JP6744079B2 - カスパーゼ−14発現促進剤 - Google Patents
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Description
そのうち、カスパーゼ−14は、皮膚の保湿に重要な役割を果たすフィラグリンをいくつかのペプチドに分解し、皮膚の自然保湿因子(NMF)を維持、増大させる段階の1つとして重要な役割を担っている。(非特許文献1)
さらにカスパーゼ−14の活性化はアトピー性皮膚炎や乾癬、接触性皮膚炎に有効なことがしられている。(非特許文献2)
また、日焼け防止剤として、カスパーゼ−14が利用されている。(特許文献1)
さらにカスパーゼ−14活性化剤として、アツケシソウ、桃、大豆種子、スイートバジル、キュウリ等を配合し、皮膚の湿潤、表皮分化過程の調節、皮膚バリアー強度、または外部ストレス(特に紫外線照射による外部ストレス)に対する保護に有効であることが知られている。(特許文献2)
さらに、日本人皮膚、角質層のカスパーゼ−14の活性は、白人種皮膚、角質層に比較して半分以下であり、特に日本人にはカスパーゼ−14活性化剤が必要とされている。(特許文献3)
真珠や貝殻の真珠層に含まれる可溶性のタンパク質は一部皮膚外用剤や角化促進剤として利用されている。(特許文献4)
真珠や貝殻の真珠層はアコヤガイ、クロチョウガイ、シロチョウガイ等の真珠層を有する貝殻及びその真珠を、原料として用いる。
必要に応じて、真珠は核を取り除き、貝殻は付着物、稜柱層を取り除いたのち、粉砕する。これに酸やキレート剤を加える。酸は塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、乳酸等の有機酸から選択でき、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレングリコールビス(2−アミノエチルエーテル)四酢酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジ酒石酸、クエン酸、ポリリン酸、メタリン酸、又はこれらの塩が挙げられる。
また、溶解物中にはカルシウムイオン、用いた酸の陰イオンやキレート剤等が多く存在するので、必要に応じて除去する。
除去する方法は限外濾過、イオン交換法、膜分画法、ゲル濾過法、電気透析法、透析法、これらの組合せなどにより選択する。
得られた物質を電気泳動で分析すると、主に、55kDaと16kDaでバンドが確認されるが、限外濾過では100kDaでも通過しない。このことを理解して分画や必要に応じて加水分解等の処理をする必要がある。
さらに必要に応じて加水分解する。
方法は、塩酸、硫酸、硝酸及びリン酸等の無機酸、酢酸、ギ酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸及びクエン酸等の有機酸等の1種以上を必要に応じて加温や撹拌を加えつつ加水分解する方法やパパイン、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン等の蛋白分解酵素で分解する方法等がある。
利用できる原料を例示すれば、
アボガド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂、スクワレン、スクワラン、プリスタン又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等の各種油脂類。
ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス等のロウ類。
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等の鉱物油。
エタノール、イソピロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、フェノキシエタノール、2-ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等のアルコール類。
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、ソルビトール、ラクチトール、マルチトール等の多価アルコール類。
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の金属セッケン類。
アラビアゴム、グアヤク脂、カラヤゴム、トラガントゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等のガム質、糖類又は水溶性高分子化合物。
アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、カルボン酸型両性界面活性剤、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤等のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤。
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等の各種アミノ酸類。
海洋成分深層水、海水塩、海水乾燥物、死海又は大西洋又は太平洋の海より得た無機塩、海泥等の海洋産物。
酵母菌抽出エキス、細菌代謝物、細菌抽出エキス、カビ又は放線菌代謝物、カビ又は放線菌抽出エキス、納豆菌代謝物、納豆抽出エキス、米発酵エキス、米糠(赤糠、白糠)発酵エキス、生乳又は脱脂粉乳の乳酸発酵物、マメ科植物の乳酸菌発酵物、ココヤシ属植物の乳酸菌発酵物等の菌類由来物質。
グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等のα-ヒドロキシ酸類。
無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、ベントナイト、マイカ、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、グンジョウ、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、カラミン等の無機顔料。
ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、メトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸誘導体、ウロカニン酸誘導等の紫外線吸収または遮断剤。
イクタモール、インドメタシン、カオリン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、アセチルサリチル酸、塩酸ジフェンヒドラミン、d-カンフル、dl-カンフル、ヒドロコルチゾン、グアイアズレン、カマズレン、マレイン酸クロルフェニラミン、グリチルリチン酸又はその塩、グリチルレチン酸又はその塩の抗炎症剤。
アクリノール、イオウ、グルコン酸カルシウム、グルコン酸クロルヘキシジン、トリクロサン等の抗菌・殺菌・消毒薬。
ジャコウ、シベット、カストリウム、アンバーグリス、イランイラン精油、イリス精油、ウイキョウ精油、オレンジ精油、カルダモン精油、シンナモン精油、ゲラニウム精油、コパイババルサム精油、シダーウッド精油、ジャスミン精油、バラ精油、ベルガモット精油、ラベンダー精油、レモングラス精油、レモン精油、ローズマリー精油等の動植物性香料、その他合成香料等。
感光素101号、感光素201号、感光素401号、感光素301号、ヒノキチオール、パントテン酸又はその誘導体、アラントイン、ペンタデカン酸グリセリド、尿素、グアニジン等の各種薬剤。
その他ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤等が挙げられる。
なお、アコヤ貝真珠層及び真珠の可溶性タンパク質及び又はその加水分解物の配合量は目的や剤形その他の要因で大きくかわるが、製剤の好ましくは0.00001〜10重量%、さらに好ましくは0.0001〜1重量%を配合する。
アコヤ貝貝殻の付着物を取り除き、稜柱層をグラインダー等により削り除去したのち、約1〜5mm程度に粉砕したアコヤガイ貝殻真珠層40gに、0.5N-EDTA-2Na水溶液(水酸化ナトリウムでpHを8.0に調整した)8リッターを加え、24時間、撹拌して、真珠層の主成分である炭酸カルシウムを脱灰した。
これを遠心分離し、上澄を濾過した。この濾液を限外濾過(FlexStandTMBenchtop System(GEヘルスケア社製)に5000NMWCのHollow Fiber Cartridge(表面積1.15m2)を装着したものに通液することでカルシウム等の低分子量の物質を除去して、粗可溶性タンパク液を得た。この液を固形分量として0.0001〜0.1重量%に適時調整したのち、固形分に対して10〜100重量%のパパインを加え、60℃で20時間酵素分解した。酵素分解後、95℃で30分間撹拌することで酵素を失活させ、冷却したのち、上述の限外濾過装置に1000NMWCのカートリッジを取り付けたもので限外濾過し、濾過膜を通過した分子量1000以下の画分を凍結乾燥した。
2継代目のヒト包皮由来表皮細胞(クラボウ)を50−70%コンフルエントとなるまでHuMedia−KG2培地を1日おきに交換しながら培養後、HuMedia−KG2培地に検体を添加し、37℃、5%CO2インキュベータ中で2日間培養した。
細胞からの Total RNAの抽出は、RNeasy mini kit(QIAGEN)を用い、添付マニュアルに従い調製した。RNA濃度は、NanoDrop1000(Thermo SCIENTIFIC)を用い算出した。
RT反応 2μgのTotalRNAを使用し、ReverTra Ace(登録商標)(TOYOBO)を用い、TOYOBO推奨プロトコールに従い、GeneAmp(登録商標)PCR System 9700 (Applied Biosystems)にてRT反応を行った。
リアルタイムPCR SYBR Green法(THUNDERBIRD SYBR qPCR Miz,TOYOBO)を7500 RealTimePCR System (Applied Biosystems)を用いて添付マニュアルを基に行い、Comparative CT(△ △ CT)法(Triplicate)により遺伝子発現比較を実施した。内部標準としてGAPDHを使用した。
なお、参考例−1は以下のように作成した。
貝殻の付着物を水、ブラシで除去し、グラインダー等で表面の稜柱層を削り除去したのち、約1〜5mm程度に粉砕したアコヤガイ貝殻50kgに水450kgを加えて撹拌しつつ、塩酸100kgを徐々に加えた。さらに水100kgを加え3日間撹拌した。塩酸10kgを徐々に加えた。さらに水200kgを加え2日間撹拌した。撹拌しつつ、水酸化ナトリウム3kgを徐々に加えた。
pH7になるように25%水酸化ナトリウムで調整した後水200kg加えた。これをシャープレス遠心機で沈殿を集めた。
沈殿を解砕し、0.1モル塩酸20kgを加えて24日間ゆっくり撹拌した。これに水1000kgを撹拌しつつ加えたのち、シャープレス遠心機で沈殿を集めた。
沈殿を解砕し、これに水1000kgを撹拌しつつ加えたのち、シャープレス遠心機で沈殿を集めた。
この沈殿200gに10倍希釈した硫酸を3kg加え、110℃のオイルバスで24時間加水分解した。
放冷後、水酸化バリウムを徐々に加えながらpH3.0に調整した後、遠心分離(6000rpm、15分間)し、上澄みにアンバーライトIRA910をpH7.0になるまで徐々に加えた。これを濾過して濾液に活性炭を10g加え30分間撹拌した。
これを濾過し、凍結乾燥した。
実施例−1はカスパーゼ−14の発現をコントロールに比較して約40倍も高めることがわかった。また、参考例−1として同じ真珠層に含まれる不溶性タンパク質の加水分解物(加水分解コンキオリン)も試験したが、参考例−1にはカスパーゼ−14の発現促進作用がないことがわかった。
Claims (2)
- アコヤ貝真珠層又は真珠の可溶性タンパク質の加水分解物のうち分子量1000以下のものを配合したカスパーゼ−14発現促進剤。
- EDTA又はその塩を用いてアコヤ貝真珠層又は真珠から可溶性タンパク質を得、これの加水分解物のうち分子量1000以下のものを配合したカスパーゼ−14発現促進剤。
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