JP2016181606A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲート電極を有するスイッチング素子において効率よく放熱が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】この半導体装置は、半導体基板の表層に互いに独立した複数のゲート電極を有するスイッチング素子と、ゲート電極に所定の電圧を印加してスイッチング素子のオンオフを制御する制御部と、を備える。スイッチング素子は、ゲート電極が形成された一面において、ゲート電極への電圧の印加により通電に寄与する有効領域を有する。有効領域を正面視するとき、制御部は、有効領域の外縁に沿う周辺領域から有効領域の中央の中央領域に向かって、対応するゲート電極に電圧を印加して順にオンしていく。
【選択図】図2
【解決手段】この半導体装置は、半導体基板の表層に互いに独立した複数のゲート電極を有するスイッチング素子と、ゲート電極に所定の電圧を印加してスイッチング素子のオンオフを制御する制御部と、を備える。スイッチング素子は、ゲート電極が形成された一面において、ゲート電極への電圧の印加により通電に寄与する有効領域を有する。有効領域を正面視するとき、制御部は、有効領域の外縁に沿う周辺領域から有効領域の中央の中央領域に向かって、対応するゲート電極に電圧を印加して順にオンしていく。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数のゲート電極を有する半導体装置に関する。
モータなどの駆動や、駆動のための電圧の調整には、それぞれインバータやコンパレータが用いられる。これらにはFETやIGBTといったパワースイッチング素子が利用される。インバータあるいはコンパレータを安定して動作させるために、パワースイッチング素子の温度を抑制する必要があり、空冷や水冷などによる冷却が行われている。パワースイッチング素子の冷却を行う冷却器は、モータの駆動ユニットや電力変換ユニットの体格の多くを占めるため、ユニット全体の小型化の要請に対して、冷却器の小型化が求められている。
近年、GaNやSiCなどのワイドバンドギャップ半導体をパワースイッチング素子の構成材料に採用することによって、高耐圧、高耐熱、低損失を実現しようとする傾向がある。これは、高耐熱特性を有するパワースイッチング素子を採用することによって冷却器の冷却能力を抑制して、冷却器を小型化しようとするものである。
しかしながら、パワースイッチング素子自身の信頼性の確保に加えてスイッチング損失を抑制するためにはジャンクション温度を抑制することが必要であり、ワイドバンドギャップ半導体を採用しても冷却器の小型化は十分ではない。
これに対して、特許文献1には、同時に駆動する発熱素子を分散配置して、ユニット全体として熱分散の効率を向上させる半導体装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の半導体装置は、例えばひとつのIGBTを構成する複数のセル間における熱干渉への対策がとられていない。すなわち、個々のセルの発熱に対して局所的な放熱対策は行われていない。還流ダイオード(FWD)についても同様であり、特許文献1に記載の半導体装置では、セルにおける発熱量によって冷却器の体格が律速してしまう虞がある。
また、特許文献1に記載された、IGBTとFWDとが両方形成された半導体装置においては、各素子を分散配置することが可能である。しかしながら、近年注目されているSiC−MOSFETやGaN−FET、GaN−HEMTではFWDが必要でない場合があり、素子の高密度化が可能である。このため、ユニットの小型化の要請に対して、特許文献1に記載の技術を採用できない場合がある。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、ゲート電極を有するスイッチング素子において効率よく放熱が可能な半導体装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、半導体基板(19)の表層に互いに独立した複数のゲート電極(11)を有するスイッチング素子(10,12,13)と、ゲート電極に所定の電圧を印加してスイッチング素子のオンオフを制御する制御部(20)と、を備え、スイッチング素子が、ゲート電極が形成された一面において、ゲート電極への電圧の印加により通電に寄与する有効領域(R)を有する半導体装置であって、有効領域を正面視するとき、制御部は、有効領域の外縁に沿う周辺領域から有効領域の中央の中央領域に向かって、対応するゲート電極に電圧を印加して順にオンしていくことを特徴としている。
周辺領域は、スイッチング素子を含む半導体チップの側面の近傍に位置することになる。このため、本発明を採用すれば、スイッチング素子の側面も含んだより放熱に寄与する面積の広い周辺領域を、中央領域よりも先にターンオンするので、スイッチング素子の温度の上昇を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る半導体装置の概略構成について説明する。
最初に、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る半導体装置の概略構成について説明する。
この半導体装置は、MOSFETやIGBTなどのスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動するドライバを含む制御部と、を備え、インバータやコンバータに用いられる。図1に示すように、半導体装置100は、スイッチング素子10と制御部20とを備えている。
本実施形態におけるスイッチング素子10はダブルゲート型のMOSFETであり、図1に示すように、同一の半導体基板にゲート電極11として第1ゲート電極G1および第2ゲート電極G2とが形成されている。
より詳しくは、スイッチング素子10は、矩形の半導体基板19の表層に、不純物のドープにより形成され、ドレイン電流あるいはソース電流を流すための有効領域Rが形成されている。本実施形態における有効領域Rは、半導体基板19の形状に基づいて矩形とされている。
そして、図2に示すように、半導体基板19における有効領域Rが形成された一面に4つの第1ゲートパッドP1と、1つの第2ゲートパッドP2が形成されている。本実施形態における第2ゲートパッドP2は、半導体基板19、ひいては有効領域Rの中心に形成されている。一方、第1ゲートパッドP1は、有効領域Rの対角線上であって、第2ゲートパッドP2を挟むように4つ形成されている。
第1ゲートパッドP1および第2ゲートパッドP2からは、各ゲートパッドP1,P2と電気的に接続されたゲート電極11が、有効領域Rが形成された一面に沿って延びて形成されている。上記した第2ゲート電極G2は第2ゲートパッドP2から延びて形成されている。第2ゲート電極G2は、有効領域Rと中心を同じくし、有効領域Rと相似な矩形の領域に電圧を印加できるように網羅的に形成されている。第2ゲート電極G2が形成された領域は、第2ゲート電極G2への電圧の印加によってドレイン電流あるいはソース電流を生じる領域であり、以降、第2領域R2と称する。
また、上記した第1ゲート電極G1は第1ゲートパッドP1から延びて形成されている。第1ゲート電極G1は、有効領域Rのうち第2領域R2を除いた領域に電圧を印加できるように網羅的に形成されている。第1ゲート電極G1が形成された領域は、第1ゲート電極G1への電圧の印加によってドレイン電流あるいはソース電流を生じる領域であり、以降、第1領域R1と称する。
図2に示すように、第2領域R2は中心を有効領域Rと同じくしつつ、有効領域Rと相似形を成す矩形状であり、第1領域R1は第2領域R2を取り囲むようにされた領域である。有効領域Rは第1領域R1および第2領域R2の2領域によって構成されている。
制御部20は、図1に示すように、ゲート電極11に電圧を印加するドライバ21と、ドライバ21による電圧の印加タイミングを決定および制御するタイミングジェネレータ22(以下、TG22と示す)と、を有している。
ドライバ21は、第1ゲート電極G1に電圧を供給する第1ドライバ21aと、第2ゲート電極G2に電圧を供給する第2ドライバ21bと、を有している。第1ドライバ21aの出力端子はスイッチング素子10における第1ゲートパッドP1に電気的に接続されており、第1ゲートパッドP1に供給された電圧Vg1は第1ゲート電極G1にも印加されて第1領域R1のオンオフが制御される。同様に、第2ドライバ21bの出力端子はスイッチング素子10における第2ゲートパッドP2に電気的に接続されており、第2ゲートパッドP2に供給された電圧Vg2は第2ゲート電極G2にも印加されて第2領域R2のオンオフが制御される。なお、第1ドライバ21aおよび第2ドライバ21bは、同一のドライバを採用しても良いし、互いに異なるドライバを採用しても良い。例えば、Vg1とVg2の印加タイミングをずらしてスイッチング素子10をオンする場合、後にオンする側のドライバ21は、先にオンする側のドライバ21よりもドライブ能力を抑制できることがある。このような場合には、後にオンする側のドライバ21を低ドライブ能力のものを採用することで、回路規模やコストの低減が実現できる。
TG22は、図3に示すように、外部から入力されるデューティ比に関する情報に基づいて所定のデューティ比を有する周期的な制御信号CTLを生成する主生成部221と、主生成部221が出力する制御信号CTLよりも所定の時間だけ遅相した制御信号TMを生成する副生成部222と、を有している。さらに、TG22は、ANDゲート223とORゲート224とを有している。ANDゲート223、ORゲート224ともに、2つの入力端子には、それぞれ制御信号CTLおよびTMが入力されている。ANDゲート223の出力信号は第2ドライバ21bに入力されており、出力信号がHigh(以下、単にHと示す)のときに第2ドライバ21bからVg2が出力され、Low(以下、単にLと示す)のときにVg2の印加が停止される。同様に、ORゲート224の出力信号は第1ドライバ21aに入力されており、出力信号がHのときに第1ドライバ21aからVg1が出力され、LのときにVg1の印加が停止される。
次に、図4を参照して、本実施形態における半導体装置100の動作について説明する。
図4に示すように、主生成部221から出力される制御信号CTLは、所定のデューティ比でHとLを繰り返す周期的な信号である。副生成部222は、制御信号CTLに対して予め決められた時間だけ遅相した制御信号TMを出力している。すなわち、図4に示すように、制御信号CTLは、時刻t1でLからHに遷移し、時刻t3でHからLに遷移し、時刻t5で再びLからHに遷移する。以降同様に周期的にHとLを繰り返す。制御信号TMは、時刻t2でLからHに遷移し、時刻t4でHからLに遷移し、時刻t6で再びLからHに遷移する。以降同様に周期的にHとLを繰り返す。時刻t1とt2との間、時刻t3とt4との間、時刻t5とt6との時間間隔は、予め決められた所定の時間であり、本実施形態では一定値となっている。
第1電極G1に印加される電圧Vg1は、制御信号CTLとTMの論理和であるから、時刻t1においてLからHに遷移し、時刻t4においてHからLに遷移する。そして、時刻t5において再びLからHに遷移する。一方、第2電極G2に印加される電圧Vg2は、制御信号CTLとTMの論理積であるから、時刻t2においてLからHに遷移し、時刻t3においてHからLに遷移する。そして、時刻t6において再びLからHに遷移する。
このように、本実施形態では、第2ゲート電極G2への電圧の印加が、第1ゲート電極G1への電圧の印加よりも、予め決められた所定時間だけ遅れるようになっている。且つ、第2ゲート電極G2への電圧の印加の停止は、第1ゲート電極G1への電圧の印加の停止よりも、予め決められた所定時間だけ早まるようになっている。つまり、スイッチング素子10のうち、第1領域R1に属するMOSFETセルは第2領域R2に属するセルよりも早くオンする。そして、第2領域R2に属するセルのオン状態の継続時間は、第1領域R1に属するセルのオン状態の継続時間よりも短くなっている。
以上説明したように、本実施形態における半導体装置100では、有効領域Rにおける周辺領域に相当する第1領域R1から、有効領域Rにおける中央領域に相当する第2領域R2に向かって、対応するゲート電極11に電圧が印加されて順にオンするようになっている。
次に、図4および図5を参照して、本実施形態における半導体装置100を採用することによる作用効果を説明する。
上記したように、第1領域R1と第2領域R2とで、MOSFETセルがオンするタイミングが異なる。このため、図4に示すように、第1領域R1と第2領域R2とで、スイッチング損失に起因する発熱の開始時刻にもずれが生じる。これにより、有効領域Rのすべてのセルが同時にオンする場合に較べて、スイッチング素子10の温度の上昇速度を低下させることができる。よって、従来に較べて小さい冷却能力であっても、スイッチング素子10が耐熱温度に到達する前に、冷却を行うことができる。
ところで、有効領域Rに属するすべてのセルが同時にオンする従来の構成では、有効領域Rの全体が同時に昇温を開始するので、スイッチング素子の中央付近で生じた熱は、半導体基板において、ゲート電極11が形成されていない裏面側から放熱するしかなく、スイッチング素子の中央付近で高温になる虞があった。また、スイッチング素子における周辺領域で生じた熱は、同時に熱を生じている中央付近に対して熱量を輸送するので、スイッチング素子の中央付近の昇温を加速してしまう。
これに対して、本実施形態では、先にオンする第1領域R1が、後にオンする第2領域R2よりも半導体基板19において外側に位置している。第1領域R1は、スイッチング素子10を含む半導体基板19の側面の近傍に位置することになる。スイッチング素子10の側面は、放熱に寄与する面積が広く放熱効率が良いので、第1領域R1に属するセルが発熱することによる温度上昇を抑制することができる。このようにして第1領域R1の昇温速度を抑制しつつ、追って第2領域R2に属するセルがオンされるので、すべてのセルが同時にオンされる場合に較べて、第2領域R2と第1領域R1における温度勾配を大きくでき、第2領域R2における熱を、半導体基板19全体に放熱することができる。
さらに、第2領域R2に属するセルのオン状態の継続時間は、第1領域R1に属するセルのオン状態の継続時間よりも短くなっている。すなわち、スイッチング素子10のターンオフ時において、中央領域に相当する第2領域R2が先にオフ状態となる。このため、周辺領域に相当する第1領域R1は、第2領域R2からの熱量の供給を受けることなくオフ状態になる。したがって、スイッチング素子10を効率よく冷却することができる。
(変形例1)
なお、スイッチング素子10において、第1領域R1と第2領域R2、および、第1ゲートパッドP1と第2ゲートパッドP2の形成位置を適切に設定すると、より効果的である。
なお、スイッチング素子10において、第1領域R1と第2領域R2、および、第1ゲートパッドP1と第2ゲートパッドP2の形成位置を適切に設定すると、より効果的である。
図6に示すように、第2ゲートパッドP2は、有効領域Rの中心O上に配置されている。有効領域Rの頂点をBとし、第2領域R2の頂点をAとする。有効領域Rは矩形であり、第2領域R2は、有効領域Rに相似形であるので、点O,A,Bは有効領域Rの対角線上に位置している。第1ゲートパッドP1は、中心Oから延びる対角線OB上に位置しており、線分ABの中点に配置されている。また、第2領域R2は、頂点Aが、線分OBを、D2:D1に内分する点となるように形成されている。なお、図6においては、ゲート電極11の図示を省略している。また、各ゲートパッドP1,P2に電圧が印加された際、ゲートパッドを中心として、等方的に伝熱していくものと仮定する。
ここで、第2ゲートパッドP2には、第1ゲートパッドP1よりも時間τ1だけ遅れてVg2が印加されるとする。すなわち、図3において、時刻t1と時刻t2の間がτ1である場合を仮定する。また、本実施形態におけるスイッチング素子10を構成する半導体基板19において、中心Oに生じた熱が点Aに到達するまでに時間をτ2とする。τ2は、半導体基板19の構成材料によって変化し得る。
このように仮定するとき、D2とD1の関係について、D2:D1=τ2:2(τ1+τ2)の関係を満たすことが好ましい。この関係を満たすとき、第1ゲートパッドP1に電圧Vg1が印加されてからτ1+τ2経過後において、有効領域Rの全域が発熱した状態となる。換言すれば、電圧Vg1が印加されてからτ1+τ2経過後にスイッチング素子10全体がオン状態となる。単位時間あたり、1セルあたりの発熱量をWと置くと、スイッチング素子10がフルオンになるまでの発熱量は、第1領域R1においてW(τ1+τ2)であり、第2領域R2においてWτ2である。すなわち、総発熱量は、W(τ1+2τ2)となる。
これに対して、ゲートパッドがP2のみであり、ゲートパッドP2のみで有効領域Rの全域をオンする場合には、フルオンするために2τ1+3τ2だけ時間がかかるため、総発熱量は、W(2τ1+3τ2)となる。これは、変形例1の形態に較べて、発熱量が大きくなることを示している。
このように、変形例1の関係を満たすスイッチング素子10を採用すれば、有効領域Rを同時にオンした場合に較べて、スイッチング素子10総発熱量を小さくすることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態およびその変形例1では、第2領域R2が第1領域R1に対して、予め決められた所定の時間だけ遅れてオンする形態について説明したが、各領域R1,R2におけるドレイン電流あるいはソース電流に基づいて、第2領域R2のオンタイミングを決定するようにしても良い。以下、ドレイン電流あるいはソース電流を、単に出力電流と云う。
第1実施形態およびその変形例1では、第2領域R2が第1領域R1に対して、予め決められた所定の時間だけ遅れてオンする形態について説明したが、各領域R1,R2におけるドレイン電流あるいはソース電流に基づいて、第2領域R2のオンタイミングを決定するようにしても良い。以下、ドレイン電流あるいはソース電流を、単に出力電流と云う。
具体的には、本実施形態における半導体装置200は、図7に示すように、スイッチング素子10および制御部20に加えて、第1領域R1における出力電流を検出する第1電流検出部31と、第2領域R2における出力電流を検出する第2電流検出部32と、検出された電流値を一時的に記憶するメモリ33と、を備えている。なお、第1電流検出部31および第2電流検出部32は、特許請求の範囲における電流検出部に相当する。
第1電流検出部31および第2電流検出部32は、一般的に知られた電流検出装置を採用することができる。例えば、抵抗値が既知であるシャント抵抗器を用いて、ドレイン端子あるいはソース端子における電圧を、該抵抗値に基づいて電流値に変換する構成を採用することができる。検出された電流値はメモリ33に記録されるとともに、TG22に入力されている。
メモリ33は、電流検出部31,32により検出されたスイッチング素子10の出力電流を一時的に記録する記憶装置であり、揮発性あるいは不揮発性のメモリを採用することができる。
TG22は、電流検出部31,32により検出された出力電流に基づいて、第2領域R2における、第1領域R1に対するオンタイミングのずれ量を決定する。以下、図8を参照して具体的に説明する。
TG22における副生成部222は、制御信号TMの立ち上がりタイミング(図8における時刻t8)を、第1領域R1の出力電流に基づいて決定する。具体的には、第1領域R1の出力電流の上昇に際して、上昇前に最小値が記録された時刻と、上昇後に最大値が記録された時刻との間の時間を、第2領域R2における第1領域R1に対するオンタイミングのずれ量として採用する。すなわち、図8において制御信号CTLの立ち上がり時刻t7から時刻t8に至る時間は、第1領域R1の出力電流における上昇前に最小値が記録された時刻と、上昇後に最大値が記録された時刻との間の時間に相当している。
また、副生成部222は、制御信号TMの立ち下がりタイミング(図8における時刻t10)を、第2領域R2の出力電流に基づいて決定する。具体的には、第2領域R2の出力電流の下降に際して、下降前に最大値が記録された時刻と、下降後に最小値が記録された時刻との間の時間を、第1領域R1における第2領域R2に対するオフタイミングのずれ量として採用する。すなわち、図8において制御信号CTLの立ち下がり時刻t9から時刻t10に至る時間は、第2領域R2の出力電流における下降前に最大値が記録された時刻と、下降後に最小値が記録された時刻との間の時間に相当している。
なお、制御信号TMの生成に用いられる出力電流の電流値は、メモリ33に記録された過去の電流値を用いる必要がある。例えば、電流値時刻t8における制御信号TMの立ち上がりタイミングは、1周期前に記録された第1領域R1における電流値をメモリ33から読み出して用いる。同様に、電流値時刻t10における制御信号TMの立ち下がりタイミングは、1周期前に記録された第2領域R2における電流値をメモリ33から読み出して用いる。なお、利用する過去の電流値は、1周期前のものに限定されるものではない。数周期前のものを利用しても良いし、過去数周期の電流の平均値を利用しても良い。
以上のように構成することにより、本実施形態における半導体装置200は、各領域R1,R2のオンタイミングを、スイッチング素子10に流れる出力電流に基づいてアクティブに変更することができる。このため、第1実施形態の態様に較べて、より正確な放熱動作を行うことができる。
(第3実施形態)
第2実施形態では、スイッチング素子10の出力電流に基づいて、TG22における副生成部222が制御信号TMの立ち上がりおよび立ち下がりをアクティブに制御する例を示した。これに対して、本実施形態では、副生成部222を設けることなく、スイッチング素子10の出力電流に基づいて、各領域R1,R2のオンタイミングあるいはオフタイミングをアクティブに制御する例を示す。
第2実施形態では、スイッチング素子10の出力電流に基づいて、TG22における副生成部222が制御信号TMの立ち上がりおよび立ち下がりをアクティブに制御する例を示した。これに対して、本実施形態では、副生成部222を設けることなく、スイッチング素子10の出力電流に基づいて、各領域R1,R2のオンタイミングあるいはオフタイミングをアクティブに制御する例を示す。
具体的には、本実施形態における半導体装置300は、図9に示すように、第2実施形態と同様、スイッチング素子10および制御部20に加えて、第1領域R1における出力電流を検出する第1電流検出部31と、第2領域R2における出力電流を検出する第2電流検出部32と、を備えている。なお、本実施形態における制御部20は、1つのドライバ21が第1ゲート電極G1、第2ゲート電極G2の双方に電圧を供給するようになっている。よって、図示しないが、本実施形態のTG22は、主生成部221を有していれば事足り、第1実施形態および第2実施形態において必要であった副生成部222は必ずしも必要でない。
さらに、この半導体装置300はスルーレート制御部40を備えている。スルーレート制御部40は、図9に示すように、第1ゲート電極G1および第2ゲート電極G2と、制御部20との間に介在して設けられている。スルーレート制御部40は、互いに抵抗値の異なる抵抗器41,42,43を有している。抵抗値は抵抗器41,42,43の順に大きくなっていくように設定されている。
ドライバ21の出力は抵抗器41を介して第1ゲート電極G1に入力されている。また、ドライバ21の出力は、抵抗器42または抵抗器43を介して第2ゲート電極G2に入力されている。図9に示すように、抵抗器42および43は、ドライバ21と第2ゲート電極G2との間で並列に接続されている。そして、スイッチ44およびスイッチ45の開閉によって、抵抗器42,43のいずれか、あるいは両方がドライバ21と第2ゲート電極G2とを仲介するように構成されている。
スルーレート制御部40は、スイッチ制御回路46を有しており、このスイッチ制御回路46がスイッチ44,45の開閉を制御している。スイッチ制御回路46は、電流検出部31,32により検出された出力電流に基づいて、第2ゲート電極G2に接続される抵抗器を決定する。第2ゲート電極G2に印加される電圧Vg2は、第2ゲート電極G2に接続される抵抗器の抵抗値によってそのスルーレートが変化するので、第2領域R2のオンタイミングの、第1領域R1のオンタイミングに対する遅延時間を制御することができる。
なお、本実施形態における第1ゲート電極G1とドライバ21とは抵抗器41のみを介して接続されているので、電圧Vg1のスルーレートを制御することができない。したがって、第1領域R1のオンタイミングあるいはオフタイミングは、TG22により生成される制御信号CTLにより一意に決まる。
また、第2領域R2のターンオン時において第2ゲート電極G2に接続される抵抗器の決定は、第2実施形態と同様に、第1領域R1の出力電流の上昇に際して、上昇前に最小値が記録された時刻と、上昇後に最大値が記録された時刻との間の時間に基づいて行われる。
半導体装置300の動作について、図10を参照して具体的に説明する。図10においては、第1領域R1および第2領域R2の電流の挙動を、それぞれの領域のオンオフとして簡単化して図示しているが、実際の電流は、第2実施形態と同様にアナログ的な挙動を示す。また、Vg2の波形に加えて図示している一点鎖線は、対応するセルがオンするための閾値電圧を示している。
図10に示すように、時刻t11においてTG22が制御回路CTLをLからHに遷移させるとする。ドライバ21は抵抗器41を介して電圧Vg1を第1ゲート電極G1に印加する。これにより、図10に示すように、第1領域R1に所属するセルがオン状態となる。
同時に、時刻t11において、ドライバ21は抵抗器42あるいは抵抗器43を介して電圧Vg2を第2ゲート電極G2に印加する。抵抗器42および抵抗器43は、いずれも抵抗器41よりも高抵抗であるから、Vg2のスルーレートは小さくなる。よって、第2領域R2に所属するセルにおいて、スイッチング素子10がオンするための閾値電圧に到達するまでの時間が、第1領域R1に対して長くなる。すなわち、図10に示すように、時刻t11よりも遅れた時刻t12において、第2領域R2に所属するセルがオン状態となる。
このように、第2ゲート電極G2に接続される抵抗器を適宜選択することにより、第2領域R2を第1領域R1に対して遅くオン状態にすることができる。なお、抵抗器42および抵抗器43のいずれの抵抗器が選択されるかは、第1領域R1における出力電流の上昇前に最小値が記録された時刻と、上昇後に最大値が記録された時刻との間の時間に基づいて決定される。例えば、出力電流の上昇率が比較的大きい場合には、抵抗値の低い抵抗器42を接続し、出力電流の上昇率が比較的小さい場合には、抵抗値の大きい抵抗器43を接続する。
これにより、本実施形態における半導体装置300は、各領域R1,R2のオンタイミングを、スイッチング素子10に流れる出力電流に基づいてアクティブに変更することができる。このため、第1実施形態の態様に較べて、より正確な放熱動作を行うことができる。
また、第2実施形態では、TG22が副生成部222を有していたが、本実施形態では副生成部222を用いる必要がないので、TG22の構成を簡素化することができる。
(変形例2)
上記した第3実施形態における半導体装置300は、第1ゲート電極G1とドライバ21とが抵抗器41のみを介して接続されているので、電圧Vg1のスルーレートを制御することができない構成であった。これに対して、本変形例では、Vg1のスルーレートも可変にする例について、図11および図12を参照して説明する。なお、スルーレート制御部50を除く部分は、第3実施形態と同様の構成であるため、詳しい説明を省略する。
上記した第3実施形態における半導体装置300は、第1ゲート電極G1とドライバ21とが抵抗器41のみを介して接続されているので、電圧Vg1のスルーレートを制御することができない構成であった。これに対して、本変形例では、Vg1のスルーレートも可変にする例について、図11および図12を参照して説明する。なお、スルーレート制御部50を除く部分は、第3実施形態と同様の構成であるため、詳しい説明を省略する。
本変形例における半導体装置400はスルーレート制御部50を備えている。スルーレート制御部50は、図11に示すように、第1ゲート電極G1および第2ゲート電極G2と、制御部20との間に介在して設けられている。
このスルーレート制御部50は、第3実施形態と同様に、互いに抵抗値の異なる抵抗器41,42,43、スイッチ44,45、および、スイッチ制御回路46を有している。これらの構成は第3実施形態と同様であるから、第3実施形態と同一の符号として図示している。加えて、このスルーレート制御部50は、ドライバ21から第1ゲート電極G1に向かう方向に順方向となるようにダイオード47を有し、ドライバ21から第2ゲート電極G2に向かう方向に順方向となるようにダイオード48を有している。すなわち、抵抗器41,42,43によるVg1およびVg2のスルーレートの変動は、スイッチング素子10のターンオンのときのみ有効になるように構成されている。
そして、本変形例におけるスルーレート制御部50は、図11に示すように、互いに抵抗値の異なる抵抗器51,52,53を有している。抵抗値は抵抗器51,52,53の順に大きくなっていくように設定されている。
ドライバ21の出力は、抵抗器52または抵抗器53を介して第1ゲート電極G1に入力されている。また、ドライバ21の出力は抵抗器51を介して第2ゲート電極G2に入力されている。図11に示すように、抵抗器52および53は、ドライバ21と第1ゲート電極G1との間で並列に接続されている。そして、スイッチ54およびスイッチ55の開閉によって、抵抗器52,53のいずれか、あるいは両方がドライバ21と第1ゲート電極G1とを仲介するように構成されている。
加えて、このスルーレート制御部50は、第1ゲート電極G1からドライバ21に向かう方向に順方向となるようにダイオード57を有し、第2ゲート電極G2からドライバ21に向かう方向に順方向となるようにダイオード58を有している。すなわち、抵抗器51,52,53によるVg1およびVg2のスルーレートの変動は、スイッチング素子10のターンオフのときのみ有効になるように構成されている。
スルーレート制御部50は、スイッチ制御回路56を有しており、このスイッチ制御回路56がスイッチ54,55の開閉を制御している。スイッチ制御回路56は、電流検出部31,32により検出された出力電流に基づいて、第1ゲート電極G1に接続される抵抗器を決定する。第1ゲート電極G1に印加される電圧Vg1は、第1ゲート電極G1に接続される抵抗器の抵抗値によってそのスルーレートが変化するので、第1領域R1のオフタイミングの、第2領域R2のオンタイミングに対する遅延時間を制御することができる。
第3実施形態と同様に、第2領域R2のターンオン時において第2ゲート電極G2に接続される抵抗器の決定は、第2実施形態と同様に、第1領域R1の出力電流の上昇に際して、上昇前に最小値が記録された時刻と、上昇後に最大値が記録された時刻との間の時間に基づいて行われる。また、第1領域R1のターンオフ時において第1ゲート電極G1に接続される抵抗器の決定は、第2領域R2の出力電流の下降に際して、下降前に最大値が記録された時刻と、下降後に最小値が記録された時刻との間の時間に基づいて行われる。
半導体装置400の動作について、図12を参照して具体的に説明する。図12においては、第1領域R1および第2領域R2の電流の挙動を、それぞれの領域のオンオフとして簡単化して図示しているが、実際の電流は、第2実施形態と同様にアナログ的な挙動を示す。また、Vg1およびVg2の波形に加えて図示している一点鎖線は、対応するセルがオンするための閾値電圧を示している。
図12に示すように、時刻t13においてTG22が制御回路CTLをLからHに遷移させるとする。これはターンオン動作であり、ゲート電極11へ印加される電圧Vg1,Vg2のスルーレートは、抵抗器41,42,43に依存し、抵抗器51,52,53には依存しない。ドライバ21は抵抗器41を介して電圧Vg1を第1ゲート電極G1に印加する。これにより、図12に示すように、第1領域R1に所属するセルがオン状態となる。
同時に、時刻t13において、ドライバ21は抵抗器42あるいは抵抗器43を介して電圧Vg2を第2ゲート電極G2に印加する。抵抗器42および抵抗器43は、いずれも抵抗器41よりも高抵抗であるから、Vg2のスルーレートは小さくなる。よって、第2領域R2に所属するセルにおいて、スイッチング素子10がオンするための閾値電圧に到達するまでの時間が、第1領域R1に対して長くなる。すなわち、図12に示すように、時刻t13よりも遅れた時刻t14において、第2領域R2に所属するセルがオン状態となる。
さらに、図12に示すように、時刻t15においてTG22が制御回路CTLをHからLに遷移させるとする。これはターンオフ動作であり、ゲート電極11へ印加される電圧Vg1,Vg2のスルーレートは、抵抗器51,52,53に依存し、抵抗器41,42,43には依存しない。ドライバ21は抵抗器41を介して第2ゲート電極G2から電荷を引き抜く。これにより、図12に示すように、第2領域R2に所属するセルがオフ状態となる。
同時に、時刻t15において、ドライバ21は抵抗器52あるいは抵抗器53を介して第1ゲート電極G1から電荷を引き抜く。抵抗器52および抵抗器53は、いずれも抵抗器51よりも高抵抗であるから、Vg1のスルーレートは小さくなる。よって、第1領域R1に所属するセルにおいて、スイッチング素子10がオフするための閾値電圧に到達するまでの時間が、第2領域R2に対して長くなる。すなわち、図12に示すように、時刻t15よりも遅れた時刻t16において、第1領域R1に所属するセルがオフ状態となる。
このように、スイッチング素子10のターンオン時においては、第2ゲート電極G2に接続される抵抗器を適宜選択することにより、第2領域R2を第1領域R1に対して遅くオン状態にすることができる。また、スイッチング素子10のターンオフ時においては、第1ゲート電極G1に接続される抵抗器を適宜選択することにより、第1領域R1を第2領域R2に対して遅くオフ状態にすることができる。
なお、ターンオン時において、抵抗器42および抵抗器43のいずれの抵抗器が選択されるかは、第1領域R1における出力電流の上昇前に最小値が記録された時刻と、上昇後に最大値が記録された時刻との間の時間に基づいて決定される。例えば、出力電流の上昇率が比較的大きい場合には、抵抗値の低い抵抗器42を接続し、出力電流の上昇率が比較的小さい場合には、抵抗値の大きい抵抗器43を接続する。
また、ターンオフ時において、抵抗器52および抵抗器53のいずれの抵抗器が選択されるかは、第2領域R2における出力電流の下降前に最大値が記録された時刻と、下降後に最小値が記録された時刻との間の時間に基づいて決定される。例えば、出力電流の下降率が比較的大きい場合には、抵抗値の低い抵抗器52を接続し、出力電流の下降率が比較的小さい場合には、抵抗値の大きい抵抗器53を接続する。
これにより、本実施形態における半導体装置400は、各領域R1,R2のオンタイミングを、スイッチング素子10に流れる出力電流に基づいてアクティブに変更することができる。かつ、第1実施形態および第2実施形態と同様に、第2領域R2のオン状態の継続時間を第1領域R1よりも短くできるので、周辺領域に相当する第1領域R1は、中央領域に相当する第2領域R2からの熱量の供給を受けることなくオフ状態になる。したがって、スイッチング素子10を効率よく冷却することができる。
(第4実施形態)
上記した各実施形態および変形例では、有効領域Rが、周辺領域としての第1領域R1と、中央領域としての第2領域R2に2分される例について説明した。換言すれば、ゲート電極11が、独立した第1ゲート電極G1と第2ゲート電極G2とを有する例について説明した。しかしながら、独立して動作するゲート電極11の数は3以上であっても良い。
上記した各実施形態および変形例では、有効領域Rが、周辺領域としての第1領域R1と、中央領域としての第2領域R2に2分される例について説明した。換言すれば、ゲート電極11が、独立した第1ゲート電極G1と第2ゲート電極G2とを有する例について説明した。しかしながら、独立して動作するゲート電極11の数は3以上であっても良い。
本実施形態の半導体装置500におけるスイッチング素子12は、6つの独立したゲート電極11を有している。具体的には、第3ゲート電極G3、第4ゲート電極G4、第5ゲート電極G5、第6ゲート電極G6、第7ゲート電極G7、第8ゲート電極G8、を有している。
第3ゲート電極G3に電圧が印加されることによりオンになる領域は、図13に示すように、矩形の有効領域Rのうち、4辺の中点を結んで形成される四角形の領域を除く領域R3である。第4ゲート電極G4に電圧が印加されることによりオンになる領域は、領域R3を除く矩形領域の4辺の中点を結んで形成される四角形の領域を除く領域R4である。以下、同様に、第5ゲート電極G5、第6ゲート電極G6、第7ゲート電極G7に対応する領域R5〜R7は、自己相似的に有効領域Rの中央に向かって設定されている。第8ゲート電極G8に対応する領域R8は、有効領域Rから、領域R3〜R7を除いた矩形領域である。なお、図13では、各ゲート電極G3〜G8、および各ゲート電極G3〜G8に対応するゲートパッドの図示は省略している。
制御部20は、スイッチング素子12のターンオンに際して、第3ゲート電極G3から第8ゲート電極G8に対して逐次ゲート電圧を印加して、領域R3から領域R8に向かって所属するセルを逐次オン状態にしていく。スイッチング素子12のターンオフに際しては逆の操作が行われる。すなわち、第8ゲート電極G8から第3ゲート電極G3に対して逐次ゲート電圧の印加を停止して、領域R8から領域R3に向かって所属するセルを逐次オフ状態にしていく。
このような構成を採用することにより、有効領域Rの外縁に沿う周辺領域から有効領域Rの中央の中央領域に向かって、対応するゲート電極11に電圧を印加して順にオンしていくことになるので、第1〜第3実施形態と同様に、スイッチング素子12を効率よく冷却する効果を奏することができる。
さらに、本実施形態における領域R3は、図13に示すように、4つの直角三角形を成す領域から構成されている。スイッチング素子12のターンオンに際して、それぞれの三角形の長辺が、有効領域Rのうちオンしていない矩形領域に面するようになっているので、領域R3において生じた熱を、比較的大きな放熱面を以って、領域R4〜R8に対応する部分に放熱することができる。以下、領域R4〜R7も同様に、比較的大きな放熱面を以って、有効領域Rの中央の中央領域に向かって放熱することができる。
(第5実施形態)
上記した各実施形態および変形例のように、有効領域Rを複数の領域に分割して独立にオンまたはオフする構成として、図14および図15に示すように、有効領域Rをマトリクス状に分割して、各分割された単位領域Sのオンオフを制御部20により制御する方法を採用することもできる。換言すれば、このスイッチング素子13は、矩形の単位領域Sが複数集まって有効領域Rを形成している。図14および図15では、ゲート電極11、およびゲート電極11に対応するゲートパッドの図示は省略している。
上記した各実施形態および変形例のように、有効領域Rを複数の領域に分割して独立にオンまたはオフする構成として、図14および図15に示すように、有効領域Rをマトリクス状に分割して、各分割された単位領域Sのオンオフを制御部20により制御する方法を採用することもできる。換言すれば、このスイッチング素子13は、矩形の単位領域Sが複数集まって有効領域Rを形成している。図14および図15では、ゲート電極11、およびゲート電極11に対応するゲートパッドの図示は省略している。
第1〜第3実施形態のように、有効領域Rのうち矩形の第2領域R2と、第2領域R2を取り囲む第1領域R1とに分けてオンする場合には、図14に示すように、単位領域Sのうち、第1領域R1に相当する部分を先にオンし、第2領域R2に相当する部分を後にオンする。なお、図14には、スイッチング素子13のターンオン時における単位領域Sのオン順を数字で示している。ターンオフ時は、その順番が逆となる。
また、第4実施形態のように、有効領域Rが自己相似的に6つの領域R3〜R8に分割されている形態では、図15に示すように、各領域R3〜R8の形状にほぼ相当する単位領域Sを各々選択して、順次オンする。図15には、スイッチング素子13のターンオン時における単位領域Sのオン順を数字で示している。ターンオフ時は、その順番が逆となる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した各実施形態では、スイッチング素子10,12,13として、MOSFETを例に説明したが、IGBTやHEMTについても本発明を適用することができる。
また、第1実施形態の説明にて参照した図2において、ゲート電極の引き回しを具体的に図示しているが、図2はあくまで実施の一例であって引き回しの仕方を限定するものではない。
また、上記した各実施形態では、出力電流が流れる有効領域Rが矩形の例を示したが、円形や、その他多角形を採用しても良い。例えば、第1実施形態における有効領域Rを円形とする場合、第2領域R2を、有効領域Rと中心を同じくする円形とし、第1領域R1を、第2領域R2を取り囲む環状の領域とすることで、本発明を実施することができる。
なお、上記した各実施形態では、制御部20とスイッチング素子10,12,13の接続の具体的な形態を説明していないが、制御部20とゲートパッドとをボンディングワイヤで電気的に接続しても良いし、はんだボールBを利用しても良い。はんだボール60を利用する場合は、図16に示すように、制御部20を含む制御回路チップ20aと、スイッチング素子10を含むスイッチング素子チップ10aとを別チップとして用意し、制御回路チップ20aを、はんだボール60をバンプとして、ゲートパッドP1,P2に接続する。はんだボール60を用いた実装では、ワイヤボンディングに較べて低インダクタンスを実現できるとともに、低ノイズを実現することができる。
10…スイッチング素子,20…制御部,21…ドライバ,22…タイミングジェネレータ,G1…第1ゲート電極,G2…第2ゲート電極,P1…第1ゲートパッド,P2…第2ゲートパッド,R…有効領域,R1…第1領域(周辺領域),R2…第2領域(中央領域)
Claims (13)
- 半導体基板(19)の表層に互いに独立した複数のゲート電極(11)を有するスイッチング素子(10,12,13)と、前記ゲート電極に所定の電圧を印加して前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御部と、を備え、
前記スイッチング素子が、前記ゲート電極が形成された一面において、前記ゲート電極への電圧の印加により通電に寄与する有効領域(R)を有する半導体装置であって、
前記有効領域を正面視するとき、前記スイッチング素子のターンオンに際して、前記制御部は、前記有効領域の外縁に沿う周辺領域から前記有効領域の中央の中央領域に向かって、対応する前記ゲート電極に電圧を印加して順にオンしていくことを特徴とする半導体装置。 - 前記有効領域を正面視するとき、前記スイッチング素子のターンオフに際して、前記制御部は、前記中央領域から前記周辺領域に向かって、対応する前記ゲート電極への電圧の印加を停止して順にオフしていくことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記周辺領域から前記中央領域に向かうにつれて、オン状態の継続時間が短くされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
- 複数の各ゲート電極に対応する前記有効領域に流れる電流の電流値を検出する電流検出部(31,32)を備え、
前記制御部は、複数の各ゲート電極に対応する前記有効領域に流れる電流の電流値に基づいて、各ゲート電極への電圧の印加、あるいは、電圧の印加の停止を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 先に電圧が印加される前記ゲート電極を電極Gnとし、該電極Gnよりも後に電圧が印加される前記ゲート電極を電極Gn+1とするとき、
電極Gnへ電圧が印加されてから電極Gn+1へ電圧が印加されるまでの時間は、電極Gnに対応する前記有効領域に流れる電流の電流値が上昇を開始してから最大値に到達するまでの時間に設定されることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。 - 先に電圧の印加が停止される前記ゲート電極を電極Hnとし、該電極Hnよりも後に電圧の印加が停止される前記ゲート電極を電極Hn+1とするとき、
電極Hnへの電圧の印加が停止されてから電極Hn+1への電圧の印加が停止されるまでの時間は、電極Hnに対応する前記有効領域に流れる電流の電流値が下降を開始してから最小値に到達するまでの時間に設定されることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体装置。 - 複数の各ゲート電極に対応する前記有効領域に流れる電流の電流値を検出する電流検出部(31,32)と、
前記制御部と前記ゲート電極との間に介在され、前記ゲート電極に印加される電圧のスルーレートを制御するスルーレート制御部(40,50)と、を備え、
前記スルーレート制御部は、複数の各ゲート電極に対応する前記有効領域に流れる電流の電流値に基づいて、各ゲート電極への電圧の立ち上がり、あるいは、電圧の立ち下がりのスルーレートを制御することにより、対応する前記有効領域のオンオフのタイミングを制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 先にオンする前記有効領域に対応する前記ゲート電極を電極Gnとし、該電極Gnよりも後にオンする前記有効領域に対応する前記ゲート電極を電極Gn+1とするとき、
電極Gn+1における電圧のスルーレートは、電極Gnにおける電圧のスルーレートよりも小さくされることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。 - 先にオフする前記有効領域に対応する前記ゲート電極を電極Hnとし、該電極Hnよりも後にオフする前記有効領域に対応する前記ゲート電極を電極Hn+1とするとき、
電極Hn+1における電圧のスルーレートは、電極Hnにおける電圧のスルーレートよりも小さくされることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の半導体装置。 - 前記有効領域は矩形を成し、
前記有効領域は、
前記有効領域の外縁に沿って形成された、前記周辺領域としての第1領域(R1)と、
前記有効領域と中心を同じくしつつ前記有効領域と相似形を成して前記第1領域に取り囲まれるように形成された、前記中央領域としての第2領域(R2)と、に2分割されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記スイッチング素子は、前記有効領域上において、前記第1領域に対応する前記ゲート電極に電圧を供給する第1ゲートパッド(P1)と、前記第2領域に対応する前記ゲート電極に電圧を供給する第2ゲートパッド(P2)と、を有し、
前記第2ゲートパッドは、前記有効領域の中心に配置され、
前記第1ゲートパッドは、前記有効領域の中心から延びる4つの各対角線上において、前記第1領域の外縁の頂点と、前記第2領域の外縁の頂点との中点に配置されることによって合計で4つ配置され、
前記制御部は、前記第2ゲートパッドに、前記第1ゲートパッドよりもτ1だけ遅れて電圧を印加するように構成され、
前記有効領域の中心に生じた熱が、前記有効領域の対角線に沿って前記第2領域の頂点に到達するまでの時間をτ2とするとき、
前記第2領域の外縁の頂点は、前記有効領域の対角線のうち、前記有効領域の中心と前記第1領域の外縁の頂点を結ぶ線分をD2:D1に内分して、D2:D1=τ2:2(τ1+τ2)の関係を満たすことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。 - 前記制御部は、前記スイッチング素子のターンオンに際して、
前記有効領域のうち、オンしていない領域における4辺の中点を結んで形成される四角形の領域を除く領域に対応するゲート電極に電圧を印加する操作を順次繰り返して、前記周辺領域から前記中央領域に向かって、前記スイッチング素子をオンしていくことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。 - 前記制御部は、前記スイッチング素子のターンオフに際して、ターンオンとは逆の順で対応するゲート電極への電圧の印加を停止する操作を順次繰り返して、前記スイッチング素子をオフしていくことを特徴とする請求項12に記載の半導体装置。
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JP2018067621A (ja) * | 2016-10-19 | 2018-04-26 | トヨタ自動車株式会社 | 半導体装置およびその製造方法 |
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JP2021118603A (ja) * | 2020-01-24 | 2021-08-10 | 三菱電機株式会社 | 半導体モジュール |
-
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- 2015-03-24 JP JP2015061126A patent/JP2016181606A/ja active Pending
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