JP2016164295A - 炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法および成膜装置 - Google Patents

炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法および成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜温度を低温化しても、成膜レートの低下を抑制でき、かつ、膜中の炭素濃度を十分に高めることも可能な炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を提供すること。【解決手段】被処理体を、成膜装置の処理室内に搬入する工程(ステップ1)と、処理室に、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとを同時に供給する工程(ステップ2)と、処理室内を、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとの混合雰囲気で保持する工程(ステップ3)と、被処理面上に得られた炭素含有シリコン窒化物層を、さらに処理する工程(ステップ5)と、処理室内を排気する工程(ステップ6)と、を具備し、ステップ2からステップ6までを設定された回数まで繰り返し行い、炭窒化ガスが、炭化剤兼窒化剤として含窒素複素環化合物ガスを含有し、ステップ5において窒化処理および酸化処理の少なくともいずれか一方を行う。【選択図】図1

Description

この発明は、炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法および成膜装置に関する。
半導体デバイス製造工程、特にロジックデバイスのゲート構造の処理工程では、ゲート電極側壁に絶縁性の高いシリコン窒化物(SiN)膜を成膜してゲート電極からのリーク電流を防ぐ構造がとられる。昨今のデバイスインテグレーションにおいて側壁SiN膜の比誘電率を下げることで絶縁膜中の電子トラップを低減し、デバイスの駆動速度向上、消費電力の低減を図る工夫がとられており、従来のSiN膜に変わるLow−kSiN膜が求められている。
例えば、特許文献1にはSiN膜に対して酸素(O)をドープすることにより比誘電率をSiN膜よりもさらに低下させること、OをドープしたSiN膜ではエッチング等の加工工程における耐性が弱まるため、さらに炭素(C)をドープしてエッチング耐性を向上させることが記載されている。また、SiとOとCとNとを含む膜は、SiOCN膜と呼ばれている。
特開2014−146670号公報
特許文献1では、Si原料にヘキサクロロジシラン(HCDS)やジクロロシラン(DCS)といったクロロシラン系材料を用い、カーボンドープガス(炭化剤)として炭化水素、窒化剤としてNH、酸化剤としてOガスを用いる。しかしながら、サーマルプロセスでは、550℃以上の温度帯としないと、各反応ガスの活性度が高まらない。例えば、成膜温度を400℃程度に低下させると、
(1) クロロシラン系材料を用いたノンプラズマのサーマルプロセスにおいては成膜レートが極端に低下する
(2) カーボンドープガスの活性度が上がらず、膜中C濃度が高まらない
といった課題が生じる。
このように、現状のSiOCN膜は、成膜温度の低温化、例えば、400℃程度への低温化が困難である、という事情がある。
この発明は、成膜温度を低温化しても、成膜レートの低下を抑制でき、かつ、膜中の炭素濃度を十分に高めることも可能な炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法およびその成膜方法を実施することが可能な成膜装置を提供する。
この発明の第1の態様に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法は、被処理体の被処理面上に、炭素含有シリコン窒化物膜を成膜する炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法であって、(1)前記被処理体を、成膜装置の処理室内に搬入する工程と、(2)前記処理室に、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとを同時に供給する工程と、(3)前記処理室内を、前記シリコン原料ガスと前記炭窒化ガスとの混合雰囲気で保持する工程と、(4)前記被処理面上に得られた炭素含有シリコン窒化物層を、さらに処理する工程と、(5)前記処理室内を排気する工程と、を具備し、前記(2)工程から前記(5)工程までを、設定された回数まで繰り返し行い、前記炭窒化ガスが、炭化剤兼窒化剤として含窒素複素環化合物ガスを含有し、前記(4)工程において窒化処理および酸化処理の少なくともいずれか一方を行う。
この発明の第2の態様に係る成膜装置は、被処理体の被処理面上に、炭素含有シリコン窒化物膜を成膜する成膜装置であって、前記被処理体を収容する処理室と、前記処理室内に、処理に使用するガスを供給する処理ガス供給機構と、前記処理室内に収容された前記被処理基板を加熱する加熱装置と、前記処理室内を排気口および排気弁を介して排気する排気機構と、前記処理ガス供給機構、前記加熱装置、および前記排気機構を制御するコントローラと、を具備し、前記コントローラが、上記第1の態様に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法が実施されるように前記処理ガス供給機構、前記加熱装置、前記排気機構を制御する。
この発明によれば、成膜温度を低温化しても、成膜レートの低下を抑制でき、かつ、膜中の炭素濃度を十分に高めることも可能な炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法およびその成膜方法を実施することが可能な成膜装置を提供できる。
この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法のシーケンスの一例を示す流れ図 図1に示すシーケンスのタイムチャート 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図 この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法のシーケンスの他例のタイムチャート 炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成を示す図 0.5%希フッ酸に対するエッチングレートを示す図 トリアゾール系化合物を示す図 オキサトリアゾール系化合物を示す図 テトラゾール系化合物を示す図 トリアジン系化合物を示す図 テトラジン系化合物(1,2,3,4−テトラジン系化合物)を示す図 テトラジン系化合物(1,2,3,5−テトラジン系化合物)を示す図 ベンゾトリアゾール系化合物を示す図 ベンゾトリアジン系化合物を示す図 ベンゾテトラジン系化合物を示す図 この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を実施することが可能な成膜装置の第1例を概略的に示す縦断面図 この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を実施することが可能な成膜装置の第2例を概略的に示す水平断面図
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図にわたり、共通の部分には共通の参照符号を付す。
<炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法>
図1はこの発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法のシーケンスの一例を示す流れ図、図2は図1に示すシーケンスのタイムチャート、図3A〜図3Hは図1に示すシーケンス中の被処理体の状態を概略的に示す断面図である。
まず、図1中のステップ1および図3Aに示すように、被処理体を成膜装置の処理室101内に搬入する。被処理体は、本例においては、例えば、表面にシリコン酸化物膜2が形成されたシリコンウエハ(以下ウエハという)1である。シリコン酸化物膜2の一例はSiO膜である。処理室101内にウエハ1を搬入した後、処理室101内を排気し(図2中のt0〜t1)、引き続き処理室101内を不活性ガスにてパージする(図2中のt1〜t2)。不活性ガスの一例は、窒素(N)ガスである。
次に、図1中のステップ2および図3Bに示すように、処理室101に、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとを同時に供給する(図2中のt2〜t3)。シリコン原料ガスおよび炭窒化ガスの供給は、処理室101の排気口129と排気装置とを接続する排気管中に設けられたバルブVの開度を絞った状態、又はバルブVを閉じた状態で行う。なお、図2および図3Bには、バルブVを閉じた状態が示されている。バルブVの例としては排気用メインバルブや、開度調節が可能な圧力調整バルブなどを挙げることができる。また、シリコン原料ガスの一例はジクロロシラン(DCS)である。炭窒化ガスに含まれる炭化剤兼窒化剤としては、本実施形態では含窒素複素環化合物ガスを用いる。含窒素複素環化合物ガスの一例は1H−1,2,3−トリアゾールである。
ステップ2の処理条件の一例は、
DCS流 量 : 1slm
トリアゾール流量: 300sccm
処 理 時 間 : 11sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 133.3Paから533.2Paに向けて上昇
(1Torrから4Torrに向けて上昇)
(本明細書においては1Torrを133.3Paと定義する)
である。ステップ2においては、本例では不活性ガスを所定の流量で供給し続けるが、不活性ガスの供給を停止することも可能である。また、処理温度の一例として380℃を挙げているが、本例では炭窒化ガスとして含窒素複素環化合物ガスを用いるので、例えば、NH等の窒化ガスに比較して、より低温でシリコン窒化物膜を成膜することが可能となる。その成膜可能温度帯は380℃の前後、180℃以上600℃未満、より好ましくは200℃以上550℃以下である。よって、処理温度は、180℃以上600℃未満の範囲の温度帯から選択されること、より好ましくは200℃以上550℃以下の範囲の温度帯から選択されることがよい。
次に、図1中のステップ3および図3Cに示すように、バルブVの開度を絞った状態、又はバルブVを閉じた状態のまま、シリコン原料ガス(DCSガス)および炭窒化ガス(トリアゾールガス)の供給を止め、処理室101内を、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとの混合雰囲気で保持する(図2中のt3〜t4)。これにより、ウエハ1の被処理面、本例ではシリコン酸化物膜2の表面上には、第1層炭素含有シリコン窒化物層3−1が形成される。
ステップ3の処理条件の一例は、
処 理 時 間 : 74sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 533.2Paから上昇
(4Torrから上昇)
である。ステップ3においては、本例では不活性ガスを所定の流量で供給し続けるが、不活性ガスの供給を停止することも可能である。不活性ガスの供給を停止した場合、処理圧力は約533.2Paで均衡する。
次に、図1中のステップ4および図3Dに示すように、バルブVを開ける。そして、不活性ガスを処理室101内に供給しながら、排気装置により処理室101内を排気し、処理室内を不活性ガスでパージする(図2中のt4〜t5)。
次に、図1中のステップ5および図3Eに示すように、被処理面上に得られた炭素含有シリコン窒化物層3−1を、さらに処理する(図2中のt5〜t6)。本例における処理は窒化処理であるが、酸化処理も可能である。また、窒化処理と酸化処理とを同時に行うことも可能である。
本例では、ステップ5における窒化処理を、ノンプラズマのサーマルプロセスを用いて行うようにしている。そして、サーマル窒化に使用される処理ガスとしては、窒化剤として含窒素複素環化合物ガスとは異なる窒素化合物ガスを含有する他の窒化ガスが利用される。本例における処理ガスは、窒化剤としてNHガスを含有している。なお、ステップ5は、バルブVを、例えば、開けた状態で実施される。
処理が窒化処理の場合、ステップ5の処理条件の一例は、
NH流 量 : 3slm
処 理 時 間 : 30sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 最大666.5Paまでの範囲(最大Torrまでの範囲)
である。
また、処理が酸化処理とする場合、ステップ5における酸化処理もまた、ノンプラズマのサーマルプロセスを用いて行う。酸化剤の一例はOガスである。この場合もステップ5は、バルブVを、例えば、開けた状態で実施される。
処理が酸化処理の場合、ステップ5の処理条件の一例は、
流 量 : 3slm
処 理 時 間 : 30sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 最大666.5Pa(最大5Torr)
である。
なお、ステップ5において使用される処理ガスは、図4に示すシーケンスの他例のタイムチャートに示されるように、ステップ2において(図4中のt2〜t3の期間)、処理室101内に、シリコン原料ガスおよび炭窒化ガスとともに供給することも可能である。
このように、ステップ2において、処理室101内に、シリコン原料ガスと炭窒化ガスと処理ガスとを同時に供給すると、処理室101内に、シリコン原料ガスおよび炭窒化ガスのみを同時に供給する場合に比較して、炭素含有シリコン窒化物膜の成膜レートが向上する、という利点を得ることができる。
次に、図1中のステップ6および図3Fに示すように、処理ガス(アンモニアガス)および不活性ガスの供給を止め、排気装置により処理室101内を排気する(図2中のt6〜t1)。ここまでのステップ、即ち図2中に示す時刻t1からt1までを1サイクルとする。
次に、図1中のステップ7において、サイクル数が設定された回数か否かを判断する。設定された回数ではない(No)と判断された場合には、ステップ2に戻り、ステップ2からステップ6までを繰り返す。これにより、ウエハ1の被処理面上には、例えば、図3Gに示すように、第2層炭素含有シリコン窒化物層3−2が形成される。反対に、設定された回数である(Yes)と判断された場合には、この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を終了する。このような成膜方法をウエハ1の被処理面に対し実施することで、図3Hに示すように、ウエハ1の被処理面上には、設計された膜厚Tを持つ炭素含有シリコン窒化物膜3が成膜される。
このような一実施形態に係る炭素シリコン窒化物膜の成膜方法によれば、まず、炭窒化ガスに含まれる炭化剤兼窒化剤として含窒素複素環化合物ガスを用いる。このため、窒化ガスとしてNHガス、カーボンドープガス(炭化剤)として炭化水素を用いる場合に比較して、成膜可能温度帯を下げることが可能となる。例えば、成膜可能温度帯は180℃以上600℃未満の範囲、より好ましくは200℃以上550℃以下の範囲まで下げることができる。
また、炭化剤兼窒化剤として含窒素複素環化合物ガスを用いることで、プラズマを用いずに、熱的な活性化のみを用いて炭素含有シリコン窒化物膜を成膜したとしても、プラズマを用いた場合と同等の成膜レートを確保することが可能となる。この理由の一つとして、以下のような理由を挙げることができる。
含窒素複素環化合物ガス、例えば、1H−1,2,3−トリアゾール系化合物は、五員環内に“N=N−N”結合を含んでいる。この結合のうち“N=N”の部分は、窒素(N、N≡N)になろうとして分解する性質がある。このため、1H−1,2,3−トリアゾール系化合物は、通常の開環開裂と異なり、多数の箇所で開裂・分解を起こす特性がある。つまり、“N≡N”を生じるために、化合物内に電子的不飽和状態が起きる。このように1H−1,2,3−トリアゾール系化合物が開裂・分解することで得られた分解物は活性である。このため、成膜温度が低温、例えば、200℃以上550℃以下の温度帯においても、Si膜を、炭素を含有させつつ窒化することが可能となる。
しかも、一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法では、ステップ2において説明したように、処理室101内に、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとを同時に供給する。このため、処理室101内に、シリコン原料ガスとカーボンドープガスと窒化ガスとを順次に供給していく場合に比較して、炭素含有シリコン窒化物膜の成膜レートの更なる向上が可能となる、という利点をも得ることができる。
よって、一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法によれば、成膜温度を低温化しても、成膜レートの低下を抑制でき、かつ、膜中の炭素濃度を十分に高めることも可能な炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を得ることができる。
さらに、一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法によれば、以下のような利点をも得ることができる。
<炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成>
図5は、炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成を示す図である。図5には、下記3つの場合の炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成が示されている。
(A) 処理なし
・ステップ2の処理条件:
DCS流 量 : 1slm
トリアゾール流量: 300sccm
NH流 量 : 1slm
処 理 時 間 : 11sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 133.3Paから533.2Paに向けて上昇
(1Torrから4Torrに向けて上昇)
・ステップ3の処理条件:
処 理 時 間 : 74sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 533.2Paから上昇
(4Torrから上昇)
・ステップ5はなし
(B) サーマルNH
・ステップ2、3の処理条件(A)におなじ
・ステップ5の処理条件:
NH流 量 : 3slm
処 理 時 間 : 30sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 最大666.5Pa(最大5Torr)
(C) サーマルO
・ステップ2、3の処理条件(A)におなじ
・ステップ5の処理条件:
流 量 : 3slm
処 理 時 間 : 30sec
処 理 温 度 : 380℃
処 理 圧 力 : 最大666.5Pa(最大5Torr)
“処理なし”の場合、炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成は、
Si: 30.2at%
O : 26.9at%
C : 16.7at%
N : 26.3at%
であった。なお、炭素含有シリコン窒化物膜中には、上記一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法のシーケンス中では使用されていない酸素原子(O)が含まれている。このO原子は、例えば、被処理面に吸着していたO原子や、被処理面のシリコン酸化物膜2に含まれたO原子に由来するもの、と考えることができる。このように、上記一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法に従って成膜された炭素含有シリコン窒化物膜はSiとOとCとNとを含む膜となり、SiOCN膜となる。なお、膜組成の合計値は100.1%となっているが、これは四捨五入の関係による。
“サーマルNH”、即ちステップ5において窒化処理を行った場合、炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成は、
Si: 33.7at%
O : 14.9at%
C : 15.8at%
N : 35.6at%
であった。一実施形態で説明したシーケンスに従って成膜したSiOCN膜に、さらにステップ5において熱的な窒化処理を行うと、Si原子が増加、N原子が大幅に増加、C原子が横ばいから微減、O原子が大きく減少する、という傾向があることが分かった。
SiOCN膜中のO原子の量は、特に、SiOCN膜の比誘電率を左右する。ステップ5において熱的な窒化処理を行うと、SiOCN膜中のO原子の量を減らすことができる。したがって、SiOCN膜の比誘電率を高めたい場合(High−k化)に、ステップ5において熱的な窒化処理を行うとよい。
また、O原子の減少量は、熱的な窒化処理の条件を変えることによって調節することができる。したがって、SiOCN膜の比誘電率は、ステップ5における熱的な窒化処理の条件を変えることで、制御することが可能となる。
また、“サーマルO”、即ちステップ5において酸化処理を行った場合、炭素含有シリコン窒化物膜の膜組成は、
Si: 31.2at%
O : 26.2at%
C : 11.5at%
N : 31.1at%
であった。一実施形態で説明したシーケンスに従って成膜したSiOCN膜に、さらにステップ5において熱的な酸化処理を行うと、Si原子が横ばいから微増、O原子が横ばいから微減、C原子が減少、N原子が増加する、という傾向があることが分かった。
SiOCN膜中のC原子の量は、特に、エッチング耐性を左右する。図6に、0.5%希フッ酸に対するエッチングレートを示す。
図6には、下記3つの場合のエッチングレートが示されている。
(D) シリコン酸化物膜(ALD法を用いて成膜したSiO膜)
(E) シリコン窒化物膜(ALD法を用いて成膜したSiN膜)
(F) 炭素含有シリコン窒化物膜(上記(A)に対応するSiOCN膜)
図6に示すように、0.5%希フッ酸を用いたウェットエッチングにおいては、SiO膜は、1分間あたり約30nmエッチングされる。また、SiN膜は、1分間あたり約12〜13nmエッチングされる。つまり、SiO膜とSiN膜(Cを全く、もしくはほとんど含まないシリコン窒化物膜)との間には、1分間あたり約17〜18nmのエッチングレート差がある。
これらのSiO膜およびSiN膜に対してSiOCN膜は、1分間あたり約2〜3nmしかエッチングされない。このため、SiOCN膜は、SiO膜に対して1分間あたり約27〜28nmという大きなエッチングレート差を持つ。さらに、SiN膜に対してもSiOCN膜は、1分間あたり約10nmのエッチングレート差を持つ。
このようにSiOCN膜は、例えば、0.5%希フッ酸に対してエッチングされにくい、という性質が得られる。これは、窒化ガスに含まれる窒化剤として、含窒素複素環化合物ガスを用いたことにより、含窒素複素環化合物ガスに含まれたアルキル基のC原子が、シリコン窒化物膜の膜中に取り込まれたためである、と推測される。
一実施形態で説明したシーケンスに従って成膜したSiOCN膜に、さらにステップ5において熱的な酸化処理を行うと、SiOCN膜中のC原子の量を減らすことができる。このため、SiOCN膜のエッチング耐性を下げたい場合、即ち、より加工しやすい膜としたい場合に、ステップ5において熱的な酸化処理を行うとよい。
また、C原子の減少量は、熱的な酸化処理の条件を変えることによって調節することができる。したがって、SiOCN膜のエッチング耐性は、ステップ5における熱的な酸化処理の条件を変えることで、制御することが可能となる。
<含窒素複素環化合物>
次に、この発明の一実施形態に使用可能な含窒素複素環化合物について説明する。
この発明の実施形態に使用可能な含窒素複素環化合物ガスの例としては、
トリアゾール系化合物(図7A)
オキサトリアゾール系化合物(図7B)
テトラゾール系化合物(図7C)
トリアジン系化合物(図7D)
テトラジン系化合物(図7E:1,2,3,4−テトラジン系化合物、図7F:1,2,3,5−テトラジン系化合物)
ベンゾトリアゾール系化合物(図7G)
ベンゾトリアジン系化合物(図7H)
ベンゾテトラジン系化合物(図7I)
の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。
ただし、図7A〜図7Iに示す式において、R〜Rはそれぞれ、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基である。
上記炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、
メチル基
エチル基
n−プロピル基
イソプロピル基
n−ブチル基
イソブチル基
t−ブチル基
n−ペンチル基
イソペンチル基
t−ペンチル基
n−ヘキシル基
イソヘキシル基
t−ヘキシル基
n−ヘプチル基
イソヘプチル基
t−ヘプチル基
n−オクチル基
イソオクチル基
t−オクチル基
等を挙げることができる。上記アルキル基において、実用上、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基である。さらに好ましくはメチル基である。
上記置換基としては、炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されている直鎖状又は分岐状のモノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基であってもよい。具体的には
モノメチルアミノ基
ジメチルアミノ基
モノエチルアミノ基
ジエチルアミノ基
モノプロピルアミノ基
モノイソプロピルアミノ基
エチルメチルアミノ基
である。実用上、好ましくはモノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基である。さらに好ましくはジメチルアミノ基である。
さらに、上記置換基としては、炭素原子数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基であってもよい。具体的には
メトキシ基
エトキシ基
プロポキシ基
ブトキシ基
ペントキシ基
ヘキシルオキシ基
ヘプチルオキシ基
オクチルオキシ基
である。実用上、好ましくは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基である。さらに好ましくは、メトキシ基である。
また、例えば、図7Aに示す式で示される含窒素複素環化合物ガスは、1,2,3−トリアゾール系化合物を含むガスである。1,2,3−トリアゾール系化合物の具体的な例としては、
1H−1,2,3−トリアゾール
1−メチル−1,2,3−トリアゾール
1,4−ジメチル−1,2,3−トリアゾール
1,4,5−トリメチル−1,2,3−トリアゾール
1−エチル−1,2,3−トリアゾール
1,4−ジエチル−1,2,3−トリアゾール
1,4,5−トリエチル−1,2,3−トリアゾール
等を挙げることができる。なお、1,2,3−トリアゾール系化合物は、単独又は二種以上を混合して使用してもよい。
なお、オキサトリアゾール系化合物(図7B)、テトラゾール系化合物(図7C)、トリアジン系化合物(図7D)、テトラジン系化合物(図7Eおよび図7F)、ベンゾトリアゾール系化合物(図7G)、ベンゾトリアジン系化合物(図7H)、並びにベンゾテトラジン系化合物(図7I)については具体例の例示は省略するが、トリアゾール系化合物のように様々な具体例があることは言うまでもない。
<処理ガス>
次に、この発明の一実施形態に使用可能な処理ガスについて説明する。
ステップ5において使用可能な処理ガスとしては、例えば、
NH

NO
NO



の少なくとも一つを含むガスを挙げることができる。上記処理ガスのうち、NHはステップ5における処理が窒化処理の場合に使用することができる。また、O、O、およびHOはステップ5における処理が酸化処理の場合、NO、NO、およびNOはステップ5における処理が窒化および酸化処理の場合に使用することができる。
<成膜装置:第1例>
次に、この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を実施することが可能な成膜装置の第1例について説明する。
図8はこの発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を実施することが可能な成膜装置の第1例を概略的に示す縦断面図である。
図8に示すように、成膜装置100は、下端が開口された有天井の円筒体状の処理室101を有している。処理室101の全体は、例えば、石英により形成されている。処理室101内の天井には、石英製の天井板102が設けられている。処理室101の下端開口部には、例えば、ステンレススチールにより円筒体状に成形されたマニホールド103がOリング等のシール部材104を介して連結されている。
マニホールド103は処理室101の下端を支持している。マニホールド103の下方からは、縦型ウエハボート105が処理室101内に挿入される。縦型ウエハボート105は、複数本の図示せぬ支持溝が形成されたロッド106を複数本有しており、上記支持溝に被処理体として複数枚、例えば、50〜100枚の半導体基板、本例では、ウエハ1の周縁部の一部を支持させる。これにより、縦型ウエハボート105には、ウエハ1が多段に載置される。
縦型ウエハボート105は、石英製の保温筒107を介してテーブル108上に載置される。テーブル108は、マニホールド103の下端開口部を開閉する、例えば、ステンレススチール製の蓋部109を貫通する回転軸110上に支持される。回転軸110の貫通部には、例えば、磁性流体シール111が設けられ、回転軸110を気密にシールしつつ回転可能に支持している。蓋部109の周辺部とマニホールド103の下端部との間には、例えば、Oリングよりなるシール部材112が介設されている。これにより処理室101内のシール性が保持されている。回転軸110は、例えば、ボートエレベータ等の昇降機構(図示せず)に支持されたアーム113の先端に取り付けられている。これにより、縦型ウエハボート105および蓋部109等は、一体的に昇降されて処理室101内に対して挿脱される。
成膜装置100は、処理室101内に、処理に使用するガスを供給する処理ガス供給機構114を有している。本例の処理ガス供給機構114は、シリコン原料ガス供給源117a、炭窒化ガス供給源117b、処理ガス供給源117c、および不活性ガス供給源117dを含む。
シリコン原料ガス供給源117aから供給されるシリコン原料ガスは、図1に示したステップ2において利用され、その一例はDCSガスである。炭窒化ガス供給源117bから供給される炭窒化ガスは、図1に示したステップ2において利用され、その一例は1H−1,2,3−トリアゾールガスである。処理ガス供給源117cから供給される処理ガスは、図1に示したステップ5や、ステップ2およびステップ5において利用され、その一例はNHガスである。不活性ガス供給源117dから供給される不活性ガスは処理室101内に供給されるガスの希釈や、パージ処理等に利用され、その一例はNガスである。
シリコン原料ガス供給源117aは、流量制御器121aおよび開閉弁122aを介して、分散ノズル123aに接続されている。また、炭窒化ガス供給源117bは、流量制御器121bおよび開閉弁122bを介して分散ノズル123b(図8には図示せず)に接続されている。また、処理ガス供給源117cは、流量制御器121cおよび開閉弁122cを介して分散ノズル123cに接続されている。不活性ガス供給源117dは、流量制御器121dおよび開閉弁122dを介して、ノズル128に接続されている。ノズル128は、マニホールド103の側壁を貫通し、その先端から不活性ガスを、水平方向に吐出させる。
分散ノズル123a〜123cは石英管よりなり、マニホールド103の側壁を内側へ貫通して上方向へ屈曲されて垂直に延びる。分散ノズル123a〜123cの垂直部分には、複数のガス吐出孔124が所定の間隔を隔てて形成されている。これにより、各ガスは、ガス吐出孔124から水平方向に処理室101内に向けて略均一に吐出される。
分散ノズル123a〜123cに対して反対側に位置する処理室101の側壁部分には、処理室101内を排気するための排気口129が設けられている。排気口129は処理室101の側壁を上下方向へ削りとることによって細長く形成されている。処理室101の排気口129に対応する部分には、排気口129を覆うように断面がコの字状に成形された排気口カバー部材130が溶接により取り付けられている。排気口カバー部材130は、処理室101の側壁に沿って上方に延びており、処理室101の上方にガス出口131を規定している。ガス出口131には、真空ポンプ等を含む排気機構132が、バルブVを介して接続される。排気機構132は、処理室101内を排気することで処理に使用した処理ガスの排気、および処理室101内の圧力を処理に応じた処理圧力とする。
処理室101の外周には筒体状の加熱装置133が設けられている。加熱装置133は、処理室101内に供給されたガスを活性化するとともに、処理室101内に収容された被処理体、本例ではウエハ1を加熱する。
成膜装置100の各部の制御は、例えばマイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるコントローラ150により行われる。コントローラ150には、オペレータが成膜装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うタッチパネルや、成膜装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース151が接続されている。
コントローラ150には記憶部152が接続されている。記憶部152は、成膜装置100で実行される各種処理をコントローラ150の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて成膜装置100の各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわちレシピが格納される。レシピは、例えば、記憶部152の中の記憶媒体に記憶される。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよいし、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。レシピは、必要に応じて、ユーザーインターフェース151からの指示等にて記憶部152から読み出され、読み出されたレシピに従った処理をコントローラ150が実行することで、成膜装置100は、コントローラ150の制御のもと、所望の処理を実施する。
上記一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法は、図8に示したような成膜装置100を用い、コントローラ150によって、一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法が実行されるように、シリコン原料ガス供給源117a、炭窒化ガス供給源117b、処理ガス供給源117c、排気機構132、加熱装置133、およびバルブVを制御することによって実施することができる。
<成膜装置:第2例>
図9はこの発明の実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法を実施することが可能な成膜装置の第2例を概略的に示す水平断面図である。
成膜装置としては図8に示したような縦型バッチ式に限られるものではない。例えば、図9に示すような水平型バッチ式であってもよい。図9には水平型バッチ式の成膜装置200の処理室の水平断面が概略的に示されている。なお、図9においては、処理ガス供給機構、排気装置、加熱装置、およびコントローラ等の図示は省略する。
図9に示すように、成膜装置200は、ターンテーブル201上に、例えば、5枚のウエハ1を載置し、5枚のウエハ1に対して成膜処理を行う。ターンテーブル201は、ウエハ1を載置した状態で、例えば、時計回りに回転される。成膜装置200の処理室202は4つの処理ステージに別れており、ターンテーブル201が回転することによって、ウエハ1は、4つの処理ステージを順番に廻る。
最初の処理ステージPS1は、図1に示したステップ2、3を行うステージである。本例の処理ステージPS1においては、ウエハ1の被処理面上へのシリコン原料ガスと炭窒化ガスと処理ガスとの同時供給が行われる。処理ステージPS1の、例えば、上流側には、シリコン原料ガスを供給するガス供給管203a、炭窒化ガスを供給するガス供給管203b、および処理ガスを供給するガス供給管203cが配置されている。ガス供給管203a〜203cは、ターンテーブル201に載置されて廻ってきたウエハ1の被処理面上に向かって、シリコン原料ガス、炭窒化ガス、および処理ガスを供給する。処理ステージPS1の下流側には排気口204が設けられている。ウエハ1が処理ステージPS1を移動している間、ステージPS1内の雰囲気は、シリコン原料ガス、炭窒化ガス、および処理ガスの混合雰囲気となっており、これにより、ステップ3が行われる。
なお、処理ステージPS1は、ウエハ1を処理室202内に搬入、搬出する搬入搬出ステージでもある。ウエハ1は、処理室202内にウエハ搬入搬出口205を介して搬入搬出される。搬入搬出口205はゲートバルブ206によって開閉される。処理ステージPS1の次のステージは、処理ステージPS2である。
処理ステージPS2は、例えば、図2に示した期間t4〜t5、即ち、パージ処理を行うステージである。処理ステージPS2は狭隘な空間となっており、ウエハ1は、狭隘な空間の中をターンテーブル201に載置された状態でくぐり抜ける。狭隘な空間の内部には、ガス供給管207から不活性ガスが供給される。処理ステージPS2の次は、処理ステージPS3である。
処理ステージPS3は、図1に示したステップ5を行うステージである。処理ステージPS3の上方には、ガス供給管208が配置されている。ガス供給管208は、ターンテーブル201に載置されて廻ってきたウエハ1の被処理面上に向かって、処理ガスを供給する。処理ステージPS3の下流側には排気口209が設けられている。処理ステージPS3の次は、処理ステージPS4である。
処理ステージPS4は、図2に示した期間t1〜t2を行うステージ、即ち、パージ処理を行うステージである。処理ステージPS4は、処理ステージPS2と同様に、狭隘な空間となっており、ウエハ1は、狭隘な空間の中をターンテーブル201に載置された状態でくぐり抜ける。狭隘な空間の内部には、ガス供給管210から、不活性ガスが供給される。処理ステージPS4の次は、最初のステージである処理ステージPS1に戻る。
このように成膜装置200においては、ウエハ1が一周廻ることで、例えば、図1に示したステップ1〜ステップ6が完了する。ウエハ1はターンテーブル201に載置された状態で、設定回数まで回転させることで、ウエハ1の被処理面上に、炭素含有シリコン窒化物膜を上記一実施形態で説明した成膜方法に従って成膜することができる。
この発明の一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法は、図9に示すような成膜装置200を用いることによっても、実施することができる。
以上、この発明を一実施形態によって説明したが、この発明は、上記一実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々に変形して実施することが可能である。また、この発明の実施形態は、上記一実施形態が唯一のものでもない。
例えば、上記実施形態においては、処理条件を具体的に例示したが、処理条件は、上記具体的な例示に限られるものではない。例えば、ガスの流量等は、処理室の容積に応じて適宜調整することができる。
また、シリコン原料ガスであるが、上記実施形態ではDCSガスを用いたが、DCSガスに限られるものではなく、DCS以外のクロロシラン系ガスを用いることも可能である。さらには、クロロシラン系ガスに限られるものでもなく、クロロジシラン以上の高次クロロシラン系ガスを用いることも可能である。もちろん、クロロシラン系ガス以外でも、塩素を含まないシラン系ガスや、ジシラン以上の高次シラン系ガスを用いてもよい。
また、上記一実施形態に係る炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法によれば、酸素を使用しなくても、膜中にはO原子が取り込まれる。このO原子は、上述したように、被処理面に吸着していたO原子や、被処理面のシリコン酸化物膜2に含まれたO原子に由来するものである。このようなO原子を積極的に利用し、膜中により多くのO原子を取り込みたい場合には、処理室101内に搬入する前に、ウエハ1を、酸素を含む雰囲気に曝すこと、あるいはO原子をウエハ1の被処理面に吸着させる処理を行うことも有効である。
その他、この発明はその要旨を逸脱しない範囲で様々に変形することができる。
1…シリコンウエハ、2…シリコン酸化物膜、3…炭素含有シリコン窒化物膜、3−1…第1層炭素含有シリコン窒化物層、3−2…第2層炭素含有シリコン窒化物層。

Claims (8)

  1. 被処理体の被処理面上に、炭素含有シリコン窒化物膜を成膜する炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法であって、
    (1) 前記被処理体を、成膜装置の処理室内に搬入する工程と、
    (2) 前記処理室に、シリコン原料ガスと炭窒化ガスとを同時に供給する工程と、
    (3) 前記処理室内を、前記シリコン原料ガスと前記炭窒化ガスとの混合雰囲気で保持する工程と、
    (4) 前記被処理面上に得られた炭素含有シリコン窒化物層を、さらに処理する工程と、
    (5) 前記処理室内を排気する工程と、
    を具備し、
    前記(2)工程から前記(5)工程までを、設定された回数まで繰り返し行い、
    前記炭窒化ガスが、炭化剤兼窒化剤として含窒素複素環化合物ガスを含有し、
    前記(4)工程において窒化処理および酸化処理の少なくともいずれか一方を行うことを特徴とする炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  2. 前記(2)工程において、前記処理室内に、前記(4)工程において使用される処理ガスを、さらに供給することを特徴とする請求項1に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  3. 前記(2)工程および前記(3)工程は、前記処理室の排気口と排気装置との間に接続されたバルブの開度を絞った状態、又は前記バルブを閉じた状態で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  4. 前記(2)工程および前記(3)工程は、180℃以上600℃未満の範囲にある温度帯で行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  5. 前記含窒素複素環化合物ガスは、
    トリアゾール系化合物
    オキサトリアゾール系化合物
    テトラゾール系化合物
    トリアジン系化合物
    テトラジン系化合物
    ベンゾトリアゾール系化合物
    ベンゾトリアジン系化合物
    ベンゾテトラジン系化合物
    の少なくとも一つを含むガスからから選択されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  6. 前記(4)工程において使用される処理ガスは、
    NH

    NO
    NO



    の少なくとも一つを含むガスからから選択されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  7. 前記被処理体を前記処理室内に搬入する前に、
    前記被処理体を、酸素を含む雰囲気に曝す、又は前記被処理体の被処理面に酸素原子を吸着させる処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法。
  8. 被処理体の被処理面上に、炭素含有シリコン窒化物膜を成膜する成膜装置であって、
    前記被処理体を収容する処理室と、
    前記処理室内に、処理に使用するガスを供給する処理ガス供給機構と、
    前記処理室内に収容された前記被処理基板を加熱する加熱装置と、
    前記処理室内を排気口および排気弁を介して排気する排気機構と、
    前記処理ガス供給機構、前記加熱装置、および前記排気機構を制御するコントローラと、を具備し、
    前記コントローラが、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法が実施されるように前記処理ガス供給機構、前記加熱装置、前記排気機構を制御することを特徴とする成膜装置。
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