JP2016172961A - 遠隔操作式排水栓装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ロック機構はケーシング体、ロック軸、回転歯(回転ギア)、傾斜歯(下部ギア)、保持歯(上部ギア)より構成されている。回転歯はリング状の回転部材の周囲に突設されており、ロック軸を軸とした回動のみ可能となる様に取り付けられている。尚、傾斜歯及び保持歯はケーシング体に固定されている。又、ロック軸はレリースワイヤ端部に設けられたリターンスプリングによって常時操作部側へと付勢されている。
まず、弁体が下降した状態より(この時、ロック軸及び回転歯は上昇した状態である)、操作部に操作を加えると、当該操作に伴いロック軸及び回転歯が押し下げられる。当該押し下げに伴い、インナーワイヤがアウターチューブ内を弁体側に摺動し、弁体を下方から突き上げ、排水口が開口する。そして、ロック軸及び回転歯が最大近傍まで押し下げられると、回転歯が傾斜歯に押し付けられることで摺接し、回転歯が所定角度回転する。
手動又は電動操作が終了すると、リターンスプリングの反発によって、ロック軸及び回転歯が操作部側へと押し戻され、回転歯は傾斜歯と対向する位置に設けられた保持歯に押し付けられて摺接し、所定角度回転するとともに保持歯と係止する。(図11(a))この時、ロック軸は押し下げられた状態(インナーワイヤが弁体を突き上げた状態)のまま保持されるため、弁体の上昇状態がロック機構により保持される。
そして、再び操作部に操作を加えると、当該操作に伴い再びロック軸及び回転歯が押し下げられ、回転歯が傾斜歯と摺接し、回転歯が所定角度回転することで前記保持歯との係止が解除される。(図11(b))即ち、操作部の操作毎に回転歯が保持歯に対する係脱が成されることによって、弁体の開閉状態を保持することができる。
対して、特許文献1に記載のロック機構は、傾斜歯及び保持歯の位置は固定されており、回転歯が当該傾斜歯と保持歯の間を往復することによって回転を行う構造である。従って、特許文献1に記載のロック機構は前記特開2004−278164号公報のように回転歯と保持歯の端部同士が擦れることがなく、回転歯等の摩耗・破損を抑えることができる点において優れている。
本発明は上記問題に鑑み、ロック機構に対して排水が流入する等、何らかの外的要因が加わった場合であっても作動不良の生じる恐れのない遠隔操作式排水栓装置の提供を課題とする。
上下動を行うことにより排水口の開閉を行う弁体と、
弁体の操作を行う操作部と、
操作部の操作を弁体へと伝達する、筒状にして可撓性を有するアウターチューブ、軸方向に剛性を有するとともにアウターチューブ内を進退可能なインナーワイヤを備えたレリースワイヤと、
インナーワイヤを操作部側に向けて付勢するリターンスプリングと、
からなる遠隔操作式排水栓装置について、
前記操作部は弁体の上昇状態の保持及び保持の解除を行うロック機構を有し、
当該ロック機構は、前記操作部の操作に伴い進退可能且つ周方向に回動可能な回転歯、回転歯を回動させる傾斜歯、回転歯の位置保持を行う保持歯を備え、
前記回転歯は、リターンスプリングによって常時付勢されていることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
前記保持歯は、上記傾斜歯と対向する位置であって、回転歯が操作部側へ後退した時に当接する位置に配置固定され、
前記回転歯は、操作部の操作に伴い傾斜歯及び保持歯によって回動され、保持歯に対して係脱を繰り返すことでレリースワイヤを介して弁体の上昇状態の保持及び保持の解除を行うことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
当該ケーシング体の内部に回転歯、傾斜歯、保持歯が配置されることで一体化されたユニットを形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
前記ロック機構は電動操作部の駆動部の下方に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
従来のロック機構の場合、回転歯は、何ら回転を規制するような応力が加えられていないため、傾斜歯や保持歯等の回転を規制する構成に当接していない状態では、外的要因が生じた際に、図12(b)に示したように、回転歯の逆回転現象が生じる。
これに対し本発明では、リターンスプリングによって回転歯に常時付勢を行うことで回転歯に最低限の応力を加え、回転歯の意図しない回転を制限して、逆回転等の、外的要因による不適切な回転を規制している。
請求項2に記載の本発明によれば、回転歯と保持歯の端部同士が擦れることがなく、回転歯等の摩耗・破損を抑えることが可能となる。
請求項3に記載の本発明によれば、施工性が向上する。
請求項4に記載の本発明によれば、遠隔操作式排水栓装置の構成をより具体化することができる。本発明は電動操作部を備えた操作部を有する遠隔操作式排水栓装置のように、ロック機構の位置が(電動操作部を備えない操作部に対して)低い配置されており、槽体からの排水に伴いロック機構の内部に排水が流入し易い構造であっても、ロック機構の誤作動を防ぐことができる。
弁体8は周囲にパッキンが嵌着された蓋部材であり、裏面にレリースワイヤ9端部の弁軸13が嵌合している。
ワイヤ受け4は排水栓2の内部に取り付けられたリング状部材であって、後述するレリースワイヤ9の一端に設けられた弁筒12を排水栓2内部に固定している。
ガイドチューブ15は合成樹脂よりなる中空の筒状部材であって、一端が排水エルボ5の枝管7に、他端が後述する操作部16に取り付けられている。
アウターチューブ10は合成樹脂よりなる中空の筒状部材であって、軸方向に対して剛性を有するとともに側面からの応力に対して可撓性を有する。又、アウターチューブ10は一端が後述する弁筒12に固定されているとともに、他端が固定部材を介してロック機構22に固定されている。
インナーワイヤ11は金属をコイル状に巻いた撚り線であって、アウターチューブ10内を軸方向に進退可能に収納されている。尚、以降において、インナーワイヤ11が弁体8側(弁体8を突き上げる方向)へと進むことを「前進」、操作部16側(弁体8を降下させる方向)へと進むことを「後退」と記載する。インナーワイヤ11は操作部16側端部において金属製の棒体がカシメ固定されており、後述するリターンスプリング14によって後退方向に付勢されている。
弁筒12はアウターチューブ10の排水栓2側端部に固定された筒部材であり、内部に弁軸13が軸方向に進退可能に収納されている。
弁軸13はインナーワイヤ11の排水栓2側端部に緩衝用スプリングを介して取り付けられた筒部材であり、その端部が弁体8の裏面に嵌合している。尚、弁筒12と弁軸13の間、及び弁軸13の内部にはそれぞれ緩衝用スプリングが配置されており、弁体8の上昇時に弁体8が踏まれる等の衝撃が加わった際、当該緩衝用スプリングによって部材の破損を防ぐ役割を有している。
リターンスプリング14はレリースワイヤ9の操作部16側端部に配置された弾性部材であり、インナーワイヤ11を後退方向へ向けて常時付勢している。
操作部上部17は操作部16を槽体Bの縁部B1に設けられた開口に固定するフランジ部171を有する筒状部材であって、筒状部分の外周に雄螺子部、係合溝19を備え、下端にはパッキンが嵌着されている。尚、フランジ部171は上記縁部B1の開口よりも大径であり、その他の部分は当該開口よりも小径である。操作部上部17は上記フランジ部171によって板状の平パッキンを介して槽体Bの縁部B1と当接しているとともに、槽体Bの裏側よりナットが螺合され、槽体Bの縁部B1周辺を挟持することで水密に接続されている。又、係合溝19には断面視略コ字状且つ平面視略C字状のリング体20が取り付けられることによって操作部下部18と連結されている。
操作部下部18は外周に係合溝19を有し、当該係合溝19に上記リング体20が係合することによって操作部上部17と連結されている。尚、図1に示す施工完了状態において、操作部上部17外周と操作部下部18内周によって操作部上部17下端に嵌着されたパッキンが挟持されており、操作部上部17と操作部下部18は水密に連結されている。又、操作部下部18下端はガイドチューブ15内部に挿入されて、操作部16内部に侵入した排水を排水エルボ5の枝管7へと流出させる流路を形成している。
スイッチ部21は操作部上部17内部に配置され、弁体8が下降状態の時にはその上面が操作部上部17の上端と略面一となる位置に配置されており、裏面には後述するロック機構22のロック軸24が嵌合している。尚、スイッチ部21の外周は操作部上部17の内周と略同径であって、その上面を押動操作することによって操作部16内部を上下に移動可能となっている。
ケーシング体23は内部にロック軸24、回転部材25、傾斜歯26を収納し、内周に保持歯27が形成された筒状部材である。ケーシング体23は上端及び下端が開口しており、上端の開口からはロック軸24が突出している。又、下端には傾斜歯26及びアウターチューブ10が固定されることによってレリースワイヤ9が取り付けられている。
ロック軸24はケーシング体23の内に配置されるとともに、その上部はケーシング体23上部の開口から突出し、上端が前記スイッチ部21の裏面に嵌合しており、下端が回転部材25と当接している。
回転部材25はケーシング体23内部に回動自在に配置された略筒状のギアであって、その上端側面に略三角形状の回転歯251が3箇所、周方向に形成されている。又、回転部材25は上端が前記ロック軸24下端と当接しており、底面において凹設された溝にインナーワイヤ11の端部が挿入されている。従って、図5に示すように、回転部材25はロック軸24とインナーワイヤ11によって軸方向に挟持されており、ロック軸24と連動して上下動することで、スイッチ部21の押動操作をインナーワイヤ11へと伝達する。ここで、前述の通り、インナーワイヤ11はリターンスプリング14によって後退方向に付勢されていることから、インナーワイヤ11と当接している回転部材25及び回転歯251も後退方向に常時付勢されている。
傾斜歯26はケーシング体23の底面に固定されたギアであり、上方へ向けて突出する鋸刃状の歯部が周方向に亘って複数形成されている。尚、傾斜歯26はその1つ1つが傾斜部261と垂直部262から構成されている。
保持歯27は傾斜歯26と対向する位置に設けられたギアであって、ケーシング体23の内周に形成され、傾斜部271と保持部272より構成されている。又、保持歯27は隣り合う保持歯27との間に溝部273が設けられている。
まず、排水栓2を槽体B底面の開口に挿入し、槽体Bの裏面に配置された排水エルボ5と螺合させて固定する。
次に、操作部上部17を槽体Bの縁部B1に設けられた開口に挿入し、縁部B1裏面よりナットを螺合させる。そして、操作部上部17に操作部下部18を差し込んだ状態で、係合溝19にリング体20を係合させて操作部上部17と操作部下部18を連結させる。
次に、排水エルボ5の枝管7及び操作部下部18にガイドチューブ15を取り付ける。
次に、操作部上部17の上方からレリースワイヤ9の弁軸13側を挿入し、排水エルボ5の枝管7を介し、排水栓2内にまでレリースワイヤ9を挿通する。この時、操作部上部17より挿入されたレリースワイヤ9は、ガイドチューブ15によってガイドされて、弁軸13側端部が枝管7へと容易に到達する。そして、排水栓2上からペンチその他の治具を使用し、レリースワイヤ9を引き上げた上で、レリースワイヤ9端部をワイヤ受け4に取り付け、ワイヤ受け4を排水栓2内に嵌合させる。
最後に、操作部上部17側から治具を挿入し、スイッチ部21の上面が操作部上部17の上端と面一となるようにロック機構22の位置調整を行い、ロック軸24にスイッチ部21を嵌合させて遠隔操作式排水栓装置1の施工が完了する。
当該状態よりスイッチ部21を押動操作するとスイッチ部21、ロック軸24、回転部材25、インナーワイヤ11が下方へと押し下げられる。当該押し下げに伴い、インナーワイヤ11がアウターチューブ10内を弁体8側に摺動(前進)し、弁軸13が弁筒12より突出することで弁体8を下方から突き上げ、排水口3が開口する。そして、ロック軸24及び回転部材25が最大近傍まで押し下げられると、回転歯251が傾斜歯26の傾斜部261に押し付けられて摺接し、回転歯251(回転部材25)が所定角度回転する。(図7(a))尚、回転歯251が傾斜歯26の垂直部262に当接することで最大までスイッチ部21が押し下げられた際の回転歯251の位置が位置決めされる。
スイッチ部21の押動操作が終了し、使用者がスイッチ部21から手を離すと、リターンスプリング14の反発によって付勢され、インナーワイヤ11が後退方向に押し戻される。同様に、インナーワイヤ11が当接している回転部材25、回転部材25が当接しているロック軸24、ロック軸24が当接しているスイッチ部21もリターンスプリング14の反発によって付勢され、後退方向に押し戻される。この時、インナーワイヤ11の付勢によって回転歯251は無回転のまま軸方向に後退した後に傾斜歯26と対向する位置に設けられた保持歯27の傾斜部271に押し付けられて摺接し、回転歯251(回転部材25)が所定角度回転する。(図7(b))そして、傾斜部271によって回転した回転歯251は保持部272に係止することによって回転が制御されるとともに、図2に示すように、弁体8の上昇状態が保持される。即ち、弁体8はスイッチ部21の押動操作により、弁軸13によって突き上げられ、所定距離降下した後に当該位置が保持される。
スイッチ部21の押動操作が終了し、使用者がスイッチ部21から手を離すと、リターンスプリング14の反発によって付勢され、インナーワイヤ11が後退方向に押し戻される。同様に、インナーワイヤ11が当接している回転部材25、回転部材25が当接しているロック軸24、ロック軸24が当接しているスイッチ部21もリターンスプリング14の反発によって付勢され、後退方向に押し戻される。この時、回転歯251はインナーワイヤ11の付勢によって無回転のまま軸方向に後退した後に傾斜歯26と対向する位置に設けられた保持歯27の傾斜部271に押し付けられて摺接し、回転歯251(回転部材25)が所定角度回転する。そして、当該回転によって溝部273の下方に位置した回転歯251は、リターンスプリング14の付勢によって溝部273内にまで後退する。(図8(b))この時、回転歯251は前記弁体8が下降状態にある時と同様の位置に配置されて、弁体8の上昇状態の保持が解除される。即ち、弁体8はスイッチ部21の押動操作により、弁軸13によって突き上げられ、排水口3を閉塞するまで降下する。
2 排水栓
3 排水口
4 ワイヤ受け
5 排水エルボ
6 排出口
7 枝管
8 弁体
9 レリースワイヤ
10 アウターチューブ
11 インナーワイヤ
12 弁筒
13 弁軸
14 リターンスプリング
15 ガイドチューブ
16 操作部
17 操作部上部
171 フランジ部
18 操作部下部
19 係合溝
20 リング体
21 スイッチ部
22 ロック機構
23 ケーシング体
24 ロック軸
241 凸部
25 回転部材
251 回転歯
252 凹部
26 傾斜歯
261 傾斜部
262 垂直部
27 保持歯
271 傾斜部
272 保持部
273 溝部
28 電動部
B 槽体
B1 縁部
Claims (4)
- 槽体の底部で排水口を形成する排水栓と、
上下動を行うことにより排水口の開閉を行う弁体と、
弁体の操作を行う操作部と、
操作部の操作を弁体へと伝達する、筒状にして可撓性を有するアウターチューブ、軸方向に剛性を有するとともにアウターチューブ内を進退可能なインナーワイヤを備えたレリースワイヤと、
インナーワイヤを操作部側に向けて付勢するリターンスプリングと、
からなる遠隔操作式排水栓装置について、
前記操作部は弁体の上昇状態の保持及び保持の解除を行うロック機構を有し、
当該ロック機構は、前記操作部の操作に伴い進退可能且つ周方向に回動可能な回転歯、回転歯を回動させる傾斜歯、回転歯の位置保持を行う保持歯を備え、
前記回転歯は、リターンスプリングによって常時付勢されていることを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。 - 前記傾斜歯は、回転歯が弁体側へ前進した際に当接する位置に配置固定され、
前記保持歯は、上記傾斜歯と対向する位置であって、回転歯が操作部側へ後退した時に当接する位置に配置固定され、
前記回転歯は、操作部の操作に伴い傾斜歯及び保持歯によって回動され、保持歯に対して係脱を繰り返すことでレリースワイヤを介して弁体の上昇状態の保持及び保持の解除を行うことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。 - 前記ロック機構はケーシング体を有し、
当該ケーシング体の内部に回転歯、傾斜歯、保持歯が配置されることで一体化されたユニットを形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遠隔操作式排水栓装置。 - 前記操作部は電気信号に基づいて可動し、弁体の操作を行う電動操作部を備え、
前記ロック機構は電動操作部の駆動部の下方に配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
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