JP2008038074A - 水系顔料分散体及び水系顔料インクの製造方法及びこれを用いた記録装置、記録物 - Google Patents

水系顔料分散体及び水系顔料インクの製造方法及びこれを用いた記録装置、記録物 Download PDF

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慎 長谷川
Keiji Taniguchi
圭司 谷口
Shigeo Hatada
茂雄 旗田
Minoru Hakiri
稔 羽切
Yuji Natori
裕二 名取
Yasuyuki Hosoki
靖之 細木
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Abstract

【課題】フタロシアニン顔料を含み、深く勝つ澄んだ青色を呈し色相に優れ、普通紙への印字濃度、緑味が充分であって、色再現性に優れ、インクジェット記録用インクに特に適した水系顔料分散体、これを用いたインクジェット記録用インクを提供すること。
【解決手段】少なくともフタロシアニン顔料、分散剤、水を含み、アニオン系界面活性剤の含有量が5000ppm以下である水系顔料分散体の製造方法であって、該水系顔料分散体を製造する際メディアミルまたはメディアレスミルを用いて分散処理した後の前記フタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)が50nm以上、500nm以下の範囲であり、分散処理した後に加熱処理することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法及び装置用の水系顔料インク及びその製造方法、並びに前記水系顔料インクの原料である水系顔料分散体に関する。
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方、カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。
顔料には、水に溶けず、耐光性に優れるという利点があり、顔料系シアンインクには銅フタロシアニン顔料が汎用されている。しかし、銅フタロシアニン顔料は、染料系インクで使用されている銅フタロシアニン系染料であるダイレクト・ブルー86、199等が持つ緑味の青色の色相を有さないため、組み合わせるインクによっては色再現範囲を狭くしたり、見る角度により赤味を増す場合がある。
そこで、銅フタロシアニン系染料であるダイレクトブルー86、199等と同じ色域にある色相を有する、アルミフタロシアニン顔料および水溶性樹脂を含有したインクが提案(特許文献1、2参照)されているが、普通紙への印字濃度、緑味が不十分である。
また、塩素化銅フタロシアニンをブレンドして用いることで緑味に持っていく方法もあるが、青色が弱くなり、結局のところ、色再現性が狭くなる。
特開2005−042007号公報 特開2005−042006号公報
本発明は、上記問題点を解決するものであり、フタロシアニン顔料を含み、深く勝つ澄んだ青色を呈し色相に優れ、普通紙への印字濃度、緑味が充分であって、色再現性に優れ、インクジェット記録用インクに特に適した水系顔料分散体、これを用いたインクジェット記録用インクを提供することを目的とする。
上記課題は、以下に示す本発明によって解決される。
(1)「少なくともフタロシアニン顔料、分散剤、水を含み、アニオン系界面活性剤の含有量が5000ppm以下である水系顔料分散体の製造方法であって、該水系顔料分散体を製造する際メディアミルまたはメディアレスミルを用いて分散処理した後の前記フタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)が50nm以上、500nm以下の範囲であり、分散処理した後に加熱処理することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法」、
(2)「前記加熱処理後のフタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)が50nm以上、200nm以下の範囲で、該フタロシアニン顔料の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さいことを特徴とする前記第(1)項に記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(3)「前記加熱処理が、40〜90℃で行なわれることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(4)「前記加熱処理が、1〜400時間行なわれることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(5)「前記水系顔料分散体を加熱処理中に周速500〜5000rpmで攪拌することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(6)「前記アニオン系界面活性剤としてジオクチルスルホサクシネート・Naを使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(7)「前記分散剤として、ノニオン系界面活性剤を使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(8)「前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.1以上、2以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(9)「前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を使用することを特徴とする前記第(7)項に記載の水系顔料分散体の製造方法;
Figure 2008038074

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、lは0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)」、
(10)「前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする前記第(9)項に記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(11)「前記過熱処理の後、さらに水系顔料分散体をろ過する工程を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(12)「前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする水系顔料分散体」、
(13)「前記第(12)項に記載の前記水系顔料分散体を使用したことを特徴する水系顔料インク」、
(14)「前記第(13)項に記載の水系顔料インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ」、
(15)「前記第(13)項に記載の水系顔料インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置」、
(16)「前記第(15)項に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法」、
(17)「前記第(16)項に記載の画像形成方法で画像支持体に印字されたことを特徴とする画像形成物」、
(18)「前記画像支持体が紙であることを特徴とする前記第(17)項に記載の画像形成物」。
本発明の水系顔料分散体を特定の処方と特定のメディアミルまたはメディアレス分散と加熱処理をすることにより、緑味の青色の色調を有し、普通紙に印字した際の高印字濃度の付与が可能なインクジェットインク用に好適な水系顔料分散体及び水系顔料インクを提供できる。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の水系顔料分散体の製造方法及びこれにより得られた水系顔料分散体は、少なくともフタロシアニン顔料、分散剤、水を含み、アニオン系界面活性剤の含有量が5000ppm以下で、該水系顔料分散体の製造をする際メディアミルまたはメディアレスミルを用いて分散した後に加熱処理することを特徴とするものである。
本発明にかかわるフタロシアニンは、銅フタロシアニンに代表される金属フタロシアニンあるいは無金属フタロシアニンで、塩素、臭素等のハロゲン化フタロシアニンであっても良い。
本発明のメディアミルまたはメディアレスミルは、メディアミルとしては、ビーズミル、たとえば、ダイノーミルKDL型((株)シンマルエンタープライゼス製)、アジテーターミルLMZ(アシザワ・ファインテック(株)製)、SCミル(三井鉱山(株)製)等の分散機、メディアレスミルとしては、高速せん断力タイプのCLEAR SS5(エム・テクニック(株)製)、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)、モジュールDR2000((株)シンマルエンタープライゼス製)、薄膜旋回タイプのT.K.フィルミックス(特殊機化工業(株)製)、超高圧衝突タイプのアルテマイザー((株)スギノマシン製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)等の分散機がある。なお、ビーズミルで分散する場合に、泡の発生を抑制するために少量の消泡剤を添加することが好ましい。顔料平均粒径については、分散機へ入れるビーズの大きさや分散時間などによって制御することが可能であり平均粒径を150nm以下にするには、ビーズは0.05〜1.0mmφ、分散時間は1〜100時間/Lで分散すればよい。
加熱処理の効果は以前より、長期保存下にて発生する凝集異物を予め取り除く方法、水系顔料分散体の経時物性変化(特に、粘度・粒径変化)抑制として提案されているが、本発明では加熱処理することで分散を進ませ、粒子径を小さく、かつシャープな粒径分布を作り、後々まで凝集を生じさせないことができる。
本発明のアニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が例示される。中でも特に、ジオクチルスルホサクシネートは、少量添加でも分散性良好を期待できる。
本発明のメディアミルおよびメディアレスミルを用いて分散した後のフタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)は50nm以上、500nm以下、好ましくは75nm以上、400nm以下、より好ましくは100nm以上、300nm以下である。
フタロシアニン顔料は、メディアミルおよびメディアレスミルを用いて分散すると、粒径が小さくなるにつれて、色相は赤みの方へ向かう。理由は定かではないが、メディア等の必要以上のエネルギーを与えると、顔料表面が荒れること、あるいは表面結晶構造の変化等により、色相が変化すると考えられる。そこで、ここでの分散は必要以上に行なわないことを特徴とする。
本発明の加熱処理後のフタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)は50nm以上、200nm以下、好ましくは60nm以上、175nm以下、より好ましくは70nm以上、150nm以下で、該フタロシアニン顔料の粒度分布に於ける粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さいことである。
顔料粒子径を特定の粒径範囲かつ粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さくすることで印字画像部の顔料粒子の乱反射を防ぎ、かつ濃度均一な印字画像を提供できるからである。一方、範囲外になると印字画像部の顔料粒子が乱反射を起こし、画像彩度の低下かつ濃度不均一となる。なお、本発明における顔料の粒子の平均粒子径は、23℃、55%RHの環境において、日機装製マイクロトラックUPAで測定した値を示す。
本発明の水系顔料分散体の加熱処理の加熱温度は40〜90℃、好ましくは50〜80℃であり、より好ましくは60〜70℃で、加熱時間は1〜400時間、好ましくは6〜300時間、より好ましくは12〜200時間である。加熱温度が40℃よりも低いと分散安定化に時間がかかり、不十分で、90℃を超えると、逆に分散破壊を起こしてしまう。
本発明の攪拌機としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、特に限定されるものではない。
本発明においては、工程において攪拌機を槽内流動用に1台以上、更に高速攪拌タイプの攪拌機を1台以上複数台生産効率化の観点から用いることを特徴としている。また、少なくとも周速が500〜5000rpm、好ましくは1000〜4000rpm、更に好ましくは1500〜3000rpmである。
前記加熱処理を実施した水系顔料分散体から水系顔料インクとする場合、あるいは未加熱処理水系顔料分散体を用いて作成した水系顔料インクに対して前記加熱処理を実施した水系顔料インクの場合のいずれにおいても、水系顔料インクの作成後に、金属フィルター、メンブレンフィルター等を用いた減圧・加圧濾過や遠心分離機による遠心濾過を行い、粗大粒子、異物(ほこり・ごみ)等を除去するのが好ましい。
本発明で使用される水系顔料分散体は、ノニオン系界面活性剤で分散されることを特徴とするものである。このようなノニオン系界面活性剤(分散剤)を添加することで、顔料が分散されて、顔料粒子の平均粒子径(D50)が小さく、かつ粒子径標準偏差も小さくすることができ、画像鮮明かつ濃度均一な印字画像を提供できる。
顔料に対する分散剤の重量基準は顔料1に対し0.1以上2以下、好ましく0.2〜1.5、より好ましくは0.3〜1.0である。0.1〜2.0の範囲にすることにより平均粒径が小さく、又粒度分布に於ける標準偏差の小さいインク液を提供できる。顔料に対する分散剤が0.1未満では、平均粒径が大きく、又粒度分布に於ける標準偏差の大きいインク液のため満足な彩度が得られない。2.0より大きいとインクの粘度が高すぎてインクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。
本発明のノニオン系界面活性剤は、前記条件を満たすものである限りいかなるものでも良いが、下記一般式(1)のものを用いることにより平均粒径が小さく、また、粒度分布に於ける標準偏差の小さい水系顔料分散体及び水系顔料インクを得ることができる。
Figure 2008038074

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、lは0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)
一般式(1)で示される分散剤で、nは好ましくは20以上100以下、好ましくは25以上80以下、より好ましくは30以上60以下である。nが20未満では分散安定性が低下する傾向があり、平均粒径が大きく、又粒度分布に於ける標準偏差の大きいインク液のため満足な彩度が得られない。また、nが100より大きいとインクの粘度が高くなり、インクジェット方式での印字が困難になる傾向がある。POE(n=40)βナフチルエーテルが更に好ましい。
本発明のノニオン系界面活性剤としては、前記一般式(1)で示されている化合物以外では、水溶性スチレンアクリル樹脂(HPD−96,ジョンソンポリマー社製)やPOEスチレン化フェニルエーテル化合物(ノイゲンEAシリーズ等)等を使用することができる。
本発明による水系顔料分散体に後記インク組成分(例えば、湿潤剤、界面活性剤、pH調整剤、防腐剤・防カビ剤等)を加え、1〜3時間にわたり、20〜30℃にて攪拌することにより、本発明による水系顔料インクを得ることができる。
本発明のインク組成分としては、湿潤剤を含んでなるのが好ましく、湿潤剤の沸点は180℃以上のものが好ましい。該湿潤剤が水系顔料インク中に含有されていると、インク組成物の保水性と湿潤性を確保することができ、その結果、水系顔料インクを長期間保存しても色材の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現できる。また、インクジェットプリンタのノズル先端が開放状態に放置されても、乾燥物の流動性を長時間維持するインクジェット記録用インクが実現できる。更に印字中もしくは印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが発生することもなく、高い吐出安定性が得られる。
本発明において用いられる水系顔料インクとしては以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、3−メチル−1.3−ブチルグリコール、1.3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキナンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺンタントリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノべンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。これらの湿潤剤は、単独又は2種類以上混合して使用することができる。
前記湿潤剤の中でも、1.3−ブチルグリコール、3−メチル−1.3−ブチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/またはグリセリンを含むことがインクの乾燥による目詰まりすなわち水分蒸発による噴射特性不良の防止、及び本発明の形成画像の彩度を向上する上で優れた効果が得られる。
これらの湿潤剤の添加量はインクの0.1〜50重量%、好ましくは5〜45重量%、より好ましく10〜40重量%の範囲が適量である。
また好ましくは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(以下、EHDと略す。)を含むことで、インクの浸透性をあげると同時に顔料を表面にとどめることで滲みをなくし、画像濃度が高くかつ裏抜けが少ない印字画像を得ることが可能となった。EHDの含有量としては0.1重量%以上、4.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以上、3.0重量%以下、より好ましくは1.0重量%以上、2.0重量%以下である。0.1重量%未満では効果が少なく、4.0重量%を超えると、これ自体の溶解性が低いために、信頼性が悪くなる。
本発明で使用されるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテルあるいはアセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
本発明では、下記界面活性剤を、インク特性に影響を及ぼさない範囲内で、併用してもよい。
具体的には、ノニオン系界面活性剤としては、BTシリーズ(日光ケミカルズ)ノニポールシリーズ(三洋化成)、D−,P−シリーズ(竹本油脂)サーフィノールシリーズ(エアープロダクツ)オルフィンシリーズ(日信化学)EMALEX DAPEシリーズ(日本エマルジョン)、シリコーン系界面活性剤(東レダウコーニング等)、フッ素系界面活性剤(ネオス,住友3M,Dupont,ダイキン)等として、入手できる。
これらの界面活性剤はインクの表面張力を下げ、インクの紙への浸透性を上げることによって、印字画像の乾燥性を速めるために添加されるものであり、その添加量は、インクの表面張力が、通常、50mN/m以下、好ましくは40mN/m以下になるように調整され、含有量として、0.1重量%以上、10.0重量%以下、好ましくは、0.5重量%以上、7.5重量%以下、より好ましくは1.0重量%以上、5.0重量%以下である。前記界面活性剤の添加量は、0.1重量%よりも少ないと、動的表面張力が高いため乾燥性が悪く、逆に10.0重量%よりも多いと保存時に界面活性剤の析出などが生じる。
本発明のノニオン系界面活性剤の親水基がポリオキシエチレン基であることが好ましい。その理由は、明確に分かっているわけではないが、顔料表面の電荷を好適に維持し得る点、インクの発泡性低減し得る点でポリオキシエチレン基であることが好ましい。
このようにして得られた本発明の顔料系インクジェット用インクは、例えばカラー画像を形成するために複数の異なる色相のインクを重ねて画像支持体に画像形成するインクジェット記録用インクセット、これを収容するインクカートリッジに好適に用いることができる。
また、本発明の顔料系インクジェットインクは、これを例えば紙のような画像支持体に吐出させ記録(印字)を行なって画像形成するインクジェットプリント装置により、画像形成することができる。
印字する方法としては連続噴射型あるいはオンデマンド型が挙げられる。オンデマン型としてはピエゾ方式、サーマルインクジェット方式、静電方式等が挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されないものである。なお実施例中の部数は重量部を表わすものである。
(実施例No.1)
顔料分散体作成例−1
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
一般式(1)の化合物(n=40) 53部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社) 0部
蒸留水 797部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径250nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、70℃の温度で6時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径100nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.2)
顔料分散体作成例−2
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(東洋インキ製造社製、LIONOL BLUE FG−7351)
一般式(1)の化合物(n=40) 110部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社) 2部
蒸留水 738部
上記の混合物をプレミックスした後、ビーズレスミルのナノマイザー(吉田機械興行(株)製)で0.5時間循環分散し、平均粒子径400nmまでした液を周速1000rpmで撹拌しながら、50℃の温度で250時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径145nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.3)
顔料分散体作成例−3
顔料種γ:ピグメントブルー15:4 150部
(大日本インキ社製、Fastogen Blue 5412G)
一般式(1)の化合物(n=40) 225部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2.5部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 622.5部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのLMZ(アシザワ社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で2時間循環分散し、平均粒子径150nmまでした液を周速2000rpmで撹拌しながら、60℃の温度で100時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径75nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.4)
顔料分散体作成例−4
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
一般式(1)の化合物(n=40) 53部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 5部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 792部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で2時間循環分散し、平均粒子径20nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、70℃の温度で6時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径30nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.5)
顔料分散体作成例−5
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(東洋インキ製造社製、LIONOL BLUE FG−7351)
一般式(1)の化合物(n=40) 110部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 738部
上記の混合物をプレミックスした後、ビーズレスミルのナノマイザー(吉田機械興行(株)製)で0.5時間循環分散し、平均粒子径700nmまでした液を周速1000rpmで撹拌しながら、50℃の温度で250時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径400nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.6)
顔料分散体作成例−6
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
一般式(1)の化合物(n=40) 53部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 0部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 797部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径250nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、30℃の温度で300時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径225nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.7)
顔料分散体作成例−7
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(東洋インキ製造社製、LIONOL BLUE FG−7351)
一般式(1)の化合物(n=40) 110部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 738部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径150nmまでした液を周速1000rpmで撹拌しながら、95℃の温度で2時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径175nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.8)
顔料分散体作成例−8
顔料種γ:ピグメントブルー15:4 150部
(大日本インキ社製、Fastogen Blue 5412G)
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2.5部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 622.5部
上記の混合物をプレミックスした後、ビーズレスミルのナノマイザー(吉田機械興行(株)製)で0.5時間循環分散し、平均粒子径450nmまでした液を周速2000rpmで撹拌しながら、70℃の温度で0.5時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径400nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.9)
顔料分散体作成例−9
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
一般式(1)の化合物(n=40) 53部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 0部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 797部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径250nmまでした液を周速7000rpmで撹拌しながら、70℃の温度で6時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径75nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.10)
顔料分散体作成例−10
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(東洋インキ製造社製、LIONOL BLUE FG−7351)
一般式(1)の化合物(n=40) 110部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 738部
上記の混合物をプレミックスした後、ビーズレスミルのナノマイザー(吉田機械興行(株)製)で0.5時間循環分散し、平均粒子径400nmまでした液を周速200rpmで撹拌しながら、50℃の温度で250時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径200nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.11)
顔料分散体作成例−11
顔料種γ:ピグメントブルー15:4 150部
(大日本インキ社製、Fastogen Blue 5412G)
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
アニオン系界面活性剤(LMT−1430,ライオン社製) 2.5部
蒸留水 622.5部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのLMZ(アシザワ社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で2時間循環分散し、平均粒子径200nmまでした液を周速2000rpmで撹拌しながら、60℃の温度で100時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径125nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.12)
顔料分散体作成例−12
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
水溶性スチレンアクリル樹脂 53部
(HPD−96,ジョンソンポリマー社製)
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 0部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 797部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径250nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、70℃の温度で6時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径100nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.13)
顔料分散体作成例−13
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(東洋インキ製造社製、LIONOL BLUE FG−7351)
一般式(1)の化合物(n=40) 400部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 448部
上記の混合物をプレミックスした後、ビーズレスミルのナノマイザー(吉田機械興行(株)製)で0.5時間循環分散し、平均粒子径400nmまでした液を周速1000rpmで撹拌しながら、50℃の温度で250時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径175nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.14)
顔料分散体作成例−14
顔料種γ:ピグメントブルー15:4 150部
(大日本インキ社製、Fastogen Blue 5412G)
一般式(1)の化合物(n=10) 75部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2.5部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 622.5部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのLMZ(アシザワ社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で2時間循環分散し、平均粒子径120nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、60℃の温度で100時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径75nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.15)
顔料分散体作成例−15
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
一般式(1)の化合物(n=250) 53部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 0部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 797部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径400nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、70℃の温度で6時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径150nmの水系顔料分散体を得た。
(実施例No.16)
顔料分散体作成例−16
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(東洋インキ製造社製、LIONOL BLUE FG−7351)
一般式(1)の化合物(n=80) 110部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 2部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 738部
上記の混合物をプレミックスした後、ビーズレスミルのナノマイザー(吉田機械興行(株)製)で0.5時間循環分散し、平均粒子径400nmまでした液を周速1000rpmで撹拌しながら、50℃の温度で250時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径160nmの水系顔料分散体を得た。
(比較例No.1)
顔料分散体作成例−17
顔料種γ:ピグメントブルー15:4 150部
(大日本インキ社製、Fastogen Blue 5412G)
一般式(1)の化合物(n=40) 20部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 100部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 730部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのLMZ(アシザワ社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径200nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、60℃の温度で100時間加熱処理し、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径75nmの水系顔料分散体を得た。
(比較例No.2)
顔料分散体作成例−18
顔料種α:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−220)
一般式(1)の化合物(n=40) 53部
ジオクチルスルホサクシネートNa塩 0部
(パイオニンA−51−B、竹本油脂製社)
蒸留水 797部
上記の混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミルのKDL(シンマルエンタープライゼス社、メディア:0.3mmφジルコニアボール使用)で1時間循環分散し、平均粒子径250nmまでした液を周速1500rpmで撹拌しながら、加熱処理をせず、遠心分離機による遠心処理を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径200nmの水系顔料分散体を得た。
Figure 2008038074
分散剤比率=分散剤重量÷顔料重量とする。
本攪拌方法はスターラー攪拌方式による。
また、上記表1において、使用顔料種α〜γ、分散剤〈1〉〜〈5〉、樹脂エマルジョンA〜Bの内容、物性は、表2〜4に示すとおりである。
Figure 2008038074
Figure 2008038074
Figure 2008038074
上記の方法で得られた水系顔料分散体のD50及び標準偏差(sd)を日機装(株)製の粒度分析計UPA150を使用して測定した結果は表5に掲載した。
上記表1により水系顔料分散体作成し、それを用いて以下の処方により水系顔料インクを調整し、0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、本発明の水系顔料インクを得た。(実施例No.1〜16、比較例No.1〜2)
・インク処方
顔料分散体(顔料濃度15%) 40.0部
グリセリン 20部
ジエチレングリコール 10部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 4部
2−ピロリドン 2部
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム 1部
高純水 23部
[1]グリセリン、ジエチレングリコール
[2]2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
[3]2−ピロリドン、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム
[4]LV
[5]高純水
を順序で入れて30分攪拌した液を水系顔料分散体に添加する。その後、pH調整(7〜10付近)し、30分攪拌して水系顔料インクを作成する。
上記インク実施例No.1〜16、比較例No.1〜2をEPSON社製インクジェットプリンタEM−930C改造機の黒カートリッジに充填後、真空脱気し、EPSON社製インクジェットプリンタEM−930C改造機で吐出安定性を確認した。
評価1:吐出安定性
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
評価2:水系顔料インク保存性
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
○:10%以内
△:30%以内
×:50%を超える
評価3:画像濃度評価
印字画像をX−rite濃度計にて測定した。
○:印字濃度が1.1以上
△:印字濃度が1.0以上1.1未満
×:印字濃度が1.0未満
評価4:色再現性評価
印字画像をX−rite濃度計にて測定した。a値のマイナス値が大きい程、緑味が強いことを示す。
○:a値が−20以上
△:a値が−20以上−10未満
×:a値が−10以上
その際、記録媒体として、ゼロックス社製;Xerox 4024紙(サイズ度32s、透気度21s)を用いた。
Figure 2008038074

Claims (18)

  1. 少なくともフタロシアニン顔料、分散剤、水を含み、アニオン系界面活性剤の含有量が5000ppm以下である水系顔料分散体の製造方法であって、該水系顔料分散体を製造する際メディアミルまたはメディアレスミルを用いて分散処理した後の前記フタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)が50nm以上、500nm以下の範囲であり、分散処理した後に加熱処理することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法。
  2. 前記加熱処理後のフタロシアニン顔料の平均粒子径(D50)が50nm以上、200nm以下の範囲で、該フタロシアニン顔料の粒度分布における粒子径標準偏差が平均粒子径(D50)より小さいことを特徴とする請求項1に記載の水系顔料分散体の製造方法。
  3. 前記加熱処理が、40〜90℃で行なわれることを特徴とする請求項1又は2に記載の水系顔料分散体の製造方法。
  4. 前記加熱処理が、1〜400時間行なわれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
  5. 前記水系顔料分散体を加熱処理中に周速500〜5000rpmで攪拌することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
  6. 前記アニオン系界面活性剤としてジオクチルスルホサクシネート・Naを使用することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
  7. 前記分散剤として、ノニオン系界面活性剤を使用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
  8. 前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.1以上、2以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
  9. 前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の少なくとも一種を使用することを特徴とする請求項7に記載の水系顔料分散体の製造方法。
    Figure 2008038074

    (式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、lは0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)
  10. 前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする請求項9に記載の水系顔料分散体の製造方法。
  11. 前記過熱処理の後、さらに水系顔料分散体をろ過する工程を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の製造方法により得られたことを特徴とする水系顔料分散体。
  13. 請求項12に記載の前記水系顔料分散体を使用したことを特徴する水系顔料インク。
  14. 請求項13に記載の水系顔料インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
  15. 請求項13に記載の水系顔料インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  16. 請求項15に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
  17. 請求項16に記載の画像形成方法で画像支持体に印字されたことを特徴とする画像形成物。
  18. 前記画像支持体が紙であることを特徴とする請求項17に記載の画像形成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109321037A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 精工爱普生株式会社 喷墨印染用油墨以及喷墨印染用油墨组

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