JP2015196426A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両を制動する際に、路面摩擦係数を迅速に推定することができる車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両用ブレーキ制御装置は、複数の車輪に対応して設けられる複数の車輪ブレーキと、各車輪ブレーキの制動力を制御する制御部100とを有する。制御部100は、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段120と、車輪毎に車輪ブレーキの制動力を取得する制動力取得手段(ブレーキ液圧取得手段113)と、車輪毎に車輪減速度を取得する車輪減速度取得手段112と、を備え、路面摩擦係数推定手段120は、各車輪ブレーキの制動力と、各車輪の車輪減速度とに基づいて、各車輪に対応した路面摩擦係数を推定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車輪の接地路面の路面摩擦係数を推定可能な車両用ブレーキ制御装置に関する。
従来、車両用ブレーキ制御装置として、車両の制動時に、車輪速度に基づいて車両減速度を推定し、推定した車両減速度に基づいて路面摩擦係数を推定するものが知られている(特許文献1参照)。
特開2013−71657号公報
しかしながら、従来技術では、車両減速度を精度良く推定するために、アンチロックブレーキ制御における車輪の復帰する複数のタイミングから推定しており、路面摩擦係数を推定するタイミングが遅くなるという問題があった。
そこで、本発明は、車両を制動する際に、路面摩擦係数を迅速に推定することができる車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両用ブレーキ制御装置は、複数の車輪に対応して設けられる複数の車輪ブレーキと、各車輪ブレーキの制動力を制御する制御部とを有する車両用ブレーキ制御装置であって、前記制御部は、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、車輪毎に車輪ブレーキの制動力を取得する制動力取得手段と、車輪毎に車輪減速度を取得する車輪減速度取得手段と、を備え、前記路面摩擦係数推定手段は、各車輪ブレーキの制動力と、各車輪の車輪減速度とに基づいて、各車輪に対応した路面摩擦係数を推定することを特徴とする。
この構成によれば、各車輪ブレーキの制動力と各車輪の車輪減速度とに基づいて路面摩擦係数を推定するので、従来のようなアンチロックブレーキ制御における車輪の復帰する複数のタイミングから推定した車両減速度に基づいて路面摩擦係数を推定する方法に比べ、早いタイミングで路面摩擦係数を推定することができる。
また、前記した構成において、前記路面摩擦係数推定手段は、前記車輪減速度の絶対値が大きいほど、路面摩擦係数を低摩擦係数側に推定するように構成されていてもよい。
路面摩擦係数が低摩擦係数側であるほど運転者が所定のストロークでブレーキペダルを踏み込んだときにおける車輪減速度の絶対値が大きくなるので、前述したように路面摩擦係数を推定することで、車両減速度に基づいて路面摩擦係数を精度良く推定することができる。
また、前記した構成において、前記路面摩擦係数推定手段は、前記制動力が小さいほど、路面摩擦係数を低摩擦係数側に推定するように構成されていてもよい。
路面摩擦係数が低摩擦係数側であるほど車輪ブレーキの制動力が小さくなるので、前述したように路面摩擦係数を推定することで、制動力に基づいて路面摩擦係数を精度良く推定することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、前記路面摩擦係数推定手段は、車輪のスリップ量もしくはスリップ率が所定の閾値以上で、かつ、車輪が減速中であることを条件として、前記路面摩擦係数を推定する構成とすることができる。
車輪が減速中であるときにスリップ量がある程度(所定の閾値)以上発生している状況においては、車輪減速度と路面摩擦係数とが対応した関係となるので、このような状況において車輪減速度に基づいて路面摩擦係数を推定することで、路面摩擦係数を精度良く推定することができる。
また、前記した構成において、前記路面摩擦係数推定手段は、前記条件に加え、アンチロックブレーキ制御のモードが制動力を減少させる減圧モードでないという条件が揃った場合に、前記路面摩擦係数を推定するように構成することができる。
制動力を減少させる減圧モードにおいては車輪減速度と路面摩擦係数との関係が崩れる可能性があるため、このような減圧モードでない場合に路面摩擦係数の推定を行うことで、路面摩擦係数を精度良く推定することができる。
また、前記した構成において、前記路面摩擦係数推定手段は、前記車輪が減速中でない場合には、前記路面摩擦係数の前回値を保持するように構成することができる。
車輪が減速中でない場合には車輪が復帰傾向(加速)にあり、車輪減速度と路面摩擦係数との関係が崩れる可能性があるため、このような場合に路面摩擦係数の推定を行わずに路面摩擦係数の前回値を保持することで、車輪が減速中でない場合においても制御部によって路面摩擦係数を利用することができる。
また、前記した構成において、前記路面摩擦係数推定手段は、車輪のスリップ量もしくはスリップ率が所定の閾値未満である場合には、前記路面摩擦係数の前回値を保持するように構成することができる。
スリップ量が所定の閾値未満である場合にはスリップが浅く、車輪減速度と路面摩擦係数との関係が崩れる可能性があるため、このような場合に路面摩擦係数の推定を行わずに路面摩擦係数の前回値を保持することで、スリップ量が所定の閾値未満である場合においても制御部によって路面摩擦係数を利用することができる。
また、前記した構成において、前記路面摩擦係数推定手段は、アンチロックブレーキ制御のモードが減圧モードである場合には、前記路面摩擦係数の前回値を保持するように構成することができる。
アンチロックブレーキ制御のモードが減圧モードである場合には車輪が復帰傾向(加速)にあり、車輪減速度と路面摩擦係数との関係が崩れる可能性があるため、このような場合に路面摩擦係数の推定を行わずに路面摩擦係数の前回値を保持することで、減圧モードにおいても制御部によって路面摩擦係数を利用することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、同軸上の左右の車輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第1閾値以上であり、かつ、複数の車輪に対応した複数の路面摩擦係数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値未満である場合には、車両が現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するスプリット路判定手段を備えていてもよい。
比較的高摩擦係数となる路面上において車両を旋回させながら制動させる場合には、制動により車体が前のめりになることと遠心力の影響により、各車輪にかかる荷重が、前側の外輪、後側の外輪、前側の内輪、後側の内輪の順で徐々に小さくなる。これにより、車輪減速度の大きさが、荷重の順番とは逆に、後側の内輪、前側の内輪、後側の外輪、前側の外輪の順で徐々に小さくなるので、車輪減速度に基づいて推定される路面摩擦係数は、この順とは逆に、前側の外輪、後側の外輪、前側の内輪、後側の内輪の順で徐々に小さくなる。そのため、2番目に小さな路面摩擦係数に対応した車輪は、前側の内輪になる。一方、スプリット路において車両を制動させる場合には、高摩擦係数側の各車輪よりも低摩擦係数側の各車輪の車輪減速度の大きさが大きくなることと制動により車体が前のめりになることで、車輪減速度の大きさは、低摩擦係数側の後輪、低摩擦係数側の前輪、高摩擦係数側の後輪、高摩擦係数側の前輪の順で徐々に小さくなるので、路面摩擦係数は、この順とは逆に、高摩擦係数側の前輪、高摩擦係数側の後輪、低摩擦係数側の前輪、低摩擦係数側の後輪の順で徐々に小さくなる。そのため、2番目に小さな路面摩擦係数に対応した車輪は、低摩擦係数側の前輪となる。
したがって、2番目に小さな路面摩擦係数の大きさを判定することで、制動時に荷重がかかる車両の左右前輪のうちスリップ量が大きい方の車輪に対応する路面摩擦係数の大きさを判定することになるので、路面がスプリット路であるか否かの判定を精度良く行うことができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、車両減速度を取得する車両減速度取得手段と、同軸上の左右の車輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第3閾値以上であり、かつ、前記車両減速度が所定範囲内である場合には、車両が現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するスプリット路判定手段とを備えていてもよい。
これによれば、車両減速度を判定条件としているので、アンチロックブレーキ制御の開始時だけでなく、アンチロックブレーキ制御中の任意の時点においてスプリット路を判定することができる。
また、前記した構成において、前記制御部は、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第4閾値以上であり、かつ、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数のうち小さい方の路面摩擦係数が第5閾値未満である場合には、車両が現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するスプリット路判定手段を備えていてもよい。
これによれば、制動時に荷重がかかる車両の左右前輪のうちスリップ量が大きい方の車輪に対応する路面摩擦係数の大きさを判定することになるので、路面がスプリット路であるか否かの判定を精度良く行うことができる。
本発明によれば、車両を制動する際に、路面摩擦係数を迅速に推定することができる。
第1の実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置を備えた車両の構成図である。 液圧ユニットの構成を示す構成図である。 制御部の構成を示すブロック図である。 制御部の動作を示すフローチャートである。 路面摩擦係数の推定方法とスプリット路の判定方法の一例を示すタイムチャートである。 第2の実施形態に係る制御部の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る制御部の動作を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る制御部によるスプリット路の判定方法の一例を示すタイムチャートである。
[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置Aは、車両CRの各車輪Wに付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ制御装置Aは、油路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部100とを主に備えている。
各車輪Wには、それぞれ車輪ブレーキFL,RR,RL,FRが備えられ、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRには、液圧源としてのマスタシリンダMCから供給される液圧により制動力を発生するホイールシリンダHが備えられている。マスタシリンダMCとホイールシリンダHとは、それぞれ液圧ユニット10に接続されている。そして、通常時には、ブレーキペダルBPの踏力(運転者の制動操作)に応じてマスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧が、制御部100および液圧ユニット10で制御された上でホイールシリンダHに供給される。
制御部100には、マスタシリンダMCの圧力を検出する圧力センサ91と、各車輪Wの車輪速度を検出する車輪速センサ92とが接続されている。そして、この制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、各センサ91,92からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。なお、制御部100の詳細は、後述することとする。
図2に示すように、液圧ユニット10は、マスタシリンダMCと車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダMCの二つの出力ポートM1,M2は、液圧ユニット10の入口ポート10aに接続され、出口ポート10bが、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は液圧ユニット10内の入口ポート10aから出口ポート10bまでが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルBPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
液圧ユニット10には、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに対応して四つの入口弁1、四つの出口弁2、および四つのチェック弁1aが設けられている。また、液圧ユニット10には、マスタシリンダMCの出力ポートM1,M2に対応した各液圧路11,12のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、オリフィス5aが設けられている。また、液圧ユニット10には、各ポンプ4を駆動するための共通のモータ6が設けられている。
入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMCとの間に設けられた常開型の比例電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMCから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪Wがロックしそうになったときに制御部100により閉塞されることで、ブレーキペダルBPから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達する液圧を遮断する。
出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとリザーバ3との間に設けられた常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪Wがロックしそうになったときに制御部100により開放されることで、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに加わる液圧をリザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流れを許容する。
リザーバ3は、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯溜する機能を有している。
ポンプ4は、リザーバ3とマスタシリンダMCとの間に設けられており、リザーバ3で貯溜されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をオリフィス5aを介してマスタシリンダMCに戻す機能を有している。
入口弁1および出口弁2は、制御部100により開閉状態が制御されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのホイールシリンダHのブレーキ液圧を制御する。例えば、入口弁1が開、出口弁2が閉となる通常状態では、ブレーキペダルBPを踏んでいれば、マスタシリンダMCからの液圧がそのままホイールシリンダHへ伝達して増圧状態となり、入口弁1が閉、出口弁2が開となれば、ホイールシリンダHからリザーバ3側へブレーキ液が流出して減圧状態となり、入口弁1と出口弁2が共に閉となれば、ブレーキ液圧が保持される保持状態となる。
次に、制御部100の詳細について説明する。
制御部100は、液圧ユニット10を制御して各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに設定した制動力を与えることにより車両を安定化させる制御を実行する装置である。このため、制御部100は、図3に示すように、車両速度取得手段111と、車輪減速度取得手段112と、制動力取得手段の一例としてのブレーキ液圧取得手段113と、路面摩擦係数推定手段120と、アンチロックブレーキ制御手段130と、スプリット路判定手段140と、差圧設定手段150と、制御実行手段160と、記憶手段190とを主に備えて構成されている。
車両速度取得手段111は、車輪速センサ92から、車輪速度WSの情報(車輪速センサ92のパルス信号)を取得し、この車輪速度WSの情報に基づいて公知の手法により車両速度Vを算出して取得する手段である。算出した車両速度Vは、アンチロックブレーキ制御手段130に出力される。
車輪減速度取得手段112は、各車輪速センサ92から取得した車輪速度WSの情報に基づいて、各車輪Wの車輪減速度WDを算出して取得する手段である。詳しくは、車輪減速度取得手段112は、今回の車輪速度WSから前回の車輪速度WSを引いて車輪Wの車輪減速度WDを算出する。つまり、車両の減速時は、車輪減速度WDはマイナスの値となっている。そして、車輪減速度取得手段112は、車輪W毎に車輪減速度WDを算出すると、算出した各車輪減速度WDを路面摩擦係数推定手段120に出力する。
ブレーキ液圧取得手段113は、各車輪Wに対応した車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの制動力の一例として、各車輪Wに対応した各ホイールシリンダH内のブレーキ液圧Pbを取得する手段である。具体的に、ブレーキ液圧取得手段113は、圧力センサ91から取得するマスタシリンダ圧と、アンチロックブレーキ制御手段130から取得する各入口弁1および各出口弁2の制御履歴とに基づいて各ホイールシリンダH内のブレーキ液圧Pbを推定して取得している。そして、ブレーキ液圧取得手段113は、各ホイールシリンダ内のブレーキ液圧Pbを推定すると、推定した各ブレーキ液圧Pbを路面摩擦係数推定手段120に出力する。
アンチロックブレーキ制御手段130は、車輪速度WSと車両速度Vに基づいて、公知の手法により、アンチロックブレーキ制御を実行するか否かを車輪Wごとに判定するとともに、アンチロックブレーキ制御時の液圧制御モードの指示(ホイールシリンダH内の液圧を増圧状態、保持状態および減圧状態のいずれかにするかの指示)を車輪Wごとに決定する手段である。具体的には、例えば、アンチロックブレーキ制御手段130は、車両速度Vと車輪速度WSとに基づいて定まるスリップ量SLが、所定の閾値TH1(図5参照)以上になり、かつ、車輪加速度が0以下である(減速中である)ときに車輪Wがロックしそうになったと判定して、液圧制御モードの指示を減圧モードに決定する。ここで、車輪加速度は、例えば車輪速度WSから算出される。
また、アンチロックブレーキ制御手段130は、車輪加速度が0よりも大きいときに、液圧制御モードの指示を保持モードに決定する。さらに、アンチロックブレーキ制御手段130は、スリップ量SLが所定の閾値TH1未満となり、かつ、車輪加速度が0以下であるときに、液圧制御モードの指示を増圧モードに決定する。そして、アンチロックブレーキ制御手段130は、アンチロックブレーキ制御を実行すると判定した場合には、アンチロックブレーキ制御を実行する旨の情報をスプリット路判定手段140に出力し、算出したスリップ量SLおよび決定した液圧制御モードの指示を路面摩擦係数推定手段120および制御実行手段160に出力する。
路面摩擦係数推定手段120は、車輪減速度取得手段112から取得した各車輪Wの車輪減速度WDと、ブレーキ液圧取得手段113から取得した各ホイールシリンダH内のブレーキ液圧Pbとに基づいて、各車輪Wに対応した路面摩擦係数を推定する手段である。具体的に、路面摩擦係数推定手段120は、各車輪Wの車輪減速度WDと、各ホイールシリンダH内のブレーキ液圧Pbと、路面摩擦係数推定マップとに基づいて各車輪Wに対応した路面摩擦係数を推定している。
ここで、路面摩擦係数推定マップは、車輪減速度WDの大きさ(絶対値)と、ブレーキ液圧Pbと、路面摩擦係数とを関連付けるために予め設定されたマップであり、実験やシミュレーション等により予め設定されている。この路面摩擦係数推定マップでは、車輪減速度WDの大きさが大きくなるほど、路面摩擦係数が小さくなり(低摩擦係数側になり)、ブレーキ液圧Pbが小さくなるほど、路面摩擦係数が小さくなるように設定されている。
路面摩擦係数推定手段120は、ブレーキ液圧Pbや車輪減速度WDの大きさが路面摩擦係数推定マップに示す数値以外の数値である場合には、線形補間により路面摩擦係数を推定する。
また、路面摩擦係数推定手段120は、圧力センサ91から取得したマスタシリンダ圧と、アンチロックブレーキ制御手段130から取得した各車輪Wに対する液圧制御モードの指示およびスリップ量SLと、車輪減速度取得手段112から取得した各車輪Wの車輪減速度WDとに基づいて、路面摩擦係数の推定を行うか否かを判定する機能も有している。具体的に、路面摩擦係数推定手段120は、マスタシリンダ圧が0よりも大きい、つまりブレーキ入力があるという第1条件と、スリップ量SLが所定の閾値TH1よりも小さな所定の閾値TH2(図5参照)以上であるという第2条件と、車輪減速度WDが負である、つまり車輪Wが減速中であるという第3条件と、液圧制御モードの指示が減圧モードの一例としての減圧制御でないという第4条件のすべての条件を満たした場合に、路面摩擦係数推定マップに基づいた路面摩擦係数の推定を行っている。
ここで、所定の閾値TH2は、実験やシミュレーション等によって適宜設定することができる。
また、路面摩擦係数推定手段120は、前述した第1条件を満たし、かつ、第2条件、第3条件および第4条件のうちいずれか1つの条件を満たさない場合には、路面摩擦係数推定マップに基づいた路面摩擦係数の推定を行わずに、路面摩擦係数の前回値を保持するように構成されている。さらに、路面摩擦係数推定手段120は、前述した第1条件を満たさない場合には、路面摩擦係数を、ドライ路面に対応するような比較的大きな固定値である高μ用固定値に設定するように構成されている。
そして、路面摩擦係数推定手段120は、各車輪Wに対応した路面摩擦係数を推定すると、推定した各路面摩擦係数をスプリット路判定手段140に出力する。
スプリット路判定手段140は、アンチロックブレーキ制御を実行するときに、同軸上の左右の車輪Wの接地路面の路面摩擦係数が所定以上異なるスプリット路であるか否かを判定する手段である。具体的に、スプリット路判定手段140は、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第1閾値TH3(図5参照)以上であり、かつ、複数の車輪Wに対応した複数の路面摩擦係数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値TH4(図5参照)未満である場合には、車両CRが現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定する。
ここで、ドライ路面に相当するような比較的高摩擦係数となる路面上において車両CRを旋回させながら制動させる場合(以下、「高μ旋回制動時」ともいう。)には、制動により車体が前のめりになることと遠心力の影響により、各車輪Wにかかる荷重が、前側の外輪、後側の外輪、前側の内輪、後側の内輪の順で徐々に小さくなる。これにより、車輪減速度WDの大きさが、荷重の順番とは逆に、後側の内輪、前側の内輪、後側の外輪、前側の外輪の順で徐々に小さくなるので、車輪減速度WDに基づいて推定される路面摩擦係数は、この順とは逆に、前側の外輪、後側の外輪、前側の内輪、後側の内輪の順で徐々に小さくなる。そのため、2番目に小さな路面摩擦係数に対応した車輪Wは、前側の内輪になる。
一方、スプリット路において車両CRを制動させる場合には、高摩擦係数側の各車輪Wよりも低摩擦係数側の各車輪Wの車輪減速度WDの大きさが大きくなることと制動により車体が前のめりになることで、車輪減速度WDの大きさは、低摩擦係数側の後輪、低摩擦係数側の前輪、高摩擦係数側の後輪、高摩擦係数側の前輪の順で徐々に小さくなるので、路面摩擦係数は、この順とは逆に、高摩擦係数側の前輪、高摩擦係数側の後輪、低摩擦係数側の前輪、低摩擦係数側の後輪の順で徐々に小さくなる。そのため、2番目に小さな路面摩擦係数に対応した車輪Wは、低摩擦係数側の前輪となる。
したがって、スプリット路判定手段140は、2番目に小さな路面摩擦係数の大きさを判定することで、実質、制動時に荷重がかかる左右前輪のうちスリップ量が大きい方の車輪Wに対応する路面摩擦係数の大きさを判定するようになっている。これにより、同軸上の左右の車輪Wのスリップ状態が似通った状況となる2つの状況(スプリット路での制動時と高μ旋回制動時)とを、良好に切り分けることが可能となっている。
なお、第1閾値TH3および第2閾値TH4は、実験やシミュレーション等により、高μ旋回制動時とスプリット路での制動時とを切り分けることができるような値に予め設定することができる。
そして、スプリット路判定手段140は、スプリット路であると判定すると、そのことを示す情報を差圧設定手段150に出力する。
差圧設定手段150は、スプリット路において、高摩擦係数側の車輪ブレーキの制動力と低摩擦係数側の車輪ブレーキの制動力との差である制動力差を設定する手段である。本実施形態においては、制動力差に相当する値として、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差である許容差圧DPを設定する。
なお、許容差圧の設定方法は、公知の方法を採用すればよく、例えば、特開2007−55583号公報のように、車両速度や横加速度や低摩擦側ブレーキ液圧等に基づいて許容差圧を設定することができる。
そして、差圧設定手段150は、スプリット路判定手段140からスプリット路であることを示す情報を受け取ることにより許容差圧DPを設定すると、設定した許容差圧DPを制御実行手段160に出力する。
制御実行手段160は、アンチロックブレーキ制御手段130が決定した液圧制御モードの指示や、差圧設定手段150が設定した許容差圧DPに基づいて、公知の手法により、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのブレーキ液圧を制御する手段である。詳しくは、アンチロックブレーキ制御を実行する車輪ブレーキについては、アンチロックブレーキ制御手段130が決定した液圧制御モードの指示に基づいて、液圧ユニット10を制御する。また、スプリット路であると判定されているときに、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差が許容差圧DPを超えそうな場合は、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧が、低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧に、許容差圧DPを加算した値となるように、液圧ユニット10を制御する。液圧ユニット10の具体的な制御は公知であるので詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、入口弁1および出口弁2に出力する電流を調整するとともに、必要に応じてモータ6を作動させてポンプ4を駆動するように制御する。
記憶手段190は、制御部100の動作に必要なプログラムや定数、路面摩擦係数推定マップ、計算結果などを適宜記憶する手段である。
次に、図4を参照して制御部100による路面摩擦係数の推定方法およびスプリット路の判定方法を詳細に説明する。
図4に示すように、制御部100は、まず、各車輪Wの車輪速度WS、車両速度V、各車輪Wの車輪減速度WDおよび各ホイールシリンダHのブレーキ液圧Pbを取得する(S11)。ステップS11の後、制御部100は、ブレーキ入力があるか否かを判断する(S12)。
ステップS12においてブレーキ入力がないと判断すると(NO)、制御部100は、各車輪Wに対応した各路面摩擦係数をすべて高μ用固定値に設定して(S13)、本制御を終了する。ステップS12においてブレーキ入力があると判断すると(YES)、制御部100は、車輪Wが減速中であるか否かを車輪Wごとに判断する(S14)。なお、制御部100は、ステップS14〜S18の路面摩擦係数を推定する処理については、各車輪Wごとに処理を行う。
ステップS14において、ある車輪Wが減速中でないと判断すると(NO)、制御部100は、その車輪Wに対応する路面摩擦係数を前回値に保持する(S15)。ステップS14において、ある車輪Wが減速中であると判断すると(YES)、制御部100は、その車輪Wに対応したスリップ量SLが所定の閾値TH2以上であるか否かを判断する(S16)。
ステップS16において、ある車輪Wに対応したスリップ量SLが所定の閾値TH2未満であると判断すると(NO)、制御部100は、その車輪Wに対応した路面摩擦係数を前回値に保持する(S15)。ステップS16において、ある車輪Wに対応したスリップ量SLが所定の閾値TH2以上であると判断すると(YES)、制御部100は、その車輪Wに対応した液圧制御モードの指示が減圧モードでないか否かを判断する(S17)。
ステップS17において、ある車輪Wに対応した液圧制御モードの指示が減圧モードであると判断すると(NO)、制御部100は、その車輪Wに対応した路面摩擦係数を前回値に保持する(S15)。ステップS17において、ある車輪Wに対応した液圧制御モードの指示が減圧モードでないと判断すると(YES)、制御部100は、その車輪Wに対応した路面摩擦係数を、車輪減速度WDとブレーキ液圧Pbと路面摩擦係数推定マップとに基づいて推定する(S18)。
ステップS18の後、制御部100は、左右前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第1閾値TH3以上であるか否かを判断する(S19)。ステップS19において2つの路面摩擦係数の差が第1閾値TH3以上であると判断すると(YES)、制御部100は、複数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値TH4より小さいか否かを判断する(S20)。
ステップS20において2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値TH4よりも小さいと判断すると(YES)、制御部100は、スプリット路であると判定して(S21)、本制御を終了する。また、ステップS19,S20においてNOと判断した場合には、制御部100は、スプリット路と判定せずに、本制御を終了する。
次に、車両CRがスプリット路を走行している場合における制御部100による路面摩擦係数の推定方法およびスプリット路の判定方法の一例について図5を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、路面摩擦係数の推定方法については、左右の前輪を代表して説明し、左右の後輪については説明を省略する。
さらに、以下の説明では、スプリット路の低摩擦係数側の路面に接地する前輪に対応した車輪速度、ブレーキ液圧および路面摩擦係数を、それぞれ低μ側車輪速度WSL、低μ側液圧PLおよび低μ側路面摩擦係数CLとも呼ぶ。また、スプリット路の高摩擦係数側の路面に接地する前輪に対応した車輪速度、ブレーキ液圧および路面摩擦係数を、それぞれ高μ側車輪速度WSH、高μ側液圧PHおよび高μ側路面摩擦係数CHとも呼ぶ。
図5(a),(b)に示すように、車両CRがスプリット路を走行しているときに、運転者がブレーキペダルBPを踏むと(時刻t1)、低μ側液圧PLと高μ側液圧PHがともに上昇していくとともに、各車輪Wが減速していき、車両速度Vが徐々に下がっていく。低μ側車輪速度WSLは、車両速度Vに対して高μ側車輪速度WSHよりも大きく下がっていき、時刻t2において、低μ側車輪速度WSLが車両速度Vよりも所定の閾値TH2以上下がる、つまり低μ側のスリップ量SLが所定の閾値TH2以上になると、図5(c)に示すように、制御部100は、路面摩擦係数推定マップに基づいて低μ側路面摩擦係数CLの推定を開始する。なお、図5(c)においては、便宜上、路面摩擦係数が変化している範囲は、路面摩擦係数推定マップに基づいて路面摩擦係数の推定を行っていることを示し、直線で示す範囲は、路面摩擦係数を前回値に保持していることを示すものとする。
その後、図5(a)に示すように、低μ側のスリップ量SLが所定の閾値TH1以上になると(時刻t3)、図5(b),(c)に示すように、制御部100は、アンチロックブレーキ制御を開始、詳しくは減圧モードを開始して、低μ側液圧PLを減圧していくとともに、低μ側路面摩擦係数CLを前回値に保持する。
また、この時刻t3において、図5(a)に示すように、高μ側車輪速度WSHが車両速度Vよりも所定の閾値TH2以上下がる、つまり高μ側のスリップ量SLが所定の閾値TH2以上になると、図5(c)に示すように、制御部100は、路面摩擦係数推定マップに基づいて高μ側路面摩擦係数CHの推定を開始する。すなわち、本実施形態では、アンチロックブレーキ制御を開始したときには(時刻t3)、路面摩擦係数推定マップに基づいた各前輪の路面摩擦係数の推定が実行されているので、従来のようなアンチロックブレーキ制御における車輪の復帰する複数のタイミングから路面摩擦係数が推定されるような方法に比べ、迅速に路面摩擦係数を推定することができる。なお、図5では、路面摩擦係数推定マップに基づいた高μ側路面摩擦係数CHの推定を開始するタイミングがアンチロックブレーキ制御の開始時と同じタイミングとなっているが、高μ側路面摩擦係数CHの推定を開始するタイミングがアンチロックブレーキ制御の開始時から多少遅れたとしても、従来のような方法に比べ、迅速に路面摩擦係数を推定することができる。
また、制御部100は、低μ側路面摩擦係数CLを路面摩擦係数推定マップに基づいて推定したときに(時刻t2)、スプリット路であるか否かの判定を行う。具体的には、図5(c)に示すように、時刻t2において、各路面摩擦係数CL,CHの差が第1閾値TH3以上であり、かつ、低μ側路面摩擦係数CL(2番目に小さな路面摩擦係数)が第2閾値TH4よりも小さいため、制御部100は、スプリット路であると判定する。
ここで、図5(c)に2点鎖線で示すグラフG1は、高μ旋回制動時の低μ側路面摩擦係数である。このように、高μ旋回制動時においては、低μ側路面摩擦係数が第2閾値TH4よりも大きくなるため、制御部100は、高μ旋回制動時においてスプリット路であると誤判定することがない。
その後、制御部100は、図5(a),(b)に示すように、低μ側の前輪の車輪加速度が0よりも大きくなると(時刻t4)、低μ側液圧PLの液圧制御モードを減圧モードから保持モードに切り替える。保持モードにおいて、低μ側の前輪の接地路面の摩擦係数が一部だけさらに小さな摩擦係数になっている場合には(時刻t6)、図5(a)に示すように、復帰傾向にあった低μ側車輪速度WSLが下がる場合がある。この場合には、制御部100は、低μ側の前輪が減速中であると判定するので、前述した3つの条件(ステップS14,S16,S17)のすべてが満たされ、図5(c)に示すように、再び路面摩擦係数推定マップに基づいた低μ側路面摩擦係数CLの推定を行う。
その後、図5(a)に示すように、低μ側の前輪が加速すると(時刻t7)、制御部100は、低μ側の前輪が減速中でないと判定するので、低μ側路面摩擦係数CLを前回値に保持する。その後は、同様にして、制御部100は、前述した3つの条件(ステップS14,S16,S17)のすべてが満たされたときに路面摩擦係数推定マップに基づいた低μ側路面摩擦係数CLの推定を行い(時刻t8〜t9,t12〜t13)、前述した3つの条件のいずれか1つが満たされないときに低μ側路面摩擦係数CLを前回値に保持する(時刻t9〜t12,時刻t13以降)。
また、制御部100は、低μ側液圧PLのアンチロックブレーキ制御を開始した後は(時刻t3)、公知の差圧制御によって高μ側液圧PHと低μ側液圧PLとの差圧が設定した許容差圧DPを超えないように、高μ側液圧PHを減圧・保持・増圧する。さらに、制御部100は、差圧制御を行っている最中に、高μ側の車輪においてもアンチロックブレーキ制御の条件が揃うと、高μ側液圧PHをアンチロックブレーキ制御により減圧させる(時刻t11)。
つまり、高μ側の前輪においては、低μ側のアンチロックブレーキ制御に基づいてアンチロックブレーキ制御が行われている。この場合において、制御部100は、高μ側路面摩擦係数CHの推定を以下のようにして行う。
制御部100は、前述したように時刻t3において路面摩擦係数推定マップに基づいた高μ側路面摩擦係数CHの推定を開始する。その後、図5(a),(c)に示すように、高μ側車輪速度WSHが上昇すると(時刻t5)、制御部100は、高μ側の前輪が減速中でないと判定して、高μ側路面摩擦係数FHを前回値に保持する。
その後、高μ側の前輪が減速状態であり、かつ、高μ側車輪速度WSHが車両速度Vよりも所定の閾値TH2以上下がる、つまり高μ側のスリップ量SLが所定の閾値TH2以上になると(時刻t10)、制御部100は、再び路面摩擦係数推定マップに基づいた高μ側路面摩擦係数CHの推定を行う。その後、高μ側のスリップ量SLが所定の閾値TH1以上になると(時刻t11)、制御部100は、高μ側の前輪に対してアンチロックブレーキ制御の減圧モードを開始する。
これにより、前述した3つの条件のうち減圧モードでないという条件が満たされなくなるので、制御部100は、路面摩擦係数推定マップに基づいた高μ側路面摩擦係数CHの推定を中止して、高μ側路面摩擦係数CHを前回値に保持する(時刻t11以降)。
以上、本実施形態によれば、前述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
車輪Wが減速中でない場合や、スリップ量SLが所定の閾値TH2未満である場合や、液圧制御モードが減圧モードである場合においては車輪減速度WDと路面摩擦係数との関係が崩れる可能性があるが、本実施形態では、このような状況でない場合に、車輪減速度WDに基づいて路面摩擦係数を推定するようにしたので、路面摩擦係数を精度良く推定することができる。
また、前述したような車輪減速度WDと路面摩擦係数との関係が崩れる可能性がある場合に路面摩擦係数の推定を行わずに路面摩擦係数の前回値を保持するようにしたので、車輪減速度WDと路面摩擦係数との関係が崩れた場合においても制御部100によって路面摩擦係数を利用することができる。
2番目に小さな路面摩擦係数、つまり制動時に荷重がかかる車両CRの左右前輪のうちスリップ量SLが大きい方の車輪に対応する路面摩擦係数を用いてスプリット路の判定を行ったので、路面がスプリット路であるか否かの判定を精度良く行うことができる。
例えばアンチロックブレーキ制御開始時に車両にかかる横加速度等に基づいてスプリット路の判定を行う方法に比べ、路面摩擦係数を判定条件としているので、アンチロックブレーキ制御の開始時だけでなく、アンチロックブレーキ制御中の任意の時点においてスプリット路を判定することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前述した第1の実施形態に係る制御部100の一部の構造を変更したものであるため、第1の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、第2の実施形態に係る制御部100は、第1の実施形態にはない車両減速度取得手段114を新たに備えるとともに、第1の実施形態に係るスプリット路判定手段140とはスプリット路の判定方法が異なるスプリット路判定手段141を備えている。車両減速度取得手段114は、各車輪速センサ92から取得した車輪速度WSの情報に基づいて、車両CRにかかる車両減速度CDを算出して取得する手段である。詳しくは、車両減速度取得手段114は、各車輪速度WSに基づいて各車輪Wの車輪減速度WDを算出し、各車輪減速度WDの平均値を車両減速度CDとして算出する。そして、車両減速度取得手段114は、車両減速度CDを算出すると、算出した車両減速度CDをスプリット路判定手段141に出力する。
スプリット路判定手段141は、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第3閾値TH5以上であり、かつ、車両減速度CDが所定範囲内である場合に、車両CRが現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するように構成されている。詳しくは、スプリット路判定手段141は、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差(以下、「同軸輪μ差」ともいう。)と、車両減速度CDと、スプリットレベル用マップとに基づいて、スプリットレベルを算出し、このスプリットレベルが所定値以上である場合に、スプリット路であると判定している。
ここで、スプリットレベル用マップは、同軸輪μ差と、車両減速度CDと、スプリットレベルとを関連付けるために予め設定されたマップであり、実験やシミュレーション等により予め設定されている。
このスプリットレベル用マップでは、同軸輪μ差が第3閾値TH5以上あり、かつ、車両減速度が所定範囲Rp内である場合に、スプリットレベルが所定値以上になるように設定されている。ここで、車両減速度CDの所定範囲Rpは、図8(c)に示すように、スプリット路での制動時に算出される車両減速度CDSが含まれ、かつ、高μ旋回制動時に算出される車両減速度CDHが外れるように、実験やシミュレーション等により適宜設定することができる。
より詳しくは、スプリットレベル用マップは、同軸輪μ差が小さくなるほど、スプリットレベルが小さくなるように設定されている。
次に、図7を参照して制御部100によるスプリット路の判定方法を詳細に説明する。なお、図7のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと略同様のステップについては同一符号を付し、その説明を省略する。
図7のフローチャートでは、図4のフローチャートにおけるステップS11の代わりに新たなステップS31を設け、図4のフローチャートにおけるステップS19,S20の代わりに新たなステップS32,S33を設けている。
ステップS31では、制御部100は、第1の実施形態と同様に各車輪Wの車輪速度WS、車両速度V、各車輪Wの車輪減速度WDおよび各ホイールシリンダHのブレーキ液圧Pbを取得する他、車両減速度CDも取得する。ステップS32では、制御部100は、同軸輪μ差と車両減速度CDとスプリットレベル用マップとに基づいてスプリットレベルを算出する。ステップS33では、制御部100は、スプリットレベルが所定値以上であるか否かを判断する。
そして、ステップS33において、制御部100は、スプリットレベルが所定値以上であると判定すると(YES)、スプリット路であると判定し(S21)、スプリットレベルが所定値未満であると判定すると(NO)、そのまま本制御を終了する。
次に、車両CRがスプリット路を走行している場合における制御部100によるスプリット路の判定方法の一例について図8を参照して詳細に説明する。なお、路面摩擦係数の推定については、第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。また、以下の説明では、制御部100は、車輪減速度WDの値をそのまま路面摩擦係数として算出することとする。
図8(a)〜(c)に示すように、制御部100は、時刻t21において第1の実施形態と同様の方法で低μ側路面摩擦係数CLを路面摩擦係数推定マップに基づいて推定すると、高μ側路面摩擦係数CHと低μ側路面摩擦係数CLとの差(同軸輪μ差)を算出し、各車輪Wの車輪減速度WDから車両減速度CDSを算出する。そして、制御部100は、算出した同軸輪μ差と車両減速度CDSとスプリットレベル用マップとに基づいてスプリットレベルを算出する。
この際、同軸輪μ差が第3閾値TH5以上あり、かつ、車両減速度CDSが所定範囲Rp内である場合には、制御部100は、スプリットレベルを所定値以上の値にして、スプリット路であると判定する。ここで、図8(c)に細めの2点鎖線で示すグラフG2は、高μ旋回制動時の低μ側路面摩擦係数であり、太めの2点鎖線で示すグラフは、高μ旋回制動時の車両減速度CDHである。このように、高μ旋回制動時においては、車両減速度CDHが所定範囲Rp外になるので、制御部100は、スプリットレベルを所定値以上に設定することがなく、高μ旋回制動時においてスプリット路であると誤判定することがない。
制御部100は、時刻t22以降は、第1の実施形態と同様の方法でアンチロックブレーキ制御を開始していく。このようにアンチロックブレーキ制御を開始した後も、制御部100は、同軸輪μ差と車両減速度CDSとスプリットレベル用マップとに基づいて、スプリット判定を行っていく。つまり、制御部100は、例えばアンチロックブレーキ制御開始時に車両にかかる横加速度等に基づいてスプリット路の判定を行う方法に比べ、同軸輪μ差や車両減速度CDSを判定条件としているので、アンチロックブレーキ制御の開始時だけでなく、アンチロックブレーキ制御中の任意の時点においてスプリット路を判定することができる。
なお、本発明は前記各実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
第1の実施形態では、スプリット路の判定条件の1つとして、複数の車輪Wに対応した複数の路面摩擦係数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値TH4未満であるという条件を設けていたが、本発明はこれに限定されず、この条件の代わりに、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数のうち小さい方の路面摩擦係数が所定の閾値未満であるという条件を設けてもよい。言い換えると、スプリット路判定手段は、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第4閾値以上であり、かつ、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数のうち小さい方の路面摩擦係数が第5閾値未満である場合に、スプリット路であると判定するように構成されていてもよい。
第1の実施形態では、路面摩擦係数推定マップに基づいた路面摩擦係数の推定を行う条件の1つとして、減圧モードでないことを条件としたが、本発明はこれに限定されず、この条件の代わりに、スリップ量SLが所定の閾値TH1未満であることを条件にしてもよい
前記各実施形態では、スプリット路を判定するために、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差を各閾値TH3,TH5と比較するようにしたが、本発明はこれに限定されず、例えば左右の後輪に対応した2つの路面摩擦係数の差を閾値と比較してもよい。
前記各実施形態では、車輪減速度をマイナスの値として扱ったが、本発明はこれに限定されず、車輪減速度をプラスの値として扱ってもよい。
前記各実施形態では、ブレーキ液を利用した車両用ブレーキ制御装置Aを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばブレーキ液を利用せずに電動モータによりブレーキ力を発生させる電動ブレーキ装置を制御するための車両用ブレーキ制御装置であってもよい。なお、この場合には、第1の実施形態においてスプリット路を判定するための1つの条件であった減圧モードでないという条件を、アンチロックブレーキ制御のモードが制動力を減少させる減圧モードでないという条件に代えればよい。
前記各実施形態では、路面摩擦係数の推定に、スリップ量を用いたが、本発明はこれに限定されず、例えばスリップ率を用いてもよい。
100 制御部
112 車輪減速度取得手段
113 ブレーキ液圧取得手段
120 路面摩擦係数推定手段
A 車両用ブレーキ制御装置
FL,RR,RL,FR 車輪ブレーキ
W 車輪

Claims (11)

  1. 複数の車輪に対応して設けられる複数の車輪ブレーキと、各車輪ブレーキの制動力を制御する制御部とを有する車両用ブレーキ制御装置であって、
    前記制御部は、
    路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、
    車輪毎に車輪ブレーキの制動力を取得する制動力取得手段と、
    車輪毎に車輪減速度を取得する車輪減速度取得手段と、を備え、
    前記路面摩擦係数推定手段は、各車輪ブレーキの制動力と、各車輪の車輪減速度とに基づいて、各車輪に対応した路面摩擦係数を推定することを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  2. 前記路面摩擦係数推定手段は、前記車輪減速度の絶対値が大きいほど、路面摩擦係数を低摩擦係数側に推定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  3. 前記路面摩擦係数推定手段は、前記制動力が小さいほど、路面摩擦係数を低摩擦係数側に推定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  4. 前記路面摩擦係数推定手段は、車輪のスリップ量もしくはスリップ率が所定の閾値以上で、かつ、車輪が減速中であることを条件として、前記路面摩擦係数を推定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  5. 前記路面摩擦係数推定手段は、前記条件に加え、アンチロックブレーキ制御のモードが制動力を減少させる減圧モードでないという条件が揃った場合に、前記路面摩擦係数を推定することを特徴とする請求項4に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  6. 前記路面摩擦係数推定手段は、前記車輪が減速中でない場合には、前記路面摩擦係数の前回値を保持することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  7. 前記路面摩擦係数推定手段は、車輪のスリップ量もしくはスリップ率が所定の閾値未満である場合には、前記路面摩擦係数の前回値を保持することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  8. 前記路面摩擦係数推定手段は、アンチロックブレーキ制御のモードが減圧モードである場合には、前記路面摩擦係数の前回値を保持することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  9. 前記制御部は、同軸上の左右の車輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第1閾値以上であり、かつ、複数の車輪に対応した複数の路面摩擦係数のうち2番目に小さな路面摩擦係数が第2閾値未満である場合には、車両が現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するスプリット路判定手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  10. 前記制御部は、
    車両減速度を取得する車両減速度取得手段と、
    同軸上の左右の車輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第3閾値以上であり、かつ、前記車両減速度が所定範囲内である場合には、車両が現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するスプリット路判定手段とを備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  11. 前記制御部は、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数の差が第4閾値以上であり、かつ、左右の前輪に対応した2つの路面摩擦係数のうち小さい方の路面摩擦係数が第5閾値未満である場合には、車両が現在走行している路面の路面摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であると判定するスプリット路判定手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
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