JP2016169338A - インク、インクの製造方法、インク収納容器、インクジェット記録装置 - Google Patents

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啓太 加藤
Keita Kato
啓太 加藤
原田 成之
Nariyuki Harada
成之 原田
彰彦 松山
Akihiko Matsuyama
彰彦 松山
宜輝 梁川
Yoshiteru Yanagawa
宜輝 梁川
誠之 福岡
Masayuki Fukuoka
誠之 福岡
拓哉 山崎
Takuya Yamazaki
拓哉 山崎
永井 一清
Kazukiyo Nagai
一清 永井
島田 知幸
Tomoyuki Shimada
知幸 島田
祐介 小飯塚
Yusuke Koiizuka
祐介 小飯塚
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Abstract

【課題】保存安定性、吐出信頼性及び塗工紙においても画像濃度と画像光沢に優れたインクを提供すること【解決手段】少なくとも水、水溶性溶剤、シアン顔料、共重合体を有するインクであって、前記共重合体が少なくともアニオン性の親水性官能基とナフチル基またはビフェニル基とを有し、前記共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力が、45mN/m以上65mN/m以下であり、前記シアン顔料の体積平均粒子径D90が100nm以上250nm以下であることを特徴とするインク。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクの製造方法、インク収納容器、インクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録方式は、他の記録方式に比べて、プロセスが簡単で、フルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても、高解像度の画像が得られるという利点があることから普及し、パーソナルから、オフィス用途、商用印刷や工業印刷の分野へと広がりつつある。
インクジェット記録方式では、色材として水溶性染料を用いた水性染料インクが主に使用されていたが、耐水性及び耐光性に劣るという欠点があるため、水溶性染料の代わりに、水不溶性の顔料を用いる水性顔料インクの開発が進められている。
一般に、顔料インクを用いてコート紙に画像を形成する場合、インク中の水を含む溶剤が、紙に浸透する速度が遅いため、沸点の低い溶剤をインクの溶剤として用いて、コート紙上でのインクの乾燥を促進している。しかし、インクジェットヘッドのノズルでのインクの乾燥も速くなり、インクの粘度が増大して、吐出信頼性が低下する。
特許文献1(特開2008−050589号公報)には、顔料と分散剤とを含有し、前記顔料の平均粒子径が10〜150nmの顔料であり、前記分散剤が、多環状基を側鎖に有し、顔料の分散媒体に可溶な共重合体であることを特徴とする画素形成用着色組成物が開示されている。
特許文献2(特開2011−122072号公報)には、水溶性の多価金属塩を含有してなる紙への記録に用いられるインクが開示されている。このとき、インクは、(a)顔料と、(b)界面活性能を持たず、分子量が150以上10,000以下であり、かつその分子構造中におけるリン酸を基本骨格とする官能基とホスホン酸を基本骨格とする官能基由来のリンの含有率((P量/分子量)×100)が1.4以上であるリン酸を基本骨格とする官能基及びホスホン酸を基本骨格とする官能基から選択される官能基を有する化合物を少なくとも1種含有してなる。また、インクは、(b)化合物の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として1.5質量%以上10.0質量%以下である。
しかしながら、従来のインクは保存安定性及び吐出信頼性が不十分であり、塗工紙に画像を形成すると、十分な画像濃度と画像光沢が得られないという問題がある。
本発明は、上記従来技術が有する問題に鑑み、保存安定性、吐出信頼性及び塗工紙においても画像濃度と画像光沢に優れたインクを提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有するインクに係るものである。
少なくとも水、水溶性溶剤、シアン顔料、共重合体を有するインクであって、前記共重合体が少なくともアニオン性の親水性官能基とナフチル基またはビフェニル基とを有し、前記共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力が、45mN/m以上65mN/m以下であり、前記シアン顔料の体積平均粒子径D90が100nm以上250nm以下であることを特徴とするインク。
本発明によれば、保存安定性、吐出信頼性に優れたインクが得られる。
また、本発明のインクは、塗工紙に記録した場合でも、高い画像濃度と高い光沢度が得られる。
本発明のインク収納容器のインク袋の一例を示す概略図。 図1のインク袋をカートリッジケース内に収容したインク収納容器を示す概略図。 本発明のインクジェット記録装置例のインク収納容器装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である。 本発明のインクジェット記録装置例の全体構成を説明する概略構成図である。 図3に示したインクジェット記録装置の一部拡大断面図である。 本発明の実施例で用いた顔料分散体の電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例で用いた顔料分散体の電子顕微鏡写真を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のインクは、少なくとも水、水溶性溶剤、シアン顔料、共重合体を有し、前記共重合体は、少なくともアニオン性の親水性官能基とナフチル基またはビフェニル基を有する。
インク中において、前記ナフチル基またはビフェニル基が疎水基としてシアン顔料の表面に強く吸着し、前記アニオン性の親水性官能基がインクの水及び溶媒と親和することで、顔料の高い分散安定性を保持することが可能となり、インクの高い吐出信頼性が得られる。
一般に、インク中で共重合体は、一部は顔料もしくはその他の固形分に吸着しており、その残りは遊離して存在している。この遊離している共重合体の界面活性能が高いと保存安定性や画像濃度が低下することが新たに判明した。そこで、発明者らが鋭意検討した結果、前記共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力が、45mN/m以上65mN/m以下とすることにより、高い保存安定性と画像濃度を保持できることが判明した。
さらに、前記シアン顔料の体積平均粒子径D90を100nm〜250nmとすることにより、コート紙における高い光沢度が得られることも判明した。
<共重合体>
本発明における共重合体は、インク中においてシアン顔料の分散を安定化させる目的で添加される。共重合体は顔料を水に分散させる際に、分散剤として添加することができる。また、あらかじめシアン顔料が水に分散された顔料分散液に後から共重合体を添加することもできる。共重合体を分散剤として用いる方が、顔料分散体の保存安定性・画像濃度・光沢度・吐出信頼性がより向上するので、好ましい。
インクにおける共重合体の含有量は、顔料分散剤として使用する場合には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記シアン顔料の水分散液における顔料と共重合体の質量比率は、顔料/共重合体=100/10〜100/100であることが好ましい。前記の範囲内であると、顔料分散体・インクの保存安定性及び光沢度が向上する。
本発明における共重合体は、少なくともアニオン性の親水性官能基とナフチル基またはビフェニル基とを有し、共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力が、45mN/m以上65mN/m以下であれば、他に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力が、45mN/m未満であると、インクの保存安定性と画像濃度が低下し、65mN/mを超えると光沢度と吐出信頼性が低下する。
また、共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は50mN/m以上60mN/m以下であることがより好ましい。50mN/m以上60mN/m以下であることにより、顔料分散体とインクの保存安定性、画像濃度及び光沢度がより向上する。
本発明の共重合体は、例えば、アニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマー、ナフチル基またはビフェニル基を有する重合性のモノマー、重合性の疎水性モノマー、重合性界面活性剤などを重合することで得られる。必要に応じてアニオン性以外の親水性官能基を有する重合性のモノマー、例えばカチオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマーまたは、ノニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマーを追加しても良い。
アニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、2−メタクイロイルオキシエチルアシッドホスホエート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスホエート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールメタクリレート、アシッドホスホキシポリオキシエチレングリコールメタクリレート、アシッドホスホキシポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)グリコールメタクリレートなどの不飽和リン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸などの不飽和スルホン酸、或いはリン酸、ホスホン酸、アレンドロン酸又はエチドロン酸を含有した不飽和エチレンモノマー等のアニオン性不飽和エチレンモノマーなどが挙げられる。
ナフチル基またはビフェニル基を有する重合性のモノマーについては、1−ビニルナフタレン、2−ビニルタフタレン、4−ビニルビフェニルのように従来公知のモノマーを使用することができる。
また、分子中にナフチル基またはビフェニル基を有する反応性化合物と重合性のモノマーとを反応させることで、ナフチル基またはビフェニル基を有する重合性のモノマーを得ることができる。
分子中にナフチル基またはビフェニル基を有する反応性化合物としては、例えば、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシエチルエステル、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシプロピルエステル、ナフタレンカルボン酸ヒドロキシブチルエステル、ビフェニルカルボン酸ヒドロキシエチルエステルなどが挙げられる。これらの反応性化合物と反応性させるモノマーとしては、例えば、2−アクロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどが挙げられる。
本発明における共重合体が有するアニオン性の親水性官能基としては次のようなものが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。また、これらのアニオン性の親水性官能基の中でも特にカルボキシル基が好ましい。
−COO、−SO 、−PO、−PO 2−、−CON2−、−SO2−、−NH−C−COO、−NH−C−SO 、−NH−C−PO、−NH−C−PO32−、−NH−C−CON2−、−NH−C−SO2−
前記重合性の疎水性モノマーとしては、例えば、α−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、4−クロロメチルスチレン等の芳香族環を有する不飽和エチレンモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、フマル酸ジメチル、(メタ)アクリル酸ラウリル(C12)、(メタ)アクリル酸トリデシル(C13)、(メタ)アクリル酸テトラデシル(C14)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル(C15)、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル(C16)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル(C17)、(メタ)アクリル酸ノナデシル(C19)、(メタ)アクリル酸エイコシル(C20)、(メタ)アクリル酸ヘンイコシル(C21)、(メタ)アクリル酸ドコシル(C22)等の(メタ)アクリル酸アルキル;1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−ノネン、3,5,5−トリメチル−1−ヘキセン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン等のアルキル基を持つ不飽和エチレンモノマー、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合性界面活性剤は、ラジカル重合可能な不飽和二重結合性基を分子内に少なくとも1つ以上有するアニオン性又は非イオン性の界面活性剤である。
前記アニオン性界面活性剤としては、硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基とアリル基(−CH−CH=CH)とを有する炭化水素化合物、硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基とメタクリル基〔−CO−C(CH)=CH〕とを有する炭化水素化合物、又は硫酸アンモニウム塩基(−SO NH )などの硫酸塩基と1−プロペニル基(−CH=CHCH)とを有する芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、三洋化成社製のエレミノールJS−20、及びRS−300、第一工業製薬社製のアクアロンKH−10、アクアロンKH−1025、アクアロンKH−05、アクアロンHS−10、アクアロンHS−1025、アクアロンBC−0515、アクアロンBC−10、アクアロンBC−1025、アクアロンBC−20、及びアクアロンBC−2020などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、1−プロペニル基(−CH=CHCH)とポリオキシエチレン基〔−(CO)n−H〕とを有する炭化水素化合物又は芳香族炭化水素化合物が挙げられる。その具体例としては、第一工業製薬社製のアクアロンRN−20、アクアロンRN−2025、アクアロンRN−30、及びアクアロンRN−50、花王社製のラテムルPD−104、ラテムルPD−420、ラテムルPD−430、及びラテムルPD−450などが挙げられる。
前記重合性界面活性剤は、1種又は2種以上を混合して使用しても良い。
前記ノニオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、が挙げられる。
また、前記カチオン性の親水性官能基を有する重合性のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等が挙げられる。
前記共重合体の合成方法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等、公知の種々の合成方法を利用することができるが、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に用いられているものなら使用可能で、具体的には、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、シアノ系のアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。分子量の制御がしやすく、分解温度の低い有機過酸化物やアゾ系化合物が好ましく、特にアゾ系化合物がより好ましい。重合開始剤の使用量は、重合性単量体の総質量に対して、1〜10質量%が好ましい。
前記共重合体の重量平均分子量は、顔料分散体・インクの保存安定性、画像濃度、光沢度、吐出信頼性がより向上するので、5,000以上40,000以下が好ましい。
本発明の共重合体は塩であることが好ましい。インク中において、共重合体を中和するのに添加した塩基は、カチオンとして存在する。
カチオンの添加量としては、顔料分散体の保存安定性とインクの保存安定性がより向上するため、共重合体に含まれるアニオン性親水性官能基のモル数に対して1倍以上2倍以下が好ましい。
カチオンとしては、インク保存安定性がより向上するため、有機アンモニウムイオンが好ましい。
インク中に含まれるカチオン量については、処方量から計算することもできるが、インクそのものを分析することによっても求める事もできる。
インク中に含まれるカチオンの定量は、カチオンが金属イオンであれば、ICP発光分光分析装置により行うことができる。ICP発光分光分析装置としては、例えばICPE−9000(島津製作所製)、Optima8000(PerkinElmer社製)等が挙げられる。
また、カチオンが有機アンモニウムであれば、GC/MS分析によりインク中のカチオン量を定量することができる。GC/MS分析装置としては、GCMS−QP2010 Ultra(島津製作所製)、Agilent7000C(アジレントテクノロジー社製)等が挙げられる。
カチオンとしては、特に限定されないが、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、有機アンモニウムイオン等が挙げられる。
有機アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、トリエチルメチルアンモニウムイオン、トリブチルメチルアンモニウムイオン、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムイオン、トリス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムイオン、プロピルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキシルトリメチルアンモニウムイオン、オクチルトリメチルアンモニウムイオン、ノニルトリメチルアンモニウムイオン、デシルトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、テトラデシルトリメチルアンモニウムイオン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、オクタデシルトリメチルアンモニウムイオンジドデシルジメチルアンモニウムイオン、ジテトラデシルジメチルアンモニウムイオン、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクタデシルジメチルアンモニウムイオン、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムイオン、アンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、モノエチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、メチルエタノールアンモニウムイオン、メチルジエタノールアンモニウムイオン、ジメチルエタノールアンモニウムイオン、モノプロパノールアンモニウムイオン、ジプロパノールアンモニウムイオン、トリプロパノールアンモニウムイオン、イソプロパノールアンモニウムイオン、等が挙げられる。カチオンとしては、インク保存安定性及び吐出信頼性が向上するため、有機アンモニウムイオンが好ましい。
<シアン顔料>
本発明においては顔料としてシアン顔料を用いる。
シアン顔料としては無機顔料及び有機顔料を用いることができる。
シアン用の顔料を用いることで、他の色の顔料を使用するよりも高い画像濃度と光沢度を両立する事ができる。
シアン顔料の体積平均粒子径D90は100nm以上250nm以下である。
シアン顔料の体積平均粒子径(D90)は、23℃、50%RHの環境下において、粒度分布測定装置NanotracWave−UT151(日機装社製)を用いて動的光散乱法で測定したものである。
インク中におけるシアン顔料の体積平均粒子径D90を100nm以上250nm以下とすることにより、コート紙における高い光沢度が得られる。また、光沢度と吐出信頼性がより向上するため、シアン顔料の体積平均粒子径D90は、130nm以上220n以下がより好ましい。
D90が100nm未満であると、顔料分散体及びインクの保存安定性が低下し、D90が250nmを超えると光沢度が低下する。
本発明で用いられるシアン顔料としては、特に制限はないが、インク中で、水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示すことが好ましい。シアン顔料をインク中で安定に分散させる方法としては、(1)分散剤により分散させる方法、(2)水溶性の樹脂で顔料を被覆して分散させる方法、(3)親水基を有する樹脂を結合させて分散させる方法、などが挙げられる。
インク中のシアン顔料の粒子径D90は、シアン顔料を水に分散させた顔料分散体について、加熱処理や超音波処理を行い、顔料粒子を微細化させることで、前記範囲のD90を得る事ができる。加熱処理温度としては、50℃以上85℃以下が好ましい。
前記熱処理する工程の前におけるシアン顔料の体積平均粒径D90をD90(A)[nm]とし、前記熱処理する工程の後におけるシアン顔料の体積平均粒径D90をD90(B)[nm]としたとき、D90(A)及びD90(B)が次の関係式を満たすことが好ましい。
0.50 ≦ D90(B)/ D90(A) ≦ 0.90
D90(B)/ D90(A)が前記範囲にあると、光沢度、吐出信頼性がより向上する。
なお、顔料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60等が挙げられる。
画像の発色性の点から、顔料として、自己分散顔料を用いてもよい。
自己分散顔料は、アニオン性自己分散顔料であることが好ましい。
なお、アニオン性自己分散顔料とは、直接又は他の原子団を介して、アニオン性基が表面に導入されている顔料をいう。
また、アニオン性基とは、pHが7.0において、半数以上のプロトンが解離する基をいう。
アニオン性官能基としては、特に限定されないが、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基等が挙げられる。中でも、画像の光学濃度が高い点から、カルボキシル基又はホスホン酸基が好ましい。
アニオン性基が表面に導入される顔料としては、特に限定されないが、国際公開第2009/014242号に記載されているような、従来公知の顔料を用いることができる。
顔料の表面にアニオン性基を導入する方法としては、特に限定されないが、シアン顔料を酸化処理する方法等が挙げられる。
シアン顔料を酸化処理する方法としては、次亜塩素酸塩、オゾン水、過酸化水素、亜塩素酸塩、硝酸等を用いる方法、特表2009−515007号公報、特表2009−506196号公報等に記載されているようなジアゾニウム塩を用いる方法等が挙げられる。
アニオン性基が表面に導入されているシアン顔料の市販品としては、CAB−O−JET250(キャボット社製)等が挙げられる。
インク中の顔料の含有量は、通常、0.5〜20質量%であり、1〜10質量%であることが好ましい。
<水溶性溶剤>
インクは、水溶性溶剤をさらに含むことが好ましい。これにより、普通紙や塗工紙へのインクの浸透性を向上させ、ビーディングの発生をさらに抑制することができる。また、湿潤効果を利用してインクの乾燥を抑制することができる。
水溶性溶剤としては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、イソプロピリデングリセロール、ペトリオール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
中でも、普通紙におけるカールの防止の点から、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、イソプロピリデングリセロール、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミドが好ましい。また、水分蒸発による吐出不良の防止の点から、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリンが好ましい。
なお、水溶性溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
湿潤性が比較的少なく、浸透性を有する水溶性溶剤としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等が挙げられる。
上記以外の水溶性溶剤としては、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
上記の水溶性溶剤と併用できる水溶性溶剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類等が挙げられる。
インクは、界面活性剤をさらに含むことが好ましい。これにより、普通紙や塗工紙への浸透性と濡れ性を向上させ、ビーディングの発生をさらに抑制することができる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、特に限定されないが、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。中でも、表面張力を30mN/m以下にすることが可能である点から、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が好ましい。
なお、界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素系ノニオン性界面活性剤、フッ素系アニオン性界面活性剤、フッ素系両性界面活性剤、フッ素系オリゴマー型界面活性剤等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤のフッ素で置換されている炭素数は、通常、2〜16であり、4〜16であることが好ましい。
フッ素系ノニオン性界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。中でも、起泡性が小さいため、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が好ましい。
フッ素系アニオン性界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。
パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。
フッ素系アニオン性界面活性剤における塩の対イオンとしては、特に限定されないが、Li、Na、K、NH NHCHCHOH、NH(CHCHOH)NH(CHCHOH)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(以上、旭硝子社製)、フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム社製)、メガファックF−470、F−1405、F−474(以上、DIC社製)、ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(以上、DuPont社製)、フタージェントFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(以上、ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A、PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(以上、オムノバ社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。中でも、変性基として、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。
<水>
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、高純水、及び超純水が挙げられる。
水の含有量は、インク全体の20〜60質量%が好ましい。
<その他成分>
インクは、必要に応じて、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤等をさらに含んでいてもよい。
pH調整剤としては、pHを8.5〜11に調整することが可能であれば、特に限定されないが、アルコールアミン類、アルカリ金属の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウムの水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
アルコールアミン類としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウムの水酸化物等が挙げられる。
ホスホニウムの水酸化物としては、第4級ホスホニウムの水酸化物等が挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、特に限定されないが、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、特に限定されないが、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
<インクの製造方法>
インクは、水、水溶性溶剤、シアン顔料、共重合体及び必要に応じてその他の材料を撹拌混合することで製造される。撹拌混合する際には、攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等を用いることができる。このとき、シアン顔料は、あらかじめ水に分散されている顔料分散体の状態で撹拌混合されることが好ましい。
なお、共重合体は、シアン顔料を水に分散する際の顔料分散剤として用いてもよい。
顔料分散体は、共重合体を前記<共重合体>の項に記載したように、カチオンを生成する塩基で中和した後、水に溶解させ、そこにシアン顔料を投入することが好ましい。
共重合体を用いてシアン顔料を水に分散させる工程では、ビーズミル、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等を用いることができる。
前記分散方式の中でもビーズミルが好ましい。ビーズミル分散機としては、ダイノーミルKDL−A型(シンマルエンタープライゼス社製)、ダイノーミル リサーチラボ型(シンマルエンタープライゼス社製)、ナノ・ゲッターDMS65型(アシザワファインテック社製)、MPミルMP−1型(井上製作所製)、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)等が挙げられる。またこのとき、分散媒体としての水に、前記水溶性溶剤を添加しても良い。
ビーズミル分散に使用するビーズの材質としては、ガラス、無アルカリガラス、ジルコン、ジルコニア、アルミナ、チタニア、スチール等が挙げられる。この中でも、ジルコニアが好ましい。また、ビーズの径としては、特に限定されないが、0.03mm〜0.3mmのものが好ましい。
シアン顔料の顔料分散体は、前記分散処理の工程の後、加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理の方法としては、特に限定はないが、耐熱性及び密閉性のある容器例えばガラス製のスクリュー瓶に顔料分散体を投入して密閉した後、恒温槽に所定の期間保存することで行うことができる。恒温槽としては、中型恒温恒湿器SML−2(エスペック社製)、クリーンオーブンDE410等が挙げられる。加熱処理を行う温度としては、50℃以上85℃以下が好ましい。50℃以上未満であると十分な光沢度が得られず、85℃を超えると、インクの保存安定性が悪化する。
インクを製造する際には、フィルター、遠心分離装置等を用いて、粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インクの25℃における粘度は、通常、3〜20mPa・sである。インクの25℃における粘度が3mPa・s以上であることにより、印字濃度や文字品位を向上させることができ、20mPa・s以下であることにより、インクの吐出信頼性を向上させることができる。
なお、インクの25℃における粘度は、粘度計RE80L(東機産業社製)を用いて測定することができる。
インクの25℃における表面張力は、通常、40mN/m以下である。
<インク収容容器>
本発明のインクは、容器中に収容して、インク収納容器として用いることができる。
容器としては特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
上記インク収納容器の一例について、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインク収納容器のインク袋241の一例を示す概略図であり、図2は図1のインク袋241をカートリッジケース244内に収容したインク収納容器200を示す概略図である。
インク収納容器200は、インクを注入口242からインク袋241内に充填し、排気した後、注入口242を融着により閉じることにより、製造することができる。このとき、インク袋241は、プラスチック製のカートリッジケース244内に収容されている。
インク収納容器200は、公知のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられる。このとき、ゴム部材からなる排出口243に、インクジェット記録装置の本体の針を刺すことにより、インクジェット記録装置にインクを供給することができる。
なお、インクは、サインペン、ボールペン、プロッターペン等の筆記具に適用することができる。これにより、普通紙、特に白色の普通紙における光沢を向上させることができる。
<インクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録装置は、前記インク収納容器を備え、本発明のインクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報又は画像を記録する。この記録装置は、インクを吐出させるインク飛翔手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有する。
前記インク飛翔手段は、本発明のインクに刺激を印加し飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。また、前記刺激発生手段としては、例えば過熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト等が挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。
前記インクの飛翔の態様には特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なる。
例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を撓ませ、圧力室の容積を縮小させて、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、実施例でも用いた本発明のインクジェット記録装置について概要を説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。この記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側に、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収納容器装填部104とを有する。インク収納容器装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インク収納容器装填部104は、インク収納容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内では、図4、図5(図4の記録装置の一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とで、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を、複数のインク吐出口が主走査方向と交叉するように配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インク収納容器装填部104に装填された本発明のインク収納容器200からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。
また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより記録動作を終了し、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収納容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置において、インク収納容器200中のインクを使い切ったときには、インク収納容器200における筐体を分解して内部のインク収容部だけを交換することができる。また、インク収納容器200は、縦置きで前面装填構成としても安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インク収納容器200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、実施例により限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
[ナフチル基を有するモノマーの合成]
62.0g(525mmol)の1,6−ヘキサンジオール(東京化成社製)を700mLの塩化メチレン中に溶解させた後、20.7g(262mmol)のピリジンを加えた。次に、50.0g(262mmol)の2−ナフタレンカルボニルクロリド(東京化成社製)を100mLの塩化メチレンに溶解させた溶液を、攪拌しながら2時間で滴下した後、室温で6時間攪拌した。さらに、水洗した後、有機相を単離した。次に、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を留去した。さらに、溶離液として、塩化メチレン/メタノール(体積比98/2)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、52.5gの2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを得た。
42.1g(155mmol)の2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを80mLの乾燥メチルエチルケトン中に溶解させた後、60℃まで昇温した。次に、24.0g(155mmol)のカレンズMOI(2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート)(昭和電工社製)を20mLの乾燥メチルエチルケトン中に溶解させた溶液を、攪拌しながら1時間で滴下した後、70℃で12時間攪拌した。さらに、室温まで冷却した後、溶媒を留去した。次に、溶離液として、塩化メチレン/メタノール(体積比99/1)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、57.0gの下記の化学式(1)で表される[モノマーM−1]を得た。

[共重合体R−1の合成]
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−1](重量平均分子量(Mw):30,000)を得た。
得られた[共重合体R−1]を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−1]の10質量%水溶液を調製した。
<共重合体の分子量測定>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の共重合体を1mL注入し、上記の条件で測定した共重合体の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して共重合体の重量平均分子量Mwを算出した。
ここで、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)を60℃で加熱して濃縮し、70質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を作製した。
さらに、[共重合体R−1]を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、70質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)3.68g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水1.32gを加えて、混合・撹拌し、共重合体R−1の50質量%水溶液を調製した。
また、共重合体R−1の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、共重合体R−1の1.0質量%水溶液を作製した。共重合体R−1の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は55mN/mであった。
(共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力の測定)
自動表面張力計DY−300(協和界面科学社製)を用いて、白金プレートを用いてプレート法により、共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力を測定した。
[共重合体R−2の合成]
3.20g(44.4mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.86g(27.8mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.20gの[共重合体R−2](重量平均分子量(Mw):20,000)を得た。
得られた[共重合体R−2]を5.00g(カルボキシル基量14.7mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)6.19g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量14.7mmol)とイオン交換水38.81gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−2]の10質量%水溶液を調製した。
また、共重合体R−2の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、共重合体R−2の1.0質量%水溶液を作製した。共重合体R−2の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は58mN/mであった。
[共重合体R−3の合成]
8.37g(純度89.2%、35.6mmol)のホスマーM(ユニケミカル社製)及び7.59g(17.8mmol)の[モノマーM−1]を、75mlの乾燥1−メトキシ−2−プロパノール中に溶解させ、モノマー溶液を得た。次に、モノマー溶液の10質量%をアルゴン気流下で90℃まで昇温した後、モノマー溶液の90質量%に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソブチロニトリル(東京化成社製)を溶解させた溶液を、撹拌しながら1.5時間で滴下して重合した。さらに、75℃で4時間撹拌した後、室温まで冷却した。次に、ヘキサン中に投下した後、ろ別した。さらに、ろ物をテトラヒドロフラン中に溶解させた後、減圧乾燥させ15.24gの[共重合体R−3](重量平均分子量(Mw):20,000)を得た。を得た。
得られた共重合体R−3を5.00g(リン酸基量11.8mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.44g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.7mmol)とイオン交換水37.56gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−3]の10質量%水溶液を調製した。
また、[共重合体R−3]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、[共重合体R−1]の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体R−3]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は60mN/mであった。
[共重合体R−4の合成]
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)及び0.77g(7.22mmol)3−メルカプトプロピオン酸(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−4](重量平均分子量(Mw):3,000)を得た。
得られた[共重合体R−4]を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−4]の10質量%水溶液を調製した。
また、[共重合体R−4]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、共重合体R−4の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体R−4]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は47mN/mであった。
[共重合体R−5の合成]
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)及び0.49g(4.62mmol)3−メルカプトプロピオン酸(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−5](重量平均分子量(Mw):5,000)を得た。
得られた共重合体R−5を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−5]の10質量%水溶液を調製した。
また、[共重合体R−5]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、共重合体R−5の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体R−5]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力51mN/mであった。
[共重合体R−6の合成]
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−6](重量平均分子量(Mw):40,000)を得た。
得られた共重合体R−6を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−6]の10質量%水溶液を調製した。
また、[共重合体R−6]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、[共重合体R−6]の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体R−6]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力60mN/mであった。
[共重合体R−7の合成]
3.80g(52.7mmol)のアクリル酸(アルドリッチ社製)、及び11.26g(26.3mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.39g(2.41mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で6時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.55gの[共重合体R−7](重量平均分子量(Mw):50,000)を得た。
得られた共重合体R−7を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)7.36g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水37.64gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−7]の10質量%水溶液を調製した。
また、[共重合体R−7]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、[共重合体R−7]の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体R−7]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力64mN/mであった。
[共重合体水溶液RL−1の調製]
[共重合体R−1]を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、40質量%濃度の水酸化カリウム水溶液2.45g(カリウムイオン含有量17.5mmol)とイオン交換水42.55gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−1]の10質量%水溶液(共重合体水溶液RL−1)を調製した。
また、上記で作製した[共重合体水溶液RL−1]をイオン交換水で10倍に希釈して、[共重合体R−1]の1.0質量%水溶液を作製した。共重合体R−1の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は55mN/mであった。
[共重合体水溶液RL−2の調製]
共重合体R−1を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)8.84g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量21.0mmol)とイオン交換水36.16gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体R−1]の10質量%水溶液(共重合体水溶液RL−2)を調製した。
また、上記で作製した[共重合体水溶液RL−2]をイオン交換水で10倍に希釈して、共重合体R−1の1.0質量%水溶液を作製した。共重合体R−1の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は52mN/mであった。
[共重合体水溶液RL−3の調製]
共重合体R−1を5.00g(カルボキシル基量17.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)11.04g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量26.3mmol)とイオン交換水33.96gを加えて、混合・撹拌し、共重合体R−1の10質量%水溶液(共重合体水溶液RL−43)を調製した。
また、上記で作製した[共重合体水溶液RL−3]をイオン交換水で10倍に希釈して、共重合体R−1の1.0質量%水溶液を作製した。共重合体R−1の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は48mN/mであった。
[共重合体RR−1の合成]
15.06g(35.2mmol)の[モノマーM−1]を75mLの乾燥メチルエチルケトンに溶解してモノマー溶液を調製した。モノマー溶液の10%をアルゴン気流下で75℃まで加熱した後、残りのモノマー溶液に0.59g(3.61mmol)の2,2’−アゾイソ(ブチロニトリル)(東京化成社製)を溶解した溶液を1.5時間かけて滴下し、75℃で4時間撹拌した。室温まで冷却し、得られた反応溶液をヘキサンに投下した。析出物した共重合体をろ別し、減圧乾燥して、14.10gの[共重合体RR−1](重量平均分子量(Mw):30,000)を得た。
得られた[共重合体RR−1]を5.00g(カルボキシル基量0.0mmol)秤取して、イオン交換水45.00を加えて、混合・撹拌し、[共重合体RR−1]の10質量%水溶液を調製した。
また、[共重合体RR−1]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、[共重合体RR−1]の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体RR−1]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力は67mN/mであった。
[共重合体RR−2の合成]
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(1−メトキシ−2−プロパノール)500.0部と、ホスマーM(2−メタクイロキシエチルアシッドホスホエート、ユニケミカル社)18.0部、St(スチレン)30.0部、MMA(メタクリル酸メチル)20.0部、BMA(メタクリル酸ブチル)18.0部、MAA(メタクリル酸)10.0部、重合開始剤(アズビスイソブチロニトリル)4.0部を仕込み、温度110℃に昇温した。次いで、窒素気流下で4時間重合反応させた後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去し、メタノール中に混合物を注入して共重合体を析出させ、更に乾燥して、[共重合体RR−2]を得た。
得られた共重合体を水で希釈しながら、100%酸中和を達成できるように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された[共重合体RR−2]を合成した。得られた[共重合体RR−2]の、25℃における10%水溶液の粘度は11.5mPa・sであった。
[共重合体RR−2]を5.00g(リン酸基量4.5mmol)秤取して、35質量%濃度のテトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(東京化成社製)2.81g(テトラエチルアンモニウムイオン含有量6.7mmol)とイオン交換水42.19gを加えて、混合・撹拌し、[共重合体RR−2]の10質量%水溶液(共重合体水溶液RL−3)を調製した。
また、[共重合体RR−2]の10質量%水溶液をイオン交換水で10倍に希釈して、[共重合体RR−2]の1.0質量%水溶液を作製した。[共重合体RR−2]の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力55mN/mであった。
表1に、共重合体R−1〜R−7、共重合体水溶液RL−1〜RL−3及び[共重合体RR−1]、[共重合体RR−2]の構成及び評価結果を示す。
なお、表1におけるTEAは、テトラエチルアンモニウムイオンを、Kはカリウムイオンをそれぞれ意味する。
[顔料分散体PD−1の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液に、15.0部のシアン顔料のクロモファインブルー(ピグメントブルー15:3)(大日精化社製)及び28.7部のイオン交換水を加えて12時間攪拌した。次に、ディスクタイプのビーズミルKDL型(シンマルエンタープライゼス社製)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散させた。このとき、メディアとして、直径が0.3mmのジルコニアボールを使用した。さらに、孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過した後、顔料の濃度が15質量%になるようにイオン交換水を加えて、後処理前の顔料分散体PD−1を得た。
得られた後処理前の顔料分散体PD−1について、50mlのスクリュー瓶に50gを充填し、密閉した状態で70℃に設定した恒温槽入れて、1週間加熱処理を行い、顔料分散体PD−1を得た。
また、保管前後における顔料分散体の平均粒子径D90をそれぞれ測定した。
(凍結レプリカ法の説明及び顔料分散体PD−1の観察結果)
顔料分散体PD−1中のシアン顔料の分散状態を観察するため、凍結レプリカ法による観察を行った。凍結試料作製装置として、凍結試料作製装置JFDII(日本電子製)を用い、サンプルの観察は、透過型電子顕微鏡JEM1400(日本電子製)で行った。
観察結果を図6に示す。
粒子径が、10nm〜200nmの顔料粒子が多く観察される。
[顔料分散体PD−2の調製]
15.0部のシアン顔料のクロモファインブルー(ピグメントブルー15:3)(大日精化社製)の代わりに15.0部のシアン顔料のピグメントブルー15:4(Sun Chemical社製)を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−2を得た。
[顔料分散体PD−3〜PD−8の調製]
共重合体R−1の10質量%水溶液の代わりに、それぞれR−2〜R−7の10質量%水溶液を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−3〜PD−8を得た。
[顔料分散体PD−9〜PD−11の調製]
共重合体R−1の10質量%水溶液の代わりに、それぞれ共重合体水溶液RL−1〜RL−4を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−9〜PD−11を得た。
[顔料分散体PD−12の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液及び28.7部のイオン交換水の代わりに11.3部のR−1の10質量%水溶液及び73.7部のイオン交換水を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−12を得た。
[顔料分散体PD−13の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液及び28.7部のイオン交換水の代わりに18.8部のR−1の10質量%水溶液及び66.2部のイオン交換水を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−13を得た。
[顔料分散体PD−14の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液及び28.7部のイオン交換水の代わりに30.0部のR−1の50質量%水溶液及び55.0部のイオン交換水を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−14を得た。
[顔料分散体PD−15の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液及び28.7部のイオン交換水の代わりに45.0部のR−1の50質量%水溶液及び40.0部のイオン交換水を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−15を得た。
[顔料分散体PD−16の調製]
加熱処理の温度を85℃にして、処理時間を5日にした以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−16を得た。
[顔料分散体PD−17の調製]
加熱処理の温度を80℃にした以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−17を得た。
[顔料分散体PD−18の調製]
加熱処理の温度を60℃にして、処理時間を5日にした以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−18を得た。
[顔料分散体PD−19の調製]
加熱処理の温度を50℃にして、処理時間を3日にした以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体PD−19を得た。
[顔料分散体PD−20の調製]
150gのイオン交換水を60℃まで昇温した後、4.5gのp−アミノ安息香酸を加え、8000rpmで10分間混合した。次に、1.8gの亜硝酸ナトリウムを15.0gのイオン交換水に溶解させた溶液及び20.0gの銅フタロシアニン顔料のピグメントブルー15:4(Sun Chemical社製)を順次加えた後、8500rpmで1時間混合した。さらに、4.5gのp−アミノ安息香酸を15.0gのイオン交換水に溶解させた溶液を加えた後、65℃の条件下、8500rpmで3時間混合した。次に、200nmのメッシュでろ過し、水で洗浄した後、水中に分散させた。さらに、遠心分離により粗大粒子を除去した後、顔料の濃度が15質量%になるようにイオン交換水を加えて、p−アミノ安息香酸により表面処理されている顔料分散体PD−20を得た。
[顔料分散体RPD−1の調製]
加熱処理行わなかった以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−1を得た。
ここで、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−1中のシアン顔料の分散状態についても、凍結レプリカ法による観察を行った。
顔料分散体RPD−1の観察結果について図7に示す。
粒子径が100nm以上の凝集した顔料粒子が多く観察される。
[顔料分散体RPD−2の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液及び28.7部のイオン交換水の代わりに14.1部の湿潤分散剤byk190(ビックケミー社製、固形分40質量%)及び70.9部のイオン交換水を用い、加熱処理行わなかった以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−2を得た。
[顔料分散体RPD−3の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液及び28.7部のイオン交換水の代わりに14.1部の湿潤分散剤byk190(ビックケミー社製、固形分40質量%)及び70.9部のイオン交換水を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−2を得た。
[顔料分散体RPD−4の調製]
56.3部のR−1の10質量%水溶液の代わりに56.3部のポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂社製)の10質量%水溶液を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−4を得た。
ポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(竹本油脂社製)の構造式を化学式(2)に示す
[顔料分散体RPD−5の調製]
R−1の10質量%水溶液の代わりにRR−1の10質量%水溶液を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−5を得た。
[顔料分散体RPD−6の調製]
R−1の10質量%水溶液の代わりにRR−1の10質量%水溶液を用いた以外は、顔料分散体PD−1と同様にして、顔料分散体RPD−6を得た。
表2−1、表2−2に、顔料分散体の構成を示す。なお、顔料分散体PD−20については表2−1への記載を省略した。
ここで、顔料分散体の保存安定性を評価した。
<顔料分散体の保存安定性>
顔料分散体をガラス容器に充填して70℃で2週間保存した後、式
|(保存後の顔料分散体の粘度)−(保存前の顔料分散体の粘度)|/(保存前の顔料分散体の粘度)×100
から、粘度の変化率を求め、保存安定性を評価した。このとき、粘度計RE80L(東機産業社製)を用いて、50回転で、顔料分散体の25℃における粘度を測定した。なお、粘度の変化率が5%未満である場合をA、5%以上8%未満である場合をB、8%以上10%未満である場合をC、10%以上30%未満である場合をD、30%以上である場合をEとして、判定した。
分散体の構成、粒子径及び保存安定性の評価結果を表3に示す。
[実施例1]
26.7部の顔料分散PD−1、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、10.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、1.0部の固形分が40質量%のフッ素系界面活性剤ゾニールFS−300(Dupont社製)及び42.3部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、[インクI−1]を得た。
[実施例2]
26.7部の顔料分散PD−21、3.0部のR−1の50質量%水溶液、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、10.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、1.0部の固形分が40質量%のフッ素系界面活性剤ゾニールFS−300(Dupont社製)及び39.3部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、[インクI−2]を得た。
[実施例3]
26.7部の顔料分散PD−2、10.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、10.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、1.0部の固形分が40質量%のフッ素系界面活性剤ゾニールFS−300(Dupont社製)及び42.3部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、[インクI−3]を得た。
[実施例4]
26.7部の顔料分散PD−3、2.0部の2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、10.0部のグリセロール、15.0部の3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、15.0部の3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、0.05部の2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、0.5部の2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール、0.25部のゾニールFS−300(Dupont社製)、0.01部のジエタノールアミン及び20.49部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径が1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、[インクI−4]を得た。
[実施例5〜21]
顔料分散体PD−1の代わりに、それぞれ顔料分散体PD−4〜PD−20を用いた以外は、実施例1と同様にして、[インクI−5]〜「インクI−20」を得た。
[比較例1〜5]
顔料分散体PD−1の代わりに、それぞれ顔料分散体RPD−1〜RPD−5を用いた以外は、実施例1と同様にして、[インクRI−1]〜[インクRI−5]を得た。
表4−1、表4−2に、実施例1〜20及び比較例1〜6のインクの構成を示す。
なお、インク中に含まれるカチオン量については、本願の実施例4を除くインクにおいては、共重合体を中和するために入れたテトラエチルアンモニウム由来のテトラエチルアンモニウムイオンもしくは水酸化カリウム由来のカリウムイオンのみである。また、実施例4におけるジエタノールアミン(分子量105.1g/mol)についても、0.01g(0.095mmol)であり、それに対して、テトラエチルアンモニウムの含有量が1.5g(10mmol)であり、ジエタノールアミンは無視できるほど少ない。
また、粒度分布測定装置NanotracWave−UT151で測定した各インクでの体積平均粒子径D90の結果は、上記の顔料分散体の平均粒子径D90と一致していた。
[インクの評価]
次に、インクの保存安定性、画像濃度、光沢度及び吐出信頼性を評価した。
<インクの保存安定性>
インクをガラス容器に充填して70℃で1週間保存した後、下記式から、粘度の変化率を求め、保存安定性を評価した。このとき、粘度計RE80L(東機産業社製)を用いて、50回転で、インクの25℃における粘度を測定した。
[評価基準]
インクの保存安定性は以下の評価基準によって評価した。
A:粘度の変化率が±5%未満
B:粘度の変化率が±5%以上8%未満
C:粘度の変化率が±8%以上10%未満
D:粘度の変化率が±10%以上30%未満
E:粘度の変化率が±30%以上
<画像濃度・光沢度>
(画像濃度)
23℃、50%RHの環境下で、インクジェットプリンターIPSiO GX5000(リコー社製)にインクを充填した。次に、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した64point及び128pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを印字した後、X−Rite938(エックスライト社製)を用いて、64pointの一般記号が印字されている領域を測色し、画像濃度を評価した。このとき、印字モードを、プリンタに添付されているドライバにおける、普通紙のユーザー設定より「光沢紙−標準きれい」モードを「色補正なし」に改変したモードとした。また、記録媒体として、コート紙のルミアートグロス90gsm(MONDIカラー・コピー社製)を用いた。さらに、JIS X 0208(1997),2223の一般記号は、外形が正方形であり、全面が塗りつぶされている記号である。画像濃度を以下の評価基準によって評価した。
[評価基準]
AA : 2.00以上
A : 1.90以上2.00未満
B : 1.80以上1.90未満
C : 1.80未満
(光沢度)
また、上記128pointの一般記号が印字されている領域について、ハンディ光沢計PC−IIM型(日本電色工業社製)を用いて、60°光沢度を測定した。得られた光沢度について以下の評価基準により評価した。
〔評価基準〕
AA : 光沢度40以上。
A : 光沢度30以上40未満
B : 光沢度20以上30未満
C : 光沢度20未満
<吐出信頼性>
MM環境(25±1.0℃、50±5%RH)の環境において、インクジェットプリンターに各インクを充填して、Microsoft Word2003により作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、マイペーパー(リコー社製)に100枚連続印字した。印字中、チャートにインクのドット抜けや飛行曲がりが見られた際には、正常印刷への復帰動作としてプリンターノズルのクリーニングを行い、その合計回数を評価した。得られた合計回数から各インクセットの吐出安定性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
AA : クリーニング0回。
A : クリーニング1回。
B : クリーニング2回以上5回未満。
C : クリーニング5回以上
表5に、インクの保存安定性、画像濃度、光沢度及び吐出信頼性の評価結果を示す。
表5から、実施例1〜20のインクは、保存安定性及び吐出信頼性に優れ、コート紙における高い画像濃度・光沢度が得られることがわかる。
また、表5から、比較例1〜6のインクは、保存安定性及び吐出信頼性が低く、コート紙における画像濃度・光沢度が不十分であることがわかる。
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インク収納容器装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143 給紙コロ
144 分離パッド
145 ガイド
151 搬送ベルト
152 カウンタローラ
153 搬送ガイド
154 押さえ部材
155 先端加圧コロ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
161 ガイド部材
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
182 手差し給紙部
200 インク収納容器
241 インク収容部
242 インク注入口
243 インク排出口
244 ケース(外装)
特開2008−050589号公報 特開2011−122072号公報

Claims (11)

  1. 少なくとも水、水溶性溶剤、シアン顔料、共重合体を有するインクであって、
    前記共重合体が少なくともアニオン性の親水性官能基とナフチル基またはビフェニル基とを有し、
    前記共重合体の1.0質量%水溶液の23.0℃における静的表面張力が、45mN/m以上65mN/m以下であり、
    前記シアン顔料の体積平均粒子径D90が100nm以上250nm以下である
    ことを特徴とするインク。
  2. 前記共重合体が、前記シアン顔料の分散剤として含有されていることを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 前記共重合体の前記アニオン性の親水性官能基がカルボキシル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク。
  4. 前記共重合体の重量平均分子量が、5000以上40000以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記インクにおけるシアン顔料と共重合体の質量比率が、シアン顔料/共重合体=100/10〜100/100であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインク。
  6. 前記共重合体が塩であり、前記アニオン性の親水官能基のアニオンのカウンターイオンが有機アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインク。
  7. 前記シアン顔料の体積平均粒子径D90が130nm以上220nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインク。
  8. 請求項1に記載のインクを製造する方法であって、少なくとも水を含む媒体中でシアン顔料を、前記共重合体を分散剤として分散処理して顔料分散体を得る工程と、前記顔料分散体を、50℃以上85℃以下の温度で熱処理する工程とを有することを特徴とするインクの製造方法。
  9. 前記顔料分散体を得る工程の前におけるシアン顔料の体積平均粒径D90をD90(A)[nm]とし、前記熱処理する工程の後におけるシアン顔料の体積平均粒径D90をD90(B)[nm]としたとき、D90(A)及びD90(B)が次の関係式を満たすことを特徴とする請求項8に記載のインクの製造方法。
    0.50 ≦ D90(B)/ D90(A) ≦ 0.90
  10. インク収容部に請求項1〜7のいずれかに記載のインクが収容されていることを特徴とするインク収納容器。
  11. 請求項10に記載のインク収納容器を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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