JP2016145097A - 印刷装置 - Google Patents

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Naoki Hori
直樹 堀
知之 椎屋
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Abstract

【課題】管を介して媒体を巻取軸に巻き取る印刷装置において、管の回転を安定化させて、媒体を適切なテンションで巻き取ることを可能とする。
【解決手段】第1媒体に画像を印刷する印刷部と、第1媒体が取り付けられた管を保持する巻取軸および巻取軸を回転させて管に第1媒体を巻き取ることが可能なモーターを有する巻取部とを備え、巻取軸は、管の内側に配された弾性部材をガス圧により膨張させて管の内面を弾性部材により押圧することで管を保持し、モーターは、ダイレクトドライブ方式で巻取軸を回転させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、画像が印刷された媒体を巻取軸に巻き取る技術に関する。
特許文献1では、長尺の媒体(シート)をロール・トゥ・ロールで搬送しつつ、媒体に画像を印刷するプリンターが記載されている。かかるプリンターは、媒体の前端が取り付けられる巻取軸を備え、モーターにより巻取軸を回転させることで、画像が印刷された媒体を巻取軸に巻き取る。さらに、巻取軸に対しては管(芯管)が着脱可能になっており、媒体は管を介して巻取軸に巻き取られる。これにより、巻取軸に巻き取られた媒体を管ごと巻取軸から取り外すことが可能となっている。
特開2013−226668号公報
このように管を介して媒体を巻取軸に巻き取る印刷装置においては、管の回転が不安定になると、巻取軸に巻き取る際の媒体のテンションが不安定になって、媒体を適切なテンションで巻き取れない。したがって、巻取軸に媒体を適切に巻き取るためには、管の回転を安定化させることが重要となる。しかしながら、巻取軸により管を保持するために管に作用する力によって管が変形することで、管の周面の回転速度が変動する、すなわち管の回転が不安定となる場合があった。また巻取軸を回転させる駆動装置として減速機のような大きな負荷を有する駆動装置を用いると、駆動装置の大きな負荷分も制御しなくてはならないため、媒体のテンションが不安定になりやすい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明にかかる印刷装置は、上記目的を達成するために、第1媒体に画像を印刷する印刷部と、第1媒体が取り付けられた管を保持する巻取軸および巻取軸を回転させて管に第1媒体を巻き取ることが可能なモーターを有する巻取部とを備え、巻取軸は、管の内側に配された弾性部材をガス圧により膨張させて管の内面を弾性部材により押圧することで管を保持し、モーターは、ダイレクトドライブ方式で巻取軸を回転させる。
このように構成された本発明(印刷装置)の巻取軸は、ガス圧により膨張した弾性部材で菅の内面を押圧することで管を保持する。したがって、管を保持するための力を菅に均一的に作用させることができ、例えば管の内面を爪等で部分的に押さえることで管を保持する構成に比べて、管の変形を抑えられる。しかも、巻取軸をダイレクトドライブ方式で回転させており、モーターと巻取軸の間に減速機等の間接的機構を設けた構成に比べて、巻取軸を安定的に回転させることができる。このように、管の変形を抑えるだけでなく、管を保持する巻取軸そのものを安定的に回転させることで、管の回転を安定化させることが可能となっている。その結果、第1媒体を適切なテンションで巻き取ることができる。
また、第1媒体を巻取軸に巻き取る際に第1媒体にかかるテンションを制御する制御部を備えるように、印刷装置を構成しても良い。このようにテンションを制御する構成は、第1媒体を適切なテンションで巻き取るにあたって有利となる。
また、第1媒体にかかるテンションを制御する制御部を備え、制御部は、巻取軸に第1媒体を巻き取る際に媒体にかかるテンションが0[N]より大きく30[N]以下となるように制御するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、巻取軸に巻き重ねられた第1媒体が巻取軸の軸方向にずれるといった後述の現象の発生を抑制することができる。
また、制御部は、巻取軸に第1媒体を巻き取る際に第1媒体にかかるテンションが20[N]以下となるように制御するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、第1媒体に痕ができるといった後述の現象の発生を抑制することができる。
また、制御部は、巻取軸に第1媒体を巻き取る際に第1媒体にかかるテンションが5[N]以上となるように制御するように、印刷装置を構成しても良い。これによって、適度なテンションを第1媒体に与えつつ、巻取軸への第1媒体の巻き取りを確実に行うことができる。
また、制御部は、第1媒体と材質が異なる種類の第2媒体を巻取軸に巻き取る場合は、巻取軸に第2媒体を巻き取る際に第2媒体にかかるテンションが、巻取軸に第1媒体を巻き取る際に第1媒体にかかるテンションより大きいテンションとなるように制御するように、印刷装置を構成しても良い。これによって、媒体(第1媒体、第2媒体)の種類に応じた適切なテンションで巻取軸への媒体の巻き取りを実行できる。
また、制御部は、巻取軸の軸方向に第1媒体より広い幅を有する第2媒体を巻取軸に巻き取る場合は、巻取軸に第2媒体を巻き取る際に第2媒体にかかるテンションが、巻取軸に第1媒体を巻き取る際に第1媒体にかかるテンションより大きいテンションとなるように制御するように、印刷装置を構成しても良い。これによって、媒体(第1媒体、第2媒体)の幅に応じた適切なテンションで巻取軸への媒体の巻き取りを実行できる。
また、印刷部は、光が照射されると硬化する液体を媒体に吐出するヘッドと、液体を硬化させる光を照射する光照射器とを有し、ヘッドが媒体に吐出した液体を光照射器の光の照射によって硬化させることで画像を媒体に印刷する印刷装置に対しては、本発明を適用することが特に好適となる。つまり、光の照射によって液体を硬化させることで印刷された画像は大きな厚みを有する。そのため、画像が印刷された媒体を巻き取ったロールの周面には、画像の厚みに応じた形状が生じる。このような画像の厚みに応じた形状が管の周面の変形にさらに乗ると、媒体を適切なテンションで巻き取ることがより困難になる。そこで、管の周面の変形を確実に抑制することがより重要となり、本発明を適用することが好適となる。
上述した本発明の各形態の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
本発明を適用したプリンターの構成を模式的に例示する正面図。 側面および正面のそれぞれから見た巻取部の構成の一例を模式的に示す図。 図1に示すプリンターを制御する電気的構成を模式的に例示するブロック図。 巻取テンションに対して実行されるフィードバック制御を示すブロック図。 巻取軸に巻き重ねられたウェブの状態を模式的に示す部分断面図。 巻き重ねられたウェブに生じた軸方向へのずれの一例を模式的に示す図。 実験で形成したテスト用の画像を模式的に示す図。 幅Wsが340[mm]のウェブのずれを評価した結果を示す図。 幅Wsが340[mm]のウェブの印刷痕を評価した結果を示す図。 幅Wsが195[mm]のウェブのずれを評価した結果を示す図。 幅Wsが195[mm]のウェブの印刷痕を評価した結果を示す図。 幅Wsが120[mm]のウェブのずれを評価した結果を示す図。 幅Wsが120[mm]のウェブの印刷痕を評価した結果を示す図。
図1は、本発明を適用したプリンターの構成を模式的に例示する正面図である。図1に示すように、プリンター1では、その両端が繰出軸20および巻取軸40にロール状に巻き付けられた1枚のウェブSが搬送経路に沿って張架されており、ウェブSは、繰出軸20から巻取軸40へ向かう搬送方向Dsへ搬送されつつ、画像記録を受ける。ウェブSは、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)フィルム、PP(polypropylene)フィルム等がある。概略的には、プリンター1は、繰出軸20からウェブSを繰り出す繰出部2(繰出領域)と、繰出部2から繰り出されたウェブSに画像を記録するプロセス部3(プロセス領域)と、プロセス部3で画像の記録されたウェブSを巻取軸40に巻き取る巻取部4(巻取領域)を備える。なお、以下の説明では、ウェブSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。
繰出部2は、ウェブSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたウェブSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、ウェブSの表面を外側に向けた状態で、ウェブSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたウェブSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、ウェブSは、繰出軸20に着脱可能な芯管22を介して繰出軸20に巻き付けられている。したがって、繰出軸20のウェブSが使い切られた際には、ロール状のウェブSが巻き付けられた新たな芯管22を繰出軸20に装着して、繰出軸20のウェブSを取り換えることが可能となっている。ここで、芯管22としては、紙製の芯管22(紙管)等、可撓性の芯管22を用いることができる。
プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたウェブSを回転ドラム30で支持しつつ、回転ドラム30の外周面に沿って配置された各機能部51、52、61、62、63により処理を適宜行って、ウェブSに画像を記録するものである。このプロセス部3では、回転ドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるウェブSが回転ドラム30に支持されて、画像記録を受ける。
前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたウェブSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたウェブSを搬送経路の下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でウェブSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でウェブSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とウェブSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるウェブSの搬送を確実に行なうことができる。
回転ドラム30は図示を省略する支持機構により搬送方向Dsおよびその逆方向の両方向に回転可能に支持された、例えば400[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるウェブSを裏面側から巻き掛ける。この回転ドラム30は、ウェブSとの間の摩擦力を受けてウェブSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、ウェブSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、回転ドラム30への巻き掛け部の両側でウェブSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31と回転ドラム30の間でウェブSの表面を巻き掛けて、ウェブSを折り返す。一方、従動ローラー34は、回転ドラム30と後駆動ローラー32の間でウェブSの表面を巻き掛けて、ウェブSを折り返す。このように、回転ドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側それぞれでウェブSを折り返すことで、回転ドラム30へのウェブSの巻き掛け部を長く確保することができる。
後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、回転ドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたウェブSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、ウェブSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でウェブSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にウェブSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とウェブSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるウェブSの搬送を確実に行なうことができる。
このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるウェブSは、回転ドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、回転ドラム30に支持されるウェブSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数の記録ヘッド51が設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックに対応する4個の記録ヘッド51が、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。各記録ヘッド51は、回転ドラム30に巻き掛けられたウェブSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、対応する色のインク(有色インク)をノズルからインクジェット方式で吐出する。そして、搬送方向Dsへ搬送されるウェブSに対して各記録ヘッド51がインクを吐出することで、ウェブSの表面にカラー画像が形成される。
ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセス部3では、インクを硬化させてウェブSに定着させるために、UV照射器61、62(照射装置)が設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数の記録ヘッド51の各間には、仮硬化用のUV照射器61が配置されている。つまり、UV照射器61は弱い照射強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がり方が紫外線を照射しない場合に比べて十分に遅くなる程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを本硬化させるものではない。一方、複数の記録ヘッド51に対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUV照射器62が設けられている。つまり、UV照射器62は、UV照射器61より強い照射強度の紫外線を照射することで、インクの濡れ広がりが停止する程度に硬化(本硬化)させるものである。
このように、複数の記録ヘッド51の各間に配置されたUV照射器61が、搬送方向Dsの上流側の記録ヘッド51からウェブSに吐出された有色インクを仮硬化させる。したがって、一の記録ヘッド51がウェブSに吐出したインクは、搬送方向Dsの下流側で一の記録ヘッド51に隣り合う記録ヘッド51に到るまでに仮硬化される。これによって、異なる色の有色インクが混ざり合うといった混色の発生が抑制される。こうして混色が抑制された状態で、複数の記録ヘッド51は互いに異なる色の有色インクを吐出して、ウェブSにカラー画像を形成する。さらに、複数の記録ヘッド51より搬送方向Dsの下流側では、本硬化用のUV照射器62が設けられている。そのため、複数の記録ヘッド51により形成されたカラー画像は、UV照射器62により本硬化されてウェブSに定着する。
さらに、UV照射器62に対して搬送方向Dsの下流側には、記録ヘッド52が設けられている。この記録ヘッド52は、回転ドラム30に巻き掛けられたウェブSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをノズルからインクジェット方式でウェブSの表面に吐出する。つまり、4色分の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。この透明インクは、カラー画像の全面に吐出されて、光沢感あるいはマット感といった質感をカラー画像に与える。また、記録ヘッド52に対して搬送方向Dsの下流側には、UV照射器63(照射装置)が設けられている。このUV照射器63はUV照射器61より強い紫外線を照射することで、記録ヘッド52が吐出した透明インクを本硬化させるものである。これによって、透明インクをウェブS表面に定着させることができる。
このように、プロセス部3では、回転ドラム30の外周部に巻き掛けられるウェブSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたウェブSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。
巻取部4は、ウェブSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でウェブSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、ウェブSの表面を外側に向けた状態で、ウェブSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図1の時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたウェブSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、ウェブSは、巻取軸40に着脱可能な芯管42を介して巻取軸40に巻き取られる。したがって、巻取軸40に巻き取られたウェブSが満杯になった際には、芯管42ごとウェブSを取り外すことが可能となっている。ここで、芯管42としては、紙製の芯管42(紙管)等、可撓性の芯管42を用いることができる。
図2は、側面および正面のそれぞれから見た巻取部の構成の一例を模式的に示す図である。同図では、巻取軸40による芯管42の保持が解除された第1状態と、巻取軸40により芯管42が保持された第2状態とが示されている。なお、同図の「側面」の欄では、芯管42は軸方向Daにおける断面で示されている。同図に示すように、巻取軸40は、円筒形状のローラー401と、巻取軸40の軸方向Daに等間隔を空けて並ぶ複数のバルーン402とを有する。ローラー401の外径は中空の芯管42の内径より若干小さく、ローラー401に芯管42を外嵌することができる。
各バルーン402は、ローラー401の周方向の全域(すなわち全周)に渡ってローラー401の外周面に設けられ、ローラー401に外嵌された芯管42の内側に位置する。バルーン402はゴム等の弾性部材で構成されており、内圧の大きさに応じて伸縮可能である。つまり、ローラー401の内部には、各バルーン402の内部に空気を供給する供給経路が形成されている。各バルーン402への空気の供給が解除されている間(換言すれば、バルーン402の内部が大気圧に開放されている間)は、各バルーン402は縮んで、芯管42の内周面から離間する(第1状態)。したがって、巻取軸40に対して芯管42を軸方向Daに挿脱させることができる。一方、ローラー401の供給経路を介して各バルーン402に空気が供給されると、各バルーン402は膨張して空気圧に応じた力で芯管42の内周面を押圧する。これによって、巻取軸40に対する芯管42の移動が規制され、芯管42が巻取軸40により保持される(第2状態)。
同図の「側面」の欄に示すように、ローラー401は巻取モーターM40に直結されており、ローラー401はダイレクトドライブ方式で駆動される。したがって、バルーン402で芯管42を押圧することで芯管42を巻取軸40に保持しつつ、巻取モーターM40により巻取軸40を回転させて、芯管42に取り付けられたウェブSを巻取軸40に巻き取ることができる。
このように本実施形態の巻取軸40は、空気圧により膨張したバルーン402で芯管42の内周面を押圧することで芯管42を保持する。したがって、芯管42を保持するための力を周方向において芯管42の全面に均一的に作用させることができ、例えば芯管42の内周面を爪等で部分的に押さえることで芯管42を保持する構成に比べて、芯管42の変形を抑えられる。
ちなみに、巻取モーターM40と巻取軸40との間に減速機などの間接的機構を設けた場合、当該間接的機構でのトルクの損失や摩擦力の変動等によって、巻取軸40を安定的に回転させることが難しくなる場合がある。これに対して、本実施形態では、巻取軸40をダイレクトドライブ方式で回転させており、巻取軸40を安定的に回転させることができる。
このように本実施形態では、芯管42の変形を抑えるだけでなく、芯管42を保持する巻取軸40そのものを安定的に回転させることで、芯管42の回転の安定化を図っている。
さらに、取軸40をダイレクトドライブ方式で回転させており、巻取軸40を安定的に回転させている。その結果、ウェブSを適切なテンションで安定して巻き取ることが可能となっている。
また、UVインクを硬化させることで画像をウェブSに印刷するプリンター1においては、上記のように巻取軸40を構成することが特に好適となる。つまり、UVインクを硬化させることで形成された画像は大きな厚みを有するため、画像が印刷されたウェブSを巻き取ったロールの周面には、画像の厚みに応じた形状が生じる。このような画像の厚みに応じた形状が芯管42の周面の変形にさらに乗ると、ウェブSを適切なテンションで巻き取ることがより困難になる。そこで、芯管42の周面の変形を確実に抑制することがより重要となり、上記のように巻取軸40を構成することが好適となる。
以上がプリンター1の装置構成の概要である。続いて、プリンター1を制御する電気的構成について説明を行なう。図3は、図1に示すプリンターを制御する電気的構成を模式的に例示するブロック図である。プリンター1では、プリンター1の各部を制御するプリンター制御部100が設けられている。そして、記録ヘッド、UV照射器およびウェブ搬送系の装置各部はプリンター制御部100によって制御される。これら装置各部に対するプリンター制御部100の制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部100は、カラー画像を形成する各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを、ウェブSの搬送に応じて制御する。具体的には、このインク吐出タイミングの制御は、回転ドラム30の回転軸に取り付けられて、回転ドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力(検出値)に基づいて実行される。つまり、回転ドラム30はウェブSの搬送に伴って従動回転するため、回転ドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力を参照すれば、ウェブSの搬送位置を把握することができる。そこで、プリンター制御部100は、ドラムエンコーダーE30の出力からpts(print timing signal)信号を生成し、このpts信号に基づいて各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを制御することで、各記録ヘッド51が吐出したインクを搬送されるウェブSの目標位置に着弾させて、カラー画像を形成する。
また、記録ヘッド52が透明インクを吐出するタイミングも、同様にドラムエンコーダーE30の出力に基づいてプリンター制御部100により制御される。これによって、複数の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクを的確に吐出することができる。さらに、UV照射器61、62、63の点灯・消灯のタイミングや照射光量もプリンター制御部100によって制御される。
また、プリンター制御部100は、図1を用いて詳述したウェブSの搬送を制御する機能を司る。つまり、ウェブ搬送系を構成する部材のうち、繰出軸20、前駆動ローラー31、後駆動ローラー32および巻取軸40それぞれにはモーターが接続されている。そして、プリンター制御部100はこれらのモーターを回転させつつ、各モーターの速度やトルクを制御して、ウェブSの搬送を制御する。このウェブSの搬送制御の詳細は次のとおりである。
プリンター制御部100は、繰出軸20を駆動する繰出モーターM20を回転させて、繰出軸20から前駆動ローラー31にウェブSを供給する。この際、プリンター制御部100は、繰出モーターM20のトルクを制御して、繰出軸20から前駆動ローラー31までのウェブSのテンション(繰出テンションTa)を調整する。つまり、繰出軸20と前駆動ローラー31の間に配置された従動ローラー21には、繰出テンションTaの大きさを検出するテンションセンサーS21が取り付けられている。このテンションセンサーS21は、例えばウェブSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS21の検出結果(検出値)に基づいて、繰出モーターM20のトルクをフィードバック制御して、ウェブSの繰出テンションTaを調整する。
また、プリンター制御部100は、前駆動ローラー31を駆動する前駆動モーターM31と、後駆動ローラー32を駆動する後駆動モーターM32とを回転させる。これによって、繰出部2から繰り出されたウェブSがプロセス部3を通過する。この際、前駆動モーターM31に対しては速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してはトルク制御が実行される。つまり、プリンター制御部100は、前駆動モーターM31のエンコーダー出力に基づいて、前駆動モーターM31の回転速度を一定に調整する。これによって、ウェブSは、前駆動ローラー31によって一定速度で搬送される。
一方、プリンター制御部100は、後駆動モーターM32のトルクを制御して、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32までのウェブSのテンション(プロセステンションTb)を調整する。つまり、回転ドラム30と後駆動ローラー32の間に配置された従動ローラー34には、プロセステンションTbの大きさを検出するテンションセンサーS34が取り付けられている。このテンションセンサーS34は、例えばウェブSから受ける力の大きさを検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS34の検出結果(検出値)に基づいて、後駆動モーターM32のトルクをフィードバック制御して、ウェブSのプロセステンションTbを調整する。
また、プリンター制御部100は、巻取軸40を駆動する巻取モーターM40を回転させて、後駆動ローラー32が搬送するウェブSを巻取軸40に巻き取る。この際、プリンター制御部100は、巻取モーターM40のトルクを制御して、後駆動ローラー32から巻取軸40までのウェブSのテンション(巻取テンションTc)を調整する。つまり、後駆動ローラー32と巻取軸40の間に配置された従動ローラー41には、巻取テンションTcを検出するテンションセンサーS41が取り付けられている。このテンションセンサーS41は、例えばウェブSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部100は、テンションセンサーS41の検出結果に基づいて、巻取モーターM40のトルクをフィードバック制御して、ウェブSの巻取テンションTcを調整する。
図4は、巻取部の巻取テンションに対して実行されるフィードバック制御を示すブロック図である。同図に示すように、巻取テンションTcの目標値TctとテンションセンサーS41による検出値Tcdとの偏差にPID(Proportional-Integral-Derivative)制御を行って求めた制御量が巻取モーターM40に入力されて、フィードバック制御が実行される。これによって、巻取テンションTcの検出値Tcdが巻取テンションTcの目標値Tctとなるように(つまり、偏差がゼロとなるように)、巻取テンションTcが制御される。特に本実施形態では、巻取軸40に巻き重ねられたウェブSが巻取軸40の軸方向にずれるのを抑制できるように、巻取テンションTcが調整される。続いては、ウェブSのずれについて説明した後、ずれの抑制に資する巻取テンションTcの具体値について説明する。
図5は、巻取軸に巻き重ねられたウェブの状態を模式的に示す部分断面図である。同図に示すように、巻取軸40に巻き取られたウェブSは、その厚み方向に相互に重なる。したがって、隣り合うウェブSの間には、巻取テンションTcに応じた大きさの力が働く。この際、巻取テンションTcが過大であると、巻取軸40の軸方向Daを向く大きな力が巻き重ねられたウェブSの間に生じて、これらのウェブSを軸方向Daにずらしてしまう場合があった。特に、ウェブSの表面にはUVインクを硬化させた画像Pが印刷されており、この画像Pは厚み(例えば1〜10[μm]程度)を有する。そのため、ウェブSのずれが生じやすい。
図6は、巻取軸に巻き重ねられたウェブに生じた軸方向へのずれの一例を模式的に示す図である。同図に示すように、ウェブSを巻き重ねたロールRの軸方向Daの一端においては、ロールRの径方向の内側に行くほどウェブSの一端が軸方向Daの外側に突出している。その結果、ロールRの軸方向Daの一端においては、軸方向Daの一端側に最も寄ったウェブSの端と、軸方向Daの他端側に最も寄ったウェブSの端との間で、最大ずれΔSが生じている。後に示す実験では、この最大ずれ量ΔSを、ウェブSのずれの程度を評価するための量として採用する。なお、図6では、径方向の内側に向かうに連れて、ウェブSの端が軸方向Daの一方側に単調にずれる例を示したが、径方向の内側に向かうに連れてウェブSの端が波打つような態様で、ウェブSのずれが生じる場合もある。この場合においても最大ずれ量ΔSは同様に定義することができる。
そして、本発明者等は、巻取軸40に巻き重ねられたウェブSのずれを抑制しうる巻取テンションTcの範囲を求める実験を行った。この実験は、テスト用の画像P(図7)を形成したウェブS1を巻取軸40に巻き取ってウェブS1のずれが生じるか否かを、異なる複数の巻取テンションTcについて確認するものである。具体的には、2つの異なる材質のフィルムを糊により層状に接着した構成(具体的には、表面側にPETを、裏面側にPPを設けた構成)を具備するウェブS1に、搬送方向Dsへ1000[m]に渡りテスト用の画像P(図7)を形成しつつ、ウェブS1を巻取軸40に巻き取った。
図7は、実験で形成したテスト用の画像を模式的に示す図である。同図に示すように、幅Wsを有するウェブS1に、マトリックス状に配列された複数の画像Pを形成した。各画像Pは、長方形状の枠線で構成され、軸方向Daに幅Pwを有し、搬送方向Dsに長さPlを有する。枠線は、約5[mm]の線幅を有するとともに、約6[μm]の厚みを有する。軸方向Daにおいて、隣接する画像Pの間には間隔Waが設けられ、ウェブS1の端と画像Pの間には余白Wbが設けられる。また、搬送方向Dsにおいて、隣接する画像Pの間には間隔Lbが設けられる。
ここで示す実験では、4行の画像Pを形成した。また、各条件値は、
Ws=340[mm]、
Pw=80[mm]、
Pl=50[mm]、
Wa=3[mm]、
Wb=6[mm]、
Lb=30[mm]
である。
図8は、幅Wsが340[mm]のウェブS1についてウェブのずれを評価した結果を表として示す図である。巻取テンションTcの目標値Tctが5[N(ニュートン)]、8[N]、15[N]、20[N]、22[N]、26[N]、30[N]である各場合について、画像Pが形成された1000[m]のウェブS1を巻取軸40に巻き取った際に生じる最大ずれ量ΔS[mm]を評価したものが、図8の結果である。実使用上では、最大ずれ量ΔSは、10[mm]未満であれば許容できる。したがって、図8に示された5[N]以上で30[N]以下範囲では、ウェブS1のずれは概ね良好に抑制されている。さらに詳細に見れば、5[N]以上で26[N]以下の範囲では、最大ずれ量ΔSを0.5[mm]といった僅少な値に効果的に抑制できることが判る。
ところで、巻取軸40に巻き重ねられたウェブS1の間に巻取テンションTcに応じた力が働くことで、ウェブS1に印刷された画像Pが隣接するウェブSに大きな力で押しつけられて、その結果、ウェブS1に痕(印刷痕)ができる場合がある。特に、ウェブS1の表面にはUVインクを硬化させた画像Pが印刷されており、この画像Pは厚み(例えば1〜10[μm]程度)を有する。そのため、印刷痕がウェブS1に生じやすい。そこで、印刷痕の発生状況も併せて確認した。
図9は、上記の実験で使用した幅Wsが340[mm]のウェブS1についてウェブの印刷痕を評価した結果を表として示す図である。この印刷痕の評価では、巻取軸40に巻き取ったウェブS1を3日間放置した後にウェブS1の巻き取りを解消し(すなわち、ロールRからウェブS1を引き出してロール状態を解消し)、さらに3日間放置した際にウェブS1に印刷痕が残っているかを目視で評価したものである。同図において、○印は、印刷痕は視認できないことを示し、△印は、印刷痕が視認できたことを示す。図9に示すように、20[N]以下の範囲では、印刷痕の発生を効果的に抑制できることが判る。
ちなみに、5[N]未満の範囲では、巻取軸40に巻き取られたウェブS1が自らの剛性によりほぐれてしまう巻ほぐれが生じ、巻取軸40をウェブS1に確実に巻き取ることが難しかった。
また、巻取軸40へのウェブS1の巻き取りに際しては、ロールRの径の増大に伴って巻取テンションTcを低下させるテーパーテンションが実行される。実験においては、巻き始めから1000[m]を巻き取るまでに巻取テンションTcが50%低下するテーパーテンションが実行された。ただし、ウェブS1のずれや印刷痕は、巻取テンションTcが最大となる巻き始めの領域(巻取軸40へのウェブS1の巻き取り量が巻取軸40の周長以下の領域)で最も顕著となり、巻取テンションTcの低下に伴って目立たなくなる。つまり、ウェブS1のずれや印刷痕にとって影響が大きいのは、巻取軸40への巻き始めの領域においてウェブS1にかかる巻取テンションTcであり、テーパーテンションの程度や有無は大きな影響を有さない。
以上に説明したように、巻取軸40にウェブS1を巻き取る際にウェブS1にかかる巻取テンションTcが0[N]より大きく30[N]以下となるように、巻取テンションTcを制御することで、巻き重ねられたウェブS1の最大ずれ量ΔSを10[mm]未満に概ね抑制できる。
さらに、巻取軸40にウェブS1を巻き取る際にウェブS1にかかる巻取テンションTcテンションが0[N]より大きく26[N]以下となるように、巻取テンションTcを制御することで、巻き重ねられたウェブS1の最大ずれ量ΔSを0.5[mm]といった僅少な値に効果的に抑制できる。
また、巻取軸40にウェブS1を巻き取る際にウェブS1にかかる巻取テンションTcが20[N]以下となるように、巻取テンションTcを制御することで、ウェブS1に印刷痕が生じるのを抑制できる。
また、巻取軸40にウェブS1を巻き取る際にウェブS1にかかる巻取テンションTcが5[N]以上となるように、巻取テンションTcを制御することで、適度な巻取テンションTcをウェブSに与えつつ、巻取軸40へのウェブS1の巻き取りを確実に行うことができる。
また、ウェブS1に吐出されたUVインクを光の照射により硬化させることで形成された画像Pは、大きな厚みを有する。このような厚みを有する画像Pが印刷されたウェブS1を巻取軸40に巻き重ねた場合、ウェブS1のずれや印刷痕が生じやすい。そこで、上記のように構成して、ウェブS1のずれや印刷痕を抑制することが好適となる。
このように、本実施形態では、プリンター1が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、記録ヘッド51、52およびUV照射器62、62、63が協働して本発明の「印刷部」の一例として機能し、巻取軸40が本発明の「巻取軸」の一例に相当し、プリンター制御部100が本発明の「制御部」の一例に相当し、UV照射器62、62、63が本発明の「光照射器」の一例に相当し、ウェブS1が本発明の「媒体」の一例に相当し、芯管42が本発明の「管」の一例に相当し、巻取モーターM40が本発明の「モーター」の一例に相当し、バルーン402が本発明の「弾性部材」の一例に相当し、空気が本発明の「ガス」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。そこで、例えば軸方向DaにおけるウェブSの幅Wsの減少に応じて巻取テンションTcを低下させても良い。つまり、幅Wsが340[mm]以上のウェブSに対しては上述の範囲で巻取テンションTcを制御しておけば良い。一方、次の実験結果に示すように、ウェブSの幅が狭くなると、ウェブSのずれや印刷痕が顕著になる場合がある。
図10は、ウェブS1と同じ材質で幅Wsが195[mm]のウェブS2についてウェブのずれを評価した結果を表として示す図である。図11は、幅Wsが195[mm]のウェブS2についてウェブの印刷痕を評価した結果を表として示す図である。両図における実験では、2行の画像Pを形成した。また、各条件値は、
Ws=195[mm]、
Pw=92[mm]、
Pl=50[mm]、
Wa=4[mm]、
Wb=3.5[mm]、
Lb=30[mm]
である。
図10によれば、5[N]以上で20[N]以下範囲では、ウェブS2の最大ずれ量ΔSは10[μm]未満に概ね良好に抑制されている。そこで、幅Wsが350[mm]以上のウェブSを巻取軸40に巻き取る場合の巻取テンションTc(第4テンション)よりも、幅Wsが195[mm]以上で350[mm]未満のウェブSを巻取軸40に巻き取る場合の巻取テンションTc(第3テンション)が小さくなるように、巻取テンションTcを制御しても良い。これによって、ウェブSの幅に応じた適切な巻取テンションTcで巻取軸40へのウェブSの巻き取りを実行できる。この際、幅Wsが195[mm]以上で350[mm]未満のウェブSを巻取軸40に巻き取る場合の巻取テンションTcを、20[N]以下の範囲に制御しておけば、ウェブSのずれを概ね良好に抑制できる。さらに、図11によれば、10[N]以下の範囲に制御しておけば、印刷痕の発生も効果的に抑制できることが判る。
図12は、ウェブS1と同じ材質で幅Wsが120[mm]のウェブS3についてウェブのずれを評価した結果を表として示す図である。図13は、幅Wsが120[mm]のウェブS3についてウェブの印刷痕を評価した結果を表として示す図である。両図における実験では、1行の画像Pを形成した。また、各条件値は、
Ws=120[mm]、
Pw=110[mm]、
Pl=70[mm]、
Wb=5[mm]、
Lb=30[mm]
である。
図12によれば、5[N]以上で8[N]以下範囲では、ウェブS3の最大ずれ量ΔSは10[μm]未満に概ね良好に抑制されている。そこで、幅Wsが350[mm]以上のウェブSを巻取軸40に巻き取る場合の巻取テンションTc(第4テンション)よりも、幅Wsが120[mm]以上で195[mm]未満のウェブSを巻取軸40に巻き取る場合の巻取テンションTc(第3テンション)が小さくなるように、巻取テンションTcを制御しても良い。これによって、ウェブSの幅に応じた適切な巻取テンションTcで巻取軸40へのウェブSの巻き取りを実行できる。この際、幅Wsが120[mm]以上で195[mm]未満のウェブSを巻取軸40に巻き取る場合の巻取テンションTcを、8[N]以下の範囲に制御しておけば、ウェブSのずれを概ね良好に抑制できる。さらに、図13によれば、5[N]以下の範囲に制御しておけば、印刷痕の発生も効果的に抑制できることが判る。
また、上記実施形態では、2つのフィルム系の材質(PET、PP)で構成されたウェブSを用いる場合について説明を行った。ただし、ウェブSの種類はこれに限られず、表面側にフィルムを設け、裏面側に紙を設けて層状に接着したウェブSや、表面側に紙を設け、裏面側にフィルムを設けて層状に接着したウェブSを用いることができる。ちなみに、紙を材質に有するウェブSでは、上述のウェブSのずれや印刷痕が生じ難い。そこで、巻取テンションTcをウェブSの種類に応じて変更しても良い。
つまり、紙を含まない種類(第1種類)のウェブSを巻取軸40に巻き取る際の巻取テンションTc(第1テンション)よりも、紙を含む種類(第2種類9のウェブSを巻取軸40に巻き取る際の巻取テンションTc(第2テンション)を大きくするように、巻取テンションTcを制御しても良い。これによって、ウェブSの種類に応じた適切な巻取テンションTcで巻取軸40へのウェブSの巻き取りを実行できる。
また、巻取軸40の具体的構成についても種々の変更が可能である。例えば、芯管42の素材は紙に限られず、他の素材で芯管42を構成しても良い。バルーン402の個数、配置等についても適宜変更が可能である。また、バルーン402にガス圧を与えるためのガスは空気に限られず、窒素等でも良い。
また、プリンター1の具体的構成についても種々の変更が可能であり、例えば搬送されるウェブSを支持する部材についても、上記回転ドラム30のような円筒形状のものに限られない。したがって、ウェブSを平面で支持するフラット型のプラテンを用いることも可能である。
1…プリンター、51、52…記録ヘッド、62、62、63…UV照射器、40…巻取軸、401…ローラー、402…バルーン、42…芯管、M40…巻取モーター、100…プリンター制御部、S…ウェブ

Claims (8)

  1. 第1媒体に画像を印刷する印刷部と、
    前記第1媒体が取り付けられた管を保持する巻取軸および前記巻取軸を回転させて前記管に前記第1媒体を巻き取ることが可能なモーターを有する巻取部と
    を備え、
    前記巻取軸は、前記管の内側に配された弾性部材をガス圧により膨張させて前記管の内面を前記弾性部材により押圧することで前記管を保持し、
    前記モーターは、ダイレクトドライブ方式で前記巻取軸を回転させる印刷装置。
  2. 前記第1媒体を前記巻取軸に巻き取る際に前記第1媒体にかかるテンションを制御する制御部を備える請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御部は、前記巻取軸に前記第1媒体を巻き取る際に前記第1媒体にかかるテンションが0[N]より大きく30[N]以下となるように制御する請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記制御部は、前記巻取軸に前記第1媒体を巻き取る際に前記第1媒体にかかるテンションが20[N]以下となるように制御する請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記制御部は、前記巻取軸に前記第1媒体を巻き取る際に前記第1媒体にかかるテンションが5[N]以上となるように制御する請求項2ないし4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記制御部は、前記第1媒体と材質が異なる種類の前記第2媒体を前記巻取軸に巻き取る場合は、前記巻取軸に前記第2媒体を巻き取る際に前記第2媒体にかかるテンションが、前記巻取軸に前記第1媒体を巻き取る際に前記第1媒体にかかるテンションより大きいテンションとなるように制御する請求項2ないし5のいずれか一項に記載の印刷装置。
  7. 前記制御部は、前記巻取軸の軸方向に前記第1媒体より広い幅を有する第2媒体を前記巻取軸に巻き取る場合は、前記巻取軸に前記第2媒体を巻き取る際に前記第2媒体にかかるテンションが、前記巻取軸に前記第1媒体を巻き取る際に前記第1媒体にかかるテンションより大きいテンションとなるように制御する請求項2ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置。
  8. 前記印刷部は、光が照射されると硬化する液体を前記媒体に吐出するヘッドと、前記液体を硬化させる光を照射する光照射器とを有し、前記ヘッドが前記媒体に吐出した前記液体を前記光照射器の光の照射によって硬化させることで前記画像を前記媒体に印刷する請求項1ないし7のいずれか一項に記載の印刷装置。
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