JP6596635B2 - 遠隔操作式排水栓装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遠隔操作式排水栓装置に関し、更に詳しくは、排水口の開閉を操作する遠隔操作式排水栓装置の操作体について、取り付ける槽体の厚みに合わせて操作体の長さを調整する長さ調節機構を備えた遠隔操作式排水栓装置に関するものである。
従来より、浴槽や洗面ボウルなどの槽体の内部に生じた排水を処理するため、槽体の底面等に排水口を設け、この排水口から配管部材を介し、下水側に排水を排出する方法が広く知られている。また、槽体内に水を溜める場合に、弁部材を利用して排水口を開閉する方法があるが、この弁部材による排水口の開閉を、弁部材自体や排水口から離間した任意の位置、例えば槽体の側面上方に設けた操作部への操作によって行う遠隔操作式排水栓装置が知られている。
広く知られた遠隔操作式排水栓装置としては、特許文献1に記載のように、レリースワイヤによって弁部材を操作するものがある。
特許文献1に記載の遠隔操作式排水栓装置は、遠隔操作により昇降する弁部材によって、槽体に設けた排水口を開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、以下に記載する、操作部表側部材、操作部本体、操作体、排水口本体、継手部材、排水口側支持部材、弁部材、ガイド管、レリースワイヤ、から構成されてなり、以下に記載する、槽体である洗面台に施工される。
洗面台は、上方が開口した箱体であって、底面には排水口本体を取り付ける取付孔を、側面上方には操作部表側部材を取り付けるための貫通孔を、それぞれ備えた洗面ボウルと、
該洗面ボウルを載架するキャビネットと、から構成されてなる。
操作部表側部材は、円筒形状の部材であって、その一端にフランジ部を備え、また外側面に雄ネジを螺刻してなる。
操作部本体は、管体を途中で90度の角度にて屈曲させた部材であって、一端の内側面に、操作部表側部材の雄ネジと螺合する雌ネジを備えてなる。
操作部側支持部材は、後述するレリースワイヤ端部と嵌合固定する嵌合部と、上記操作部本体の雄ネジと螺合する雌ねじを外側面に備えたリング部と、嵌合部とリング部を連結するアーム部と、からなる。
操作体は、排水口の開閉操作を行う際に、使用者が直接触れて操作を行う部材であって、円盤部分と、該円盤部分の中央から円盤部分の軸方向に延出された、軸受部とからなる。
排水口本体は、円筒形状の部材であって、その内部に排水口を備えてなる。
継手部材は、直線状の管体の側面に、枝管部を備えた略T字形状の管体であって、直線状部分の上端が、後述する排水口本体の下端に接続される。また、直線状部分の上端近傍内部に、後述する排水口側支持部材を収納固定する。
排水口側支持部材は、後述するレリースワイヤ端部と嵌合固定する嵌合部と、継手部材の直線状部分の上端近傍内部と嵌合するリブ片と、からなる。
弁部材は、排水口を上方から覆うことで閉口する円盤状の弁体と、該弁体の中心から下方に向かって垂下される弁軸と、からなる。
ガイド管は、側面方向、軸方向共に可撓性を備えた管体であって、一端はエルボ管の下端に、他端は継手部材の枝管部に、それぞれ接続される。
レリースワイヤは、操作体に加えられた操作を、弁部材に伝達するための操作伝達部材であって、筒状にして軸方向に剛性を、側面方向に可撓性を備えたアウターチューブと、上記アウターチューブ内を摺動自在に動作する、軸方向に剛性を、側面方向に可撓性を備えたインナーワイヤと、インナーワイヤをアウターチューブに対し常時操作部側に付勢する戻りスプリングと、から構成される。また、レリースワイヤの操作部側端部には、操作軸を備えたスラストロック機構が備えられてなる。該スラストロック機構は、操作軸に押し込み操作を加える都度、インナーワイヤをアウターチューブに対し、排水口側に突出した状態で固定/固定を解除しレリースワイヤの戻りスプリングの作用により操作部側に後退、を繰り返す機構である。
上記従来例では、施工完了時、操作軸の端部に操作体を嵌合させて、操作体を押し込むことで操作軸に押し込み操作を行う。
上記のように構成された従来の遠隔操作式排水栓装置を施工する場合、まず、ガイド管の一端に操作部本体の下端を、他端に継手部材の枝管部を、それぞれ接続する。
次に、レリースワイヤの操作部側端部を、操作部側支持部材に嵌合させた上で、レリースワイヤの排水口側端部を、操作部本体の開口部分から下流側端部に挿通し、更にガイド管を介して継手部材の枝管部まで挿通し、更にレリースワイヤの操作部側端部を直線状部分の上端から引き上げる。
次に、排水口側支持部材を、レリースワイヤの操作部側端部に嵌合させた上で、排水口側支持部材のリブ片を介して、継手部材の直線状部分の上端近傍内部に収納固定する。
次に、操作部側支持部材のリング部の雄ネジを、操作部本体の雌ネジに螺合させ、操作部側支持部材を、操作部本体の雌ネジの最奥の位置まで移動させる。
次に、排水口本体を洗面ボウル底面の取付孔に取り付け固定する。
次に、排水口本体の下端に、継手部材の直線状部分の上端を接続し、更に貫通孔の表側から操作部表側部材の筒部分を挿通し、操作部表側部材の雄ネジと、操作部本体の雌ネジを螺合させる。これによって、操作部表側部材のフランジ部と、操作部本体の雌ネジを備えた側の端部とで、貫通孔を挟持して固定した状態となる。
次に、操作部側支持部材を回転させ、螺合を利用して操作部側支持部時を手前側に移動させる最終的には、操作部側支持部材が、操作部表側部材の後端に当接するまで移動させる。
更に、レリースワイヤの操作軸に操作体を嵌合させ、排水口に弁部材を配置して、従来例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
上記のように構成した、従来の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部を操作し、排水口を閉口した状態とする。この時、レリースワイヤのスラストロック機構は、インナーワイヤの固定を解除し、内蔵したスプリングの作用によりインナーワイヤを操作部側に後退させた状態となっている。このため、弁部材は降下して弁体が排水口を閉口する。
この状態より操作体に押し込み操作を行うと、スラストロック機構が作動し、インナーワイヤを排水口側に前進させた状態にて固定する。前進したインナーワイヤは、弁軸の下端に当接し、更に弁軸を押し上げるため、弁部材全体が上昇し、弁体が排水口から離間して隙間を生じることで、排水口が開口する。槽体である洗面ボウル内に排水又は吐水が溜まっている場合、開口した排水口から排水口本体、継手部材を通過し下水側に排水が排出される。
この状態から操作体に再度押し込み操作を行うと、操作軸に押し込み操作が加えられて、スラストロック機構がインナーワイヤの固定を解除し、戻りスプリングの作用によりインナーワイヤを操作部側に後退させた状態となる。このため、弁部材は降下して弁体が再び排水口を閉口する。以下、操作体に押し込み操作を加えることで、自在に排水口の開口/閉口を操作することができる。
また、排水口を閉口し、洗面ボウル内に吐水を溜めてゆくと、槽体である洗面ボウル内の水位が上昇してゆくが、水位が操作部表側部材の開口の下端に達した段階で、操作部表側部材の開口から、溜り水が、操作部表側部材、操作部本体、ガイド管、継手部材の枝管部、継手部材内部、を通過し、下水側に排水が排出される。このため、吐水が継続しても、洗面ボウル内の溜り水が、洗面ボウルの上縁を超えて洗面ボウル外に溢れることは無い。
特開2004−183225号
上記のように構成した、特許文献1に記載の遠隔操作式排水栓装置では、操作部表側部材の筒部分内の開口は、オーバーフロー排水を行うオーバーフロー排水口と兼用して構成されている。このため、少なくとも排水口を閉口し、槽体である洗面ボウル内に吐水又は排水を溜めている際は、操作部表側部材の前面よりも更に手前側に操作体の円盤部が突出し、操作部表側部材の開口からの排水の為に充分な隙間が確保されるようにする必要がある。
しかしながら、操作部本体に遠隔操作式排水栓装置の操作伝達部材の端部を固定すると、操作体の、操作部表側部材の前面から操作体が突出する突出長さが、操作部本体を取り付ける槽体の貫通孔の周縁の厚みによって変化する、という問題がある(上記特許文献1に記載の従来例では、操作伝達部材であるレリースワイヤの端部は、レリースワイヤ端部に取り付けられるスラストロック機構と操作部側支持部材を介して、操作部本体内部に固定されている)。
例えば、貫通孔の周縁の厚みが、金属材によって1ミリメートルの厚みで作られる場合(以下「第一の槽体」)と、人工大理石等樹脂素材によって11ミリメートルの厚みで作られた場合(以下「第二の槽体」)とを比較する。
第一の槽体に施工した際に、円盤部と操作部表側部材前面との隙間が適正になるように遠隔操作式排水栓装置を設計すると、第二の槽体にこの遠隔操作式排水栓装置を採用した場合、円盤部と操作部表側部材前面との隙間は適正な幅に対して10ミリメートルも幅狭となり、排水性能が著しく悪化する。
逆に、第二の槽体に施工した際に、円盤部と操作部表側部材前面との隙間が適正になるように遠隔操作式排水栓装置を設計すると、第一の槽体にこの遠隔操作式排水栓装置を採用した場合、円盤部と操作部表側部材前面との隙間は適正な幅に対して10ミリメートルも余分に突出することとなり、意匠性が悪化し、また突出しすぎた操作体が邪魔になるなどの問題が生じる。
更に、実際には、特許文献1にも記載されているように、貫通孔周縁の厚みは、素材や設計寸法を同一として作成したとしても、多少の寸法誤差が生じたり、また操作部表側部材と操作部本体との螺合の締め付け強さによっても変化が生じる、と言った問題点がある。
そこで、特許文献1に記載の遠隔操作式排水栓装置では、操作部本体内にて操作伝達部材を保持する操作部側支持部材を、螺合を利用して軸方向に自在に移動できるように構成してなる。このように構成したため、操作部側支持部材を操作部表側部材の後端に当接するまで移動させることで、槽体の貫通孔周縁の厚みに関係なく、操作部表側部材と操作部側支持部材との位置関係を一定とすることができる。
操作体は操作伝達部材端部に固定され、その操作伝達部材は操作部側支持部材に固定されるため、槽体の貫通孔周縁の厚みに関係なく、操作部表側部材と操作部側支持部材との位置関係を一定とすることで、操作部表側部材の前面から操作体が突出する突出長さを、槽体の貫通孔周縁の厚みに関係なく一定とすることができる。
尚、上記特許文献1に記載の発明では、貫通孔は槽体に設けられ、操作部表側部材の前面と操作体前面との位置関係の変化は、槽体の厚みが槽体ごとに異なることに由来しているが、実際の遠隔操作式排水栓装置においては、必ずしも槽体に貫通孔が設けられるとは限らず、例えば槽体が備えられる洗面台等排水機器の天板部上や背面部等、槽体の近傍に貫通孔を設ける場合があるが、このような槽体外に貫通孔を設けた場合でも、貫通孔周縁の厚みの違いが原因で操作部表側部材または貫通孔の前面と操作体前面との位置関係が変化する。
また、このように槽体外に貫通孔を設けた場合、オーバーフロー排水を行うことは無いが、この場合でも、意匠性を高めたり、操作体が遠隔操作式排水栓装置の作動に必要な移動の幅を確保等、様々な理由によって、操作部表側部材の表面と、操作体の表面との位置関係を調整する場合がある。また、調整の理由によって、操作部表側部材の表面と操作体の表面との適正な位置関係は、操作部表側部材と操作体が面一になるように調整したり、操作体が一定の幅で操作部表側部材より突出したり等、様々である。
しかしながら、上記のような、操作部本体内に収納配置した操作部側支持部材の螺合を利用して位置を調整する遠隔操作式排水栓装置には以下のような問題点があった。
1.上記遠隔操作式排水栓装置では、操作部側支持部材を、螺合を利用して操作部本体内で移動させるように構成してなる。このため、操作部側支持部材のリング部の軸方向の幅分だけ、余分に操作部本体の幅を確保する必要がある。遠隔操作式排水栓装置の操作部本体が配置される槽体や排水機器の裏側の空間は狭隘な場合が多く、このように余計な長さ寸法が必要になると、操作部本体の配置が困難になり、使用できなくなる、といった問題があった。
2.上記のように構成した遠隔操作式排水栓装置のメリットの一つとして、施工の簡易化が挙げられる。詳述すると、工場など機材が揃っているところで、操作部本体と継手部材をオーバーフロー管で接続し、操作伝達部材であるレリースワイヤを、各支持部材を用い操作部本体と継手部材に配置するまで施工しておく。この状態で施工現場に持ち込むと、レリースワイヤを現場で挿通する必要が無くなり、容易に施工を完了させることができる。ところが、上記特許文献1に記載の遠隔操作式排水栓装置の場合、操作部表側部材を操作部本体と螺合にて接続した上で、操作部側支持部材を位置調整のため螺合させる必要がある。操作部側支持部材にレリースワイヤを接続固定した状態で、操作部側支持部材を回転させると、レリースワイヤが捻じれてしまうため、結局、一端レリースワイヤを操作部側支持部材より外した上で、操作部側支持部材を回転させ位置調整を行い、その後に再び操作部側支持部材に嵌合させるなど、余計な手間が増える結果となっていた。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、遠隔操作式排水栓装置において、操作部表側部材と操作体との位置調整を容易に行うことが可能な遠隔操作式排水栓装置を提供するものである。
請求項1に記載の本発明は、遠隔操作により昇降する弁部材によって、槽体に設けた排水口を開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、
任意の場所に設けられた、筒部分を有する操作部と、
少なくともその一部が筒部分内に配置され、該筒部分に沿って進退する操作体と、
操作体に形成された、第一の軸部と、第二の軸部から成る軸部と、
一端が操作体に当接し、操作体の進退に対応して弁部材に操作体への操作を伝達し、弁部材を上下動させて排水口を開閉させる操作伝達部材と、
操作体の進退方向に対して、操作体の長さを調節する調節機構と、
からなり、
上記調節機構は、第一の軸部と、第二の軸部と、固定用の部材からなり、第一の軸部と第二の軸部の位置を調節し、固定用の部材によって第一の軸部に対する第二の軸部の位置を固定することで、操作体の長さを調節することを特徴とする遠隔操作式排水栓装置である。
請求項2に記載の本発明は、上記操作部は、
任意の場所に設けられた、操作部を取り付ける貫通孔と、
貫通孔の表側に配置される操作部表側部材、及び貫通孔の裏側に配置され、操作部表側部材とで貫通孔周縁を挟持することで貫通孔に取り付けられる操作部本体、からなり、
上記操作伝達部材は操作部本体内部に進退自在に配置されることを特徴とする段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
請求項3に記載の本発明は、上記操作部は、
任意の場所に設けられた貫通孔、該貫通孔の裏側に配置固定される操作部本体、からなり、
上記操作伝達部材は操作部本体内部に進退自在に配置されることを特徴とする段落0007に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
請求項4に記載の本発明は、上記調節機構が、螺子による螺合を利用することで、操作体の長さ、または操作伝達部材の端部の位置を調節することを特徴とする、段落0007乃至段落0009のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
請求項5に記載の本発明は、操作体が進退する筒部分を、槽体の側面上方に配置してオーバーフロー排水口として兼用すると共に、
槽体内部の溜り水をオーバーフロー排水口から排出するオーバーフロー配管を備えたことを特徴とする、段落0007乃至段落0010のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
請求項6に記載の本発明は、操作体の進退方向と、操作伝達部材の操作部側端部の進退方向が相違することを特徴とする、段落0007乃至段落0011のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置である。
請求項7に記載の本発明は、操作体の進退方向と、操作伝達部材の操作部側端部の進退方向の変換を、操作体又は操作伝達部材の操作部側端部の一方、又は両方に備えた傾斜面によって行うことを特徴とする、段落0012に記載の遠隔操作式排水栓装置である。
請求項1乃至請求項に記載の本発明では、操作部を取り付ける壁面など、実際に施工を行うまで寸法等の条件が不明で、事前に長さ調整が不可能な箇所に操作部を施工する場合において、操作体や操作伝達部材の端部を、操作体の進退方向に対して長さを調整することによって、希望する位置関係に操作体を配置することができる。この構成は、操作部表側部材や操作部本体に長さ調整の為の構成を備えないため、従来例のように、操作部表側部材や操作部本体に長さ調節のための余分な幅を確保する必要が無い。
また、操作体側に長さの調節機構を備えた場合、操作体は操作伝達部材から離間した異なる部材であるため、その長さ調節の際に、操作伝達部座が回転して捩れる、といった問題が生じない。
請求項に記載の本発明では、操作体の長さ調整の方法を明確化できる。
請求項に記載の本発明では、操作部の一部をオーバーフロー排水口と兼用することで、部材を省略でき、製品単価を下げることができる。
請求項に記載の本発明では、操作部から操作伝達部材への進退方向を異なる方向とすることで、製品形状の自由度が高まり、操作部を狭隘な箇所に配置する場合等でも、好適に対応することができる。
請求項に記載の本発明では、操作部から操作伝達部材への進退方向の変更方法を明確化できる。
第一実施例の遠隔操作式排水栓装置を示す一部を切り欠きした参考図である。 図1の遠隔操作式排水栓装置の、開口状態を示す参考図である。 第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の操作部を、厚みが異なる貫通孔に取りつけた状態を示す参考図である。 第一実施例の遠隔操作式排水栓装置の操作部の部材構成を示す参考図である。 第二実施例の遠隔操作式排水栓装置を示す一部を切り欠きした参考図である。 図5の遠隔操作式排水栓装置の、開口状態を示す参考図である。 第二実施例の遠隔操作式排水栓装置の操作部を、厚みが異なる貫通孔に取りつけた状態を示す参考図である。 第三実施例の遠隔操作式排水栓装置を示す一部を切り欠きした参考図である。 図8の遠隔操作式排水栓装置の、閉口状態を示す参考図である。 図8の遠隔操作式排水栓装置の、開口状態を示す参考図である。 図9の状態における、操作部を厚みが異なる貫通孔に取りつけた状態を示す参考図である。 図10の状態における、操作部を厚みが異なる貫通孔に取りつけた状態を示す参考図である。 第三実施例の遠隔操作式排水栓装置の操作部の部材構成を示す参考図である。 他の実施例の遠隔操作式排水栓装置の操作部を示す、一部を切り欠きした参考図である。
以下に、本発明の第一実施例について、図面を参照しつつ説明する。
尚、以下に記載する全ての実施例の説明では、上下前後を記載をしているが、これは施工完了時の状態における上下前後を基準としている。また、各図面において、図面左側が前方、右側が後方である。また、レリースワイヤ15においては、インナーワイヤ15bが排水口1aに向かう方向に移動することを前進、操作部側に移動することを後退と記載する。
図1乃至図4に示した、本発明の第一実施例の遠隔操作式排水栓装置は、遠隔操作により上下動する弁部材2によって、槽体である浴槽Bに設けた排水口1aを開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、以下に記載する、操作部表側部材3、操作部本体7、操作体5、操作部側支持部材12、レリースワイヤ15、ガイド管17、排水口本体1、継手部材10、排水口側支持部材18、弁部材2、から構成されてなり、以下に記載する浴槽Bに施工される。尚、本実施例では、操作部表側部材3と操作部本体7を接続した状態の部材を、操作部とする。
浴槽Bは上方が開口した箱体であって、底面には排水口本体1を取り付ける取付孔H1を、側面上方には操作部表側部材3を取り付ける貫通孔H2を、それぞれ形成してなる。
操作部表側部材3は、円筒形状の筒部分4からなる部材であって、その一端に外周方向に突出したフランジ部3aを備え、また外側面に雄ネジを螺刻してなる。
上記筒部分4の内側には突起部3bが内周縁に沿って複数備えられてなる。
操作部本体7は、管体を途中で90度の角度にて屈曲させた部材であって、一端の内側面に、操作部表側部材3の雄ネジと螺合する雌ネジを備えてなる。また、後述するスラストロック機構16を着脱自在に嵌合固定するワイヤ固定部7bと、その上方にインナーワイヤ15b端部に備えられる傾斜部材8を上下方向に摺動可能に配置させる空間を備えてなる。スラストロック機構16は施工完了時レリースワイヤ15の操作部側端部に備えられているため、スラストロック機構16を固定することはそのままレリースワイヤ15の操作部側端部を固定すること同意であるから、ここではスラストロック機構16を着脱自在に嵌合固定する構造を「ワイヤ固定部7b」と記載する。
操作体5は、排水口1aの開閉操作を行う際に、使用者が直接触れて操作を行う部材であって、円盤部5aと、該円盤部5aの中央部分に対して着脱試自在に嵌合する軸部6と、から構成されてなる。円盤部5aの外側面にはスリットが放射状に複数設けられており、このスリットを介して操作部表側部材3の筒部分4下端に達した浴槽B内の溜り水が、操作部本体7側に通過することができる。
更に軸部6は、棒状の部材であって、外側面に雄ネジを備えた第一の軸部6aと、略円筒形状を成す部材であって、その内側に該雄ネジに螺合する雌ネジを備えた第二の軸部6bと、軸部6のネジの螺合位置を調節する、第一の軸部6aの雄ネジと螺合するナット部材6cと、から構成される。また、第二の軸部6bの外側面には、外周方向に突出するストッパー部6dを備えてなる。
本実施例では、この第一の軸部6aの雄ネジと、第二の軸部6bの雌ネジと、ナット部材6cによって、操作体5に、ネジの螺合を利用した、操作体5の進退方向に対する長さを調節する調節機構を構成している。
施工完了時には、第一の軸部6a側の端部が円盤部5aと嵌合し、第二の軸部6b側の端部がレリースワイヤ15の操作部側端部に配置される傾斜部材8の傾斜面9に当接する。
操作部側支持部材12は、操作体5の第二の軸部6bを摺動自在に収納すると共に、後端が、第二の軸部6bのストッパー部6dと係止することで、操作体5が手前側に飛びださないようにする軸収納部13aと、その外側面が操作部表側部材3の筒部分4の内側面と当接すると共に、操作部表側部材3の突起部3bと嵌合する爪部13bを備えたリング部13cと、軸収納部13aとリング部13cを連結するアーム部13dと、からなる。
また、軸収納部13a後端とストッパー部6dの間に配置されて、操作体5を操作部側支持部材12に対し後方に付勢するバネ部材14を備えてなる。
レリースワイヤ15は、操作体5に加えられた操作を、弁部材2に伝達するための操作伝達部材であって、筒状にして軸方向に剛性を、側面方向に可撓性を備えたアウターチューブ15aと、上記アウターチューブ15a内を摺動自在に動作する、軸方向に剛性を、側面方向に可撓性を備えたインナーワイヤ15bと、インナーワイヤ15bをアウターチューブ15aに対し常時操作部側に付勢する戻りスプリング15c(本実施例では図示せず)と、から構成される。
また、レリースワイヤ15の操作部側端部には、操作軸16aを備えたスラストロック機構16がレリースワイヤ15と分離不可能な部材として備えられてなる。該スラストロック機構16は、操作軸16aに押し込み操作を加える都度、インナーワイヤ15bをアウターチューブ15aに対し、排水口1a側に突出した状態で固定/固定を解除し、レリースワイヤ15の戻りスプリング15cの作用により操作部側に後退、を繰り返す機構である。
また、操作軸16aの端部には、傾斜面9を備えた傾斜部材8を、排水口1a側のインナーワイヤ15b端部には、弁部材2の軸嵌合部18aと嵌合する棒状の弁軸部15dを、それぞれ備えてなる。
傾斜部材8は側面視直角三角形を成す部材であって、施工完了時、操作体5の軸部6の中心軸と同じ高さ位置に、傾斜面9のいずれかの箇所が位置するように配置される。
ガイド管17は、側面方向、軸方向共に可撓性を備えた管体であって、一端はエルボ管の下端に、他端は継手部材10の枝管部10bに、それぞれ接続され、施工完了時その内部にレリースワイヤ15を挿通する。また、本実施例では、操作部表側部材3の筒部分4の開口から浴槽B内のオーバーフロー排水が流入するように構成したことで、操作部表側部材3、操作部本体7、ガイド管17、を介し、継手部材10から下水側にオーバーフロー排水を排出するように構成されてなる。即ち、操作部表側部材3の開口は、オーバーフロー水を排水するオーバーフロー排水口として機能し、操作部表側部材3、操作部本体7、ガイド管17、の各部材は、単にレリースワイヤ15を操作部から継手部材10までガイドするための管体、というだけに留まらずオーバーフロー排水を排出するためのオーバーフロー排水用の管体としても機能する。
排水口本体1は、円筒形状の部材であって、上端部に外周方向に突出した鍔部を備え、また外側面に雄ネジを螺刻してなる。
継手部材10は、上方に排水口本体1の雄ネジと螺合する雌ネジを備えた有底筒状の部材であって、その側面に排水を排出するための排出口10aと、レリースワイヤ15を挿通する為の枝管部10bを備えてなる。また排出口10aには、施工完了時下水側の配管が接続される。
排水口側支持部材18は、レリースワイヤ15端部を排水口本体1内部に嵌合する部材であって、レリースワイヤ15のアウターチューブ15a端部を嵌合固定する嵌合部18aと、排水口本体1内部の内周面に接続固定されるリング部13cと、嵌合部18aとリング部13cを連結するアーム部13dと、からなる。
弁部材2は、排水口1aを上方から覆うことで閉口する円盤状の部材であって、その下面中央部分に、レリースワイヤ15のインナーワイヤ15b端部の弁軸部15dが嵌合するように構成されてなる。
本実施例の施工時においては、遠隔操作式排水栓装置の操作体5の長さの調整は次の2点を目的に行われる。
1.意匠性の向上、具体的には、排水口1aを閉口して静止した状態において、操作体5の円盤部5aの前面を、操作部表側部材3の前面と面一とし、段差を無くすことを目的とする。ここで「排水口1aを閉口して静止した状態」とは、「排水口1aを閉口した状態において、使用者等が操作体5に触れるなどの操作を行うことなく、且つ安定して静止した状態」を指し示すものである。例えば、開口状態から閉口状態への変化中において、開閉が完了するまでの間においては、排水口1aが閉口していても操作体5の移動が終了せず、瞬間的には操作部表側部材3と操作体5の前面(表面)が面一にならない状態がある。また排水口1aが閉口していても使用者が操作体5に手を触れるなどすると、操作体5と操作部表側部材3が面一にならない状態が発生する場合がある。「排水口1aを閉口して静止した状態」とは、このような状態は除くものである。
2.貫通孔H2の周縁の厚みが変化しても、操作体5を押し込み操作することで、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることを目的とする。
上記の目的、特に1.の目的を容易に達成するため、本実施例では、設計段階において、貫通孔H2の周縁の厚みが0ミリメートル、つまり操作体5表側部材のフランジ部3aが、操作体5本体に当接した状態において(水密性を確保するためにパッキングを使用する場合は、そのパッキングの厚みを考慮した上で)、操作体5の軸部6を最短の長さにして施工を行った場合、排水口1aが閉口し、操作伝達部材の操作部側端部である傾斜部材8が上昇した状態にて、操作体5の操作軸16aの後端が、傾斜部材8に当接して停止するが、この時操作体5の円盤部5aの前面が、操作部表側部材3の前面と面一となるように設計されてなる。
上記のように構成された本実施例の遠隔操作式排水栓装置を施工する場合、以下のような手順にて施工を行う。
尚、特に詳述しないが、必要に応じ、各部材の接続箇所は接着、又はパッキングを介したネジ接続等を利用し、水密的に接続されるものである。
まず、施工現場に搬入する前の工場の時点で、ガイド管17の一端に操作部本体7の下端を、他端に継手部材10の枝管部10bを、それぞれ接続する。
次に、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を、操作部本体7の開口部分から下流側端部に挿通し、更にガイド管17を介して継手部材10の枝管部10bまで挿通し、更にレリースワイヤ15の操作部側端部を直線状部分の上端から引き上げる。
次に、レリースワイヤ15の操作部側端部に接続固定されているスラストロック機構16を、ワイヤ固定部7bに接続固定する。
上記のように工場内で施工を行った上で、遠隔操作式排水栓装置を施工現場に搬入する。
施工現場において、まず、操作部表側部材3の筒部分4を貫通孔H2に挿通し、フランジ部3aの裏面が、貫通孔H2の周縁に当接するようにする。更に、操作部表側部材3の雄ネジを、操作部本体7の雌ネジに螺合させる。この時は、操作部表側部材3を回転させて、操作部本体7に螺合させる。このようにすることで、操作部表側部材3のフランジ部3aと、操作部本体7の手前側の端部とが、貫通孔H2の周縁を挟持し、操作部表側部材3及び操作部本体7を浴槽Bに接続固定できる。
次に、排水口本体1を取付孔H1に挿通し、鍔部の裏面が、貫通孔H2の周縁に当接するようにする。更に、継手部材10の排出口10aに、下水側に繋がる床下配管を接続した上で、排水口本体1の雄ネジを、継手部材10の雌ネジに螺合させる。この時は、排水口本体1を回転させて、継手部材10に螺合させる。このようにすることで、排水口本体1の鍔部と、継手部材10の上端とが、取付孔H1の周縁を挟持し、排水口本体1及び継手部材10を浴槽Bに接続固定できる。
次に、第一の軸部6aと第二の軸部6bの螺合を利用して操作体5の長さの調整を行う。この時には、上記のように、意匠性の向上を目的として操作体5の前面と操作部表側部材3の前面とを面一とすること、また遠隔操作式排水栓装置を支障なく確実に作動させることを目的として調整を行う。
まず、貫通孔H2の周縁の厚みを確認し、その厚みに合わせて操作体5の軸部6の長さをどの程度にするか把握し、それに合わせて軸部6の長さを調整する。
具体的には、貫通孔H2周縁の厚みを測定し、貫通孔H2周縁の厚み分だけ、軸部6が最短よりも長くなるように、第一の軸部6aと第二の軸部6bを螺合させて長さを調整する。
実際に螺合によって長さ調整を行う時は、第一の軸部6aにナット部材6cを螺合させた上で、第二の軸部6bを螺合させる。この際に、第二の軸部6bの螺合は、第一の軸部6a上のナット部材6cを螺合にて位置調整した上で、第二の軸部6bを螺合させネジ締めすると、第二の軸部6bの端部がナット部材6cに当接することで締めこまれて、第一の軸に対する第二の軸部6bの位置が固定されるため、軸部6の長さを調整することができる。
この状態より、操作部側支持部材12の軸収納部13aの裏側から軸部6を挿通する。この時には、バネ部材14が軸収納部13aの後端とストッパー部6dの間に配置し、操作体5が常に後方に向かって付勢されるようにする。
次に、操作部側支持部材12を、操作部表側部材3の筒部に浴槽Bの表側から挿通し、操作部側支持部材12の爪部13bを、操作部表側部材3の突起部3bに嵌合させ接続する。
次に、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を、排水口1aから浴槽B底面上に引き上げ、排水口側支持部材18の嵌合部18aに、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を嵌合固定した上で、排水口側支持部材18を、排水口本体1の内周面に接続固定する。
更に、レリースワイヤ15の排水口1a側端部の弁軸部15dに、弁部材2を嵌合接続して、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
上記のように構成した、従来の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部を操作し、図1に示したように、排水口1aを閉口した状態とする。この時、レリースワイヤ15のスラストロック機構16は、インナーワイヤ15bの固定を解除してなり、このため、レリースワイヤ15の戻りスプリング15cの作用によりインナーワイヤ15bが操作部側に後退した状態となっている。このため、傾斜部材8は上昇し、操作体5の操作軸16aの高さ位置に、傾斜面9の下端近傍が位置してなる。
この排水口1aが閉口し、静止した状態においては、操作体5の軸部6の後端が、バネ部材14の付勢によって後退し、傾斜部材8の傾斜面9に当接することで停止している。
このように、排水口1aが閉口した静止状態においては、操作体5の円盤部5aの前面が、操作部表側部材3の前面と面一となっている。
この面一となる理由について、図3を参照しつつ説明する。尚、図3においては、一点鎖線よりも上方が貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合の、下方が貫通孔H2周縁の厚みが任意の厚みであるLミリメートルの場合の、それぞれ施工状態を示すものである。
本実施例では、前述のように、排水口1aの閉口時、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合には、軸部6を最短の長さとすれば、軸部6後端が傾斜面9に当接して操作体5の円盤部5aの前面が操作部表側部材3の前面と面一となるように設計されている。
これに対し、貫通孔H2周縁の厚みが、ある任意の厚み、ここではLミリメートルの厚みを備えたとすると、操作部表側部材3の前面から傾斜面9の当接位置までの距離は、より明らかなように、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合に比べて、Lミリメートルだけ余計に幅広となっている。そして、本実施例では、軸部6の長さは、貫通孔H2の周縁の厚みだけ、つまりLミリメートルだけ、最短の場合に比べて長くなるように調整されている。そしてバネ部材14の作用により、操作体5は軸部6の後端が傾斜面9に当接するまで後退する。
このように、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合に比べて増した距離分だけ、操作体5の軸部6の長さを延長したため、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合と同様に、貫通孔H2の周縁の厚みが任意の厚みであるLミリメートルの厚みであっても、排水口1aの閉口時、軸部6後端が傾斜面9に当接して操作体5の円盤部5aの前面が操作部表側部材3の前面と面一となる。
この状態より操作体5に押し込み操作を行うと、操作体5の軸部6後端が傾斜面9に当接し、操作体5を押し込む応力が、傾斜面9の作用により、傾斜部材8を下方に押し下げる応力として操作体5の進退する方向に対して略垂直方向の方向、つまり操作体5の進退の方向とは異なる方向に変換される。そのまま操作体5を押し込むと、傾斜部材8がそのまま降下を続け、傾斜部材8に接続されているスラストロック機構16が作動し、スラストロック機構16の操作軸16aが降下してインナーワイヤ15bを排水口1a側に前進させた状態にて固定する。前進したインナーワイヤ15bは、弁軸2bの下端に当接し、更に弁軸2bを押し上げるため、弁部材2全体が上昇し、弁部材2が排水口1aから離間して隙間を生じることで、図2に示したように、排水口1aが開口する。槽体である洗面ボウルW内に排水又は吐水が溜まっている場合、開口した排水口1aから排水口本体1、継手部材10を通過し下水側に排水が排出される。
尚、傾斜部材8は操作軸16aが降下したことで低い位置に移動し、また操作体5はバネ部材14の作用により後方に移動するが、この状態でも、操作体5の操作軸16aは傾斜面9上となる高さ位置に配置されてなり、操作体5の操作軸16aは傾斜面9の上方位置にて当接している。
この状態から操作体5に再度押し込み操作を行うと、再び操作体5の軸部6後端が傾斜面9に当接し、操作体5を押し込む応力が、傾斜面9の作用により、傾斜部材8を下方に押し下げる応力として作用し、傾斜部材8に接続されているスラストロック機構16が作動して、スラストロック機構16がインナーワイヤ15bの固定を解除し、レリースワイヤ15の戻りスプリング15cの作用によりインナーワイヤ15bを操作部側に後退させ、傾斜部材8が上昇した状態となる。インナーワイヤ15bが後退したことで、弁部材2は降下して、図1に示した弁部材2が再び排水口1aを閉口した状態に戻る(当然ながら、排水口1aが再び閉口した時、操作体5の円盤部5aの前面は操作部表側部材3の前面と面一となる)。
以降、操作体5に押し込み操作を加えることで、自在に排水口1aの開口/閉口を操作することができる。
また、排水口1aを閉口し、浴槽B内に吐水を溜めてゆくと、槽体である浴槽B内の水位が上昇してゆくが、水位が操作部表側部材3の開口である筒部分4の下端に達した段階で、溜り水が、操作体5の円盤部5aのスリットを通過し、更に操作部表側部材3の筒部分4、操作部表側部材3、操作部本体7、ガイド管17、継手部材10の枝管部10b、継手部材10内部、の順に通過して、下水側に排水が排出される。このため、吐水が継続しても、浴槽B内の溜り水が、浴槽Bの上縁を超えて浴槽B外に溢れることは無い。
また、操作体5の軸部6の長さ調整を行わず、最短の長さのまま使用すると、周縁の厚みがLミリメートルの厚みのある貫通孔H2に操作部を取り付けた場合、バネ部材14の作用により操作体5は軸部6後端が傾斜面9に当接するまで後退するため、操作体5の円盤部5aの前面は操作部表側部材3の前面よりLミリメートル窪んだ位置となる。貫通孔H2の周縁の厚みが充分に厚くなると、操作体5に押し込み操作を行う際、傾斜部材8をスラストロック機構16が作動するまで降下させるよりも前に、円盤部5aの後端が、軸収納部13a前面に当接してしまい、スラストロック機構16が作動せずに排水口1aの開閉ができなくなる場合がある。
しかしながら、上記のように、操作体5の軸部6に長さ調整を行うことで、貫通孔H2周縁の厚みが増しても、その分だけ操作体5の軸部6を延長し、確実にスラストロック機構16が作動するまで傾斜部材8と操作軸16aを降下させることが可能となるため、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることができる。
次に、本発明の第二実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図5乃至図7に示した、本発明の第二実施例の遠隔操作式排水栓装置は、遠隔操作により上下動する弁部材2によって、槽体に設けた排水口1aを開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、操作部本体7、操作体5、操作部側支持部材12、レリースワイヤ15、ガイド管17、排水口本体1、継手部材10、排水口側支持部材18、弁部材2、から構成されてなり、槽体である浴槽Bに施工される。
尚、本実施例では、貫通孔H2と操作部本体7を接続した状態の部材を、操作部とする。
上記各部材の内、レリースワイヤ15、ガイド管17、排水口本体1、継手部材10、排水口側支持部材18、弁部材2の各部材は、段落0016に記載した第一実施例の各部材と同じ構成のため、その構成の説明は省略し、構成が相違する操作部本体7、操作体5、操作部側支持部材12、及び各部材が施工される浴槽Bについて以下に説明する。
浴槽Bは上方が開口した箱体であって、底面には排水口本体1を取り付ける取付孔H1を、側面上方にはその裏面に操作部本体7をビス部材(図示せず)で取り付ける貫通孔H2を、それぞれ形成してなる。
操作部本体7は、管体を途中で90度の角度にて屈曲させた部材であって、上流側の端部は、軸方向視長方形を成す筒形状を備えて筒部分4とし、また上流側の端部周縁に、ビス部材によって槽体の貫通孔H2周縁の裏面側に固定されるためのビス部材貫通用の孔を備えたリブ部7cを有してなる。
また、後述するスラストロック機構16を着脱自在に嵌合固定するワイヤ固定部7bと、その上方にインナーワイヤ15b端部に備えられる傾斜部材8を上下方向に摺動可能に配置させる空間を備えてなる。スラストロック機構16は施工完了時レリースワイヤ15の操作部側端部に備えられているため、スラストロック機構16を固定することはそのままレリースワイヤ15の操作部側端部を固定すること同意であるから、ここではスラストロック機構16を着脱自在に嵌合固定する構造を「ワイヤ固定部7b」と記載する。
操作体5は、排水口1aの開閉操作を行う際に、使用者が直接触れて操作を行う部材であって、正面視貫通孔H2に対しておよそ3ミリメートル前後の幅を置いて貫通孔H2を覆う、貫通孔H2と相似形状を成す板状部5bと、該板状部5bの後方側の中央部分に対して着脱試自在に嵌合する軸部6と、貫通孔H2の内側面に当接して、貫通孔H2に対し板状部5bが傾斜することのないようにガイドするためのガイドリブ5dと、から構成されてなる。貫通孔H2と板状部5bとの隙間を介して、貫通孔H2の下端に達した浴槽B内の溜り水が、操作部本体7側に通過することができる。
更に軸部6は、棒状の部材であって、外側面に雄ネジを備えた第一の軸部6aと、略円筒形状を成す部材であって、その内側に該雄ネジに螺合する雌ネジを備えた第二の軸部6bと、軸部6のネジの螺合位置を調節する、第一の軸部6aの雄ネジと螺合するナット部材6cと、から構成される。また、第二の軸部6bの外側面には、外周方向に突出するストッパー部6dを備えてなる。
本実施例では、この第一の軸部6aの雄ネジと、第二の軸部6bの雌ネジと、ナット部材6cによって、操作体5に、ネジの螺合を利用した、操作体5の進退方向に対する長さを調節する調節機構を構成している。
施工完了時には、第一の軸部6a側の端部が板状部5bと嵌合し、第二の軸部6b側の端部がレリースワイヤ15の操作部側端部に配置される傾斜部材8の傾斜面9に当接する。
操作部側支持部材12は、操作体5の第二の軸部6bを摺動自在に収納すると共に、後端が、第二の軸部6bのストッパー部6dと係止することで、操作体5が手前側に飛びださないようにする軸収納部13aと、操作部表側部材3の突起部3bと嵌合する爪部13bと、からなる。
操作部側支持部材12は、操作体5の第二の軸部6bを摺動自在に収納すると共に、後端が、第二の軸部6bのストッパー部6dと係止することで、操作体5が手前側に飛びださないようにする軸収納部13aと、その外側面が操作部本体7の筒部分4の内側面と当接すると共に、筒部分4の突起部3bと嵌合する爪部13bを備えたリング部13cと、軸収納部13aとリング部13cを連結するアーム部13dと、からなる。
また、軸収納部13a後端とストッパー部6dの間に配置されて、操作体5を操作部側支持部材12に対し後方に付勢するバネ部材14を備えてなる。
また、板状部5bとストッパー部6dの間に配置されて、操作体5を操作部側支持部材12に対し後方に付勢するバネ部材14を備えてなる。
尚、本実施例においても、第一実施例と同様に、貫通孔H2の開口から浴槽B内のオーバーフロー排水が流入するように構成したことで、貫通孔H2、操作部本体7、ガイド管17、を介し、継手部材10から下水側にオーバーフロー排水を排出するように構成されてなる。即ち、貫通孔H2及び操作部本体7の筒部分4は、オーバーフロー排水口1aとして機能し、操作部本体7、ガイド管17、の各部材は、単にレリースワイヤ15を操作部から継手部材10までガイドするための管体、というだけに留まらずオーバーフロー排水を排出するためのオーバーフロー排水用の管体としても機能する。
本実施例の施工時においては、遠隔操作式排水栓装置の操作体5の長さの調整は次の2点を目的に行われる。
1.意匠性の向上、具体的には、排水口1aを閉口して静止した状態において、操作体5の板状部5bの前面を、貫通孔H2周縁前面と面一とし、段差を無くすことを目的とする。ここで「排水口1aを閉口して静止した状態」とは、第一実施例と同様に、「排水口1aを閉口した状態において、使用者等が操作体5に触れるなどの操作を行うことなく、且つ安定して静止した状態」を指し示すものである。
2.貫通孔H2の周縁の厚みが変化しても、操作体5を押し込み操作することで、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることを目的とする。
上記の目的、特に1.の目的を容易に達成するため、本実施例では、設計段階において、貫通孔H2の周縁の厚みが0ミリメートル、つまり操作体5表側部材のフランジ部3aが、操作体5本体に当接した状態において(水密性を確保するためにパッキングを使用する場合は、そのパッキングの厚みを考慮した上で)、操作体5の軸部6を最短の長さにして施工を行った場合、排水口1aが閉口し、操作伝達部材の操作部側端部である傾斜部材8が上昇した状態にて、操作体5の操作軸16aの後端が、傾斜部材8に当接して停止するが、この時操作体5の板状部5bの前面が、貫通孔H2周縁前面と面一となるように設計されてなる。
上記のように構成された本実施例の遠隔操作式排水栓装置を施工する場合、以下のような手順にて施工を行う。
尚、特に詳述しないが、必要に応じ、各部材の接続箇所は接着、又はパッキングを介したネジ接続等を利用し、水密的に接続されるものである。
まず、施工現場に搬入する前の工場の時点で、ガイド管17の一端に操作部本体7の下端を、他端に継手部材10の枝管部10bを、それぞれ接続する。
次に、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を、操作部本体7の開口部分から下流側端部に挿通し、更にガイド管17を介して継手部材10の枝管部10bまで挿通し、更にレリースワイヤ15の操作部側端部を直線状部分の上端から引き上げる。
次に、レリースワイヤ15の操作部側端部に接続固定されているスラストロック機構16を、ワイヤ固定部7bに接続固定する。
上記のように工場内で施工を行った上で、遠隔操作式排水栓装置を施工現場に搬入する。
施工現場において、まず、第一の軸部6aと第二の軸部6bの螺合を利用して操作体5の長さの調整を行う。この時には、上記のように、意匠性の向上を目的として操作体5の前面と貫通孔H2の前面とを面一とすること、また遠隔操作式排水栓装置を支障なく確実に作動させることを目的として調整を行う。
まず、貫通孔H2の周縁の厚みを確認し、その厚みに合わせて操作体5の軸部6の長さをどの程度にするか把握し、それに合わせて軸部6の長さを調整する。
具体的には、貫通孔H2周縁の厚みを測定し、貫通孔H2周縁の厚み分だけ、軸部6が最短よりも長くなるように、第一の軸部6aと第二の軸部6bを螺合させて長さを調整する。
実際に螺合によって長さ調整を行う時は、第一の軸部6aにナット部材6cを螺合させた上で、第二の軸部6bを螺合させる。この際に、第二の軸部6bの螺合は、第一の軸部6a上のナット部材6cを螺合にて位置調整した上で、第二の軸部6bを螺合させネジ締めすると、第二の軸部6bの端部がナット部材6cに当接することで締めこまれて、第一の軸に対する第二の軸部6bの位置が固定されるため、軸部6の長さを調整することができる。
この状態より、操作部側支持部材12の軸収納部13aの裏側から軸部6を挿通する。この時には、バネ部材14が軸収納部13aの後端とストッパー部6dの間に配置し、操作体5が常に後方に向かって付勢されるようにする。
次に、操作部側支持部材12を、操作部本体7の筒部分4に挿通し、操作部側支持部材12の爪部13bを、操作部本体7の筒部分4の突起部3bに嵌合させ接続する。
次に、操作部本体7を、貫通孔H2の裏側から配置する。この時、操作体5は貫通孔H2の裏側から貫通口内に挿通され、槽体の貫通孔H2周縁と、板状部5b前面とが面一になるように配置される。更に、ビス部材をリブ部7cの孔を介して貫通孔H2の裏側周辺にネジ止めし、操作部本体7を浴槽Bに接続固定する。
次に、排水口本体1を取付孔H1に挿通し、鍔部の裏面が、貫通孔H2の周縁に当接するようにする。更に、継手部材10の排出口10aに、下水側に繋がる床下配管を接続した上で、排水口本体1の雄ネジを、継手部材10の雌ネジに螺合させる。この時は、排水口本体1を回転させて、継手部材10に螺合させる。このようにすることで、排水口本体1の鍔部と、継手部材10の上端とが、取付孔H1の周縁を挟持し、排水口本体1及び継手部材10を浴槽Bに接続固定できる。
次に、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を、排水口1aから浴槽B底面上に引き上げ、排水口側支持部材18の嵌合部18aに、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を嵌合固定した上で、排水口側支持部材18を、排水口本体1の内周面に接続固定する。
更にレリースワイヤ15の排水口1a側端部の弁軸部15dに、弁部材2を嵌合接続して、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
上記のように構成した、従来の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部を操作し、図5に示したように、排水口1aを閉口した状態とする。この時、レリースワイヤ15のスラストロック機構16は、インナーワイヤ15bの固定を解除してなり、このため、レリースワイヤ15の戻りスプリング15cの作用によりインナーワイヤ15bが操作部側に後退した状態となっている。このため、傾斜部材8は上昇し、操作体5の操作軸16aの高さ位置に、傾斜面9の下端近傍が位置してなる。
この排水口1aが閉口し、静止した状態においては、操作体5の軸部6の後端が、バネ部材14の付勢によって後退し、傾斜部材8の傾斜面9に当接することで停止している。
このように、排水口1aが閉口した静止状態においては、操作体5の板状部5bの前面が、貫通孔H2周縁と面一となっている。
この面一となる理由について、図7を参照しつつ説明する。尚、図7においては、一点鎖線よりも上方が貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合の、下方が貫通孔H2周縁の厚みが任意の厚みであるLミリメートルの場合の、それぞれ施工状態を示すものである。
本実施例では、前述のように、排水口1aの閉口時、軸部6を最短の長さとすれば、軸部6後端が傾斜面9に当接して操作体5の板状部5bの前面が操作部本体7の筒部分4の前面と面一となるように設計されている。
これに対し、貫通孔H2周縁の厚みが、ある任意の厚み、ここではLミリメートルの厚みを備えたとすると、操作部本体7の筒部分4の前面から貫通孔H2周縁の表面との幅は、図7より明らかなように、貫通孔H2周縁の厚み、即ちLミリメートルである。
従って、軸部6の長さを最短の長さに比べLミリメートル延長すれば、当然ながら、板状部5bが操作部本体7の前面よりLミリメートル突出し、取付孔H1周縁の厚みがLミリメートルの浴槽Bに操作部本体7を取り付ければ、排水口1aを閉口して静止した状態において、操作体5の板状部5bの前面は、浴槽Bの貫通孔H2周縁の前面と面一となる。
この状態より操作体5に押し込み操作を行うと、操作体5の軸部6後端が傾斜面9に当接し、操作体5を押し込む応力が、傾斜面9の作用により、傾斜部材8を下方に押し下げる応力として操作体5の進退する方向に対して略垂直方向の方向、つまり操作体5の進退の方向とは異なる方向に変換される。そのまま操作体5を押し込むと、傾斜部材8がそのまま降下を続け、傾斜部材8に接続されているスラストロック機構16が作動し、スラストロック機構16の操作軸16aが降下してインナーワイヤ15bを排水口1a側に前進させた状態にて固定する。前進したインナーワイヤ15bは、弁軸2bの下端に当接し、更に弁軸2bを押し上げるため、弁部材2全体が上昇し、弁部材2が排水口1aから離間して隙間を生じることで、図6に示したように、排水口1aが開口する。槽体である洗面ボウルW内に排水又は吐水が溜まっている場合、開口した排水口1aから排水口本体1、継手部材10を通過し下水側に排水が排出される。
尚、傾斜部材8は操作軸16aが降下したことで低い位置に移動し、また操作体5はバネ部材14の作用により後方に移動するが、この状態でも、操作体5の操作軸16aは傾斜面9上となる高さ位置に配置されてなり、操作体5の操作軸16aは傾斜面9の上方位置にて当接している。
この状態から操作体5に再度押し込み操作を行うと、再び操作体5の軸部6後端が傾斜面9に当接し、操作体5を押し込む応力が、傾斜面9の作用により、傾斜部材8を下方に押し下げる応力として作用し、傾斜部材8に接続されているスラストロック機構16が作動して、スラストロック機構16がインナーワイヤ15bの固定を解除し、レリースワイヤ15の戻りスプリング15cの作用によりインナーワイヤ15bを操作部側に後退させ、傾斜部材8が上昇した状態となる。インナーワイヤ15bが後退したことで、弁部材2は降下して、図5に示した弁部材2が再び排水口1aを閉口した状態に戻る(当然ながら、排水口1aが再び閉口した時、操作体5の円盤部5aの前面は操作部表側部材3の前面と面一となる)。
以降、操作体5に押し込み操作を加えることで、自在に排水口1aの開口/閉口を操作することができる。
また、排水口1aを閉口し、浴槽B内に吐水を溜めてゆくと、槽体である浴槽B内の水位が上昇してゆくが、水位が貫通孔H2の下端に達した段階で、溜り水が、操作体5の板状部5bと貫通孔H2との隙間を通過し、更に貫通孔H2内面、操作部本体7、ガイド管17、継手部材10の枝管部10b、継手部材10内部、の順に通過して、下水側に排水が排出される。このため、吐水が継続しても、浴槽B内の溜り水が、浴槽Bの上縁を超えて浴槽B外に溢れることは無い。
また、操作体5の軸部6の長さ調整を行わず、最短の長さのまま使用すると、周縁の厚みがLミリメートルの厚みのある貫通孔H2に操作部を取り付けた場合、バネ部材14の作用により操作体5は軸部6後端が傾斜面9に当接するまで後退するため、操作体5の板状部5bの前面は貫通孔H2周縁の前面よりLミリメートル窪んだ位置となり、貫通孔H2の奥まった位置に操作体5が配置されるため、操作体5に押し込み操作を行う作業が困難となり、遠隔操作式排水栓装置の開閉操作が上手くできなくなる場合がある。
しかしながら、上記のように、操作体5の軸部6に長さ調整を行うことで、貫通孔H2周縁の厚みが増しても、その分だけ操作体5の軸部6を延長し、板状部5bを操作が容易な位置に配置したため、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることができる。
次に、本発明の第三実施例について、図面を参照しつつ説明する。
図8乃至図13に示した、本発明の第三実施例の遠隔操作式排水栓装置は、遠隔操作により上下動する弁部材2によって、槽体である洗面ボウルWに設けた排水口1aを開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、以下に記載する、操作部本体7、操作体5、レリースワイヤ15、排水口本体1、オーバーフローアダプター、継手部材10、排水口側支持部材18、弁部材2、から構成されてなり、以下に記載する洗面台Sに施工される。尚、本実施例では、貫通孔H2と操作部本体7を接続した状態の部材を、操作部とする。
洗面台Sは、上方が開口した箱体であって、底面には排水口本体1を取り付ける取付孔H1を備えた洗面ボウルWと、洗面ボウルWの後方に配置された、略垂直面からなる背板部Pと、該背板部P上に設けた貫通孔H2と、該洗面ボウルWを載架するキャビネット部Cと、からなる。
操作部本体7は、直管を略L字形状に屈曲させた形状を成す部材であって、水平方向に配置される側の管体が、内部に操作体5を配置する筒部分4である。また他方の管体の一端にはレリースワイヤ15の端部に接続するワイヤ接続部7aを備える。
筒部分4の内部は、操作体5の軸部6を軸方向に進退自在に収納し、またワイヤ接続部7aを備えた管体の内部は、レリースワイヤ15の傾斜部材8を上下方向に進退自在に収納する。
尚、操作体5の軸部6及び傾斜部材8を進退自在に収納する部分は、それぞれの部材の外側面とほぼ同じ形状に形成されてなり、操作体5の軸部6分及び傾斜部材8は、進退の際に、回転等が生じることは無い。
また、筒部分4には、ビス部材(図示せず)によって槽体の貫通孔H2周縁の裏面側に固定されるためのビス部材貫通用の孔を備えたリブ部7cを有してなり、ワイヤ接続部7aの外側面には、雄ネジが螺刻されてなる。
操作体5は、排水口1aの開閉操作を行う際に、使用者が直接触れて操作を行う部材である。
本実施例の操作体5について詳述すると、使用者が押し引きの操作を行う際に保持するツマミ部5cと該ツマミ部5cが取り付けられる軸部6とから構成される。更に軸部6について詳述すると、本実施例の軸部6は、以下に記載する第一の軸部6a、ナット部材6c、第二の軸部6b、から構成される。
第一の軸部6aは、貫通孔H2を進退自在に摺動する、断面円形を成す棒状の部材であって、一端にはツマミ部5cを接続固定し、他端には長さ調整用の雄ネジを備えてなる。
ナット部材6cは、第一の軸部6aの雄ネジと螺合する雌ネジを備えたリング状の部材である。
第二の軸部6bは、軸方向視正四角形形状を成すと共に、内周面に第一の軸部6aの雄ネジと螺合する雌ネジを備えた、略筒形状の部材である。また、該第二の軸部の後端には、後述する第一の傾斜面9aと当接する、第二の傾斜面9bが備えられてなる。
第一の軸部6aの外径は貫通孔H2よりも小径である。また、ナット部材6c、第二の軸部6bの外径は貫通孔H2よりも大径であり、ナット部材6c、第二の軸部6bがストッパーとして機能することで、操作体5が貫通孔H2を抜脱することが無いように構成されている。
レリースワイヤ15は、操作体5に加えられた操作を、弁部材2に伝達するための操作伝達部材であって、筒状にして軸方向に剛性を、側面方向に可撓性を備えたアウターチューブ15aと、上記アウターチューブ15a内を摺動自在に動作する、軸方向に剛性を、側面方向に可撓性を備えたインナーワイヤ15bと、インナーワイヤ15bをアウターチューブ15aに対し常時操作部側に付勢する戻りスプリング15cと、から構成される。また、レリースワイヤ15には、一端を操作部のワイヤ接続部7aに、他端を継手部材10の枝管部10bに、それぞれ接続するための袋ナットを備えてなる。
また、レリースワイヤ15の操作部側端部には、第二の傾斜面9bと当接する第二の傾斜面9aを備えた傾斜部材8を、排水口1a側のインナーワイヤ15b端部には、弁部材2の弁軸2bの下端と当接し、弁部材2を上昇させるロッド部15eを、それぞれ備えてなる。
傾斜部材8は側面視直角台形に、長方形を足して五角形形状とした形状を成す部材であって、施工完了時、傾斜部材8は、排水口1aが閉口し、傾斜部材8が操作部本体7の内部で最も上昇した状態では、傾斜部材8の第一の傾斜面9aの下端の高さ位置に筒部分4の下面が位置し、排水口1aが開口し、傾斜部材8が操作部本体7の内部で最も降下した状態では、傾斜部材8の上端を超える高さ位置に筒部分4の下面が位置するように、上下方向に進退可能に構成されている。尚、平面視においては、該傾斜部材8は略正方形形状である。
排水口本体1は、円筒形状の部材であって、上端部に外周方向に突出した鍔部を備え、また外側面に雄ネジを螺刻してなる。
継手部材10は、上方に排水口本体1の雄ネジと螺合する雌ネジを備えた有底筒状の部材であって、その側面に排水を排出するための排出口10aと、レリースワイヤ15を挿通する為の枝管部10bを備えてなる。また排出口10aには、施工完了時下水側の配管が接続される。
継手部材10は、直線状の管体の側面に、枝管部10bを備えた略T字形状の管体であって、直線状部分の上端が、後述する排水口本体1の下端に接続される。また、直線状部分の上端近傍内部に、後述する排水口側支持部材18と嵌合する突起部3bを備えてなる。
排水口側支持部材18は、レリースワイヤ15端部を排水口本体1内部に嵌合する部材であって、レリースワイヤ15のアウターチューブ15a端部を嵌合固定する嵌合部18aと、排水口本体1内部の内周面に接続固定されるリング部13cと、嵌合部18aとリング部13cを連結するアーム部13dと、からなる。
弁部材2は、排水口1aを上方から覆うことで閉口する円盤状の弁体2aと、該弁体2aの中心から下方に向かって垂下される弁軸2bと、からなる。
本実施例の施工時においては、遠隔操作式排水栓装置の操作体5の長さの調整は次の点を目的に行われる。
1.貫通孔H2の周縁の厚みが変化しても、操作体5の押し/引きの操作することで、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることを目的とする。
上記の1.の目的を容易に達成するため、本実施例では、設計段階において、(水密性を確保するためにパッキングを使用する場合は、そのパッキングの厚みを考慮した上で)、操作体5の軸部6を最短の長さにして施工を行った場合、操作体5の押し/引きの操作により、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることができるように構成されている。
ここで、本実施例における「操作体5の押し/引きの操作により、支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させることができる」について説明すると、
・操作体5の進退方向の長さが短く、操作体5に押し込み操作を行った際に、操作体5のツマミ部5cが貫通孔H2に当接してそれ以上押し込むことができず、排水口1aが開口できなくなる、ということが無い。
・操作体5を手前側に引き出した時に、必要以上に操作体5が突出することが無く、洗面台Sの使用者の障害になることが無い。遠隔操作式排水栓装置の仕様にもよるが、本実施例のような、押し引き操作を行うツマミ部5cを有した操作体5が、壁面から突出する構成の遠隔操作式排水栓装置の場合、操作体5を手前側に引き出した時の、使用者の邪魔とならない適正な操作体5の飛出し長さは、ツマミ部5cの先端から壁面までおよそ30ミリメートル乃至50ミリメートル程度である。
・操作体5を手前側に引き出した時、軸部6のナット部材6cやネジ部等が貫通孔H2から露出することが無く、意匠性を悪化しない。
等が要件として挙げられる。
以降、操作体5について、上記の要件等を満たし、「押し/引きの操作が支障なく行うことができ、遠隔操作式排水栓装置を作動させることができる状態」を、「適正な状態」と記載する。
上記のように構成された本実施例の遠隔操作式排水栓装置を施工する場合、以下のような手順にて施工を行う。
尚、特に詳述しないが、必要に応じ、各部材の接続箇所は接着、又はパッキングを介したネジ接続等を利用し、水密的に接続されるものである。
まず、施工現場に搬入する前の工場の時点で、操作部本体7のワイヤ接続部7aにレリースワイヤ15の操作部側端部を接続する。これにより、ワイヤ接続部7aの内部に、レリースワイヤ15の傾斜部材8が収納配置される。
次に、レリースワイヤ15の排水口1a側端部を、継手部材10の枝管部10bから挿通し、継手部材10の直線状部分の上端から引き揚げ、レリースワイヤ15端部を排水口側支持部材18の嵌合部18aに嵌合接続させた上で、排水口側支持部材18を、継手部材10の内周面に接続固定する。
次に、枝管部10bの端部をレリースワイヤ15の袋ナットにて閉口する。
上記のように工場内で施工を行った上で、遠隔操作式排水栓装置を施工現場に搬入する。
施工現場において、まず、第一の軸部6aと第二の軸部6bの螺合を利用して操作体5の長さの調整を行う。この時には、上記のように、遠隔操作式排水栓装置を支障なく確実に作動させることを目的として調整を行う。
まず、貫通孔H2の周縁の厚みを確認し、その厚みに合わせて操作体5の軸部6の長さをどの程度にするか把握し、それに合わせて軸部6の長さを調整する。
具体的には、貫通孔H2周縁の厚みを測定し、貫通孔H2周縁の厚み分だけ、軸部6が最短よりも長くなるように、第一の軸部6aと第二の軸部6bを螺合させて長さを調整する。
実際に螺合によって長さ調整を行う時は、第一の軸部6aにナット部材6cを螺合させた上で、第二の軸部6bを螺合させる。この際に、第二の軸部6bの螺合は、第一の軸部6a上のナット部材6cを螺合にて位置調整した上で、第二の軸部6bを螺合させネジ締めすると、第二の軸部6bの端部がナット部材6cに当接することで締めこまれて、第一の軸に対する第二の軸部6bの位置が固定されるため、軸部6の長さを調整することができる。
上記長さの調整を行った上で、操作体5の軸部6を操作部本体7の筒部分4に収納する。この時、ツマミ部5cは軸部6に接続されていない。
次に、操作部本体7を、貫通孔H2の裏側から配置固定する。この時、軸部6が貫通孔H2の裏側から貫通口内に挿通され、更に貫通孔H2の表側に突出するようにして操作部本体7を配置し、更に、ビス部材をリブ部7cの孔を介して貫通孔H2の裏側周辺にネジ止めし、操作部本体7を洗面ボウルWに接続固定する。
次に、排水口本体1を取付孔H1に挿通し、鍔部の裏面が、貫通孔H2の周縁に当接するようにした上で、取付孔H1に接続固定する。更に、継手部材10の直線状部分の下端に、下水側に繋がる排水配管を接続した上で、排水口本体1と継手部材10を接続する。
更に、排水口1aの内部に弁部材2を配置し、更に操作体5の軸部6にツマミ部5cを接続固定して、本実施例の遠隔操作式排水栓装置の施工が完了する。
上記のように構成した、従来の遠隔操作式排水栓装置を使用する場合、まず操作部を操作し、図9に示したように、排水口1aを閉口した状態とする。この時、操作体5は手前側に引き出され、レリースワイヤ15端部の傾斜部材8と接しない状態とされている。このため、レリースワイヤ15のインナーワイヤ15bは、戻りスプリング15cの作用により操作部本体7内を最も後退した位置まで(傾斜部材8の上端が、操作部本体7の上方の壁面に達した位置)まで後退した状態となっている。この時、操作体5の操作軸16aの高さ位置に、傾斜面9が位置してなる。
この排水口1aが閉口し、静止した状態においては、操作体5の貫通孔H2から飛び出した長さは、段落0027に記載した適正な状態を満たす範囲の長さに収まっている。
この適正な状態を満たす範囲の長さとなる理由について、以下に開閉の動作と共に説明する。尚、以下の説明において参照する図11、図12においては、一点鎖線よりも上方が貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合の、下方が貫通孔H2周縁の厚みが任意の厚みであるLミリメートルの場合の、それぞれ施工状態を示すものである。
本実施例では、前述のように、排水口1aの閉口時、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合には、軸部6を最短の長さとすれば、操作体5が適正な長さとなるように設計されている。
これに対し、貫通孔H2周縁の厚みが、ある任意の厚み、ここではLミリメートルの厚みを備えたとすると、操作体5の長さが最短のままの場合、操作体5の長さは、適正な長さに比べて、Lミリメートルだけ短い構成となる。そして、実際の施工時には、図11に示したように、貫通孔H2の周縁の厚みだけ、つまりLミリメートルだけ、最短の場合に比べて長くなるように調整されている。このため、排水口1aが閉口し、操作体5aが槽体内部に最も突出した、図11に示した場合の操作体5の槽体内への突出の長さは、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合も、Lミリメートルの場合も同じであり、必要以上に操作体5が突出すること無く、洗面台Sの使用者の障害になることが無い。また、ネジ部分にて延長したLミリメートルの無さ部分は、貫通孔H2の内部に収められ、貫通孔H2よりも手前側に突出することはないため、ナット部材6cや雄ネジ部分が露出することなく、意匠性も良好な状態を維持する。
この状態より操作体5に押し込み操作を行うと、操作体5の軸部6後端が傾斜面9に当接し、操作体5を押し込む応力が、傾斜面9の作用により、傾斜部材8を下方に押し下げる応力として操作体5の進退する方向に対して略垂直方向の方向、つまり操作体5の進退の方向とは異なる方向に変換される。そのまま操作体5を押し込むと、傾斜部材8がそのまま降下を続け、戻りスプリング15cの応力と弁部材2の重量に抗して傾斜部材8に接続されているインナーワイヤ15bを排水口1a側に前進させる。更に押し込み操作を行うと、操作体5の後端が、降下した傾斜部材8の上端に乗り上げて操作部本体7の壁面に当接した状態にて停止する。
軸部6の後端は、傾斜面9上ではなく傾斜部材8の上面に乗り上げたため、傾斜面9の作用の影響を受けることなく、使用者がツマミ部5cを抓んで引き操作を行わない限り、そのまま状態で停止する。この時、傾斜部材8が降下したことで、排水口1a側に前進したインナーワイヤ15bの先端にあるロッド部15eは、弁軸2bの下端に当接し、更に弁軸2bを押し上げるため、弁部材2全体が上昇し、弁部材2が排水口1aから離間して隙間を生じることで、図10に示したように、排水口1aが開口する。槽体である洗面ボウルW内に排水又は吐水が溜まっている場合、開口した排水口1aから排水口本体1、継手部材10を通過し下水側に排水が排出される。
この状態では、図12に示したように、軸部6は貫通孔H2周縁の厚みの分、長さを延長してなるため、操作体5に押し込み操作を行う際に、貫通孔H2周縁の厚みが0ミリメートルの場合に適正になるように構成されていれば、貫通孔H2周縁の厚みがLミリメートルの場合でも、その分軸部6の長さが延長されているため、操作体5の軸部6の長さが足りず、操作体5のツマミ部5cの後端が、貫通孔H2の周縁に当接して排水口1aの開口の操作ができなくなる、という問題は生じない。
この状態から、使用者が操作体5のツマミ部5cを把持して操作体5に引き操作を行うと、操作体5の軸部6は傾斜部材8の上端から離間する。このため、弁部材2の自重と、レリースワイヤ15の戻りスプリング15cの作用により、インナーワイヤ15bは操作部側に後退し、ロッド部15eは弁軸2bから離間し、弁部材2は降下して弁部材2が再び排水口1aを閉口した、図9に示した状態に戻る。
以降、操作体5に押し/引きの操作を加えることで、自在に排水口1aの開口/閉口を操作することができる。
本発明の実施例は以上のようであるが、本発明は上記実施例に限定される物ではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記実施例では、遠隔操作式排水栓装置を採用する槽体を浴槽B又は洗面台Sとしているが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、流し台のシンク等、排水口1aを備えた槽体であれば、どのような排水機器のどのような槽体に採用しても構わない。
また、上記各実施例では、遠隔操作式排水栓装置の操作部は、傾斜面9を利用して操作体5の進退の方向を変換してレリースワイヤ15の端部に伝達するように構成してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、操作軸16aとレリースワイヤ15のインナーワイヤ15bを同軸上に配置し、操作体5の進退の方向と、インナーワイヤ15bの進退の方向を同一のものとしても構わない。
また、操作体5の進退の方向を変換する場合でも、傾斜面9以外の方法、例えばギアやヒンジ等を利用して操作体5の進退の方向を変換し、操作伝達部材に伝達しても構わない。
また、操作伝達部材としてレリースワイヤ15以外の部材を採用しても構わない。
また、操作体5や操作伝達部材の端部の位置を調整する目的として、上記実施例では、意匠性の確保、遠隔操作式排水栓装置の確実な動作などを挙げ、それに合わせて操作体5の長さ、または操作伝達部材の位置の調整を行っているが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、従来例のように開口を広く取るため等、必要に応じて目的を設定し、それに合わせた位置の調整を行って構わない。
また、上記各実施例では、遠隔操作式排水栓装置の操作部の長さを調整することで、操作体5の前面を貫通孔H2周縁と面一とするなど、適正な位置となるように調整するように構成してなるが、本発明は上記実施例に限定されるものでは無く、操作軸16aではなく操作伝達部材の端部において、図14に示したように、操作体5の進退方向に長さを調整するように構成しても構わない。
図14に示した実施例は、以下に記載する操作体5及び傾斜部材8以外の各部材は、第一実施例の遠隔操作式排水栓装置と同様に構成されてなる。
操作体5は、排水口1aの開閉操作を行う際に、使用者が直接触れて操作を行う部材であって、円盤部5aと、該円盤部5aの中央部分に対して着脱試自在に嵌合する軸部6と、軸部6の後端に設けられた、傾斜部材8の第一の傾斜面9aに面接触にて合致するように調整された第二の傾斜面9bと、から構成されてなる。軸部6については長さの調整構造は備えられていないため、進退方向に対してその長さを変化させることはできないように構成されてなる。
傾斜部材8は、レリースワイヤ15の操作部側端部に接続されるスラストロック機構16の操作軸16aに備えられる部材であって、以下に記載する傾斜面9を備えた部材、位置調整ビス部材11、傾斜部材8から構成される。
位置調整ビス部材11は、雄ネジを備えた棒状の部材であって、ドライバー等の治具を利用して自在に回転可能である。また板状の部分を2枚備えてなる。
傾斜面9を備えた部材は、下方ほど手前側に向かう傾斜面9を備えてなり、位置調整ビス部材11の板状部分に回動自在に係止されることで、位置調整ビス部材11の進退に連動して進退するように構成されてなる。
傾斜部材8は、ビス部材11の雄ネジと螺合する雌ネジを備えると共に、レリースワイヤ15の端部に備えられた操作軸16aに接続される。
第一実施例では、操作軸16aの長さを調整することで、排水口1aの閉口時、操作体5の円盤部5aの前面を、操作部表側部材3の前面と面一として意匠性を向上させ、また支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させるように構成してなるが、図14の実施例では、軸部6を操作体5の進退方向に長さ調整する代わりに、傾斜部材8を操作体5の進退方向に長さ調整することで、排水口1aの閉口時、操作体5の円盤部5aの前面を、操作部表側部材3の前面と面一として意匠性を向上させ、また支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させるように構成してなる。詳述すると、施工を行う際、貫通孔H2周縁の厚みを測定し、ビス部材11を回転させて、貫通孔H2周縁の厚みに対応する幅だけ第一の傾斜面9aと傾斜部材8とを離間させる。
これにより、第一の実施例と同様に、排水口1aの閉口時、操作体5の円盤部5aの前面を、操作部表側部材3の前面と面一として意匠性を向上させ、また支障なく遠隔操作式排水栓装置を作動させるように構成してなる。
1 排水口本体 1a 排水口
2 弁部材 2a 弁体
2b 弁軸 3 操作部表側部材
3a フランジ部 3b 突起部
4 筒部分 5 操作体
5a 円盤部 5b 板状部
5c ツマミ部 5d ガイドリブ
6 軸部 6a 第一の軸部
6b 第二の軸部 6c ナット部材
6d ストッパー部 7 操作部本体
7a ワイヤ接続部 7b ワイヤ固定部
7c リブ部 8 傾斜部材
9 傾斜面 9a 第一の傾斜面
9b 第二の傾斜面 10 継手部材
10a 排出口 10b 枝管部
11 位置調整ビス部材 12 操作部側支持部材
13a 軸収納部 13b 爪部
13c リング部 13d アーム部
14 バネ部材 15 レリースワイヤ
15a アウターチューブ 15b インナーワイヤ
15c 戻りスプリング 15d 弁軸部
15e ロッド部 16 スラストロック機構
16a 操作軸 17 ガイド管
18 排水口側支持部材 18a 嵌合部
B 浴槽 C キャビネット部
H1 取付孔 H2 貫通孔
P 背板部 S 洗面台
W 洗面ボウル

Claims (7)

  1. 遠隔操作により昇降する弁部材によって、槽体に設けた排水口を開閉する遠隔操作式排水栓装置であって、
    任意の場所に設けられた、筒部分を有する操作部と、
    少なくともその一部が筒部分内に配置され、該筒部分に沿って進退する操作体と、
    操作体に形成された、第一の軸部と、第二の軸部から成る軸部と、
    一端が操作体に当接し、操作体の進退に対応して弁部材に操作体への操作を伝達し、弁部材を上下動させて排水口を開閉させる操作伝達部材と、
    操作体の進退方向に対して、操作体の長さを調節する調節機構と、
    からなり、
    上記調節機構は、第一の軸部と、第二の軸部と、固定用の部材からなり、第一の軸部と第二の軸部の位置を調節し、固定用の部材によって第一の軸部に対する第二の軸部の位置を固定することで、操作体の長さを調節することを特徴とする遠隔操作式排水栓装置。
  2. 上記操作部は、
    任意の場所に設けられた、操作部を取り付ける貫通孔と、
    貫通孔の表側に配置される操作部表側部材、及び貫通孔の裏側に配置され、操作部表側部材とで貫通孔周縁を挟持することで貫通孔に取り付けられる操作部本体、からなり、
    上記操作伝達部材は操作部本体内部に進退自在に配置されることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
  3. 上記操作部は、
    任意の場所に設けられた貫通孔、該貫通孔の裏側に配置固定される操作部本体、からなり、
    上記操作伝達部材は操作部本体内部に進退自在に配置されることを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作式排水栓装置。
  4. 上記調節機構が、螺子による螺合を利用することで、操作体の長さ、または操作伝達部材の端部の位置を調節することを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
  5. 操作体が進退する筒部分を、槽体の側面上方に配置してオーバーフロー排水口として兼用すると共に、
    槽体内部の溜り水をオーバーフロー排水口から排出するオーバーフロー配管を備えたことを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
  6. 操作体の進退方向と、操作伝達部材の操作部側端部の進退方向が相違することを特徴とする、請求項1乃至請求項のいずれか一つに記載の遠隔操作式排水栓装置。
  7. 操作体の進退方向と、操作伝達部材の操作部側端部の進退方向の変換を、操作体又は操作伝達部材の操作部側端部の一方、又は両方に備えた傾斜面によって行うことを特徴とする、請求項に記載の遠隔操作式排水栓装置。
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