JPH08268253A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH08268253A
JPH08268253A JP7299695A JP7299695A JPH08268253A JP H08268253 A JPH08268253 A JP H08268253A JP 7299695 A JP7299695 A JP 7299695A JP 7299695 A JP7299695 A JP 7299695A JP H08268253 A JPH08268253 A JP H08268253A
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JP
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pressure
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master cylinder
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JP7299695A
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Michiki Araki
道樹 荒木
Hideaki Inoue
秀明 井上
Shinji Matsumoto
真次 松本
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 M/C圧を制御パラメータに用いABS制御
を行う還流型ABSで、液圧を推定しつつ制御をする場
合の推定精度を高め、制御精度を向上させる。 【構成】 リザーバ12に溜まったW/C5のブレーキ
油をくみ上げM/C3に還流させるモータ16駆動のポ
ンプ15、該モータに流れる電流値を測定するモータ電
流値検出手段21、その電流値を入力としてM/C圧推
定値を算出する推定M/C圧演算手段24を持つ。M/
C圧に対応した負荷のかかったモータ16の電流値を入
力として、M/C圧の推定を正確に行える。減圧と増圧
の制御の組み合わせの態様により制御時の制御量推定を
行うことで各周期ごとの液圧を推定しながら駆動パルス
のデューティ比を演算し、電磁弁に出力して減増圧制御
を行う場合、正確に推定されたM/C圧を用いると、W
/C圧の推定も正しく行うことが可能で、デューティ比
も適切に選択され、推定精度、制御精度が高まる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のアンチスキッド
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキ液圧制御により制動時の
車輪制動力を制御するアンチスキッド装置は、例えば雪
道や氷結路などでの車輪ロック回避に効果を発揮するも
のであるが、このような制御装置として、ホイールシリ
ンダのブレーキ液(ブレーキ油)を電磁弁の開成により
リザーバに導いて減圧し、そのリザーバからポンプ手段
によりくみあげて圧力源側液路(マスターシリンダ液
路)に返すようにするアンチスキッドアクチュエータを
用いる還流型のアンチスキッドシステム(ABS)によ
るものは、一般に知られている。このものでは、ABS
作動時、還流されるブレーキ液は、増減圧によるスキッ
ドサイクルでの増圧の用に供される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、本出願人は、制
動液圧を制御する技術として、先に、制御対象車輪のホ
イールシリンダ圧Pw/cを推定しつつ、必要な増減圧
制御を行わせようとするシステムを開発している。図
4、並びに図12により、その例を説明する。図4は、
後記でも参照するプログラムであるが、この例では、A
BS制御は、車輪速演算、車輪加速度演算、車体速推
定、目標増減圧量(ΔP* )演算、電磁弁駆動パルスデ
ューティ比演算、及び駆動パルス出力の各処理(ステッ
プS100〜S105)からなり、ここでは、図12に
示す処理は、車輪速センサによる信号から求められる車
輪速Vwと疑似車体速Viと車輪加速度Vwdに基づく
アンチスキッド制御の目標増減圧量ΔP* の算出処理
(ステップS103)に続く、その駆動パルスデューテ
ィ比演算ルーチン(ステップS104)として行うこと
ができる。
【0004】図12において、まず、ステップS200
aにてマスターシリンダ圧(M/C圧)を推定する。こ
れは、ブレーキスイッチのon信号にて、或る傾きでM
/C圧を立ち上げ、例えば最大M/C圧を16MPaと
し、最大M/C圧まで上昇するものとする。減速度など
に応じてM/C圧を修正するなどとしてもよい。次にス
テップS201aにてホイールシリンダ圧(W/C圧)
の推定を行う。後述する方法で算出された前回のパルス
デューティ比より、W/C圧を推定するものとする(次
のステップ以降参照)。そして、ステップS202a以
降でソレノイドバルブ駆動パルス・デューティ比を算出
する。簡単に説明を加えると、ここでは、ABSコント
ローラは、図12中ステップS202aに示すようなア
クチュエータモデル(増減圧特性)を持っており、これ
はステップS200a,S201aで導出した推定M/
C圧と現在の推定W/C圧から、デューティ制御される
アントレット弁(電磁弁)をDTDmsec(デューテ
ィ比DTD)開いたときの増減圧量ΔPを求めるもので
ある。例えばDTD=5msecの時の特性を基本アク
チュエータモデルとして持っておき、その時の減圧量Δ
Pdecと増圧量ΔPincをそれぞれ求め、例えばD
TD=10msecの時は減圧量を2倍、増圧量を40
/45倍として足しあわせるなどしてモデルの簡略化を
行い算出する。
【0005】次にステップS203aでは、現在のデュ
ーティ比が適切がどうかを判断する。まず、目標増減圧
量ΔP* と上記で求めた推定増減圧量との差であるΔP
n(つまりΔPn=ΔP−ΔP* )を計算する。そし
て、各デューティ比ごとのΔPnを算出し、それが最も
小さい時のデューティ比を最終的なものとして決定し、
ステップS105に進み、斯く決定したデューティ比に
よる駆動パルスを出力する。
【0006】しかして、このような液圧推定を伴うAB
S制御において、より正確な制御をしようとする上から
は、制御パラメータとして用いるM/C圧の推定が正確
なものとして行えるのが望ましい。推定M/C圧が不正
確であれば、この場合は、アクチュエータモデルから導
出される増減圧量も不正確となり、結果、最も適切なデ
ューティ比が選択されない場合が生じることにもなる
が、できるだけ実際のM/C圧の状態を反映し得て、正
確に推定されたM/C圧を用いると、それだけW/C圧
の推定も正しく行うことが可能となり、それによってデ
ューティ比も適切に選択されるようになり、従って、制
御精度を高め、W/C圧を正確に目標液圧に制御するこ
ともできる。
【0007】また、制動時のM/C圧の推定をするのに
あたり、推定車体速の変化量(加減速度)から推定M/
C圧を修正して推定精度を向上させようとするのは有効
な手段のひとつではある。しかるに、ABS作動中は、
M/C圧>W/C圧というように両圧が不一致となるこ
とから、制動時の路面状況あるいは急ブレーキかどうか
等のその制動場面で働くABS作動の内容いかんによっ
ては、かかる減速度などに応じたM/C圧の推定の修正
によっても精度の向上が充分なものといえない場合もあ
り、この点で対応性にも一定の限界があり、改善できる
余地はある。
【0008】本発明は、従って、マスターシリンダ圧を
制御パラメータに用いてアンチスキッド制御を実行する
制御装置であって還流型のアンチスキッド装置のもので
あれば容易に適用可能で、マスターシリンダ圧の推定精
度を高め、もって制御精度を向上させることのできるア
ンチスキッド制御装置を提供しようというものである。
他の目的は、液圧を推定しながらブレーキ液圧の制御を
する場合の液圧制御における推定精度を向上させ、正確
に推定された推定マスターシリンダ圧値を用いることで
制御対象車輪のホイールシリンダ圧の推定もより誤差の
少ない状態で正しく行え、制御対象車輪のホイールシリ
ンダ圧を正確に目標値に制御することのできる改良され
たアンチスキッド制御装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
アンチスキッド制御装置が提供される。即ち、運転者の
ブレーキペダル操作に応じて発生するマスターシリンダ
からの供給圧を元圧とするホイールシリンダ内のブレー
キ液をリザーバに導いて減圧し、そのリザーバに溜まっ
たブレーキ液を、モータにより駆動されるポンプにより
くみ上げて前記マスターシリンダ側の液路に還流させる
アンチスキッド装置と、前記モータに流れる電流値を検
出または推定するモータ電流値検出または推定手段と、
該手段により得られる電流値を入力としてマスターシリ
ンダ圧推定値を算出するマスターシリンダ圧推定手段と
を備えてなることを特徴とするアンチスキッド制御装置
である。
【0010】また、上記において、前記電流値が所定値
より小さいときは、前記マスターシリンダ圧推定手段に
よるマスターシリンダ圧推定値の算出を行わずに所定の
マスターシリンダ圧推定値に設定するようにしてなる、
ことを特徴とするアンチスキッド制御装置、及び前記モ
ータ電流値検出または推定手段により得られる電流値を
整流するフィルタ手段を備えてなる、ことを特徴とする
アンチスキッド制御装置である。また、制御対象車輪に
対し設けられる電磁弁に駆動パルスを出力してホイール
シリンダ圧の減圧及び増圧制御を行わせる駆動パルス出
力手段と、アンチスキッド制御の増減圧指令に対し、減
圧と増圧の制御の組み合わせの態様により制御時の制御
量推定を行うことで、各周期ごとの液圧を推定しながら
電磁弁駆動パルスのデューティ比を演算する駆動パルス
デューティ比演算手段とを備え、該駆動パルスデューテ
ィ比演算で用いる推定液圧値を、前記マスターシリンダ
圧推定手段による推定マスターシリンダ圧値を基に推定
するようにしてなる、ことを特徴とするアンチスキッド
制御装置である。
【0011】
【作用】上述した構成により、そのモータ電流値検出ま
たは推定手段、及びマスターシリンダ圧推定手段を有し
て、マスターシリンダ圧の実際値により適合させた推定
をし得て、マスターシリンダ圧に対応した負荷のかかっ
たモータの電流値を入力としてマスターシリンダ圧の推
定を正確に行うことを可能ならしめる。
【0012】また、電流値が所定値より小さいときは、
そのマスターシリンダ圧推定手段によるマスターシリン
ダ圧推定値の算出を行わずに所定のマスターシリンダ圧
推定値に設定するよう構成して、本発明は実施でき、同
様に上記のことを実現することを可能ならしめる。
【0013】また、モータ電流値検出または推定手段に
より得られる電流値を整流するフィルタ手段を備える構
成として、本発明は実施でき、同様に上記のことを実現
することを可能ならしめる。
【0014】また、制御対象車輪に対し設けられる電磁
弁に駆動パルスを出力してホイールシリンダ圧の減圧及
び増圧制御を行わせる駆動パルス出力手段と、アンチス
キッド制御の増減圧指令に対し、減圧と増圧の制御の組
み合わせの態様により制御時の制御量推定を行うこと
で、各周期ごとの液圧を推定しながら電磁弁駆動パルス
のデューティ比を演算する駆動パルスデューティ比演算
手段とを備え、該駆動パルスデューティ比演算で用いる
推定液圧値を、そのマスターシリンダ圧推定手段による
推定マスターシリンダ圧値を基に推定するようにして、
本発明は実施でき、同様に上記のことを実現することを
可能ならしめる。この場合は、上記に加え、その正確に
推定された推定マスターシリンダ圧値を用いることでホ
イールシリンダ圧の推定もより誤差の少ない状態で正し
く行うことを可能ならしめる。また、この場合におい
て、1チャンネル当り2個の2位置弁を有するタイプ
(3位置弁の場合は1チャンネル当り1個でよい)、1
チャンネル当り1個の2位置弁を有するタイプ等、それ
らのタイプに関係なく本発明は適用することが可能であ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は、本発明の一実施例を示す図である。ここで
は、説明を分かりやすくするため、還流型のABSシス
テムによる場合のポンプ機構、リザーバの構成要素部分
を中心に、車両の例えば前輪片輪分に係わるブレーキ圧
制御系の構成を図示している。
【0016】図中、1はブレーキぺダル1、2はブース
タ、3はマスターシリンダ(M/C)、4は制御対象車
輪、5はそのホイールシリンダ(W/C)をそれぞれ示
し、ここでは、ブレーキぺダル1の踏み込みによりマス
ターシリンダ圧(M/C圧)Pmを発生するマスターシ
リンダ3と車輪4のホイールシリンダ5との間に、図に
示すように、インレットバルブ(電磁弁)6、アウトレ
ットバルブ(電磁弁)7、リザーバ12、チェック弁
(インレットチェック弁,アウトレットチェック弁)1
0,11、及びモータ16駆動のポンプ15を要素とす
るABSアクチュエータを配してなるものである。図示
のマスターシリンダ3とホイールシリンダ5間のアンチ
スキッド油圧回路によるアンチスキッド装置は、マスタ
ーシリンダ3とホイールシリンダ5とを連係するブレー
キ系統によりブレーキ圧をホイールシリンダ5に伝え、
アンチスキッド制御時には、該ホイールシリンダ5のブ
レーキ液(ブレーキ油)をホイールシリンダ5から抜く
ようリザーバ12に導いて減圧し、そのリザーバ12に
溜まったブレーキ油をポンプ15により、上流側である
マスターシリンダ側(圧力源側)に戻しホイールシリン
ダ4の増圧にも使うようにすることができるものであ
り、そのブレーキ液圧(制動液圧)系は、次のように構
成する。
【0017】本ABSシステムは、ここでは、例えば4
チャンネルABSとし、ブレーキぺダル1の踏み込みに
応じた圧を発生するマスターシリンダ2からの前輪(フ
ロント)ブレーキ系は、これを左右2系統とし、図がそ
の1系統である。マスターシリンダ出力ポートからのマ
スターシリンダ液路を図示のようにノーマルオープン
(常開)のインレットバルブ6に接続し、そのバルブ6
からはホイールシリンダ側の液路を経て車輪4(ここで
は、前輪左右のいずれかを表す)のホイールシリンダ5
に至らしめる。ホイールシリンダ5のそのホイールシリ
ンダ液路は、図示の如く途中から分岐し、その分岐液路
をノーマルクローズ(常閉)のアウトレットバルブ7を
介してリサーバ12に接続する。該リサーバ12から
は、図示のようにポンプ15が接続されるチェック弁1
1,10を通して、図のインレットバルブ6の上流側の
マスターシリンダ液路(マスターシリンダ3とインレッ
トバルブ6との間の液路)につなげてある。
【0018】上記アウトレットバルブ7は、ホイールシ
リンダ5のブレーキ油をリサーバ12に導いてホイール
シリンダ圧力を減圧する減圧電磁弁であり、インレット
バルブ6は、マスターシリンダ3のブレーキ油をホイー
ルシリンダ5に導いてホイールシリンダ圧力を増圧する
増圧電磁弁である。各バルブ6,7は、ここでは、それ
ぞれON・OFF制御の2位置電磁弁(ソレノイドバル
ブ)であり、それらの切り換えをもって、そのブレーキ
液圧(ホイールシリンダ液圧)を制御してその増減圧を
行わせることが可能である。
【0019】インレットバルブ6はそのソレノイドへの
非通電のOFF時図示の開位置に、また、アウトレット
バルブ7はソレノイドへの非通電のOFF時図示の閉位
置にあって、かかる状態では、ホイールシリンダ5にマ
スターシリンダ3からの液圧を供給される時、ブレーキ
液圧を元圧であるマスターシリンダ液圧に向け増圧し、
車輪4は制動される。インレットバルブ6を閉位置に切
り換え、アウトレットバルブ7をONさせて閉位置から
開位置へと切り換えるときは、ホイールシリンダ5のブ
レーキ液圧をリザーバ12へ逃がして低下させる減圧状
態となる。ホイールシリンダ5からの減圧によってリザ
ーバ12に溜まったブレーキ油は、モータ16によって
駆動されるポンプ15によりくみ上げてマスターシリン
ダ側液路に還流させるようチェック弁10を通してイン
レットバルブ6の上流に戻される。
【0020】前片輪分のブレーキ液圧系統は、このよう
に構成され、前輪の他の片輪側のブレーキ液圧系統も、
同様の配置接続の構成要素を含んで構成され、前2輪の
ブレーキ液圧を個々に制御できる。ここに、例えば、リ
ザーバ12とチェック弁11,10とポンプ15のリタ
ーン路は、前2輪に共通のものとなして、不図示の前輪
の他方輪側の減圧用アウトレットバルブは該前輪用リザ
ーバ12へ接続する構成とできる。なお、後輪(リア)
側ブレーキ系も、4チャンネルABSの場合は、上述し
た前輪側ブレーキ系と同様の構成要素の配置、接続をも
って構成でき、また、その場合において、モータ16
は、その前2輪共通のポンプ15及び後2輪共通のポン
プの両者に共通のポンプ駆動モータとすることができ
る。
【0021】アンチスキッド装置の各チャンネルのバル
ブ6,7、及びポンプ駆動モータ16は、コントローラ
100の出力信号によって制御され、コントローラ10
には、車輪4の車輪速を検出する車輪速センサ31から
の信号を入力する(4チャンネル4センサ方式のABS
の場合は、他チャンネルの3輪に設けられた各車輪速セ
ンサからの車輪速信号も入力する)。また、コントロー
ラ100には、ブレーキスイッチ(SW)35からの信
号等も入力される。コントローラ100による制御系
は、入力検出部と、演算処理部と、該演算処理部で実行
されるアンチスキッド等の制御プログラム(図4等)、
並びに演算結果等を格納する記憶部と、バルブ6,7に
駆動パルス制御信号を出力し、及びモータ16への駆動
電流の供給を行う出力部等とを含んでなる。
【0022】コントローラ100は、入力情報を基に、
該当チャンネルのバルブ6,7の開閉を制御して制動時
のブレーキ液の減増圧制御によるABS制御を実行す
る。4チャンネル4センサ方式のABS制御の場合は、
基本的には、前後左右4輪の各チャンネルごとの車輪速
センサから車輪速情報を得、車輪速より車体速度を推定
し、車輪加速度を用いる場合にあっては更に各輪ごと車
輪速より車輪加速度をも算出し、かかる車輪速、車輪加
速度、車体速度より目標の増減圧量を求め、対応車輪の
ホイールシリンダ液圧を制御することで、制動時の車輪
ロックを回避する制御を行うことができる。
【0023】更には、コントローラ100は、ここで
は、その演算処理部において該当チャンネルのバルブ駆
動のためのソレノイドバルブ駆動パルスのデューティ比
を演算する処理を実行し、デューティ制御を行うように
する。その場合において、アンチスキッド制御の増減圧
指令に対し、ホイールシリンダ圧の増圧と減圧の制御の
組み合わせの態様により制御時の制御量推定を行うこと
で各周期ごとの液圧を推定しながらその駆動パルスのデ
ューティ比を演算するが、該駆動パルスデューティ比演
算にあたり、圧力センサを用いず、ホイールシリンダ圧
の元圧となるマスターシリンダ圧の正確な推定をも行
い、制御対象車輪のホイールシリンダ圧をよりきめ細か
く目標値とおりに制御するよう、ポンプ駆動モータ16
に流れる電流を利用してマスターシリンダ圧の推定をな
すマスターシリンダ圧推定処理をも行う。
【0024】かかるマスターシリンダ圧推定のため、基
本的には、ポンプ駆動モータに対して更に当該モータに
流れる電流値を検出または推定する手段を付加し、その
電流値を入力としてマスターシリンダ圧推定値を算出す
る演算手段を付加する。ここでは、図1に示すように、
ホイールシリンダ5から抜いたブレーキ油を溜めるリバ
ーバ12、該リザーバ12に溜まったブレーキ油をくみ
上げマスターシリンダ3側液路に還流させるポンプ1
5、該ポンプ15を駆動させるモータ16のほか、モー
タ16に流れる電流値を測定するモータ電流値検出手段
21と、その電流値を入力としてM/C圧推定値を算出
する推定M/C圧演算手段24とを設け、好ましくは、
更に、A/D変換手段22、フィルタ23を備える構成
とする。好ましくはまた、その電流値が所定値以下のと
きは、判断を行わずに或る指定値を与えるロジックを備
える。モータ電流値検出手段21はモータ16を流れる
電流値を読み取り、それをA/D変換手段22によりデ
ジタル値に直した後、フィルタ23により整流された電
流値を入力として推定M/C圧演算手段24によってM
/C圧推定値を算出する。モータ電流値を基にM/C圧
推定値を得るためのそれらA/D変換、フィルタ及び推
定M/C圧演算の機能については、具体的には、コント
ローラ100の入力検出部、演算処理部分に含めて構成
でき、それらを含んで全体としてABSコントロール装
置を構成することができる。
【0025】図2,3は、本実施例に従うM/C圧推定
の機能、動作等の原理説明に供するものであり、このう
ち、図2は、ブレーキを踏んで、ABSが作動した時の
M/C圧、ホイールシリンダ圧(W/C圧)と上記ポン
プ駆動モータ16に流れる電流の大きさの値等を時系列
で表したタイミングチャートの一例である。
【0026】同図(a)はM/C圧Pm及びW/C圧P
w/cの実圧の変化推移を、また(b)はリザーバ12
のシリンダピストンのリザーバストロークの推移を、ま
た(c)はモータ16の電流の変化をそれぞれ表す。こ
こで、モータ16に流れる電流に着目すると、モータ1
6に流れる電流は、ブレーキ油をかきだしているとき
は、M/C圧のかかっているチェック弁10の負荷に対
してブレーキ油を還流させなければならないので、モー
タ16にかかる負荷も大きくなり、その時の電流値Im
otは大きくなる。また、リザーバ12が空で、かきだ
すブレーキ油がないときは、モータ16は負荷を受けず
に空回りをすることになるため、その時の電流値は、I
mot(int)(Imot(int)<Imot;I
mot(int)=負荷を受けないときの電流値)とな
る。
【0027】このように、ブレーキ油をかきだしている
ときのM/C圧とポンプ駆動モータ16に流れる電流と
は、基本的に比例関係にあり、
【数1】 推定M/C圧=f(Imot,モータ抵抗値) ・・・1 の算出式で求められる。ここに、この対応式が複雑で非
線形性が強いようならば、事前の実験により、Imot
と推定M/C圧との対応マップを作成して持っておいて
もよい。図3はその関係の一例を表したものであり、縦
軸がモータ電流I〔A〕、横軸がM/C圧〔MPa〕を
示している。以上のように、本例では、M/C圧に対応
した負荷のかかったモータ16の電流値をM/C圧推定
に利用するものであり、そうしたポンプ駆動モータ16
の電流値を入力としてM/C圧の推定を正確に行うよう
にすることを基本とするものである。
【0028】また、本システムは、リザーバ12からポ
ンプ15によってブレーキ油を還流させているため、M
/C圧には圧変動がのってしまう。よって、モータ電流
検出値にフィルタをかけ変動幅を或る範囲内に制限し、
その値をもとに式1からM/C圧を算出する。このた
め、図1に示すように、フィルタ23を用いるようにす
るのがよく、そのようにするときは、モータ駆動のポン
プによる還流型ABSの場合でも、そのブレーキ油の還
流による圧変動の影響をも抑制して、その分更に適切
な、モータ電流値を利用したM/C圧推定が実現され
る。
【0029】図2に示す例において、実圧(図(a))
とそれに対するモータ電流値(図(c))との関係につ
いて、図に従い簡単に説明すると、次のようになる。ま
ず、ブレーキぺダル1を踏んでM/C圧(=W/C圧)
が立ち上がりABSが作動開始するまでの区間Aでは、
リザーバ12は空であるから、Imot=Imot(i
nt)を示す。この時の推定M/C圧は、定常的にはM
/C圧=W/C圧の関係が成り立つため(図(a))、
所定時間の推定車体速変化量よりM/C圧を推定するこ
とは可能である。
【0030】ここで、図中時刻においてABSが作動
開始し、アウトレットバルブの開弁による減圧が行われ
ると、ボンプ15はブレーキ油をくみ上げ、Imotは
M/C圧の増加に伴って増加していき、その絶対圧に対
応した値を示すようになる(図(a),(c))。図中
の区間Bは、このImotにより上記1式から推定M/
C圧を算出する。このように、M/C圧に対応した負荷
のかかったモータ16の電流値を用いると、実際のM/
C圧の大きさ(実圧)を適切に反映させることができ、
たとえABS作動中のドライバーによるブレーキぺダル
1の更なる踏み込みがあったような場合でも対応でき、
それによるM/C圧の上昇変化にも、区間Bの如くに、
その得られる算出推定M/C圧値は実M/C圧を反映し
て示すものとなることが分かる。
【0031】しかして、一旦リザーバ12が空になりポ
ンプ15が空回りをするようになると、再びImot<
Imot(int)となり、M/C圧を推定することが
できなくなる(区間C)。しかし、そうした場合でも、
次にようにすればよい。即ちこの時は、リザーバ12が
空になる直前の図中時刻におけるImotをImot
≧Imot(int)となるまで保持して与えておくこ
とにする。これによって、M/C圧推定に使う実際のモ
ータ電流値がたとえ一時低い値を示しても、その影響を
も避けて適切な推定M/C圧値を得ることができ、この
点でも、M/C圧の推定が正確なものとなる。このよう
にして、M/C圧の推定を正確に行うことができ、正確
に推定されたM/C圧値を用いると、M/C圧を制御パ
ラメータとして使用するABS制御では、それだけ誤差
の少ない制御精度の高い制御を行わせることができる。
【0032】以上の推定M/C圧演算ロジックの一例の
フローチャートを示したものが図7であり、ここでは、
これは、図4のアンチスキッド制御プログラムにおける
ソレノイドバルブ駆動パルス・デューティ比演算処理と
しての図5,6に示すルーチン中の推定M/C圧演算処
理(ステップS200)に好適に用いることができる。
以下、コントローラ100により実行される、かかる推
定M/C圧演算処理を含むアンチスキッド制御の内容に
つき図4以下を参照して説明する。
【0033】図4〜7のプログラムの処理は、図示せざ
るオペレーティングシステムで一定時間毎の定時割り込
みによって遂行される。また、図8,9は、それぞれ増
圧量推定、減圧量推定のため用いるアクチュエータモデ
ルの一例を示す特性図であり、その特性データについて
は、コントローラ100の記憶部に予め格納しておくこ
とができる。また、図10,11は、制御内容の説明に
供する図である。
【0034】以下、これらの図も参照して説明するに、
図4のABS制御プログラムにおいて、まず、ステップ
S100では、各輪の車輪速センサ31からの信号に基
づき、各車輪速Vwi(i=1〜4)を読み込む。次
に、ステップS101において車輪速Vwiより車輪加
速度Vwdを算出する。本例では、例えば30msec
間の速度差から求めることにする。
【0035】ステップS102では、疑似車体速Viを
算出する(車体速推定)。本例では、通常のABSで用
いられる方法でViを算出することにする。即ち、ここ
では、各輪の車輪速Vwにフィルタをかけ、より車体速
度に近い値Vwfi(i=1〜4)を各輪で算出し、制
動時/非制動時などの条件により、各Vwfiから最も
大きいものを選択するなどして最も車体速度に近いVw
f(車体速中間値と呼ぶ)を算出し、更にこのVwfを
もとに疑似車体速度Viを求めこととする。
【0036】次に、ステップS103にて、各輪ごと、
目標増減圧量ΔP* を算出する。本実施例では、アンチ
スキッド制御を以下のようなPD制御とする。簡単に説
明すると、上記ステップS100〜S103で得られた
各輪の車輪速Vwと疑似車体速Viと車輪加速度Vwd
より、次式2に従って目標増減圧量ΔP* を算出する。
【数2】 ΔP* =kp×(Vw* −Vw)+kd×(Vwd* −Vwd)・・・2
【0037】ここに、kp,kdは、それぞれ制御ゲイ
ン(比例制御ゲイン,微分制御ゲイン)であり、走行状
態に応じて変更される。また、Vw* は、車輪速の目標
値であり、例えばVw* =Vi×α(αは目標スリップ
率)などで求める。また、Vwd* は、車輪加速度の目
標値であり、例えばVwd* =1.2g+β(βは路面
μ判断により変更される)などとして求める。
【0038】そして、上述の如くに目標増減圧量ΔP*
を演算したら、該算出値ΔP* を用い(図6ステップS
209参照)、次のステップS104において、駆動パ
ルス出力処理(ステップS105)のため、ソレノイド
バルブ駆動パルス・デューティ比を演算し、これに基づ
き、ステップS105実行ごと駆動パルスを出力するこ
とによりデューティ制御を実行する。上記ソレノイドバ
ルブ駆動パルス・デューティ比演算ルーチンの一例を示
したたものが、図5,6である。本実施例では、常に増
圧した後減圧することで該当チャンネルのW/C圧を制
御するものとする。
【0039】図5において、まず、ステップS200に
てM/C圧を推定する。これによる推定M/C圧演算処
理の内容の一例が先に触れた図7のフローチャートによ
るロジックである(なお、この図7の推定M/C圧演算
ロジックは、前記図12の比較例でいえば、そのステッ
プS200aの処理にあたる)。図7において、まず、
ステップS300でブレーキスイッチ(SW)35のオ
ン/オフを判断する。もし、オフならばM/C圧=0と
なるが、ブレーキSW35が故障した場合、常時M/C
圧=0となってしまうので、ここではステップS310
において或る一定圧γ〔MPa〕を推定M/C圧値とし
て与えることとし(図2(a)参照)、本ルーチンを終
了することにする。こうして、かかる値をその場合の推
定M/C圧値の指定値として与えることができる。
【0040】これに対し、ブレーキSW35がオンなら
ばステップS301に進み、更にABSの作動/非作動
(オン/オフ)を判断する。そして、ABS非作動な
ら、既述のようにM/C圧=W/C圧であることから、
車体減速度(前記推定車体速Viの変化量)をもとに推
定M/C圧値を算出し(ステップS311)、本ルーチ
ンを終了する一方、ABS作動中ならば、ここでは、そ
の推定が不十分もしくは不可能となることとみて、ステ
ップS302の処理に進む。
【0041】ステップS302に進むと、ここでは、モ
ータ電流値検出手段21で監視し取り込まれるモータ電
流検出値を基に得られる電流値につき、前述した値Im
ot(int)との比較を行い、Imot<Imot
(int)かどうかをみる。即ち、ポンプ駆動モータ1
6のモータ電流Imotが負荷のかかっていないImo
t(int)値以下か否かを判断する。しかして、Im
ot<Imot(int)の場合は、前述したように、
ポンプ15がブレーキ油をかきだしていないためM/C
圧を推定できないことから、その直前の時刻(図2参
照)におけるImotを保持して与えることとして、ス
テップS312により、推定M/C圧値=一定値に設定
して、本ルーチンを終了する。こうして、かかるABS
作動中も、Imot<Imot(int)が成立する期
間(図2期間C)の間は、ステップS313による電流
値に応じた推定M/C圧値の算出処理(=f(Imo
t,抵抗値))はこれを行わずに、その期間の直前にス
テップS313で得られていた推定M/C圧値をその期
間中の推定M/C圧値の指定値として与え、これを継続
して制御に適用させていくことができる。
【0042】上記に対し、Imot≧Imot(in
t)の場合は、ステップS313へ進み、本ステップに
おいて前記式1よりImotにリニアな推定M/C圧を
算出し、本算出ルーチンを終了する。これにより、AB
S作動時、M/C圧に対応した負荷のかかったモータ1
6の電流値を基に正確な推定M/C圧値を得る。
【0043】図5に戻り、次のステップS201にてW
/C圧(Pw/ci)の推定を行う。本実施例では、後
述する方法で算出された前回のパルスデューティ比よ
り、W/C圧を推定するものとする(次のステップ以降
参照)。
【0044】そして、ステップS202以降でソレノイ
ドバルブ駆動パルス・デューティ比を算出する。まず、
ステップS202でパルス・デューティ比DTの初期値
を設定する。本プログラム例では、DT=0とする。な
お、DTは、ここでは、パルス出力周期T、例えばT=
50msec中のアウトレットバルブを閉じている時間
を表し、例えば、DT=10msecなどとして定義す
る。よって、この場合は、上記初期値のとき、つまり、
DT=0の場合はフル減圧(T=50msecの全期
間、開位置をとる)ということになる。また、DT≠0
のとき、例えばDT=10msecの場合なら、これ
は、上記周期T=50msec中、10msecの間は
アウトレットバルブは閉位置をとり、40msecの間
は開位置をとることを意味することになる。
【0045】次に、ステップS203では、値DTが0
か否かを判断する。ここで、DT=0の場合は、上記の
ようにフル減圧なので、本プログラム例では、ステップ
S204に進み、増圧量ゼロ、即ちΔPinc=0とす
る。しかして、ステップS206へ処理を進める。これ
に対し、DT≠0の場合は、増圧も行うのでステップS
205に進み、増圧量の推定を行う。
【0046】この処理内容は、次のようである。即ち、
ステップS205では、例えば図8のようなアクチュエ
ータモデル(特性)により、M/C圧と現在のW/C圧
とデューティ比DTより増圧量ΔPincを算出する。
かかる値ΔPincは、次のステップS206、及び後
述のステップS209での演算に適用されるものである
が、本例では、例えばDT=5msecの時の特性を基
本として、そのアクチュエータモデル(特性)を持ち、
M/C圧と現在のW/C圧よりDT=5msecの時の
増圧量ΔPincを算出し、例えばDT=10msec
の時は、その2倍とするなどしてモデルの簡略化を行っ
ている。
【0047】次にステップS206では、W/C圧Pw
/ciとステップS205にて推定された増圧量ΔPi
ncとから増圧後のW/C圧Pw/ciM(推定中間値
と呼ぶ)を推定する。つまり、
【数3】 増圧後のW/C圧Pw/ciM=Pw/ci+ΔPinc ・・・3 より増圧後のW/C圧を算出する。
【0048】次に、ステップS207では、次式4よ
り、パルス出力周期Tからデューティ比DTを減算する
ことにより、減圧時間DTDを算出する。
【数4】DTD=T−DT ・・・4
【0049】そして、ステップS208にて減圧量の推
定を行う。本実施例では、例えば図9のようなアクチュ
エータモデル(特性)により、ステップS206で推定
した推定中間値Pw/ciMと上記で求めた減圧時間D
TDより減圧量ΔPdecを算出する。算出値ΔPde
cは、前記増圧量ΔPincとともに、次のステップS
209での演算に適用される。ここに、図9の如く、減
圧側も増圧側(ステップS205,図8)と同じく、例
えば減圧時間DTD=5msecの時の特性を基本とし
て、例えばDTD=10msecの時は、その2倍とす
るなどしてモデルの簡略化を行うことができる。
【0050】しかして、上述のようにして推定増圧量と
推定減圧量を得たら、次のステップS209以降(図
6)では、現在のデューティ比DTが適切かどうかを判
断する。まず、ステップS209では、前記ステップS
103(図4)で算出の目標増減圧量ΔP* と、上記ス
テップS205,S208でそれぞれ求めた推定増圧量
ΔPincと推定減圧量ΔPdecとのトータルの変化
量(つまりΔPinc+ΔPdec)との差であるΔP
nを、
【数5】 ΔPn=ΔP* −(ΔPinc+ΔPdec) ・・・5 により計算する。
【0051】次いでステップS210では、この差値Δ
Pnの正負を判断する。かかる判断の結果、ΔPn≦0
が成立しないとき、つまり、ΔPnが正の場合は、現在
のデューティ比DTでは目標の増減圧量まで増減圧され
ていない(減圧分が多い)ことになるため、ステップS
211に進み、更に、DT<Tか否かをチェックする。
その結果、DT<Tであったなら、つまり、増圧時間が
パルス出力周期Tに達しておらず、まだ増圧分を増やせ
る状態ならば、ステップS212に進み、デューティ比
をインクリメントして前記ステップS203(図5)の
上流に戻し、こうしてインクリメントした後の当該デュ
ーティ比を適用して、前述した処理に従い、もう一度推
定し直す。この場合、ステップS203→S205→S
206→S207→S208→S209という処理が繰
り返えされ、その過程で、ステップS210、及び該当
するときは更にステップS211の判別が行われること
となる。
【0052】なお、ここで、ステップS212では、1
だけインクリメント(DT=DT+1)しているが、ス
テップS205で適用するアクチュエータモデル(特
性)の基本をDT=5msec(図8)とした場合に
は、当該インクリメント処理では5インクリメントする
ようにする(この点については、後述のステップS21
4でデクリメント処理の場合に関しても同様である)。
【0053】こうして、DT<TならばDTのインクリ
メントをする。DT=Tならば、これ以上DTは大きく
できないので、DT=Tに決定される。このようにして
本演算ルーチンを終了する場合は、ステップS105
(図4)では、これに従い、周期T=50msecの全
期間にわたりアウトレットバルブが閉位置をとるよう、
その駆動パルス出力の態様を設定して出力処理を実行す
ることになる。
【0054】ステップS209で前記差値ΔPnが演算
されてステップS210へと進む場合において、逆にΔ
Pnが負またはゼロの場合は、現在のデューティで十分
に目標の増減圧量が可能であると判断できるために、ス
テップS213以下へ処理を進めて本演算ルーチンを終
了するものである。
【0055】本プログラム例では、一つ前のΔPn−1
値(目標増減圧量ΔP* と上で求めた推定増圧量ΔPi
ncと推定減圧量ΔPdecとのトータル変化量との
差)と、現在のΔPn(今回値)を比較して、小さいほ
うを選択する。つまり、ステップS203で|ΔPn|
≧|ΔPn−1|の場合は、前回のデューティ比を選択
するように、ステップS214にて値DTをデクリメン
トする。このようにすると、アンチスキッド制御に必要
な目標量ΔP* (ステップS103)に対し、前記式5
による差値として、|ΔPn|≧|ΔPn−1|となる
ために一つ前のデューティ比を選択した方が、目標量Δ
* に近い値に制御できるからである。よって、こうし
てデューティ比DTが設定されるときは、デクリメント
処理が行われることから、一つ前のデューティ比に相当
するパルスデューティ比DTがステップS105(図
4)の処理に適用され、結果、それに従った駆動パルス
が出力されてデューティ制御が実行されることとなり、
アンチスキッド制御において目標量ΔP* に合わせた液
圧制御が行われる。
【0056】逆に、|ΔPn|<|ΔPn−1|の場合
(これは、上記とは逆に、式5により演算される差値
は、今回演算値の方が小さくなることを意味する)は、
パルスデューティ比DTとしては、一つ前の前回デュー
ティ比相当にものに設定するよりも、今回のデューティ
比でデューティ制御した方が、目標量ΔP* に近い値に
制御できることから、今回デューティ比を選択するため
にステップS214のデクリメントは行わずに、本ルー
チンを終了し、図4のステップS105の処理に進み、
駆動パルスを出力して、ステップS100〜ステップS
105の制御を終了するものである。この場合も、上記
のようにして、目標により近い値に制御できるパルスデ
ューティ比DTが設定され、これが駆動パルス出力処理
に適用される結果、適切なデューティ制御が実行される
こととなり、アンチスキッド制御において目標量ΔP *
に合わせた液圧制御を行うことができる。
【0057】図10に、デューティ制御を行った場合の
一例を示す。説明するに、今、現在のW/C圧をPw/
co、現在の時刻をtoとする。DT=0の時は(この
時をn=0とする)、周期Tの間、時刻t+Tまで減圧
しつづける。この場合、目標増減圧量ΔP* と推定増圧
量ΔPincと推定減圧量ΔPdecとのトータル変化
量との差ΔPnは、ΔPo=ΔP* −ΔPdec(o)
となり、ΔPo>0でDT<Tのため(図6、ステップ
S210,211)、DTをインクリメント(同ステッ
プS212)して再度推定をやり直す。これを繰り返
し、例えばDT=n−1の時は、まず、増圧量ΔPin
c(n−1)を推定し、推定中間値Pw/cMn−1を
算出し、ΔPn−1を求める。この時、推定される最終
的なW/C圧をPw/cn−1とする。この時も、ΔP
n−1>0でDT<Tのため、更に推定をやり直す。次
のDT=nの時も、同様に、Pw/cMn、ΔPnを求
める。この時は、はじめてΔPn≧0となり、既述のと
おり、次のステップ(同ステップS213)で、DT=
nの場合の|ΔPn|とDT=n−1の場合の|ΔPn
−1|の大きさを比較し、どちらを選べばより目標に近
い値に制御できるか判断する。図の例の場合は、図に示
すように、|ΔPn|≦|ΔPn−1|のため、DT=
nが選択される。この場合、デューティ制御は、前述の
ようにその選択に従って実行されることになる。
【0058】本実施例においては、上述のようにしてA
BS制御の増減圧指令に対し液圧を推定しながら液圧制
御が行われるものであり、以上のPD制御を用いると、
増減圧量を直接制御量にしていることから制御の自由度
が大きくなるという利点がある。また、或るW/C圧か
ら電磁弁を作動させたときの増減圧量をマップとして持
っているため、例えば図11に示す増減圧の非線形性を
再現することも可能となる(同図は、同じΔt期間に相
当する制御量でもその変化はΔP1,ΔP2のように異
なって非線形性を呈することを表している)。
【0059】更に、図7の推定M/C圧値演算に従いよ
り正確に推定して得られる推定M/C圧値が駆動パルス
デューティ比演算に適用される結果、W/C圧の推定も
正しく行えてデューティ比選択も適切なものとなり最適
なデューティ比を適用することができる。上述のような
PD制御を用いるアンチスキッド制御の場合、M/C圧
の推定につき、単に、ブレーキSWのオンで或る傾きで
M/C圧を立ち上げ最大M/C圧まで上昇するといった
ような手法のものだけにとどまると、その圧推定におい
てABS非作動時に推定車体速の変化量からM/C圧を
推定するといったことは可能であるが、ABS作動中は
M/C圧>W/C圧と両圧が不一致となることから、減
速度からの判断も不十分あるいは場合によっては不可能
となり、最終的な推定M/C圧は、始めから与えられた
或る一定値に落ちつくことしかできず、推定M/C圧が
不正確であると既述のようなアクチュエータモデル(図
8,9)から導出される増減圧量も不正確となり、最も
適切なデューティ比が選択されない場合があるのに対
し、本実施例によれば、このような点も改善できるもの
である。本実施例にあっては、前述のとおりM/C圧に
対応した負荷のかかったモータ16の電流値を入力とし
て、M/C圧の推定を正確にに行うことができるのであ
り、正確に推定されたM/C圧を用いると、W/C圧の
推定も正しく行うことが可能となり、それによってデュ
ーティ比も適切に選択されるようになる。従って、本発
明に従うM/C圧の推定は、例えば前記の図4以降で示
したようなABS制御の場合に適用して特に効果的なも
のとなる。
【0060】なお、本発明は、以上の実施例に限定され
るものではない。例えば、上記では、アンチスキッド装
置として、4チャンネルABSを例に説明したが、4チ
ャンネルに限らず、その他、前輪を個々に制御し後2輪
を共通に制御する3チャンネルABSその他のものの場
合にも適用できることはいうまでもない。
【0061】また、例えば、上記例では、アンチスキッ
ド制御の増減圧指令に対し、増圧と減圧の制御の組み合
わせにより制御時の制御量推定を行う場合に、増圧時の
増圧量の推定後に減圧時の減圧量の推定を行うものであ
ったが、これとは逆に、減圧時の減圧量の推定後にその
後の増圧時の増圧量の推定を行う態様でもよい。
【0062】また、例えば、アクチュエータの構成につ
いても、インレットバルブ及びアウトレットバルブによ
る図1図示の構造のものに限られるものではないことも
いうまでもない。アンチスキッド装置の普及に伴い、よ
り廉価なシステムが望まれているが、そのような状況の
中、1チャンネル当り2個の2位置弁を持つタイプ(3
位置弁の場合は、1チャンネル当り1個でよいタイプの
ものとなる)に対し、更に、例えば1チャンネル当り1
個の2位置弁を持つタイプのものも提案されており、こ
の種のタイプではいわゆる2モードABSが実現され
る。本発明は、上記ABSのタイプに関係なく適用する
ことが可能なものである。従って、本発明は、マスター
シリンダ圧を制御パラメータに用いてアンチスキッド制
御を実行するABS制御装置に広く適用可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、マスターシリンダ圧の
実際値により適合させた推定をし得て、マスターシリン
ダ圧に対応した負荷のかかったモータの電流値を入力と
してマスターシリンダ圧の推定を正確に行え、マスター
シリンダ圧を制御パラメータに用いる還流型のアンチス
キッド制御装置の液圧制御に適用して容易に推定精度を
高め、制御精度を向上させることが可能である。
【0064】また、請求項2の如く、電流値が所定値よ
り小さいときは、そのマスターシリンダ圧推定手段によ
るマスターシリンダ圧推定値の算出を行わずに所定のマ
スターシリンダ圧推定値に設定するよう構成すると、こ
の場合は、上記に加え、例えば、アンチスキッド制御作
動中でも、リザーバが空でかきだすブレーキ液がないよ
うな場合においてマスターシリンダ圧推定に使うそのモ
ータ電流値が負荷を受けないときのものとなってたとえ
一時的に低い値を示すようなことがあっても、その影響
をも回避しつつ、モータ電流値を利用する本発明に従う
マスターシリンダ圧の推定を行うことが可能となる。
【0065】また、請求項3の如く、モータ電流値検出
または推定手段により得られる電流値を整流するフィル
タ手段を備える構成とすると、この場合は、上記に加
え、適用するシステムがリザーバからポンプによってブ
レーキ液を還流させるものであることから、マスターシ
リンダ圧には圧変動がのってしまう場合があることをも
考慮した構成をも達成し得て、モータ電流検出値にフィ
ルタをかけ変動幅を或る範囲内に制限し、その値をもと
に推定マスターシリンダ圧を算出するようにして、より
効果的なものにすることを可能ならしめる。
【0066】また、請求項4の場合は、上記に加え、正
確に推定された推定マスターシリンダ圧値を用いること
でホイールシリンダ圧の推定もより誤差の少ない状態で
正しく行え、それによってデューティ比も適切に選択さ
れるようになり、制御対象車輪のホイールシリンダ圧の
正確に目標値に制御することのできる改良されたアンチ
スキッド制御を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の一実施例を
示すもので、主としてポンプ機構、リザーバ部分を中心
に一輪(前片輪)のみの系に係わるブレーキ系統の構成
を示す図である。
【図2】同例でのブレーキング時におけるABSが作動
したときのマスターシリンダ圧、ホイールシリンダ圧と
ポンプ駆動モータに流れる電流等の様子の一例を時系列
で表す図である。
【図3】モータ電流とマスターシリンダ圧の関係の一例
を表す図である。
【図4】ABS制御プログラムの一例を示すフローチャ
ートである。
【図5】同プログラムにおけるソレノイドバルブ駆動パ
ルスデューティ比演算ルーチンの一例にして、その一部
を示すフローチャートである。
【図6】同じく、他の一部を示すフローチャートであ
る。
【図7】同ルーチンに適用できる、推定マスターシリン
ダ圧演算ロジックの一例のフローチャートを示す図であ
る。
【図8】同ルーチンに適用できる、増圧量推定のため用
いるアクチュエータモデルの一例を示す図である。
【図9】同じく、同ルーチンに適用できる、減圧量推定
のため用いるアクチュエータモデルの一例を示す図であ
る。
【図10】制御内容の説明に供する図である。
【図11】同じく、制御内容の説明に供する図である。
【図12】駆動パルスデューティ比演算ルーチンの基本
的な内容の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 ブースタ 3 マスターシリンダ 4 車輪 5 ホイールシリンダ 6 インレットバルブ(電磁弁) 7 インレットバルブ(電磁弁) 10 インレットチェック弁 11 アントレットチェック弁 12 リザーバ 15 ポンプ 16 モータ 21 モータ電流値検出手段 22 A/D変換手段 23 フィルタ 24 推定マスターシリンダ圧(M/C圧)演算手段 31 車輪速センサ 35 ブレーキスイッチ(SW) 100 コントローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のブレーキペダル操作に応じて発
    生するマスターシリンダからの供給圧を元圧とするホイ
    ールシリンダ内のブレーキ液をリザーバに導いて減圧
    し、そのリザーバに溜まったブレーキ液を、モータによ
    り駆動されるポンプによりくみ上げて前記マスターシリ
    ンダ側の液路に還流させるアンチスキッド装置と、 前記モータに流れる電流値を検出または推定するモータ
    電流値検出または推定手段と、 該手段により得られる電流値を入力としてマスターシリ
    ンダ圧推定値を算出するマスターシリンダ圧推定手段と
    を備えてなることを特徴とするアンチスキッド制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記電流値が所定値より小さいときは、
    前記マスターシリンダ圧推定手段によるマスターシリン
    ダ圧推定値の算出を行わずに所定のマスターシリンダ圧
    推定値に設定するようにしてなる、ことを特徴とする請
    求項1記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記モータ電流値検出または推定手段に
    より得られる電流値を整流するフィルタ手段を備えてな
    る、ことを特徴とする請求項1、または請求項2記載の
    アンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】 制御対象車輪に対し設けられる電磁弁に
    駆動パルスを出力してホイールシリンダ圧の減圧及び増
    圧制御を行わせる駆動パルス出力手段と、 アンチスキッド制御の増減圧指令に対し、減圧と増圧の
    制御の組み合わせの態様により制御時の制御量推定を行
    うことで、各周期ごとの液圧を推定しながら電磁弁駆動
    パルスのデューティ比を演算する駆動パルスデューティ
    比演算手段とを備え、 該駆動パルスデューティ比演算で用いる推定液圧値を、
    前記マスターシリンダ圧推定手段による推定マスターシ
    リンダ圧値を基に推定するようにしてなる、ことを特徴
    とする請求項1、請求項2、または請求項3記載のアン
    チスキッド制御装置。
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JP2016175579A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 オートリブ日信ブレーキシステムジャパン株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置
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CN109910020A (zh) * 2016-11-22 2019-06-21 北京航空航天大学 一种机器人液压驱动转动关节闭环控制系统

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