JP2016184117A - 硬化膜形成用組成物、硬化膜、表示素子及び硬化膜の形成方法 - Google Patents

硬化膜形成用組成物、硬化膜、表示素子及び硬化膜の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性及び放射線感度を向上させつつ、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成できる硬化膜形成用組成物、硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜、硬化膜を用いた表示素子、並びに硬化膜の形成方法を提供する。【解決手段】チオールとの反応により重合する重合性化合物、及び一分子中に2つ以上の硫黄含有基を有する感放射線性チオール発生剤を含有し、硫黄含有基が、式(1)、(2)又は(3)で表される硬化膜形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化膜形成用組成物、硬化膜、表示素子及び硬化膜の形成方法に関する。
液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、電子ペーパー素子等の表示素子には、タッチパネルを始めとする電子部品の劣化や損傷を防止するための保護膜、層状に配置される配線間の絶縁性を保つための層間絶縁膜、開口率を上げるための平坦化膜等の硬化膜が設けられている。このような硬化膜の形成には、感放射線性の硬化膜形成用組成物が使用されており、例えば基板上に硬化膜形成用組成物の塗膜を形成し、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光し、現像液で現像して不要部分を除去し、その後、加熱(ポストベーク)することにより硬化膜が得られる。
上記硬化膜形成用組成物には、長期間保存しても粘度が過剰に高くならないこと(保存安定性)、及び放射線感度が良好であることが求められる。また、上記硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜には、硬度が高いこと、及び硬化膜形成の後工程において使用される溶剤に対する耐性(耐溶剤性)に優れることが求められる。
上記特性のうち保存安定性を向上させる感放射線性材料として、放射線の照射によりチオールが発生する感放射線性チオール発生剤を含有する硬化膜形成用組成物が提案されている(特開2013−237750号公報参照)。
しかし、上記公報に記載の硬化膜形成用組成物では、保存安定性及び放射線感度を向上させつつ、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成するのは困難である。
特開2013−237750号公報
本発明は、上述の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、保存安定性及び放射線感度を向上させつつ、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成できる硬化膜形成用組成物、当該硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜、当該硬化膜を用いた表示素子、並びに当該硬化膜の形成方法を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、チオールとの反応により重合する重合性化合物(以下、「[A]化合物」ともいう。)、及び一分子中に2つ以上の硫黄含有基(以下、「基(a)」ともいう。)を有する感放射線性チオール発生剤(以下、「[B]化合物」ともいう。)を含有し、基(a)が、下記式(1)、下記式(2)又は下記式(3)で表される硬化膜形成用組成物である。
Figure 2016184117
(式(1)〜(3)中、*1は、[B]化合物における基(a)以外の部分に結合する部位を示す。
式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。Lは、単結合、−O−、−S−又は−NR−である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。ただし、Lが−S−の場合、Rは水素原子ではない。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
式(2)中、Lは、−O−、−S−又は−NR−である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。ただし、Lが−S−の場合、Rは水素原子ではない。
式(3)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。)
また、本発明は、当該硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜、及び当該硬化膜を有する表示素子を含む。
さらに、本発明は、当該硬化膜形成用組成物により塗膜を形成する工程、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び上記現像された塗膜を加熱する工程を備える硬化膜の形成方法を含む。
ここで、「感放射線性チオール発生剤」とは、放射線照射によりチオールを発生する化合物である。「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環状構造として脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。ただし、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環状構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいい、単環の芳香族炭化水素基及び多環の芳香族炭化水素基の両方を含む。ただし、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。「環員数」とは、環状構造を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
本発明によれば、保存安定性及び放射線感度を向上させつつ、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成できる硬化膜形成用組成物、当該硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜、当該硬化膜を用いた表示素子、並びに当該硬化膜の形成方法を提供できる。
<硬化膜形成用組成物>
当該硬化膜形成用組成物は、[A]化合物及び[B]化合物を含有する。また、当該硬化膜形成用組成物は、[B]化合物とは異なる感放射線性化合物(以下、「[C]感放射線性化合物」ともいう。)、[D]溶媒等を含有していてもよい。
当該硬化膜形成用組成物は、[A]化合物及び[B]化合物を含有することにより、保存安定性及び放射線感度を向上させつつ、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成できる。当該硬化膜形成用組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察される。[B]化合物が有する基(a)は、放射線の照射によりチオール基となるものである。よって、放射線の照射により、[A]化合物と、[B]化合物から生じるチオールとの重合反応を制御できるため、当該硬化膜形成用組成物の保存安定性を向上させることができると考えられる。また、基(a)において、硫黄原子と、この硫黄原子に隣接する炭素原子又はケイ素原子との間の結合は、放射線照射により開裂反応が生じ易いため、放射線感度を向上させることができると考えられる。また、[B]化合物が一分子中に2つ以上の基(a)を有するため、[B]化合物から生じるチオールにより[A]化合物間が架橋されるため、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成できると考えられる。
[[A]化合物]
[A]化合物は、チオールとの反応により重合する重合性化合物である。[A]化合物としては、例えば2つ以上の反応部位を有し、この反応部位の少なくとも1つがチオール基と反応して共有結合を形成するものが挙げられる。チオール基と反応して共有結合を形成する反応部位としては、例えばエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。なお、[A]化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このような[A]化合物としては、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、エポキシ基を含む構造単位を有する重合体、(メタ)アクリロイル基を含む構造単位を有する重合体、ビニル基を含む構造単位を有する重合体、及びこれらの構造単位の組み合わせを有する重合体(以下、これらをまとめて「[a]重合体」ともいう。)が挙げられる。
[a]重合体としては、不飽和化合物を単量体として用いてラジカル重合することにより得られる重合体(以下、「[a1]重合体」ともいう。)、加水分解性シラン化合物を単量体として用いて加水分解縮合することにより得られる重合体(以下、「[a2]重合体」ともいう。)等が挙げられる。なお、「加水分解縮合」とは、複数の加水分解性シラン化合物が有する加水分解性基が水の作用により加水分解して水酸基に変換され、これらが脱水縮合することによりSi−O−Si結合を形成する反応をいう。
([a1]重合体)
[a1]重合体は、エポキシ基を含む構造単位、(メタ)アクリロイル基を含む構造単位、ビニル基を含む構造単位又はこれらの組み合わせを有する重合体であり、不飽和化合物を単量体として用いてラジカル重合することにより得られる。
また、[a1]重合体は、カルボキシ基を含む構造単位、水酸基を含む構造単位及びその他の構造単位を有していてもよい。特に、アルカリ現像液により現像する場合、カルボキシ基を含む構造単位、水酸基を含む構造単位及びこれらの組み合わせを有することが好ましい。
エポキシ基を有する[a1]重合体は、例えばエポキシ基含有不飽和化合物を単量体として用いて、適宜他の単量体等と共にラジカル重合することにより得られる。エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えばオキシラニル基(1,2−エポキシ構造)、オキセタニル基(1,3−エポキシ構造)等を含有する不飽和化合物などが挙げられる。
上記オキシラニル基を有する不飽和化合物としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロへキシル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
上記オキセタニル基を有する不飽和化合物としては、例えば3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらのエポキシ基含有不飽和化合物のうち、重合性の観点から、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル及び3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタンが好ましい。
これらのエポキシ基含有不飽和化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
[a1]重合体がエポキシ基を含む構造単位を有する場合、この構造単位の含有割合の下限としては、[a1]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。エポキシ基を含む構造単位の含有割合が上記範囲である場合、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。
(メタ)アクリロイル基を有する[a1]重合体は、例えばエポキシ基を有する重合体と(メタ)アクリル酸とを反応させる方法、カルボキシ基を有する重合体とエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる方法、水酸基を有する重合体とイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる方法、酸無水物基を有する重合体と(メタ)アクリル酸とを反応させる方法等により得られる。これらの方法のうち、カルボキシ基を有する重合体とエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを反応させる方法が好ましい。
上記エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロへキシル等が挙げられる。
これらのエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルのうち、反応性の観点から、メタクリル酸グリシジル及びメタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルが好ましい。
これらのエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
[a1]重合体が(メタ)アクリロイル基を含む構造単位を有する場合、この構造単位の含有割合の下限としては、[a1]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。(メタ)アクリロイル基を含む構造単位の含有割合が上記範囲である場合、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。
ビニル基を有する[a1]重合体は、例えばカルボキシ基を有する重合体とエポキシ基及びビニル基を有する化合物とを反応させる方法により得られる。
上記エポキシ基及びビニル基を有する化合物としては、例えばビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等が挙げられる。
これらのエポキシ基及びビニル基を有する化合物のうち、反応性の観点から、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル及びp−ビニルベンジルグリシジルエーテルが好ましい。
これらのエポキシ基及びビニル基を有する化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
[a1]重合体がビニル基を含む構造単位を有する場合、この構造単位の含有割合の下限としては、[a1]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。ビニル基を含む構造単位の含有割合が上記範囲である場合、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。
[a1]重合体がカルボキシ基を含む構造単位を有する場合、[a1]重合体は、例えば不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル等のカルボン酸系不飽和化合物を単量体として用いて、エポキシ基含有不飽和化合物等の他の単量体と共にラジカル重合することにより得られる。
上記不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。
上記多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステルとしては、例えばコハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられる。
これらのカルボン酸系不飽和化合物のうち、重合性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。
これらのカルボン酸系不飽和化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
[a1]重合体がカルボキシ基を含む構造単位を有する場合、この構造単位の含有割合の下限としては、[a1]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。カルボキシ基を含む構造単位の含有割合が上記範囲である場合、アルカリ現像液への溶解性をより向上させることができる。
[a1]重合体が水酸基を含む構造単位を有する場合、[a1]重合体は、例えば水酸基含有不飽和化合物を単量体として用いて、エポキシ基含有不飽和化合物等の他の単量体と共にラジカル重合することにより得られる。
上記水酸基含有不飽和化合物としては、例えばアルコール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、フェノール性水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
上記アルコール性水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
上記アルコール性水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸5−ヒドロキシペンチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等が挙げられる。
上記フェノール性水酸基を有するアクリル酸エステルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシフェニル、アクリル酸4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
上記フェノール性水酸基を有するメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシフェニル、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル等が挙げられる。
上記ヒドロキシスチレンとしては、o−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
これらの水酸基含有不飽和化合物のうち、重合性の観点から、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル及びα−メチル−p−ヒドロキシスチレンが好ましい。
これらの水酸基含有不飽和化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
[a1]重合体が水酸基を含む構造単位を有する場合、この構造単位の含有割合の下限としては、[a1]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、30モル%が好ましく、20モル%がより好ましい。水酸基を含む構造単位の含有割合が上記範囲である場合、アルカリ現像液への溶解性をより向上させることができる。
[a1]重合体がその他の構造単位を有する場合、その他の構造単位を与える単量体としては、例えばメタクリル酸鎖状アルキルエステル、メタクリル酸環状アルキルエステル、アクリル酸鎖状アルキルエステル、アクリル酸環状アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステル、アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン、テトラヒドロフラン骨格を持つ不飽和化合物、その他の不飽和化合物等が挙げられる。
上記メタクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
上記メタクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、メタクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
上記アクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
上記アクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
上記メタクリル酸アリールエステルとしては、例えばメタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等が挙げられる。
上記アクリル酸アリールエステルとしては、例えばアクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
上記不飽和ジカルボン酸ジエステルとしては、例えばマレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等が挙げられる。
上記マレイミド化合物としては、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
上記不飽和芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等が挙げられる。
上記共役ジエンとしては、例えば1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
上記テトラヒドロフラン骨格を含有する不飽和化合物としては、例えばメタクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン等が挙げられる。
上記その他の不飽和化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。
上記その他の構造単位を与える単量体のうち、重合性の観点から、スチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、p−メトキシスチレン、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、及びメタクリル酸テトラヒドロフルフリルが好ましい。
その他の構造単位を与える単量体は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
[a1]重合体がその他の構造単位を有する場合、この構造単位の含有割合の下限としては、[a1]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましい。上記含有割合が上記範囲内の場合、上述した効果を妨げることなく、例えば[a1]重合体の分子量等を調整できる。
[a1]重合体の重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましい。上記Mwの上限としては、30,000が好ましく、20,000がより好ましく、15,000がさらに好ましい。[a1]重合体のMwを上記範囲とすることで、保存安定性及び放射線感度をより向上させることができる。
また、上記Mwと、[a1]重合体の数平均分子量(Mn)との比、すなわち分子量分布(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.2が好ましく、1.5がより好ましい。上記Mw/Mnの上限としては、5が好ましく、4がより好ましく、3がさらに好ましい。[a1]重合体のMw/Mnを上記範囲とすることで、保存安定性及び放射線感度をより向上させることができる。
なお、本明細書におけるMw及びMnは、下記の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
装置:例えば昭和電工社の「GPC−101」
カラム:例えば昭和電工社の「GPC−KF−801」、「GPC−KF−802」、「GPC−KF−803」及び「GPC−KF−804」を連結したもの
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
([a1]重合体の合成方法)
[a1]重合体の合成方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えばエポキシ基を含む構造単位及びカルボキシ基を含む構造単位を有する[a1]重合体を合成する場合は、溶媒中で重合開始剤の存在下、上記エポキシ基含有不飽和化合物と上記カルボン酸系不飽和化合物とを共重合反応させることによって合成できる。
上記溶媒としては、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、ケトン、エステル等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
([a2]重合体)
[a2]重合体は、エポキシ基を含む構造単位、(メタ)アクリロイル基を含む構造単位、ビニル基を含む構造単位又はこれらの組み合わせを有する重合体であり、加水分解性シラン化合物を単量体として用いて加水分解縮合することにより得られる。
[a2]重合体としては、例えば下記式(a2)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物が挙げられる。
Figure 2016184117
上記式(a2)中、R20は炭素数1〜20の非加水分解性の有機基である。R21は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜8のアシル基又は炭素数6〜15のアリール基である。qは0〜3の整数である。qが2以上の場合、複数のR20は、同一であっても異なっていてもよい。また、qが2以下の場合、複数のR21は、同一であっても異なっていてもよい。
20で表される炭素数1〜20の非加水分解性の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の水素原子の一部又は全部がエポキシ基、(メタ)アクリロイル基又はビニル基で置換された基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば1価の鎖状炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、メシチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、スチリル基、シンナミル基等のアラルキル基などが挙げられる。
20としては、メチル基、エチル基、フェニル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部がエポキシ基、(メタ)アクリロイル基又はビニル基で置換された基が好ましい。
21で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。
21で表される炭素数1〜8のアシル基としては、例えば
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基等の鎖状脂肪族アシル基;
シクロペンタノイル基、シクロヘキサノイル基等の脂環式アシル基;
ベンゾイル基等の芳香族アシル基などが挙げられる。
21で表される炭素数6〜15のアリール基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
21としては、メチル基、エチル基及びフェニル基が好ましく、メチル基がより好ましい。R21がこれらの基である場合、加水分解性が高くなり、その結果、続く縮合反応が起こりやすくなるため、硬度の高い硬化膜を形成できる。
qとしては、0〜2が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。qが上記範囲内である場合、加水分解性が高くなり、その結果、続く縮合反応が起こりやすくなるため、硬度の高い硬化膜を形成できる。
上記式(a2)で表される加水分解性シラン化合物としては、例えば4個の加水分解性基を有するシラン化合物、1個の非加水分解性基及び3個の加水分解性基を有するシラン化合物、2個の非加水分解性基及び2個の加水分解性基を有するシラン化合物、3個の非加水分解性基及び1個の加水分解性基を有するシラン化合物等が挙げられる。
上記4個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン等が挙げられる。
上記1個の非加水分解性基及び3個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−i−プロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記2個の非加水分解性基及び2個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、例えばジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記3個の非加水分解性基及び1個の加水分解性基を有するシラン化合物としては、例えばトリブチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリブチルエトキシシラン等が挙げられる。
これらの加水分解性シラン化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、上記式(a2)で表される加水分解性シラン化合物のうちの少なくとも1種として、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基又はビニル基を有する化合物(以下、「特定シラン化合物」ともいう。)を使用することが好ましい。
加水分解性シラン化合物として特定シラン化合物を使用する場合、その使用量の下限としては、[a2]重合体を合成するための全加水分解性シラン化合物に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。また、上記使用量の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。特定シラン化合物の使用量が上記範囲である場合、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。
[a2]重合体の重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましい。上記Mwの上限としては、30,000が好ましく、20,000がより好ましく、15,000がさらに好ましい。[a2]重合体のMwを上記範囲とすることで、保存安定性及び放射線感度をより向上させることができる。
また、[a2]重合体の分子量分布(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.2が好ましく、1.5がより好ましい。上記Mw/Mnの上限としては、5が好ましく、4がより好ましく、3がさらに好ましい。[a2]重合体のMw/Mnを上記範囲とすることで、保存安定性及び放射線感度をより向上させることができる。
([a2]重合体の合成方法)
[a2]重合体は、上述した加水分解性シラン化合物を加水分解縮合させることにより得られる。上記加水分解縮合の方法としては、溶媒中にて、原料化合物である加水分解性シラン化合物を投入し、これに水を加え、加水分解縮合する方法が好ましく採用される。この場合、反応系内に加水分解性シラン化合物及び水を一度に投入して反応を一段階で行ってもよく、加水分解性シラン化合物及び/又は水を数回に分けて、あるいは一定時間かけて連続的に反応系内に投入することにより、加水分解縮合反応を多段階で、あるいは連続的に行ってもよい。なお、[a2]重合体は、全ての加水分解性基が加水分解縮合したものだけでなく、加水分解性基の一部が加水分解又は縮合せずに残存するものも包含される。
加水分解縮合反応に使用する溶媒は特に限定されるものではないが、例えばアルコール系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒等が挙げられる。なお、溶媒は、単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、1−ノナノール、1−ドデカノール、ジアセトンアルコール等のアルキルアルコール;
ベンジルアルコール等の芳香族アルコールなどが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル;
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルなどが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸エチル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル;
プロピレングリコールジアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等が挙げられる。
これらの中でも、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノンが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノエチルエーテルがより好ましい。
加水分解縮合反応に使用する水としては、逆浸透膜処理、イオン交換処理、蒸留等の方法により精製された水が好ましい。このような精製水を用いることによって、副反応を抑制し、加水分解の反応性を向上させることができる。水の使用量の下限としては、加水分解性シラン化合物の加水分解性基の合計1モルに対して0.1モルが好ましく、0.3モルがより好ましく、0.5モルがさらに好ましい。また、水の使用量の上限としては、加水分解性シラン化合物の加水分解性基の合計1モルに対して10モルが好ましく、7モルがより好ましく、5モルがさらに好ましい。水の使用量を上記範囲とすることにより、加水分解縮合の反応速度を最適化することができる。
加水分解縮合反応させる際には触媒を添加してもよい。触媒としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ポリリン酸等の無機酸;蟻酸、シュウ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、(無水)マレイン酸、酒石酸、乳酸、クエン酸等の有機酸;酸性イオン交換樹脂;アンモニア水、トリエチルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基触媒などを挙げることができる。
触媒を添加する場合、触媒の使用量の下限としては、加水分解性シラン化合物の加水分解性基の合計1モルに対して0.00001モルが好ましく、0.0001モルがより好ましい。また、触媒の使用量の上限としては、加水分解性シラン化合物の加水分解性基の合計1モルに対して0.2モルが好ましく、0.1モルがより好ましい。触媒の使用量を上記範囲とすることにより、加水分解縮合反応を効果的に促進させることができる。なお、触媒は、最初から反応系内に投入しておいても、所定温度となった際に投入しても、段階的に投入しても、連続的に投入してもよい。
加水分解縮合反応における反応条件は適宜設定することが可能であるが、例えば40℃以上200℃以下、好ましくは150℃以下の反応温度で、例えば30分以上24時間以下、好ましくは12時間以下の反応時間とすることにより、反応を行うことができる。
当該硬化膜形成用組成物が[a]重合体を含有する場合、[a]重合体の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。また、上記含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。[a]重合体の含有量を上記下限以上とすることにより、放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。一方、上記含有量を上記上限以下とすることにより、保存安定性をより向上させることができる。
([a3]化合物)
[A]化合物としては、重合体以外の化合物(以下、「[a3]化合物」ともいう。)であってもよい。このような[a3]化合物としては、例えば2つ以上の反応部位を有する分子量800以下の化合物であって、上記反応部位の少なくとも1つがエポキシ基、(メタ)アクリロイル基又はビニル基である化合物等が挙げられる。
エポキシ基を有する[a3]化合物としては、例えば
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)プロパン等のジグリシジル化合物;
トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、2,2’−((((1−(4−(2−(4−(オキシラン−2−イルメトキシ)フェニル)プロパン−2−イル)フェニル)エタン−1,1−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(オキシラン)等のトリグリシジル化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する[a3]化合物としては、例えば
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート化合物;
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート化合物;
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等のペンタ(メタ)アクリレート化合物;
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドオリゴマー変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のヘキサ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
ビニル基を有する[a3]化合物としては、例えば
ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン等のジビニル化合物;
1,3,5−トリビニル−2,4,6−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリビニルベンゼン等のトリビニル化合物などが挙げられる。
当該硬化膜形成用組成物が[a3]化合物を含有する場合、[a3]化合物の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。また、上記含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。[a3]化合物の含有量を上記下限以上とすることにより、放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。一方、上記含有量を上記上限以下とすることにより、保存安定性をより向上させることができる。
[[B]化合物]
[B]化合物は、一分子中に2つ以上の基(a)を有する感放射線性チオール発生剤である。基(a)は、下記式(1)で表される基(以下、「基(a1)」ともいう。)、下記式(2)で表される基(以下、「基(a2)」ともいう。)又は下記式(3)で表される基(以下、「基(a3)」ともいう。)である。[B]化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、[B]化合物としては、2つ以上の基(a)を有し、かつ放射線照射によりチオールを発生する化合物である限り特に限定されず、例えば2つ以上の基(a1)を有する化合物、2つ以上の基(a2)を有する化合物、2つ以上の基(a3)を有する化合物、基(a1)と基(a2)とを有する化合物、基(a1)と基(a3)とを有する化合物、基(a2)と基(a3)とを有する化合物等が挙げられる。
Figure 2016184117
上記式(1)〜(3)中、*1は、[B]化合物における基(a)以外の部分に結合する部位を示す。
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。Lは、単結合、−O−、−S−又は−NR−である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。ただし、Lが−S−の場合、Rは水素原子ではない。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
上記式(2)中、Lは、−O−、−S−又は−NR−である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。ただし、Lが−S−の場合、Rは水素原子ではない。
上記式(3)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。
〜Rで表される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数1〜12のアルキル基等が挙げられる。
、R、R、R及びRで表される炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数1〜12のアルキル基の結合手側の末端に酸素原子が結合した基等が挙げられる。
〜Rで表される炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、R20で表される基として例示した炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
〜Rで表される炭素数6〜12のアリール基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
〜Rで表される基が有していてもよい上記置換基としては、例えば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、スルホンアミド基、オキソ基等が挙げられる。
及びRとしては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、及びこれらの基の水素原子の少なくとも一部がアルコキシ基又はニトロ基で置換された基が好ましい。
及びRとしては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜10のアリール基が好ましい。
としては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、単結合及び−O−が好ましく、単結合がより好ましい。
としては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、−O−が好ましい。
及びRとしては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
、R及びRとしては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
基(a)としては、保存安定性及び放射線感度をより向上させる観点から、基(a1)が好ましく、上記式(1)においてLが単結合かつRがアリール基である基(a1)、上記式(1)において硫黄原子に結合する炭素原子が3級炭素原子である基(a1)、及びLが−O−である基(a1)がより好ましい。
[B]化合物としては、下記式(4)で表される部分構造を有する化合物(以下、「[B1]化合物」ともいう。)、下記式(5)で表される部分構造を有する化合物(以下、「[B2]化合物」ともいう。)、及び下記式(6)で表される化合物(以下、「[B3]化合物」ともいう。)が好ましい。[B]化合物として上記特定の化合物を用いることにより、当該硬化膜形成用組成物の保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。また、[B]化合物として上記特定の化合物を用いることにより、当該硬化膜形成用組成物から得られる硬化膜を液晶表示素子の表示部材に適用した際、液晶セルの電圧保持率を高めることができる。
Figure 2016184117
上記式(4)〜(6)中、Xは、基(a)である。
上記式(4)及び(5)中、*2は、[B]化合物における上記部分構造以外の部分に結合する部位を示す。
上記式(4)中、Lは、置換又は非置換の炭素数2〜12のアルキレン基である。
上記式(5)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。
上記式(6)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数6〜12のアリーレン基である。Lは、単結合、−O−又は−S−である。nは、0又は1である。
で表される炭素数2〜12のアルキレン基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数2〜12のアルキル基において、結合手を有する炭素原子以外の炭素原子が有する1つの水素原子を除いた基等が挙げられる。
で表される基が有していてもよい上記置換基としては、例えばR〜Rで表される基が有していてもよい置換基として例示したものと同様の置換基等が挙げられる。
としては、保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、炭素数2〜5のアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
10及びR11で表される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数1〜12のアルキル基等が挙げられる。
10及びR11で表される炭素数1〜12のアルコキシ基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数1〜12のアルキル基の結合手側の末端に酸素原子が結合した基等が挙げられる。
10及びR11で表される炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基等が挙げられる。
10及びR11で表される炭素数6〜12のアリール基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。
10及びR11で表される基が有していてもよい上記置換基としては、例えばR〜Rで表される基が有していてもよい置換基として例示したものと同様の置換基等が挙げられる。
10及びR11としては、保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、水素原子が好ましい。
Ar及びArで表される炭素数6〜12のアリーレン基としては、例えばR20で表される基として例示した炭素数6〜12のアリール基から1つの水素原子を除いた基等が挙げられる。
Ar及びArで表される基が有していてもよい上記置換基としては、例えばR〜Rで表される基が有していてもよい置換基として例示したものと同様の置換基等が挙げられる。
Ar及びArとしては、保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、炭素数6〜10のアリーレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
としては、保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、−O−及び−S−が好ましく、−S−がより好ましい。
[B1]化合物としては、例えば下記式に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2016184117
[B2]化合物としては、例えば下記式に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2016184117
[B3]化合物としては、例えば下記式に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2016184117
[B]化合物としては、保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成する観点から、チオール基を有さず、かつ基(a)以外の部分の炭素数が2〜30である化合物が好ましく、[B1]化合物がより好ましい。
[A]化合物100質量部に対する[B]化合物の含有量の下限としては、1質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましい。上記含有量を上記範囲内とすることにより、保存安定性及び放射線感度をより高めつつ、硬度がより高く、耐溶剤性により優れる硬化膜を形成できる。
[[C]感放射線性化合物]
当該硬化膜形成用組成物は、[C]感放射線性化合物をさらに含んでもよい。この場合、当該硬化膜形成用組成物の放射線感度をより高めることができる。[C]感放射線性化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[C]感放射線性化合物としては、例えば感放射線性ラジカル重合開始剤、感放射線性酸発生剤、感放射線性塩基発生剤及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上記感放射線性ラジカル重合開始剤は、例えば[A]化合物が(メタ)アクリロイル基、ビニル基等のエチレン性不飽和基を有している場合、当該硬化膜形成用組成物の放射線による硬化反応を促進させることができる。
上記感放射線性ラジカル重合開始剤としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の露光により、[A]化合物のラジカル重合反応を開始し得る活性種を発生することができる化合物等が挙げられる。
上記感放射線性ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えばO−アシルオキシム化合物、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
上記O−アシルオキシム化合物としては、例えば1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−[9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル]−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−[9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]等が挙げられる。
上記α−アミノケトン化合物としては、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
上記α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
上記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記感放射線性ラジカル重合開始剤としては、放射線による硬化反応をより促進させる観点から、O−アシルオキシム化合物及びα−アミノケトン化合物が好ましく、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オンがより好ましい。
当該硬化膜形成用組成物が感放射線性ラジカル重合開始剤を含有する場合、感放射線性ラジカル重合開始剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して0.5質量部が好ましく、1.0質量部がより好ましく、1.5質量部がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。上記含有量を上記範囲とすることにより、放射線による硬化反応をより促進させることができる。
上記感放射線性酸発生剤は、放射線照射時の[B]化合物のチオール化反応をより促進させることができる。感放射線性酸発生剤としては、例えば10mJ/cm以上2,000mJ/cm以下の紫外光照射により酸を発生する化合物が挙げられる。
上記感放射線性酸発生剤の具体例としては、例えばヨードニウム塩系感放射線性酸発生剤、スルホニウム塩系感放射線性酸発生剤、テトラヒドロチオフェニウム塩系感放射線性酸発生剤、イミドスルホネート系感放射線性酸発生剤、オキシムスルホネート系感放射線性酸発生剤、キノンジアジド化合物等が挙げられる。
上記ヨードニウム塩系感放射線性酸発生剤としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
上記スルホニウム塩系感放射線性酸発生剤としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、(4−ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチル−ジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
上記テトラヒドロチオフェニウム塩系感放射線性酸発生剤としては、例えば4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(1−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロフラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4,7−ジブトキシ−1−ナフチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート等が挙げられる。
上記イミドスルホネート系感放射線性酸発生剤としては、例えばトリフルオロメチルスルホニルオキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エンジカルボキシイミド、スクシンイミドトリフルオロメチルスルホネート、フタルイミドトリフルオロメチルスルホネート、N−ヒドロキシナフタルイミドメタンスルホネート、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドプロパンスルホネート等が挙げられる。
上記オキシムスルホネート系感放射線性酸発生剤としては、例えば(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルホニルオキシイミノ)−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。
上記キノンジアジド化合物としては、例えばトリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、ペンタヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、ヘキサヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル等が挙げられる。
上記トリヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
上記テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
上記ペンタヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
上記ヘキサヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えば2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
上記(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとしては、例えばビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等が挙げられる。
上記感放射線性酸発生剤としては、[B]化合物のチオール化反応をより促進させる観点から、オキシムスルホネート系感放射線性酸発生剤、及びキノンジアジド化合物が好ましく、(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、及び1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルがより好ましい。
当該硬化膜形成用組成物が感放射線性酸発生剤を含有する場合、感放射線性酸発生剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して0.5質量部が好ましく、1.0質量部がより好ましく、1.5質量部がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して30質量部が好ましく、25質量部がより好ましい。上記含有量を上記範囲とすることにより、[B]化合物のチオール化反応をより促進させることができる。
上記感放射線性塩基発生剤は、例えば[B]化合物が上記基(a3)を有している場合、放射線照射時の[B]化合物のチオール化反応をより促進させることができる。感放射線性塩基発生剤としては、例えば10mJ/cm以上2,000mJ/cm以下の紫外光照射により塩基を発生する化合物が挙げられる。
感放射線性塩基発生剤の具体例としては、例えば
4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、1−(アントラキノン−2−イル)エチルイミダゾールカルボキシレート等の複素環基含有感放射線性塩基発生剤;
2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン−1,6−ジアミン、トリフェニルメタノール、o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウムn−ブチルトリフェニルボラートなどが挙げられ、[B]化合物のチオール化反応をより促進させる観点から、1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウムn−ブチルトリフェニルボラートが好ましい。
当該硬化膜形成用組成物が感放射線性塩基発生剤を含有する場合、感放射線性塩基発生剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して0.5質量部が好ましく、1.0質量部がより好ましく、1.5質量部がさらに好ましい。また、上記含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。上記含有量を上記範囲とすることにより[B]化合物のチオール化反応をより促進させることができる。
当該硬化膜形成用組成物が[C]感放射線性化合物を含有する場合、[C]感放射線性化合物の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して0.5質量部が好ましく、1.0質量部がより好ましい。また、上記含有量の上限としては、[A]化合物100質量部に対して30質量部が好ましく、25質量部がより好ましい。上記含有量を上記範囲とすることにより、当該硬化膜形成用組成物の放射線感度をより高めることができる。
[[D]溶媒]
当該硬化膜形成用組成物は上記成分以外に[D]溶媒を含んでもよい。当該硬化膜形成用組成物が[D]溶媒を含むと、塗布性が向上する。[D]溶媒としては、上記各成分を溶解又は分散させることができる限り特に限定されないが、例えば上述した[a]重合体を合成する際に使用する溶媒等が挙げられる。なお、[D]溶媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[その他の成分]
当該硬化膜形成用組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で他の重合体や添加剤等のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、例えば界面活性剤、無機粒子等の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ポリイミド等の重合体などが挙げられる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜選択することができる。
当該硬化膜形成用組成物は、適宜の方法により調製することが可能であるが、例えば[D]溶媒中で、[A]化合物、[B]化合物及び必要に応じて任意成分を混合することにより調製できる。混合する際の組成物中の固形分の濃度の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。また、上記濃度の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましい。固形分濃度を上記範囲とすることにより、塗布性を向上させることができる。なお、本明細書において「固形分」とは、試料を175℃のホットプレートで1時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
<硬化膜>
当該硬化膜は、当該硬化膜形成用組成物により得られる。当該硬化膜としては、例えば保護膜、層間絶縁膜、平坦化膜等が挙げられる。当該硬化膜は、当該硬化膜形成用組成物により得られるため、硬度が高く、耐溶剤性に優れる。当該硬化膜の形成方法は、特に限定されないが、後述する硬化膜の形成方法を適用することが好ましい。
<表示素子>
当該表示素子は当該硬化膜を有する。すなわち、当該硬化膜は表示素子に好適に使用できる。当該表示素子としては、例えば液晶表示素子、有機EL素子、電子ペーパー素子等が挙げられる。当該表示素子は、硬度が高く、耐溶剤性に優れる当該硬化膜を有するため、例えば歩留まりを高めることができると共に、耐久性を向上させることができる。
<硬化膜の形成方法>
当該硬化膜の形成方法は、当該硬化膜形成用組成物により塗膜を形成する工程(以下、「塗膜形成工程」ともいう。)、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射(露光)する工程(以下、「放射線照射工程」ともいう。)、上記放射線が照射された塗膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)、及び上記現像された塗膜を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう。)を備える。また、当該硬化膜の形成方法は、任意工程として、放射線照射工程と現像工程との間に、上記放射線が照射された塗膜を加熱する工程(以下、「PEB工程」ともいう。)を備えていてもよい。
当該硬化膜の形成方法によれば、上述した当該硬化膜形成用組成物を用いているため、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を容易かつ効率よく形成できる。以下、各工程について説明する。
[塗膜形成工程]
本工程では、基板表面等の硬化膜を形成する面に当該硬化膜形成用組成物を塗布した後、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)することにより溶媒等を除去して、塗膜を形成する。上記基板の材質としては、例えばガラス、石英、シリコン、樹脂等が挙げられる。上記樹脂の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド、環状オレフィンの付加重合体、環状オレフィンの開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
当該硬化膜形成用組成物の塗布方法としては特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスピンコート法及びスリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、例えば70℃以上130℃以下の温度で1分以上10分以下の加熱時間とすればよい。
[放射線照射工程]
本工程では、塗膜形成工程で形成された塗膜の一部に放射線を照射する。通常、塗膜の一部に放射線を照射する際には、所定のパターンを有するフォトマスクを介して照射する。上記放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。これらの放射線の中でも、波長が190nm以上450nm以下の範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
本工程における露光量の下限としては、放射線の波長365nmにおける強度を照度計(OAI Optical Associates Inc.社の「OAI model356」)により測定した値として、10mJ/cmが好ましく、20mJ/cmがより好ましい。また、上記露光量の上限としては、上記照度計により測定した値として、2,000mJ/cmが好ましく、1,000mJ/cmがより好ましい。
[PEB工程]
PEB工程を設ける場合、PEB条件としては、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、例えば70℃以上130℃以下の温度で1分以上10分以下の加熱時間とすればよい。
[現像工程]
本工程では、放射線照射後の塗膜を現像液で現像することにより所定のパターンを形成する。上記現像液としてはアルカリ現像液が好ましい。アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液などが挙げられる。また、アルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加してもよい。
現像方法としては、例えば液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、スプレー法等の適宜の方法を採用することができる。現像時間は、硬化膜形成用組成物の組成によって異なるが、例えば10秒以上180秒以下である。このような現像処理に続いて、例えば流水洗浄を30秒以上90秒以下の処理時間で行った後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを形成することができる。
[加熱工程]
本工程では、現像してパターニングされた塗膜を、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用いて加熱(ポストベーク)することにより、所望のパターンを有する硬化膜を得る。加熱温度の下限としては、120℃が好ましく、150℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。また、上記加熱温度の上限としては、400℃が好ましく、380℃がより好ましく、360℃がさらに好ましい。上記加熱温度を上記下限以上とすることにより、生産性、硬化膜の硬度、硬化膜及び表示素子の信頼性等を向上させることができる。一方、上記加熱温度を上記上限以下とすることにより、急激な膜収縮等の過度の応力発生を抑制できるため、クラックの発生を抑制できる。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱する場合には5分以上30分以下、オーブン中で加熱する場合には10分以上90分以下とすればよい。なお、加熱は、空気中で行っても、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で行ってもよい。また、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法を用いることも可能である。このように形成された硬化膜の平均厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下である。
以下に実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)]
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりMw及びMnを測定した。また、分子量分布(Mw/Mn)は得られたMw及びMnより算出した。
装置:昭和電工社の「GPC−101」
カラム:昭和電工社の「GPC−KF−801」、「GPC−KF−802」、「GPC−KF−803」及び「GPC−KF−804」を連結したもの
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
H−NMR分析]
H−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「ECX400P」)を使用した。
<重合体の合成>
[合成例1]重合体(A−1)の合成
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル200質量部を仕込んだ。次いで、メタクリル酸グリシジル80質量部及びスチレン20質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合した。これによりエポキシ基を有する重合体(A−1)を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は、30.8質量%であり、重合体(A−1)のMwは8,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。
[合成例2]重合体(A−2)の合成
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込んだ。次いで、メタクリル酸13質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、α−メチル−p−ヒドロキシスチレン10質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル12質量部、N−シクロヘキシルマレイミド15質量部及びメタクリル酸n−ラウリル10質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合した。これによりエポキシ基及びカルボキシ基を有する重合体(A−2)を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は、31.9質量%であり、重合体(A−2)のMwは8,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
[合成例3]重合体(A−3)の合成
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)11質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル300質量部を仕込んだ。次いで、メタクリル酸75質量部及びメタクリル酸ベンジル25質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合した。その後、溶液温度を100℃にして、1時間撹拌した後、室温へ戻した。次にメタクリル酸グリシジル50重量部及びテトラブチルアンモニウムブロミド2重量部を入れ、溶液の温度を90℃に上昇させ、この温度を9時間保持して反応させた。これにより側鎖にメタクリロイル基を有する重合体(A−3)を含有する重合体溶液を得た。この重合体溶液の固形分濃度は、23.0質量%であり、重合体(A−3)のMwは11,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。
[合成例4]重合体(A−6)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル20質量部を仕込み、次いで、メチルトリメトキシシラン40質量部、フェニルトリメトキシシラン40質量部及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン20質量部を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、リン酸0.15質量部及びイオン交換水19質量部を仕込み、75℃になるまで加熱し、4時間保持した。さらに、溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、イオン交換水及び加水分解縮合で発生したメタノールを除去した。これによりエポキシ基を有する重合体(A−6)を得た。重合体(A−6)のMwは、6,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。
<感放射線性チオール発生剤の合成>
[合成例5]化合物(B−1)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、4,4’−チオビスベンゼンチオール(シグマアルドリッチ社)5質量部、2,3−ジヒドロフラン(シグマアルドリッチ社)3質量部、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS:シグマアルドリッチ社)0.5質量部、及びテトラヒドロフラン50質量部を入れた後、室温で2時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的の化合物(B−1)を収率80%で得た。化合物(B−1)のH−NMR(300MHz、CDCl)は、δ1.80−2.21(8H,m),δ3.70(4H,m),δ4.98(2H,t),δ7.15(4H,d),δ7.30(4H,d)にシグナルが観測された。
Figure 2016184117
[合成例6]化合物(B−2)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、下記式(b2)に示す化合物(四国化成社)5質量部、メタノール(シグマアルドリッチ社)20質量部、ナトリウムメチラート(シグマアルドリッチ社)3.5質量部、及び4−メトキシベンジルクロリド(シグマアルドリッチ社)7.6質量部を入れた後、室温で4時間撹拌した。沈殿物をろ取し、水洗することで目的の化合物(B−2)を収率88%で得た。化合物(B−2)のH−NMR(300MHz、DMSO−d)は、δ2.63(6H,t),δ3.41(6H,s),δ3.62(9H,s),δ4.56(6H,t),δ7.02(6H,d),δ7.30(6H,d)にシグナルが観測された。
Figure 2016184117
[合成例7]化合物(B−3)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、1,6−ヘキサンジチオール(シグマアルドリッチ社)5質量部、トリフルオロ酢酸(シグマアルドリッチ社)15質量部、及びトリフェニルカルビノール(シグマアルドリッチ社)17質量部を入れた後、室温で3時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより、目的の化合物(B−3)を収率75%で得た。化合物(B−3)のH−NMR(300MHz,DMSO−d)は、δ1.55(4H,m),δ1.67(4H,m),δ2.52(4H,t),δ6.99−7.34(30H,m)にシグナルが観測された。
Figure 2016184117
[合成例8]化合物(B−4)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、下記式(b4)に示す化合物(四国化成)5質量部、エチルビニルエーテル(シグマアルドリッチ社)3.8質量部、触媒としてp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(PPTS:シグマアルドリッチ社)0.3質量部、及びテトラヒドロフラン30質量部を入れた後、室温で4時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的の化合物(B−4)を収率80%で得た。化合物(B−4)のH−NMR(300MHz,CDCl)は、δ1.24(12H,t),δ1.55(12H,d),δ3.32(8H,t),δ3.90(8H,t),δ4.22(8H,q),δ5.12(4H,q),δ6.22(2H,s)にシグナルが観測された。
Figure 2016184117
[合成例9]化合物(B−5)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、4,4’−チオビスベンゼンチオール(シグマアルドリッチ社)5質量部、及びジエチルエーテル(シグマアルドリッチ社)20質量部を入れ、反応容器を−50℃にした。そこへn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(関東化学社、1.6M)25質量部を加え、4時間反応させた後、クロロトリメチルシラン(シグマアルドリッチ社)5.4質量部を加えた。室温へ戻し、得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的の化合物(B−5)を収率79%で得た。化合物(B−5)のH−NMR(300MHz,CDCl)は、δ0.19(18H,s),δ7.22(4H,d),δ7.40(4H,d)にシグナルが観測された。
Figure 2016184117
[合成例10]化合物(B−6)の合成
撹拌機を備えた反応容器に、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(富岡化学社)5質量部、アセトニトリル(シグマアルドリッチ社)15質量部、炭酸カルシウム(シグマアルドリッチ社)10質量部、及び二炭酸ジ−tert−ブチル(シグマアルドリッチ社)9質量部を入れて、室温で24時間撹拌した。得られた反応生成物を水洗した後、未反応物を減圧留去することにより目的の化合物(B−6)を収率65%で得た。化合物(B−6)のH−NMR(300MHz,CDCl)は、δ1.55(36H,s),δ2.92−3.23(16H,m),δ4.23(8H,s)にシグナルが観測された。
Figure 2016184117
<硬化膜形成用組成物の調製、硬化膜の形成、及び物性評価>
各硬化膜形成用組成物の調製に用いた各成分を下記に示す。
[[A]成分]
A−1:重合体(A−1)
A−2:重合体(A−2)
A−3:重合体(A−3)
A−4:トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル
A−5:ジペンタエリストールヘキサアクリレート(日本化薬社の「KAYARAD DPHA」)
A−6:重合体(A−6)
[[B]成分]
B−1:化合物(B−1)
B−2:化合物(B−2)
B−3:化合物(B−3)
B−4:化合物(B−4)
B−5:化合物(B−5)
B−6:化合物(B−6)
b−1:下記式(b−1)に示す化合物
b−2:下記式(b−2)に示す化合物
b−3:下記式(b−3)に示す化合物(富岡化学社)
Figure 2016184117
[感放射線性ラジカル重合開始剤]
C1−1:1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−アセタート(BASF社の「IRGACURE OX02」)
C1−2:2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(BASF社の「イルガキュア907」)
[感放射線性酸発生剤]
C2−1:(5−プロピルスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(BASF社の「IRGACURE PAG 103」)
C2−2:1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物
[感放射線性塩基発生剤]
C3−1:1,2−ジシクロヘキシル−4,4,5,5−テトラメチルビグアニジウムn−ブチルトリフェニルボラート(和光純薬工業社の「WPBG−300」)
[[D]溶媒]
D−1:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
D−2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
[実施例1]
[A]成分としての(A−1)を含む(D−1)溶液(固形分換算で100質量部)に、[B]成分としての(B−1)20質量部を加え、全量が500質量部となるように[D]溶媒としての(D−1)を添加して実施例1の硬化膜形成用組成物を調製した。
[実施例2〜23及び比較例1〜3]
各配合成分の種類及び配合量を下記表1及び表2に記載の通りとしたこと以外は、実施例1と同様にして各硬化膜形成用組成物を調製した。なお、表1及び表2中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
得られた各硬化膜形成用組成物について、下記の方法に従い評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
[保存安定性]
保存安定性の評価は、硬化膜形成用組成物を25℃で保存した際の粘度が、調製直後の粘度の10倍に達するまでの時間を測定することにより行った。粘度の測定は、東京計器社の「ELD型粘度計」を用い、25℃、回転数20rpmの条件で行った。調製直後の粘度の10倍に達するまでの時間が長いほど保存安定性が良好であり、例えば800時間以上の場合、保存安定性が良好と評価できる。
[硬度]
硬度は、下記形成方法により硬化膜形成用組成物から形成した硬化膜について、JIS K 5600−5−4(1999年)に準拠する鉛筆硬度計により評価した。硬度は、H以上の場合、良好と評価できる。
(硬化膜の形成方法)
無アルカリガラス基板上に、硬化膜形成用組成物をスピンナーにより塗布した後、90℃のホットプレート上で3分間プレベークすることで平均厚み3μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に、フォトマスクを介さずに、高圧水銀ランプを用いて365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000mJ/cmの積算照射量で露光した。次いでオーブン中、230℃で30分間加熱し、硬化膜を得た。
[耐溶剤性]
耐溶剤性は、硬化膜形成用組成物から形成した硬化膜について、下記方法に従いアセトンに浸漬する前後の平均厚みの変化率を測定することにより評価した。硬化膜の形成は硬度の評価と同様の方法で行った。
(平均厚みの変化率の測定方法)
形成後の硬化膜の平均厚み(T1)、及びアセトン中に20分間浸漬させた後の平均厚み(T2)をそれぞれ測定し、下記式により変化率を算出した。なお、平均厚みの変化率が5%以下の場合、耐溶剤性が良好と評価できる。
平均厚みの変化率(%)={(T1−T2)/T1}×100
[放射線感度]
放射線感度は、硬化膜形成用組成物から形成した硬化膜について、上記硬度の評価と同様に鉛筆硬度計を用いて測定した硬度がHになる時の露光量により評価した。硬化膜の形成方法は露光量を任意に変更すること以外は上記硬度の評価と同様の方法で行った。なお、放射線感度が1,000mJ/cm以下であれば良好と評価できる。
[電圧保持率]
電圧保持率は、硬化膜形成用組成物から形成した硬化膜について、下記方法に従い評価した。
(電圧保持率測定用の液晶セルの作製)
ナトリウムイオンの溶出を防止するSiO膜及びITO(インジウム−酸化錫合金)電極が順次積層されたソーダガラス基板上に硬化膜形成用組成物をスピンコートした後、90℃のホットプレート上で2分間プレベークを行って、平均厚み2.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に、フォトマスクを介さずに、高圧水銀ランプを用いて365nm、405nm及び436nmの各波長を含む放射線を1,000mJ/cmの積算照射量で露光した。次いで、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて、25℃、60秒間の条件でディップ法による現像を行った。さらに230℃で30分間ポストベークを行い、硬化膜を形成した。次いで、この硬化膜を有する基板上に平均径5.5μmのビーズスペーサーを散布後、このビーズスペーサーが散布された硬化膜と、ITO電極が積層されたソーダガラス基板とを対向させた状態で、液晶注入口を残して4辺を平均径0.8mmのガラスビーズが混合されたシール剤により貼り合わせ、メルク社の液晶材料「MLC6608」を注入し、液晶注入口を封止することにより、液晶セルを作製した。
(電圧保持率の測定)
上記液晶セルを60℃の恒温層に入れて、液晶セルの電圧保持率を液晶電圧保持率測定システム(東陽テクニカ社の「VHR−1A型」)により測定した。このとき、印加電圧は5.5V(方形波)、測定周波数は60Hzとした。なお、電圧保持率とは、下記式から算出される値である。電圧保持率の値が低いほど、液晶パネル形成時に「焼き付き」と呼ばれる不具合を起こす可能性が高くなる。電圧保持率は、95%以上の場合、良好と評価できる。
電圧保持率(%)=(基準時から16.7ミリ秒後の液晶セルの電位差)/(基準時に印加した電圧)×100
Figure 2016184117
Figure 2016184117
表1及び表2の結果から明らかなように、実施例は、保存安定性、硬度、耐溶剤性、放射線感度及び電圧保持率に優れていた。これに対し、比較例1は、上記評価項目のいずれについても実施例に比べ劣っていた。また、比較例2は、保存安定性以外の評価項目について実施例に比べ劣っていた。また、比較例3は、保存安定性が実施例に比べ著しく劣っていた。
本発明によれば、保存安定性及び放射線感度を向上させつつ、硬度が高く、耐溶剤性に優れる硬化膜を形成できる硬化膜形成用組成物、当該硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜、当該硬化膜を用いた表示素子、並びに当該硬化膜の形成方法を提供できる。

Claims (9)

  1. チオールとの反応により重合する重合性化合物、及び
    一分子中に2つ以上の硫黄含有基を有する感放射線性チオール発生剤
    を含有し、
    上記硫黄含有基が、下記式(1)、下記式(2)又は下記式(3)で表される硬化膜形成用組成物。
    Figure 2016184117
    (式(1)〜(3)中、*1は、上記感放射線性チオール発生剤における上記硫黄含有基以外の部分に結合する部位を示す。
    式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。Lは、単結合、−O−、−S−又は−NR−である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。ただし、Lが−S−の場合、Rは水素原子ではない。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
    式(2)中、Lは、−O−、−S−又は−NR−である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。ただし、Lが−S−の場合、Rは水素原子ではない。
    式(3)中、R、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。)
  2. 上記感放射線性チオール発生剤が、下記式(4)若しくは下記式(5)で表される部分構造を有する化合物又は下記式(6)で表される化合物である請求項1に記載の硬化膜形成用組成物。
    Figure 2016184117
    (式(4)〜(6)中、Xは、上記硫黄含有基である。
    式(4)及び(5)中、*2は、上記感放射線性チオール発生剤における上記部分構造以外の部分に結合する部位を示す。
    式(4)中、Lは、置換又は非置換の炭素数2〜12のアルキレン基である。
    式(5)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基又はこれらの基が有する水素原子の少なくとも一部が置換基で置換された基である。
    式(6)中、Ar及びArは、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数6〜12のアリーレン基である。Lは、単結合、−O−又は−S−である。nは、0又は1である。)
  3. 上記重合性化合物が、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基又はこれらの組み合わせを有する請求項1又は請求項2に記載の硬化膜形成用組成物。
  4. 上記重合性化合物が重合体である請求項3に記載の硬化膜形成用組成物。
  5. 上記感放射線性チオール発生剤とは異なる感放射線性化合物をさらに含有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の硬化膜形成用組成物。
  6. 上記感放射線性化合物が、感放射線性ラジカル重合開始剤、感放射線性酸発生剤、感放射線性塩基発生剤又はこれらの組み合わせである請求項5に記載の硬化膜形成用組成物。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の硬化膜形成用組成物により得られる硬化膜。
  8. 請求項7に記載の硬化膜を有する表示素子。
  9. 硬化膜形成用組成物により塗膜を形成する工程、
    上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
    上記現像された塗膜を加熱する工程
    を備え、
    上記硬化膜形成用組成物が請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の硬化膜形成用組成物である硬化膜の形成方法。
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