JP2016177885A - 端子台 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であっても、シール性能を確保することが可能な端子台を提供する。【解決手段】端子台1は、樹脂成形部20を有するハウジング2と、樹脂成形部20に埋設された埋設部30および樹脂成形部20から外方に突出した接続部31を一体に備えたバスバー3と、埋設部30と樹脂成形部20との間に存在する隙間5を封止するシール部4とを有している。シール部4は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムとを含む接着剤組成物の架橋体より構成されている。接着剤組成物は、単独重合体ゴム100質量部に対して共重合体ゴムを30〜100質量部含有している。【選択図】図1
Description
本発明は、端子台に関する。
従来、例えば、自動車用のワイヤーハーネス等が接続される端子台が知られている。端子台は、一般に、樹脂成形部を有するハウジングと、金属製のバスバーとを有しており、インサート成形により樹脂成形部にバスバーが固定されている。
樹脂成形部は、通常、金属製のバスバーと接着し難く、また、成形収縮等による寸法変化を起こしやすい。そのため、樹脂成形部とバスバーとの間には、不可避的に隙間が形成される。それ故、オイルシール性等を確保するため、上記隙間部分に接着剤組成物を用いてシール部が設けられる(特許文献1参照)。上記接着剤組成物としては、エピクロロヒドリンゴムの単独重合体ゴムを主成分とする接着剤組成物が用いられることが多い。
しかしながら、従来技術は、以下の点で問題がある。すなわち、端子台は、低温環境下と高温環境下とに繰り返し曝されることがある。このようなヒートサイクルを受ける場合、従来の端子台は、低温環境下ではシール部の柔軟性が低下し、また、高温環境下ではシール部の強度が低下する。その結果、従来の端子台は、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合に、シール性能を確保することが難しいという問題がある。
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であっても、シール性能を確保することが可能な端子台を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、樹脂成形部を有するハウジングと、上記樹脂成形部に埋設された埋設部および上記樹脂成形部から外方に突出した接続部を一体に備えたバスバーと、上記埋設部と上記樹脂成形部との間に存在する隙間を封止するシール部とを有する端子台であって、
上記シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムとを含む接着剤組成物の架橋体より構成されており、
上記接着剤組成物は、上記単独重合体ゴム100質量部に対して上記共重合体ゴムを30〜100質量部含有していることを特徴とする端子台にある。
上記シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムとを含む接着剤組成物の架橋体より構成されており、
上記接着剤組成物は、上記単独重合体ゴム100質量部に対して上記共重合体ゴムを30〜100質量部含有していることを特徴とする端子台にある。
上記端子台は、上記接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部を有している。そのため、上記端子台は、低温環境下に曝された場合に、シール部の伸びが良好であり、シール部の柔軟性が低下し難い。これは、上記共重合体ゴムを用いることにより、シール部における分子運動性が向上するためであると考えられる。また、上記端子台は、高温環境下に曝された場合に、シール部の接着強度が低下し難い。それ故、上記端子台は、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であっても、シール性能を確保することができる。
上記端子台において、シール部は、インサート成形によってバスバーの埋設部とハウジングの樹脂成形部との間に形成される隙間を液密に封止することができれば、上記隙間のいずれの位置に配置されていてもよい。シール部は、例えば、隙間の一部に配置されていてもよいし、隙間の全部に配置されていてもよい。前者の場合には、端子台が高温環境下に曝されてシール部の流動性が増した場合でも、シール部が隙間から外部に直ちに漏出し難く、シール性能を長期間にわたって維持しやすくなる。前者の場合、シール部は、具体的には、例えば、バスバーの埋設部における一部にてバスバーの外周を取り囲むように配置することができる。
上記端子台において、シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムとを含む接着剤組成物の架橋体より構成されている。
上記アルキレンオキサイド単位としては、具体的には、エチレンオキサイド単位、プロピレンオキサイド単位、ブチレンオキサイド単位などを例示することができる。アルキレンオキサイド単位は、好ましくは、エチレンオキサイド単位であるとよい。エピクロロヒドリン単位とエチレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムは、比較的入手しやすく、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であってもシール性能を確保可能な端子台を実現しやすくなるからである。
上記共重合体ゴムは、エピクロロヒドリン単位とエチレンオキサイド単位とからなる二元共重合体ゴムであってもよいし、エピクロロヒドリン単位およびエチレンオキサイド単位以外にも、他の単位を1又は2以上含む三元以上の共重合体ゴムであってもよい。
上記共重合体ゴムとしては、具体的には、例えば、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム、エピクロロヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体ゴムなどを例示することができる。これらは1種または2種以上併用することができる。上記共重合体ゴムとしては、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、および/または、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴムを好適に用いることができる。これらは比較的入手しやすく、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であってもシール性能を確保可能な端子台を実現しやすくなるからである。
上記端子台において、接着剤組成物は、単独重合体ゴム100質量部に対して共重合体ゴムを30〜100質量部含有している。共重合体ゴムの含有量が30質量部を下回る場合には、低温環境下において、シール部の伸びが不十分となり、シール部の柔軟性を向上させることができない。その結果、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合に、シール性能を確保することができなくなる。一方、共重合体ゴムの含有量が100質量部を上回る場合には、単独重合体ゴムの割合が相対的に少なくなり、高温環境下において、シール部の接着強度が低下する。その結果、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合に、シール性能を確保することができなくなる。
上記端子台において、接着剤組成物は、単独重合体ゴム100質量部に対して、共重合体ゴムを、好ましくは32質量部以上、好ましくは35質量部以上、さらに好ましくは40質量部以上含有することができる。この場合には、低温環境下において、シール部の柔軟性を確保しやすくなる。また、接着剤組成物は、単独重合体ゴム100質量部に対して、共重合体ゴムを、好ましくは98質量部以下、好ましくは95質量部以下、さらに好ましくは90質量部以下含有することができる。この場合には、高温環境下において、シール部の接着強度を確保しやすくなる。
上記端子台において、接着剤組成物は、ゴム成分として、上記単独重合体ゴムおよび上記共重合体ゴムを含有している。接着剤組成物は、上記作用効果を損なわない範囲内であれば、例えば、ニトリルゴム、アクリルゴム等の他のゴムを1種または2種以上含有することもできる。接着剤組成物は、他にも、例えば、上記作用効果を損なわない範囲内であれば、例えば、加硫剤(加硫促進剤を含む)、可塑剤、老化防止剤、素練り促進剤などの添加剤を1種または2種以上含有することができる。接着剤組成物は、インサート成形前に、バスバーに途切れなく塗布しやすくなる観点から、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン等の溶剤を用いて液状に調製されていることが好ましい。
上記端子台は、例えば、以下のようにして製造することができる。なお、上記端子台の製造方法は、以下の記載によって限定されない。
バスバーにおけるシール部を形成すべき所定箇所に上記接着剤組成物を塗布する。必要に応じて、塗布後、接着剤組成物を乾燥させることができる。次いで、バスバーに塗布された接着剤組成物を加熱し、接着剤組成物を架橋させる。次いで、インサート成形により、バスバーと樹脂成形部とを一体化する。これにより、バスバーの埋設部と樹脂成形部との間の隙間を塞ぐようにシール部が形成される。以上により、上記端子台が得られる。なお、接着剤組成物は、インサート成形時の熱を利用して架橋することも可能である。
上記端子台は、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であっても、シール性能を確保することができる。そのため、自動車用ワイヤーハーネスを接続するための端子台として好適に用いることができる。この場合、端子台は、具体的には、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等におけるモータケース等に取り付けて用いることができる。
なお、上述した各構成は、上述した各作用効果等を得るなどのために必要に応じて任意に組み合わせることができる。
以下、実施例の端子台について、図面を用いて説明する。
(実施例1)
実施例1の端子台について、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示されるように、本例の端子台1は、樹脂成形部20を有するハウジング2と、バスバー3と、シール部4とを有している。バスバー3は、樹脂成形部20に埋設された埋設部30および樹脂成形部20から外方に突出した接続部31を一体に備えている。シール部4は、埋設部30と樹脂成形部20との間に存在する隙間5を封止している。以下、詳説する。
実施例1の端子台について、図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示されるように、本例の端子台1は、樹脂成形部20を有するハウジング2と、バスバー3と、シール部4とを有している。バスバー3は、樹脂成形部20に埋設された埋設部30および樹脂成形部20から外方に突出した接続部31を一体に備えている。シール部4は、埋設部30と樹脂成形部20との間に存在する隙間5を封止している。以下、詳説する。
本例において、樹脂成形部20は、熱可塑性樹脂より形成されている。熱可塑性樹脂は、ガラス繊維にて強化された芳香族系ナイロン樹脂である。樹脂成形部20は、具体的には、板状の基部200と、基部200における第1接続側の面から外方へ突出する複数の第1突出部201と、基部200における第2接続側の面の各第1突出部201に対応する位置から外方へ突出する複数の第2突出部202と、基部200と第1突出部201と第2突出部202とを貫通する複数のバスバー保持孔203とを有している。
本例において、バスバー3は、板状形状を呈している。バスバー3は、具体的には、スズめっきされた銅板より形成されている。バスバー3は、インサート成形により樹脂成形部20に固定されている。具体的には、バスバー3は、樹脂成形部20におけるバスバー保持孔203内を貫通した状態で樹脂成形部20に固定されている。バスバー3のうち、バスバー保持孔203内に配置された部分が、埋設部30とされる。一方、バスバー3のうち、バスバー保持孔203から外部に露出する部分が、接続部31とされる。したがって、バスバー3は、埋設部30の両端にそれぞれ接続部31を有している。接続部31は、ワイヤーハーネス等を締結するための締結孔311および締結ナット312を有している。なお、本例では、バスバー3は、互いに離間した状態で6つ配置されている例が示されている。
本例において、シール部4は、具体的には、埋設部30の表面と樹脂成形部20のバスバー保持孔203の内壁面との間に形成された隙間5の一部に配置されている。シール部4は、より具体的には、埋設部30における基部200に対応する位置に配置されている。また、シール部4は、埋設部30の一部にて外周を取り囲むように設けられている。
ここで、シール部4は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムとを含む接着剤組成物の架橋体より構成されている。接着剤組成物は、単独重合体ゴム100質量部に対して共重合体ゴムが30〜100質量部配合されている。
本例では、共重合体ゴムは、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、および/または、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴムである。
次に、本例の端子台の作用効果について説明する。
本例の端子台1は、上記接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部4を有している。そのため、本例の端子台1は、低温環境下に曝された場合に、シール部4の伸びが良好であり、シール部4の柔軟性が低下し難い。これは、上記共重合体ゴムを用いることにより、シール部4における分子運動性が向上するためであると考えられる。また、本例の端子台1は、高温環境下に曝された場合に、シール部4の接着強度が低下し難い。それ故、本例の端子台1は、ヒートサイクルを受ける環境下に曝された場合であっても、シール性能を確保することができる。
<実験例>
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
以下、実験例を用いてより具体的に説明する。
(接着剤組成物の作製)
接着剤組成物の材料として以下のものを準備した。
・エピクロロヒドリンの単独重合体ゴム(ダイソー社製、「エピクロマーH」)
・エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム(ダイソー社製、「エピクロマーC」)
・エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム(ダイソー社製、「エピクロマーCG」)
・ステアリン酸(花王社製、「ルナックS−70V」)
・酸化マグネシウム(神島化学工業社製、「CX150」)
・加硫剤(川口化学工業社製、「アクセル(Accel)22−S」)
・トルエン(三共化学工業社製)
接着剤組成物の材料として以下のものを準備した。
・エピクロロヒドリンの単独重合体ゴム(ダイソー社製、「エピクロマーH」)
・エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム(ダイソー社製、「エピクロマーC」)
・エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴム(ダイソー社製、「エピクロマーCG」)
・ステアリン酸(花王社製、「ルナックS−70V」)
・酸化マグネシウム(神島化学工業社製、「CX150」)
・加硫剤(川口化学工業社製、「アクセル(Accel)22−S」)
・トルエン(三共化学工業社製)
後述の表1に示される所定の配合割合となるように各材料を混合することにより、各接着剤組成物を得た。
(接着剤の伸び)
ポリテトラフルオロエチレン加工された成形型を用い、接着剤組成物をシート状に成形した後、150℃で30分加熱することにより、接着剤組成物中のゴム成分を架橋させた。次いで、得られたシート状の接着剤(縦150mm×横×150mm×厚み1mm)に対してヒートサイクル処理を施した。ヒートサイクル処理は、−40℃に1時間保持した後、150℃に1時間保持するというヒートサイクルを500サイクル繰り返すことにより実施した。次いで、JIS K 7161に準拠し、ヒートサイクル処理後の接着剤から3号ダンベル形の試験片を採取し、−40℃下、引張速度20mm/分の条件にて引張り試験を行うことにより、接着剤の伸びを測定した。
ポリテトラフルオロエチレン加工された成形型を用い、接着剤組成物をシート状に成形した後、150℃で30分加熱することにより、接着剤組成物中のゴム成分を架橋させた。次いで、得られたシート状の接着剤(縦150mm×横×150mm×厚み1mm)に対してヒートサイクル処理を施した。ヒートサイクル処理は、−40℃に1時間保持した後、150℃に1時間保持するというヒートサイクルを500サイクル繰り返すことにより実施した。次いで、JIS K 7161に準拠し、ヒートサイクル処理後の接着剤から3号ダンベル形の試験片を採取し、−40℃下、引張速度20mm/分の条件にて引張り試験を行うことにより、接着剤の伸びを測定した。
(引張せん断接着強さ)
スズめっきされた銅板の端部表面に接着剤組成物を塗布した後、自然乾燥させた。次いで、バスバーに塗布された接着剤組成物を150℃で30分間加熱し、接着剤組成物を架橋させた。次いで、インサート成形により、接着剤形成部にその端部が重なるように樹脂板を形成した。なお、樹脂板を形成するための樹脂には、ガラス繊維強化された芳香族系ナイロン樹脂を用いた。また、上記インサート成形の条件は、金型温度150℃、シリンダー温度310℃とした。これにより、JIS K 6850に規定された形状を有する試験片(接着剤層の厚み:0.1mm)を作製した。次いで、得られた試験片に対して上述したヒートサイクル処理を施した。次いで、JIS K 6850に準拠し、ヒートサイクル処理後の試験片を用いて、150℃下、引張速度100mm/分の条件にて引張り試験を行うことにより、接着剤層の引張せん断接着強さを測定した。
スズめっきされた銅板の端部表面に接着剤組成物を塗布した後、自然乾燥させた。次いで、バスバーに塗布された接着剤組成物を150℃で30分間加熱し、接着剤組成物を架橋させた。次いで、インサート成形により、接着剤形成部にその端部が重なるように樹脂板を形成した。なお、樹脂板を形成するための樹脂には、ガラス繊維強化された芳香族系ナイロン樹脂を用いた。また、上記インサート成形の条件は、金型温度150℃、シリンダー温度310℃とした。これにより、JIS K 6850に規定された形状を有する試験片(接着剤層の厚み:0.1mm)を作製した。次いで、得られた試験片に対して上述したヒートサイクル処理を施した。次いで、JIS K 6850に準拠し、ヒートサイクル処理後の試験片を用いて、150℃下、引張速度100mm/分の条件にて引張り試験を行うことにより、接着剤層の引張せん断接着強さを測定した。
(リークテスト)
実施例1に準じて、表1に示される接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部を有する端子台を作製し、シール部のシール性能を評価するためのリークテストを実施した。具体的には、作製した端子台に対して予め上記ヒートサイクル処理を施した。次いで、ヒートサイクル処理後の端子台について、第1接続側におけるバスバー保持孔の開口端から100kPaの圧縮空気を導入した。そして、第2接続側におけるバスバー保持孔の開口端からの圧縮空気の漏出の有無を確認した。
実施例1に準じて、表1に示される接着剤組成物の架橋体より構成されるシール部を有する端子台を作製し、シール部のシール性能を評価するためのリークテストを実施した。具体的には、作製した端子台に対して予め上記ヒートサイクル処理を施した。次いで、ヒートサイクル処理後の端子台について、第1接続側におけるバスバー保持孔の開口端から100kPaの圧縮空気を導入した。そして、第2接続側におけるバスバー保持孔の開口端からの圧縮空気の漏出の有無を確認した。
表1に、接着剤組成物の詳細な組成と、各種評価結果をまとめて示す。
表1によれば、以下のことがわかる。すなわち、試料1Cは、接着剤組成物が、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムを含んでいない。そのため、試料1Cは、−40℃の低温環境下における接着剤の伸びが悪い。それ故、試料1Cは、低温環境下に曝された場合に、シール部の柔軟性が低下し、シール性能を確保することができない。
試料2C、試料5Cは、接着剤組成物における上記共重合体ゴムの配合割合が規定量を下回っている。そのため、試料2C、試料5Cは、−40℃の低温環境下における接着剤の伸びが悪い。それ故、試料2C、試料5Cは、低温環境下に曝された場合に、シール部の柔軟性が低下し、シール性能を確保することができない。
試料3C、試料6Cは、接着剤組成物における上記共重合体ゴムの配合割合が規定量を上回っている。そのため、試料3C、試料6Cは、単独重合体ゴムの割合が相対的に少なくなり、十分な架橋が得られず、150℃の高温環境下におけるせん断接着強さが低い。それ故、試料3C、試料6Cは、高温環境下に曝された場合に、シール部の接着強度が低下し、シール性能を確保することができない。
試料4C、試料7Cは、接着剤組成物が、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムを含んでいない。そのため、試料4C、試料7Cは、十分な架橋が得られず、150℃の高温環境下におけるせん断接着強さが低い。それ故、試料4C、試料7Cは、高温環境下に曝された場合に、シール部の接着強度が低下し、シール性能を確保することができない。
これらに対し、試料1〜試料4は、本発明で規定される成分組成、配合割合を満たす接着剤組成物を用いている。そのため、試料1〜試料4は、−40℃の低温環境下における接着剤の伸びが良好である。それ故、試料1〜試料4は、低温環境下に曝された場合でも、シール部の柔軟性が低下し難く、シール性能を確保することができる。また、試料1〜試料4は、十分な架橋が得られるため、150℃の高温環境下におけるせん断接着強さを確保することできる。それ故、試料1〜試料4は、高温環境下に曝された場合でも、シール部の接着強度が低下し難く、シール性能を確保することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲内で種々の変更が可能である。
1 端子台
2 ハウジング
20 樹脂成形部
3 バスバー
30 埋設部
31 接続部
4 シール部
5 隙間
2 ハウジング
20 樹脂成形部
3 バスバー
30 埋設部
31 接続部
4 シール部
5 隙間
Claims (4)
- 樹脂成形部を有するハウジングと、上記樹脂成形部に埋設された埋設部および上記樹脂成形部から外方に突出した接続部を一体に備えたバスバーと、上記埋設部と上記樹脂成形部との間に存在する隙間を封止するシール部とを有する端子台であって、
上記シール部は、エピクロロヒドリンの単独重合体ゴムと、エピクロロヒドリン単位とアルキレンオキサイド単位とを有する二元以上の共重合体ゴムとを含む接着剤組成物の架橋体より構成されており、
上記接着剤組成物は、上記単独重合体ゴム100質量部に対して上記共重合体ゴムを30〜100質量部含有していることを特徴とする端子台。 - 上記アルキレンオキサイド単位は、エチレンオキサイド単位であることを特徴とする請求項1に記載の端子台。
- 上記共重合体ゴムは、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体ゴム、および/または、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1または2に記載の端子台。
- 自動車用ワイヤーハーネスを接続するための端子台であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の端子台。
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