JP2016169206A - 皮膚外用剤、しわ改善促進剤、たるみ改善促進剤、マトリックスメタロプロテアーゼ遺伝子発現阻害剤。 - Google Patents
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Abstract
Description
その発現は紫外線の照射により大きく増加し、コラーゲンの減少・変性の一因となり、皮膚のシワの形成、弾力性の低下等の大きな要因となると考えられている。したがって、MMP−1の活性を阻害することは、皮膚の老化症状を予防・改善する上で重要である。
また、マトリックスメタロプロテアーゼは真皮細胞外基質の代謝をコントロールしているだけでなく、細胞の浸潤やサイトカイン等の生理活性分子の活性化にも深く関与しており、種々の疾患との関連性が報告されている。例えば、皮膚においては、種々のサイトカインや成長因子、細胞の相互作用等により一過的にマトリックスメタロプロテアーゼが過剰に産生されること、創傷、火傷、潰瘍性、日光による皮膚損傷、水疱性、苔癬性、肉芽性等の各種皮膚疾患に関与していることが知られている。
また、関節炎、関節痛の予防や治療にも有効である。
さらにMMP−1は、がん細胞の浸潤・転移において重要な役割を果たしている。がん細胞の浸潤・転移には、細胞外基質を分解して組織に侵襲していくことが重要な過程となる。がん細胞はMMPを過剰発現し分泌するので、がん細胞の浸潤・転移に深く関与している。特に、基底膜を通り抜けたがん細胞は、MMP−1を分泌して、主としてタイプI、II、IIIコラーゲンで構成されている細胞外基質を破壊し、血管あるいはリンパ管に到達すると血管の基底膜を破壊して血管内に侵入し、他の臓器などに転移することが知られている。
MMPはそのほとんどが不活性の前駆体として産生され、他のMMP等のプロテアーゼによって活性化される。例えば、MMP−1はMMP−2を活性化する働きを有している(非特許文献3)ことから、MMP−1の作用を抑制すれば、MMP−2の活性化も阻害され、その結果、これらのMMP‐2による作用も抑制することができる。(特許文献1、非特許文献1〜3)
トウキ及びその近縁植物、ニオイウド、クチナシ及びその同属植物、ワレモコウの各植物抽出物、リポ酸、その塩及びその誘導体より成る群から選択した1種又は2種以上を含有して成るマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤が開示されている。(特許文献3)
柑橘類に由来するフラボノイドを含有するマトリクスメタロプロテアーゼまたはその前駆体の賛成を阻害するための薬剤が開示されている。(特許文献7)
しかしながら、従来のマトリックスメタロプロテアーゼ産生阻害剤は、阻害活性が十分ではないものや不安定なものもあり、色や臭いの点で化粧品の素材として用いるには不向きなものもあった。
しかしながら、大豆の発酵物に含有される分子量の大きい蛋白によるアレルギーの発生が懸念され、化粧品の素材として用いるには不向きなものもあった。
以下に詳細を記す。
しかしながら、乳酸菌による発酵が有効であった。
蛋白加水分解には、酸加水分解、蛋白分解酵素等いずれかを用いるが、そのいくつかを併用することも可能である。
まず、酸加水分解の方法を記載する。
ここで、用いられる酸を例示すると、塩酸、硝酸、硫酸、ホウ酸、リン酸、酢酸、クエン酸等があげられるが、分解の程度、加水分解物の濃度、さらには、加水分解物の用途によって1つ以上の無機酸を選択する。
ここで、用いられる水酸化物を例示すると、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムがあげられが、分解の程度、加水分解物の濃度、さらには、加水分解物の用途によって1つ以上の水酸化物を選択する。
中和すると沈殿ができるので、場合によってはこれを除去する。デカンテーション、遠心分離、濾過等で沈殿を除去する。
また、必要に応じて、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1.3ブチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン等の親水性有機溶媒を1つ以上選択し加えることによって、可溶化した中和塩を沈降させることができる。
その後、親水性有機溶媒の一部または全部にエタノール、プロパノール等の揮発性の高い親水性有機溶媒を使用した場合、その加水分解物の利用方法によっては、減圧や加熱、その組み合わせで、親水性有機溶媒の一部又は全部を除去することもできる。
さらに水分も除去し、乾燥物として利用することも可能で、減圧や加熱、その組み合わせ、凍結乾燥等を実施する。
酵素の種類に応じたpHにした大豆の発酵物に、酵素の種類に応じた量と温度を選択し、加水分解したのち、加熱、遠心分離、濾過等を加え、酵素の失活や除去を行う。
アボガド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等の各種油脂類。
ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等のロウ類。
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等の鉱物油。
エタノール、イソピロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、フェノキシエタノール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等のアルコール類。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール等の多価アルコール類。
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属セッケン類。
アラビアゴム、グアヤク脂、カラヤゴム、トラガントゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等のガム質、糖類又は水溶性高分子化合物。
アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤等のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤。
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等の各種アミノ酸類。
海洋成分深層水、海水塩、海水乾燥物、死海又は大西洋又は太平洋の海より得た無機塩、海泥等の海洋産物。
酵母菌抽出エキス、細菌代謝物、細菌抽出エキス、カビ又は放線菌代謝物、カビ又は放線菌抽出エキス、納豆菌代謝物、納豆抽出エキス、米発酵エキス、米糠(赤糠、白糠)発酵エキス、生乳又は脱脂粉乳の乳酸発酵物、マメ科植物の乳酸菌発酵物、ココヤシ属植物の乳酸菌発酵物等の菌類由来物質。
グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のα-ヒドロキシ酸類。
無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミン等の無機顔料。
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ウロカニン酸誘導等の紫外線吸収または遮断剤。
イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d-カンフル、dl-カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩の抗炎症剤。
アクリノール、イオウ、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン等の抗菌・殺菌・消毒薬。
ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カルダモン精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、シダーウッド精油、ジャスミン精油、バラ精油、ベルガモット精油、ラベンダー精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油等の動植物性香料、その他合成香料等。
感光素101号、感光素201号、感光素401号、感光素301号、ヒノキチオール、パントテン酸又はその誘導体、アラントイン、ペンタデカン酸グリセリド、尿素、グアニジン等の各種薬剤。
その他ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤等が挙げられる。
大豆200gに等量の水を加え、室温で12時間浸漬した後、臼ですり潰し、5分間煮沸した。
冷却後、濾過により固形分を除去したろ液を高圧殺菌後した後、乳酸菌を接種し37℃で5日間培養した。
培養液を高圧殺菌し、大豆発酵物300gを得た。
大豆発酵物 300gを冷却器の付いたフラスコに入れ、硫酸30gを加え、110℃で24時間加温した。
冷却後、水酸化カルシウム20gを徐々に加えて1時間撹拌した。
更に徐々に水酸化カルシウムを加えてpHを7.5にした。
この液を遠心分離(3000rpmx15分間)し、上澄みを得た。これにエタノールを2倍量加え撹拌した。
4℃で14日間静置した後、濾過し、ろ液を得た。
これをエバポレートして後、凍結乾燥した。
6ウェルプレートへヒト正常線維芽細胞(クラボウ)を播種し、予備培養として10%FBSを含むDMEM培地で3日間培養した。培養後、実施例を加え、3時間培養した。なお、対照として実施例を添加しない系でも試験を実施した。
細胞からのTotal RNAの抽出は、PureLink(登録商標)RNA Mini Kit(ライフテクノロジーズ・ジャパン)を用い、添付マニュアルに従い調整した。RNA濃度は、NanoDop1000(Thermo Fisher scientific)を用いて算出した。
抽出したTotal RNAを使い、High−Capacity RNA−to−cDNA Kit(ライフテクノロジーズ・ジャパン)を用いて、添付マニュアルに従いRT反応を行った。
リアルタイムPCRは、7500 Real−Time PCR System(ライフテクノロジーズ・ジャパン)を用いて実施した。
詳細には、前述のRT産物と、MMP−1および内在性コントロールとしてGAPDHのTaqMan(登録商標) プライマー(ライフテクノロジーズ・ジャパン)、TaqMan(登録商標) Gene Expression Master Mix(ライフテクノロジーズ・ジャパン)を用いて、ΔΔCT法により遺伝子発現量の比較を行った。
Claims (6)
- 大豆の発酵物の蛋白加水分解物を有効成分とする皮膚外用剤。
- 乳酸菌による大豆の発酵物の蛋白加水分解物を有効成分とする皮膚外用剤。
- 大豆の発酵物が熱水抽出物の発酵物である請求項1乃至2のいずれかの蛋白加水分解物を有効成分とする皮膚外用剤。
- 請求項1乃至3のいずれかの蛋白加水分解物を有効成分とするしわ改善促進剤。
- 請求項1乃至3のいずれかの蛋白加水分解物を有効成分とするたるみ改善促進剤。
- 請求項1乃至3のいずれかの蛋白加水分解物を有効成分とするマトリックスメタロプロテアーゼ1遺伝子発現阻害剤。
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