JP2016166408A - 回収剤および回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そのため、金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象化合物が含まれている材料から分離回収するために、電気分解法、化学的変換法、イオン交換法、溶媒抽出法、吸着法またはこれらの組み合せなど多種多様の方法が提案されている。現状、効率的な金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象成分の回収方法として知られている溶媒抽出法では、例えば、代表的なものとして貴金属元素を含有する溶液をジブチルカルビトール等のキレート剤に接触させて溶液中の貴金属を前記キレート剤に吸着させ、貴金属を濃縮し、回収する方法が知られている(例えば、非特許文献1)。
また、他の回収対象成分を回収する場合についても溶媒の再生利用等のプロセスにより工程が複雑になる問題があり、このような工程の簡略化が大きな課題となっている。
上記目的を達成するための本発明の回収剤の特徴構成は、
金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象化合物が溶解する水溶液から金属成分及び半金属成分から選ばれる少なくとも一種の回収対象成分を回収する回収剤として、
下限臨界溶液温度を有する液体としてのグリコールジアルキルエーテルを主成分とする点にある。
また、半金属とは、元素の分類において金属と非金属の中間の性質を示す物質のことであり、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、ヒ素、アンチモン、テルル、セレン、ポロニウム、アスタチンが含まれる。
上記特徴構成において、グリコールジアルキルエーテルは、下限臨界溶液温度より低い温度域では水に均一溶解し、グリコールジアルキルエーテルが均一に溶解した水溶液(以下、「均一溶液」という。)を形成する。この均一溶液を昇温していくと臨界温度付近でグリコールジアルキルエーテルの急激な脱水和およびそれに伴う疎水性相互作用により水に不溶となり、相分離が起こる。その結果、グリコールジアルキルエーテル相と水相とに分離するという特徴を有している。また、グリコールジアルキルエーテルはオキシエチレン鎖を含有することから、たとえば金イオンや白金イオンのような貴金属イオンあるいは鉄イオンあるいは銅イオンのような金属イオン、さらには、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウムのような半金属化合物と電気的に結合し、錯形成しやすいことを本発明者らは実験的に明らかにしている。
また、上記構成において、回収剤は、さらに回収対象成分の捕捉剤を含有してもよい。
回収対象化合物に対して錯形成し、その回収対象化合物を、有機溶媒を含む相に移動させることのできる物質として、種々の捕捉剤が知られている。このような捕捉剤は、回収対象化合物に結合した状態で、水相よりもグリコールジアルキルエーテル相に移行する傾向が高い。そのため、グリコールジアルキルエーテルのみでは、水とグリコールジアルキルエーテルとの均一溶液中に含まれる回収対象成分のすべてを回収しきれないというような場合であっても、捕捉剤がグリコールジアルキルエーテルで回収しきれなかった回収対象成分のイオンに結合し錯形成して、回収対象成分のイオンをグリコールジアルキルエーテル相に移行させる役割を果たすため、さらに回収対象成分の回収率を高めるのに寄与する。
上記構成において前記捕捉剤としては、ヒドロキシオキシム、リン酸エステル、ジアルキルカルビトール、トリアルキルアミン、第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有するものが用いられる。
捕捉剤としては、回収対象化合物のイオンに配位可能なヘテロ原子を有し、ヘテロ原子の配位した回収対象化合物のイオンを包囲するアルキル基を有する化合物が有効に用いられ、回収対象化合物のイオンを安定的にグリコールジアルキルエーテル相に移行することができる。このような化合物としては、ジアルキルカルビトール、トリアルキルアミンが例示される。
また、上記構成において、グリコールジアルキルエーテルとしては、化1に示すものが
有効に利用できる。
R1O−(CH2−CH2−O)n−R2 ………(1)
(ただし、式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素または、炭素数1〜5の
アルキル基または、炭素数1〜5のアルケニル基、nは1〜6の整数である)
上記構成によると、グリコールジアルキルエーテルとしては、回収対象化合物に配位可能な酸素原子を少なくとも複数有するとともに、配位した回収対象化合物のイオンを包囲するアルキル基を複数有するので、溶媒として機能しながら、回収対象成分を捕捉する機能を発揮することができるものとなる。そのため、安定的に回収対象化合物のイオンをグリコールジアルキルエーテル相に移行させることができ、効率的に回収対象成分を回収するのに役立てられる。
なお、上記式(1)を構成単位とするグリコールジアルキルエーテルのうち、例えば、エチレングリコールt−ブチルエーテル(式(1)中、n=1、R1=H基、R2=t−ブチル基)は30℃付近に下限臨界溶液温度を示す。
また、上記目的を達成するための本発明の回収方法の特徴構成は、
金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象化合物が溶解する水溶液から金属成分及び半金属成分から選ばれる少なくとも一種の回収対象成分を回収する回収方法であって、
前記回収対象化合物の溶解する水溶液に、下限臨界溶液温度を有する液体としてのグリコールジアルキルエーテルを主成分とする回収剤を添加し、均一な溶液を形成する混合工程と、
混合工程により得られた溶液を下限臨界溶液温度以上の温度に加熱する加熱工程と、
加熱工程により2相分離したグリコールジアルキルエーテル相を分離回収する回収工程と、
分離回収されたグリコールジアルキルエーテル相に還元剤を添加する還元処理工程とを順に行い、
得られたグリコールジアルキルエーテル相から回収対象成分を回収する点にある。
上記構成によると、混合工程を行うことにより、回収対象化合物の溶解する水溶液に、グリコールジアルキルエーテルが均一に溶解して、水溶液中の回収対象化合物のイオンに対してグリコールジアルキルエーテルが錯形成する。
するのでグリコールジアルキルエーテル相のみを容易に分離回収することができる。
て、環境に与える負荷を軽減し、回収対象成分としての金、白金等の貴金属を効率良く回収できる。
り返す構造が挙げられ、オキシエチレン鎖を構成するオキシエチレンのユニット数や、オ
キシエチレン鎖の末端アルキル基の種類を変えることにより下限臨界溶液温度を変化させ
ることができる。
グリコールジアルキルエーテルの下限臨界溶液温度は、作業性を考慮して20〜100
℃、好ましくは40℃〜100℃の範囲にあるものが作業性良く使用できる。
上記構成において、前記還元剤が、水素化ホウ素塩、ホスホン酸塩、次亜燐酸塩、チオ
硫酸塩、亜硫酸塩、亜二チオン酸塩から選ばれる無機化合物、ヒドラジン、エチレンジア
ミン、ウレア、チオウレア、ジメチルアミノボランから選ばれる窒素化合物類、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドから選ばれるアルデヒド類、メタン
チオール、エタンチオール、プロパンチオールから選ばれるチオール類、ハイドロキノン
、タンニン酸、クエン酸、アスコルビン酸から選ばれる不飽和酸およびそれらのナトリウ
ム塩、カリウム塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種以上を主成分とする化合物を用
いることができる。
上記還元剤は、グリコールジアルキルエーテルに結合した回収対象化合物のイオンを金属や半金属にまで還元するための還元能力を有しており、イオンとしてグリコールジアルキルエーテルに捕捉されていた回収対象化合物を、金属や半金属にまで還元することにより回収させるのに利用することができる。また、これらは、汎用的な還元剤として市場に流通しているものであり、安価かつ取り扱い容易なものであるので、回収方法を実施するうえで、低コストで貴金属を回収できることとなるので好ましい。
混合工程により得られた溶液を下限臨界溶液温度以上の温度に加熱する加熱工程と、
加熱工程により2相分離したグリコールジアルキルエーテル相を分離回収する回収工程と、
分離回収されたグリコールジアルキルエーテル相に還元剤を添加する還元処理工程とを順に行い、
得られたグリコールジアルキルエーテル相から金属成分及び半金属成分から選ばれる少なくとも一種の回収対象成分を回収するものである。
金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象化合物の溶解する水溶液は、例えば、宝飾品、電子基板、産業用触媒等を適度な大きさに粉砕し、王水、硫酸、塩酸、硝酸等の酸溶液に溶解して得られる。特に回収される回収対象成分としては、希少性、用途の多様性から、金、白金等の貴金属を対象とすることが好ましいが、その他の回収対象成分を含むものであっても構わない。得られた水溶液には、1mol/L以下、好ましくは1×10-2mol/L以下の濃度で回収対象成分を含有していることが望ましい。
次に、混合工程により得られた均一溶液を下限臨界溶液温度以上の温度に加熱する。
すなわち、均一溶液を昇温していくと下限臨界温度付近でグリコールジアルキルエーテルの急激な脱水和およびそれに伴う疎水性相互作用による相分離が起こり、その結果、グリコールジアルキルエーテルが水溶液に不溶となる。たとえば、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルを用いた場合、下限臨界溶液温度が40℃付近であるので、たとえば50℃以上に加熱することにより均一溶液は2相分離して水相とグリコールジアルキルエーテル相とに2相分離する。
ここで取り出したグリコールジアルキルエーテル相には、元々酸性水溶液に溶解していた金イオン、白金イオン等の回収対象化合物のイオンが含まれており、酸性水溶液中の金イオン、白金イオン等の回収対象成分を回収できている。
回収工程では、加熱工程により2相分離したグリコールジアルキルエーテル相を分離回収する。50℃で2相分離した各相は、50℃を維持した状態で静置し、上相として得られるグリコールジアルキルエーテル相を分液回収することができる。
次に、分離回収されたグリコールジアルキルエーテル相に還元剤を添加する還元処理工程を行う。すなわち、グリコールジアルキルエーテル相に既知の還元剤を加えると金、白金等の回収対象成分は析出するので、ろ過等で回収できることになる。
金イオンを含む酸性水溶液として、テトラクロロ金酸四水和物(HAuCl4・4H2O、和光純薬)0.9295g(2.257mmol)を精製水に溶解させ、50.00mL(45.14mM)とした。これをそれぞれ1Nの塩酸で希釈して、10.0mM、1.00mM、0.500mM、0.100mM、酸性水溶液(以下、「基準液」という。)を調製した。
室温で前記基準液10.0mLに40℃に下限臨界溶液温度を持つグリコールジアルキルエーテルとして、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬)を10.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
尚、本発明の各実施例における回収率とは、前述の混合工程で得られた均一液体中に含まれている金(回収対象化合物)の量に対して、回収工程で得られたグリコールジアルキルエーテル相に含まれている金(回収対象成分)の量の割合であり、また、残存率とは、前述の混合工程で得られた均一液体中に含まれている金(回収対象化合物)の量に対して、回収工程で得られた水相に含まれている金(回収対象成分)の量の割合である。
また、テトラクロロ金酸四水和物濃度10mMの基準液に固定し、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルの量を変えて(1−1)同様に金の回収試験を行った。
白金イオンを含む酸性水溶液として、ヘキサクロロ白金酸水和物(H2PtCl6・H2O)0.9834g(1.899mmol)を精製水に溶解させ、50.00mL(38.00mM)とした。これをそれぞれ1Nの塩酸で希釈して、10.0mM、1.00mM、0.100mM、0.0100mMの基準液を調製した。
室温で上記基準液10.0mLに40℃に下限臨界溶液温度を持つグリコールジアルキルエーテルとして、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬)を10.0mLを加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
また、ヘキサクロロ白金酸水和物濃度10mMの基準液に固定し、トリエチレングリコールブチルメチルエーテルの量を変えて(2−1)同様に白金の回収試験を行った。
テトラクロロ金酸四水和物(HAuCl4・4H2O、和光純薬)および塩化鉄(III)(和光純薬)を同じ1N の塩酸で希釈して、金および鉄がそれぞれ10.0mMの金/鉄混合水溶液を調製した。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
ヘキサクロロ白金酸水和物(H2PtCl6・H2O、和光純薬)および塩化鉄(III)(和光純薬)を同じ1Nの塩酸で希釈して、白金および鉄がそれぞれ10.0mMの白金/鉄混合水溶液を調製した。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
実施例1、2における回収工程で回収されたグリコールジアルキルエーテル相に還元剤としてクエン酸を添加する還元処理工程を行った。
すると、グリコールジアルキルエーテル相とクエン酸水溶液は混合して均一溶液を形成するとともに、グリコールジアルキルエーテル相に抽出されていた金イオンまたは白金イオンはクエン酸により還元され、金または白金として析出した。
その後、析出した金または白金をガラスフィルターで沈殿ろ過することにより、金または白金を回収したところグリコールジアルキルエーテル相に移行した金イオンまたは白金イオンの99.9%以上を回収することができた。
実施例1における回収剤を、金と選択的に結合する性質を有する捕捉剤を含有してなるものに変更して、同様に金の回収試験を行った。
具体的には捕捉剤としてジアルキルカルビトールを10%含有するトリエチレングリコールブチルメチルエーテルを回収剤として使用し、実施例1と同様に金の回収試験を行った。
実施例2における回収剤を、白金と選択的に結合する性質を有する捕捉剤を含有してなるものに変更して、同様に金の回収試験を行った。
具体的には捕捉剤としてトリアルキルアミンを10%含有するトリエチレングリコールブチルメチルエーテルを回収剤として使用し、実施例2と同様に白金の回収試験を行った。
ニッケルイオンを含む酸性水溶液として、硝酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬)0.1gを1Nの塩酸で希釈して、50.00mlとした。
この酸溶液に40℃に下限臨界溶液温度を持つグリコールジアルキルエーテルとして、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬)を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
結果は、ニッケルの回収率は55%、残存率は45%であった。
ニッケルイオンを含む酸性水溶液として、硝酸ニッケル(II)六水和物(和光純薬)0.1gを1Nの塩酸で希釈して、50.00mlとした。
この酸溶液に金属捕捉剤として5−ノニルサリチルアルドキシム(サイテックインダストリー社)商品名:Acorga M5640)を0.1gを含むグリコールジアルキルエーテル(トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬))を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれのニッケル濃度をICP発光分析法により定量しニッケルの回収率および残存率を求めた。
結果は、ニッケルの回収率は95%、残存率は5.0%であった。
分離したグリコールジアルキルエーテル相に1Nのアスコルビン酸水溶液を10g加え、室温で10分間撹拌した。(還元処理工程)。この状態で褐色の沈殿物として、ニッケルが還元析出され、濾過により、ニッケルを分離した。
クロムイオンを含む酸性水溶液として、硝酸クロム(III)九水和物(和光純薬)0.1gを1Nの塩酸で希釈して、50.00mLとした。
この酸溶液に40℃に下限臨界溶液温度を持つグリコールジアルキルエーテルとして、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬)を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれのクロム濃度をICP発光分析法により定量しクロムの回収率および残存率を求めた。
結果は、クロムの回収率は75%、残存率は25%であった。
クロムイオンを含む酸性水溶液として、硝酸クロム(III)九水和物(和光純薬)0.1gを1Nの塩酸で希釈して、50.00mLとした。
この酸溶液に捕捉剤としてトリエチルホスフェート(大八木化学)を0.1gを含むグリコールジアルキルエーテル(トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬))を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれのクロム濃度をICP発光分析法により定量しクロムの回収率および残存率を求めた。ここで回収率と残存率は、実施例1で定義したとおりである。
結果は、クロムの回収率は95%、残存率は5.0%であった。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれのクロム濃度をICP発光分析法により定量しクロムの回収率および残存率を求めた。
結果は、クロムの回収率は98%、残存率は2.0%であった。
銀イオンを含む酸性水溶液として、塩化銀(和光純薬)0.1gを1Nの塩酸で希釈して、50.00mLとした。
この酸溶液に40℃に下限臨界溶液温度を持つグリコールジアルキルエーテルとして、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬)を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれの銀濃度をICP発光分析法により定量し銀の回収率および残存率を求めた。ここで回収率と残存率は、実施例1で定義した通りである。
結果は、銀の回収率は72%、残存率は28%であった。
銀イオンを含む酸性水溶液として、塩化銀(和光純薬)0.1gを1Nの塩酸で希釈して、50.00mlとした。
この酸溶液に金属捕捉剤としてトリエチルホスフェート(大八木化学)を0.1gを含むグリコールジアルキルエーテル(トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬))を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれの銀濃度をICP発光分析法により定量し銀の回収率および残存率を求めた。
結果は、銀の回収率は99%、残存率は1.0%であった。
分離したグリコールジアルキルエーテル相に1Nのアスコルビン酸水溶液を10g加え、室温で10分間撹拌した。(還元処理工程)。この状態で黒色の沈殿物として、銀が還元析出され、濾過により、銀を分離した。
シリカを含む水溶液として、メタケイ酸ナトリウム(キシダ化学)0.02365gを純水で希釈して、50.00mLとした後、硝酸(キシダ化学)を用いてpH7.0−8.0に調整した。
この溶液に半金属捕捉剤としてジアリルジメチルアンモニウムクロライドを1.75mLおよびグリコールジアルキルエーテル(トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(和光純薬))を50.0mL加えた(混合工程)。この状態で均一液体となった。
10分間攪拌後、温浴で50℃に加温し(加熱工程)、水相とグリコールジアルキルエーテル相に分離させた(回収工程)。
分離した各相をそれぞれピペットで吸出し、それぞれのシリカ濃度(イオン状シリカ濃度)をモリブテン青比色分析法により定量しシリカの残存率を求めた。
結果は、シリカの残存率は30%以下であり、シリカはグリコールジアルキルエーテル相に70%回収された。
Claims (6)
- 金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象化合物が溶解する水溶液から金属成分及び半金属成分から選ばれる少なくとも一種の回収対象成分を回収する回収剤であって、
下限臨界溶液温度を有する液体としてのグリコールジアルキルエーテルを主成分とする回収剤。 - 請求項1に記載の回収剤であって、前記回収対象成分の捕捉剤を含有する回収剤。
- 前記捕捉剤がヒドロキシオキシム、リン酸エステル、ジアルキルカルビトール、トリアルキルアミン、第四級アンモニウム塩から選ばれる少なくとも一種を含有するものである請求項2に記載の回収剤。
- 前記グリコールジアルキルエーテルが化1に記載のものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の回収剤。
[化1]
R1O−(CH2−CH2−O)n−R2 ………(1)
(ただし、式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して水素または、炭素数1〜5のアルキル基または、炭素数1〜5のアルケニル基、nは1〜6の整数である) - 金属化合物及び半金属化合物から選ばれる少なくとも一種の回収対象化合物が溶解する水溶液から金属成分及び半金属成分から選ばれる少なくとも一種の回収対象成分を回収する回収方法であって、
前記回収対象化合物の溶解する水溶液に、下限臨界溶液温度を有する液体としてのグリコールジアルキルエーテルを主成分とする回収剤を添加し、均一な溶液を形成する混合工程と、
混合工程により得られた溶液を下限臨界溶液温度以上の温度に加熱する加熱工程と、
加熱工程により2相分離したグリコールジアルキルエーテル相を分離回収する回収工程と、
分離回収されたグリコールジアルキルエーテル相に還元剤を添加する還元処理工程とを順に行い、
得られたグリコールジアルキルエーテル相から前記回収対象成分を回収する回収方法。 - 前記還元剤が、水素化ホウ素塩、ホスホン酸塩、次亜燐酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、
亜二チオン酸塩から選ばれる無機化合物、ヒドラジン、エチレンジアミン、ウレア、チオ
ウレア、ジメチルアミノボランから選ばれる窒素化合物類、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒドから選ばれるアルデヒド類、メタンチオール、エタンチ
オール、プロパンチオールから選ばれるチオール類、ハイドロキノン、タンニン酸、クエ
ン酸、アスコルビン酸から選ばれる不飽和酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩よ
りなる群から選ばれる少なくとも一種以上を主成分とする化合物である請求項5に記載の
回収方法。
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