JP2016219647A - 基板洗浄装置及び基板洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異物による基板の表面の汚染を防止することができる基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】基板洗浄装置10は、ウエハWを裏面側から支持するステージ12と、支持されたウエハWの表面を覆い、且つウエハWの表面との間においてギャップGを維持するカバー13と、支持されたウエハWの裏面側のベベル部14へ向けてガスクラスター25を照射するガスクラスターシャワー15とを備え、カバー13は、ウエハWの中心部に対向する位置において、ギャップGに向けて開口するダウンフローガス噴出口19を有する。
【選択図】図1
【解決手段】基板洗浄装置10は、ウエハWを裏面側から支持するステージ12と、支持されたウエハWの表面を覆い、且つウエハWの表面との間においてギャップGを維持するカバー13と、支持されたウエハWの裏面側のベベル部14へ向けてガスクラスター25を照射するガスクラスターシャワー15とを備え、カバー13は、ウエハWの中心部に対向する位置において、ギャップGに向けて開口するダウンフローガス噴出口19を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板の裏面側の周縁部に付着する堆積物を除去する基板洗浄装置及び基板洗浄方法に関する。
フルオロカーボン系処理ガスから生成されたプラズマを用いて基板としてのウエハにプラズマ処理、例えば、プラズマエッチング処理を施すと、フルオロカーボン系のデポ(堆積物)がウエハに付着することがある。ウエハの表面に付着したデポはプラズマ中の陽イオンによるスパッタによって除去されるが、ウエハの周縁部(ベベル部)、特にベベル部の裏側はプラズマによってスパッタされにくいために付着したデポが除去されない。
そこで、基板洗浄装置を用いてベベル部に付着したデポを除去することが行われている。具体的には、基板洗浄装置の処理室内において、図7に示すように、ウエハWの裏面側のベベル部に対向するようにガスクラスターを照射するガスクラスター照射ノズル70を配置し、ガスクラスター照射ノズル70から裏面側のベベル部に付着したデポ71へ向けてガスクラスター72を照射する。照射されたガスクラスター72はデポ71へ衝突し、衝突によってガスクラスター72から運動エネルギーを付与されたデポ71は裏面側のベベル部から剥離する(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、裏面側のベベル部から剥離したデポ71は照射されたガスクラスター72に付勢されてウエハWの表面へ回り込み、パーティクルとしてウエハWの表面へ付着することがあるため、ウエハWの表面がパーティクルで汚染されるおそれがある。
本発明の目的は、異物による基板の表面への汚染を防止することができる基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の基板洗浄装置は、基板を裏面側から支持する支持機構と、前記支持された基板の表面を覆い、且つ前記基板の表面との間において間隙を形成維持するカバーと、前記支持された基板の裏面側の周縁部へ向けてガスクラスターを照射する照射機構と、前記間隙を前記基板の中心部から前記基板の周縁部へ向けて流れる気流を生成する気流生成機構と、を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の基板洗浄方法は、基板の裏面側の周縁部に付着した堆積物を除去する基板洗浄方法であって、前記基板の表面をカバーで覆い、且つ前記基板の表面及び前記カバーの間において間隙を維持する被覆ステップと、前記基板の裏面側の周縁部へ向けてガスクラスターを照射する照射ステップと、前記照射ステップにおいて、前記間隙を前記基板の中心部から前記基板の周縁部へ向けて流れる気流を生成する気流生成ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、表面がカバーで覆われた基板の裏面側の周縁部へ向けてガスクラスターが照射され、カバー及び基板の表面の間の間隙を基板の中心部から基板の周縁部へ向けて流れる気流が生成されるので、ガスクラスターによって基板の裏面側の周縁部から剥離した堆積物は、基板の中心部から基板の周縁部へ向けて流れる気流により、基板の周縁部から基板の中心部への移動を妨げられる。また、剥離した堆積物がガスクラスターによって付勢されて基板の表面の上方へ回り込んだとしても、カバーが回り込んだ堆積物の基板の表面への付着を防止する。その結果、剥離した堆積物からなる異物による基板の表面の汚染を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る基板洗浄装置の構成を概略的に示す断面図である。
図1において、基板洗浄装置10は、円板状のウエハWを収容する略円筒状のチャンバ11と、ウエハWを裏面側から支持する円板状のステージ12(支持機構)と、該ステージ12と略同等の直径を有する円板状のカバー13と、ステージ12に支持されたウエハWの裏面側のベベル部14に対向するように配置されるガスクラスターシャワー15(照射機構)と、基板洗浄装置10の各構成要素の動作を制御するコントローラ16とを備える。チャンバ11はドライポンプ17に接続され、ドライポンプ17はチャンバ11の内部のガス等を排気する。
ステージ12は、チャンバ11の底部11aから鉛直に立設されてステージ12の中心部に接続されるシャフト18によって支持される。シャフト18は回転機構(図示しない)によって中心軸周りに回転する。これにより、ステージ12は該ステージ12の中心部を中心として水平面内において回転する。また、基板洗浄装置10では、ステージ12の中心部と支持されるウエハWの中心部とが略一致するので、ウエハWも該ウエハWの中心部を略中心として水平面内において回転する。
カバー13は、ステージ12に支持されたウエハWの表面に対向し、且つその表面を覆うように配置される。カバー13とウエハWの表面との間には、距離(厚さ)が、例えば、2mmのギャップG(間隙)が形成される。また、カバー13は、ウエハWの中心部に対向する位置において、ギャップGに向けて開口するダウンフローガス噴出口19(気流生成機構)を有する。カバー13は、ダウンフローガス噴出口19から図中上方へ向けて延出してチャンバ11の天井部11bへ到達するダウンフローガス導入管20を有し、ダウンフローガス導入管20はチャンバ11の外部に配置された後述のガス供給源34から供給される不活性ガス、例えば、窒素(N2)ガスを、ダウンフローガス噴出口19を介してギャップGへ導入する。ギャップGに導入された窒素ガスは、該ギャップGにおいてウエハWの中心部から半径方向にウエハWのベベル部14へ向けて流れるダウンフロー(気流)を生成する。該ダウンフローはウエハWのベベル部14とカバー13の周縁部との間においてギャップGからチャンバ11の内部へ向けて噴出される。
図2は、図1におけるガスクラスターシャワー15の構成を概略的に示す断面図である。
図2において、ガスクラスターシャワー15は、一端が開口して細孔からなるオリフィス21を形成する略円筒状の圧力筒22と、該圧力筒22の一端に形成され、オリフィス21を介して圧力筒22内と連通するとともに、外方へ向けて径が拡大するラッパ状又は円錐状のガス拡散部23とを有する。なお、オリフィス21の開口径は、例えば、0.13mmである。
ガスクラスターシャワー15は、チャンバ11の内部よりも圧力が高い圧力筒22の内部からガス分子24、例えば、二酸化炭素(CO2)分子やヘリウム(He)原子をウエハWの裏面側のベベル部14へ向けて噴出する(すなわち、ガス分子24がチャンバ11の内部へ導入される)。このとき、ガス拡散部23の径が外方へ向けて拡大するため、吐出されたガス分子24は断熱膨張によって急冷され、各ガス分子24の運動エネルギーが低下して各ガス分子24間に作用する分子間力(ファンデルワールス力)によって互いに密着する。これにより、多数のガス分子24からなる複数のガスクラスター25が形成される。形成されたガスクラスター25はそのままウエハWへ向けて供給され、ベベル部14に付着するデポ26と衝突する。換言すれば、多数のガスクラスター25がウエハWの裏面側のベベル部14へ照射される。
ガスクラスターシャワー15では、ガスクラスター25の形態がオリフィス21の開口径やガス拡散部23の形状、例えば、ガス拡散部23がラッパ状に広がるときは、その開角度等に左右される。ガスクラスター25は温度が上昇すると分解するおそれがあるため、ガスクラスター25を照射する際、圧力筒22を冷却するのが好ましい。
ガスクラスターシャワー15はウエハWの裏面側のベベル部14へ多数のガスクラスター25を照射するように構成される。具体的に、ガスクラスターシャワー15はウエハWの裏面側のベベル部14に対して斜方から対向するように配置されるが、特に、ガスクラスターシャワー15は、ステージ12に支持されたウエハWの中心軸方向(垂直方向)に対して60°±10°ほど(以下、「傾斜角度範囲」という。)傾斜した方向から多数のガスクラスター25をベベル部14へ照射するように配置されるのが好ましい。ガスクラスターシャワー15が上記傾斜角度範囲内で多数のガスクラスター25を照射することにより、照射された各ガスクラスター25はウエハWの裏面側のベベル部14に付着するデポ26へ衝突し、衝突によってガスクラスター25から運動エネルギーをより効率的に付与されるので、デポ26はベベル部14から剥離する。これにより、ウエハWの裏面側のベベル部14からデポ26を除去することができる。
上述したように、本発明の一の実施の形態としての基板洗浄装置10では、ウエハWの裏面側のベベル部14に付着したデポ26を除去してウエハWを洗浄する際、コントローラ16はウエハWをステージ12によって支持させ、ウエハWの表面をカバー13によって覆ってウエハWの表面とカバー13の間にギャップGを形成し(被覆ステップ)、ガスクラスターシャワー15によってウエハWの裏面側のベベル部14へ多数のガスクラスター25を照射させる(照射ステップ)。また、コントローラ16は、ベベル部14へ多数のガスクラスター25が照射される際、ダウンフローガス噴出口19から窒素ガスをギャップGへ導入してウエハWの中心部からウエハWのベベル部14へ向けて流れるダウンフローを生成する(気流生成ステップ)。ダウンフローはウエハWのベベル部14においてギャップGから噴出する。
これにより、ガスクラスター25によってウエハWの裏面側のベベル部14から剥離したデポ26は、ギャップGに進入したとしても、ダウンフローによってベベル部14からウエハWの中心部(ウエハWの内側)への移動を妨げられる。また、剥離したデポ26がガスクラスター25によって付勢され、ウエハWの表面の上方へ回り込んだとしても、カバー13が剥離したデポ26のウエハWの表面への付着を防止する。その結果、剥離したデポ26からなるパーティクルによるウエハWの表面の汚染を防止することができる。
一の実施の形態としての基板洗浄装置10において、ダウンフローのガスは、例えば、窒素ガスからなる。窒素ガスは不活性なので、ウエハWの表面において不必要な反応が生じるのを防止することができる。また、ステージ12によって支持されたウエハWは当該ウエハWの中心部を中心として水平面内において回転するので、ガスクラスターシャワー15を移動させることなくガスクラスター25をウエハWの裏面側のベベル部14の全周へ向けて照射することができ、もって、ガスクラスターシャワー15の構成を複雑にすることなく、効率よくデポ26をベベル部14から剥離させることができる。
一の実施の形態としての基板洗浄装置10では、照射されたガスクラスター25によって付勢されてウエハWのベベル部14が上方へ向けて変形するおそれがあるが、ギャップGに生成されたダウンフローがギャップGの内圧を高めるため、ベベル部14が上方へ向けて変形してギャップGが圧縮されるのを抑制することができる。これにより、ウエハWがステージ12から分離するのを抑制することができる。
上述の一の実施の形態としての基板洗浄装置10では、ギャップGへの剥離したデポ26の進入を防止することが、ウエハWの表面の汚染防止の観点からはより好ましい。したがって、ギャップGからベベル部14における各ガスクラスター25が照射される領域に向けて噴出するダウンフローの流量は、当該領域へ向けて照射される各ガスクラスター25の合計量以上であるのが好ましい。
ところで、ガスクラスターシャワー15から噴出されるガスクラスター25を構成するヘリウム原子からなるヘリウムガスは高価であるため、ガスクラスター25として照射された後は回収するのが好ましい。これに対応して、本実施の形態では、ガスクラスター25として照射されたヘリウムガスを回収して再利用する。
図3は、図1の基板洗浄装置を含むヘリウムガスの再利用システムの構成を概略的に示す図である。
図3において、再利用システム27は、基板洗浄装置10と、ドライポンプ17と、第1のシリンダータンク28と、第1のブースター29と、分離器30と、第2のブースター31と、第2のシリンダータンク32とを備える。ドライポンプ17、第1のシリンダータンク28、第1のブースター29、分離器30、第2のブースター31及び第2のシリンダータンク32はこの順で互いに直列で接続される。また、第2のシリンダータンク32は基板洗浄装置10に接続される。第2のシリンダータンク32及び基板洗浄装置10の間には第1の流量計33が介在する。
再利用システム27では、基板洗浄装置10のチャンバ11の内部から窒素ガス、ヘリウムガス、二酸化炭素ガス及び剥離したデポ26を含む排気ガスが排出され、該排気ガスはドライポンプ17、第1のシリンダータンク28、第1のブースター29、分離器30、第2のブースター31及び第2のシリンダータンク32を介して再びチャンバ11の内部へ循環される。ここで、分離器30は第1のブースター29から流入する排気ガスから所定のガス(例えば、二酸化炭素ガスや窒素ガス)並びに剥離したデポ26を分離して除去し、再利用システム27から排出する。しかしながら、分離器30は排気ガスからヘリウムガスを分離しないため、排気ガスによってチャンバ11の内部へヘリウムガスが循環される。
さらに、再利用システム27では、所定のガス(例えば、二酸化炭素ガスや窒素ガス、場合によってはヘリウムガス)を貯蔵するガス供給源34が基板洗浄装置10に接続され、ガス供給源34はレギュレータ35や第2の流量計36を介して二酸化炭素ガス(場合によってはヘリウムガス)をガスクラスターシャワー15へ供給し、窒素ガスをギャップGへ導入させる。
再利用システム27において、分離器30は排気ガスから所定のガスとして窒素ガスのみを分離してもよく、この場合、ヘリウムガスだけでなく二酸化炭素ガスもチャンバ11の内部へ循環される。
以上、本発明について、上述した一の実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した一の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、基板洗浄装置10は1つのガスクラスターシャワー15のみを備えたが、複数のガスクラスターシャワー、例えば、ガスクラスターシャワー15だけでなく追加ガスクラスターシャワー37を備えてもよい。この場合、図4に示すように、追加ガスクラスターシャワー37は、ステージ12に支持されたウエハWの中心軸方向に沿って多数のガスクラスター25をベベル部14へ照射するように(後述するシャワー角θ1が0°なるように)配置される。
次に、本発明の各実施例について説明する。
図5は、各実施例における各寸法を説明するための図であり、図5(A)はウエハWのベベル部14とガスクラスターシャワー15との距離であるシャワー距離T等を示す図であり、図5(B)はウエハWの裏面側のベベル部14におけるベベル角θ2を説明するための図である。
以下の各実施例では、図5(A)に示すように、ウエハWに対する垂直方向(ウエハWの中心軸方向)に対するガスクラスターシャワー15の傾斜角をシャワー角θ1とし、ガスクラスターシャワー15のガス拡散部23の先端からベベル部14までの距離をシャワー距離Tとする。また、図5(B)に示すように、ウエハWの平行方向(ウエハWの中心軸に対する垂直方向)と、ベベル部14の各箇所における接線とがなす角をベベル角θ2とする。
まず、裏面側のベベル部14にデポ26が付着したウエハWから基板洗浄装置10においてデポ26を除去した際、ウエハWの表面に付着する、剥離したデポ26に起因するパーティクルの数を計測した。
このとき、ガスクラスターシャワー15において、圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、シャワー距離Tを60mmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定した。その後、ダウンフローガス噴出口19から導入される窒素ガスの流量(以下、「ダウンフロー流量」という。)を500sccm、8000sccm及び10000sccmに変化させ、それぞれにおいて計測されたウエハWの表面に付着するパーティクル(以下、「付着パーティクル」という。)の数を表1にまとめた。
表1より、ダウンフロー流量が8000sccm以上であれば、付着パーティクルの数を大幅に低減することができることが分かった。また、ダウンフロー流量が500sccmから8000sccmへ変化すると付着パーティクルの数が大幅に減じたことから、付着パーティクルの数の削減の観点からは、ダウンフロー流量を5000sccm以上とするのが好ましく、6000sccm以上がより好ましいと推察された。
また、ベベル部14においてギャップGから噴出するダウンフロー流量が増加すると、ガスクラスター25の照射を阻害してデポ26の剥離の効率が低下するおそれがあることから、ダウンフロー流量を変化させたときのデポ26の剥離の程度、具体的には、ガスクラスター25の照射後に残留するデポ26(以下、「残留デポ」という。)の厚さを計測した。このとき、ガスクラスターシャワー15において、圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、シャワー距離Tを70mmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定した。その後、ダウンフロー流量を500sccm及び8000sccmに変化させ、それぞれにおいて計測されたベベル部14の各ベベル角θ2(90°、70°、60°、45°、30°)に対応する各箇所の残留デポの厚さを表2にまとめた。なお、表2、並びに表3乃至表7中の初期値は、ガスクラスター25の照射前におけるベベル部14の各箇所のデポ26の厚さを示す。このとき、デポ26はフルオロカーボン系の単層構造からなるデポであった。
表2より、ダウンフロー流量が500sccmのときはデポ26が残留したにもかかわらず、ダウンフロー流量が8000sccmのときはデポ26が残留しなかったことから、ダウンフロー流量を増加させてもデポ26の剥離の効率が低下しないことが分かった。
次に、ガスクラスターシャワー15におけるオリフィス21の開口径の残留デポに対する影響を確認した。具体的には、ガスクラスターシャワー15において、圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定するとともに、シャワー距離Tを50mmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定した。その後、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ730sccm及び6570sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.10mmに設定し、ダウンフロー流量を0sccmに設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測した。さらに、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定し、ダウンフロー流量を500sccmに設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測した。そして、計測された残留デポの厚さを表3にまとめた。
表3より、開口径が0.10mmのときはデポ26が残留した一方、開口径が0.13mmのときはデポ26が残留しなかったことから、オリフィス21の開口径は0.13mmが好ましいことが分かった。また、開口径が0.10mmから0.13mmに変化すると残留デポの厚さが減じたことから、残留デポの削減の観点からは、開口径を0.11mm以上とするのが好ましいと推察された。
次に、シャワー距離Tの残留デポに対する影響を確認した。具体的には、ガスクラスターシャワー15において、圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、ダウンフロー流量を500sccmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定した。その後、シャワー距離Tを50mm、60mm及び70mmに変化させ、それぞれにおいて計測されたベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを表4にまとめた。
表4より、シャワー距離Tが50mm及び70mmのときはデポ26が残留した一方、シャワー距離Tが60mmのときはデポ26が殆ど残留しなかった。但し、シャワー距離Tが50mmや70mmのときにおいても、さほどデポ26が残留しなかったことから、シャワー距離Tは50mmより大きく且つ70mmより小さいのが好ましく、60mmであるのがより好ましい。
次に、シャワー角θ1の残留デポに対する影響を確認した。具体的には、ガスクラスターシャワー15において、圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、ダウンフロー流量を500sccmに設定し、シャワー距離Tを50mmに設定した。その後、シャワー角θ1を0°及び60°に変化させ、それぞれにおいて計測されたベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを表5にまとめた。
表5より、シャワー角θ1が0°のときはデポ26が残留した一方、シャワー角θ1が60°のときはデポ26があまり残留しなかったことから、シャワー角θ1は60mmが好ましいことが分かった。これは、ガスクラスター25の照射前におけるベベル部14においてベベル角θ2が60°や70°に対応する各箇所のデポ26が厚いことから、これらの厚いデポ26に正対するようにガスクラスターシャワー15を配置して厚いデポ26へできるだけ多くのガスクラスター25を照射すると、結果としてデポ26の除去効率が向上したためと推察された。したがって、シャワー角θ1は、ガスクラスターシャワー15がベベル部14においてベベル角θ2が60°や70°に対応する各箇所と正対する範囲、例えば、60°±10°のいずれかに設定するのが好ましく、60°乃至70°の
いずれかに設定するのがより好ましいことが分かった。
いずれかに設定するのがより好ましいことが分かった。
次に、ガスクラスター25におけるヘリウム原子の有無の残留デポに対する影響を確認した。具体的には、ガスクラスターシャワー15において、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、シャワー距離Tを60mmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定し、ダウンフロー流量を500sccmに設定した。
その後、ガスクラスターシャワー15において圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測し、さらに、ガスクラスターシャワー15において圧力筒22の内部の圧力を4MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ5500sccm及び0sccmに設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測し、また、ガスクラスターシャワー15において圧力筒22の内部の圧力を4.5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ6343sccm及び0sccmに設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測した。そして、計測された残留デポの厚さを表6にまとめた。
表6より、ガスクラスター25からヘリウム原子が無くなると、殆どデポ26が除去されないことが分かり、ヘリウム原子を補うために二酸化炭素分子を増加させてもデポ26の除去には殆ど影響がないことが分かった。すなわち、デポ26の除去にはガスクラスター25がヘリウム原子を含むことが必須であることが分かった。
さらに、ガスクラスター25におけるヘリウムガスの流量比の残留デポに対する影響を確認した。具体的には、ガスクラスターシャワー15において、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、シャワー距離Tを60mmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定し、ダウンフロー流量を500sccmに設定した。
その後、ガスクラスターシャワー15において圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccm(ヘリウムガスの流量比を90%)に設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測し、さらに、ガスクラスターシャワー15において圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ4500sccm及び4500sccm(ヘリウムガスの流量比を50%)に設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測し、また、ガスクラスターシャワー15において圧力筒22の内部の圧力を4MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ5500sccm及び0sccm(ヘリウムガスの流量比を0%)に設定してベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを計測した。そして、計測された残留デポの厚さを表7にまとめた。
表7より、ヘリウムガスの流量比が50%以下となると、殆どデポ26が除去されず、ヘリウムガスの流量比が90%以上となるとデポ26を殆ど除去できることが分かった。上記結果をまとめると、図6に示すように、デポ26の除去速度はヘリウムガスの流量比が50%を越えると増加に転じることが分かった。したがって、ガスクラスター25におけるヘリウムガスの流量比は少なくとも50%よりも大きくすることが好ましい。
次に、デポ26が単層構造ではなく積層構造からなる場合のデポ26の除去について確認した。まず、裏面側のベベル部14に、フルオロカーボン系の膜、シリコン系の膜及びフルオロカーボン系の膜がこの順で積層された積層構造を有するデポ26が付着したウエハWを準備し、基板洗浄装置10においてデポ26の除去を行った。具体的には、ガスクラスターシャワー15において、圧力筒22の内部の圧力を5MPaに設定し、二酸化炭素ガスの流量及びヘリウムガスの流量をそれぞれ1144sccm及び10296sccmに設定し、オリフィス21の開口径を0.13mmに設定するとともに、シャワー距離Tを60mmに設定し、シャワー角θ1を60°に設定し、ダウンフロー流量を500sccmに設定した。その後、ガスクラスター25の照射を開始してから30秒後及び60秒後のそれぞれにおいて計測されたベベル部14の各ベベル角θ2に対応する各箇所の残留デポの厚さを表8にまとめた。なお、表8中の初期値は、ガスクラスター25の照射前におけるベベル部14の各箇所における積層構造のデポ26のフルオロカーボン系の膜及びシリコン系の膜の厚さを示す。
表8より、積層構造を有するデポ26であっても、ガスクラスター25の照射時間を30秒以上にすればほぼ除去できることが分かった。したがって、ガスクラスター25の照射時間は30秒より長いことが好ましく、60秒以上であるのがより好ましい。
G ギャップ
W ウエハ
12 ステージ
13 カバー
14 ベベル部
15 ガスクラスターシャワー
19 ダウンフローガス噴出口
25 ガスクラスター
W ウエハ
12 ステージ
13 カバー
14 ベベル部
15 ガスクラスターシャワー
19 ダウンフローガス噴出口
25 ガスクラスター
Claims (10)
- 基板を裏面側から支持する支持機構と、
前記支持された基板の表面を覆い、且つ前記基板の表面との間において間隙を形成するカバーと、
前記支持された基板の裏面側の周縁部へ向けてガスクラスターを照射する照射機構と、
前記間隙を前記基板の中心部から前記基板の周縁部へ向けて流れる気流を生成する気流生成機構と、を備えることを特徴とする基板洗浄装置。 - 前記照射機構は、前記支持された基板の垂直方向に対して60°±10°傾斜した方向から前記ガスクラスターを照射することを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
- 前記ガスクラスターは、二酸化炭素分子及びヘリウム原子を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の基板洗浄装置。
- 前記気流は窒素ガスからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
- 前記支持機構は、前記支持された基板を当該基板の中心部を中心として回転させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の基板洗浄装置。
- 基板の裏面側の周縁部に付着した堆積物を除去する基板洗浄方法であって、
前記基板の表面をカバーで覆い、且つ前記基板の表面及び前記カバーの間において間隙を維持する被覆ステップと、
前記基板の裏面側の周縁部へ向けてガスクラスターを照射する照射ステップと、
前記照射ステップにおいて、前記間隙を前記基板の中心部から前記基板の周縁部へ向けて流れる気流を生成する気流生成ステップとを有することを特徴とする基板洗浄方法。 - 前記照射ステップにおいて、前記基板の垂直方向に対して60°±10°傾斜した方向から前記ガスクラスターを照射することを特徴とする請求項6記載の基板洗浄方法。
- 前記ガスクラスターは、二酸化炭素分子及びヘリウム原子を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の基板洗浄方法。
- 前記気流は窒素ガスからなることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の基板洗浄方法。
- 前記照射ステップにおいて、前記基板を当該基板の中心部を中心として回転させることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の基板洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015104392A JP2016219647A (ja) | 2015-05-22 | 2015-05-22 | 基板洗浄装置及び基板洗浄方法 |
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JP (1) | JP2016219647A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114585454A (zh) * | 2019-11-01 | 2022-06-03 | 东京毅力科创株式会社 | 基片清洗装置和基片清洗方法 |
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2015
- 2015-05-22 JP JP2015104392A patent/JP2016219647A/ja active Pending
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