JP2016166340A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、
炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体に由来する構造単位とを含む樹脂、並びに、
式(1)で表される基を有する化合物を含む硬化性樹脂組成物。
[2]式(1)で表される基を有する化合物が、式(1)で表される基を有する芳香族化合物である[1]に記載の硬化性樹脂組成物。
[3]式(1)で表される基を有する化合物が、式(2)で表される化合物である[1]又は[2]に記載の硬化性樹脂組成物。
R3は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18のオキサシクロアルキルアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基を表し、前記オキサシクロアルキルアルキル基及び前記アラルキル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わっていてもよい。]
[4]R3が、少なくとも1つのエポキシ基を有する[3]に記載の硬化性樹脂組成物。
[5]さらに、エポキシ基を有する化合物(ただし、式(1)で表される基を有する化合物とは異なる。)を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[6]不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、
炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体に由来する構造単位とを含む樹脂が、
さらに、マレイミド構造を有する単量体に由来する構造単位を含む樹脂である[1]〜[5]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなる硬化膜。
[8][7]に記載の硬化膜を含む表示装置。
不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、
炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体に由来する構造単位とを含む樹脂(以下、樹脂(A)という場合がある。)、並びに、
式(1)で表される基を有する化合物(以下、化合物(1)という場合がある。)を含む。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、多価カルボン酸(C)、酸化防止剤(D)、溶剤(E)及び界面活性剤(G)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
化合物(1)は、式(1)で表される基を有する化合物である。
式(1)で表される基としては、ジグリシジルアミノ基等が挙げられる。
化合物(1)は、式(2)で表される化合物であることがより好ましい。
R3は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18のオキサシクロアルキルアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数7〜20のアラルキル基を表し、前記オキサシクロアルキルアルキル基及び前記アラルキル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わっていてもよい。ただし、オキサシクロアルキル部分に含まれる−CH2−は、置き換わらない。]
R3で表される炭素数3〜18のオキサシクロアルキルアルキル基としては、オキサシクロプロピルメチル基、オキサシクロプロピルエチル基、オキサシクロプロピルプロピル基、オキサシクロプロピルブチル基、オキサシクロブチルメチル基、オキサシクロブチルエチル基、オキサシクロペンチルメチル基、オキサシクロペンチルエチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3〜12のオキサシクロアルキルアルキル基である。
R3で表される炭素数7〜20のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基である。
炭素数7〜20のアラルキル基が有していてもよい置換基としては、エポキシ基;グリシジルアミノ基;ジグリシジルアミノ基;N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基等の1つの炭素数1〜8のアルキル基で置換されたアミノ基;N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−メチルエチルアミノ基等の2つの炭素数1〜8のアルキル基で置換されたアミノ基;等が挙げられる。
R3で表される炭素数3〜18のオキサシクロアルキルアルキル基及び炭素数7〜20のアラルキル基に含まれる−CH2−は、−O−又は−S−で置き換わっていてもよく、置き換わった−O−又は−S−も炭素数として数えることとする。
R3は、式(1)で表される基に対して、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、パラ位であることが好ましい。
R3は、少なくとも1つのエポキシ基を有することが好ましく、エポキシ基、グリシジルアミノ基又はジグリシジルアミノ基を有する炭素数7〜20のアラルキル基及び炭素数3〜18のオキサシクロアルキルアルキル基であることがより好ましい。
化合物(1)の含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常0.1〜1000質量部であり、好ましくは0.1〜100質量部であり、より好ましくは0.5〜80質量部であり、さらに好ましくは2〜70部である。
化合物(1)として、1−1:N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン(EP−3950L:ADEKA(株)製)、EP−3950S(ADEKA(株)製)等が市販されている。
樹脂(A)は、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、
炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを含む樹脂である。
樹脂(A)は、さらに、(a)及び(b)とは異なり、かつこれらと共重合可能な単量体(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位を有していてもよい。
樹脂(A)は、としては、以下の樹脂[K1]及び樹脂[K2]が挙げられる。
樹脂[K1]:(a)と、(b)との共重合体;
樹脂[K2]:(a)と(b)と(c)との共重合体。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸などの、同一分子中にヒドロキシ基、カルボキシ基を含有する不飽和アクリレート等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点やアルカリ水溶液への溶解性の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸等が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及びメタクリロイルよりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリル酸」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
炭素数2〜4の環状エーテル構造としては、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
(b)は、炭素数2〜4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、
テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
Xb1及びXb2は、単結合、−Rb3−、*−Rc−O−、*−Rb3−S−又は*−Rb3−NH−を表す。
Rb3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
Rb1及びRb2としては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基及び2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子及びメチル基が挙げられる。
Xb1及びXb2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH2−O−及び*−CH2CH2−O−が挙げられ、より好ましくは単結合及び*−CH2CH2−O−が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
式(II−1)で表される化合物、式(II−7)で表される化合物、式(II−9)で表される化合物及び式(II−15)で表される化合物のいずれかで表される化合物がより好ましい。
(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(2’−ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシメチル−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−tert−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(tert−ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のビシクロ不飽和化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート及びN−(9−アクリジニル)マレイミド等のマレイミド構造を有する単量体;
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン及びマレイミド構造を有する単量体が好ましく、スチレン、ビニルトルエン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド及びビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンがより好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜60モル%
(b)に由来する構造単位;40〜95モル%
が好ましく、
(a)に由来する構造単位;10〜50モル%
(b)に由来する構造単位;50〜90モル%
がより好ましい。
樹脂[K1]を構成する構造単位の比率が、上記の範囲内にあると、硬化性樹脂組成物の保存安定性、得られる硬化膜の耐薬品性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
(a)に由来する構造単位;2〜40モル%
(b)に由来する構造単位;2〜80モル%
(c)に由来する構造単位;10〜96モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;2〜30モル%
(b)に由来する構造単位;5〜50モル%
(c)に由来する構造単位;20〜93モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲内にあると、硬化性樹脂組成物の保存安定性、得られる硬化塗膜の粘着性、耐薬品性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
樹脂[K2]は、樹脂[K1]と同様の方法により製造することができる。
樹脂(A)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6.0であり、より好ましくは1.2〜4.0である。分散度が、前記の範囲にあると、得られる硬化膜は耐薬品性に優れる傾向がある。
エポキシ基含有化合物(B)は、化合物(1)とは異なる化合物であり、エポキシ基を含有する樹脂であることが好ましい。
エポキシ基を含有する樹脂は、樹脂(A)とは異なる構造を有する点以外、特に限定されないが、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂及びグリシジルエステル型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
グリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
グリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、例えば、p−オキシ安息香酸、m−オキシ安息香酸、テレフタル酸の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエステル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、市販品を用いてもよい。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、jER157S70、エピコート1001、エピコート1002、エピコート1003、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009、エピコート1010、エピコート828(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート807(三菱化学(株)製)、YDF−170(東都化成(株)製)等が挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、 エピコート152、エピコート154(三菱化学(株)製)、EPPN−201、PPN−202(日本化薬(株)製)、DEN−438(ダウケミカル社製)等が挙げられる。
o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、EOCN−125S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
ポリフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、エピコート1032H60、エピコートYX−4000(三菱化学(株)製)等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは300〜10,000、より好ましくは400〜6,000、さらに好ましくは500〜4,800である。
また、樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分に対して、好ましくは50〜98質量%、より好ましくは55〜85質量%である。該合計含有量が、前記の範囲にあると、得られる硬化膜は耐薬品性に優れる傾向がある。
本発明の硬化性樹脂組成物は、多価カルボン酸無水物及び多価カルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下「化合物(C)」という場合がある。)を含んでいてもよい。
多価カルボン酸(C)は、多価カルボン酸無水物及び多価カルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。多価カルボン酸とは、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物であり、多価カルボン酸無水物とは、多価カルボン酸の無水物である。多価カルボン酸(C)の分子量は、3000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。
3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂環式多価カルボン酸無水物;
無水フタル酸、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセリントリス(アンヒドロトリメリテート)、グリセリンビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオンなどの芳香族多価カルボン酸無水物;等が挙げられる。
アデカハードナ−EH−700(商品名(以下同様)、(株)ADEKA製)、リカシッド−HH、同−TH、同−MH、同MH−700(新日本理化(株)製)、エピキニア126、同YH−306、同DX−126(油化シェルエポキシ(株)製)等の市販品を用いてもよい。
シクロヘキサンジカルボン酸、脂環式多価カルボン酸無水物を導く多価カルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;
イソフタル酸、テレフタル酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、芳香族多価カルボン酸無水物を導く多価カルボン酸等の芳香族多価カルボン酸;等が挙げられる。
酸化防止剤(D)としては、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤が挙げられる。中でも、硬化膜の着色が少ないという点で、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
前記フェノール系酸化防止剤としては、市販品を使用してもよい。市販されているフェノール系酸化防止剤としては、例えば、スミライザー(登録商標)BHT、GM、GS、GP(以上、全て住友化学(株)製)、イルガノックス(登録商標)1010、1076、1330、3114(以上、全てBASF社製)等が挙げられる。
(メタ)アクリル化合物(F)としては、(メタ)アクリルロイル基を3つ以上有する(メタ)アクリル化合物(F)が好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましい。
溶剤(E)は、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤及びジメチルスルホキシド等が挙げられる。
界面活性剤(G)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
具体的には、フロリナート(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、熱ラジカル発生剤、紫外線吸収剤、連鎖移動剤、密着促進剤等などの添加剤を含有していてもよい。
紫外線吸収剤として具体的には、2−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
連鎖移動剤としては、ドデカンチオール、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。
密着促進剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−グリシジルオキシキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−スルファニルプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、化合物(1)及び樹脂(A)、並びに、必要に応じて、エポキシ基含有化合物(B)、多価カルボン酸(C)、酸化防止剤(D)、(メタ)アクリル化合物(F)、溶剤(E)及びその他の成分を、公知の方法で混合することにより製造することができる。混合後は、孔径0.05〜1.0μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物からなる硬化膜は、本発明の硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、熱により硬化させることにより得られる。
基板としては、ガラス、金属、プラスチック等が挙げられ、基板上にカラーフィルタ、絶縁膜、導電膜及び/又は駆動回路等が形成されていてもよい。
基板上への塗布は、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター、インクジェット、ロールコータ、ディップコーター等の種々の塗布装置を用いて行うことが好ましい。
揮発成分を除去した塗布膜を、好ましくは、150〜240℃で、10〜120分のポストベークを施すことにより、硬化膜を形成することができる。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内を窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 230部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸40部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8及び9−イルアクリレートの混合物360部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート85部の混合溶液を5時間かけて滴下した。
一方、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)55部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート230部に溶解した混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)465mPas、固形分43.5質量%、溶液酸価23mg−KOH/gの共重合体(樹脂Aa)を得た。生成した樹脂Aaの重量平均分子量(Mw)は7200、分散度は1.9であった。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内を窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート224部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、アクリル酸42部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8及び9−イルアクリレートの混合物21部、シクロヘキシルマレイミド147部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート445部の混合溶液を4時間かけて滴下した。
一方、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート111部に溶解した混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)18mPas、固形分22.9質量%、溶液酸価20mg−KOH/gの共重合体(樹脂Ab)を得た。生成した樹脂Abの重量平均分子量は11200、分散度は2.1であった。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内を窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート207部を入れ、攪拌しながら85℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸63部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8及び9−イルアクリレートの混合物209部、フェニルマレイミド78部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート140部の混合溶液を5時間かけて滴下した。
一方、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)51部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート252部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、B型粘度(23℃)1820mPas、固形分39.5質量%、溶液酸価34mg−KOH/gの共重合体(樹脂Ac)を得た。生成した樹脂Acの重量平均分子量は9400、分散度は2.2であった。
装置:K2479((株)島津製作所製)
カラム:SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0mL/min
検出器:RI
校正用標準物質:;TSK STANDARD POLYSTYRENE F−40、F−4、F−288、A−2500、A−500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
<硬化性樹脂組成物の調製>
表1に示すように、各成分を、記載の割合で混合して、硬化性樹脂組成物を得た。
樹脂(Aa):合成例1で得られた樹脂
樹脂(Ab):合成例2で得られた樹脂
樹脂(Ac):合成例3で得られた樹脂
エポキシ基含有化合物(B):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER157S70;三菱化学(株)製)
化合物(1):1−1:N,N−ビス(2,3−エポキシプロピル)−4−(2,3−エポキシプロポキシ)アニリン(EP−3950S:ADEKA(株)製)
化合物(1):1−2:4,4’−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン](SYNASIA製)
化合物(X):モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(MA−DGIC:四国化成工業(株)製)
多価カルボン酸(C):1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物(リカシッドTH;新日本理化(株)製)
酸化防止剤(F);1,3,5−トリス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(IRGANOX(登録商標)3114;BASF社製)
界面活性剤(H);メガファック(登録商標)F554(DIC(株)製)
溶剤(E):Ea:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
なお、溶剤(E)は、硬化性樹脂組成物の固形分が表1の「固形分(%)」となるように混合した。
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)を、中性洗剤、水及びイソプロパノールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、硬化性樹脂組成物を、ポストベーク後の膜厚が1.5μmになるようにスピンコートし、次にクリーンオーブン中、100℃で3分間プリベークした。その後、230℃で40分ポストベークして硬化膜を得た。
硬化膜の膜厚は、接触式膜厚測定装置(DEKTAK6M;(株)アルバック製)を用いて、測定幅500μm、測定スピード10秒で測定した。
上記で得られた硬化膜について、プレッシャークッカー試験(温度120℃、湿度100%、圧力2atm;飽和型プレッシャークッカーPC−305S;(株)平山製作所製)を2時間行ったのち、JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法により、ガラス基板に対する硬化膜の密着性を評価した。碁盤目100個のうち、硬化膜の95%以上が明確に基板に残った碁盤目の数を密着性(個)として、表2に示す。
Claims (8)
- 式(1)で表される基を有する化合物が、式(1)で表される基を有する芳香族化合物である請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
- R3が、少なくとも1つのエポキシ構造基を有する基である請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
- さらに、エポキシ基を有する化合物(ただし、式(1)で表される基を有する化合物とは異なる。)を含む請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
- 不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、
炭素数2〜4の環状エーテル構造及びエチレン性不飽和結合を有する単量体に由来する構造単位とを含む樹脂が、
さらに、マレイミド構造を有する単量体に由来する構造単位を含む樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物からなるにより形成され硬化膜。
- 請求項7に記載の硬化膜を含む表示装置。
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