JP2016177888A - 端子台 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間に亘って優れたシール性能を維持することができる端子台を提供する。【解決手段】端子台1は、樹脂成形部20を有するハウジング2と、樹脂成形部20に埋設された埋設部30および樹脂成形部20のから外方に突出した接続部31を一体に備えたバスバー3と、埋設部30と樹脂成形部20との間に存在する隙間5を封止するシール部4とを有している。シール部4は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む二元以上の共重合体ゴムと、硫黄系加硫剤と、非硫黄系加硫剤とを含む接着剤組成物の架橋体より構成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、端子台に関する。
従来、例えば、自動車用のワイヤーハーネス等が接続される端子台が知られている。端子台は、一般に、樹脂成形部を有するハウジングと、金属製のバスバーとを有しており、インサート成形により樹脂成形部にバスバーが固定されている。
樹脂成形部は、通常、金属製のバスバーと接着し難く、また、成形収縮等による寸法変化を起こしやすい。そのため、樹脂成形部とバスバーとの間には、不可避的に隙間が形成される。それ故、オイルシール性等を確保するため、上記隙間部分に接着剤組成物を用いてシール部が設けられる(特許文献1参照)。上記接着剤組成物としては、エピクロロヒドリンゴムの単独重合体ゴムを主成分とし、硫黄系加硫剤を含有する接着剤組成物が用いられることが多い。
しかしながら、従来の接着剤組成物を架橋させてなるシール部は、熱老化が進むと軟化するという問題を有している。そのため、従来の端子台は、例えば長期間に亘って高温環境下に曝された場合に、シール部の軟化によりシール性能が低下する。近年では、より優れた性能を有する端子台が要求されており、従来の接着剤組成物よりなるシール部では長期間に亘ってシール性能を維持することが困難になってきている。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、長期間に亘って優れたシール性能を維持することができる端子台を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、樹脂成形部を有するハウジングと、上記樹脂成形部に埋設された埋設部および上記樹脂成形部から外方に突出した接続部を一体に備えたバスバーと、上記埋設部と上記樹脂成形部との間に存在する隙間を封止するシール部とを有する端子台であって、
上記シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む二元以上の共重合体ゴムと、硫黄系加硫剤と、非硫黄系加硫剤とを含む接着剤組成物の架橋体より構成されていることを特徴とする端子台にある。
上記シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む二元以上の共重合体ゴムと、硫黄系加硫剤と、非硫黄系加硫剤とを含む接着剤組成物の架橋体より構成されていることを特徴とする端子台にある。
上記端子台は、上記接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部を有している。上記接着剤組成物は、ゴム成分として、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む二元以上の共重合体ゴムとを含有している。そのため、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムを主成分とする従来の接着剤組成物に比べて塩素の含有量を低減することができる。
また、上記接着剤組成物は、加硫剤として、硫黄系加硫剤と、非硫黄系加硫剤とを含んでいる。そのため、上記接着剤組成物は、硫黄系加硫剤を単独で使用する従来の接着剤組成物と同等以上の架橋性を確保した上で硫黄の含有量を低減することができる。
これらの結果、上記シール部は、従来の接着剤組成物を用いた場合よりも塩素及び硫黄の含有量を低減することができる。それ故、上記シール部は、熱老化の進行を抑制し、長期間に亘って優れたシール性能を維持することができる。
上記端子台において、シール部は、インサート成形によってバスバーの埋設部とハウジングの樹脂成形部との間に形成される隙間を液密に封止することができれば、上記隙間のいずれの位置に配置されていてもよい。シール部は、例えば、隙間の一部に配置されていてもよいし、隙間の全部に配置されていてもよい。前者の場合には、端子台が高温環境下に曝されてシール部の流動性が増した場合でも、隙間から外部に直ちに漏出し難く、シール性能を長期間にわたって維持しやすくなる。前者の場合、シール部は、具体的には、例えば、バスバーの埋設部における一部にてバスバーの外周を取り囲むように配置することができる。
上記端子台において、シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む共重合体ゴムとをゴム成分として含む接着剤組成物の架橋体より構成されている。
上記共重合体ゴムは、エピクロロヒドリン単位を含む二元共重合体ゴムであってもよいし、エピクロロヒドリン単位を含む三元以上の共重合体ゴムであってもよい。また、上記共重合体ゴムは、例えばアリルグリシジルエーテル等により変性されていてもよい。
上記共重合体ゴムとしては、例えば、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体ゴムなどを用いることができる。これらは1種または2種以上併用することができる。
上記共重合体ゴムとしては、エピクロロヒドリン単位を必須に含み、更に、エチレンオキサイド単位及び/またはアリルグリシジルエーテル単位を含む共重合体ゴムを好適に用いることができる。これらは、比較的入手しやすく、高温環境下に曝された場合であっても長期間に亘って優れたシール性能を維持可能な端子台を実現しやすくなるからである。
シール部中の塩素量を低減する観点から、上記接着剤組成物は、単独重合体ゴム及び共重合体ゴムの合計100質量部に対して共重合体ゴムを30質量部以上含有していることが好ましい。一方、共重合体ゴムの含有量が過度に多くなると、単独重合体ゴムの含有量が相対的に少なくなり、高温環境下においてシール部の接着強度が低下するおそれがある。それ故、共重合体ゴムの含有量は70質量部以下であることが好ましい。
また、上記接着剤組成物は、加硫剤(加硫促進剤を含む)として、硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤の両方を含んでいる。これにより、従来と同等以上の架橋性能を確保しつつ上記シール部中の硫黄の含有量を低減することができる。
硫黄系加硫剤は非硫黄系加硫剤に比べて優れた架橋性能を有するが、接着剤組成物中の含有量が過度に多い場合には、シール部中の硫黄の含有量が多くなる。その結果、高温環境下における熱老化が促進され、シール性能の早期の低下を招くおそれがある。一方、非硫黄系加硫剤は硫黄系加硫剤に比べて架橋性能が劣るため、非硫黄系加硫剤を単独で使用する場合、単独重合ゴム及び共重合体ゴムを十分に架橋させることが難しい。そのため、この場合には端子台の生産性を向上させることが難しい。また、シール部の架橋が不十分となることにより、場合によってはシール性能の低下を招くことも考えられる。
従って、加硫剤として硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤の両方を用いることにより、硫黄系加硫剤の優れた架橋性能を得ると共に、上記シール部中の硫黄の含有量を容易に低減することができる。その結果、長期間に亘って優れたシール性能を維持可能な端子台を容易に得ることができる。
上記接着剤組成物は、単独重合体ゴムと共重合体ゴムとの合計100質量部に対して硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤を合計で6質量部以下含有していることが好ましい。この場合には、上記シール材の熱老化が進行しても、優れた耐熱性及び耐油性を長期間に亘って維持することができる。硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤の合計が6質量部を超える場合には、熱老化の進行に伴って耐熱性が低下するおそれがある。
硫黄系加硫剤としては、例えば、チオ尿素系加硫剤、グアニジン系加硫剤、チアゾール系加硫剤、スルフェンアミド系加硫剤、チウラム系加硫剤及びジチオカーバメート系加硫剤等を用いることができる。これらの硫黄系加硫剤は、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。上記単独重合ゴム及び上記共重合体ゴムとの相溶性及び架橋性能の観点から、硫黄系加硫剤としてはチオ尿素系加硫剤を用いることが好ましい。
上記接着剤組成物は、架橋体中の硫黄の含有量を低減する観点から、単独重合体ゴム及び共重合体ゴムの合計100質量部に対して硫黄系加硫剤を1〜5質量部含有していることが好ましい。
非硫黄系加硫剤としては、例えば、有機過酸化物系加硫剤やポリオール系加硫剤等を用いることができる。これらの硫黄系加硫剤は、単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。上記単独重合ゴム及び上記共重合体ゴムとの相溶性及び架橋性能の観点から、非硫黄系加硫剤としては有機過酸化物系加硫剤を用いることが好ましい。
上記接着剤組成物は、単独重合体ゴムと共重合体ゴムとの合計100質量部に対して非硫黄系加硫剤を1〜4質量部含有していることが好ましい。非硫黄系加硫剤の含有量を1質量部以上とすることにより、硫黄系加硫剤を単独で使用した場合と同等以上の架橋性を確保しつつ、硫黄系加硫剤の含有量を容易に低減することができる。その結果、上記シール部の熱老化をより抑制することができ、より長期間に亘って優れたシール性能を維持可能な端子台を実現することができる。
一方、非硫黄系加硫剤の含有量が4質量部を超える場合には、相対的に硫黄系加硫剤の含有量が少なくなり、架橋性能が低下するおそれがある。従って、熱老化の抑制と架橋性能とを両立させる観点から、非硫黄系加硫剤の含有量を1〜4質量部とすることが好ましい。
上記接着剤組成物は、上記作用効果を損なわない範囲内で、他のゴム成分や添加剤等を含有していても良い。他のゴム成分としては、ニトリルゴム、アクリルゴム等を例示することができる。これらの他のゴム成分は単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。また、添加剤としては、例えば、加硫助剤、可塑剤、老化防止剤、素練り促進剤などを含有することができる。接着剤組成物は、インサート成形前に、バスバーに途切れなく塗布しやすくなる観点から、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の溶剤を用いて液状に調製されていることが好ましい。
上記端子台は、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、上記端子台の製造方法は、以下の記載によって限定されない。
まず、バスバーにおけるシール部を形成すべき所定箇所に上記接着剤組成物を塗布する。塗布の後、必要に応じて接着剤組成物を乾燥させてもよい。次いで、バスバーに塗布された接着剤組成物を加熱し、接着剤組成物を架橋させる。次いで、インサート成形により、バスバーと樹脂成形部とを一体化する。これにより、バスバーの埋設部と樹脂成形部との間の隙間を塞ぐようにシール部が形成される。以上により、上記端子台が得られる。なお、接着剤組成物は、インサート成形時の熱を利用して架橋させることも可能である。
上記端子台は、長期間に亘って高温環境下に曝された場合であっても、優れたシール性能を維持することができる。そのため、自動車用ワイヤーハーネスを接続するための端子台として好適に用いることができる。この場合、端子台は、具体的には、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等におけるモータケース等に取り付けて用いることができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
(実施例)
上記端子台について、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示されるように、本例の端子台1は、樹脂成形部20を有するハウジング2と、バスバー3と、シール部4とを有している。バスバー3は、樹脂成形部20に埋設された埋設部30および樹脂成形部20から外方に突出した接続部31を一体に備えている。シール部4は、埋設部30と樹脂成形部20との間に存在する隙間5を封止している。以下、詳説する。
上記端子台について、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示されるように、本例の端子台1は、樹脂成形部20を有するハウジング2と、バスバー3と、シール部4とを有している。バスバー3は、樹脂成形部20に埋設された埋設部30および樹脂成形部20から外方に突出した接続部31を一体に備えている。シール部4は、埋設部30と樹脂成形部20との間に存在する隙間5を封止している。以下、詳説する。
本例において、樹脂成形部20は、熱可塑性樹脂より形成されている。熱可塑性樹脂は、ガラス繊維にて強化された芳香族系ナイロン樹脂である。樹脂成形部20は、具体的には、板状の基部200と、基部200における第1接続側の面から外方へ突出する複数の第1突出部201と、基部200における第2接続側の面の各第1突出部201に対応する位置から外方へ突出する複数の第2突出部202と、基部200と第1突出部201と第2突出部202とを貫通する複数のバスバー保持孔203とを有している。
本例において、バスバー3は、板状形状を呈している。バスバー3は、具体的には、スズめっきされた銅板より形成されている。バスバー3は、インサート成形により樹脂成形部20に固定されている。具体的には、バスバー3は、樹脂成形部20におけるバスバー保持孔203内を貫通した状態で樹脂成形部20に固定されている。バスバー3のうち、バスバー保持孔203内に配置された部分が、埋設部30とされる。一方、バスバー3のうち、バスバー保持孔203から外部に露出する部分が、接続部31とされる。したがって、バスバー3は、埋設部30の両端にそれぞれ接続部31を有している。接続部31は、ワイヤーハーネス等を締結するための締結孔311および締結ナット312を有している。なお、本例では、バスバー3は、互いに離間した状態で6つ配置されている例が示されている。
本例において、シール部4は、具体的には、埋設部30の表面と樹脂成形部20のバスバー保持孔203の内壁面との間に形成された隙間5の一部に配置されている。シール部4は、より具体的には、埋設部30における基部200に対応する位置に配置されている。また、シール部4は、埋設部30の一部にて外周を取り囲むように設けられている。
本例のシール部4は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む二元以上の共重合体ゴムと、硫黄系加硫剤と、非硫黄系加硫剤とを含む接着剤組成物の架橋体より構成されている。
次に、本例の端子台の作用効果について説明する。端子台1は、上記接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部4を有している。そのため、端子台1は、従来の接着剤組成物を用いた場合よりもシール部4中の塩素及び硫黄の含有量を低減することができる。それ故、シール部4は、熱老化の進行を抑制し、長期間に亘って優れたシール性能を維持することができる。
(実験例)
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
<接着剤組成物の作製>
接着剤組成物の材料として以下のものを準備した。
・エピクロロヒドリンの単独重合体ゴム(日本ゼオン株式会社製、「Hydorin H75」)
・エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム(日本ゼオン株式会社製、「Hydorin H1100」)
・エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴムのアリルグリシジルエーテル変性体(日本ゼオン株式会社製、「Hydorin T3100」)
・ステアリン酸(花王株式会社製、「ルナックS−70V」)
・酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製、「CX150」)
・硫黄系加硫剤(三新化学工業株式会社製、「サンセラー 22−C」)
・非硫黄系加硫剤(化薬アクゾ株式会社製、「Perkadox BC−FF」)
・溶剤
なお、溶剤には、トルエン、キシレン、酢酸エチル及びメチルエチルケトンが含まれている。
接着剤組成物の材料として以下のものを準備した。
・エピクロロヒドリンの単独重合体ゴム(日本ゼオン株式会社製、「Hydorin H75」)
・エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム(日本ゼオン株式会社製、「Hydorin H1100」)
・エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴムのアリルグリシジルエーテル変性体(日本ゼオン株式会社製、「Hydorin T3100」)
・ステアリン酸(花王株式会社製、「ルナックS−70V」)
・酸化マグネシウム(神島化学工業株式会社製、「CX150」)
・硫黄系加硫剤(三新化学工業株式会社製、「サンセラー 22−C」)
・非硫黄系加硫剤(化薬アクゾ株式会社製、「Perkadox BC−FF」)
・溶剤
なお、溶剤には、トルエン、キシレン、酢酸エチル及びメチルエチルケトンが含まれている。
これらの材料を後述する表1〜表3に示す配合割合となるように混合し、接着剤組成物を得た。
<評価>
上記実施例に準じて、表1〜表3に示した接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部を有する端子台を作製し、以下の方法によりシール性能の評価を行った。なお、シール性能の評価には、予め熱老化処理を行った端子台を供した。具体的には、バスバーの長手方向が鉛直方向と平行になるように固定した状態で端子台を加熱することにより熱老化処理を行った。また、本例においては、熱老化処理における加熱条件として、端子台を150℃で1000時間加熱する条件及び180℃で250時間加熱する条件の2種の条件を用いた。
上記実施例に準じて、表1〜表3に示した接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部を有する端子台を作製し、以下の方法によりシール性能の評価を行った。なお、シール性能の評価には、予め熱老化処理を行った端子台を供した。具体的には、バスバーの長手方向が鉛直方向と平行になるように固定した状態で端子台を加熱することにより熱老化処理を行った。また、本例においては、熱老化処理における加熱条件として、端子台を150℃で1000時間加熱する条件及び180℃で250時間加熱する条件の2種の条件を用いた。
・シール部の目視評価
上記の熱老化処理が完了した後、バスバー保持孔からのシール部の漏出の有無を目視にて観察した。
上記の熱老化処理が完了した後、バスバー保持孔からのシール部の漏出の有無を目視にて観察した。
・リークテスト
上記の熱老化処理が完了した後の端子台について、第1接続側におけるバスバー保持孔の開口端から100kPaの圧縮空気を導入した。そして、第2接続側におけるバスバー保持孔の開口端からの圧縮空気の漏出の有無を確認した。
上記の熱老化処理が完了した後の端子台について、第1接続側におけるバスバー保持孔の開口端から100kPaの圧縮空気を導入した。そして、第2接続側におけるバスバー保持孔の開口端からの圧縮空気の漏出の有無を確認した。
表1〜表3に、接着剤組成物の詳細な組成と、各種評価結果をまとめて示す。
表1〜表3より知られるように、試験体E1〜E5、試験体E11〜E15及び試験体E21〜E25は、上記単独重合体ゴム、上記共重合体ゴム、硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤を含む接着剤組成物の架橋体よりなるシール部を有している。そのため、150℃で1000時間加熱する熱老化処理を行った後にシール部の漏出がなく、リークテストにおいても良好な結果を示した。この結果から、上記単独重合体ゴム、上記共重合体ゴム、硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤を含む接着剤組成物の架橋体よりなるシール部を有する端子台は、長期間に亘って優れたシール性能を維持可能であることが理解できる。
また、試験体E2〜E4、試験体E12〜E14及び試験体E22〜E24は、硫黄系加硫剤及び非硫黄系加硫剤の含有量が上記特定の範囲内であったため、180℃で250時間加熱する熱老化処理を行った後にも優れたシール性能を示した。
試験体C1及びC11は、非硫黄系加硫剤を含まない接着剤組成物を用いて作製されている。そのため、シール部中の硫黄の含有量が過多となり、150℃で1000時間加熱する熱老化処理を行った後にシール性能が低下した。
試験体C2、C12及びC21は、硫黄系加硫剤を含まない接着剤組成物を用いて作製されている。そのため、上記接着剤組成物を架橋させるために長時間の加熱が必要となり、量産に用いることは困難である。また、試験体C2及びC12は、長時間の加熱を行い、十分に架橋させた後においてもなお、150℃で1000時間加熱する熱老化処理を行った後にシール性能が低下した。
試験体C3及びC4は、共重合体ゴムを含まない接着剤組成物を用いて作製されている。そのため、シール部中の塩素の含有量が過多となり、150℃で1000時間加熱する熱老化処理を行った後にシール性能が低下した。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 端子台
2 ハウジング
20 樹脂成形部
3 バスバー
30 埋設部
31 接続部
4 シール部
5 隙間
2 ハウジング
20 樹脂成形部
3 バスバー
30 埋設部
31 接続部
4 シール部
5 隙間
Claims (8)
- 樹脂成形部を有するハウジングと、上記樹脂成形部に埋設された埋設部および上記樹脂成形部から外方に突出した接続部を一体に備えたバスバーと、上記埋設部と上記樹脂成形部との間に存在する隙間を封止するシール部とを有する端子台であって、
上記シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位を含む二元以上の共重合体ゴムと、硫黄系加硫剤と、非硫黄系加硫剤とを含む接着剤組成物の架橋体より構成されていることを特徴とする端子台。 - 上記接着剤組成物は、上記単独重合体ゴムと上記共重合体ゴムとの合計100質量部に対して上記非硫黄系加硫剤を1〜4質量部含有していることを特徴とする請求項1に記載の端子台。
- 上記接着剤組成物は、上記単独重合体ゴムと上記共重合体ゴムとの合計100質量部に対して、上記硫黄系加硫剤を1〜5質量部含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の端子台。
- 上記接着剤組成物は、上記単独重合体ゴムと上記共重合体ゴムとの合計100質量部に対して、上記硫黄系加硫剤と上記非硫黄系加硫剤とを合計で6質量部以下含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の端子台。
- 上記非硫黄系加硫剤は有機過酸化物系加硫剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の端子台。
- 上記硫黄系加硫剤はチオ尿素系加硫剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の端子台。
- 上記共重合体ゴムは、エピクロロヒドリン単位を必須に含み、更に、エチレンオキサイド単位及び/またはアリルグリシジルエーテル単位を含む共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の端子台。
- 自動車用ワイヤーハーネスを接続するための端子台であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の端子台。
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