JP7125901B2 - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の停止判定を実行可能な車両用ブレーキ制御装置に関する。
従来、車両用ブレーキ制御装置として、すべての車輪の車輪速度が零であり、かつ、疑似車体速度が零である場合に、車両が停止したと判定するものが知られている(特許文献1参照)。具体的に、この技術では、原則、各車輪の車輪速度に基づいて疑似車体速度を推定しているが、各車輪速度が急に零になった場合には、所定の減速度で減速された速度を疑似車体速度としている。
特開平11-139292号公報
ところで、車両、特にオートバイなどの2輪車両においては、運転者が前輪ブレーキのみをかけた場合に、後輪が浮き上がる現象(以下、「リアリフト」ともいう。)が起きることがある。このような前輪ブレーキのみのブレーキ操作によってリアリフトが起きた場合、従来技術のような停止判定方法であると、リアリフト後に後輪が着地して後輪の車輪速度が急に零になっても、疑似車体速度が零にならず、車両の停止判定を精度良く行うことができないおそれがある。
そこで、本発明は、リアリフト時において車両の停止判定を精度良く行うことを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両用ブレーキ制御装置は、前輪の車輪速度を検出する第1車輪速度検出手段と、後輪の車輪速度を検出する第2車輪速度検出手段と、前記前輪の車輪速度に基づいて前輪の推定車体速度を推定する第1推定車体速度推定手段と、前記後輪の車輪速度に基づいて後輪の推定車体速度を推定する第2推定車体速度推定手段と、前記前輪の車輪速度、前記前輪の推定車体速度および前記後輪の車輪速度が速度下限値以下である場合には、前記後輪の推定車体速度が前記速度下限値以下でなくても車両が停止状態であると判定する停止判定手段と、を備える。
この構成によれば、停止判定の条件から後輪の推定車体速度の条件を除外しているので、車両がリアリフトした後、後輪が着地して後輪の車輪速度が、前輪の推定車体速度および車輪速度とともに速度下限値以下になれば、後輪の推定車体速度が速度下限値以下でなくても、車両が停止していると判定することができる。そのため、リアリフト時において車両の停止判定を精度良く行うことができる。
また、前記第2推定車体速度推定手段は、後輪の車輪速度の前回値からの変化量が所定値より大きい場合には、後輪の推定車体速度の今回値を、前回値からの変化量が所定値以下となる値にするように構成されていてもよい。
このような構成では、リアリフト後の後輪着地時において、後輪の推定車体速度が速度下限値以下にならない可能性が高いため、前述した停止判定を行うことで、車両の停止判定を精度良く行うことができる。
また、前記第1推定車体速度推定手段は、前輪の車輪速度の前回値からの変化量が所定値より大きい場合には、前輪の推定車体速度の今回値を、前回値からの変化量が所定値以下となる値にするように構成されていてもよい。
また、前記停止判定手段により車両が停止状態であると判定された場合に、後輪の推定車体速度を前記速度下限値に補正する停止時補正手段を備えていてもよい。
これによれば、車両が停止状態であると判定された場合に、後輪の推定車体速度が速度下限値(例えば、0)に補正されるので、その後においても後輪の推定車体速度を用いて他の制御(例えば、エラー判定)を行うことができる。
また、前記車両用ブレーキ制御装置は、前輪および後輪のうち一方の車輪のみの制動を制御する制御手段を備え、前輪および後輪の両方に設けられた車輪速度センサから前輪の車輪速度および後輪の車輪速度を取得してもよい。
前輪および後輪のうち一方の車輪のみの制動を制御する構成では、リアリフト時の停止判定の誤判定が起こりやすいため、この構成において上述した停止判定を行うことで、誤判定を良好に抑制することができる。
また、前記車両用ブレーキ制御装置は、前輪および後輪のうち一方の車輪のみの制動を制御する制御手段を備え、前輪および後輪のうち前記一方の車輪の車輪速度を、車輪の回転に伴ってパルス波を発生する車輪速度センサで検出し、他方の車輪の車輪速度を、前記車輪速度センサと検出形式が異なる速度検出センサで検出してもよい。
これによれば、前後輪の他方の車輪の車輪速度を検出するために、車輪速度センサと検出形式が異なる速度検出センサを用いるので、例えば前後輪の両方に検出精度の高い車輪速度センサを設ける構成に比べ、コストの低下を図ることができる。
本発明によれば、リアリフト時において車両の停止判定を精度良く行うことができる。
実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置を備えた自動二輪車の構成を示す図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 リアリフト時の停止判定を示すタイムチャートである。 後輪の車輪速度を検出するセンサの変形例を示す図である。
以下、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両の一例としての自動二輪車MCは、エンジンENGと、トランスミッションTMと、前輪WFのブレーキ系統BFと、後輪WRのブレーキ系統BRと、車両用ブレーキ制御装置の一例としての制御部100とを備えている。なお、本実施形態においては、前輪WFが「前輪および後輪のうち一方の車輪」に相当する。
エンジンENGは、後輪WRに駆動力を付与する駆動源であり、トランスミッションTMを介して後輪WRに連結されている。トランスミッションTMは、エンジンENGの駆動力を変速して後輪WRに伝達する機構であり、その出力軸付近には、速度検出センサ52が設けられている。
速度検出センサ52は、後輪WRの車輪速度Vwrを検出するセンサ(いわゆるスピードメータセンサ)であり、図示せぬスピードメータで表示する速度に対応した車輪速度を検出している。速度検出センサ52は、前輪WFの車輪速度Vwfを検出する車輪速度センサ51と検出形式が異なる。ここで、車輪速度センサ51は、車輪の回転に伴ってパルス波を発生するセンサである。
ブレーキ系統BFは、マスタシリンダMFと、液圧ユニット10と、車輪ブレーキ20と、マスタシリンダMFと液圧ユニット10の入口ポート10aを繋ぐ配管30と、液圧ユニット10の出口ポート10bと車輪ブレーキ20を繋ぐ配管40とを主に有して構成されている。また、ブレーキ系統BRは、マスタシリンダMRと、車輪ブレーキ20と、マスタシリンダMRと車輪ブレーキ20を繋ぐ配管50とを主に有して構成されている。
マスタシリンダMFは、運転者が右手で操作するブレーキレバーLFの操作量に応じた液圧を出力する装置であり、マスタシリンダMRは、運転者が右足で操作するブレーキペダルLRの操作量に応じた液圧を出力する装置である。
車輪ブレーキ20は、それぞれ、ブレーキロータ21と、図示しないブレーキパッドと、マスタシリンダMF,MRから出力された液圧によりブレーキパッドをブレーキロータ21に押し当ててブレーキ力(制動力)を発生するホイールシリンダ23とを主に備えている。
液圧ユニット10は、入口弁1、チェック弁1a、出口弁2、リザーバ3、ポンプ4、吸入弁4a、吐出弁4b、モータ6を主に備え、通常時は入口ポート10aから出口ポート10bまでが連通した油路となっていることで、マスタシリンダMFから出力された液圧が前輪WFの車輪ブレーキ20に伝達されるようになっている。
入口弁1は、マスタシリンダMFと車輪ブレーキ20との間に設けられた常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMFから車輪ブレーキ20へ液圧が伝達するのを許容する。また、入口弁1は、前輪WFがロックしそうになったときに制御部100により閉塞されることで、マスタシリンダMFから車輪ブレーキ20へ液圧が伝達するのを遮断する。
出口弁2は、車輪ブレーキ20とリザーバ3との間に設けられた常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、前輪WFがロックしそうになったときに制御部100により開放されることで、車輪ブレーキ20に加わる液圧をリザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、車輪ブレーキ20側からマスタシリンダMF側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、入口弁1に並列に接続されている。チェック弁1aは、マスタシリンダMFからの液圧の入力が解除された場合に、入口弁1を閉じていても、車輪ブレーキ20側からマスタシリンダMF側へのブレーキ液の流れを許容する。
リザーバ3は、出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯溜する。ポンプ4は、リザーバ3とマスタシリンダMFとの間に設けられ、モータ6の回転駆動によって駆動することでリザーバ3に貯溜されているブレーキ液を吸入してマスタシリンダMFに戻す。
液圧ユニット10は、制御部100により入口弁1と出口弁2の開閉状態が制御されることで、制動力、具体的には、前輪WFのホイールシリンダ23の液圧(以下、「ホイールシリンダ圧」ともいう。)を調整する。例えば、入口弁1が開、出口弁2が閉となる通常状態では、ブレーキレバーLFを操作していれば、マスタシリンダMFの液圧がそのままホイールシリンダ23に伝達されて制動力が増加する増圧状態となる。また、入口弁1が閉、出口弁2が開となる状態では、ホイールシリンダ23からリザーバ3側へブレーキ液が流出して制動力が減少する減圧状態となる。さらに、入口弁1と出口弁2が共に閉となる状態では、ホイールシリンダ23の液圧が保持されて制動力が保持される保持状態となる。
制御部100は、主に、前輪WFのブレーキ系統BFに設けられた液圧ユニット10を制御することで、前輪WFのロックを抑制する車輪ロック抑制制御を実行する装置である。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力回路などを備えて構成されており、車輪速度センサ51および速度検出センサ52からの入力や、ROMに記憶されたプログラム、データなどに基づいて各種演算処理を行うことによって制御を実行する。
図2に示すように、制御部100は、第1車輪速度検出手段110と、第1推定車体速度推定手段120と、第2車輪速度検出手段130と、第2推定車体速度推定手段140と、停止判定手段150と、停止時補正手段160と、制御手段の一例としての車輪ロック抑制制御手段170と、異常判定手段180と、記憶手段190とを備えている。
第1車輪速度検出手段110は、車輪速度センサ51を介して前輪WFの車輪速度Vwfを検出する機能を有している。第1車輪速度検出手段110は、前輪WFの車輪速度Vwfを検出すると、検出した車輪速度Vwfを第1推定車体速度推定手段120、停止判定手段150および車輪ロック抑制制御手段170に出力する。
第1推定車体速度推定手段120は、前輪WFの車輪速度Vwfに基づいて前輪WFの推定車体速度Vcfを推定する機能を有している。また、第1推定車体速度推定手段120は、前輪WFの車輪速度Vwfの前回値からの変化量が所定値より大きい場合には、前輪WFの推定車体速度Vcfの今回値を、前回値からの変化量が所定値以下となる値にする機能を有している。
具体的に、第1推定車体速度推定手段120は、車輪速度Vwfの今回値と前回値の差である車輪速度Vwfの変化量を算出し、算出した車輪速度Vwfの変化量(大きさ)が所定値以下であるか否かを判断する。前輪WFの加速時において、算出した車輪速度Vwfの変化量が所定値以下である場合には、第1推定車体速度推定手段120は、算出した車輪速度Vwfの変化量を、推定車体速度Vcfの前回値に加算することで、推定車体速度Vcfの今回値を算出する。また、前輪WFの加速時において、算出した車輪速度Vwfの変化量が所定値より大きい場合には、第1推定車体速度推定手段120は、所定値以下の値となる制限値(例えば、所定値と同じ値)を、推定車体速度Vcfの前回値に加算することで、推定車体速度Vcfの今回値を算出する。
また、前輪WFの減速時において、算出した車輪速度Vwfの変化量が所定値以下である場合には、第1推定車体速度推定手段120は、推定車体速度Vcfの前回値から、算出した車輪速度Vwfの変化量を減算することで、推定車体速度Vcfの今回値を算出する。また、前輪WFの減速時において、算出した車輪速度Vwfの変化量が所定値より大きい場合には、第1推定車体速度推定手段120は、推定車体速度Vcfの前回値から、前述した制限値を減算することで、推定車体速度Vcfの今回値を算出する。
第1推定車体速度推定手段120は、前輪WFの推定車体速度Vcfを推定すると、推定した推定車体速度Vcfを停止判定手段150、車輪ロック抑制制御手段170および異常判定手段180に出力する。
第2車輪速度検出手段130は、速度検出センサ52を介して後輪WRの車輪速度Vwrを検出する機能を有している。第2車輪速度検出手段130は、後輪WRの車輪速度Vwrを検出すると、検出した車輪速度Vwrを第2推定車体速度推定手段140および停止判定手段150に出力する。
第2推定車体速度推定手段140は、後輪WRの車輪速度Vwrに基づいて後輪WRの推定車体速度Vcrを推定する機能を有している。また、第2推定車体速度推定手段140は、後輪WRの車輪速度Vwrの前回値からの変化量が所定値より大きい場合には、後輪WRの推定車体速度Vcrの今回値を、前回値からの変化量が所定値以下となる値にする機能を有している。
なお、後輪WRの推定車体速度Vcrの推定方法は、前述した前輪WFの推定車体速度Vcfの推定方法と同様であるため、詳細な説明を省略する。第2推定車体速度推定手段140は、後輪WRの推定車体速度Vcrを推定すると、推定した推定車体速度Vcrを異常判定手段180に出力する。また、第2推定車体速度推定手段140は、後述する停止時補正手段160から、補正された推定車体速度Vcrが入力された場合には、補正された推定車体速度Vcrを、推定車体速度Vcrの今回値とし、この今回値を異常判定手段180に出力する。
停止判定手段150は、前輪WFの車輪速度Vwf、前輪WFの推定車体速度Vcfおよび後輪WRの車輪速度Vwrに基づいて、自動二輪車MCの停止判定を行う機能を有している。詳しくは、停止判定手段150は、前輪WFの車輪速度Vwf、前輪WFの推定車体速度Vcfおよび後輪WRの車輪速度Vwrが速度下限値Vmin以下である場合に、後輪WRの推定車体速度Vcrが速度下限値Vmin以下でなくても自動二輪車MCが停止状態であると判定する機能を有している。つまり、停止判定手段150は、停止判定の条件から後輪WRの推定車体速度Vcrを除外しており、前輪WFの車輪速度Vwf、前輪WFの推定車体速度Vcfおよび後輪WRの車輪速度Vwrに関する条件のみを判断している。停止判定手段150は、自動二輪車MCが停止状態であると判定した場合には、そのことを示す停止信号を停止時補正手段160に出力する。なお、速度下限値Vminは、自動二輪車MCが停止したと判定できるような零に近い小さな値であればよく、例えば零とすることができる。
停止時補正手段160は、停止判定手段150により自動二輪車MCが停止状態であると判定された場合に、後輪WRの推定車体速度Vcrを、前述した速度下限値Vminに補正する機能を有している。具体的には、停止時補正手段160は、停止判定手段150から停止信号を受けると、速度下限値Vminを、補正した後輪WRの推定車体速度Vcrとして第2推定車体速度推定手段140に出力する。
車輪ロック抑制制御手段170は、前輪WFのみの制動を制御する制御手段であり、前輪WFの車輪速度Vwfおよび推定車体速度Vcfに基づいて、前輪WFのロックを抑制する車輪ロック抑制制御を実行する機能を有している。詳しくは、車輪ロック抑制制御手段170は、車輪速度Vwfと推定車体速度Vcfとに基づいて定まるスリップ率が、所定の閾値以上になり、かつ、車輪加速度が0以下であるとき(減速中)に前輪WFがロックしそうになったと判定して、減圧制御を実行する。ここで、車輪加速度は、例えば車輪速度Vwfから算出される。車輪ロック抑制制御手段170は、減圧制御において、入口弁1および出口弁2に電流を流すことで、入口弁1を閉じ、出口弁2を開けるように制御する。
車輪ロック抑制制御手段170は、減圧制御中において車輪加速度が0よりも大きくなると、保持制御を実行する。車輪ロック抑制制御手段170は、保持制御において、入口弁1に電流を流し、出口弁2に電流を流さないことで、入口弁1および出口弁2を両方とも閉じるように制御する。
車輪ロック抑制制御手段170は、スリップ率が所定の閾値未満となり、かつ、車輪加速度が0以下であるときに、増圧制御を実行する。車輪ロック抑制制御手段170は、増圧制御において、入口弁1および出口弁2に電流を流さないことで、出口弁2を閉じ、入口弁1を開けるように制御する。
異常判定手段180は、前後輪の推定車体速度Vcf,Vcrの差が所定の規定値以上である場合に、車輪速度センサ51または速度検出センサ52が異常であると判定する機能を有している。なお、異常判定手段180による異常判定は、例えば、車輪ロック抑制制御の非実行中に行われる。
記憶手段190は、制御部100を前述した各手段として機能させるためのプログラムや、推定車体速度Vcf,Vcrなどのパラメータなどを記憶している。
次に、図3を参照して制御部100による停止判定の処理を詳細に説明する。制御部100は、図3に示す処理を常時繰り返し実行している。
図3に示すように、停止判定処理において、制御部100は、まず、車輪速度センサ51および速度検出センサ52から前後輪の車輪速度Vwf,Vwrを取得する(S1)。ステップS1の後、制御部100は、前後輪の車輪速度Vwf,Vwrに基づいて、前後輪の推定車体速度Vcf,Vcrを算出する(S2)。
ステップS2の後、制御部100は、前後輪の車輪速度Vwf,Vwrおよび前輪WFの推定車体速度Vcfのすべてがそれぞれ速度下限値Vmin以下であるか否かを判断する(S3)。ステップS3において車輪速度Vwf,Vwrおよび推定車体速度Vcfの少なくとも1つが速度下限値Vmin以下でないと判断した場合には(No)、制御部100は、ステップS1の処理に戻る。
ステップS3において車輪速度Vwf,Vwrおよび推定車体速度Vcfのすべてがそれぞれ速度下限値Vmin以下であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、自動二輪車MCが停止状態であると判定する(S4)。ステップS4の後、制御部100は、後輪WRの推定車体速度Vcrの今回値を、速度下限値Vminに補正して(S5)、本処理を終了する。
次に、自動二輪車MCがリアリフトした際の停止判定の一例について図4を参照して説明する。なお、図4における「Fs」は、自動二輪車MCが停止状態であることを示す停止フラグであり、Fs=1の場合に自動二輪車MCが停止状態であることを示し、Fs=0の場合に自動二輪車MCが停止状態でないことを示す。
図4に示すように、自動二輪車MCの走行中において、運転者がフロントブレーキに対応したブレーキレバーLFのみを操作すると(時刻t1)、前輪WFにブレーキ力が作用することで、路面に接触している前輪WFおよび後輪WRが減速する。これにより、前後輪の車輪速度Vwf,Vwrが徐々に低下していくとともに、車輪速度Vwf,Vwrから算出される推定車体速度Vcf,Vcrも徐々に低下していく。
前輪WFの車輪速度Vwfおよび推定車体速度Vcfから算出されるスリップ率が所定の閾値以上になると(時刻t2)、制御部100は、車輪ロック抑制制御を開始する。なお、車輪ロック抑制制御中において、前輪WFの推定車体速度Vcrは、所定の制限値で制限されることで、所定の傾きで低下していく。
時刻t3において、自動二輪車MCがリアリフトすると、ブレーキ力が作用していない後輪WRが路面から離れて空転するため、時刻t3以降において、後輪WRの車輪速度Vwrおよび推定車体速度Vcrは、略一定の値に維持される。一方、前輪WFについては路面に接触しているため、前輪WFの車輪速度Vwfおよび推定車体速度Vcfは、時刻t3以降において、徐々に低下していく。
時刻t4において、前輪WFの車輪速度Vwfおよび推定車体速度Vcfがそれぞれ速度下限値Vmin以下となっても、後輪WRがまだ路面から離れた状態であると、制御部100は、自動二輪車MCが停止状態であると判定しない(Fs=0)。時刻t5において、後輪WRが路面に着地すると、後輪WRの車輪速度Vwrが急激に低下するが、所定の制限値で制限される後輪WRの推定車体速度Vcrは、緩やかな勾配で低下する。
その後、後輪WRの車輪速度Vwrが、前輪WFの車輪速度Vwfおよび推定車体速度Vcfとともに速度下限値Vmin以下になると、制御部100は、3つの条件が満たされたと判断して、自動二輪車MCが停止状態であると判定する(時刻t6、Fs=1)。さらに、制御部100は、自動二輪車MCが停止状態であると判定すると、速度下限値Vminを、後輪WRの推定車体速度Vcrの今回値に補正する。
ここで、図に示す2点鎖線は、補正を行わなかった場合の後輪WRの推定車体速度Vaである。このように補正を行わなかった場合には、後輪WRの推定車体速度Vaが速度下限値Vminに達するタイミングは、時刻t6から遅れた時刻t7となる。この場合には、例えば、時刻t6と時刻t7の間で、運転者がブレーキ操作を解除してアクセルを踏んで走行を再開した場合には、後輪WRの推定車体速度Vaが実際の車体速度(前輪WFの推定車体速度Vcf)よりも大きな車体速度となり、異常判定において誤判定してしまうおそれがある。
これに対し、本実施形態のように停止判定後に後輪WRの推定車体速度Vcrの今回値を速度下限値Vminに補正することで、時刻t6と時刻t7の間で、運転者が走行を再開した場合であっても、後輪WRの推定車体速度Vcrが実際の車体速度に略等しいため、異常判定における誤判定を抑制することができる。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
停止判定の条件から後輪WRの推定車体速度Vcrの条件を除外しているので、自動二輪車MCがリアリフトした後、後輪WRが着地して後輪WRの車輪速度Vwrが、前輪WFの車輪速度Vwfおよび推定車体速度Vcfとともに速度下限値Vmin以下になれば、後輪WRの推定車体速度Vcrが速度下限値Vmin以下でなくても、自動二輪車MCが停止していると判定することができる。そのため、リアリフト時において自動二輪車MCの停止判定を精度良く行うことができる。
後輪WRの推定車体速度Vcrに制限をかける構成では、リアリフト後の後輪WRの着地時において、後輪WRの推定車体速度Vcrが速度下限値Vmin以下にならない可能性が高い。そのため、このような制限をかける構成において前述した停止判定を行うことで、自動二輪車MCの停止判定を精度良く行うことができる。
自動二輪車MCが停止状態であると判定された場合に、後輪WRの推定車体速度Vcrが速度下限値Vminに補正されるので、その後においても後輪WRの推定車体速度Vcrを用いて他の制御(例えば、異常判定)を行うことができる。
前輪WFのみの制動を制御する構成では、リアリフト時の停止判定の誤判定が起こりやすいため、この構成において上述した停止判定を行うことで、誤判定を良好に抑制することができる。
後輪WRの車輪速度Vwrを検出するために、車輪速度センサ51と検出形式が異なる速度検出センサ52を用いるので、例えば前後輪の両方に検出精度の高い車輪速度センサを設ける構成に比べ、コストの低下を図ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、速度検出センサ52で後輪WRの車輪速度Vwrを検出したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、前輪WFと後輪WRの両方に車輪速度センサ51を設け、制御部100が、前輪WFおよび後輪WRの両方に設けられた各車輪速度センサ51から前輪WFの車輪速度Vwfおよび後輪WRの車輪速度Vwrを取得するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、制御手段として車輪ロック抑制制御手段170を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、制御手段は、急ブレーキ時に運転者のブレーキ操作をアシストするブレーキアシスト制御を実行するものであってもよい。
前記実施形態では、制御手段としての車輪ロック抑制制御手段170によって前輪WFのみの制動を制御したが、本発明はこれに限定されず、制御手段は、後輪のみの制動を制御するものであってもよい。なお、前輪の制動を制御しない構成であっても、前輪にブレーキをかければ、リアリフトは起こり得るので、本発明を有効に活用することができる。
前記実施形態では、制御部100(車両用ブレーキ制御装置)が、ブレーキ液を利用した液圧ブレーキ装置を制御するように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、車両用ブレーキ制御装置は、ブレーキ液を利用せずに電動モータによりブレーキ力を発生させる電動ブレーキ装置を制御するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、本発明が適用される車両として、自動二輪車を例示したが、これに限定されず、例えば、車両は、自動三輪車やバギーカーなどの自動二輪車以外のバーハンドル車両であってもよいし、自動四輪車などであってもよい。
前記実施形態では、後輪WRのブレーキ系統BRをブレーキペダルLRで操作するように構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば手で操作されるブレーキレバーによって後輪のブレーキ系統を操作するように構成してもよい。
また、車輪ロック抑制制御が行われない他方の車輪に対するブレーキは、液圧ブレーキに限定されず、例えば機械式のブレーキであってもよい。
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
100 制御部
110 第1車輪速度検出手段
120 第1推定車体速度推定手段
130 第2車輪速度検出手段
140 第2推定車体速度推定手段
150 停止判定手段
MC 自動二輪車
WF 前輪
WR 後輪

Claims (6)

  1. 前輪の車輪速度を検出する第1車輪速度検出手段と、後輪の車輪速度を検出する第2車輪速度検出手段と、前記前輪の車輪速度に基づいて前輪の推定車体速度を推定する第1推定車体速度推定手段と、前記後輪の車輪速度に基づいて後輪の推定車体速度を推定する第2推定車体速度推定手段と、を備える車両用ブレーキ制御装置において、
    前記前輪の車輪速度、前記前輪の推定車体速度および前記後輪の車輪速度が速度下限値以下である場合には、前記後輪の推定車体速度が前記速度下限値以下でなくても車両が停止状態であると判定する停止判定手段を備えることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  2. 前記第2推定車体速度推定手段は、後輪の車輪速度の前回値からの変化量が所定値より大きい場合には、後輪の推定車体速度の今回値を、前回値からの変化量が所定値以下となる値にすることを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  3. 前記第1推定車体速度推定手段は、前輪の車輪速度の前回値からの変化量が所定値より大きい場合には、前輪の推定車体速度の今回値を、前回値からの変化量が所定値以下となる値にすることを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  4. 前記停止判定手段により車両が停止状態であると判定された場合に、後輪の推定車体速度を前記速度下限値に補正する停止時補正手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  5. 前輪および後輪のうち一方の車輪のみの制動を制御する制御手段を備え、
    前輪および後輪の両方に設けられた車輪速度センサから前輪の車輪速度および後輪の車輪速度を取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  6. 前輪および後輪のうち一方の車輪のみの制動を制御する制御手段を備え、
    前輪および後輪のうち前記一方の車輪の車輪速度を、車輪の回転に伴ってパルス波を発生する車輪速度センサで検出し、他方の車輪の車輪速度を、前記車輪速度センサと検出形式が異なる速度検出センサで検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
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