JP2016180159A - 成膜装置 - Google Patents

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Yoshio Kawamata
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Abstract

【課題】成膜処理時に成膜材料が付着するとともに、ダストとして成膜室内に戻って成膜対象物に付着することを防止できる成膜装置を提供する。【解決手段】成膜装置100は、減圧可能な成膜室11と、ターゲットGと、ターゲットGから飛翔する成膜材料の成膜室11の内壁面への付着を防止する防着板3と、を有する。防着板3は、内壁面近傍に、内壁面との間に空間を空けて対向して配置され、この空間における成膜室11の内底面側に傾いた鉛直下向きの傾斜面33aを有する【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、成膜装置の成膜室の内壁面への成膜材料の付着を防止する防着板を有する成膜装置に関する。
減圧空間において、成膜源から成膜材料を蒸発あるいは飛散させて成膜対象物表面に飛翔する成膜材料を成膜する蒸着装置やスパッタリング装置においては、成膜を行うたびに成膜対象外の成膜室の内壁面などにも成膜材料が付着する。付着する膜が厚く成長すると、剥離してパーティクル(ダスト)となることから、定期的に清掃する必要がある。しかし、成膜室内の清掃は困難であることから、成膜室の内壁面に成膜材料が付着することを防止するために、防着板を配置し、成膜材料が付着した防着板を交換、清掃するようにしている。
このような防着板の一例を、図15に示す。防着板2は、例えば、金属製の板である。防着板2は、成膜室11の内側面12に沿って取り付けられている。防着板2は、交換や清掃を行うメンテナンスのために取り外すことができる。
特開2003−73801号公報
しかしながら、図15に示すように、防着板2に堆積して膜Mとなった成膜材料は、過度に厚くなると膜応力が増加し、成膜時の熱収縮、ターゲット交換時の大気暴露で吸湿等が加わることによって、界面ストレスが密着力を超過すると、膜剥離が発生する。剥離した膜Mは、細かいダストDとなる。
このようなダストDが基板Sに付着すると、ピンホールなど成膜品質の不良の原因となる。しかし、かかる過度の厚膜の形成、大気暴露による膜剥がれを完全に防止することは困難である。
また、仮にダストDが成膜室11の内側面12や内底面13の近傍に滞在し、剥離時に直接基板Sに付着しなくても、給排気時の気流や搬送時の衝撃で舞い上がり、基板Sに付着する可能性がある。このため、防着板2に付着した膜Mが剥離する前に、膜Mを排除する必要があり、頻繁なメンテナンスが必要となる。
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、成膜室の内壁面に成膜材料が付着することを防止するとともに、ダストとして成膜箇所側に戻って成膜対象物に付着することを防止し、製品の歩留まりの低下を防止でき、メンテナンス期間を長くして生産性を高めることができる防着板を有する成膜装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、実施形態の成膜装置は、減圧可能な成膜室と、成膜源と、前記成膜源から飛翔する成膜材料の前記成膜室の内壁面への付着を防止する防着板と、を有し、前記防着板は、前記内壁面近傍に、前記内壁面との間に空間を空けて対向して配置され、前記空間における前記成膜室の内底面側に傾いた鉛直下向きの傾斜面を有する。
前記傾斜面は複数であってもよい。前記複数の傾斜面は、隣接する傾斜面が重複する部分を有してもよい。前記傾斜面から剥離した成膜材料を、前記成膜室の内壁面と前記防着板との間の空間から外部へ排出する気流を生じさせる排気装置を有してもよい。前記防着板に振動を加える加振装置を有してもよい。
本発明によれば、防着板が、防着板と内壁面との間の空間における内底面側に向かう傾斜面を有するため、成膜材料の落とし込み構造が形成される。従って、成膜処理時に傾斜面に成膜材料が付着するとともに、傾斜面から剥離することにより発生するダストは、成膜箇所側に戻って成膜対象物に付着することが防止され、製品の歩留まりの低下を防止できる。
第1の実施形態における成膜室の内側面に配置された防着板を示す断面図 図1の防着板の正面図 第1の実施形態の防着板の他の例を示す正面図 第2の実施形態における成膜室の内底面に配置された防着板を示す断面図 図4の防着板の平面図 第2の実施形態の防着板の他の例を示す断面図 図6の防着板の平面図 他の実施形態の防着板の開口及び導出部を示す断面図 他の実施形態の導出部を形成する前の防着板のプレートの正面図(A)、導出部を形成した後のY−Y断面図(B) 他の実施形態の防着板の開口及び導出部を示す断面図 他の実施形態の防着板の開口及び導出部を示す断面図 他の実施形態の排気装置の配置例を示す平面図 他の実施形態の防着板の支持体及び導出部を示す正面図 他の実施形態の防着板の支持体及び導出部を示す正面図 従来の防着板を示す断面図
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)として、成膜装置の一例を、図面を参照して具体的に説明する。成膜装置は、減圧可能な成膜室と成膜源を有し、成膜室内の減圧空間において、成膜源から成膜材料を飛翔させて成膜対象物の表面に成膜する装置である。なお、本発明は、防着板、これを用いた成膜装置、かかる成膜装置による成膜製品の製造方法としても捉えることができる。
[第1の実施形態]
[構成]
図1に示す成膜装置100は、スパッタリング装置である。スパッタリング装置は、チャンバ1内の減圧可能な成膜室11において、テーブルT等の載置面に載置された成膜対象である基板Sに対して、スパッタリングにより成膜を行う装置である。このように、成膜室11内において、基板S等の成膜対象に対して成膜を行う場所が、成膜箇所である。本実施形態では、テーブルT上の基板Sの位置が成膜箇所となる。
かかる成膜装置100は、成膜源として、基板Sに対向する位置に配置された成膜材料からなるターゲットGに電圧を印加することにより、成膜室11内に導入したガスをプラズマ化する。そして、これにより発生したイオンをターゲットGに衝突させて、飛散して飛翔する成膜材料を基板Sに堆積させる。
防着板3は、成膜源から飛翔する成膜材料の成膜室11の内壁面への付着を防止する部材である。防着板3は、成膜室11の内壁面近傍に、内壁面との間に空間を空けて対向して配置され、この空間における成膜室11の内底面側に傾いた鉛直下向きの傾斜面33aを有している。
以下、より詳細な構成を説明する。すなわち、図1においては、チャンバ1内の成膜室11の内壁面の一部である内側面12、内底面13、テーブルT、成膜源であるターゲットGを示し、その他の成膜装置100の内部構成は、図示を省略している。
防着板3は、成膜装置100のチャンバ1内に設置されている。この防着板3は、支持体として平板状のプレート31を有する。プレート31は、成膜室11の内壁面の近傍に空間14を空けて対向して配置されている。本実施形態では、プレート31の上下は、スペーサ41を介して、ボルト等の取付部材42によって、内側面12に取り付けられている。これによって、プレート31は、内側面12と一定の空間14を空けて内底面13に対して垂直に固定されている。
プレート31には、図2に示すように、複数の導出部33が支持されている。導出部33は、プレート31と同様の板状体である。複数の導出部33は、傾斜面33aを有する。つまり、本実施形態は、傾斜面33aを複数有している。傾斜面33aは、プレート31と成膜室11の内壁面との間の空間14における成膜室11の内底面13側に傾いている。内底面13側に傾いているとは、内側面12の近傍に設けられている場合には、内側面12に平行な方向に対して傾斜していることをいい、チャンバ1の鉛直下方向に向かって傾斜していることをいう。複数の導出部33の支持位置は、傾斜面33aに成膜処理による成膜材料が付着する位置となっている。複数の導出部33は、開口32が生じる間隔を空けて、プレート31に支持されている。各開口32の形状は、水平方向に連続して長い方形である。導出部33と成膜室11の内側面12との間には、傾斜面33aから剥離した成膜材料が流通する空間が形成されている。なお、複数の傾斜面33aは、隣接する傾斜面33aが重複する部分を有していてもよい。例えば、複数の傾斜面33aを、プレート31に垂直な方向から見て、重なりが生じる位置と大きさで形成してもよい。
開口32以外のプレート31の表面積は、小さいことが望ましい。つまり、開口32の全面積よりも、開口32以外の面積をできる限り小さくする。例えば、開口32及び導出部33の長辺方向の長さは、プレート31の水平方向の長さの半分以上、より好ましくはプレート31の水平方向の略全長とすることが望ましい。例えば、開口32の長手方向における開口32以外のプレート31の残存部分の長さを、開口32の短辺方向の長さよりも短くするとよい。また、開口32同士の間隔は、開口32の短辺方向の長さの半分以下、より好ましくは3分の1以下とすることが望ましい。また、プレート31の配置位置により、導出部33と成膜室11の内側面12との間には、傾斜面33aから剥離した成膜材料が流通する空間が形成されている。
防着板3は、プレート31に形成した方形の開口32の上辺に、導出部33の上辺を取り付けることによって製造できる。プレート31に切り込みを入れて、成膜室11の内壁面側へ折り曲げることによって、より簡易に製造することができる。
例えば、図2に示すように、プレート31における方形の開口32となる領域の上辺を残して、左辺、下辺及び右辺を切断し、成膜室11の内壁面側に押し込むことにより屈曲させる。これにより、導出部33の傾斜面33aは、プレート31の表面に連続した面となる。切断は、例えば、レーザー加工等により行うことが考えられる。
さらに、空間14の下部における内底面13の近傍には、排気領域15が設けられている。この排気領域15は、チャンバ1の外部に設けられた排気装置34に連通している。この排気装置34は、傾斜面33aから剥離した成膜材料を、成膜室11の内壁面と防着板3との間の空間から外部へ排出する気流を生じさせる装置である。本実施形態における排気装置34は、成膜材料を、成膜室11の内底面13から外部へ排出する気流を生じさせる。本実施形態の排気装置34は、例えば、ファン及びフィルタにより構成されている。
[作用]
以上のような本実施形態では、成膜装置100によって、基板Sに対して、成膜処理を行うと、成膜材料が成膜室11内に飛散し、浮遊する。このような成膜材料は、防着板3に付着し、堆積することにより膜Mとなる。この膜Mは、プレート31の垂直面に形成されるとともに、開口32を通過した成膜材料によって、傾斜面33aにも形成される。
膜Mが厚くなると、上記のように膜剥離が発生する。剥離した膜MはダストDとなって落下、浮遊する。但し、本実施形態においては、導出部33は、プレート31と内側面12との間の空間14に突出していて、傾斜面33aは内底面13側を向いている。
このため、傾斜面33aからの膜Mの剥離によりダストDが発生しても鉛直下向きすなわち真下に落ちるので、基板S側に行かず、内底面13側の排気領域15に落下する。また、傾斜面33aの真下がプレート31と内側面12との間の空間となっているので、ダストDはその空間によって内底面13側へガイドされて落下する。
さらに、傾斜面33aの真下が、下段の導出部33の場合は、その導出部33の傾斜によって、ダストDは内側面12へガイドされ、同様に内底面13側へ落下する。そして、排気装置34を作動させることにより、排気領域15に落下したダストDは、外部に排出される。なお、排気装置34によるダストDの排出は必ずしも行わなくてもよく、メンテナンス時にダストDを排除してもよい。
[効果]
以上のような本実施形態の成膜装置100は、減圧可能な成膜室11と、ターゲットGと、ターゲットGから飛翔する成膜材料の成膜室11の内壁面への付着を防止する防着板3と、を有している。防着板3は、内壁面近傍に、内壁面との間に空間を空けて対向して配置され、この空間における成膜室11の内底面側に傾いた鉛直下向きの傾斜面33aを有する。
このため、成膜室11の内壁面側に成膜材料の落とし込み構造が形成され、膜Mの剥離により発生するダストDは、成膜室11の内側面12側の内底面13に落下して、プレート31によって成膜箇所側、特に基板Sに向かうことが防止される。従って、ダストDが基板Sに付着する可能性を低減することができ、成膜品質が向上する。さらに、特許文献1では、粗面化処理に加えて、電位コントロールによって剥離衝撃を抑えるようにしている。これに対して、本実施形態は、このような特別な処理や複雑な機構を不要とすることができるので、装置コストを低減し、簡易な構造で容易にダスト抑制ができ、ひいては製品コストの低減に貢献する。
また、傾斜面33aは複数あるため、より多くのダストDを落下させることができる。複数の傾斜面33aが、隣接する傾斜面33aが重複する部分を有していれば、重複部分により、ダストDの成膜箇所への戻りが防止される。また、プレート31の配置位置により、導出部33と成膜室11の内側面12との間には、傾斜面33aから剥離した成膜材料が流通する空間が形成されている。このため、内側面12に対する成膜材料の付着を防止しつつ、基板S側への成膜材料の落下を防止できる。したがって、例え防着板3の傾斜面33aから膜が剥離しても、そのまま成膜運転を続けることができ、メンテナンスの間隔を長期化できる。
また、本実施形態は、傾斜面33aから剥離した成膜材料を、成膜室11の内底面13から外部へ排出する気流を生じさせる排気装置34を有する。このため、ダストDが開口32を介して、基板S側に逆流することが確実に防止される。
また、複数の導出部33は、開口32が生じる間隔を空けてプレート31に支持されている。このため、開口32の大きさの設定により、プレート31の成膜箇所側の開口32以外の表面積を小さくして、垂直面に成膜材料が付着する量を抑えることができる。つまり、傾斜面33aの面積を増やし、プレート31の垂直な面を減らすことができるので、垂直面へ付着する成膜材料を低減し、より多くの成膜材料を傾斜面33aから排気領域15に落下させて、基板Sへの影響を低減できる。また、導出部33を上記のようにプレート31の屈曲により形成すれば、切断の回数、屈曲の回数が比較的少ないため、導出部33の形成が容易になる。なお、切断回数、屈曲回数は増えるが、複数の開口32を、図3に示すように、マトリクス状に配置してもよい。
[第2の実施形態]
[構成]
第2の実施形態を、図4、図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の部材は同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施形態では、図4に示すように、支持体であるプレート31の両端近傍が、スペーサ41を介して、ボルト等の取付部材42によって、内底面13に取り付けられている。このため、プレート31は、内底面13と一定の空間である排気領域15を空けて、水平に固定されている。
そして、プレート31には、図5に示すように、複数の導出部53が支持されている。導出部53は、プレート31と同様の板状体である。複数の導出部53は、傾斜面53aを有する。傾斜面53aは、プレート31と成膜室11の内壁面との間の空間である排気領域15における成膜室11の内底面13側に傾いている。内底面13側に傾いているとは、内底面13の近傍に設けられている場合には、内底面13に平行な方向に対して傾斜していることをいう。複数の導出部53の支持位置は、傾斜面53aに成膜処理による成膜材料が付着する位置となっている。複数の導出部53は、開口52が生じる間隔を空けて、プレート31に支持されている。各開口52の形状は、水平方向に連続して長い方形である。導出部53は、各開口52における対向する縁部に一対設けられている。導出部53と成膜室11の内底面13との間には、傾斜面53aから剥離した成膜材料が流通する空間が形成されている。
本実施形態においては、防着板3は、プレート31における方形の開口52の対向する2辺に、それぞれ導出部53の上辺を取り付けることによって製造できる。プレート31に切り込みを入れて、成膜室11の内壁面側へ折り曲げることによって、より簡易に製造することができる。
例えば、図5に示すように、プレート31に、H字状の切り込みを入れ、H字の中心線から分割されて開口52となるように、H字の中心線を挟んだ面を、成膜室11の内壁面側に押し込むことにより屈曲させる。これにより、導出部53の傾斜面53aは、プレート31の表面に連続した一対の面となる。もちろん、第1の実施形態のように、一方向の傾斜面が並ぶ形状でもよい。
なお、上記の第1の実施形態と同様に開口32の大きさと、開口32以外のプレート31の表面積を設定することにより、プレート31の基板S側の表面積を小さくして、水平面に成膜材料が付着する量を抑えることができる。ここで、成膜材料の付着が問題となるのは、第1の実施形態ではプレート31の垂直面であったが、第2の実施形態ではプレート31の水平面となる。
[作用]
以上のような本実施形態では、成膜装置100によって、基板Sに対して成膜処理を行うと、成膜材料が成膜室11内に飛散、浮遊する。このような成膜材料は、防着板3に付着し、堆積することにより膜Mとなる。この膜Mは、プレート31の水平面に形成されるとともに、開口52を通過した成膜材料によって、傾斜面53aにも形成される。
膜Mが厚くなると、上記のように膜剥離が発生する。剥離した膜MはダストDとなって落下、浮遊する。但し、本実施形態においては、導出部53は、プレート31と内底面13との間の排気領域15に突出していて、傾斜面53aは内底面13側を向いている。
このため、傾斜面53aからの膜Mの剥離によりダストDが発生しても、基板S側に行かず、内底面13側の排気領域15に落下する。そして、排気装置34を作動させることにより、排気領域15に落下したダストDは、外部に排出される。なお、排気装置34によるダストDの排出は必ずしも行わなくてもよく、メンテナンス時にダストDを排除してもよい。成膜室11側から見た開口面積に対して内底面13側から見た開口面積が小さいので、内底面13に降着したダストDが放置されていて、例え舞い上がったとしても成膜箇所側へ戻ることはない。
[効果]
以上のような本実施形態は、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、本実施形態では、プレート31の配置位置により、導出部53と成膜室11の内底面13との間に、傾斜面53aから剥離した成膜材料が流通する空間が形成されている。このため、内底面13に対する成膜材料の付着を防止しつつ、基板S側へのダストDの浮上を防止できる。
さらに、本実施形態は、第1の実施形態とともに用いることにより、成膜室11の内壁面全体への成膜材料の付着を防止できるとともに、側面側及び底面側からの基板Sへの影響を防止して、成膜品質を向上させることができる。
なお、隣接する複数の導出部53を連続して設けることにより、導出部53の間の面積を減少させた構成としてもよい。図6及び図7は、導出部53の間を角形状として、プレート31の水平面を減少させた構成例である。かかる構成とすれば、プレート31の水平面が少ないため、成膜材料の大半を傾斜面53aに付着させて落下させることができ、基板Sへの影響をより一層防止できる。なお、隣接する導出部53の間は曲面であってもよい。
[他の実施形態]
本発明は、上記の実施形態には限定されない。プレート31の形状は、平面の方形状には限定されない。例えば、成膜室11の内側面12が曲面である場合には、曲面形状であってもよい。成膜室11の内底面13が円形である場合には、円形状であってもよい。成膜室11の内側面12の全周に亘る一つのプレート31であっても、複数のプレート31の組み合わせでもよい。成膜室11の内底面13の全体に渡る一つのプレート31であっても、複数のプレート31の組み合わせであってもよい。プレート31の材質は、高温に耐えて、成膜材料を付着させる必要があるため、金属とすることが望ましい。例えば、ステンレスやアルミニウムとすることができる。
導出部33、53及び傾斜面33a、53aの形状も、特定の形状には限定されない。三角形、多角形、円形、楕円形等であってもよい。角に丸みを帯びていてもよい。また、導出部33、53及び傾斜面33a、53aは、上記のように、プレート31を加工することによりプレート31と同じもので形成してもよい。例えば、図8に示すように、方形の板状体を屈曲することにより、複数の導出部33、53を形成させた部材を、開口32、52を形成させたプレート31に、開口32、52との間に成膜材料が流通する隙間を有しつつ、プレート31に垂直な方向から見て、開口32、52を塞ぐように取り付けてもよい。これによって、後述する様、基板S側から成膜室11の内壁面へ成膜材料が直接到達すること、成膜室11の内壁面側からダストDが基板S側へ戻ることを、より一層防止できる防着板3を容易に製作できる。
また、例えば、図9に示すように、プレート31に貫通溝を形成することにより、導出部33、53を切り出して、導出部33、53を傾斜させることにより、傾斜面33a、53aが生じるようにしてもよい。つまり、図9(A)に示すように、プレート31に、両短辺の中間部を残して、長方形状の貫通溝を形成するとともに、この貫通溝に連続して外縁方向に延びる切込みを、短辺に直交する方向に入れる。そして、図9(B)に示すように、切込みに対応する細長の部分を軸部Kとして、軸部Kを撚るように長方形状の板面部Pを所定角度回転させる。これにより、開口32、52に、傾斜面33a、53aを有する導出部33、53が形成される。この態様でも、成膜室11の内壁面側に成膜材料の落とし込み構造が形成され、膜Mの剥離によりダストDが発生しても、成膜室11の内底面13側に落下し、さらに、隣接する導出部33、53との間に、プレート31が存在しないため、プレート31の垂直面への成膜材料の付着量をより一層低減できる。また、プレート31と導出部33との接続部分である軸部Kは小さいため、加工に要する力が少なくなり、導出部33、53の平坦を維持した加工がしやすい。
比較的厚いプレート31に、内底面13側に向かう傾斜した穴を形成して、この成膜対象側を開口32、52としてもよい。この場合、穴の内側を導出部33、53とし、穴の内側面の一部を内底面13に向かう傾斜面33a、53aとすることができる。
導出部33、53の傾斜面33a、33aの角度と大きさは、開口32、52から成膜室11の内壁面側へ、直接成膜材料が到達することを防止できるとともに、付着した成膜材料が内底面13側へ確実に落下していく角度と大きさとすることが望ましい。このため、傾斜面33a、53aは、開口32、52との間に成膜材料が流通する隙間を有しつつ、プレート31に垂直な方向から見て、開口32、52を塞ぐ位置に設けてもよい。
このような場合の例を、図10及び図11を参照して説明する。例えば、図10(A)は、第1の実施形態のように、内底面13に対して垂直方向のプレート31に方形の導出部33を設けた例である。この場合に、開口32を垂直面に投影した面における垂直方向の辺の長さH1よりも、傾斜面33aを垂直面に投影した面における垂直方向の長さH2を大きくしてもよい。
また、図10(B)は、第2の実施形態のように水平方向のプレート31に方形の導出部53を設けた例である。この場合に、開口52を水平面に投影した面における水平方向の辺の長さW1よりも、傾斜面53aを水平面に投影した面における水平方向の辺の長さW2を大きくしてもよい。
また、図11は、第2の実施形態のように水平方向のプレート31の各開口52に、一対の導出部53を設けた例である。この場合に、図11(A)に示すように、一対の導出部53を、互いに同等の長さで交差する方向に設けることもできる。また、図11(B)に示すように、一対の導出部53を、互いに異なる長さで交差する方向に設けることもできる。
以上の態様により、基板S側から成膜室11の内壁面へ成膜材料が直接到達すること、成膜室11の内壁面側からダストDが基板S側へ戻ることを、より一層防止できる。しかも、傾斜面33a、53aの面積を広くすることができるため、より多くの成膜材料を付着させることができる。
また、排気領域15から排気装置34への排気の流路を、チャンバ1の外周に複数設けてもよい。例えば、図12に示すように、チャンバ1が平面視方形状である場合に、チャンバ1の外周の各辺に対応して排気装置34を配置してもよい。また、チャンバ1が平面視円形状である場合に、全周に亘って所定の間隔で複数の排気装置34を配置してもよい。これにより、図12の矢印に示すように、チャンバ1の中心部から外側に向かっての気流がより確実に生じるので、プレート31側から基板S側に成膜材料が流入又は逆流することが確実に防止され、ダストDの基板Sへの付着を防止できる。
また、成膜室11の内壁面と対向するプレート31の内壁面側の表面及び導出部33、特に傾斜面33aに、例えば、鏡面化等、成膜材料が剥がれやすい表面処理を施してもよい。これによって、より積極的にプレート31と成膜室11の内壁面との間に成膜材料を落とし込むことができ、基板Sへの影響を防止できる。
さらに、プレート31の基板S側の開口32以外の表面を粗面化してもよい。これによって、付着した成膜材料が剥がれにくくなるので、ダストDの発生が抑制されて、基板Sへの影響を抑制することができる。
なお、付着した成膜材料の積極的剥離をさらに行うために、振動を加えてもよい。例えば、ターゲット交換、基板Sの交換時などで直接基板Sに付着する恐れがない時に、振動を加えることにより、傾斜面33a、53aを介して、内底面13側へ成膜材料を落下させることができる。振動を加える方法としては、手動による他、プレート31に振動を与える加振装置を設けてもよい。加振装置としては、例えば、振動モータを駆動源とする装置が考えられる。このようなアイドル時間(待機時間、非成膜時間)で排気して内底面13に溜まったダストDを排出すると、時間の無駄もなく、基板Sへの付着の心配もなく、防着板3のメンテナンス間隔を飛躍的に長くすることができる。
さらに、上記の実施形態では、防着板3における支持体として、プレート31を用いていた。しかし、本発明の支持体は、プレート31には限定されず、成膜装置における成膜室11の内壁面近傍に、空間を空けて対向して配置され、導出部33、53を支持する部材であればよい。例えば、図13に示すように、支持体として、成膜室11の内側面又は内底面近傍に、空間を空けて対向して配置された柱状の支柱部60を用いてもよい。この支柱部60は、成膜室11の各内側面又は内底面にそれぞれ設けられた一対の2本の棒状の部材であり、2本の部材の間に、導出部33、53が支持されている。また、図14に示すように、支持体として、成膜室11の内側面又は内底面近傍に、空間を空けて対向して配置された方形の枠状体61を用いてもよい。この枠状体61は、その内側に、導出部33、53が支持されている。このように構成することにより、傾斜面33a、53a以外に、成膜材料が付着する面積を減少させることができる。このような支持体も、成膜室11の内壁面の一辺に亘る長さであっても、複数の部材を組み合わせて長さを確保する構成であってもよいし、導出部33、53と一体的に形成されていてもよい。複数の導出部33、53の間の開口が、成膜材料が流通する隙間を維持しつつ、支持体に垂直な方向から見て塞がれるように、傾斜面33a、53aが設けられていてもよい。
以上、説明した各実施形態の防着板3は、成膜室11内に着脱できるように構成されており、メンテナンス時には取り外しができる。この取り外し前にも、振動を加えることにより、傾斜面33a、53aに付着した成膜材料を、空間14、排気領域15から内底面側に落下させることにより、成膜箇所への影響を防止できる。内底面に落下させたダストDは排気装置34で排出ができる。防着板3はある程度付着物が落下して排除されるので、清掃も簡単にできる。なお、新品あるいは清掃済み防着板3を取り付けた後、排気装置34でダストDの排出を行えば、排気時に舞いがって成膜箇所側へ回り込むことを防止できる。
さらに、本発明は、成膜室内で成膜材料を飛散させて成膜対象に成膜する成膜装置に広く適用可能である。例えば、蒸着装置にも適用可能である。成膜対象も、基板Sには限定されない。本発明は、各種成膜対象を成膜して成膜製品を製造する成膜装置及び成膜製品の製造方法として捉えることができる。
1 チャンバ
2、3 防着板
11 成膜室
12 内側面
13 内底面
14 空間
15 排気領域
31 プレート
32 開口
33 導出部
33a 傾斜面
34 排気装置
41 スペーサ
42 取付部材
52 開口
53 導出部
53a 傾斜面
60 支柱部
61 枠状体
100 成膜装置
D ダスト
G ターゲット
K 軸部
M 膜
P 板面部
S 基板
T テーブル

Claims (5)

  1. 減圧可能な成膜室と、
    成膜源と、
    前記成膜源から飛翔する成膜材料の前記成膜室の内壁面への付着を防止する防着板と、
    を有し、
    前記防着板は、前記内壁面近傍に、前記内壁面との間に空間を空けて対向して配置され、前記空間における前記成膜室の内底面側に傾いた鉛直下向きの傾斜面を有することを特徴とする成膜装置。
  2. 前記傾斜面が複数であることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記複数の傾斜面は、隣接する傾斜面が重複する部分を有することを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
  4. 前記傾斜面から剥離した成膜材料を、前記成膜室の内壁面と前記防着板との間の空間から外部へ排出する気流を生じさせる排気装置を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の成膜装置。
  5. 前記防着板に振動を加える加振装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成膜装置。
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