルガノシロキサン鎖またはポリフルオロアルキル鎖、および、3つ以上のラジカル重合性二重結合を有する数平均分子量5,000以上100,000以下のビニル共重合体が挙げられる。このような低表面エネルギー基を有する重合性化合物としては、市販品の「メガファック」(DIC社製)、「フルシェード」(東洋インキ社製)を用いることができる。
低表面エネルギー基を有する重合性化合物は、重合性成分中1〜30質量%の割合で含有されることが好ましい。
低表面エネルギー基を有する重合性化合物において、低表面エネルギー基とは、表面層の表面自由エネルギーを低減する機能を有する官能基をいい、具体的には、シリコーン変性またはフッ素変性されたアクリレート基のことをいう。このようなシリコーン変性部位としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどが挙げられ、フッ素変性部位としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられる。
低表面エネルギー基を有する重合性化合物としては、具体的には、1つ以上のポリオルガノシロキサン鎖またはポリフルオロアルキル鎖、および、3つ以上のラジカル重合性二重結合を有する数平均分子量5,000以上100,000以下のビニル共重合体が挙げられる。このような低表面エネルギー基を有する重合性化合物としては、市販品の「メガファック」(DIC社製)、「フルシェード」(東洋インキ社製)を用いることができる。
低表面エネルギー基を有する重合性化合物は、重合性成分中1〜30質量%の割合で含有されることが好ましい。
以上のような重合性成分を重合反応によって硬化して得られる光硬化型樹脂において、多官能(メタ)アクリレートに由来の構造単位の含有割合は20〜90質量%であることが好ましい。
また、低表面エネルギー基を有する重合性化合物を用いて形成する場合は、得られる光硬化型樹脂における低表面エネルギー基を有する重合性化合物に由来の構造単位の含有割合は1〜30質量%であることが好ましい。
また、低表面エネルギー基を有する重合性化合物を用いて形成する場合は、得られる光硬化型樹脂における低表面エネルギー基を有する重合性化合物に由来の構造単位の含有割合は1〜30質量%であることが好ましい。
〔金属酸化物微粒子〕
表面層4には、表面処理が施された金属酸化物微粒子が含有されていることが好ましい。表面層4に金属酸化物微粒子が含有されていることにより、表面層4に強靱性が得られ、高い耐久性が得られる。
金属酸化物微粒子は、未処理の金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」という。)を、表面処理剤によって表面処理することにより得ることができる。
以上のような金属酸化物微粒子は、重合性成分100体積部に対して5〜40体積部の割合で含有されることが好ましい。
表面層4には、表面処理が施された金属酸化物微粒子が含有されていることが好ましい。表面層4に金属酸化物微粒子が含有されていることにより、表面層4に強靱性が得られ、高い耐久性が得られる。
金属酸化物微粒子は、未処理の金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」という。)を、表面処理剤によって表面処理することにより得ることができる。
以上のような金属酸化物微粒子は、重合性成分100体積部に対して5〜40体積部の割合で含有されることが好ましい。
本発明に用いられる未処理金属酸化物微粒子は、遷移金属も含めた金属の酸化物であればよく、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化マンガン、酸化セレン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ゲルマニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウムなどが例示されるが、中でも、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫などが好ましく、特にアルミナ、酸化錫が好ましい。
未処理金属酸化物微粒子の表面処理に用いる表面処理剤としては、例えば、ラジカル重合性官能基を有する化合物などが挙げられる。このラジカル重合性官能基としては、アクリロイル基やメタクリロイル基などが挙げられる。
また、低表面エネルギー性を付与するため、シリコーンオイルやポリフルオロアルキル基を有する化合物などを表面処理剤として用いることもできる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル(例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)など)、変性シリコーンオイル(例えば片末端カルビノール変性シリコーンオイルや片末端ジオール変性シリコーンオイルなど)などを用いることができる。
また、低表面エネルギー性を付与するため、シリコーンオイルやポリフルオロアルキル基を有する化合物などを表面処理剤として用いることもできる。シリコーンオイルとしては、ストレートシリコーンオイル(例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)など)、変性シリコーンオイル(例えば片末端カルビノール変性シリコーンオイルや片末端ジオール変性シリコーンオイルなど)などを用いることができる。
表面層4の層厚は、機械的強度、画質などを考慮し、2.0μm以上5.0μm以下であることが好ましい。表面層4の層厚が2.0μm以上であることにより、当該表面層4を形成するときに光硬化型樹脂よりなる接着層3を確実に形成することができる。一方、表面層4の層厚が5.0μm以下であることにより、中間転写ベルトとしての可撓性が確保される。
以上のような中間転写ベルトによれば、基材層2の表面が適度な粗さを有し、かつ、基材層2と補強テープ5との間に光硬化型樹脂による接着層3が介在されているので、クリーニング性が維持されると共に、基材層2と補強テープ5との間に高い接着強度が得られて中間転写ベルトに高い耐久性が得られる。
〔中間転写ベルトの製造方法〕
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、上記の中間転写ベルトを製造する方法であって、基材層2の両側縁部に補強テープ5を積層した後、当該基材層2における補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域の全面に表面層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜に活性エネルギー線を照射することによって光硬化型樹脂による接着層3と表面層4とを同時に形成する方法である。
本発明の中間転写ベルトの製造方法は、上記の中間転写ベルトを製造する方法であって、基材層2の両側縁部に補強テープ5を積層した後、当該基材層2における補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域の全面に表面層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜に活性エネルギー線を照射することによって光硬化型樹脂による接着層3と表面層4とを同時に形成する方法である。
〔基材層2の形成〕
基材層2を形成する方法としては、基材層用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を金型などに塗布して形成する方法や、基材層用樹脂を直接的に成形する方法が挙げられるが、基材層用樹脂を直接的に成形する方法を用いることが好ましい。
基材層2を形成する方法としては、基材層用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を金型などに塗布して形成する方法や、基材層用樹脂を直接的に成形する方法が挙げられるが、基材層用樹脂を直接的に成形する方法を用いることが好ましい。
基材層用樹脂を直接的に成形する方法としては、押し出し成形法、インフレーション成形法などの方法を用いることができる。
押し出し成形法を採用する場合について説明する。まず、基材層用樹脂および各種の添加剤からなる原料組成物を溶融・混練して樹脂ペレットとする。次いで、例えば1軸または2軸の押出機に環状ダイを取り付け、この押出機に樹脂ペレットを投入し、環状ダイの先端の筒状の樹脂吐出口より溶融した樹脂を押し出し、その後、冷却機構を有する冷却筒に外挿することにより基材層用樹脂を固化させることによって無端ベルト状に成形し、これにより、基材層2を作製することができる。
基材層用樹脂としてポリフェニレンサルファイド樹脂を用いる場合には、押し出し成形を行うとき、ポリフェニレンサルファイド樹脂の結晶化を生じさせないための工夫として、環状ダイから筒状の基材層用樹脂が吐出された直後に、水、エアー、冷却された金属ブロックなどによって冷却を行うことが好ましい。具体的には、環状ダイに断熱材を挟んで付設された冷却筒を用い、これにより吐出された筒状の基材層用樹脂の熱を急速に奪う構成とすることができる。冷却筒の内側には常に30℃以下に温度調整された水を循環させている。また、環状ダイから吐出された筒状の基材層用樹脂を高速で引き取ることにより薄膜化し、これにより冷却速度を高めてもよい。この場合、引き取り速度は1m/min以上、特に2〜7m/minであることが好ましい。
押し出し成形法を採用する場合について説明する。まず、基材層用樹脂および各種の添加剤からなる原料組成物を溶融・混練して樹脂ペレットとする。次いで、例えば1軸または2軸の押出機に環状ダイを取り付け、この押出機に樹脂ペレットを投入し、環状ダイの先端の筒状の樹脂吐出口より溶融した樹脂を押し出し、その後、冷却機構を有する冷却筒に外挿することにより基材層用樹脂を固化させることによって無端ベルト状に成形し、これにより、基材層2を作製することができる。
基材層用樹脂としてポリフェニレンサルファイド樹脂を用いる場合には、押し出し成形を行うとき、ポリフェニレンサルファイド樹脂の結晶化を生じさせないための工夫として、環状ダイから筒状の基材層用樹脂が吐出された直後に、水、エアー、冷却された金属ブロックなどによって冷却を行うことが好ましい。具体的には、環状ダイに断熱材を挟んで付設された冷却筒を用い、これにより吐出された筒状の基材層用樹脂の熱を急速に奪う構成とすることができる。冷却筒の内側には常に30℃以下に温度調整された水を循環させている。また、環状ダイから吐出された筒状の基材層用樹脂を高速で引き取ることにより薄膜化し、これにより冷却速度を高めてもよい。この場合、引き取り速度は1m/min以上、特に2〜7m/minであることが好ましい。
また、インフレーション成形法を採用する場合には型内において溶融した樹脂を筒状とし、その中にブロアーによって空気を吹き込み、冷却することにより、例えば無端ベルト状に成形し、これにより、基材層2を作製することができる。
〔補強テープ5の積層〕
補強テープ5は、基材層2の両側縁部に、当該補強テープ5の粘着剤層5bが基材層2に接触する状態に積層される。
補強テープ5は、基材層2の両側縁部に、当該補強テープ5の粘着剤層5bが基材層2に接触する状態に積層される。
〔表面層4の形成〕
表面層4は、例えば、光硬化型樹脂を形成するための重合性成分や重合開始剤を含有する組成物(以下、「表面層形成用塗布液」ともいう。)を基材層2における補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域に塗布して塗膜を形成し、この塗膜に対して紫外線、電子線、γ線などの活性エネルギー線を照射して重合性成分を重合反応させて硬化することにより、形成することができる。
表面層4の形成工程において、表面層形成用塗布液を基材層2における補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域に塗布することによって、基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとの間の隙間に当該表面層形成用塗布液が浸透し、さらに、活性エネルギー線が照射されて重合性成分が重合反応されて硬化されることにより、基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとの間に光硬化型樹脂による接着層3が表面層4と共に形成され、これにより、基材層2と補強テープ5とが強固に接着される。
表面層4は、例えば、光硬化型樹脂を形成するための重合性成分や重合開始剤を含有する組成物(以下、「表面層形成用塗布液」ともいう。)を基材層2における補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域に塗布して塗膜を形成し、この塗膜に対して紫外線、電子線、γ線などの活性エネルギー線を照射して重合性成分を重合反応させて硬化することにより、形成することができる。
表面層4の形成工程において、表面層形成用塗布液を基材層2における補強テープ5が積層された両側縁部以外の領域に塗布することによって、基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとの間の隙間に当該表面層形成用塗布液が浸透し、さらに、活性エネルギー線が照射されて重合性成分が重合反応されて硬化されることにより、基材層2と補強テープ5の粘着剤層5bとの間に光硬化型樹脂による接着層3が表面層4と共に形成され、これにより、基材層2と補強テープ5とが強固に接着される。
表面層形成用塗布液は、少なくとも重合性成分および重合開始剤を含有するが、必要に応じて表面処理が施された金属酸化物微粒子などを含有し、さらに溶剤などのその他の成分を含んでいてもよい。
表面層形成用塗布液は、固形分濃度が3〜10質量%であることが好ましい。
表面層形成用塗布液は、固形分濃度が3〜10質量%であることが好ましい。
重合開始剤としては、光などの活性エネルギー線によって重合性成分を重合反応させることができるものであれば特に限定されずに用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物などの光重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、硫黄化合物、アゾ化合物、パーオキサイド化合物、ホスフィンオキサイド系化合物などの光重合開始剤を用いることができる。
表面層形成用塗布液の調製方法としては、例えば、重合性成分および重合開始剤を溶剤に添加し、さらに表面処理が施された金属酸化物微粒子を含有させる場合には、当該金属酸化物微粒子を固形分濃度3〜10質量%の割合で添加し、例えば湿式メディア分散型装置により分散する方法が挙げられる。湿式メディア分散型装置としては、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的にはサンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、専断、ズリ応力などにより微粉砕、分散が行われる。
表面層形成用塗布液は、塗布性(作業性)が良好となるという理由から、溶剤を含有することが好ましい。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
溶剤としては、具体的には、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
表面層形成用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法やスプレー塗布法などが挙げられる。
活性エネルギー線の照射条件はそれぞれの光源によって異なるが、照射光量は、硬化ムラ、硬度、硬化時間、硬化速度などを考慮し、80〜160mW/cm2 であることが好ましく、より好ましくは100〜120mW/cm2 である。
活性エネルギー線の照射時間は10秒間〜8分間が好ましく、硬化効率、作業効率などからさらに好ましくは30秒間〜4分間である。
表面層形成用塗布液を基材層2上に塗布した後、乾燥させることが好ましい。これにより溶剤が除去される。
塗膜の乾燥は、重合性成分の重合の前後、およびその重合中のいずれにおいて行われてもよく、これらを組み合わせて適宜選択することができるが、具体的には、塗膜の流動性がなくなる程度まで一次乾燥した後、重合性成分の重合を行い、その後、さらに表面層中の揮発性物質の量を規定量にするために二次乾燥を行うことが好ましい。
塗膜の乾燥は、重合性成分の重合の前後、およびその重合中のいずれにおいて行われてもよく、これらを組み合わせて適宜選択することができるが、具体的には、塗膜の流動性がなくなる程度まで一次乾燥した後、重合性成分の重合を行い、その後、さらに表面層中の揮発性物質の量を規定量にするために二次乾燥を行うことが好ましい。
以上のような中間転写ベルトの製造方法によれば、基材層2の表面が適度な粗さを有することによって、当該基材層2と補強テープ5との隙間に表面層4を形成するための表面層形成用塗布液を浸透させることができて当該基材層2と補強テープ5との間に光硬化型樹脂による接着層3を形成することができ、これにより基材層2と補強テープ5との間に高い接着強度が得られて中間転写ベルトに高い耐久性が得られる。
また、基材層2の表面の粗さが過度に大きいものではないことによって、表面層4の表面にトナーすり抜けを発生させるほどの大きな凹凸が形成されないので、十分なクリーニング性を得ることができる。
また、基材層2の表面の粗さが過度に大きいものではないことによって、表面層4の表面にトナーすり抜けを発生させるほどの大きな凹凸が形成されないので、十分なクリーニング性を得ることができる。
〔画像形成装置〕
以上のような中間転写ベルトは、モノクロの画像形成装置やフルカラーの画像形成装置など電子写真方式の公知の種々の画像形成装置における、中間転写ベルトとして好適に用いることができる。
以上のような中間転写ベルトは、モノクロの画像形成装置やフルカラーの画像形成装置など電子写真方式の公知の種々の画像形成装置における、中間転写ベルトとして好適に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1:中間転写ベルトの製造例1〕
(1)基材層の作製
(1−1)材料の溶融混練
・樹脂:ポリフェニレンサルファイド樹脂「E2180」(東レ社製:結晶性、融点280℃、ガラス転移点90℃) 100質量部
・酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤「アデカスタブAO−50」(ADEKA社製)
5質量部
・導電剤:アセチレンブラック「HS−100」(デンカ社製) 16質量部
・滑材:モンタン酸カルシウム 0.2質量部
からなる原料組成物を、2軸混練押出機「PMT32」(IKG社製)を用いて溶融・混練することにより、樹脂ペレット〔1〕を得た。
なお、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、混練前に予め130℃で8時間乾燥させた後、60℃程度まで冷ました上で、混練に用いた。
(1)基材層の作製
(1−1)材料の溶融混練
・樹脂:ポリフェニレンサルファイド樹脂「E2180」(東レ社製:結晶性、融点280℃、ガラス転移点90℃) 100質量部
・酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤「アデカスタブAO−50」(ADEKA社製)
5質量部
・導電剤:アセチレンブラック「HS−100」(デンカ社製) 16質量部
・滑材:モンタン酸カルシウム 0.2質量部
からなる原料組成物を、2軸混練押出機「PMT32」(IKG社製)を用いて溶融・混練することにより、樹脂ペレット〔1〕を得た。
なお、ポリフェニレンサルファイド樹脂は、混練前に予め130℃で8時間乾燥させた後、60℃程度まで冷ました上で、混練に用いた。
(1−2)無端ベルト状の基材層の形成
樹脂ペレット〔1〕を、130℃で8時間乾燥し、直径150mm、リップ幅1mmの6条スパイラル型環状ダイ付き40mm径の押出機により、環状ダイの下方にチューブ状に押し出し、押し出された未固化のチューブを、環状ダイと同一軸線上に支持棒を介して装着した外径140mmの冷却マンドレルの外表面に接触させることによって冷却して固化させることにより、無端ベルト状の基材層材料を得た。この基材層材料の内部に設置されている中子と外側に設置されているロールにより、基材層材料を円筒形に保持した状態で引き張りつつ、290mm長の長さにおいて輪切りにし、これにより、無端ベルト状の基材層〔1〕を作製した。
樹脂ペレット〔1〕を、130℃で8時間乾燥し、直径150mm、リップ幅1mmの6条スパイラル型環状ダイ付き40mm径の押出機により、環状ダイの下方にチューブ状に押し出し、押し出された未固化のチューブを、環状ダイと同一軸線上に支持棒を介して装着した外径140mmの冷却マンドレルの外表面に接触させることによって冷却して固化させることにより、無端ベルト状の基材層材料を得た。この基材層材料の内部に設置されている中子と外側に設置されているロールにより、基材層材料を円筒形に保持した状態で引き張りつつ、290mm長の長さにおいて輪切りにし、これにより、無端ベルト状の基材層〔1〕を作製した。
(2)補強テープの積層
上記の基材層〔1〕の外周面における両側縁部に、ポリエチレンナフタレート(PEN)よりなる補強テープ本体とアクリル材料よりなる粘着剤層とが積層されてなる補強テープ(膜厚75μm、幅10mm)を、当該補強テープの粘着剤層が基材層〔1〕の外周面に接触する状態に貼り付け、補強テープ付き基材層〔1〕を形成した。
上記の基材層〔1〕の外周面における両側縁部に、ポリエチレンナフタレート(PEN)よりなる補強テープ本体とアクリル材料よりなる粘着剤層とが積層されてなる補強テープ(膜厚75μm、幅10mm)を、当該補強テープの粘着剤層が基材層〔1〕の外周面に接触する状態に貼り付け、補強テープ付き基材層〔1〕を形成した。
(3)表面層および接着層の形成
・多官能(メタ)アクリレート:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 85質量部
・低表面エネルギー基を有する重合性化合物:「メガファック」(DIC社製)
10質量部
・金属酸化物微粒子:表面処理剤(CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3 )によって表面処理された酸化錫 5質量部
を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤:プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)中に溶解、分散させた溶液に、光重合開始剤を投入して溶解させて表面層形成用塗布液〔1〕を調製し、これをすぐに、上記の補強テープ付き基材層〔1〕の外周面における補強テープが貼り付けられた両側縁部以外の領域に、ワイディー・メカトロソリューションズ社製のスプレー装置によって、下記の塗布条件で乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗布することによって塗膜を形成し、この塗膜に、活性エネルギー線として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、塗膜を硬化して表面層および接着層を形成し、これにより、中間転写ベルト〔1〕を得た。紫外線の照射は、光源を固定し、基材層〔1〕の外周面上に塗膜が形成された基材を周速度60mm/sで回転しながら行った。
−スプレー塗布条件−
ノズルスキャン速度:1〜10mm/sec
ノズル距離:100〜150mm
ノズル数:1
塗布液供給量:1〜5mL/min
O2 流量:2〜6L/min
−紫外線の照射条件−
光源の種類:UV−LEDランプ「UV−SPVシリーズ」(レボックス社製)
光源の波長:365nm
照射口から塗膜の表面までの距離:40mm
照射光量:100mW/cm2
照射時間(基材を回転させている時間):150秒
・多官能(メタ)アクリレート:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 85質量部
・低表面エネルギー基を有する重合性化合物:「メガファック」(DIC社製)
10質量部
・金属酸化物微粒子:表面処理剤(CH2 =CHCOO(CH2 )2 Si(OCH3 )3 )によって表面処理された酸化錫 5質量部
を、固形分濃度が10質量%となるよう、溶剤:プロプレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PMA)中に溶解、分散させた溶液に、光重合開始剤を投入して溶解させて表面層形成用塗布液〔1〕を調製し、これをすぐに、上記の補強テープ付き基材層〔1〕の外周面における補強テープが貼り付けられた両側縁部以外の領域に、ワイディー・メカトロソリューションズ社製のスプレー装置によって、下記の塗布条件で乾燥膜厚が3μmとなるようにスプレー塗布することによって塗膜を形成し、この塗膜に、活性エネルギー線として紫外線を、下記の照射条件で照射することにより、塗膜を硬化して表面層および接着層を形成し、これにより、中間転写ベルト〔1〕を得た。紫外線の照射は、光源を固定し、基材層〔1〕の外周面上に塗膜が形成された基材を周速度60mm/sで回転しながら行った。
−スプレー塗布条件−
ノズルスキャン速度:1〜10mm/sec
ノズル距離:100〜150mm
ノズル数:1
塗布液供給量:1〜5mL/min
O2 流量:2〜6L/min
−紫外線の照射条件−
光源の種類:UV−LEDランプ「UV−SPVシリーズ」(レボックス社製)
光源の波長:365nm
照射口から塗膜の表面までの距離:40mm
照射光量:100mW/cm2
照射時間(基材を回転させている時間):150秒
〔実施例2〜7、比較例1,2:中間転写ベルトの製造例2〜9〕
中間転写ベルトの製造例1において、基材層の表面粗さRzおよび表面層の厚みを表1に従って変更したこと以外は同様にして、中間転写ベルト〔2〕〜〔7〕および比較用の中間転写ベルト〔8〕〜〔9〕を作製した。
中間転写ベルトの製造例1において、基材層の表面粗さRzおよび表面層の厚みを表1に従って変更したこと以外は同様にして、中間転写ベルト〔2〕〜〔7〕および比較用の中間転写ベルト〔8〕〜〔9〕を作製した。
〔比較例3:中間転写ベルトの製造例10〕
中間転写ベルトの製造例1において、表面層の形成工程を以下のように行ったこと以外は同様にして、比較用の中間転写ベルト〔10〕を作製した。
−表面層の形成−
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の溶液を、上記の補強テープ付き基材層〔1〕の外周面における補強テープが貼り付けられた両側縁部以外の領域に、ワイディー・メカトロソリューションズ社製のスプレー装置によってスプレー塗布することによって塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることにより、表面層を形成した。
中間転写ベルトの製造例1において、表面層の形成工程を以下のように行ったこと以外は同様にして、比較用の中間転写ベルト〔10〕を作製した。
−表面層の形成−
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂の溶液を、上記の補強テープ付き基材層〔1〕の外周面における補強テープが貼り付けられた両側縁部以外の領域に、ワイディー・メカトロソリューションズ社製のスプレー装置によってスプレー塗布することによって塗膜を形成し、この塗膜を乾燥させることにより、表面層を形成した。
(評価1)クリーニング性
画像形成装置「bizhub PRESS C6000」(コニカミノルタ社製)に中間転写ベルト〔1〕〜〔10〕のそれぞれを搭載し、YMCKの各色の印字率が2.5%である画像をA4サイズの中性紙に100万枚印刷する耐刷試験をした後、A4サイズの中性紙にハーフトーン画像を3枚印刷し、これらのハーフトーン画像をデジタルマイクロハイスコープ「VHX−600」(キーエンス社製)により観察し、下記の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
A:3枚のハーフトーン画像のいずれにもクリーニング不良がない(合格)
C:3枚のハーフトーン画像のいずれかにクリーニング不良がある(不合格)
画像形成装置「bizhub PRESS C6000」(コニカミノルタ社製)に中間転写ベルト〔1〕〜〔10〕のそれぞれを搭載し、YMCKの各色の印字率が2.5%である画像をA4サイズの中性紙に100万枚印刷する耐刷試験をした後、A4サイズの中性紙にハーフトーン画像を3枚印刷し、これらのハーフトーン画像をデジタルマイクロハイスコープ「VHX−600」(キーエンス社製)により観察し、下記の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
A:3枚のハーフトーン画像のいずれにもクリーニング不良がない(合格)
C:3枚のハーフトーン画像のいずれかにクリーニング不良がある(不合格)
(評価2)接着性
中間転写ベルト〔1〕〜〔10〕のそれぞれから幅70mmのサンプルを作製した。このサンプルの基材層と補強テープとを一部において剥離し、剥離した基材層と補強テープとを、それぞれインストロン引張試験機にチャックし、引張り速度100mm/minで剥離させ、接着強度を測定した。接着強度(垂直)の測定値は、測定ポイント変位10〜20mmのMax値とした。接着強度を下記の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
A:接着強度が2.5N以上である(合格)
B:接着強度が2N以上2.5N未満である(合格)
C:接着強度が2N未満である(不合格)
中間転写ベルト〔1〕〜〔10〕のそれぞれから幅70mmのサンプルを作製した。このサンプルの基材層と補強テープとを一部において剥離し、剥離した基材層と補強テープとを、それぞれインストロン引張試験機にチャックし、引張り速度100mm/minで剥離させ、接着強度を測定した。接着強度(垂直)の測定値は、測定ポイント変位10〜20mmのMax値とした。接着強度を下記の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。
−評価基準−
A:接着強度が2.5N以上である(合格)
B:接着強度が2N以上2.5N未満である(合格)
C:接着強度が2N未満である(不合格)
2 基材層
3 光硬化型樹脂による接着層
4 表面層
5 補強テープ
5a 補強テープ本体
5b 粘着剤層
3 光硬化型樹脂による接着層
4 表面層
5 補強テープ
5a 補強テープ本体
5b 粘着剤層
Claims (6)
- 基材層の両側縁部に補強テープが積層されると共に、当該補強テープが積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂よりなる表面層が形成されてなる中間転写ベルトであって、
前記基材層の表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下であり、
前記基材層と前記補強テープとの間に、前記光硬化型樹脂による層が介在されていることを特徴とする中間転写ベルト。 - 前記表面層の厚みが、2.0μm以上5.0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写ベルト。
- 前記光硬化型樹脂を形成するための重合性成分が、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中間転写ベルト。
- 前記補強テープが、アクリル材料よりなる粘着剤層を有し、当該粘着剤層を介して基材層上に積層されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の中間転写ベルト。
- 前記基材層がポリフェニレンサルファイド樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の中間転写ベルト。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の中間転写ベルトを製造する方法であって、
表面粗さRzが0.30μm以上1.00μm以下の基材層の両側縁部に補強テープを積層した後、当該基材層の前記補強テープが積層された両側縁部以外の領域に、光硬化型樹脂を形成するための重合性成分を含有する表面層形成用塗布液を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜に活性エネルギー線を照射することによって前記重合性成分を重合させて表面層を形成することを特徴とする中間転写ベルトの製造方法。
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