JP2016070234A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンチロックブレーキ制御中における駆動源ブレーキトルクの制御を良好に行うことを目的とする。
【解決手段】車両用制御装置(車両用ブレーキ液圧制御装置A)は、駆動源ブレーキトルクを制御する駆動源ブレーキトルク制御で用いるための車輪の駆動トルクのトルク増加量を設定するトルク増加量設定手段150と、車輪に加わるブレーキ圧を制御するアンチロックブレーキ制御を実行可能なアンチロックブレーキ制御手段160を備える。トルク増加量設定手段150は、駆動源ブレーキトルク制御が実行中で、かつ、アンチロックブレーキ制御が実行されていない場合に、少なくとも車輪のスリップ量に基づいてトルク増加量を設定する第1設定手段151と、駆動源ブレーキトルク制御とアンチロックブレーキ制御とがともに実行中である場合に、スリップ量とは別のパラメータに基づいてトルク増加量を設定する第2設定手段152とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の駆動源から車輪に加わる駆動源ブレーキトルクを制御する駆動源ブレーキトルク制御で用いるためのトルク増加量を設定するトルク増加量設定手段と、アンチロックブレーキ制御手段とを備えた車両用制御装置に関する。
従来、車両用制御装置として、エンジンブレーキにより車輪がロック傾向になった場合に、エンジントルクをコントロールして車輪がロックするのを抑えるエンジンブレーキトルク制御を行うものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、車輪のスリップ量に基づいてエンジントルクを制御している。
また、従来、車両用制御装置として、ブレーキ液圧により車輪がロック傾向になった場合に、ブレーキ液圧をコントロールして車輪がロックするのを抑えるアンチロックブレーキ制御を行うものも知られている(特許文献2参照)。具体的に、この技術では、車輪のスリップ量に基づいてブレーキ液圧を制御している。
特開2003−293818号公報 特開平3−159859号公報
ところで、アンチロックブレーキ制御中にエンジンブレーキトルク制御を行う場合において、アンチロックブレーキ制御が行われていないときと同じようにエンジンブレーキトルク制御をスリップ量に基づいて行うと、車輪のロック傾向が回復する際に、過剰にエンジンブレーキが作用して、車輪がロック傾向になりやすくなるおそれがあった。
そこで、本発明は、アンチロックブレーキ制御中におけるエンジンブレーキトルク(駆動源ブレーキトルク)の制御を良好に行うことができる車両用制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、駆動源から車輪に加わる駆動源ブレーキトルクを制御する駆動源ブレーキトルク制御で用いるためのトルク増加量を設定するトルク増加量設定手段と、車輪に加わるブレーキ圧を制御するアンチロックブレーキ制御を実行可能なアンチロックブレーキ制御手段と、を備えた車両用制御装置であって、前記トルク増加量設定手段は、前記駆動源ブレーキトルク制御が実行中で、かつ、前記アンチロックブレーキ制御が実行されていない場合に、少なくとも車輪のスリップ量に基づいて前記トルク増加量を設定する第1設定手段と、前記駆動源ブレーキトルク制御と前記アンチロックブレーキ制御とがともに実行中である場合に、前記スリップ量とは別のパラメータに基づいて前記トルク増加量を設定する第2設定手段とを有することを特徴とする。
この構成によれば、例えばアンチロックブレーキ制御中にスリップ量に基づく駆動源ブレーキトルク制御を行う場合に比べ、アンチロックブレーキ制御中において過剰な駆動源ブレーキを抑えることが可能となるので、アンチロックブレーキ制御中における駆動源ブレーキトルク制御を良好に行うことができる。
また、前記した構成において、前記第2設定手段は、前記パラメータが所定条件を満たす場合には、前記駆動源ブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるように前記トルク増加量を第1設定値とし、前記パラメータが前記所定条件を満たさない場合には、前記トルク増加量を前記第1設定値よりも大きい第2設定値とするように構成することができる。
これによれば、トルク増加量を第1設定値よりも大きな第2設定値とした場合には、駆動源ブレーキを小さく抑えることができるので、アンチロックブレーキ制御における駆動源ブレーキの影響を小さくすることができる。また、トルク増加量を第2設定値よりも小さな第1設定値とした場合には、例えばトルク増加量を第2設定値とする場合に比べ、駆動源の出力を上げる必要がないので、駆動源の出力アップに伴う騒音を小さくすることができる。さらに、第1設定値を、駆動源ブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような値にしたので、例えば駆動源ブレーキトルクの大きさが0になるように制御する形態に比べ、アンチロックブレーキ制御手段によるブレーキ圧と駆動源ブレーキとを協働して作用させることができるので、適切な制動力を得ることができる。
また、前記した構成において、前記パラメータは、路面摩擦係数を含み、前記所定条件は、前記路面摩擦係数が第1閾値以上であるという条件を含んでいてもよい。
これによれば、路面摩擦係数が第1閾値以上と高い場合には、トルク増加量を小さな第1設定値とするので、駆動源の出力アップに伴う騒音を抑えることができる。なお、このように路面摩擦係数が高い場合には、トルク増加量を小さく、つまり駆動源ブレーキトルクを大きくしても、スリップ量が過大になることはない。また、路面摩擦係数が第1閾値未満と低い場合には、トルク増加量を大きな第2設定値とするので、アンチロックブレーキ制御における駆動源ブレーキの影響を小さくすることができ、車両の挙動が不安定になるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記パラメータは、車体速度を含み、前記所定条件は、前記車体速度が第2閾値未満であるという条件を含んでいてもよい。
これによれば、車体速度が第2閾値未満と低い場合には、トルク増加量を小さな第1設定値とするので、駆動源の出力アップに伴う騒音を抑えることができる。なお、このように車体速度が低い場合には、トルク増加量を小さく、つまり駆動源ブレーキトルクを大きくしても、スリップ量が過大になることはない。また、車体速度が第2閾値以上と高い場合には、トルク増加量を大きな第2設定値とするので、アンチロックブレーキ制御における駆動源ブレーキの影響を小さくすることができ、車両の挙動が不安定になるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記パラメータは、前記ブレーキ圧を含み、前記所定条件は、前記ブレーキ圧が第3閾値未満であるという条件を含んでいてもよい。
これによれば、ブレーキ圧が第3閾値未満と低い場合には、トルク増加量を小さな第1設定値とするので、駆動源の出力アップに伴う騒音を抑えることができる。なお、このようにブレーキ圧が低い場合には、トルク増加量を小さく、つまり駆動源ブレーキトルクを大きくしても、スリップ量が過大になることはない。また、ブレーキ圧が第3閾値以上と高い場合には、トルク増加量を大きな第2設定値とするので、アンチロックブレーキ制御における駆動源ブレーキの影響を小さくすることができ、車両の挙動が不安定になるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記第1設定手段は、車体速度以外のパラメータに基づいて推定した路面摩擦係数に基づいて前記トルク増加量の初期値を設定する第1トルク増加量設定手段と、前記初期値の設定後に、前記トルク増加量の前回値と前記スリップ量の変化とに基づいてトルク増加量を設定する第2トルク増加量設定手段とを有していてもよい。
これによれば、駆動源ブレーキトルク制御の開始時のトルク増加量の初期値を、車体速度を用いずに算出するので、車体速度の影響を受けずに最初の駆動トルクを適切な値に設定することができる。また、2回目以降のトルク増加量の設定を、トルク増加量の前回値とスリップ量の変化とに基づいて行うので、十分精度良くトルク増加量を設定することができる。ここで、スリップ量は、車体速度と車輪速度との差であり、車体速度の値の精度が良くないと、適切な値とならない。これに対し、スリップ量の変化は、車体速度の変化よりも車輪速度の変化の方が支配的であるため、車体速度の影響が少ない。したがって、2回目以降のトルク増加量の設定でも、例えば単にスリップ量に基づいてトルク増加量を設定する形態に比べ、車体速度の影響が少ないので、トルク増加量を適切な値に設定することができる。
本発明によれば、アンチロックブレーキ制御中における駆動源ブレーキトルクの制御を良好に行うことができる。
本発明の実施形態に係る車両用制御装置を備えた車両の構成図である。 車両用ブレーキ液圧制御装置の液圧ユニットの構成図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 路面摩擦係数を推定するのに必要な各パラメータを説明する図である。 第1設定手段が参照するマップであり、路面摩擦係数とトルク増加量との関係を示すマップ(a)と、スリップ量の変化量と補正量との関係を示すマップ(b)である。 第2設定手段が参照する、路面摩擦係数とトルク増加量との関係を示すマップである。 制御部の動作を示すフローチャートである。 図7のフローチャートの残りの部分を示す図である。 車両の減速中において、最初にEDCのみが行われ、その後にABSとEDCとが同時に行われるときの各パラメータの変化を示すタイムチャートである。 図9(a),(f)における時刻t2〜t6付近を拡大して示す図である。 変形例1に係る第2設定手段で参照するマップである。 変形例1における制御部の動作を示すフローチャートである。 変形例2に係る第2設定手段で参照するマップである。 変形例2における制御部の動作を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両CRは、ECU(Electronic Control Unit)200と、車両用制御装置の一例としての車両用ブレーキ液圧制御装置Aと、駆動源の一例としてのエンジンEG(内燃機関)を備えている。
ECU200は、エンジンEGの制御を含めた車両全体の制御を行う制御装置であり、通信線により車両用ブレーキ液圧制御装置Aの制御部100に接続されており、制御部100に対して相互に信号の送受信を行うことが可能となっている。また、ECU200には、エンジンEGのエンジントルクを検出するトルクセンサ92と、エンジンEGの回転数を検出するエンジン回転数センサ93とが接続されている。
ECU200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、制御部100、トルクセンサ92やエンジン回転数センサ93などからの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各演算処理を行うことによって制御を実行する。
車両用ブレーキ液圧制御装置Aは、車両CRの各車輪Wに付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御するためのものであり、油路(液圧路)や各種部品が設けられた液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部100とを主に備えている。
制御部100には、車輪Wの車輪速度Vwを検出する車輪速度センサ91と、アクセルペダルAPのストロークを検出するアクセルペダルストロークセンサ94と、ブレーキペダルBPのストロークを検出するブレーキペダルストロークセンサ95と、後述する圧力センサ8とが接続されている。制御部100は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、各センサ91,94,95,8やECU200からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各演算処理を行うことによって制御を実行する。
ホイールシリンダHは、マスタシリンダMCおよび車両用ブレーキ液圧制御装置Aにより発生されたブレーキ液圧を各車輪Wに設けられた車輪ブレーキFR,FL,RR,RLの作動力に変換する液圧装置であり、それぞれ配管を介して車両用ブレーキ液圧制御装置Aの液圧ユニット10に接続されている。
図2に示すように、液圧ユニット10は、運転者がブレーキペダルBPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生する液圧源であるマスタシリンダMCと、車輪ブレーキFR,FL,RR,RLとの間に配置されている。液圧ユニット10は、ブレーキ液が流通する油路を有する基体であるポンプボディ10a、油路上に複数配置された入口弁1、出口弁2などから構成されている。
マスタシリンダMCの二つの出力ポートM1,M2はポンプボディ10aの入口ポート12Aに接続され、ポンプボディ10aの出口ポート12Bは各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時はポンプボディ10a内の入口ポート12Aから出口ポート12Bまでが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルBPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
また、出力ポートM1から始まる油路は前輪左側の車輪ブレーキFLと後輪右側の車輪ブレーキRRに通じており、出力ポートM2から始まる油路は前輪右側の車輪ブレーキFRと後輪左側の車輪ブレーキRLに通じている。なお、以下では、出力ポートM1から始まる油路を「第一系統」と称し、出力ポートM2から始まる油路を「第二系統」と称する。
液圧ユニット10には、その第一系統に各車輪ブレーキFL,RRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられており、同様に、その第二系統に各車輪ブレーキRL,FRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられている。また、液圧ユニット10には、第一系統および第二系統のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、オリフィス5a、調圧弁(レギュレータ)R、吸入弁7が設けられている。さらに、液圧ユニット10には、第一系統のポンプ4と第二系統のポンプ4とを駆動するための共通のモータ9が設けられている。このモータ9は、回転数制御可能なモータである。また、本実施形態では、第二系統にのみ圧力センサ8が設けられている。
なお、以下では、マスタシリンダMCの出力ポートM1,M2から各調圧弁Rに至る油路を「出力液圧路A1」と称し、第一系統の調圧弁Rから車輪ブレーキFL,RRに至る油路および第二系統の調圧弁Rから車輪ブレーキRL,FRに至る油路をそれぞれ「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路A1からポンプ4に至る油路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ4から車輪液圧路Bに至る油路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る油路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、マスタシリンダMCまたはポンプ4側から車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側(詳細には、ホイールシリンダH側)への液圧の行き来を制御する弁であり、ホイールシリンダHの圧力を増加、保持または低下させることができる。そのため、制御弁手段Vは、入口弁1、出口弁2およびチェック弁1aを備えて構成されている。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMCとの間、すなわち車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMCから各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪Wがロックしそうになったときに制御部100により閉塞されることで、ブレーキペダルBPから各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに伝達するブレーキ液圧を遮断する。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRと各リザーバ3との間、すなわち車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪Wがロックしそうになったときに制御部100により開放されることで、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに作用するブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入のみを許容する一方向弁であり、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,FR,RL,RR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、開放路Eに設けられており、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を吸収する機能を有している。また、リザーバ3とポンプ4との間には、リザーバ3側からポンプ4側へのブレーキ液の流れのみを許容するチェック弁3aが介設されている。
ポンプ4は、出力液圧路A1に通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ3に貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。これにより、リザーバ3により吸収されたブレーキ液をマスタシリンダMCに戻すことができるとともに、運転者がブレーキペダルBPを操作しない場合でもブレーキ液圧を発生して車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに制動力を発生することができる。
なお、ポンプ4のブレーキ液の吐出量は、モータ9の回転数に依存しており、例えば、モータ9の回転数が大きくなると、ポンプ4によるブレーキ液の吐出量も大きくなる。
オリフィス5aは、ポンプ4から吐出されたブレーキ液の圧力の脈動および後述する調圧弁Rが作動することにより発生する脈動を減衰させている。
調圧弁Rは、通常時に開いていることで、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する。また、調圧弁Rは、ポンプ4が発生したブレーキ液圧によりホイールシリンダH側の圧力を増加するときには、ブレーキ液の流れを遮断しつつ、吐出液圧路D、車輪液圧路BおよびホイールシリンダH側の圧力を設定値以下に調節する機能を有している。そのため、調圧弁Rは、切換弁6およびチェック弁6aを備えて構成されている。
切換弁6は、マスタシリンダMCに通じる出力液圧路A1と各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRに通じる車輪液圧路Bとの間に介設された常開型のリニアソレノイド弁である。詳細は図示しないが、切換弁6の弁体は、付与される電流に応じた電磁力によって車輪液圧路BおよびホイールシリンダH側へ付勢されており、車輪液圧路Bの圧力が出力液圧路A1の圧力より所定値(この所定値は、付与される電流による)以上高くなった場合には、車輪液圧路Bから出力液圧路A1へ向けてブレーキ液が逃げることで、車輪液圧路B側の圧力が所定圧に調整される。
チェック弁6aは、各切換弁6に並列に接続されている。このチェック弁6aは、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流れを許容する一方向弁である。
吸入弁7は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態または遮断する状態に切り換えるものである。吸入弁7は、切換弁6が閉じるとき、すなわち、運転者がブレーキペダルBPを操作しない場合において各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRにブレーキ液圧を作用させるときに制御部100により開放(開弁)される。
圧力センサ8は、第二系統の出力液圧路A1のブレーキ液圧を検出、すなわち、マスタシリンダ圧を検出するものであり、その検出結果は制御部100に入力される。
次に、ECU200と制御部100の詳細について説明する。
図3に示すように、ECU200は、エンジンEGから車輪Wに加わるエンジンブレーキトルク(駆動源ブレーキトルク)を制御するエンジンブレーキトルク制御(Engine Drag torque Control:以下、「EDC」ともいう。)を実行可能なエンジントルク制御部210を備えている。エンジントルク制御部210は、制御部100から出力されてくるトルク増加量に基づいて駆動輪の駆動トルクの目標トルクを公知の方法により設定し、駆動輪の駆動トルクが目標トルクとなるように、エンジンEGのエンジントルクを制御することで、エンジンブレーキトルクを制御している。
例えば、エンジントルク制御部210は、駆動輪の駆動トルクが目標トルクとなるように、目標トルクと推定ギヤ比とからエンジントルクの目標値を決め、トルクセンサ92で検出したエンジントルクが前述した目標値となるようにエンジントルクを制御している。ここで、推定ギヤ比は、例えば、エンジン回転数センサ93で検出したエンジン回転数と、車輪速度センサ91からの信号に基づいて算出される駆動輪の平均車輪回転数とに基づいて算出することができる。
ここで、駆動トルクは、エンジンEGからトランスミッション(減速機)を介して駆動輪に伝わるトルクであり、車両CRの加速時における駆動トルクをプラスとすると、車両CRのエンジンブレーキによる減速時には、マイナスのトルクとなる。そして、この減速時におけるマイナスの駆動トルクは、前述したエンジンブレーキトルクに相当する。
また、エンジントルク制御部210は、トルクセンサ92から取得したエンジントルクと推定ギヤ比とに基づいて駆動トルクを算出し、算出した駆動トルクを路面摩擦係数推定手段140に出力するようになっている。さらに、エンジントルク制御部210は、トルクセンサ92から取得したエンジントルクと、エンジントルクの目標値とを、取得手段110に出力するようになっている。なお、エンジントルク制御部210は、制御部100からトルク増加量を受信していないときには、アクセル操作量などに基づいた通常のエンジン制御を行うようになっている。
制御部100は、各センサ8,91,94,95からの信号に基づき、液圧ユニット10内の制御弁手段V、調圧弁R(切換弁6)および吸入弁7の開閉動作ならびにモータ9の動作を制御することで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの動作を制御する機能を有している。また、制御部100は、各センサ8,91,94,95からの信号に基づき、前述したEDCで用いるためのトルク増加量を設定する機能も有している。そして、制御部100は、ECU200に対してトルク増加量を出力することで、ECU200によるEDCに寄与している。
詳しくは、制御部100は、取得手段110と、車体速度算出手段120と、判定手段130と、路面摩擦係数推定手段140と、トルク増加量設定手段150と、アンチロックブレーキ制御手段160と、記憶手段170とを備えている。
取得手段110は、エンジントルク制御部210から出力されてくるエンジントルクおよびエンジントルクの目標値を取得する機能を有している。そして、取得手段110は、エンジントルクおよびエンジントルクの目標値を取得すると、取得したエンジントルクおよびエンジントルクの目標値を判定手段130に出力する。
車体速度算出手段120は、車輪速度センサ91から出力されてくる車輪速度Vwに基づいて車体速度Vcを算出する機能を有している。車体速度Vcの算出方法は、様々な方法を利用できるが、一例を挙げるとすると、例えば、原則として前輪の車輪速度を車体速度とし、前輪の車輪速度の加速度または減速度の大きさが所定の上限値の大きさを超えた場合には、車体速度の加速度または減速度が上限値になるように、車体速度を換算する方法が挙げられる。なお、車両に前後方向の加速度を検出する加速度センサが設けられる場合には、車体速度は、前後方向の加速度に基づいて算出してもよい。
そして、車体速度算出手段120は、車体速度Vcを算出すると、算出した車体速度Vcを判定手段130に出力する。
判定手段130は、EDCの実行の可否と、アンチロックブレーキ制御(Antilock Brake System:以下、「ABS」ともいう。)の実行の可否を判断する機能を有している。具体的に、判定手段130は、車体速度Vcと車輪速度Vwとに基づいて、車輪Wがエンジンブレーキによりロック傾向であるか否かを判定し、ロック傾向であると判定した場合にEDCを実行すると判定する機能を有している。
詳しくは、判定手段130は、車体速度Vcから左右の駆動輪の車輪速度Vwを引くことで左右の駆動輪の両方のスリップ量を算出し、両方のスリップ量が所定のEDC介入閾値TH1(図9(a)参照)以上になったか否かを判定することで、EDCを実行するか否かを判定している。
また、判定手段130は、EDCを実行していない状態において、左右の駆動輪の両方のスリップ量がEDC介入閾値TH1以上になった場合には、ロック傾向であると判定して、EDCの開始と判定する機能も有している。さらに、判定手段130は、EDCを実行している状態において、スリップ量がEDC介入閾値TH1未満になった場合や、エンジントルクがその目標値に達した場合に、EDCの終了と判定する機能も有している。なお、本実施形態では、EDCを開始するための開始閾値と、終了するための終了閾値とを、ともに同じ値(EDC介入閾値TH1)に設定しているが、本発明はこれに限定されず、開始閾値と終了閾値とを異なる値に設定してもよい。
そして、判定手段130は、EDCの開始または実行中と判定した場合には、そのことを示す開始信号または実行中信号をトルク増加量設定手段150およびエンジントルク制御部210に出力し、EDCの終了と判定した場合には、そのことを示す終了信号をエンジントルク制御部210に出力する。なお、エンジントルク制御部210は、開始信号または実行中信号を受信すると、EDCを実行し、終了信号を受信すると、EDCを終了させる。
また、判定手段130は、ブレーキペダルストロークセンサ95からの信号に基づいてブレーキペダルBPが踏まれているか否かを判定するとともに、スリップ量がABS開始閾値TH2(図9(a)参照)以上になったか否かを判定することで、ABSの実行を開始するか否かを判定する機能を有している。そして、判定手段130は、ブレーキペダルBPが踏まれ、かつ、スリップ量がABS開始閾値TH2以上になったと判定した場合には、ABSの開始と判定する。ここで、判定手段130は、スリップ量を車輪Wごとに算出し、複数の車輪Wのうち少なくとも1つの車輪Wにおいてスリップ量の条件が上記条件となった場合に、スリップ量の条件を満たしたと判定する。
そして、判定手段130は、ABSの開始と判定した後は、ABSの終了条件が満たされるまでの間、ABSが実行中であることを示すABS実行中信号をトルク増加量設定手段150およびアンチロックブレーキ制御手段160に出力する。ここで、ABSの終了条件は、例えば、ブレーキペダルBPの踏み込みが解除されたことなどとすることができる。
路面摩擦係数推定手段140は、複数の車輪Wのそれぞれについて、車体速度Vc以外のパラメータに基づいて路面摩擦係数を推定する機能を有している。詳しくは、路面摩擦係数推定手段140は、以下の式(1),(2)から求まる式(3)を用いて路面摩擦係数を算出している。なお、式(1)〜(3)の各パラメータは、図4に示している。
I・ω´=TW+TE−TB ・・・(1)
TW=μ・N・r ・・・(2)
μ=(I・ω´−TE+TB)/N・r ・・・(3)
I:慣性モーメント
ω´:車輪加速度
TW:路面反力によるトルク
μ:路面摩擦係数
N:輪荷重
r:車輪の有効半径
TE:駆動トルク(エンジントルク×ギヤ比)
TB:ブレーキトルク
なお、車輪加速度は、車輪速度センサ91で検出した車輪速度Vwに基づいて算出され、ブレーキトルクは、圧力センサ8で検出したマスタシリンダ圧と制御弁手段Vの制御履歴とに基づいて推定されるブレーキ液圧(ホイールシリンダ圧)などに基づいて算出され、駆動トルクは、エンジントルク制御部210から路面摩擦係数推定手段140に入力される。
そして、路面摩擦係数推定手段140は、複数の車輪Wのそれぞれについて路面摩擦係数を推定すると、複数のうち最も高い路面摩擦係数をトルク増加量設定手段150に出力する。
トルク増加量設定手段150は、EDC中における車輪Wの駆動トルクのトルク増加量を設定する手段であり、第1設定手段151と、第2設定手段152とを有している。
第1設定手段151は、EDCが実行中であり、かつ、ABSが実行されていない場合においてトルク増加量を設定する手段であり、少なくとも車輪Wのスリップ量に基づいてトルク増加量を設定する機能を有している。詳しくは、第1設定手段151は、第1トルク増加量設定手段151Aと、第2トルク増加量設定手段151Bとを有している。
第1トルク増加量設定手段151Aは、判定手段130から開始信号を受信した場合、つまり判定手段130によりEDCの開始が判定された場合に、路面摩擦係数推定手段140から出力されてくる路面摩擦係数に基づいてトルク増加量の初期値を設定する機能を有している。詳しくは、第1トルク増加量設定手段151Aは、路面摩擦係数と、図5(a)に示すマップとに基づいて、トルク増加量の初期値を設定している。
ここで、図5(a)に示すマップは、路面摩擦係数とトルク増加量(初期値)との関係を示すマップであり、路面摩擦係数が低くなるほど、トルク増加量が大きくなるように設定されている。
第2トルク増加量設定手段151Bは、第1トルク増加量設定手段151Aによってトルク増加量の初期値を設定した後におけるトルク増加量を設定する手段であり、トルク増加量の前回値とスリップ量の変化量とに基づいてトルク増加量を設定する機能を有している。詳しくは、第2トルク増加量設定手段151Bは、トルク増加量の前回値(例えば、前述したトルク増加量の初期値)と、図5(b)に示すマップから求めた補正量とを加算することで、トルク増加量を設定している。
ここで、図5(b)に示すマップは、スリップ量の変化量(=今回値−前回値)と補正量との関係を示すマップであり、スリップ量の変化量が0以下の場合には、補正量が0となり、スリップ量の変化量が0よりも大きい場合には、スリップ量の変化量が大きい程、補正量が大きくなるように設定されている。ここで、補正量は、トルク増加量の前回値からの増加量である。
そのため、第2トルク増加量設定手段151Bは、スリップ量の変化量が0よりも大きい場合には、スリップ量の変化量が大きい程、トルク増加量の前回値からの増加量を大きくするように構成されている。また、第2トルク増加量設定手段151Bは、スリップ量の変化量が0以下である場合、つまりスリップ量の今回値が前回値以下である場合には、トルク増加量の前回値からの増加量を0とすることで、トルク増加量の前回値を今回値として設定している。
また、第2トルク増加量設定手段151Bは、スリップ量の変化が減少傾向で、かつ、スリップ量がEDCの終了開始閾値TH3(図10参照)以下になった場合には、トルク増加量を、トルク増加量の前回値から所定値を引いた値に設定することで、トルク増加量を所定の勾配で徐々に下げていくように構成されている。なお、終了開始閾値TH3は、EDC介入閾値TH1よりも僅かに大きな値に設定されている。
第2設定手段152は、EDCとABSとがともに実行中である場合に、スリップ量とは別のパラメータに基づいてトルク増加量を設定する機能を有している。詳しくは、第2設定手段152は、路面摩擦係数推定手段140から出力されてくる路面摩擦係数と、図6に示すマップとに基づいて、トルク増加量を設定している。
ここで、図6に示すマップは、路面摩擦係数とトルク増加量との関係を示すマップであり、路面摩擦係数が低くなる程、トルク増加量が大きくなるように設定されている。つまり、路面摩擦係数が低くなる程、トルク増加量が大きくなるように設定されることで、路面摩擦係数が低くなる程、エンジンブレーキが小さく抑えられるようになっている。ここで、図6において、「高」、「中」、「低」、「極低」は、路面摩擦係数の数値範囲を示し、数値範囲の大小関係は、「高」>「中」>「低」>「極低」となっている。また、T1〜T4は、それぞれ固定値であり、末尾の数字が大きくなる程、大きな値となっている。より詳しくは、末尾の数字が大きな固定値(例えばT2)が、末尾の数字が小さな固定値(例えばT1)以上の値となるように設定されている。
つまり、固定値T1〜T4の大きさの関係は、例えば、T1<T2<T3<T4となっていてもよいし、T1=T2<T3<T4となっていてもよい。また、例えば、固定値T1は0であってもよく、この場合、固定値T2〜T4は、0以上の大きな値に設定すればよい。
また、図6に示すマップにおいて、路面摩擦係数の大きさが「中」の範囲以上の大きさである場合の固定値T1,T2の値は、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような値に設定されている。これにより、第2設定手段152は、路面摩擦係数が、「中」と「低」とを切り分けるための第1閾値以上である場合には、トルク増加量を固定値T1または固定値T2とすることで、トルク増加量を、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような第1設定値とするようになっている。
また、第2設定手段152は、路面摩擦係数が第1閾値未満である場合には、トルク増加量を固定値T2よりも大きい固定値T3または固定値T4にすることで、トルク増加量を、第1設定値よりも大きな第2設定値とするようになっている。なお、図6に示すマップの各値は、実験やシミュレーション等により適宜設定することができる。
トルク増加量設定手段150は、トルク増加量を設定すると、設定したトルク増加量をエンジントルク制御部210に出力する。
アンチロックブレーキ制御手段160は、判定手段130からABS実行中信号を受けると、スリップ量に基づいて、車輪Wに加わるブレーキ液圧を制御する公知のアンチロックブレーキ制御を実行する機能を有している。
記憶手段170は、図5,6に示すマップ、トルク増加量の前回値、スリップ量の前回値、各閾値TH1〜TH3、式(3)などを記憶している。
次に、図7を参照して制御部100の動作を詳細に説明する。制御部100は、車両CRの走行中において、図7および図8に示すフローチャートを繰り返し実行する。
図7に示すように、制御部100は、まず、路面摩擦係数、スリップ量、スリップ量の変化量などの各パラメータを算出する(S1)。ステップS1の後、制御部100は、スリップ量がEDC介入閾値TH1以上であるか否かを判定する(S2)。
ステップS2においてスリップ量がEDC介入閾値TH1以上であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、ABSが実行中であるか否かを判定する(S5)。ステップS5においてABSが実行中であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、路面摩擦係数と図6のマップとに基づいてトルク増加量を設定する(S6)。ステップS6の後、制御部100は、現在のエンジントルクが目標値以上であるか否かを判定する(S9)。
ステップS9において現在のエンジントルクが目標値未満であると判定した場合には(No)、制御部100は、EDCの終了開始条件を満たしたか否かを判定する(S10)。具体的に、ステップS10において、制御部100は、スリップ量の変化が減少傾向で、かつ、スリップ量がEDCの終了開始閾値TH3以下であるか否かを判断することで、終了開始条件を満たしたか否かを判定する。
ステップS10において終了開始条件を満たしている場合には(Yes)、制御部100は、トルク増加量の前回値に所定値を引くことで、トルク増加量を再算出して(S11)、ステップS12の処理に移行する。また、ステップS10において終了開始条件を満たしていない場合には(No)、制御部100は、ステップS11を飛ばして、ステップS12の処理に移行する。
ステップS12において、制御部100は、設定したトルク増加量をECU200に送信する。ステップS2においてスリップ量がEDC介入閾値TH1未満であると判定した場合(No)や、ステップS9において現在のエンジントルクが目標値以上であると判定した場合(Yes)には、制御部100は、フラグFを0にして(S13)、ECU200にEDCの終了を示す終了信号を送信する(S14)。
ステップS5においてABSが実行中でないと判定した場合には(No)、制御部100は、図8に示すように、フラグFが0であるか否かを判定することで、EDCの開始時か否かを判定する(S21)。ステップS21においてフラグFが0であると判定した場合には(Yes)、制御部100は、路面摩擦係数と図5(a)のマップとに基づいてトルク増加量の初期値を設定する(S22)。ステップS22の後、制御部100は、フラグFを1にして(S23)、図7のステップS9の処理に移行する。
ステップS21においてフラグFが0でないと判定した場合には(No)、制御部100は、スリップ量の今回値が前回値よりも大きいか否かを判定する(S24)。ステップS24においてスリップ量の今回値が前回値よりも大きいと判定した場合には(Yes)、制御部100は、スリップの変化量と図5(b)のマップとに基づいて補正量を算出する(S25)。
ステップS25の後、制御部100は、トルク増加量の前回値に補正量を加算することで、トルク増加量を算出して(S26)、図7のステップS9の処理に移行する。ステップS24においてスリップ量の今回値が前回値以下であると判定した場合には(No)、制御部100は、トルク増加量の前回値を、トルク増加量として設定して(S27)、図7のステップS9の処理に移行する。
次に、ABSを実行していないときのEDCにおいて設定されるトルク増加量と、ABSが実行中であるときのEDCにおいて設定されるトルク増加量とについて、図9および図10を参照して説明する。なお、図9(d)において、「OFF」は、EDCを実行していないことを示し、「1」は、ABSを実行していないときにEDCを実行する制御モードを示し、「2」は、ABSを実行しているときにEDCを実行する制御モードを示す。また、図9(e)において、「OFF」は、ABSを実行していないことを示し、「ON」は、ABSを実行していることを示す。
図9(a),(b)に示すように、車両CRの走行中にドライバーがアクセルペダルAPを離すことで(時刻t1)、エンジンブレーキにより車輪Wがスリップすると、車輪速度Vwが車体速度Vcから離れるように徐々に低下していく。その後、スリップ量がEDC介入閾値TH1に達すると(時刻t2)、図9(d)に示すように、EDCの制御モードがOFFから1の状態に切り替わり、EDCが開始される。
制御モードが1である場合、つまりABSがまだ実行されていない場合には、制御部100は、まず、路面摩擦係数と図5(a)に示すマップとに基づいてトルク増加量を設定することで、図10に拡大して示すように、時刻t2においてトルク増加量Ttの初期値を設定する。次に、制御部100は、スリップ量の変化量と図5(b)のマップとに基づいて補正量を算出し、当該補正量をトルク増加量Ttの初期値(前回値)に加算することで、トルク増加量Ttを設定する(時刻t3)。
図9および図10に示す例では、時刻t3〜t4の間、スリップ量の変化量が略一定であるため、図5(b)において略同じ値の補正量が設定される。これにより、図10に示すように、トルク増加量Ttは所定の勾配に沿って徐々に大きくなっていく。
スリップ量の変化量が0以下になると(時刻t4以降)、制御部100は、トルク増加量Ttの前回値を今回値として設定する。その後、スリップ量の変化が減少傾向となり、かつ、スリップ量がEDCの終了開始閾値TH3以下になった場合には(時刻t5)、制御部100は、トルク増加量Ttの前回値から所定値を引くことで、トルク増加量Ttを所定の勾配で徐々に下げていく。
その後、スリップ量が減少してEDC介入閾値TH1に達すると(時刻t6)、制御部100は、トルク増加量Ttを0にするとともに、図9(d)に示すように、EDCを終了させる。その後、図9(a),(c),(e)に示すように、ドライバーがブレーキペダルBPを踏んだときに、スリップ量がABS開始閾値TH2以上である場合には、制御部100は、ABSの実行を開始する(時刻t7)。
その後、図9(a),(d)に示すように、スリップ量が再びEDC介入閾値TH1以上になると(時刻t8)、EDCの制御モードがOFFから2に切り替わり、EDCが開始される。
制御モードが2である場合、つまりABSが実行中である場合には、制御部100は、路面摩擦係数と図6のマップとに基づいてトルク増加量を設定することで、図9(f)に示すように、トルク増加量Ttを固定値に設定する(時刻t8)。この際、制御部100は、路面摩擦係数が第1閾値以上である場合には、トルク増加量Ttを、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような第1設定値とし、路面摩擦係数が第1閾値未満である場合には、トルク増加量Ttを、第1設定値よりも大きな第2設定値とする。
なお、本実施形態においては、時刻t8以降のトルク増加量Ttを一定の値としているが、時刻t8以降において、路面摩擦係数が途中で変わった場合には、トルク増加量Ttは路面摩擦係数に応じて変化する。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
EDCとABSとがともに実行中である場合(2の制御モードである場合)には、スリップ量とは別のパラメータである路面摩擦係数に基づいてトルク増加量Ttを設定するので、例えばABS中にスリップ量に基づくEDCを行う場合に比べ、ABS中において、過剰なエンジンブレーキを抑えることができ、車両の挙動が不安定になるのを抑えることができる。
2の制御モードにおいて路面摩擦係数が第1閾値未満である場合、例えば低μである場合には、トルク増加量Ttを第1設定値よりも大きな第2設定値とするので、エンジンブレーキを小さく抑えることができ、ABSにおけるエンジンブレーキの影響を小さくすることができる。また、2の制御モードにおいて路面摩擦係数が第1閾値以上である場合、例えば高μである場合には、トルク増加量Ttを第2設定値よりも小さな第1設定値とするので、例えば高μ路においてトルク増加量Ttを大きな第2設定値とする場合に比べ、エンジンEGの出力を上げる必要がない。そのため、エンジンEGの出力アップに伴う騒音を小さくすることができる。
さらに、第1設定値を、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような値にしたので、例えばエンジンブレーキトルクの大きさが0になるように制御する形態に比べ、ブレーキ液圧とエンジンブレーキとを協働して作用させることができるので、適切な制動力を得ることができる。なお、路面摩擦係数が第1閾値以上と高い場合には、トルク増加量Ttを小さく、つまりエンジンブレーキトルクを大きくしても、スリップ量が過大になることはない。
ABSが実行されていないときのEDCにおいて、EDCの開始時のトルク増加量Ttの初期値を、車体速度Vcを用いずに算出するので、車体速度Vcの影響を受けずに最初の駆動トルクを適切な値に設定することができる。また、2回目以降のトルク増加量Ttの設定を、トルク増加量Ttの前回値とスリップ量の変化量とに基づいて行うので、十分精度良くトルク増加量Ttを設定することができる。ここで、スリップ量は、車体速度Vcと車輪速度Vwとの差であり、車体速度Vcの値の精度が良くないと、適切な値とならない。これに対し、スリップ量の変化量は、車体速度Vcの変化量よりも車輪速度Vwの変化量の方が支配的であるため、車体速度Vcの影響が少ない。したがって、2回目以降のトルク増加量Ttの設定でも、例えば単にスリップ量に基づいてトルク増加量Ttを設定する形態に比べ、車体速度Vcの影響が少ないので、トルク増加量Ttを適切な値に設定することができる。
なお、本実施形態では、EDCの開始条件にスリップ量、つまり車体速度Vcを用いているため、車体速度Vcの値が不正確である場合には、EDCの開始タイミングが適切なタイミングからずれることがある。しかしながら、この場合であっても、トルク増加量Ttの初期値を路面摩擦係数に基づいて設定するので、最初の駆動トルクを路面摩擦係数に応じた適切な値に設定することができる。
スリップ量の今回値が前回値以下である場合、つまり車輪速度Vwが回復傾向となっている場合には、トルク増加量Ttを下げないので、車輪速度Vwを迅速に回復させることができる。
スリップ量が終了開始閾値TH3から終了閾値(EDC介入閾値TH1)までの範囲内にある期間中、トルク増加量Ttを徐々に下げていくので、当該期間においてエンジンブレーキが急激に上昇するのを抑えることができ、エンジンブレーキの急上昇によってスリップ量が再び大きくなってしまうのを抑えることができる。
エンジントルクが目標値に達した場合、すなわちスリップが収束してきた場合には、EDCを終了させるので、ドライバーが違和感を感じることがないトルク制御が可能となる。
スリップ量の変化量が大きい程、トルク増加量Ttの前回値からの増加量(補正量)を大きくするので、スリップ量の変化量に応じて、適切にトルク増加量Ttを設定することができる。
複数の車輪Wごとに算出した複数の路面摩擦係数のうち最も高い路面摩擦係数に基づいてトルク増加量Ttの初期値を設定するので、例えば最も低い路面摩擦係数に基づいてトルク増加量Ttの初期値を設定する形態に比べ、トルク増加量が大きくなりすぎてエンジンブレーキトルクが小さくなりすぎるのを抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、第2設定手段152が、路面摩擦係数と図6のマップとに基づいてトルク増加量を算出するように構成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、第2設定手段152は、車体速度Vcと図11のマップとに基づいてトルク増加量を算出するように構成されていてもよい。
ここで、図11に示すマップは、車体速度Vcとトルク増加量との関係を示すマップであり、車体速度Vcが高くなる程、トルク増加量が大きくなるように設定されている。ここで、図11において、「低速」、「中速」、「高速」は、車体速度Vcの数値範囲を示し、数値範囲の大小関係は、「低速」<「中速」<「高速」となっている。また、T11〜T13は、それぞれ固定値であり、固定値の大小関係は、T11<T12<T13となっている。
また、図11に示すマップにおいて、車体速度Vcの大きさが低速の範囲である場合の固定値T11の値は、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような値に設定されている。これにより、第2設定手段152は、車体速度Vcが、低速と中速とを切り分けるための第2閾値未満である場合には、トルク増加量を固定値T11とすることで、トルク増加量を、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような第1設定値とするようになっている。
また、第2設定手段152は、車体速度Vcが第2閾値以上である場合には、トルク増加量を固定値T11よりも大きい固定値T12または固定値T13にすることで、トルク増加量を、第1設定値よりも大きな第2設定値とするようになっている。ここで、第2設定値は、例えば、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような値に設定することができる。なお、図11に示すマップの各値は、実験やシミュレーション等により適宜設定することができる。
なお、このように第2設定手段152を構成する場合には、前述した図7に示すフローチャートにおけるステップS6の処理に代えて、図12に示す新たなステップS31の処理を設ければよい。ステップS31では、制御部100は、車体速度Vcと図11のマップとに基づいてトルク増加量を設定する。
この形態によれば、車体速度Vcが低速である場合、つまり車体速度Vcが第2閾値未満と低い場合には、トルク増加量を小さな第1設定値とするので、エンジンEGの出力アップに伴う騒音を抑えることができる。なお、このように車体速度Vcが低い場合には、トルク増加量を小さく、つまりエンジンブレーキトルクを大きくしても、スリップ量が過大になることはない。また、車体速度Vcが第2閾値以上と高い場合には、トルク増加量を大きな第2設定値とするので、ABSにおけるエンジンブレーキの影響を小さくすることができ、車両CRの挙動が不安定になるのを抑えることができる。
また、第2設定手段152は、ブレーキ液圧と図13のマップとに基づいてトルク増加量を算出するように構成されていてもよい。
ここで、図13に示すマップは、ブレーキ液圧とトルク増加量との関係を示すマップであり、ブレーキ液圧が高くなる程、トルク増加量が大きくなるように設定されている。ここで、図13において、P1〜P3は、ブレーキ液圧の数値範囲を示し、数値範囲の大小関係は、P1<P2<P3となっている。また、T21〜T23は、それぞれ固定値であり、固定値の大小関係は、T21<T22<T23となっている。
また、図13に示すマップにおいて、ブレーキ液圧の数値範囲がP1である場合の固定値T21の値は、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような値に設定されている。これにより、第2設定手段152は、ブレーキ液圧が、P1とP2とを切り分けるための第3閾値未満である場合には、トルク増加量を固定値T21とすることで、トルク増加量を、エンジンブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるような第1設定値とするようになっている。
また、第2設定手段152は、ブレーキ液圧が第3閾値以上である場合には、トルク増加量を固定値T21よりも大きい固定値T22または固定値T23にすることで、トルク増加量を、第1設定値よりも大きな第2設定値とするようになっている。なお、図13に示すマップの各値は、実験やシミュレーション等により適宜設定することができる。
なお、このように第2設定手段152を構成する場合には、前述した図7に示すフローチャートにおけるステップS6の処理に代えて、図14に示す新たなステップS41の処理を設ければよい。ステップS41では、制御部100は、ブレーキ液圧と図13のマップとに基づいてトルク増加量を設定する。
この形態によれば、ブレーキ液圧がP1の範囲内である場合、つまりブレーキ液圧が第3閾値未満と低い場合には、トルク増加量を小さな第1設定値とするので、エンジンEGの出力アップに伴う騒音を抑えることができる。なお、このようにブレーキ液圧が低い場合には、トルク増加量を小さく、つまりエンジンブレーキトルクを大きくしても、スリップ量が過大になることはない。また、ブレーキ液圧が第3閾値以上と高い場合には、トルク増加量を大きな第2設定値とするので、ABSにおけるエンジンブレーキの影響を小さくすることができ、車両CRの挙動が不安定になるのを抑えることができる。
なお、第2設定手段152でのトルク増加量の算出に用いるパラメータおよび条件は、それぞれ1つに限らず、複数であってもよい。例えば、第2設定手段は、前述した路面摩擦係数、車体速度Vcおよびブレーキ液圧と、図6、図11および図13の各マップとに基づいて、路面摩擦係数に基づくトルク増加量と、車体速度Vcに基づくトルク増加量と、ブレーキ液圧に基づくトルク増加量とをそれぞれ算出し、これらのトルク増加量の平均値、最小値、最大値、合計値などをトルク増加量として設定するように構成されていてもよい。また、状況に応じて適切なトルク増加量を設定したり、複数のトルク増加量に基づいて適切なトルク増加量を計算するようにしてもよい。
前記実施形態では、駆動源としてエンジンEGを例示したが、本発明はこれに限定されず、駆動源は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車に設けられる電動モータであってもよい。
前記実施形態では、車両用制御装置として車両用ブレーキ液圧制御装置A(ブレーキ圧制御手段)を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、車両用制御装置を、ECU(駆動源制御装置)と、車両用ブレーキ液圧制御装置とで構成してもよい。この場合には、例えば、トルク増加量設定手段や路面摩擦係数推定手段などを、ECUに設けてもよい。ただし、路面摩擦係数推定手段を車両用ブレーキ液圧制御装置に設けた場合には、この路面摩擦係数推定手段で推定した路面摩擦係数をブレーキ圧の制御のためにも有効活用できる。
前記実施形態では、スリップ量の今回値が前回値以下である場合にトルク増加量の前回値を今回値として設定することとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、スリップ量の今回値が前回値以下である場合には、マイナスの補正量を設定してもよい。具体的には、図5(b)のマップにおけるスリップ量の変化量がマイナス側であるときの補正量を、プラス側であるときの補正量の傾きと同じ傾きで変化するように設定してもよい。
前記実施形態では、スリップ量の変化量に応じて補正量を設定したが、本発明はこれに限定されず、スリップ量の変化に応じて補正量を設定してもよい。具体的には、スリップ量の変化が増加傾向である場合には、プラスの補正量(固定値)を設定し、減少傾向である場合には、マイナスの補正量(固定値)または補正量として0を設定するようにしてもよい。
前記実施形態では、トルク増加量を車輪の駆動トルクのトルク増加量としたが、本発明はこれに限定されず、トルク増加量は、例えばエンジントルクのトルク増加量であってもよい。
150 トルク増加量設定手段
151 第1設定手段
152 第2設定手段
160 アンチロックブレーキ制御手段
A 車両用ブレーキ液圧制御装置
CR 車両
EG エンジン
W 車輪

Claims (6)

  1. 駆動源から車輪に加わる駆動源ブレーキトルクを制御する駆動源ブレーキトルク制御で用いるためのトルク増加量を設定するトルク増加量設定手段と、
    車輪に加わるブレーキ圧を制御するアンチロックブレーキ制御を実行可能なアンチロックブレーキ制御手段と、を備えた車両用制御装置であって、
    前記トルク増加量設定手段は、
    前記駆動源ブレーキトルク制御が実行中で、かつ、前記アンチロックブレーキ制御が実行されていない場合に、少なくとも車輪のスリップ量に基づいて前記トルク増加量を設定する第1設定手段と、
    前記駆動源ブレーキトルク制御と前記アンチロックブレーキ制御とがともに実行中である場合に、前記スリップ量とは別のパラメータに基づいて前記トルク増加量を設定する第2設定手段とを有することを特徴とする車両用制御装置。
  2. 前記第2設定手段は、前記パラメータが所定条件を満たす場合には、前記駆動源ブレーキトルクの大きさが0よりも大きくなるように前記トルク増加量を第1設定値とし、前記パラメータが前記所定条件を満たさない場合には、前記トルク増加量を前記第1設定値よりも大きい第2設定値とすることを特徴とする請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記パラメータは、路面摩擦係数を含み、
    前記所定条件は、前記路面摩擦係数が第1閾値以上であるという条件を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記パラメータは、車体速度を含み、
    前記所定条件は、前記車体速度が第2閾値未満であるという条件を含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用制御装置。
  5. 前記パラメータは、前記ブレーキ圧を含み、
    前記所定条件は、前記ブレーキ圧が第3閾値未満であるという条件を含むことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
  6. 前記第1設定手段は、
    車体速度以外のパラメータに基づいて推定した路面摩擦係数に基づいて前記トルク増加量の初期値を設定する第1トルク増加量設定手段と、
    前記初期値の設定後に、前記トルク増加量の前回値と前記スリップ量の変化とに基づいてトルク増加量を設定する第2トルク増加量設定手段とを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用制御装置。
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