JP2016182039A - 配線ボックス - Google Patents

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真也 谷
信夫 堀
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Abstract

【課題】耐火性能をより一層向上させること。。
【解決手段】配線ボックス80は、底壁82と、該底壁82の周縁から立設される側壁82a、82bとからなる周壁により前面に開口を有する有底箱状に形成された不燃材料製のボックス本体81を備える。ボックス本体81は、周壁の前面に形成されて壁表側から貫通孔周り全周を覆うように壁材の前面に当接する当接部85と、当接部85に向けて移動可能に支持されるとともに壁裏側に配置され、当接部85と共に壁材を挟持する挟持片31とを有する。当接部85は、ボックス本体81の側壁の開口側の縁部から外方に向けて延びる環状且つ不燃材料製のフランジである。
【選択図】図11

Description

本発明は、配線ボックスに関する。
建築物の壁に器具を設置するために、壁裏には配線ボックスが取り付けられている。さらに、壁を構築する壁材には器具にケーブルを接続するために貫通孔が形成されている。そして、例えば、壁表側で火災等が発生したとき、貫通孔を経由して火炎、煙、有毒ガスが壁裏側に流入することを防止するために、配線ボックスを金属材料で形成して耐火性を持たせたものがある(例えば特許文献1参照)。
特許文献1のパネルカバー(配線ボックス)は、金属製であるとともに前面に開口を有する箱状に形成されるとともに、下側板から背面板の下端部にかけて切欠部が設けられている。パネルカバーの両側板は、開口に向けて拡開状とされ、前端部の一部には外方に屈曲形成された落込み防止片が設けられている。また、特許文献1では、パネルカバーを壁裏に取り付けるために取付金具を用いる。取付金具は金属板材により略コ字形に成形され、上下両腕部と、両腕部を連結する連結部とからなる。連結部には、係止片を有するパンタグラフ式の固定部材が伸縮可能に一体形成されている。
そして、パネルカバーを壁裏に取り付ける際には、まず、取付金具の両腕部及び連結部の前面を、壁材の裏面における器具取付穴(貫通孔)周りに壁裏側から当接させ、固定部材を手前に引き伸ばし、係止片を壁材における前面側の器具取付穴周りに係止させる。すると、係止片と両腕部及び連結部とにより壁材が挟持され、壁裏において、取付金具が壁材に保持される。
続いて、壁表側からパネルカバーを器具取付穴に挿入する。このとき、切欠部によりパネルカバーの両側板が開口内側に変形するため、パネルカバーを器具取付穴に容易に挿入することができる。そして、落込み防止片を壁材における前面側の器具取付穴周りに係止させる。さらに、器具が取り付けられた取付枠を壁材の前面に当接させるとともに、取付枠に挿通した取付ねじを、取付金具の取付ねじ孔にねじ込む。すると、取付枠と取付金具とにより、落込み防止片及び壁材が挟持されてパネルカバーが壁裏に設置されるとともに壁に器具が設置される。
特開平4−183214号公報
しかしながら、特許文献1のパネルカバーには切欠部が形成されているため、壁表側からパネルカバー内に流入した火炎、煙、有毒ガスが切欠部を介して壁裏側に流入してしまう虞があり、耐火性能が低いという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、耐火性能をより一層向上させることができる配線ボックスを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、壁材に形成された貫通孔に壁表から挿入されて壁裏に配置されるとともに前記壁材に取り付けられる配線ボックスであって、底壁と、該底壁の周縁から立設される側壁とからなる周壁により前面に開口を有する有底箱状に形成された不燃材料製のボックス本体を備え、前記ボックス本体は、前記周壁の前面に形成されて壁表側から前記貫通孔周り全周を覆うように前記壁材の前面に当接する当接部と、前記当接部に向けて移動可能に支持されるとともに壁裏側に配置され、前記当接部と共に前記壁材を挟持する挟持片とを有し、前記当接部は、前記ボックス本体の前記側壁の開口側の縁部から外方に向けて延びる環状且つ不燃材料製のフランジであることを要旨とする。
さらに、本発明は、前記フランジは、前記挟持片と共に前記壁材を挟持する強度を有することを要旨とし得る。
さらに、本発明は、前記フランジは、前記ボックス本体に一体的に形成されていることを要旨とし得る。
さらに、本発明は、壁表側に取り付けられる配線器具及び化粧プレートと前記壁材との間で前記当接部が挟持されることを要旨とし得る。
この発明によれば、耐火性能をより一層向上させることができる。
実施形態におけるボックス本体、シート材、耐火ブッシング及びケーブルを示す斜視図。 ボックス本体の正面図。 ボックス本体の側面図。 ボックス本体の背面図。 シート材の正面図。 (a)はシート材及び耐火ブッシングがボックス本体に取り付けられた状態を示す正面図、(b)は図6(a)におけるA−A線断面図。 壁表側から配線ボックスを貫通孔に挿入した状態を示す斜視図。 工具により挟持片を壁表側へ移動させている状態を示す断面図。 壁材が当接片と挟持片とにより挟持された状態を示す断面図。 壁に配線器具及び化粧プレートが設置された状態を示す断面図。 別の実施形態における配線ボックスを示す斜視図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
図1に示すように、配線ボックス10は、壁Wを構築する壁材W1に形成された縦長楕円状の貫通孔Waに壁W表から挿入されて壁W裏に配置されるとともに壁材W1に取り付けられるものであり、金属材料(不燃材料)製のボックス本体11と、ボックス本体11に取り付けられる可撓性を有するステンレス製のシート材41とからなる。
まず、ボックス本体11について説明する。
図1及び図2に示すように、ボックス本体11は、矩形板状の底壁12と、この底壁12の周縁から立設された四つの側壁12a〜12dとから前面(一面)に開口13を有する有底四角箱状に形成されている。そして、底壁12及び側壁12a〜12dによりボックス本体11の周壁が形成されるとともに、底壁12及び側壁12a〜12dにより収容部Sが囲み形成されている。なお、以下の説明において、図1の上下に対向する側壁を上側壁12a及び下側壁12bとし、図1の左右に対向する側壁を右側壁12c及び左側壁12dとする。
底壁12には、ケーブル挿通孔14を4つ形成することができるようになっている。このケーブル挿通孔14は、ケーブルCをボックス本体11内に引き込む場合に初めて開口され、ケーブルCが引き込まれない場合はノック部14aにより閉鎖されている。すなわち、底壁12にケーブル挿通孔14が形成される前の状態では、収容部Sとボックス本体11外とは開口13以外の部位から連通することが無いようになっている。ケーブル挿通孔14は、ケーブルCと干渉し難いようにケーブルCとケーブル挿通孔14との間に隙間が形成される程度の余裕を持った寸法で開口される。
右側壁12c及び左側壁12dの開口13側の縁部には、第1当接部としての当接片21が外方に向けて延びるように二つずつ突設されている。各当接片21は、右側壁12c及び左側壁12dに対して直交する方向に延びるように形成されている。上側壁12a及び下側壁12bの開口13側の縁部には、収容部Sよりも外方に向けて延びる板状の取付部15が二つずつ設けられている。各取付部15は、上側壁12a及び下側壁12bに対して直交する方向に延びるように設けられている。各取付部15には取付用ビス挿通孔15aが形成されている。各取付部15には挟持片用ビス挿通孔15b(図8参照)が形成されている。
取付部15における両外角部15fは円弧状をなすように形成されるとともに、両外角部15f同士を繋ぐ外縁部15eは、左右方向に沿って上側壁12a及び下側壁12bと平行に直線状に延びるように形成されている。そして、ボックス本体11が貫通孔Waに壁W表から挿入されるときに、取付部15の両外角部15fが貫通孔Waの周縁部を避けるようになっている。なお、壁材W1に矩形状の貫通孔が形成される場合、ボックス本体11が貫通孔に壁W表から挿入されるときに、外縁部15eが貫通孔の縁部に沿うようにしてボックス本体11が壁W表から貫通孔に挿入されるようになっている。
図3に示すように、各取付部15の後面には板状をなす一対の案内部16a,16bが互いに対向するように配設されている。一対の案内部16a,16bは、取付部15の後面に対して直交する方向に沿って平行に延びるように形成されている。一対の案内部16a,16bの間には挟持片用ビスB1が収容されている。一方の案内部16aにおける底壁12側の縁部には底部16cが折り曲げ形成されている。底部16cは、底壁12と平行に延びるように形成されている。底部16cには挟持片用ビスB1の先端が挿通される挿通孔161c(図8参照)が形成されている。そして、挟持片用ビス挿通孔15bから一対の案内部16a,16bの間に挿通された挟持片用ビスB1は、底部16cの挿通孔161cに挿通されている。他方の案内部16bにおける底壁12側の縁部と底部16cとの間には、左側壁12d側に向けて開口する隙間16dが形成されている。
各挟持片用ビスB1には挟持片31が螺合されている。挟持片31は、一対の案内部16a,16bの内側で案内される被案内部31aと、被案内部31aの先端部に一体的に設けられる挟持部31bとから構成されている。各被案内部31aには、挟持片用ビスB1に螺合される雌ねじ孔31c(図8参照)が形成されている。各被案内部31aは、挟持片用ビスB1の回転に伴い回動可能になっている。すなわち、被案内部31aの回動に伴い挟持部31bも回動し、挟持片31全体が回動するようになっている。挟持部31bの前面には半球状の挟持用凸部31fが複数(本実施形態では二つ)突設されている。
図3及び図4に示すように、底壁12の長辺側の縁部それぞれには、収容凹部32が2箇所ずつ形成されている。各収容凹部32は、各挟持部31bが上側壁12a及び下側壁12bに対して接近する方向に回動されたときに、挟持部31bの一部を収容可能になっている。各挟持部31bの一部が各収容凹部32内に収容された状態では、各挟持部31bは取付部15の裏側で、取付部15の先端縁よりも外側に突出しないようになっている。
また、挟持部31bの一部が収容凹部32内に収容された状態において、挟持片用ビスB1を正方向に回転させると、被案内部31aが隙間16dを介して上側壁12a及び下側壁12bに対して離間する方向へ回動可能になっている。この被案内部31aの回動に伴い、挟持部31bが収容凹部32内から取付部15の先端縁よりも外側へ突出する方向へ回動するようになっている。
挟持片用ビスB1を正方向に回転し続けると、被案内部31aが、一方の案内部16aの内面に当接することで、被案内部31aがそれ以上回動されることが規制される。このため、挟持片用ビスB1を正方向に回転し続けると、被案内部31aは一対の案内部16a,16bの間で案内されながら取付部15に向けて直線移動するようになっている。すなわち、挟持片31全体が取付部15に向けて移動するようになっている。
次に、シート材41について説明する。
図5に示すように、シート材41は四角枠状をなすとともに、左右方向に沿って平行に延びる上鍔部41a及び下鍔部41bと、上鍔部41a及び下鍔部41bの右端部(一端部)同士を繋ぐ右鍔部41cと、上鍔部41a及び下鍔部41bの左端部(他端部)同士を繋ぐ左鍔部41dとを有する。右鍔部41c及び左鍔部41dは上下方向に沿って互いに平行に延びている。そして、上鍔部41a、下鍔部41b、右鍔部41c及び左鍔部41dによりシート材41の内側に開口41eが形成されている。
上鍔部41a及び下鍔部41bには、横長の挿通孔42が二つずつ形成されている。各挿通孔42は、シート材41がボックス本体11に取り付けられた状態において、挟持片用ビスB1及び取付用ビス挿通孔15aが挿通孔42の内側に配置されるように形成されている(図6(a)参照)。上鍔部41a及び下鍔部41bの左右両側には、開口41e側から上下方向に沿って切り込まれた切欠43が形成されている。右鍔部41c及び左鍔部41dには、開口41e側に突出する突出部44が形成されている。各突出部44は、シート材41がボックス本体11に取り付けられた状態において、隣り合う当接片21同士の間に配置されるように形成されている(図6(a)参照)。
上記構成のシート材41をボックス本体11に取り付ける際には、図6(a)及び(b)に示すように、各突出部44を隣り合う当接片21同士の間に配置し、且つ右鍔部41c及び左鍔部41dが当接片21の後側を通過するようにシート材41をボックス本体11に取り付ける。すると、上鍔部41a及び下鍔部41bにおける挿通孔42よりも開口41e側の部位が、ボックス本体11の開口13の縁部よりも内側に突出した状態になる。ここで、上鍔部41a及び下鍔部41bには切欠43が形成されているため、ボックス本体11の開口13の縁部よりも内側に突出した上鍔部41a及び下鍔部41bの部位は、開口13の内側において底壁12側に向けて折り曲げられる。このようにして、シート材41がボックス本体11に取り付けられることで、本実施形態の配線ボックス10が構成される。
上記構成のシート材41は、壁Wに設置される配線器具61及び化粧プレート65の設置状態に影響のない厚さで形成されている。ここで、「配線器具61及び化粧プレート65の設置状態に影響のない厚さ」とは、シート材41が、配線器具61及び化粧プレート65が設置されたときに、配線器具61及び化粧プレート65が壁W表側へ不必要に飛び出してしまうことのない厚さになっていることをいう。そして、シート材41は、配線器具61及び化粧プレート65と壁材W1とで挟持される第2当接部として機能する。
シート材41の厚さは、0.03mm〜0.5mmの範囲が好ましく、0.05mmがより好ましい。なお、シート材41が0.03mm未満の厚さであると、シート材41自体が耐火性能を発揮することができなくなり好ましくない。また、シート材41が0.5mmよりも大きい厚さであると、壁Wに設置される配線器具61及び化粧プレート65の設置状態に影響が生じるため好ましくない。
次に、上記構成の配線ボックス10を用いた配線器具の設置方法について説明する。
まず、図6(a)及び(b)に示すように、ノック部14aを除去してケーブル挿通孔14を開口し、ケーブル挿通孔14に、熱膨張性耐熱ゴムにより有蓋円筒状に形成された耐火ブッシング51を配設する。耐火ブッシング51は、外周面全周に亘って形成された装着用溝51aにケーブル挿通孔14の縁部を引っ掛けることで、ケーブル挿通孔14に取り付けられる。続いて、壁W裏に配設されたケーブルCを壁W表に引っ張り出して、ケーブルCを、ボックス本体11の底壁12の外面側から耐火ブッシング51に形成された挿通孔51bを介してボックス本体11内に引き込む。ここで、耐火ブッシング51の挿通孔51b周りは薄肉に形成されるとともに、貫通孔51bの孔径はケーブルCの外径よりも小さくなっている。よって、ケーブルCが挿通孔51bを通過すると、耐火ブッシング51における挿通孔51b周りが変形してケーブルCに密着するようになっている。
続いて、図7に示すように、配線ボックス10を、貫通孔Waに壁W表から挿入する。このとき、挟持片31は、挟持部31bの一部が収容凹部32内に収容されて取付部15の先端縁よりも外側に突出していない状態になっている。これにより、配線ボックス10の大部分が、貫通孔Waを通過する。すると、シート材41におけるボックス本体11よりも外方へ突出する部位が、壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接するとともに、各当接片21が、壁W表側から壁材W1の前面において貫通孔Wa周りの一部に当接する。このとき、シート材41における各当接片21の後側を通過している部位が、各当接片21と壁材W1との間で挟持される。
続いて、図8に示すように、工具71を用いて、挟持片用ビスB1を正方向(図8に示す矢印Rの方向)に回転させる。すると、被案内部31aが回動するとともに、収容凹部32内に収容された挟持部31bが収容凹部32内から取付部15よりも外側へ突出する方向へ回動する。さらに、工具71により挟持片用ビスB1を正方向に回転させると、被案内部31aが一対の案内部16a,16bの間で案内されながら取付部15に向けて移動する。そして、図9に示すように、挟持部31bの挟持用凸部31fが壁材W1の後面に当接することで、壁材W1が各当接片21と各挟持部31bとにより挟持され、配線ボックス10が壁W裏に固定される。すなわち、各当接片21は、挟持片31と共に壁材W1を挟持する強度を有している。
続いて、図10に示すように、配線器具61にケーブルCを接続するとともに、壁W表側に配線器具61が保持された配線器具保持枠62を配置し、配線器具保持枠62に形成された取付用ビス挿通孔62a、及び取付部15に形成された取付用ビス挿通孔15aに取付用ビスB2をねじ込む。すると、壁W表側に配線器具保持枠62が取り付けられ、配線器具61が壁W表に設置される。このとき、シート材41の上鍔部41a及び下鍔部41bの一部は、配線器具保持枠62と壁材W1との間で挟持される。なお、本実施形態では、配線器具保持枠62を壁W表側に二つ取り付けることができるようになっている。
続いて、配線器具保持枠62に取り付けられる化粧カバー取付板66、及び化粧カバー取付板66に取り付けられる化粧カバー本体67とから構成される化粧プレート65を壁W表側に設置する。このとき、シート材41における配線器具保持枠62よりも外方へ突出している部位が、化粧カバー取付板66と壁材W1との間で挟持される。すなわち、シート材41は、各当接片21と壁材W1との間、配線器具保持枠62と壁材W1との間、及び化粧カバー取付板66と壁材W1との間で挟持されることで、壁材W1の前面に密着した状態で、壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接している。
次に、本実施形態の作用について説明する。
火災等の発生時、貫通孔Waを介して火炎、煙、有毒ガス等が壁W裏側に向かって流入する。しかし、上記構成の配線ボックス10は金属製からなるため燃焼し難く、壁W裏に火炎、煙、有毒ガス等が流入してしまうことが阻止される。また、シート材41が壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接しているため、配線ボックス10と貫通孔Waとの間の隙間を介して火炎、煙、有毒ガス等の流入が阻止されている。さらには、火炎等の熱により耐火ブッシング51が加熱される。その結果、耐火ブッシング51がケーブルCに向けて膨張し、ケーブル挿通孔14とケーブルCとの間の隙間が埋められるため、ケーブル挿通孔14を介した壁W裏への火炎、煙、有毒ガス等の流入が阻止される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)配線ボックス10は、金属製のボックス本体11を備え、ボックス本体11は、壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接するシート材41及び当接片21を有する。さらに、ボックス本体11には、シート材41及び当接片21に向けて移動して当接片21と共に壁材W1を挟持する挟持片31を有している。よって、貫通孔Waに壁W表から配線ボックス10を挿入するとともに、挟持片31と当接片21とで壁材W1を挟持することで、配線ボックス10を壁W裏に固定することができる。そして、この金属製の配線ボックス10により壁W裏に火炎、煙、有毒ガス等が流入してしまうことを阻止することができ、貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接するシート材41により、配線ボックス10と貫通孔Waとの間の隙間を介した火炎、煙、有毒ガス等の流入を阻止することができる。その結果、耐火性能をより一層向上させることができる。
(2)配線ボックス10は、挟持片31と共に壁材W1を挟持する強度を有する当接片21と、配線器具61及び化粧プレート65の設置状態に影響のない厚さで形成されたシート材41とを有する。よって、配線器具61及び化粧プレート65が設置されたときに、配線器具61及び化粧プレート65が壁W表側へ不必要に飛び出してしまうことを防止することができる。
(3)シート材41は可撓性を有している。よって、各当接片21と壁材W1との間、配線器具保持枠62と壁材W1との間、及び化粧カバー取付板66と壁材W1との間で挟持されたときに、壁材W1の前面にシート材41を密着し易くすることができ、壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面にシート材41を当接し易くすることができる。
(4)シート材41はボックス本体11とは別体である。よって、例えば、第1当接部と第2当接部とを一体的に形成する場合に比べて、容易に第1当接部及び第2当接部を形成することができる。すなわち、第1当接部である当接片21と、第2当接部であるシート材41とを別々に形成することができるため、ボックス本体11を容易に形成することができる。
(5)ケーブル挿通孔14には耐火ブッシング51が配設されている。よって、火炎等の熱により耐火ブッシング51が加熱されることで、耐火ブッシング51がケーブルCに向けて膨張して、ケーブル挿通孔14とケーブルCとの間の隙間を埋めることができるため、ケーブル挿通孔14を介した壁W裏への火炎、煙、有毒ガス等の流入を阻止することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、配線ボックス10は、金属材料(不燃材料)製のボックス本体11と、ボックス本体11に取り付けられる可撓性を有するステンレス製のシート材41とから構成されていたが、これに限らない。例えば、図11に示すように、配線ボックス80のボックス本体81は金属材料(不燃材料)製であるとともに、矩形板状の底壁82と、この底壁82の周縁から立設された四つの側壁82a〜82dとから前面(一面)に開口83を有する有底四角箱状に形成されている。そして、底壁82及び側壁82a〜82dによりボックス本体81の周壁が形成されている。なお、以下の説明において、図11の上下に対向する側壁を上側壁82a及び下側壁82bとし、図11の左右に対向する側壁を右側壁82c及び左側壁82dとする。
上側壁82a及び下側壁82bの開口83側の縁部には取付部15が二つずつ設けられている。さらに、右側壁82c及び左側壁82dの開口83側の縁部、及び取付部15の先端縁からは、外方に向けて延びる四角環状をなすフランジ85が一体形成されている。
フランジ85は、配線ボックス80の大部分が貫通孔Waを通過すると、壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接するようになっている。また、フランジ85は、挟持片31と共に壁材W1を挟持する強度を有する当接部として機能する。このように、配線ボックス80を、当接部として機能するフランジ85がボックス本体81に一体的に設けられた構成にしてもよい。
○ 実施形態において、配線ボックス10は、挟持片31と共に壁材W1を挟持する強度を有する当接片21と、配線器具61及び化粧プレート65の設置状態に影響のない厚さで形成されたシート材41とを有していたが、これに限らない。ボックス本体11は、壁W表側から貫通孔Wa周りを覆うように壁材W1の前面に当接する当接部を少なくとも有していればよい。
○ 実施形態において、シート材41の厚さは特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、シート材41は可撓性を有していなくてもよい。
○ 実施形態において、シート材41がボックス本体11と一体的に形成されていてもよい。つまり、シート材41とボックス本体11とが別体でなくてもよい。
○ 実施形態において、耐火ブッシング51を削除してもよい。
○ 実施形態において、シート材41における配線器具保持枠62よりも外方へ突出している部位が、化粧カバー取付板66と壁材W1との間で挟持されていなくてもよい。また、化粧カバー取付板66がシート材41全体を覆うようにして配線器具保持枠62に取り付けられるようにしてもよい。
○ 実施形態において、上側壁12a及び下側壁12bの開口13側の縁部には、外方に向けて延びる取付部15が二つずつ設けられていたが、これに限らず、取付部15の数は特に限定されるものではない。すなわち、壁W表側に取り付けられる配線器具保持枠62の数は特に限定されるものではない。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記ボックス本体にはケーブルが挿通されるケーブル挿通孔が設けられるとともに、前記ケーブル挿通孔には、熱膨張性耐熱ゴムにより形成された耐火ブッシングが配設されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の配線ボックス。
W…壁、W1…壁材、Wa…貫通孔、10,80…配線ボックス、11,81…ボックス本体、12,82…底壁、12a,82a…側壁としての上側壁、12b,82b…側壁としての下側壁、12c,82c…側壁としての右側壁、12d,82d…側壁としての左側壁、13,83…開口、14…ケーブル挿通孔、21…第1当接部としての当接片、31…挟持片、41…第2当接部としてのシート材、51…耐火ブッシング、61…配線器具、65…化粧プレート、85…当接部として機能するフランジ。

Claims (4)

  1. 壁材に形成された貫通孔に壁表から挿入されて壁裏に配置されるとともに前記壁材に取り付けられる配線ボックスであって、
    底壁と、該底壁の周縁から立設される側壁とからなる周壁により前面に開口を有する有底箱状に形成された不燃材料製のボックス本体を備え、
    前記ボックス本体は、前記周壁の前面に形成されて壁表側から前記貫通孔周り全周を覆うように前記壁材の前面に当接する当接部と、
    前記当接部に向けて移動可能に支持されるとともに壁裏側に配置され、前記当接部と共に前記壁材を挟持する挟持片とを有し、
    前記当接部は、前記ボックス本体の前記側壁の開口側の縁部から外方に向けて延びる環状且つ不燃材料製のフランジであることを特徴とする配線ボックス。
  2. 前記フランジは、前記挟持片と共に前記壁材を挟持する強度を有することを特徴とする請求項1に記載の配線ボックス。
  3. 前記フランジは、前記ボックス本体に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の配線ボックス。
  4. 壁表側に取り付けられる配線器具及び化粧プレートと前記壁材との間で前記当接部が挟持されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の配線ボックス。
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