JP2016175579A - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

車両用ブレーキ液圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】正確に入口弁の上流液圧を推定する。【解決手段】液圧源から複数の車輪ブレーキへの液圧路に介装された入口弁13と、アンチロックブレーキ制御を実行可能な制御部100とを有する車両用ブレーキ液圧制御装置である。制御部100は、各車輪の車輪減速度AWを算出する減速度算出手段140と、各車輪の車輪減速度AWに基づいて車体減速度AVを決定する車体減速度決定手段150と、車体減速度AVから入口弁13の上流液圧を推定するマスタシリンダ圧推定手段160とを備える。車体減速度決定手段150は、少なくとも3つの車輪がアンチロックブレーキ制御の非実行中である場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度AWの、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度AWから車体減速度AVを決定する。【選択図】図3

Description

本発明は、入口弁の上流液圧を推定可能な車両用ブレーキ液圧制御装置に関する。
アンチロックブレーキ制御を実行可能な車両用ブレーキ液圧制御装置において、車輪減速度からマスタシリンダ圧(入口弁の上流液圧)を推定するものが知られている(特許文献1)。この技術では、車輪のスリップを考慮して、各車輪の減速度に基づいて車輪ごとに仮マスタシリンダ圧を算出し、算出した複数の仮マスタシリンダ圧のうち最小値をマスタシリンダ圧として推定している。仮マスタシリンダ圧を決定するためのマップは、車輪減速度が大きい程マスタシリンダ圧が大きくなる関係を有しており、減速度が小さい(最も減速していない)車輪について算出された仮マスタシリンダ圧がマスタシリンダ圧として推定される。
特許第4436287号公報
しかしながら、ある車輪について、アンチロックブレーキ制御が開始されない程度の微少なスリップが発生した場合、スリップから復帰する最中に減速度が極めて小さくなることがあり、常に仮マスタシリンダ圧の最小値を選択すると推定精度に影響が出るおそれがあった。
また、アンチロックブレーキ制御が非実行中の車輪が少ない場合においても、比較的正確な上流液圧を推定して、安定したアンチロックブレーキ制御を実現することも望まれる。
そこで、本発明においては、正確に入口弁の上流液圧を推定すること、および、アンチロックブレーキ制御が非実行中の車輪が少ない場合においても、安定したアンチロックブレーキ制御を実現することができる車両用ブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、液圧源から複数の車輪ブレーキへの液圧路に介装された入口弁と、アンチロックブレーキ制御を実行可能な制御部とを有する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記制御部は、各車輪の車輪減速度を算出する減速度算出手段と、前記各車輪の前記車輪減速度に基づいて車体減速度を決定する車体減速度決定手段と、前記車体減速度から前記入口弁の上流液圧を推定する上流液圧推定手段とを備える。
前記車体減速度決定手段は、少なくとも3つの車輪がアンチロックブレーキ制御の非実行中である場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度から前記車体減速度を決定する。
このような構成によれば、アンチロックブレーキ制御が非実行中の3つ以上の車輪の車輪減速度のうち、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度から車体減速度を決定する。3つ以上の車輪減速度のうち、最も大きい車輪減速度(最も減速している車輪の減速度)は、スリップ量が多いため、車体減速度の決定には望ましくなく、最も小さい車輪減速度は、微少なスリップから復帰する最中に例外的に現れた小さな値である可能性がある。このため、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度から車体減速度を決定すると、この車体減速度から推定した入口弁の上流液圧は、正確な値であると期待できる。すなわち、本発明によれば、正確に入口弁の上流液圧を推定することができる。
前記した装置において、前記車体減速度決定手段は、少なくとも4つの車輪がアンチロックブレーキ制御の非実行中である場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最大値と最小値を除く残りの車輪減速度を平均することで前記車体減速度を決定することができる。
このような構成によれば、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最大値と最小値を除く残りの複数の車輪減速度を平均することで、スリップの影響を小さくして、より正確な車体減速度を推定することができ、その結果、より正確な上流液圧を推定することができる。
前記した装置において、前記車体減速度決定手段は、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最小値を前記車体減速度として決定することができる。
このような構成によれば、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合においても、車輪減速度の最小値を選択して、比較的正確な車体減速度を取得し、比較的正確な上流液圧を推定することができる。
前記上流液圧推定手段は、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合において、今回推定した上流液圧と前回推定した上流液圧のうち大きい方を今回の上流液圧として推定することができる。
このような構成によれば、前回の上流液圧の推定値と今回の上流液圧の推定値の大きい方を上流液圧として推定して、精度の高い上流液圧を推定することができる。また、上流液圧を低く推定してしまうと、アンチロックブレーキ制御において、必要以上に入口弁を開いて増圧が過剰になるおそれがあるが、上流液圧を大きい値に推定することで、必要以上に増圧することを抑制することができる。
前記した課題を解決する本発明は、液圧源から複数の車輪ブレーキへの液圧路に介装された入口弁と、アンチロックブレーキ制御を実行可能な制御部とを有する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、前記制御部は、各車輪の車輪減速度を算出する減速度算出手段と、前記各車輪の前記車輪減速度に基づいて車体減速度を決定する車体減速度決定手段と、前記車体減速度から前記入口弁の上流液圧を推定する上流液圧推定手段とを備える。そして、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合において、前記車体減速度決定手段は、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最小値を前記車体減速度として決定し、前記上流液圧推定手段は、今回推定した上流液圧と前回推定した上流液圧のうち大きい方を今回の上流液圧として推定する。
このような構成によれば、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合においても、車輪減速度の最小値を選択して、比較的正確な車体減速度を取得し、比較的正確な上流液圧を推定することができる。そして、前回の上流液圧の推定値と今回の上流液圧の推定値の大きい方を上流液圧として推定して、精度の高い上流液圧を推定することができる。また、上流液圧を低く推定してしまうと、アンチロックブレーキ制御において、必要以上に入口弁を開いて増圧が過剰になるおそれがあるが、上流液圧を大きい値に推定することで、必要以上に増圧することを抑制することができる。すなわち、アンチロックブレーキ制御が非実行中の車輪が少ない場合においても、安定したアンチロックブレーキ制御を実現することができる。
本発明の車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、正確に入口弁の上流液圧を推定することができる。また、アンチロックブレーキ制御が非実行中の車輪が少ない場合においても、安定したアンチロックブレーキ制御を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図である。 液圧ユニットの構成を示す構成図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 アンチロックブレーキ制御の非実行輪の数ごとの車体減速度の決定方法を説明する表である。 車体減速度からマスタシリンダ圧を推定するマップである。 急制動時の各速度と液圧を示すタイミングチャートである。 制御部の動作を説明するフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置1は、四輪自動車である車両2の各車輪3に付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ液圧制御装置1は、液圧路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部100とを主に備えている。
各車輪3には、それぞれ車輪ブレーキFL,RR,RL,FRが備えられ、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRには、液圧源であるマスタシリンダ5から供給される液圧により制動力を発生するホイールシリンダ4が備えられている。マスタシリンダ5とホイールシリンダ4とは、それぞれ液圧ユニット10に接続されている。そして、ブレーキペダル6の踏力に応じてマスタシリンダ5で発生したブレーキ液圧が、制御部100および液圧ユニット10で制御された上でホイールシリンダ4に供給されている。
制御部100には、各車輪3の車輪速度VWを検出する車輪速センサ91が接続されている。そして、この制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、車輪速センサ91からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種の演算処理を行うことによって、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの液圧を増減する制御を実行する。
図2に示すように、液圧ユニット10は、マスタシリンダ5と車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダ5の二つの出力ポート5a,5bは、液圧ユニット10の入口ポート11aに接続され、出口ポート11bが、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は液圧ユニット10内の入口ポート11aから出口ポート11bまでが連通した液圧路となっていることで、ブレーキペダル6の踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
液圧ユニット10には、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに対応して四つの入口弁13、四つの出口弁14、および四つのチェック弁13aが設けられている。また、出力ポート5a,5bに対応した各出力液圧路19Aに対応して二つのリザーバ16、二つのポンプ17、二つのオリフィス17aが設けられ、二つのポンプ17を駆動するための電動モータ21を備えている。
入口弁13は、マスタシリンダ5から各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへの液圧路(各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの上流側)に配置された常開型比例電磁弁である。入口弁13は、通常時に開いていることで、マスタシリンダ5から各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁13は、車輪3がロックしそうになったときに制御部100により閉塞されることで、ブレーキペダル6から各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達する液圧を遮断する。
また、詳細は図示しないが、入口弁13の弁体は、付与される電流に応じた電磁力によってマスタシリンダ5側へ付勢され、この付勢力によって車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの液圧を調整することができるようになっている。
出口弁14は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRからマスタシリンダ5への液圧路上(入口弁13のホイールシリンダ4側の液圧路からリザーバ16、ポンプ17およびマスタシリンダ5に通じる液圧路上)に配置された常閉型の電磁弁である。出口弁14は、通常時に閉塞されているが、車輪3がロックしそうになったときに制御部100により開放されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに加わる液圧を各リザーバ16に逃がす。
チェック弁13aは、各入口弁13に並列に接続されている。このチェック弁13aは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダ5側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダル6からの入力が解除された場合に入口弁13を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダ5側へのブレーキ液の流れを許容する。
リザーバ16は、各出口弁14が開放されることによって逃がされるブレーキ液を吸収する機能を有している。
ポンプ17は、リザーバ16で吸収されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液を、オリフィス17aを介してマスタシリンダ5へ戻す機能を有している。
入口弁13および出口弁14は、制御部100により開閉状態が制御されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのホイールシリンダ4における液圧(ホイールシリンダ圧PW)を制御する。例えば、入口弁13が開、出口弁14が閉となる通常状態では、ブレーキペダル6を踏んでいれば、マスタシリンダ5からの液圧がそのままホイールシリンダ4へ伝達して増圧状態となり、入口弁13が閉、出口弁14が開となれば、ホイールシリンダ4からリザーバ16側へブレーキ液が流出して減圧状態となり、入口弁13と出口弁14が共に閉となれば、ホイールシリンダ圧が保持される保持状態となる。また、マスタシリンダ5の液圧(上流液圧の一例としてのマスタシリンダ圧PM)が上昇している最中に、出口弁14を閉じた状態で、入口弁13に全閉に至らない適宜な電流を流せば、その電流に応じてマスタシリンダ5からホイールシリンダ4へのブレーキ液の流入が制限され、ホイールシリンダ4の液圧を徐々に上昇させることができる。
次に、制御部100の詳細について説明する。図3に示すように、制御部100は、車体速度推定手段110、スリップ率算出手段120、アンチロックブレーキ(以下、「ABS」と省略する。)制御手段130、減速度算出手段140、車体減速度決定手段150、上流液圧推定手段の一例としてのマスタシリンダ圧推定手段160、弁駆動部170および記憶装置190を備えている。
車体速度推定手段110は、車輪速センサ91から出力されてくる車輪速度VWに基づき、公知の計算方法により車体速度Vを推定する機能を有している。車体速度Vの算出方法は、様々な方法を利用できるが、一例を挙げるとすると、例えば、原則として前輪の車輪速度VWを車体速度Vとし、前輪の車輪速度VWの加速度または減速度の大きさが所定の上限値の大きさを超えた場合には、車体速度Vの加速度または減速度が上限値になるように、車体速度Vを換算する方法が挙げられる。なお、車両2に前後方向の加速度を検出する加速度センサが設けられる場合には、車体速度Vは、前後方向の加速度に基づいて算出してもよい。車体速度推定手段110は、車体速度Vを算出すると、算出した車体速度Vをスリップ率算出手段120に出力する。
スリップ率算出手段120は、車輪速センサ91から出力されてくる車輪速度VWと、車体速度推定手段110から出力されてくる車体速度Vとに基づき、各車輪3のスリップ率SLを演算する機能を有する。具体的に、スリップ率SLは、車体速度Vと車輪速度VWとの差を車体速度Vで割ることで求めることができる。スリップ率算出手段120は、スリップ率SLを算出すると、算出したスリップ率SLをABS制御手段130に出力する。
ABS制御手段130は、公知のABS制御装置のように車輪速度VWから推定される車輪減速度AWとスリップ率SLとに基づいて、各車輪3のホイールシリンダ圧PWを減圧状態、増圧状態および保持状態のいずれにするかを判定して弁駆動部170に出力する機能を有する。すなわち、スリップ率SLが所定の閾値SLthより大きくなり、車輪減速度AWが0以上(減速中)である場合に車輪3がロックしそうになったと判定して、ホイールシリンダ圧PWを減圧状態にすることを決定する。また、車輪減速度AWが0よりも小さい場合(加速中の場合)に、ホイールシリンダ圧PWを保持状態にすることを決定し、スリップ率SLが所定の閾値SLth以下となり、かつ、車輪減速度AWが0以上(減速中)である場合に、ホイールシリンダ圧PWを増圧状態にすることを決定する。なお、車輪減速度AWは、減速中に正の値をとるものとする。
ABS制御手段130は、公知のように、増圧の開始時には、推定したマスタシリンダ圧PMと、ホイールシリンダ圧PWに基づき、入口弁13に流す電流を調整して、スリップが発生しない程度の最大限のホイールシリンダ圧PWに調整する。なお、ABS制御手段130は、ABS制御が開始した後、マスタシリンダ圧PMと、ABS制御の減圧、保持および増圧の履歴から推定する。また、ABS制御手段130は、ABS制御介入時にマスタシリンダ圧PMが推定できない場合には、所定の初期値とする。
減速度算出手段140は、車輪速センサ91から取得した車輪速度VWに基づいて、各車輪3の車輪減速度AWを算出する機能を有する。車輪減速度AWは、例えば、車輪速度VWの前回値から今回値を引くことで算出することができる。
車体減速度決定手段150は、各車輪3の車輪減速度AWに基づいて、車体減速度AVを決定する機能を有する。車体減速度決定手段150は、できるだけ正確な車体減速度AVを決定できるように、車両2の状況に応じて車体減速度AVの決定方法が異なる。具体的には、図4に示すように、少なくとも3つの車輪3がABS制御の非実行中である場合は、ABS制御の非実行輪の車輪減速度AWの、最大値(最も減速している車輪3の車輪減速度AW)と最小値(最も減速していない車輪3の車輪減速度AW)を除く残りの車輪減速度AWから車体減速度AVを決定する。特に、4つの車輪3のすべてがABS制御の非実行中である場合には、最大値と最小値を除く2つの車輪減速度AWを算術平均して車体減速度AVを決定する。ABS制御非実行輪の数が3つの場合には、最大値と最小値を除くと車輪減速度AWは中間の1つの値しかないため、その値を車体減速度AVとする。
そして、車体減速度決定手段150は、ABS制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合は、ABS制御の非実行輪の車輪減速度AWの最小値を車体減速度AVとして決定する。
また、車体減速度決定手段150は、ABS制御の非実行中である車輪3の数が0の場合、すなわち、すべての車輪3がABS制御実行中である場合には、増圧開始時の車輪速度VWから車体減速度AVを決定する。具体的には、図6に示すように、車両2が減速してABS制御が開始された場合(t1)、時刻t2における1回目の増圧開始時の車輪速度VWと、時刻t3における2回目の増圧開始時の車輪速度VWが分かっていれば、この2つの時刻における車輪速度VWの傾き(符号AV2で示した線の傾き)が車体減速度AVであると推定することができる。すなわち、2つの増圧開始時の車輪速度VWから車体減速度AVを決定することができる。
図3に戻り、車体減速度決定手段150は、決定した車体減速度AVをマスタシリンダ圧推定手段160に出力する。なお、上述の方法によって車体減速度AVを決定できない場合、例えば、ABS制御開始直後などにおいては、車体減速度決定手段150は、車体減速度AVを決定せず、決定しないことを示す信号をマスタシリンダ圧推定手段160に出力する。
マスタシリンダ圧推定手段160は、車体減速度決定手段150から出力された車体減速度AVに基づいて、入口弁13の上流液圧であるマスタシリンダ圧PMを推定する機能を有する。具体的には、マスタシリンダ圧推定手段160は、車体減速度AVに基づき、図5に示したマップを参照してマスタシリンダ圧PMを推定する。図5に示すマップは、車体減速度AVが大きい程、マスタシリンダ圧PMが大きい関係を有している。そして、マスタシリンダ圧推定手段160は、ABS制御の非実行輪が1つまたは2つの場合には、推定したマスタシリンダ圧PMの前回値と今回値のうち、大きい方を今回値とする。なお、車体減速度決定手段150が車体減速度AVを決定しない場合には、前回推定したマスタシリンダ圧PMをそのまま今回値として保持する。
弁駆動部170は、ABS制御手段130から出力された、減圧、増圧または保持の指示に従い、入口弁13および出口弁14に制御信号を出力する機能を有する。すなわち、前記したように、減圧状態にするには、入口弁13を閉じ、出口弁14を開き、増圧状態にするには、入口弁13を開き、出口弁14を閉じ、保持状態にするには、入口弁13、出口弁14を共に閉じるようにする。また、増圧時にホイールシリンダ圧PWを調整するには、入口弁13に流す電流を調整する。
記憶装置190は、上記の各制御のための各閾値やテーブル、推定値や計算値などを記憶している。
以上のように構成された車両用ブレーキ液圧制御装置1による制御について説明する。
図7に示すように、制御部100は、各車輪3の車輪速度VWを取得し(S101)、車輪速度VWに基づいて車体速度Vを推定する(S102)。そして、スリップ率算出手段120は、車体速度Vと各車輪速度VWに基づき、各車輪3のスリップ率SLを算出する(S103)。
次に、減速度算出手段140は、各車輪3の車輪減速度AWを算出する(S104)。そして、車体減速度決定手段150は、各車輪3の車輪減速度AWおよびABS制御実行状態に基づいて、車体減速度AVを決定する(S105)。この決定は、上述したように、図4で示したような、ABS制御の非実行輪の数に応じて決定する。これにより、車体減速度AVが決定できた場合には(S110,Yes)、マスタシリンダ圧推定手段160は、車体減速度AVから、図5のマップを参照して、マスタシリンダ圧PMを推定する(S111)。
そして、ABS制御非実行輪が1つまたは2つの場合(S112,Yes)、マスタシリンダ圧PMの前回値と今回値のうち、大きい方を今回値とする(S113)。ABS制御非実行輪が1つまたは2つでない場合には(S112,No)、今回推定したマスタシリンダ圧PMをそのまま保持する。
一方、車体減速度AVが決定できない場合には(S110,No)、マスタシリンダ圧推定手段160は、マスタシリンダ圧PMの前回値を、今回値として保持する(S115)。
そして、ABS制御手段130は、スリップ率SL、ホイールシリンダ圧PWおよびマスタシリンダ圧PMに基づき、ABS制御を必要に応じて実行する(S130)。このABS制御の実行の有無、および、減圧、保持、増圧などの制御は、各車輪3ごとに判断され、実行される。また、ABS制御手段130は、ABS制御の状況に応じてホイールシリンダ圧PWを推定する。
このように、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置1は、ABS制御が非実行中の3つ以上の車輪3の車輪減速度AWのうち、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度AWから車体減速度AVを決定する。
3つ以上の車輪減速度AWのうち、最も大きい車輪減速度AW(最も減速している車輪3の減速度)は、スリップ量が多いため、車体減速度AVの決定には望ましくなく、最も小さい車輪減速度AWは、微少なスリップから復帰する最中に例外的に現れた小さな値である可能性がある。例えば、図6における時刻t4のように、ABS制御に入らない程度の微少なスリップが発生した場合など、スリップが回復するときに、車輪減速度AWが非常に小さい値になることがある。このような状況において、最小の車輪減速度AWに基づいて車体減速度AVを決定すると、小さすぎる車体減速度AVによりマスタシリンダ圧PMを推定すると誤差が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態の車両用ブレーキ液圧制御装置1では、ABS制御が非実行中の3つ以上の車輪3の車輪減速度AWのうち、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度AWから車体減速度AVを決定するので、このような誤差を含む可能性がある車輪減速度AWを用いずに車体減速度AVを決定するので、比較的高い可能性で正確な車体減速度AVを推定でき、マスタシリンダ圧PMも正確に推定することができる。
そして、車両用ブレーキ液圧制御装置1は、ABS制御が非実行中の車輪3が4つ以上である場合には、ABS制御の非実行輪の車輪減速度AWの最大値と最小値を除く残りの2つの車輪減速度AWを平均するので、スリップの影響を小さくして、より正確な車体減速度AVを推定することができる。その結果、より正確なマスタシリンダ圧PMを推定することができる。
また、車両用ブレーキ液圧制御装置1は、ABS制御の非実行中である車輪3が1つまたは2つの場合においても、車輪減速度AWの最小値を車体減速度AVとして選択するので、比較的正確な車体減速度AVを推定することができ、比較的正確なマスタシリンダ圧PMを推定することができる。
さらに、車両用ブレーキ液圧制御装置1は、ABS制御の非実行中である車輪3が1つまたは2つの場合において、前回のマスタシリンダ圧PMの推定値と今回のマスタシリンダ圧PMの推定値の大きい方をマスタシリンダ圧PMとするので、精度の高いマスタシリンダ圧PMを推定することができる。また、マスタシリンダ圧PMを低く推定してしまうと、ABS制御の増圧時において、入口弁13の上下流の間の目標差圧を小さく見積もってしまう結果、必要以上に入口弁13を開いてしまい、増圧が過剰になるおそれがあるが、マスタシリンダ圧PMを大きい値に推定することで、必要以上に増圧することを抑制することができる。これにより、ABS制御が非実行中の車輪3が少ない場合においても、安定したABS制御を実現することができる。
以上に本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されることなく適宜変形して実施することができる。
前記実施形態では、ABS制御をスリップ率SLに基づいて行っていたが、車体速度Vと車輪速度VWの差であるスリップ量に基づいて制御してもよい。
また、前記実施形態では、4輪の自動車を例として説明したが、車両の車輪の数は特に限定されず、例えば、6輪の自動車において本発明を適用してもよい。
前記実施形態においては、ABS制御非実行輪が1つまたは2つの場合にマスタシリンダ圧PMの前回値と今回値の大きい方を今回値としていたが、必ずしもこのように大きい方のマスタシリンダ圧PMを選択しなくても構わない。
前記実施形態においては、ABS制御のみを実行する車両用ブレーキ液圧制御装置について説明したが、車両の姿勢制御なども実行する車両用ブレーキ液圧制御装置に本発明を適用してもよい。
1 入口弁
20 制御部
91 車輪速センサ
100 車両用ブレーキ液圧制御装置
130 アンチロックブレーキ制御手段
140 減速度算出手段
150 車体減速度決定手段
160 マスタシリンダ圧推定手段
190 記憶装置

Claims (5)

  1. 液圧源から複数の車輪ブレーキへの液圧路に介装された入口弁と、アンチロックブレーキ制御を実行可能な制御部とを有する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記制御部は、
    各車輪の車輪減速度を算出する減速度算出手段と、
    前記各車輪の前記車輪減速度に基づいて車体減速度を決定する車体減速度決定手段と、
    前記車体減速度から前記入口弁の上流液圧を推定する上流液圧推定手段とを備え、
    前記車体減速度決定手段は、少なくとも3つの車輪がアンチロックブレーキ制御の非実行中である場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の、最大値と最小値を除く残りの車輪減速度から前記車体減速度を決定することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
  2. 前記車体減速度決定手段は、少なくとも4つの車輪がアンチロックブレーキ制御の非実行中である場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最大値と最小値を除く残りの車輪減速度を平均することで前記車体減速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  3. 前記車体減速度決定手段は、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合において、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最小値を前記車体減速度として決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  4. 前記上流液圧推定手段は、アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合において、今回推定した上流液圧と前回推定した上流液圧のうち大きい方を今回の上流液圧として推定することを特徴とする請求項3に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
  5. 液圧源から複数の車輪ブレーキへの液圧路に介装された入口弁と、アンチロックブレーキ制御を実行可能な制御部とを有する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
    前記制御部は、
    各車輪の車輪減速度を算出する減速度算出手段と、
    前記各車輪の前記車輪減速度に基づいて車体減速度を決定する車体減速度決定手段と、
    前記車体減速度から前記入口弁の上流液圧を推定する上流液圧推定手段とを備え、
    アンチロックブレーキ制御の非実行中である車輪が1つまたは2つの場合において、前記車体減速度決定手段は、アンチロックブレーキ制御の非実行輪の車輪減速度の最小値を前記車体減速度として決定し、前記上流液圧推定手段は、今回推定した上流液圧と前回推定した上流液圧のうち大きい方を今回の上流液圧として推定することを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。
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