JP2016175721A - 印刷装置、ウェブ搬送用の回転軸の駆動方法 - Google Patents
印刷装置、ウェブ搬送用の回転軸の駆動方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】回転軸の回転を速やかに開始することを可能とする。
【解決手段】第1方向に回転することでウェブを巻き取る回転軸と、回転軸にトルクを与えるモーターと、ウェブに所定テンションを付与するトルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御によりウェブのテンションを制御するテンション制御部と、回転軸の回転数に応じた大きさのトルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御により回転軸の回転を制御する回転制御部とを備え、回転制御部は、回転軸の回転の停止中は、回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向への所定トルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行する。
【選択図】図4
【解決手段】第1方向に回転することでウェブを巻き取る回転軸と、回転軸にトルクを与えるモーターと、ウェブに所定テンションを付与するトルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御によりウェブのテンションを制御するテンション制御部と、回転軸の回転数に応じた大きさのトルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御により回転軸の回転を制御する回転制御部とを備え、回転制御部は、回転軸の回転の停止中は、回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向への所定トルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行する。
【選択図】図4
Description
この発明は、回転軸にウェブを巻き取る技術に関する。
特許文献1には、繰出軸と巻取軸のそれぞれにロール状に巻かれたウェブを支持して、繰出軸から巻取軸へロール・トゥ・ロールでウェブを搬送する印刷装置が記載されている。この印刷装置は、巻取軸に接続されたモーターを備えており、モーターが出力するトルクによって巻取軸を回転させて、ウェブを巻取軸に巻き取る。
このような印刷装置においてウェブを適切に搬送するためには、ウェブを巻き取る回転軸の回転を必要に応じて速やかに開始できることが好ましい。なぜなら、ウェブの搬送開始に伴って回転軸に送られてきたウェブを回転軸に速やかに巻き取らなければ、ウェブに弛みが生じて、適切なウェブの搬送を行えないおそれがあるからである。しかしながら、回転軸の回転を開始させようとモーターからトルクを出力しても、停止中の回転軸に働く静止摩擦力のために回転軸の回転が速やかに開始しない場合があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明にかかる印刷装置は、第1方向に回転することでウェブを巻き取る回転軸と、回転軸にトルクを与えるモーターと、ウェブに所定テンションを付与するトルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御によりウェブのテンションを制御するテンション制御部と、回転軸の回転数に応じた大きさのトルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御により回転軸の回転を制御する回転制御部とを備え、回転制御部は、回転軸の回転の停止中は、回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向への所定トルクをモーターから回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行する。
本発明にかかるウェブ搬送用の回転軸の駆動方法は、第1方向に回転することでウェブを巻き取る回転軸の回転を停止させつつ、ウェブに所定テンションを付与するトルクと、回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向へのトルクとを回転軸に与える工程と、ウェブに所定テンションを付与するトルクと、回転軸の回転数に応じた大きさの第1方向へのトルクとを回転軸に与えて、回転軸の回転を開始する工程とを備える。
このように構成された本発明(印刷装置、ウェブ搬送用の回転軸の駆動方法)では、回転軸の回転の停止中は、回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向への所定トルクがモーターから回転軸に与えられる。したがって、当該所定トルクが静止摩擦力に抗して回転軸に作用するため、第1方向への回転軸の回転を速やかに開始することができる。
また、回転制御部は、第1方向への回転軸の回転数がゼロから増加するのに応じて、モーターに出力させる第1方向へのトルクを所定トルクから増加させるように、印刷装置を構成しても良い。これによって、第1方向への高速搬送を、相応のトルクを回転軸に与えて実行できる。
また、第1方向とは逆の第2方向にウェブを搬送可能な搬送部を備え、回転軸は、搬送部が第1方向にウェブを搬送する際は第1方向に回転してウェブを第1方向に巻き取り、搬送部が第2方向にウェブを搬送する際は第2方向に回転してウェブを第2方向に繰り出すように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、第1方向に回転軸を回転させてウェブを巻き取る動作と、第2方向に回転軸を回転させてウェブを繰り出す動作とを選択的に実行できる。したがって、例えばウェブの交換や、中断していたウェブ印刷の再開等の際に、ウェブの搬送位置を調整するといったことが実行できる。
また、回転制御部は、第2方向への回転軸の回転数がゼロから所定回転数に増加するのに応じて、モーターに出力させる第1方向へのトルクを所定トルクからゼロまで減少させるように、印刷装置を構成しても良い。つまり、搬送部が第2方向へウェブを搬送する際は、回転軸は第2方向へ回転してウェブを繰り出すこととなる。このようにウェブを繰り出す際には、ウェブの巻ほぐれが生じないように回転軸を制御することが好ましい。そこで、第2方向への回転軸の回転を開始した際には、第2方向とは逆向きの第1方向へのトルクをモーターから回転軸に出力することで、ウェブの巻きほぐれの発生を抑止すると良い。
また、回転制御部は、第2方向への回転軸の回転数が所定回転数から増加するのに応じて、モーターに出力させる第2方向へのトルクをゼロから増加させるように、印刷装置を構成しても良い。これによって、第2方向への高速搬送を、相応のトルクを回転軸に与えて実行できる。
なお、搬送されるウェブに対して印刷部が印刷を実行する(ウェブSに対して各記録ヘッド51がインクを吐出する)ように印刷を構成することができる。具体的には、繰出軸から繰り出されたウェブを巻取軸で巻き取ることでウェブを搬送しつつ、印刷を実行すれば良い。この際、本発明は、巻取軸あるいは繰出軸のいずれにも適用可能である。つまり、巻取軸に適用した場合は、回転制御部は、印刷部が印刷を実行する間は、第1方向に回転軸を回転させてウェブを搬送する。
また、第1方向に回転することでウェブを巻き取る第1回転軸と、第1方向に回転することでウェブを繰り出す第2回転軸と、第2回転軸にトルクを与えるモーターと、ウェブに所定テンションを付与するトルクをモーターから第2回転軸に与えるフィードフォワード制御によりウェブのテンションを制御するテンション制御部と、第2回転軸の回転数に応じた大きさのトルクをモーターから第2回転軸に与えるフィードフォワード制御により第2回転軸の回転を制御する回転制御部と、ウェブに印刷を行う印刷部とを備え、回転制御部は、第2回転軸の回転の停止中は、第2回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向とは逆の第2方向への所定トルクをモーターから第2回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行し、回転制御部は、印刷部が印刷を実行する間は、第1方向に第2回転軸を回転させてウェブを搬送するように、印刷装置を構成しても良い。
かかる印刷装置では、印刷部が印刷を実行する間は、第1回転軸が第1方向に回転してウェブを巻き取りつつ、第2回転軸が第1方向に回転してウェブを繰り出す。ちなみに、印刷部が印刷を実行しない間は、第1方向とは逆の第2方向にウェブを搬送するといった動作も実行し得る。この場合、ウェブの巻き取りを行う第2回転軸の第2方向への回転が速やかに開始することが好ましい。これに対して、第2回転軸の回転の停止中は、第2回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい第1方向とは逆の第2方向への所定トルクをモーターから第2回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行する。したがって、当該所定トルクが静止摩擦力に抗して回転軸に作用するため、第2方向への第2回転軸の回転を速やかに開始することができる。
また、ウェブのテンションを検出する検出部を備え、テンション制御部は、検出部が検出したテンションに基づきモーターが出力するトルクを調整することで、ウェブのテンションに対してフィードバック制御を実行するように、印刷装置を構成しても良い。これによって、適切なテンションをウェブに与えることができる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
図1は、本発明を適用したプリンターの装置構成の一例を模式的示す正面図である。図1に示すように、プリンター1では、その両端が繰出軸20および巻取軸40にロール状に巻き付けられた1枚のウェブSが搬送経路に沿って張架されており、ウェブSは、繰出軸20から巻取軸40へ向かう搬送方向Dsへ搬送されつつ、印刷を受ける。ウェブSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。概略的には、プリンター1は、繰出軸20からウェブSを繰り出す繰出部2(繰出領域)と、繰出部2から繰り出されたウェブSに画像を記録するプロセス部3(プロセス領域)と、プロセス部3で画像の記録されたウェブSを巻取軸40に巻き取る巻取部4(巻取領域)を備える。なお、以下の説明では、ウェブSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、ウェブSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたウェブSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、ウェブSの表面を外側に向けた状態で、ウェブSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたウェブSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、ウェブSは、繰出軸20に着脱可能な芯管22を介して繰出軸20に巻き付けられている。したがって、繰出軸20のウェブSが使い切られた際には、ロール状のウェブSが巻き付けられた新たな芯管22を繰出軸20に装着して、繰出軸20のウェブSを取り換えることが可能となっている。さらに、繰出部2には、繰出軸20にロール状に巻かれたウェブSのロール半径を検出するロール半径センサーS20が設けられている。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたウェブSを回転ドラム30で支持しつつ、回転ドラム30の外周面に沿って配置された各機能部51、52、61、62、63により処理を適宜行って、ウェブSに画像を記録するものである。このプロセス部3では、回転ドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送方向Dsに向けて搬送されるウェブSが回転ドラム30に支持されて、印刷を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたウェブSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたウェブSを搬送方向Dsの下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でウェブSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でウェブSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とウェブSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるウェブSの搬送を確実に行なうことができる。
回転ドラム30は図示を省略する支持機構により搬送方向Dsおよびその逆方向の両方向に回転可能に支持された、例えば400[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるウェブSを裏面側から巻き掛ける。この回転ドラム30は、ウェブSとの間の摩擦力を受けてウェブSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、ウェブSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、回転ドラム30への巻き掛け部の両側でウェブSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31と回転ドラム30の間でウェブSの表面を巻き掛けて、ウェブSを折り返す。一方、従動ローラー34は、回転ドラム30と後駆動ローラー32の間でウェブSの表面を巻き掛けて、ウェブSを折り返す。このように、回転ドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側それぞれでウェブSを折り返すことで、回転ドラム30へのウェブSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、回転ドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたウェブSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、ウェブSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でウェブSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にウェブSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とウェブSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるウェブSの搬送を確実に行なうことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるウェブSは、回転ドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、回転ドラム30に支持されるウェブSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数の記録ヘッド51が設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックに対応する4個の記録ヘッド51が、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。各記録ヘッド51は、回転ドラム30に巻き掛けられたウェブSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、対応する色のインク(有色インク)をノズルからインクジェット方式で吐出する。そして、搬送方向Dsへ搬送されるウェブSに対して各記録ヘッド51がインクを吐出することで、ウェブSの表面にカラー画像が形成される。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセス部3では、インクを硬化させてウェブSに定着させるために、UV照射器61、62(光照射部)が設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数の記録ヘッド51の各間には、仮硬化用のUV照射器61が配置されている。つまり、UV照射器61は弱い照射強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がり方が紫外線を照射しない場合に比べて十分に遅くなる程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを本硬化させるものではない。一方、複数の記録ヘッド51に対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUV照射器62が設けられている。つまり、UV照射器62は、UV照射器61より強い照射強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がりが停止する程度に硬化(本硬化)させるものである。
このように、複数の記録ヘッド51の各間に配置されたUV照射器61が、搬送方向Dsの上流側の記録ヘッド51からウェブSに吐出された有色インクを仮硬化させる。したがって、一の記録ヘッド51がウェブSに吐出したインクは、搬送方向Dsの下流側で一の記録ヘッド51に隣り合う記録ヘッド51に到るまでに仮硬化される。これによって、異なる色の有色インクが混ざり合うといった混色の発生が抑制される。こうして混色が抑制された状態で、複数の記録ヘッド51は互いに異なる色の有色インクを吐出して、ウェブSにカラー画像を形成する。さらに、複数の記録ヘッド51より搬送方向Dsの下流側では、本硬化用のUV照射器62が設けられている。そのため、複数の記録ヘッド51により形成されたカラー画像は、UV照射器62により本硬化されてウェブSに定着する。
さらに、UV照射器62に対して搬送方向Dsの下流側には、記録ヘッド52が設けられている。この記録ヘッド52は、回転ドラム30に巻き掛けられたウェブSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをノズルからインクジェット方式でウェブSの表面に吐出する。つまり、4色分の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。この透明インクは、カラー画像の全面に吐出されて、光沢感あるいはマット感といった質感をカラー画像に与える。また、記録ヘッド52に対して搬送方向Dsの下流側には、UV照射器63が設けられている。このUV照射器63は強い紫外線を照射することで、記録ヘッド52が吐出した透明インクを本硬化させるものである。これによって、透明インクをウェブS表面に定着させることができる。
このように、プロセス部3では、回転ドラム30の外周部に巻き掛けられるウェブSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたウェブSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、ウェブSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でウェブSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、ウェブSの表面を外側に向けた状態で、ウェブSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図1の時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたウェブSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、ウェブSは、巻取軸40に着脱可能な芯管42を介して巻取軸40に巻き取られる。したがって、巻取軸40に巻き取られたウェブSが満杯になった際には、芯管42ごとウェブSを取り外すことが可能となっている。さらに、巻取部4には、巻取軸40にロール状に巻かれたウェブSのロール半径を検出するロール半径センサーS40が設けられている。
以上がプリンター1の装置構成の概要である。続いて、プリンター1を制御する電気的構成について説明を行なう。図2は、図1に示すプリンターを制御する電気的構成を模式的に示すブロック図である。プリンター1では、プリンター1の各部を制御するプリンター制御部100が設けられている。そして、記録ヘッド、UV照射器およびウェブ搬送系の装置各部はプリンター制御部100によって制御される。これら装置各部に対するプリンター制御部100の制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部100は、カラー画像を形成する各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを、ウェブSの搬送に応じて制御する。具体的には、このインク吐出タイミングの制御は、回転ドラム30の回転軸に取り付けられて、回転ドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力(検出値)に基づいて実行される。つまり、回転ドラム30はウェブSの搬送に伴って従動回転するため、回転ドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力を参照すれば、ウェブSの搬送位置を把握することができる。そこで、プリンター制御部100は、ドラムエンコーダーE30の出力からpts(print timing signal)信号を生成し、このpts信号に基づいて各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを制御することで、各記録ヘッド51が吐出したインクを搬送されるウェブSの目標位置に着弾させて、カラー画像を形成する。
また、記録ヘッド52が透明インクを吐出するタイミングも、同様にドラムエンコーダーE30の出力に基づいてプリンター制御部100により制御される。これによって、複数の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクを的確に吐出することができる。さらに、UV照射器61、62、63の点灯・消灯のタイミングや照射光量もプリンター制御部100によって制御される。
また、プリンター制御部100は、図1を用いて詳述したウェブSの搬送を制御する機能を司る。つまり、ウェブ搬送系を構成する部材のうち、繰出軸20、前駆動ローラー31、後駆動ローラー32および巻取軸40それぞれにはモーターが接続されている。そして、プリンター制御部100はこれらのモーターを回転させつつ、各モーターの速度やトルクを制御して、ウェブSの搬送を制御する。このウェブSの搬送制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部100は、繰出軸20をダイレクトドライブ方式で駆動する繰出モーターM20を回転させて、繰出軸20から前駆動ローラー31にウェブSを供給する。この際、プリンター制御部100は、繰出モーターM20のトルクを制御して、繰出軸20から前駆動ローラー31までのウェブSのテンション(繰出テンションTa)を調整する。つまり、繰出軸20と前駆動ローラー31の間に配置された従動ローラー21には、繰出テンションTaの大きさを検出するテンションセンサーS21が取り付けられている。このテンションセンサーS21は、例えばウェブSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS21の検出結果(検出値)に基づいて、繰出モーターM20のトルクをフィードバック制御して、ウェブSの繰出テンションTaを調整する。
また、プリンター制御部100は、前駆動ローラー31を駆動する前駆動モーターM31と、後駆動ローラー32を駆動する後駆動モーターM32とを回転させる。これによって、繰出部2から繰り出されたウェブSがプロセス部3を通過する。この際、前駆動モーターM31に対しては速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してはトルク制御が実行される。つまり、プリンター制御部100は、前駆動モーターM31のエンコーダーE31の出力に基づいて、前駆動モーターM31の回転速度をフィードバック制御する。これによって、ウェブSは、前駆動ローラー31によって略目標速度で搬送される。
一方、プリンター制御部100は、後駆動モーターM32のトルクを制御して、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32までのウェブSのテンション(プロセステンションTb)を調整する。つまり、回転ドラム30と後駆動ローラー32の間に配置された従動ローラー34には、プロセステンションTbの大きさを検出するテンションセンサーS34が取り付けられている。このテンションセンサーS34は、例えばウェブSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS34の検出結果(検出値)に基づいて、後駆動モーターM32のトルクをフィードバック制御して、ウェブSのプロセステンションTbを調整する。
また、プリンター制御部100は、巻取軸40をダイレクトドライブ方式で駆動する巻取モーターM40を回転させて、後駆動ローラー32が搬送するウェブSを巻取軸40に巻き取る。この際、プリンター制御部100は、巻取モーターM40のトルクを制御して、後駆動ローラー32から巻取軸40までのウェブSのテンション(巻取テンションTc)を調整する。つまり、後駆動ローラー32と巻取軸40の間に配置された従動ローラー41には、巻取テンションTcの大きさを検出するテンションセンサーS41が取り付けられている。このテンションセンサーS41は、例えばウェブSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS41の検出結果(検出値)に基づいて、巻取モーターM40のトルクをフィードバック制御して、ウェブSの巻取テンションTcを調整する。ちなみに、プリンター制御部100は、巻取軸40に支持されるウェブSのロール半径の増大に応じて巻取テンションTcを減少させるテーパーテンションを実行するために、ロール半径センサーS40の検出値に応じて巻取テンションTcの目標値を変更しつつ、巻取テンションTcを制御する。
図3は、巻取テンションの制御を例示するブロック図である。同図において、プリンター制御部100に内蔵される構成は、破線内に示されている。プリンター制御部100は、FB制御量に基づきフィードバック制御を行うFB(Feed Back)系と、FF制御量に基づきフィードフォワード制御を行うFF(Feed Forward)系とを有する。FB系は、テンションセンサーS41の検出値から求めたFB制御量に基づいて巻取モーターM40の出力トルクをフィードバック制御する。FF系は、ロール半径、ウェブSの搬送速度(の推定値)およびウェブ搬送系のイナーシャから求めたFF制御量に基づいて巻取モーターM40の出力トルクをフィードフォワード制御する。
まずは、FB系について説明する。プリンター制御部100は、上述のテーパーテンションを実行するために、フィードバック制御を行う際の巻取テンションTcの目標値、すなわち目標テンションTctを、ロール半径センサーS40の検出値Rcの増大に応じて減少させる。具体的には、プリンター制御部100は、ロール半径Rcに対する巻取テンションTcの変化率を示すテーパー率401と、巻取テンションTcの基準値である基準巻取テンション402とを内蔵メモリーに記憶する。そして、ロール半径センサーS40の検出値Rcに応じたテーパー率401を基準巻取テンション402に乗ずることで、目標テンションTctを算出する。
さらに、プリンター制御部100では、テンションセンサーS41により検出した巻取テンションTcの値を目標テンションTctから減算して偏差Δ(=Tct−Tc)が求められ、PID制御器420が偏差Δに基づいて巻取モーターM40の出力トルクをPID制御する。こうしてPID制御により求められたFB制御量(操作量)に応じたトルクが巻取モーターM40から巻取軸40に与えられて、巻取テンションTcを目標テンションTctに収束させる。
続いて、FF系について説明する。FF系では、ロール半径、ウェブSの搬送速度(の推定値)およびウェブ搬送系のイナーシャのそれぞれに基づく各項(3項)を加算することで、FF制御量(操作量)が求められる。1項目としては、ウェブSに目標テンションTctを与えるためのテンション付与トルクが求められる。具体的には、巻取軸40に支持されるウェブSのロール半径Rcと目標テンションTctとを乗じたトルク(Rc×Tct)がテンション付与トルクとして求められる。
2項目としては、ウェブSの搬送速度から求められる巻取軸40の回転数(回転速度)に基づいて、巻取軸40を所望の回転数で回転させるために必要な回転トルクが求められる。具体的には、搬送速度推定回路441により、ウェブSの搬送速度Vsが推定される。この際、ウェブSの搬送速度は、例えばドラムエンコーダーE30の検出値から求めても良いし、予め取得したウェブSの加減速パターンを参照しつつウェブSの搬送開始からの経過時間から求めても良い。並行して、ロール半径Rcに2πを乗じた値(2π×Rc)が求められる(図中「442」)。そして、搬送速度Vsを2π×Rcで除して巻取軸40の回転数(Vs/(2π×Rc))が求められ、後述する図4の関係を用いて、回転トルク算出回路443が回転数に応じた回転トルクを求める。
3項目としては、プリンター制御部100の内蔵メモリーに記憶されるイナーシャ444(巻取軸40を回転させる際のイナーシャ)に、微分回路445が回転数を微分した値を乗じたトルクが求められる。そして、各項のトルクを加算したFF制御量(操作量)が示すトルクを巻取モーターM40から巻取軸40に与えるフィードフォワード制御が実行される。
図4は、回転トルク算出回路が回転トルクを算出する際に用いる関係の一例を示す図である。同図のグラフでは、巻取軸40の回転数を横軸とし、巻取軸40に与えるトルク(回転トルク)を縦軸とするグラフにおいて回転数とトルクとの関係が示されている。
ちなみに、プリンター1では、搬送方向Dsおよび搬送方向Dsの逆方向の双方向へウェブSを搬送することができる。そして、巻取軸40は、搬送方向DsにウェブSを搬送する際は搬送方向Dsに回転してウェブSを巻き取り、搬送方向Dsの逆方向にウェブSを搬送する際は当該逆方向に回転してウェブSを繰り出す。かかる構成では、搬送方向Dsに巻取軸40を回転させてウェブSを巻き取る動作と、搬送方向Dsの逆方向に回転軸を回転させてウェブSを繰り出す動作とを選択的に実行できる。したがって、例えばウェブSの交換や、中断していたウェブSへの印刷の再開等の際に、ウェブSの搬送位置を調整するといったことが実行できる。
そこで、図4のグラフでは、巻取軸40の回転数を示す横軸は、搬送方向Dsへの巻取軸40の回転方向(すなわち、搬送方向Dsへ搬送されるウェブSを巻き取る巻取軸40の回転方向)を正方向(すなわち、矢印方向)とし、搬送方向Dsの逆方向への巻取軸40の回転方向(すなわち、搬送方向Dsの逆方向へ搬送されるウェブSを繰り出す巻取軸40の回転方向)を負方向とする。また、巻取軸40に与えるトルクを示す縦軸は、搬送方向Dsを正方向(すなわち、矢印方向)とし、搬送方向Dsの逆方向を負方向とする。
なお、図4を用いた説明において、巻取軸40の回転数の増減は、巻取軸40の実際の回転方向を基準とする。つまり、巻取軸40が搬送方向Dsへ回転する間は、回転数の増減とは搬送方向Dsへの回転数の増減を示し、巻取軸40が搬送方向Dsの逆方向へ回転する間は、回転数の増減とは搬送方向Dsの逆方向への回転数の増減を示すものとする。また、巻取軸40に与えるトルクの増減は、トルクの実際の印加方向を基準とする。つまり、搬送方向Dsへトルクを与える間は、トルクの増減とは搬送方向Dsへのトルクの増減を示し、搬送方向Dsの逆方向へトルクを与える間は、トルクの増減とは搬送方向Dsの逆方向へのトルクの増減を示す。要するに、回転数およびトルクの増減は、それぞれの絶対値の増減で表す。
同図では、実線と破線とが併記されている。これらのうち、実線は、回転トルク算出回路443が巻取モーターM40から巻取軸40に与えるトルクと回転数との関係を示す。一方、破線は、横軸に示す回転数で巻取軸40を等速で回転させるために必要となる回転トルクと回転数との関係を示す。回転数がNa〜Nbの範囲では、実線および破線のそれぞれが示すトルクと回転数の関係は異なる一方、それ以外の範囲では、実線および破線のそれぞれが示すトルクと回転数の関係は一致する。
同図の実線に示すように、巻取軸40の回転数がゼロ、すなわち巻取軸40の回転が停止している際には、回転トルク算出回路443は、搬送方向Dsへ向かうゼロより大きいオフセットトルクQo(>0)を巻取モーターM40から巻取軸40に与える。このオフセットトルクQoは、巻取軸40を搬送方向Dsに回転させない範囲の大きさに設定されており、予め実験的に求められてプリンター制御部100の内蔵メモリーに記憶されている。
ちなみに、巻取軸40の回転の停止時には、テンション制御系によるテンション付与トルクが巻取モーターM40から巻取軸40に与えられる。すなわち、巻取軸40には、テンション付与トルクとオフセットトルクQoとが重畳して与えられることとなる。そこで、オフセットトルクQoは、次式、
0<Qo<Qs−Qtx
を満たすように設定される。
0<Qo<Qs−Qtx
を満たすように設定される。
ここで、トルクQsは、静止する巻取軸40に与えるトルクを搬送方向Dsに増加させていった場合において、巻取軸40が静止摩擦力に抗して搬送方向Dsへ回転し始める直前のトルクであり、実験により求めることができる。また、トルクQtxは、プリンター制御部100のテンション制御系が巻取モーターM40から巻取軸40に与えるテンション付与トルクの最大値、換言すれば、ウェブSの端を巻取軸40に巻き取り始める際に巻取モーターM40から巻取軸40に与える搬送方向Dsへのテンション付与トルクである。具体的には、(Qs−Qtx)の90%、80%、70%、60%あるいは50%以上にオフセットトルクQoを設定することができる。
搬送方向Dsへの巻取軸40の回転数がゼロから増加するのに応じて、回転トルク算出回路443は巻取モーターM40から巻取軸40に与える搬送方向DsへのトルクをオフセットトルクQoから増加させる。これによって、巻取軸40の回転数がゼロからNb(>0)までの範囲では、回転トルク算出回路443は、回転トルク(図4の破線)よりも大きいトルクを、巻取モーターM40から巻取軸40に与える。一方、巻取軸40の回転数がNb以上の範囲では、回転トルク算出回路443は、回転トルクに等しいトルクを、巻取モーターM40から巻取軸40に与える。
このような構成では、搬送方向Dsへの巻取軸40の回転数がゼロからNbにまで上昇するまでの期間は、実線と破線との差に相当するトルクがウェブSにテンションを与えることとなり、回転トルク算出回路443は、巻取軸40を回転させる機能のみならず、ウェブSにテンションを与える機能も果たす。そのため、巻取軸40の回転開始の際にウェブSのテンションが緩むのを抑止するにあたって有利となる。また、搬送方向Dsへの巻取軸40の回転数がNb以上となれば、回転トルク算出回路443は、巻取軸40を回転させるのに必要な回転トルクのみを、巻取モーターM40から巻取軸40に与える。そして、印刷時にウェブSを定速搬送する際の印刷時回転数Np(>Nb)まで巻取軸40の回転数が増加するのに応じて、回転トルク算出回路443は、巻取モーターM40から巻取軸40に与えるトルクを増加させる。
一方、搬送方向Dsとは逆方向へ巻取軸40の回転数がゼロからNcに増加するのに応じて、回転トルク算出回路443は、巻取モーターM40に出力させる搬送方向DsへのトルクをオフセットトルクQoからゼロにまで減少させる。続いて、搬送方向Dsとは逆方向へ巻取軸40の回転数がNcから増加するのに応じて、回転トルク算出回路443は、巻取モーターM40に出力させる搬送方向Dsとは逆方向へのトルクをゼロから増加させる。
以上に説明したように本実施形態では、巻取軸40の回転の停止中は、巻取軸40を回転させない範囲でゼロより大きい搬送方向DsへのオフセットトルクQo(所定トルク)が巻取モーターM40から巻取軸40に与えられる。したがって、当該オフセットトルクQoが静止摩擦力に抗して巻取軸40に作用するため、搬送方向Dsへの巻取軸40の回転を速やかに開始することができる。
また、回転トルク算出回路443は、搬送方向Dsへの巻取軸40の回転数がゼロから増加するのに応じて、巻取モーターM40に出力させる搬送方向DsへのトルクをオフセットトルクQoから増加させる。これによって、搬送方向Dsへの高速搬送を、相応のトルクを巻取軸40に与えて実行できる。
また、回転トルク算出回路443は、搬送方向Dsの逆方向への巻取軸40の回転数がゼロからNc(所定回転数)に増加するのに応じて、巻取モーターM40に出力させる搬送方向DsへのトルクをオフセットトルクQoからゼロまで減少させる。つまり、搬送方向Dsの逆方向へウェブSを搬送する際は、巻取軸40は当該逆方向へ回転してウェブSを繰り出すこととなる。このようにウェブSを繰り出す際には、ウェブSの巻ほぐれが生じないように巻取軸40を制御することが好ましい。そこで、搬送方向Dsの逆方向への巻取軸40の回転を開始した際には、搬送方向Dsへのトルクを巻取モーターM40から巻取軸40に出力することで、ウェブSの巻きほぐれの発生を抑止すると良い。
また、回転トルク算出回路443は、搬送方向Dsの逆方向への巻取軸40の回転数がNcから増加するのに応じて、巻取モーターM40に出力させる当該逆方向へのトルクをゼロから増加させる。これによって、搬送方向Dsの逆方向への高速搬送を、相応のトルクを巻取軸40に与えて実行できる。
また、ウェブSの巻取テンションTcを検出するテンションセンサーS41を備え、プリンター制御部100のテンション制御系は、テンションセンサーS41の検出値に基づき巻取モーターM40が出力するトルクを調整する。このようなフィードバック制御を実行することで、適切な巻取テンションTcをウェブSウェブに与えることが可能となっている。
以上のように、上記実施形態では、プリンター1が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、巻取軸40が本発明の「回転軸」または「第1回転軸」の一例に相当し、繰出軸40が本発明の「第2回転軸」の一例に相当し、巻取モーターM40が本発明の「モーター」の一例に相当し、プリンター制御部100が本発明の「テンション制御部」あるいは「回転制御部」の一例に相当し、前駆動ローラー31および後駆動ローラー32が協働して本発明の「搬送部」の一例として機能し、記録ヘッド51、52が本発明の「印刷部」の一例に相当し、オフセットトルクQoが本発明の「所定トルク」の一例に相当し、回転数Ncが本発明の「所定回転数」の一例に相当し、搬送方向Dsが本発明の「第1方向」の一例に相当し、搬送方向Dsの逆方向が本発明の「第2方向」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では巻取軸40の回転制御に本発明を適用した場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られない。そこで、繰出軸20の回転制御に本発明を適用しても良い。この場合、図3に示したのと同様のFF制御を、繰出軸20を駆動する繰出モーターM20に対して実行すれば良い。この際、テーパーテンション制御は省略しても構わない。さらに、図4に示した回転数とトルクとの関係を、トルクの座標軸を中心に反転させて得られる関係を、繰出軸20へ与えるトルクの制御に適用すれば良い。
かかる構成では、繰出軸20の回転の停止中は、繰出軸20を回転させない範囲でゼロより大きい搬送方向Dsの逆方向へのオフセットトルクQo(所定トルク)が繰出モーターM20から繰出軸20に与えられる。したがって、当該オフセットトルクQoが静止摩擦力に抗して繰出軸20に作用するため、搬送方向Dsの逆方向への繰出軸20の回転を速やかに開始することができる。
また、搬送されるウェブSを支持する部材についても、上記回転ドラム30のような円筒形状のものに限られない。したがって、ウェブSを平面で支持するフラット型のプラテンを用いることも可能である。
1…プリンター、40…巻取軸、M40…巻取モーター、100…プリンター制御部、31…前駆動ローラー、32…後駆動ローラー、51、52…記録ヘッド、Qo…オフセットトルク、Nc…回転数(所定回転数)、Ds…搬送方向
Claims (9)
- 第1方向に回転することでウェブを巻き取る回転軸と、
前記回転軸にトルクを与えるモーターと、
前記ウェブに所定テンションを付与するトルクを前記モーターから前記回転軸に与えるフィードフォワード制御により前記ウェブのテンションを制御するテンション制御部と、
前記回転軸の回転数に応じた大きさのトルクを前記モーターから前記回転軸に与えるフィードフォワード制御により前記回転軸の回転を制御する回転制御部と
を備え、
前記回転制御部は、前記回転軸の回転の停止中は、前記回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい前記第1方向への所定トルクを前記モーターから前記回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行する印刷装置。 - 前記回転制御部は、前記第1方向への前記回転軸の回転数がゼロから増加するのに応じて、前記モーターに出力させる前記第1方向へのトルクを前記所定トルクから増加させる請求項1に記載の印刷装置。
- 前記第1方向とは逆の第2方向にウェブを搬送可能な搬送部を備え、
前記回転軸は、前記搬送部が前記第1方向にウェブを搬送する際は前記第1方向に回転してウェブを前記第1方向に巻き取り、前記搬送部が前記第2方向にウェブを搬送する際は前記第2方向に回転してウェブを前記第2方向に繰り出す請求項1または2に記載の印刷装置。 - 前記回転制御部は、前記第2方向への前記回転軸の回転数がゼロから所定回転数に増加するのに応じて、前記モーターに出力させる前記第1方向へのトルクを前記所定トルクからゼロまで減少させる請求項3に記載の印刷装置。
- 前記回転制御部は、前記第2方向への前記回転軸の回転数が前記所定回転数から増加するのに応じて、前記モーターに出力させる前記第2方向へのトルクをゼロから増加させる請求項4に記載の印刷装置。
- ウェブに印刷を行う印刷部を備え、
前記回転制御部は、前記印刷部が印刷を実行する間は、前記第1方向に前記回転軸を回転させてウェブを搬送する請求項3ないし5のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 第1方向に回転することでウェブを巻き取る第1回転軸と、
前記第1方向に回転することでウェブを繰り出す第2回転軸と、
前記第2回転軸にトルクを与えるモーターと、
前記ウェブに所定テンションを付与するトルクを前記モーターから前記第2回転軸に与えるフィードフォワード制御により前記ウェブのテンションを制御するテンション制御部と、
前記第2回転軸の回転数に応じた大きさのトルクを前記モーターから前記第2回転軸に与えるフィードフォワード制御により前記第2回転軸の回転を制御する回転制御部と、
ウェブに印刷を行う印刷部と
を備え、
前記回転制御部は、前記第2回転軸の回転の停止中は、前記第2回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい前記第1方向とは逆の第2方向への所定トルクを前記モーターから前記第2回転軸に与えるフィードフォワード制御を実行し、
前記回転制御部は、前記印刷部が印刷を実行する間は、前記第1方向に前記第2回転軸を回転させてウェブを搬送する印刷装置。 - ウェブのテンションを検出する検出部を備え、
前記テンション制御部は、前記検出部が検出したテンションに基づき前記モーターが出力するトルクを調整することで、ウェブのテンションに対してフィードバック制御を実行する請求項1ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 第1方向に回転することでウェブを巻き取る回転軸の回転を停止させつつ、ウェブに所定テンションを付与するトルクと、前記回転軸を回転させない範囲でゼロより大きい前記第1方向へのトルクとを前記回転軸に与える工程と、
ウェブに所定テンションを付与するトルクと、前記回転軸の回転数に応じた大きさの前記第1方向へのトルクとを前記回転軸に与えて、前記回転軸の回転を開始する工程と
を備えるウェブ搬送用の回転軸の駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015056070A JP2016175721A (ja) | 2015-03-19 | 2015-03-19 | 印刷装置、ウェブ搬送用の回転軸の駆動方法 |
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JP2015056070A JP2016175721A (ja) | 2015-03-19 | 2015-03-19 | 印刷装置、ウェブ搬送用の回転軸の駆動方法 |
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JP2015056070A Pending JP2016175721A (ja) | 2015-03-19 | 2015-03-19 | 印刷装置、ウェブ搬送用の回転軸の駆動方法 |
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