JP2006063065A - アルキルテトラゾール誘導体及び該誘導体を用いた窒素含有膜の製造方法並びにアルキルテトラゾール誘導体の精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、以下、MOCVD法という。)を用いてSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等の窒素含有膜を低温成膜する際の窒素源として好適なアルキルテトラゾール誘導体及び該誘導体を用いた窒素含有膜の製造方法並びにアルキルテトラゾール誘導体の精製方法に関するものである。
シリコン基板等の半導体基板上にシリコン窒化膜を形成する方法として、主にシリコン基板を表面から窒化する方法と、CVD法を用いてシリコン窒化膜を成膜する方法とが行われている。これらのうち、特にモノシランガスとアンモニアガスからなる原料ガスを、加熱した触媒を介してシリコン基板上に供給して、該基板上にシリコン窒化膜を成膜する触媒CVD法が用いられている。
しかし、窒素源としてアンモニアガスを用いた場合、アンモニアガスは環境に対して有害であるため、その流量を低減する必要性があ亜mるった。また、得られるシリコン窒化膜の基板面内での膜厚均一性が悪いなどの問題点も有していた。
しかし、窒素源としてアンモニアガスを用いた場合、アンモニアガスは環境に対して有害であるため、その流量を低減する必要性があ亜mるった。また、得られるシリコン窒化膜の基板面内での膜厚均一性が悪いなどの問題点も有していた。
上記諸問題を解決する方策として、シランガス及びアンモニアガスに水素ガスを添加したガスを、触媒体に接触させた後、基板の上に供給することを特徴とするシリコン窒化膜の成膜方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、成膜原料であるシランガス及びアンモニアガスに水素ガスを含ませることで、シリコン窒化膜の成膜において、大きな成膜速度を得るとともに、半導体基板の過昇温を抑制することができる。また得られるシリコン窒化膜の膜厚均一性を改善でき、更にアンモニアガスの使用量を低減できる。
特開2003−309119号公報(請求項1、段落[0005]及び段落[0006])
しかし、上記特許文献1に示される方法においてMOCVD法用窒素源として使用されているアンモニアガスは安定性が高すぎるため、基板上で成膜に寄与し得る有機Si化合物との中間体が形成され難い問題を有していた。また、触媒を使用せずに成膜する場合には600℃以上で成膜する必要があった。そのため、アンモニアガスに代わる新たなMOCVD法用窒素源として好適な化合物が検討されていた。
本発明の目的は、低温での成膜に適し、かつ高い成膜速度が得られるアルキルテトラゾール誘導体及び該誘導体を用いた窒素含有膜の製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、MOCVD法用窒素源としての用途に適したアルキルテトラゾール誘導体の精製方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、MOCVD法用窒素源としての用途に適したアルキルテトラゾール誘導体の精製方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、MOCVD法用原料であって、次の式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体である。
請求項1に係る発明では、上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体をMOCVD法用原料の一つである窒素源として使用することで、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度で窒素含有膜を成膜することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、不純物が15%以下であるアルキルテトラゾール誘導体である。
請求項2に係る発明では、不純物が15%以下、具体的には下記式(2)で表される誘導異性体を含む不純物の割合を15%以下とすることで良好なMOCVD法用窒素源として使用することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の誘導体を用いてMOCVD法により窒素含有膜を製造することを特徴とする窒素含有膜の製造方法である。
請求項3に係る発明では、上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体を用いてMOCVD法により、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度でSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等の窒素含有膜を製造することができる。
請求項2に係る発明では、不純物が15%以下、具体的には下記式(2)で表される誘導異性体を含む不純物の割合を15%以下とすることで良好なMOCVD法用窒素源として使用することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の誘導体を用いてMOCVD法により窒素含有膜を製造することを特徴とする窒素含有膜の製造方法である。
請求項3に係る発明では、上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体を用いてMOCVD法により、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度でSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等の窒素含有膜を製造することができる。
請求項4に係る発明は、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に2価の金属塩を混合して誘導体の金属塩を形成する工程と、誘導体金属塩を再結晶して精製する工程と、精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して添加液をろ過する工程と、ろ過したろ液を濃縮してアルキルテトラゾール誘導体精製物を得る工程とを含むことを特徴とするアルキルテトラゾール誘導体の精製方法である。
請求項4に係る発明では、上記各工程を経ることで、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に含まれる誘導異性体を容易に取除くことができるため、MOCVD法用窒素源として好適な高純度のアルキルテトラゾール誘導体が得られる。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、金属塩を構成する2価の金属元素が銅、ニッケル又はコバルトである精製方法である。
請求項4に係る発明では、上記各工程を経ることで、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に含まれる誘導異性体を容易に取除くことができるため、MOCVD法用窒素源として好適な高純度のアルキルテトラゾール誘導体が得られる。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、金属塩を構成する2価の金属元素が銅、ニッケル又はコバルトである精製方法である。
本発明は、MOCVD法用原料であって、上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体である。このような上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体をMOCVD法用原料の一つである窒素源として使用することで、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度でSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等の窒素含有膜を成膜することができる。
また、本発明の窒素含有膜の製造方法によれば、上記誘導体を用いてMOCVD法により窒素含有膜を製造することを特徴とする。上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体を用いてMOCVD法により、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度でSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等の窒素含有膜を製造することができる。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体の精製方法によれば、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に2価の金属塩を混合して誘導体の金属塩を形成する工程と、誘導体金属塩を再結晶して精製する工程と、精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して添加液をろ過する工程と、ろ過したろ液を濃縮してアルキルテトラゾール誘導体精製物を得る工程とを含むことを特徴とする。上記各工程を経ることで、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に含まれる誘導異性体を容易に取除くことができるため、MOCVD法用原料の一つである窒素源として好適な高純度のアルキルテトラゾール誘導体が得られる。
また、本発明の窒素含有膜の製造方法によれば、上記誘導体を用いてMOCVD法により窒素含有膜を製造することを特徴とする。上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体を用いてMOCVD法により、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度でSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等の窒素含有膜を製造することができる。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体の精製方法によれば、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に2価の金属塩を混合して誘導体の金属塩を形成する工程と、誘導体金属塩を再結晶して精製する工程と、精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して添加液をろ過する工程と、ろ過したろ液を濃縮してアルキルテトラゾール誘導体精製物を得る工程とを含むことを特徴とする。上記各工程を経ることで、アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に含まれる誘導異性体を容易に取除くことができるため、MOCVD法用原料の一つである窒素源として好適な高純度のアルキルテトラゾール誘導体が得られる。
本発明者らは、アンモニアガスに代わる新たなMOCVD法用窒素源として好適な化合物に関して鋭意研究した結果、その環状複素環構造に窒素を含むアルキルテトラゾール誘導体をMOCVD法用窒素源として使用することにより、低温での成膜に適し、かつ高い成膜速度が得られることを確認した。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体は、MOCVD法用原料であって、次の式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体である。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体は、MOCVD法用原料であって、次の式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体である。
上記式(1)で表される構造を有するアルキルテトラゾール誘導体をMOCVD法用原料の一つである窒素源として使用することで、500℃以下の低温条件下でかつ高い成膜速度が得られる。上記式(1)で表されるアルキルテトラゾール誘導体を例示すると、テトラゾール、メチルテトラゾール、エチルテトラゾール、ノルマルプロピルテトラゾール、イソプロピルテトラゾール、ノルマルブチルテトラゾール、イソブチルテトラゾール、ターシャリーブチルテトラゾール、ノルマルペンチルテトラゾール、イソペンチルテトラゾール、ターシャリーペンチルテトラゾール、ネオペンチルテトラゾール等が挙げられる。
また、本発明のアルキルテトラゾール誘導体によれば、不純物が15%以下の誘導体が好ましい。具体的には下記式(2)で表される誘導異性体を含む不純物が15%以下のアルキルテトラゾール誘導体はMOCVD法用原料の一つである窒素源として好適である。不純物を15%以下としたのは、成膜の際に、炭素を多く含む誘導異性体によって膜中に炭素が含まれてしまい、成膜安定性に劣るためである。特に、好ましい不純物割合は、5%以下である。
次に、本発明のアルキルテトラゾール誘導体の精製方法を説明する。
アルキルテトラゾール誘導体の代表的な用途として、次の(1)〜(3)に示す技術が知られている。
(1) 自動車用エアバック又はプリテンショナーに有用なガス発生剤組成物。
(2) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(3) チタン、タングステン又はチタンタングステン合金のエッチング液。
上記(1)〜(3)に示される用途に供せられているアルキルテトラゾール誘導体を合成する際には、次の式(2)に示されるR1、R2又はR3のいずれかにアルキル基を有する誘導異性体が所望のアルキルテトラゾール誘導体とともに合成されてしまう問題がある。
アルキルテトラゾール誘導体の代表的な用途として、次の(1)〜(3)に示す技術が知られている。
(1) 自動車用エアバック又はプリテンショナーに有用なガス発生剤組成物。
(2) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
(3) チタン、タングステン又はチタンタングステン合金のエッチング液。
上記(1)〜(3)に示される用途に供せられているアルキルテトラゾール誘導体を合成する際には、次の式(2)に示されるR1、R2又はR3のいずれかにアルキル基を有する誘導異性体が所望のアルキルテトラゾール誘導体とともに合成されてしまう問題がある。
上記式(2)に示されるような誘導異性体は分離し難く、また、このような誘導異性体を含むアルキルテトラゾール誘導体をMOCVD法用原料の一つである窒素源として使用した場合、熱分解時に誘導異性体に含まれる炭素が膜中に入り込んでしまい、安定性に劣ることが考えられる。そのため本発明の精製方法では、以下に示す工程を施すことで、アルキルテトラゾール誘導体から上記式(2)に示される誘導異性体を分離して、アルキルテトラゾール誘導体に含まれる不純物濃度を低減することにより、良好なMOCVD法用原料とする。
先ず、市販されているアルキルテトラゾール誘導体の粗生成物を用意する。この市販されているアルキルテトラゾール誘導体は、通常純度が40〜50%程度であり、この市販アルキルテトラゾール誘導体には、上記式(2)で表される誘導異性体が含まれている。このアルキルテトラゾール誘導体の粗生成物に2価の金属塩を混合して誘導体の金属塩を形成する。2価の金属塩を構成する2価の金属元素として銅やニッケル、コバルト等が好適である。この実施の形態では酢酸銅(Cu(CH3COO)2)を使用する。具体的には、アルキルテトラゾール誘導体の粗生成物に酢酸銅を添加して次の式(3)に示す反応を起こさせて、アルキルテトラゾール誘導体を銅に配位させた銅錯体である誘導体金属塩の固形物を生成させる。
次いで、上記式(3)に示される反応で得られた誘導体金属塩固形物を再結晶等の手法により精製する。精製により酢酸が除去されるとともに、不純物として含まれていた誘導異性体も除去される。
次に、精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して次の式(4)に示す反応を起こさせて、この誘導体金属塩を分解する。希塩酸によって誘導体金属塩を分解すると、アルキルテトラゾール誘導体と銅、塩化物イオンが得られる。
次に、精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して次の式(4)に示す反応を起こさせて、この誘導体金属塩を分解する。希塩酸によって誘導体金属塩を分解すると、アルキルテトラゾール誘導体と銅、塩化物イオンが得られる。
続いて、アルキルテトラゾール誘導体と銅の塩化物を含む添加液をろ過する。ろ過を施すことで、ろ液側にはアルキルテトラゾール誘導体が、ろ過残渣側には銅の塩化物がそれぞれ分離される。
更に、得られたろ液を濃縮することで、高純度のアルキルテトラゾール誘導体精製物が得られる。このような上記工程を複数回繰返すことで、より高い純度のアルキルテトラゾール誘導体が得られる。
更に、得られたろ液を濃縮することで、高純度のアルキルテトラゾール誘導体精製物が得られる。このような上記工程を複数回繰返すことで、より高い純度のアルキルテトラゾール誘導体が得られる。
本発明の窒素含有膜の製造方法は、前述した本発明のアルキルテトラゾール誘導体を用いてMOCVD法により窒素含有膜を製造することを特徴とする。本発明のアルキルテトラゾール誘導体を用い、MOCVD法により窒素含有膜を製造する方法を説明する。
図1に示すように、MOCVD装置は、成膜室10と蒸気発生装置11を備える。成膜室10の内部にはヒータ12が設けられ、ヒータ12上には基板13が保持される。この成膜室10の内部は圧力センサー14、コールドトラップ15及びニードルバルブ16を備える配管17により真空引きされる。成膜室10にはニードルバルブ36、ガス流量調節装置34を介して本発明のアルキルテトラゾール誘導体を窒素源とする窒素源導入管37が接続される。蒸気発生装置11には、有機Si化合物などを原料として貯留する原料容器18が備えられる。原料容器18にはガス流量調節装置19を介して加圧用不活性ガス導入管21が接続され、また原料容器18には供給管22が接続される。供給管22にはニードルバルブ23及び流量調節装置24が設けられ、供給管22は気化室26に接続される。気化室26にはニードルバルブ31、ガス流量調節装置28を介してキャリアガス導入管29が接続される。気化室26は更に配管27により成膜室10に接続される。また気化室26には、ガスドレイン32及びドレイン33がそれぞれ接続される。
この装置では、加圧用不活性ガスが導入管21から原料容器18内に導入され、原料容器18に貯蔵されている原料液を供給管22により気化室26に搬送する。気化室26で気化されて蒸気となった有機Si化合物は、更にキャリアガス導入管29から気化室26へ導入されたキャリアガスにより配管27を経て成膜室10内に供給される。成膜室10内において、有機Si化合物の蒸気を熱分解させ、窒素源導入管37より導入された本発明のアルキルテトラゾール誘導体ガスと反応させることにより、生成したシリコン窒化物を加熱された基板13上に堆積させてシリコン窒化膜を形成する。加圧用不活性ガス、キャリアガスには、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体は、500℃以下の低温で熱分解し、高い成膜速度が得られるため、MOCVD法用窒素源として使用することで、窒素含有膜を成膜するための窒素源として好適である。
図1に示すように、MOCVD装置は、成膜室10と蒸気発生装置11を備える。成膜室10の内部にはヒータ12が設けられ、ヒータ12上には基板13が保持される。この成膜室10の内部は圧力センサー14、コールドトラップ15及びニードルバルブ16を備える配管17により真空引きされる。成膜室10にはニードルバルブ36、ガス流量調節装置34を介して本発明のアルキルテトラゾール誘導体を窒素源とする窒素源導入管37が接続される。蒸気発生装置11には、有機Si化合物などを原料として貯留する原料容器18が備えられる。原料容器18にはガス流量調節装置19を介して加圧用不活性ガス導入管21が接続され、また原料容器18には供給管22が接続される。供給管22にはニードルバルブ23及び流量調節装置24が設けられ、供給管22は気化室26に接続される。気化室26にはニードルバルブ31、ガス流量調節装置28を介してキャリアガス導入管29が接続される。気化室26は更に配管27により成膜室10に接続される。また気化室26には、ガスドレイン32及びドレイン33がそれぞれ接続される。
この装置では、加圧用不活性ガスが導入管21から原料容器18内に導入され、原料容器18に貯蔵されている原料液を供給管22により気化室26に搬送する。気化室26で気化されて蒸気となった有機Si化合物は、更にキャリアガス導入管29から気化室26へ導入されたキャリアガスにより配管27を経て成膜室10内に供給される。成膜室10内において、有機Si化合物の蒸気を熱分解させ、窒素源導入管37より導入された本発明のアルキルテトラゾール誘導体ガスと反応させることにより、生成したシリコン窒化物を加熱された基板13上に堆積させてシリコン窒化膜を形成する。加圧用不活性ガス、キャリアガスには、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体は、500℃以下の低温で熱分解し、高い成膜速度が得られるため、MOCVD法用窒素源として使用することで、窒素含有膜を成膜するための窒素源として好適である。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、市販されている上記式(1)で表されるRがHのテトラゾール粗生成物を用意した。このテトラゾール粗生成物に酢酸銅を混合して誘導体金属塩の固形物を生成させた。得られた誘導体金属塩固形物を再結晶により精製した。精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して誘導体金属塩を、テトラゾールと銅、塩化物イオンに分解した。続いて、テトラゾールと銅の塩化物を含む添加液をろ過し、得られたろ液を濃縮することにより、テトラゾールを得た。上記工程を10回繰返すことにより市販テトラゾールを精製した。精製したテトラゾールを1H−NMR法により分析したところ、テトラゾールに含まれる不純物濃度は15%であった。この不純物濃度が15%のテトラゾールを窒素源として用いた。また、基板としてシリコン基板を4枚用意した。次いで、基板を図1に示すMOCVD装置の成膜室に設置した。次に、基板温度を400℃、気化温度を300℃、圧力を約1.33kPa(10torr)にそれぞれ設定した。有機Si化合物としてSiH4を、窒素源としてテトラゾールを、キャリアガスとしてArガスを用い、その分圧を100ccmの割合でそれぞれ供給し、成膜時間が5分となったときに成膜室より取出してそれぞれシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。また、有機Si化合物をヘキサジクロロジシラン、TrDMAS及びTDMASにそれぞれ変更した以外は成膜条件を代えずにシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例1>
先ず、市販されている上記式(1)で表されるRがHのテトラゾール粗生成物を用意した。このテトラゾール粗生成物に酢酸銅を混合して誘導体金属塩の固形物を生成させた。得られた誘導体金属塩固形物を再結晶により精製した。精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して誘導体金属塩を、テトラゾールと銅、塩化物イオンに分解した。続いて、テトラゾールと銅の塩化物を含む添加液をろ過し、得られたろ液を濃縮することにより、テトラゾールを得た。上記工程を10回繰返すことにより市販テトラゾールを精製した。精製したテトラゾールを1H−NMR法により分析したところ、テトラゾールに含まれる不純物濃度は15%であった。この不純物濃度が15%のテトラゾールを窒素源として用いた。また、基板としてシリコン基板を4枚用意した。次いで、基板を図1に示すMOCVD装置の成膜室に設置した。次に、基板温度を400℃、気化温度を300℃、圧力を約1.33kPa(10torr)にそれぞれ設定した。有機Si化合物としてSiH4を、窒素源としてテトラゾールを、キャリアガスとしてArガスを用い、その分圧を100ccmの割合でそれぞれ供給し、成膜時間が5分となったときに成膜室より取出してそれぞれシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。また、有機Si化合物をヘキサジクロロジシラン、TrDMAS及びTDMASにそれぞれ変更した以外は成膜条件を代えずにシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例2>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをMeとしたメチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例3>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをEtとしたエチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例4>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをn−Prとしたノルマルプロピルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをMeとしたメチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例3>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをEtとしたエチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例4>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをn−Prとしたノルマルプロピルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例5>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをi−Prとしたイソプロピルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例6>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをn−Buとしたノルマルブチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例7>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをi−Buとしたイソブチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例8>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをt−Buとしたターシャリーブチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをi−Prとしたイソプロピルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例6>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをn−Buとしたノルマルブチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例7>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをi−Buとしたイソブチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例8>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをt−Buとしたターシャリーブチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例1>
窒素源としてN2を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例2>
窒素源としてNH3を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
窒素源としてN2を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例2>
窒素源としてNH3を用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例9〜16>
成膜時間を10分にした以外は実施例1〜8と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例3,4>
成膜時間を10分にした以外は比較例1,2と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
成膜時間を10分にした以外は実施例1〜8と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例3,4>
成膜時間を10分にした以外は比較例1,2と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例17〜24>
成膜時間を20分にした以外は実施例1〜8と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例5,6>
成膜時間を20分にした以外は比較例1,2と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
成膜時間を20分にした以外は実施例1〜8と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例5,6>
成膜時間を20分にした以外は比較例1,2と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例25〜32>
成膜時間を30分にした以外は実施例1〜8と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例7,8>
成膜時間を30分にした以外は比較例1,2と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
成膜時間を30分にした以外は実施例1〜8と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較例7,8>
成膜時間を30分にした以外は比較例1,2と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較試験1>
実施例1〜32及び比較例1〜8でそれぞれ得られたシリコン窒化膜について以下の膜厚試験及び段差被覆性試験を行った。
(1)成膜時間あたりの膜厚試験
成膜を終えた基板上のシリコン窒化膜を断面SEM(走査型電子顕微鏡)像から膜厚を測定した。
実施例1〜32及び比較例1〜8でそれぞれ得られたシリコン窒化膜について以下の膜厚試験及び段差被覆性試験を行った。
(1)成膜時間あたりの膜厚試験
成膜を終えた基板上のシリコン窒化膜を断面SEM(走査型電子顕微鏡)像から膜厚を測定した。
(2)段差被覆性試験
成膜を終えた基板上のシリコン窒化膜を断面SEM(走査型電子顕微鏡)像から段差被覆性を測定した。段差被覆性とは図2に示される溝等の段差のある基板41に薄膜42を成膜したときのa/bの数値で表現される。a/bが1.0であれば、基板の平坦部分と同様に溝の奥まで均一に成膜されているため、段差被覆性は良好であるといえる。逆にa/bが1.0未満の数値であれば、基板の平坦部分よりも溝の奥の方が成膜度合いが大きく、a/bが1.0を越える数値であれば、溝の奥まで成膜し難く、それぞれ段差被覆性は悪いとされる。
成膜を終えた基板上のシリコン窒化膜を断面SEM(走査型電子顕微鏡)像から段差被覆性を測定した。段差被覆性とは図2に示される溝等の段差のある基板41に薄膜42を成膜したときのa/bの数値で表現される。a/bが1.0であれば、基板の平坦部分と同様に溝の奥まで均一に成膜されているため、段差被覆性は良好であるといえる。逆にa/bが1.0未満の数値であれば、基板の平坦部分よりも溝の奥の方が成膜度合いが大きく、a/bが1.0を越える数値であれば、溝の奥まで成膜し難く、それぞれ段差被覆性は悪いとされる。
<評価>
実施例1〜8及び比較例1,2でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表1に、実施例9〜16及び比較例3,4でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表2に、実施例17〜24及び比較例5,6でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表3に、実施例25〜32及び比較例7,8でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表4にそれぞれ示す。なお、表1〜表4中の上段は成膜時間あたりの膜厚を、下段は段差被覆性をそれぞれ示す。
実施例1〜8及び比較例1,2でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表1に、実施例9〜16及び比較例3,4でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表2に、実施例17〜24及び比較例5,6でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表3に、実施例25〜32及び比較例7,8でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表4にそれぞれ示す。なお、表1〜表4中の上段は成膜時間あたりの膜厚を、下段は段差被覆性をそれぞれ示す。
表1〜表4より明らかなように、従来の窒素源である比較例1のN2ガス、比較例2のNH3ガスを用いて得られたシリコン窒化膜は、時間が進んでも膜厚が厚くならず、成膜の安定性が悪いことが判る。また段差被覆性も非常に悪い結果が得られた。この結果からN2ガスやNH3ガスは低温成膜における窒素源には適さないことが判る。これに対して窒素源として実施例1〜32の本発明のアルキルテトラゾール誘導体を用いて得られたシリコン窒化膜は、成膜時間あたりの膜厚が非常に厚く、比較例1及び2の窒素源を用いた場合に比べて非常に成膜速度が高く、成膜安定性が高い結果が得られた。更に、段差被覆性も1.0に近い数値が得られており、基板の平坦部分と同様に溝の奥まで均一に成膜されていることが判った。
<実施例33>
精製工程を21回繰返すことにより、市販テトラゾールを精製した。精製したテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は5%であった。この不純物濃度が5%のテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例34>
精製工程を7回繰返すことにより、市販テトラゾールを精製した。精製したテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は17%であった。この不純物濃度が17%のテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例35>
市販テトラゾールを用意し、この市販テトラゾールを分析したところ、不純物濃度は50%であった。この不純物濃度が50%の市販テトラゾールをそのまま窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
精製工程を21回繰返すことにより、市販テトラゾールを精製した。精製したテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は5%であった。この不純物濃度が5%のテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例34>
精製工程を7回繰返すことにより、市販テトラゾールを精製した。精製したテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は17%であった。この不純物濃度が17%のテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例35>
市販テトラゾールを用意し、この市販テトラゾールを分析したところ、不純物濃度は50%であった。この不純物濃度が50%の市販テトラゾールをそのまま窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例36>
精製工程を21回繰返すことにより、市販のエチルテトラゾールを精製した。精製したエチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は5%であった。この不純物濃度が5%のエチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例37>
精製工程を7回繰返すことにより、市販のエチルテトラゾールを精製した。精製したエチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は17%であった。この不純物濃度が17%のエチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例38>
市販エチルテトラゾールを用意し、この市販エチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は50%であった。この不純物濃度が50%の市販エチルテトラゾールをそのまま窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
精製工程を21回繰返すことにより、市販のエチルテトラゾールを精製した。精製したエチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は5%であった。この不純物濃度が5%のエチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例37>
精製工程を7回繰返すことにより、市販のエチルテトラゾールを精製した。精製したエチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は17%であった。この不純物濃度が17%のエチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例38>
市販エチルテトラゾールを用意し、この市販エチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は50%であった。この不純物濃度が50%の市販エチルテトラゾールをそのまま窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例39>
精製工程を28回繰返すことにより、市販のターシャリーブチルテトラゾールを精製した。精製したターシャリーブチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は5%であった。この不純物濃度が5%のターシャリーブチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例40>
精製工程を7回繰返すことにより、市販のターシャリーブチルテトラゾールを精製した。精製したターシャリーブチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は17%であった。この不純物濃度が17%のターシャリーブチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例41>
市販ターシャリーブチルテトラゾールを用意し、この市販ターシャリーブチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は50%であった。この不純物濃度が50%の市販ターシャリーブチルテトラゾールをそのまま窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
精製工程を28回繰返すことにより、市販のターシャリーブチルテトラゾールを精製した。精製したターシャリーブチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は5%であった。この不純物濃度が5%のターシャリーブチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例40>
精製工程を7回繰返すことにより、市販のターシャリーブチルテトラゾールを精製した。精製したターシャリーブチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は17%であった。この不純物濃度が17%のターシャリーブチルテトラゾールを窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例41>
市販ターシャリーブチルテトラゾールを用意し、この市販ターシャリーブチルテトラゾールを分析したところ、不純物濃度は50%であった。この不純物濃度が50%の市販ターシャリーブチルテトラゾールをそのまま窒素源として用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較試験2>
実施例33〜41でそれぞれ得られたシリコン窒化膜について前述した比較試験1と同様の膜厚試験及び段差被覆性試験を行った。
<評価>
実施例1,33〜35でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表5に、実施例3,36〜38でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表6に、実施例8,39〜41でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表7にそれぞれ示す。なお、表5〜表7中の上段は成膜時間あたりの膜厚を、下段は段差被覆性をそれぞれ示す。
実施例33〜41でそれぞれ得られたシリコン窒化膜について前述した比較試験1と同様の膜厚試験及び段差被覆性試験を行った。
<評価>
実施例1,33〜35でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表5に、実施例3,36〜38でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表6に、実施例8,39〜41でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表7にそれぞれ示す。なお、表5〜表7中の上段は成膜時間あたりの膜厚を、下段は段差被覆性をそれぞれ示す。
表5〜表7よりそれぞれ明らかなように、アルキルテトラゾール誘導体中に含まれる不純物濃度の多寡によって膜厚試験結果及び段差被覆性試験結果に違いが見られた。即ち、不純物濃度が17%や50%と高いアルキルテトラゾール誘導体を用いて得られたシリコン窒化膜は、不純物濃度が5%や15%と低いアルキルテトラゾール誘導体を用いて得られたシリコン窒化膜に比べて、同じ成膜時間でも膜厚が厚くなりにくく、段差被覆性も0.6〜0.8の範囲に留まる結果となった。この結果からアルキルテトラゾール誘導体に含まれる不純物濃度が少なければ少ないほど、好ましくは不純物濃度を15%以下に低減したアルキルテトラゾール誘導体がMOCVD法用原料の一つである窒素源として優れた効果を発揮する傾向が判った。
<実施例42>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをn−Pentとしたノルマルペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例43>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをi−Pentとしたイソペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例44>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをt−Pentとしたターシャリーペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例45>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをneo−Pentとしたネオペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをn−Pentとしたノルマルペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例43>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをi−Pentとしたイソペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例44>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをt−Pentとしたターシャリーペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例45>
窒素源として不純物濃度が15%の上記式(1)で表されるRをneo−Pentとしたネオペンチルテトラゾールを用いた以外は実施例1と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例46〜49>
成膜時間を10分にした以外は実施例42〜45と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例50〜53>
成膜時間を20分にした以外は実施例42〜45と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例54〜57>
成膜時間を30分にした以外は実施例42〜45と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
成膜時間を10分にした以外は実施例42〜45と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例50〜53>
成膜時間を20分にした以外は実施例42〜45と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<実施例54〜57>
成膜時間を30分にした以外は実施例42〜45と同様にしてシリコン基板上にシリコン窒化膜を成膜した。
<比較試験3>
実施例42〜57でそれぞれ得られたシリコン窒化膜について前述した比較試験1と同様の膜厚試験及び段差被覆性試験を行った。
<評価>
実施例42〜45でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表8に、実施例46〜49でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表9に、実施例50〜53でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表10に、実施例54〜57でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表11にそれぞれ示す。なお、表8〜表11中の上段は成膜時間あたりの膜厚を、下段は段差被覆性をそれぞれ示す。
実施例42〜57でそれぞれ得られたシリコン窒化膜について前述した比較試験1と同様の膜厚試験及び段差被覆性試験を行った。
<評価>
実施例42〜45でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表8に、実施例46〜49でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表9に、実施例50〜53でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表10に、実施例54〜57でそれぞれ得られたシリコン窒化膜の結果を表11にそれぞれ示す。なお、表8〜表11中の上段は成膜時間あたりの膜厚を、下段は段差被覆性をそれぞれ示す。
表8〜表11より明らかなように、窒素源として実施例42〜57の本発明のアルキルテトラゾール誘導体を用いて得られたシリコン窒化膜は、成膜時間あたりの膜厚が非常に厚く、非常に成膜速度が高く、成膜安定性が高い結果が得られた。更に、段差被覆性も1.0に近い数値が得られており、基板の平坦部分と同様に溝の奥まで均一に成膜されていることが判った。
本発明のアルキルテトラゾール誘導体は、MOCVD法を用いてSiNx膜やSiON膜、HfSiON膜等を低温成膜する際の窒素源としてだけでなく、ランタンやタンタル、チタン等の金属を含む窒素含有膜を形成する際の窒素源としても適用できる。
10 成膜室
11 蒸気発生装置
11 蒸気発生装置
Claims (5)
- 不純物が15%以下である請求項1記載のアルキルテトラゾール誘導体。
- 請求項1又は2記載の誘導体を用いて有機金属化学気相成長法により窒素含有膜を製造することを特徴とする窒素含有膜の製造方法。
- アルキルテトラゾール誘導体粗生成物に2価の金属塩を混合して前記誘導体の金属塩を形成する工程と、
前記誘導体金属塩を再結晶して精製する工程と、
前記精製した誘導体金属塩に希塩酸を添加して前記添加液をろ過する工程と、
前記ろ過したろ液を濃縮してアルキルテトラゾール誘導体精製物を得る工程と
を含むことを特徴とするアルキルテトラゾール誘導体の精製方法。 - 金属塩を構成する2価の金属元素が銅、ニッケル又はコバルトである請求項4記載の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005215693A JP2006063065A (ja) | 2004-07-27 | 2005-07-26 | アルキルテトラゾール誘導体及び該誘導体を用いた窒素含有膜の製造方法並びにアルキルテトラゾール誘導体の精製方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004218833 | 2004-07-27 | ||
JP2005215693A JP2006063065A (ja) | 2004-07-27 | 2005-07-26 | アルキルテトラゾール誘導体及び該誘導体を用いた窒素含有膜の製造方法並びにアルキルテトラゾール誘導体の精製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006063065A true JP2006063065A (ja) | 2006-03-09 |
Family
ID=36109846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005215693A Withdrawn JP2006063065A (ja) | 2004-07-27 | 2005-07-26 | アルキルテトラゾール誘導体及び該誘導体を用いた窒素含有膜の製造方法並びにアルキルテトラゾール誘導体の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006063065A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016164932A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 東京エレクトロン株式会社 | シリコン窒化物膜の成膜方法および成膜装置 |
JP2016164295A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 東京エレクトロン株式会社 | 炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法および成膜装置 |
-
2005
- 2005-07-26 JP JP2005215693A patent/JP2006063065A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016164295A (ja) * | 2015-03-06 | 2016-09-08 | 東京エレクトロン株式会社 | 炭素含有シリコン窒化物膜の成膜方法および成膜装置 |
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