JP5972706B2 - ブレーキ制御装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置及びその制御方法に関する。
従来、自動二輪車用のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置及びその制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のブレーキ制御装置では、前輪のみにABS(アンチロックブレーキシステム)が搭載された装置や、前後輪にABSが搭載されていても前輪のみにABSを作動させることのできる装置がある。
特開2007−269290号公報
しかしながら、上記従来の技術によるブレーキ制御装置では、ABSが作動しない後輪には大きなスリップが発生することがあるため、このときの車輪速度情報をABSの制御に用いる推定車輪速度の演算に用いることは困難であった。また、ABSが作動する前輪のみから推定車体速度を演算しなければならないため、前輪のみにABSが作動しているブレーキ制御装置の精度は、前後輪にABSが作動しているブレーキ制御装置の精度よりも劣っていた。このため、前輪のみにABSが作動している車体は、前後輪にABSが作動している車体よりも車両安定性が低く、制動力も弱かった。
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、前輪のみにアンチロックブレーキ制御を行う場合であっても、高い制動力を発生することのできるブレーキ制御装置を提供することにある。
本発明は、自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置において、前記自動二輪車の前輪に前記アンチロックブレーキ制御を実行する際に、前記前輪の減速度を検出し、前記減速度と第1の閾値とを比較して前記前輪がロックしそうであるか否かを判定し、前記前輪がロックしそうであると判定した場合に、前記前輪の制動力を弱めることを特徴とする。
本構成では、ブレーキ制御装置は、摩擦係数μが高い状態にあるμピーク近傍でアンチロックブレーキ制御を実行することができる。このため、前輪のみにアンチロックブレーキ制御を行う場合であっても、高精度で、高い制動力を発生することができる。
この場合において、前記前輪の前演算サイクルにおける前記減速度を前減速度として記憶しており、前記前輪がロックしそうであるか否かの判定はさらに、前記前減速度と新たに検出した前記減速度との差を第2の閾値と比較して前記減速度が急に増加したか否かを判定し、前記減速度が急に増加したと判定した場合に、前記前輪がロックしそうであると判定してもよい。前記前輪がロックしそうであるか否かの判定はさらに、前記減速度と前記第1の閾値との比較を、前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定される所定の時間にわたって行い、前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定した場合に、前記前輪がロックしそうであると判定してもよい。前記前輪の前演算サイクルにおける減速度を前減速度として記憶しており、前記前輪がロックしそうであるか否かの判定は、前記前減速度と現演算サイクルにおける前記減速度とを、誤差を有する複数の検出値から経時変化する値を推定するためのフィルタに通し、前記フィルタに通して得られた値を前記減速度として用いてもよい。
これらの構成では、ブレーキ制御装置は、検出誤差等によるブレーキ制御装置の誤作動を防止し、ブレーキ制御装置によるアンチロックブレーキ制御の精度を向上させることができる。
また、本発明は、自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置の制御方法において、前記自動二輪車の前輪に前記アンチロックブレーキ制御を実行する際に、前記前輪の減速度を検出するステップと、前記減速度と第1の閾値とを比較して前記前輪がロックしそうであるか否かを判定するステップと、前記前輪がロックしそうであると判定した場合に、前記前輪の制動力を弱めるステップとを備えたことを特徴とする。
本構成では、ブレーキ制御装置は、摩擦係数μが高い状態にあるμピーク近傍でアンチロックブレーキ制御を実行することができる。このため、前輪のみにアンチロックブレーキ制御を行う場合であっても、高精度で、高い制動力を発生することができる。
この場合において、前記ブレーキ制御装置は前記前輪の前演算サイクルにおける前記減速度を前減速度として記憶しており、前記前輪がロックしそうであるか否かを判定するステップはさらに、前記前減速度と新たに検出した前記減速度との差を第2の閾値と比較して前記減速度が急に増加したか否かを判定し、前記減速度が急に増加したと判定した場合に、前記前輪がロックしそうであると判定してもよい。前記前輪がロックしそうであるか否かを判定するステップはさらに、前記減速度と前記第1の閾値との比較を、前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定される所定の時間にわたって行い、前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定した場合に、前記前輪がロックしそうであると判定してもよい。前記ブレーキ制御装置は前記前輪の前演算サイクルにおける減速度を前減速度として記憶しており、前記前輪がロックしそうであるか否かの判定は、前記前減速度と新たに検出した前記減速度とを、誤差を有する複数の検出値から経時変化する値を推定するためのフィルタに通し、前記フィルタに通して得られた値を前記減速度として用いてもよい。
これらの構成では、ブレーキ制御装置は、検出誤差等によるブレーキ制御装置の誤作動を防止し、ブレーキ制御装置によるアンチロックブレーキ制御の精度を向上させることができる。
本発明では、前輪のみにアンチロックブレーキ制御を行う場合であっても、高い制動力を発生することができる。
本実施形態に係るブレーキ制御装置の液圧回路を示す回路図である。 ECUによる機能的構成を示すブロック図である。 一般的な摩擦係数とスリップ率との関係を示す図である。 ブレーキ制御装置によるアンチロックブレーキ制御の様子の概要を示す模式図である。 ブレーキ制御装置がアンチロックブレーキ制御を実行する際の処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るブレーキ制御装置の液圧回路を示す回路図である。このブレーキ制御装置400は、自動二輪車に搭載され、前輪液圧回路100と、前輪液圧回路100の液圧ポンプ119を駆動するDCモータ300とを備えている。液圧回路100は、ブレーキ液で満たされている。なお、図中一点鎖線で囲われた領域は1つのユニットに組み込まれていることを示している。
本実施形態に係る自動二輪車は、前輪のみにABS(アンチロックブレーキシステム)が搭載されており、ブレーキ制御装置400は、前輪のみにアンチロックブレーキ制御を実行可能に設けられている。
前輪液圧回路100は、運転者の右手で操作されるブレーキレバー101と、ブレーキレバー101が操作されると前輪液圧回路100を加圧する前輪側マスタシリンダ103と、前輪側マスタシリンダ103に接続された前輪側マスタシリンダ用リザーバ105と、前輪側キャリパ115を作動させるためのホイールシリンダとを備えている。また、前輪液圧回路100は、前輪側マスタシリンダ103とホイールシリンダとの間に、アンチロックブレーキ制御を実行するための込め弁113、弛め弁123、アキュムレータ125、及び液圧ポンプ119を備えている。
込め弁113は、管路104を介して前輪側マスタシリンダ103に接続されている。込め弁113と管路104との接続部には、フィルタが設けられている。一方、込め弁113は、管路114を介して弛め弁123と前輪側キャリパ115のホイールシリンダとに接続されている。込め弁113は、開閉することにより、管路104から管路114へのブレーキ液の流れを制御するようになっている。
弛め弁123は、一端がフィルタを介して管路114に接続されており、他端が管路122を介してアキュムレータ125及び液圧ポンプ119に接続されている。弛め弁123は、開閉することにより、管路114から管路122へのブレーキ液の流れを制御するようになっている。
アキュムレータ125は、弛め弁123と液圧ポンプ119との間の管路122で分岐して接続されている。アキュムレータ125は、管路122から流入するブレーキ液を貯留し、また、貯留していたブレーキ液を管路122に流出させることができるようになっている。
液圧ポンプ119は、吸込側が管路122に接続されている一方、吐出側が管路104から分岐する管路106に絞りを介して接続されている。液圧ポンプ119は、逆止弁121,121を介して管路122及び管路106に接続されている。これにより、ブレーキ液は、管路122から液圧ポンプ119に流れることはできるが、液圧ポンプ119から管路122には流れることができず、また、液圧ポンプ119から管路106に流れることはできるが、管路106から液圧ポンプ119には流れることができないようになっている。
図2は、ECUによる機能的構成を示すブロック図である。
ECU1は、前輪速度センサ129から受信した速度信号に基づき、所定の条件に従って、DCモータ300、込め弁113、及び弛め弁123のそれぞれを作動する。なお、各弁はソレノイドを備えた電磁弁であり、ECU1によって通電されて開閉状態が切り換えられる。
さらに、ブレーキング時に、前輪速度センサからの回転速度信号をECU1が受けて車輪のロックを検知した場合に、ECU1は、ABS(アンチロックブレーキ制御システム)を作動させて、液圧ポンプ119を作動し、込め弁113及び弛め弁123を開閉して、制動力を制御して車輪のロックを防止する。
以下、本実施形態におけるスリップ検出の概要について説明する。
図3は、一般的な摩擦係数とスリップ率との関係を示す図である。この図において、横軸はスリップ率Sを示しており、縦軸はタイヤと路面との摩擦係数μを示している。
図3に示すように、ブレーキの制動力を強めていき、スリップ率Sが上がっていくと、摩擦係数μも最初は上昇していくが、摩擦係数μが最大となるμピークP0を超えると、摩擦係数μは低下して車輪がロックし易い状態であるロック傾向になることがわかる。すなわち、スリップ率Sが上昇してμピークP0を超えると、車輪がロック傾向になってロックし始めることにより回転速度が急に下がりはじめるため、車輪減速度は急に増加する。
逆に考えると、車輪減速度が急に増加したときは、スリップ率SがμピークP0を超えて摩擦係数μが低下しており、車輪はロック傾向にあることが分かる。このときにブレーキの制動力を弱めて車輪のグリップを回復させ、車輪のスリップを解消することにより、車両安定性を確保でき、また、車両の制動力を向上させることができる。
以上の力学的関係により、ブレーキ制御装置400は、車輪減速度を用いてアンチロックブレーキ制御を実行する。
図4は、ブレーキ制御装置によるアンチロックブレーキ制御の様子の概要を示す模式図である。図4(a)は時間と速度との関係を示す図であり、図4(b)は時間と車輪加減速度との関係を示す図であり、図4(c)は時間と液圧との関係を示す図である。これら図4(a)乃至図4(c)は、それぞれ時系列が対応している。
図4(a)において、線L1は実際の車体速度を示している。一方、線L2は前輪速度センサ129から受信した速度信号に基づく車輪の速度を示している。車輪の速度を示す線L2は、車輪が路面に対してスリップしていないときは、実際の車体の速度を示す線L1と略一致する。また、線T´は、後述する閾値Tに対応する線を示している。
図4(b)において、線L3は車輪の加減速度を示しており、線Tは前輪がロックしそうであるか否かを判定するための閾値を示している。この図において、正の加減速度は車輪の回転が加速している状態を示し、負の加減速度は車輪の回転が減速している状態を示している。すなわち、加減速度の正号及び負号を逆にしたものが減速度である。なお、線Tは、μピークP0近傍(図3参照)に対応する値、望ましくは、μピークP0の直前の値に対応する値である。点P1は、アンチロックブレーキ制御により減圧していた前輪側キャリパ115に供給されるブレーキ液の液圧を再び増圧するタイミング、すなわち、前輪のスリップが略解消したタイミングを示している。
図4(c)において、線L4は、前輪側マスタシリンダ103におけるブレーキ液の液圧を示しており、線L5は、前輪側キャリパ115のホイールシリンダにおけるブレーキ液の液圧を示している。
これら図4(a)乃至図4(c)からわかるように、ブレーキ制御装置400は、L2で示す車輪の速度と線L1で示す車体の速度との差が開いてきて線T´を超えたとき(図4(a)参照)、すなわち、線L3で示す車輪の加減速度が線Tで示す閾値を超えるまで減速したとき(図4(b)参照)に、前輪がロックしそうであると判定する。ブレーキ制御装置400は、前輪がロックしそうであると判定すると、アンチロックブレーキ制御により線L5で示すようにホイールシリンダにおけるブレーキ液の液圧を下げて(図4(c)参照)前輪側キャリパ115によるブレーキの制動力を弱めている。
一方、アンチロックブレーキ制御によりブレーキの制動力を弱めた状態において、ブレーキ制御装置400は、線L2で示す車輪速度が線L1で示す車体速度に近づいたとき(図4(a)参照)、すなわち、線L3で示す車輪の加減速度の上昇が止まった点P1に達したとき(図4(b)参照)に、アンチロックブレーキ制御によりホイールシリンダにおけるブレーキ液の液圧を上げて(図4(c)参照)前輪側キャリパ115によるブレーキの制動力を再び強めている。これら一連の処理は、車両の速度がライダーの所望の速度まで減速するまで繰り返される。
本実施形態に係るブレーキ制御装置400は、前輪がロックしそうであるか否かを判定する際に、線Tで示す閾値にさらなる条件を加えた3種類の条件を用いている。これら各条件は、検出誤差等によるブレーキ制御装置400の早期作動や作動遅れを防止し、ブレーキ制御装置400によるアンチロックブレーキ制御の精度を向上させることができる。
第1の条件は、車輪減速度が線T(図4(b)参照)で示す第1の閾値を超えて車輪減速度が閾値Tよりも大きくなった、かつ、前演算サイクルにおける車輪減速度(前減速度)と現演算サイクルにおける車輪減速度との差が第2の閾値を超えた、という条件である。ここで、第2の閾値は、車輪減速度が急に増加したか否かを判定するための閾値である。なお、前演算サイクルにおける車輪減速度は、ECU1内のメモリに記憶されている。
第2の条件は、車輪減速度が線T(図4(b)参照)で示す第1の閾値を超えて車輪減速度が閾値Tよりも大きくなった、かつ、この閾値を超えた状態が所定の時間続いた、という条件である。ここで、所定の時間は、検出誤差等により瞬間的に車輪減速度が線Tで示す閾値を超えた場合を、前輪がロックしそうであるか否かの判定から除外するのに十分な時間である。
第3の条件は、前演算サイクルにおける車輪減速度(前減速度)と現演算サイクルにおける車輪減速度とを、誤差を有する複数の検出値から経時変化する値を推定するためのフィルタに通し、このフィルタに通して得られた車輪減速度が線T(図4(b)参照)で示す第1の閾値を超えた、という条件である。本実施形態では、PT1フィルタを用いているが、PT2フィルタ、カルマンフィルタ等を用いてもよい。
以下、これらの条件を判定するフローチャートについて説明する。
図5は、ブレーキ制御装置がアンチロックブレーキ制御を実行する際の処理を示すフローチャートである。なお、このフローチャートで示す演算サイクルにおいては、第1の閾値に対応する値として、それぞれ負の加減速度の値である値A1、値A2、及び値A3が用いられており、これらは上述の第1乃至第3の条件に合わせて各々設定されているが、同一の値に設定されていてもよい。
ブレーキ制御装置400がアンチロックブレーキ制御を実行する際に、ECU1は、先ず、前輪速度センサ129から受信した速度信号に基づいて検出した車輪加減速度と、同様に検出してメモリに記憶していた前演算サイクルにおけるフィルタされた車輪加減速度とをPT1フィルタに通す(ステップS1)。このときのPT1フィルタにおける処理は、以下の式に示す演算を行うものである。
aWh1_F(n)=aWh1(n)*F2+aWh1_F(n−1)*(1−F2)
ここで、
aWh1(n):現演算サイクルにおける車輪加減速度
aWh1_F(n):現演算サイクルにおけるフィルタされた車輪加減速度
aWh1_F(n−1):前演算サイクルにおけるフィルタされた車輪加減速度
F2:更新率
である。なお、更新率F2は、0乃至1の範囲の値であり予め設定される。
次に、ECU1は、車輪加減速度aWh1(n)が閾値Tに対応する値A3よりも小さいか否か、すなわち、車輪減速度が閾値Tに対応する減速度よりも大きいか否かを判定する(ステップS2)。
ステップS2において、車輪加減速度aWh1(n)が値A3よりも小さくないと判定すると(ステップS2:No)、ECU1は、タイマ値をリセットして0.0に設定する(ステップS3)。
一方、ステップS2において、車輪加減速度aWh1(n)が値A3よりも小さいと判定すると(ステップS2:Yes)、ECU1は、タイマ値に演算周期dtを足す(ステップS4)。タイマ値に演算周期dtを足すと、ECU1は、タイマ値が値T3を超えたか否かを判定する(ステップS5)。ここで、値T3は、上記第2の条件において示したように、車輪減速度が線T(図4(b)参照)で示す閾値に対応する減速度よりも大きい状態が一定時間続いたか否かを判定するための値であり、予め設定される。
ステップS5において、タイマ値が値T3を超えたと判定すると(ステップS5:Yes)、ECU1は、アンチロックブレーキ制御により減圧処理を実行し(ステップS9)、一連の処理を終了する。
一方、ステップS3においてタイマ値を0.0に設定する、または、ステップS5においてタイマ値が値T3を超えていないと判定すると(ステップS5:No)、ECU1は、PT1フィルタを通して得た車輪加減速度aWh1_F(n)が線T(図4(b)参照)で示す閾値に対応する値A2よりも小さいか否かを判定する(ステップS6)。
ステップS6において、車輪加減速度aWh1_F(n)が値A2よりも小さいと判定すると、ECU1は、アンチロックブレーキ制御により減圧処理を実行し(ステップS9)、一連の処理を終了する。ブレーキ制御装置400は、ステップS3乃至ステップS5の処理を通して、車輪加減速度と第1の閾値との比較を所定の時間にわたって行っている。
一方、ステップS6において、PT1フィルタを通して得た車輪加減速度aWh1_F(n)が値A2よりも小さくないと判定すると、ECU1は、新たに検出した車輪加減速度aWh1(n)が線T(図4(b)参照)で示す閾値に対応する値A1よりも小さいか否かを判定する(ステップS7)。
ステップS7において、車輪加減速度aWh1(n)が値A1よりも小さくないと判定すると(ステップS7:No)、ECU1は、ステップS1から一連の処理を繰り返す。
一方、ステップS7において、車輪加減速度aWh1(n)が値A1よりも小さいと判定すると(ステップS7:Yes)、ECU1は、前演算サイクルにおける車輪加減速度aWh1(n−1)から現演算サイクルにおける車輪加減速度aWh1(n)を引いたときの値が、車輪減速度が急に増加したと判定するための第2の閾値D1よりも大きいか否か、すなわち、車輪減速度が急に増加したか否かを判定する(ステップS8)。
ステップS8において、過去に検出した車輪加減速度aWh1(n−1)から新たに検出した車輪加減速度aWh1(n)を引いたときの値が、第2の閾値D1よりも大きくないと判定すると(ステップS8:No)、ECU1は、ステップS1から一連の処理を繰り返す。
一方、ステップS8において、前演算サイクルにおける車輪加減速度aWh1(n−1)から現演算サイクルにおける車輪加減速度aWh1(n)を引いたときの値が、第2の閾値D1よりも大きいと判定すると(ステップS8:Yes)、ECU1は、アンチロックブレーキ制御により減圧処理を実行し(ステップS9)、一連の処理を終了する。
以上の処理により、ブレーキ制御装置400は、上述した第1の条件、第2の条件、及び第3の条件を用いて、前輪がロックしそうであるか否かを精度良く判定することができる。
本実施形態では、ブレーキ制御装置400は、自動二輪車の前輪にアンチロックブレーキ制御を実行する際に、前輪の車輪減速度を検出し、検出した車輪減速度と線Tで示す第1の閾値とを比較して前輪がロックしそうであるか否かを判定し、前輪がロックしそうであると判定した場合に、前輪の制動力を弱める。これにより、ブレーキ制御装置400は、摩擦係数μが高い状態にあるμピークP0近傍でアンチロックブレーキ制御を実行することができる。このため、前輪のみにアンチロックブレーキ制御を行う場合であっても、高精度で、高い制動力を発生することができる。
また、本実施形態では、ブレーキ制御装置400は、前輪の前演算サイクルにおける車輪加減速度を記憶しており、前輪がロックしそうであるか否かの判定する際に、前演算サイクルにおける車輪加減速度と現演算サイクルにおける車輪加減速度との差を第2の閾値と比較して車輪減速度が急に増加したか否かを判定し、車輪減速度が急に増加したと判定した場合に、前輪がロックしそうであると判定している。
さらに、本実施形態では、ブレーキ制御装置400は、前輪がロックしそうであるか否かを判定する際に、車輪加減速度と第1の閾値との比較を、前輪がロックしそうな状態が続いていると判定される所定の時間にわたって行い、前輪がロックしそうな状態が続いていると判定した場合に、前輪がロックしそうであると判定している。
さらにまた、本実施形態では、ブレーキ制御装置400は、前輪の前演算サイクルにおける車輪加減速度を記憶しており、前輪がロックしそうであるか否かの判定は、前演算サイクルにおける車輪加減速度と現演算サイクルにおける車輪加減速度とを、誤差を有する複数の検出値から経時変化する値を推定するためのフィルタに通し、このフィルタに通して得られた値を車輪減速度として用いている。
これらの各構成により、ブレーキ制御装置400は、検出誤差等によるブレーキ制御装置400の早期作動や作動遅れを防止し、ブレーキ制御装置400によるアンチロックブレーキ制御の精度を向上させることができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、実施形態では、前輪のみにABSが搭載された自動二輪車を用いているが、これに限定されることはない。自動二輪車の前輪にアンチロックブレーキ制御を実行する自動二輪車であれば、後輪にもABSが搭載された自動二輪車であってもよい。
また、上記実施形態では、各判定を行う際に、各閾値よりも小さいか否か、または大きいか否かによって判定しているが、本発明は、これに限定されるものではない。各判定は、各閾値と比較されていれば、その他の条件であってもよい。
さらに、上記実施形態では、図5に示す順番で上述した第1乃至第3の条件を判定しているが、本発明は、これに限定されるものではない。前輪がロックしそうであるか否かを判定できれば、異なる順番であってもよいし、また、第1乃至第3の条件をすべて実行しなくてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、図4及び図5に対応する説明において、車輪加減速度を用いて説明しているが、本発明は、これに限定されるものではない。車輪の回転が減速する度合いがわかれば、直接車輪減速度を用いる等して一連の処理を実行してもよい。
1 ECU
100 前輪液圧回路
101 ブレーキレバー
103 前輪側マスタシリンダ
105 前輪側マスタシリンダ用リザーバ
104 管路
106 管路
113 込め弁
114 管路
115 前輪側キャリパ
119 液圧ポンプ
121 逆止弁
122 管路
123 弛め弁
125 アキュムレータ
129 前輪速度センサ
300 DCモータ
400 ブレーキ制御装置

Claims (6)

  1. 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置において、
    前記自動二輪車の前輪に前記アンチロックブレーキ制御を実行する際に、前記前輪の減速度を検出し、
    前記前輪の減速度と第1の閾値とを比較して前記前輪がロックしそうであるか否かを判定し、
    前記比較の結果、前記前輪がロックしそうであると判定した場合に、
    さらに、前演算サイクルにおける前記前輪の減速度として記憶された前減速度と、現演算サイクルにおける前記前輪の減速度との差を第2の閾値と比較して前記前輪の減速度が急に増加したか否かを判定し、
    前記前輪の減速度が急に増加したと判定した場合に、前記前輪の制動力を弱めることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置において、
    前記自動二輪車の前輪に前記アンチロックブレーキ制御を実行する際に、前記前輪の減速度を検出し、
    前記前輪の減速度と第1の閾値とを比較して前記前輪がロックしそうであるか否かを判定し、
    前記比較の結果、前記前輪がロックしそうであると判定した場合に、
    さらに、前記前輪の減速度と前記第1の閾値との比較を、前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定される所定の時間にわたって行い、
    前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定した場合に、前記前輪の制動力を弱めることを特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のブレーキ制御装置において、
    前記前輪の前演算サイクルにおける減速度を前減速度として記憶しており、
    前記前輪がロックしそうであるか否かの判定は、
    前記前減速度と現演算サイクルにおける前記前輪の減速度とを、誤差を有する複数の検出値から経時変化する値を推定するためのフィルタに通し、前記フィルタに通して得られた値を前記前輪の減速度として用いることを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置の制御方法において、
    前記自動二輪車の前輪に前記アンチロックブレーキ制御を実行する際に、前記前輪の減速度を検出するステップと、
    前記前輪の減速度と第1の閾値とを比較して前記前輪がロックしそうであるか否かを判定するステップと、
    前記比較の結果、前記前輪がロックしそうであると判定した場合に、さらに、前演算サイクルにおける前記前輪の減速度として記憶された前減速度と現演算サイクルにおける前記前輪の減速度との差を第2の閾値と比較して前記前輪の減速度が急に増加したか否かを判定するステップと、
    前記前輪の減速度が急に増加したと判定した場合に、前記前輪の制動力を弱めるステップと、
    を備えることを特徴とするブレーキ制御装置の制御方法。
  5. 自動二輪車のアンチロックブレーキ制御を実行可能なブレーキ制御装置の制御方法において、
    前記自動二輪車の前輪に前記アンチロックブレーキ制御を実行する際に、前記前輪の減速度を検出するステップと、
    前記前輪の減速度と第1の閾値とを比較して前記前輪がロックしそうであるか否かを判定するステップと、
    前記比較の結果、前記前輪がロックしそうであると判定した場合に、
    さらに、前記前輪の減速度と前記第1の閾値との比較を、前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定される所定の時間にわたって行うステップと、
    前記前輪がロックしそうな状態が続いていると判定した場合に、前記前輪の制動力を弱めるステップと、
    を備えることを特徴とするブレーキ制御装置の制御方法。
  6. 請求項4または5に記載のブレーキ制御装置の制御方法において、
    前記ブレーキ制御装置は前記前輪の前演算サイクルにおける減速度を前減速度として記憶しており、
    前記前輪がロックしそうであるか否かの判定は、
    前記前減速度と現演算サイクルにおける前記前輪の減速度とを、誤差を有する複数の検出値から経時変化する値を推定するためのフィルタに通し、前記フィルタに通して得られた値を前記前輪の減速度として用いることを特徴とするブレーキ制御装置の制御方法。
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