JP2003335740A - タンタル錯体及び該錯体を含む有機金属化学蒸着法用溶液原料並びにこれを用いて作製されたタンタル含有薄膜 - Google Patents

タンタル錯体及び該錯体を含む有機金属化学蒸着法用溶液原料並びにこれを用いて作製されたタンタル含有薄膜

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JP2003335740A
JP2003335740A JP2002139710A JP2002139710A JP2003335740A JP 2003335740 A JP2003335740 A JP 2003335740A JP 2002139710 A JP2002139710 A JP 2002139710A JP 2002139710 A JP2002139710 A JP 2002139710A JP 2003335740 A JP2003335740 A JP 2003335740A
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Atsushi Sai
篤 齋
Katsumi Ogi
勝実 小木
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で安定した気化が行われ、高い成膜速度
で高純度の所望のタンタル含有薄膜が得られる有機金属
化学蒸着用の溶液原料を提供する。銅薄膜の下地として
そのバリア性に優れた高純度のタンタル含有薄膜を提供
する。 【解決手段】 次の式(1)で示されるタンタル錯体で
ある。 【化3】 但し、Rはエチル基であって、R’は炭素数6〜11の
直鎖又は分岐状アルキル基である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の配線
に用いられる銅(Cu)薄膜を形成加工する際の下地バ
リアとしてのタンタル含有薄膜を形成するためのタンタ
ル錯体及びこの錯体を含む有機金属化学蒸着法用溶液原
料に関する。更に詳しくは有機金属化学蒸着(Metal Or
ganic Chemical Vapor Deposition、以下、MOCVD
という。)法によりタンタル含有薄膜を形成するための
タンタル錯体及びこの錯体を含む溶液原料及びこれから
作られたタンタル含有薄膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅及び銅系合金は、高い導電性、エレク
トロマイグレーション耐性からLSIの配線材料として
応用されている。銅はシリコン酸化膜を通じて基板内に
簡単に拡散してしまう問題があるため、銅により配線を
行う際には、銅薄膜とシリコン酸化膜の間に下地バリア
メタル薄膜を形成し、銅の拡散を防止している。
【0003】この種の下地バリアメタル薄膜として窒化
チタン膜よりバリア性が高い窒化タンタル膜が知られて
いる。これまでMOCVD法で窒化タンタル膜を作製す
る報告例は少なく、最近になって固体のペンタジメチル
アミノタンタル(Ta(N(CH3)2)5;以下、PDMA
Tという。)やペンタジエチルアミノタンタル(Ta
(N(C25)2)5;以下、PDEATという。)をアルコ
ールに溶解した溶液原料を用いて窒化タンタル膜を作製
する試みがなされている。
【0004】しかし、上記溶液原料で窒化タンタル膜を
MOCVD法で作製すると、原料に含まれる化合物が熱
的安定性に乏しく、成膜が進行するに従って、気化器内
部で分解が加速度的に起こり、膜を堆積するはずの成膜
室では分解した配位子に起因する有機物のみが気化して
他の有機物の気化を妨げ、不均一で安定しない原料の供
給が行われていた。このため従来の窒化タンタル膜形成
用の溶液原料では、成膜速度が小さく、また堆積状態
(as deposited)で膜中に炭素や酸素がそれぞれ30a
tm%以上残留し、所望の窒化タンタル膜を高純度で作
製することが困難であった。また、この形成した窒化タ
ンタル膜の上に銅薄膜を施した場合、窒化タンタル膜と
銅との密着性が悪く、極めて剥離し易い問題もあった。
また、所望の窒化タンタル膜を作製するためには600
℃程度の高い成膜温度が必要であり、後工程で半導体デ
バイスを作製するためには、低温での成膜による低抵抗
率の窒化タンタル膜を形成することが望まれていた。
【0005】これら上記諸問題を解決する方策の一つと
して、Ta=Nを含む前駆体とTa=Nを含まない前駆
体とからなる複数のTa含有有機金属前駆体、アンモニ
アガス及びキャリアガスを反応容器中に導入して、有機
金属前駆体とアンモニアとを反応させ、TaNxからな
る膜をウェハー上に形成させる金属膜の形成方法が開示
されている(特開2001−11631)。この公報で
は、この複数の前駆体として、RN=Ta(N(R')2)3
及びTa(N(R'')2)n(但し、R,R'及びR''はそれ
ぞれC1〜C5アルキル基であって、お互いに同じであっ
ても異なっていてもよく、nは4又は5である。)から
選ばれる前駆体が挙げられている。そして、それぞれの
前駆体とアンモニアとの反応性が異なることを利用し
て、それぞれ異なる化学量論比のTaNxを形成し、低
温プロセスで抵抗率の低減を実現することができる金属
膜を形成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開20
01−11631号公報に示されたTa含有有機金属前
駆体、特にR及びR'がそれぞれC1〜C5アルキル基で
あるTa=Nを含む前駆体を用いてタンタル含有薄膜を
形成した場合、この前駆体は化学的に不安定となり、部
分的に多量化物を形成し易いため、気化安定性や成膜再
現性が得られにくい問題があった。
【0007】本発明の目的は、均一で安定した気化が行
われ、高い成膜速度で高純度の所望のタンタル含有薄膜
が得られるタンタル錯体及びこの錯体を含む有機金属化
学蒸着用の溶液原料を提供することにある。本発明の別
の目的は、銅薄膜の下地としてそのバリア性に優れた高
純度のタンタル含有薄膜を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
次の式(1)で示されるタンタル錯体である。
【0009】
【化2】 但し、Rはエチル基であって、R’は炭素数6〜11の
直鎖又は分岐状アルキル基である。
【0010】請求項1に係る発明では、上記式(1)で
示される一般式のR’を炭素数6〜11の直鎖又は分岐
状アルキル基にすることにより、化学的に安定になるた
め、本発明の目的が達成される。具体的には、従来の炭
素数1〜5のR’の低級分子によって多量化物が形成し
易い問題を解消し、タンタル錯体の分子の大きさを均一
に揃え、更にその構造に立体障害を持たせることによ
り、タンタル錯体同士の多量化を抑制し、分子レベルで
気化安定性を大きく改善した。R’の炭素数が6未満で
あると、低級分子によって低分解性物質が形成される不
具合を生じる。炭素数が11を越えると分子量の増大し
て分解温度が低くなり、気化中に分解する不具合を生じ
る。R’の炭素数は6〜8が好ましい。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1記載のタ
ンタル錯体を有機溶媒に溶解したことを特徴とする有機
金属化学蒸着法用溶液原料である。請求項2に係る溶液
原料をMOCVD法により気相成長させると、均一で安
定した気化が行われ、高い成膜速度で高純度の所望のタ
ンタル含有薄膜が得られる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、有機溶媒が飽和炭化水素及びエステル化合
物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物で
ある溶液原料である。請求項4に係る発明は、請求項3
に係る発明であって、飽和炭化水素が、炭素数6〜10
の直鎖状又は分岐状炭化水素である溶液原料である。請
求項5に係る発明は、請求項3又は4に係る発明であっ
て、飽和炭化水素が、ヘキサン、シクロヘキサン、メチ
ルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、プロピルシ
クロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、n-オクタン、イ
ソオクタン、n-デカン及びn-ドデカンからなる群より選
ばれた1種又は2種以上の化合物である溶液原料であ
る。請求項6に係る発明は、請求項3に係る発明であっ
て、エステル化合物が、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル及び酢酸ペンチルからなる群より選ばれた1種又
は2種以上の化合物である溶液原料である。
【0013】請求項7に係る発明は、請求項2ないし6
いずれか記載の溶液原料を用いて有機金属化学蒸着法に
より作製されたタンタル含有薄膜である。請求項2ない
し6いずれか記載の溶液原料を用いて作製された窒化タ
ンタル薄膜は、銅薄膜の下地としてそのバリア性に優
れ、高純度である特長を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。本発明のタンタル錯体は、上記式
(1)で示される一般式のRがエチル基であって、R’
が炭素数6〜11の直鎖又は分岐状アルキル基であるタ
ンタル錯体である。従来のR’を炭素数1〜5のアルキ
ル基としたタンタル錯体を用いてMOCVD法によりタ
ンタル含有薄膜を形成した場合、化学的に不安定となる
問題を生じるため、部分的に多量化物ができ、気化速
度、熱安定性がばらつく結果、成膜速度が悪化し、反応
ガスとの反応性も低下する不具合があった。これに対し
て本発明のタンタル錯体は、R’を炭素数6〜11の直
鎖又は分岐状アルキル基としたため、熱的安定性のばら
つきを生じる問題を解消することができ、その構造に立
体障害を持たせ、多量化を抑制し、分子レベルで気化安
定性を大きく改善することができる。
【0015】本発明の溶液原料は、上記式(1)で示さ
れるタンタル錯体を有機溶媒に溶解したことを特徴とす
る有機金属化学蒸着法用溶液原料である。このタンタル
錯体と有機溶媒の配合比は任意であり、その使用用途
や、有機溶媒の種類によって適宜調製することが好まし
い。本発明の有機溶媒は、飽和炭化水素及びエステル化
合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物
が使用される。飽和炭化水素は、炭素数6〜10の直鎖
状又は分岐状炭化水素である。具体的には、ヘキサン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロ
ヘキサン、プロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキ
サン、n-オクタン、イソオクタン、n-デカン及びn-ドデ
カンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物
が挙げられる。また、エステル化合物は、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル及び酢酸ペンチルからなる群よ
り選ばれた1種又は2種以上の化合物が挙げられる。
【0016】本実施の形態では、MOCVD法には、各
溶液を加熱された気化器に供給し、ここで各溶液原料を
瞬時に気化させ、成膜室に送る溶液気化CVD法を用い
る。図1に示すように、MOCVD装置は、成膜室10
と蒸気発生装置11を備える。成膜室10の内部にはヒ
ータ12が設けられ、ヒータ12上には基板13が保持
される。この成膜室10の内部は圧力センサー14、コ
ールドトラップ15及びニードルバルブ16を備える配
管17により真空引きされる。成膜室10にはニードル
バルブ36、ガス流量調節装置34を介してNH3ガス
導入管37が接続される。蒸気発生装置11は原料容器
18を備え、この原料容器18は溶液原料を貯蔵する。
原料容器18にはガス流量調節装置19を介してキャリ
アガス導入管21が接続され、また原料容器18には供
給管22が接続される。供給管22にはニードルバルブ
23及び溶液流量調節装置24が設けられ、供給管22
は気化器26に接続される。気化器26にはニードルバ
ルブ31、ガス流量調節装置28を介してキャリアガス
導入管29が接続される。気化器26は更に配管27に
より成膜室10に接続される。また気化器26には、ガ
スドレイン32及びドレイン33がそれぞれ接続され
る。この装置では、N2、He、Ar等の不活性ガスか
らなるキャリアガスがキャリアガス導入管21から原料
容器18内に導入され、原料容器18に貯蔵されている
溶液原料を供給管22により気化器26に搬送する。気
化器26で気化されて蒸気となったタンタル錯体は、更
にキャリアガス導入管28から気化器26へ導入された
キャリアガスにより配管27を経て成膜室10内に供給
される。成膜室10内において、タンタル錯体の蒸気を
熱分解させ、NH3ガス導入管37より成膜室10内に
導入されるNH3ガスと反応させることにより、生成し
た窒化タンタルを加熱された基板13上に堆積させて窒
化タンタル薄膜を形成する。
【0017】本発明のタンタル錯体を含む溶液原料を用
いて作製された窒化タンタル薄膜は、銅薄膜の下地とし
てそのバリア性に優れ、高純度である特長を有する。こ
の窒化タンタル薄膜は、例えばシリコン基板表面のSi
2膜上にMOCVD法により形成され、この窒化タン
タル薄膜の上に銅薄膜がMOCVD法により形成され
る。なお、本発明の基板はその種類を特に限定されるも
のではない。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。 <実施例1>先ず、五塩化タンタル20gのヘキサン溶
液に所望のアミノアルカリ金属塩(ヘプチルアミノナト
リウム50g)を氷冷下、30分間反応させた。次い
で、この反応物をゆっくり室温まで戻した後にろ過し
た。次に、ろ液を50℃、50mmHg、2時間の条件
で濃縮し、目的とするジアミノタンタル化合物を20g
得た。得られたタンタル錯体を1H-NMRで測定したと
ころ、6.4ppm及び3.8ppmの結果を得た。ま
たこのタンタル錯体の赤外吸収スペクトルを測定したと
ころ、2600cm-1及び1600cm-1の位置にそれ
ぞれ吸収ピークを得た。これらの測定結果から((H
52)2N)3Ta=N(C715)に示されるタンタル錯体の
構造であることを同定した。この((H52)2N)3Ta=
N(C715)錯体の濃度がそれぞれ0.1モル濃度とな
るように有機溶媒であるn-オクタンに溶解してMOC
VD法用溶液原料を調製した。
【0019】<実施例2>有機溶媒をイソオクタンにし
た以外は実施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を
調製した。 <実施例3>有機溶媒をドデカンにした以外は実施例1
と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例4>有機溶媒をシクロヘキサンにした以外は実
施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例5>有機溶媒をメチルシクロヘキサンにした以
外は実施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製
した。 <実施例6>有機溶媒をエチルシクロヘキサンにした以
外は実施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製
した。
【0020】<実施例7>有機溶媒をプロピルシクロヘ
キサンにした以外は実施例1と同様にしてMOCVD用
溶液原料を調製した。 <実施例8>有機溶媒をブチルシクロヘキサンにした以
外は実施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製
した。 <実施例9>有機溶媒をヘキサンにした以外は実施例1
と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例10>有機溶媒をn-デカンにした以外は実施例
1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。
【0021】<実施例11>有機溶媒を酢酸メチルにし
た以外は実施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を
調製した。 <実施例12>有機溶媒を酢酸エチルにした以外は実施
例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例13>有機溶媒を酢酸ブチルにした以外は実施
例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例14>有機溶媒を酢酸ペンチルにした以外は実
施例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。
【0022】<実施例15〜28>タンタル錯体を((H
52)2N)3Ta=N(C613)錯体にした以外は実施例1
〜14と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例29〜42>タンタル錯体を((H52)2N)3
a=N(C817)錯体にした以外は実施例1〜14と同様
にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例43〜56>タンタル錯体を((H52)2N)3
a=N(C919)錯体にした以外は実施例1〜14と同様
にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例57〜70>タンタル錯体を((H52)2N)3
a=N(C1021)錯体にした以外は実施例1〜14と同
様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <実施例71〜84>タンタル錯体を((H52)2N)3
a=N(C1123)錯体にした以外は実施例1〜14と同
様にしてMOCVD用溶液原料を調製した。
【0023】<比較例1>タンタル錯体としてPDMA
T錯体を用意し、この錯体の濃度がそれぞれ0.1モル
濃度となるように有機溶媒であるヘキサンに溶解してM
OCVD法用溶液原料を調製した。 <比較例2>タンタル錯体をPDEAT錯体にした以外
は比較例1と同様にしてMOCVD用溶液原料を調製し
た。 <比較例3>タンタル錯体を((H52)2N)3Ta=N(C
511)錯体にした以外は実施例1と同様にしてMOCV
D用溶液原料を調製した。 <比較例4>タンタル錯体を((H52)2N)3Ta=N(C
49)錯体にした以外は実施例1と同様にしてMOCV
D用溶液原料を調製した。
【0024】<比較例5>タンタル錯体を((H52)
2N)3Ta=N(C37)錯体にした以外は実施例1と同様
にしてMOCVD用溶液原料を調製した。 <比較例6>タンタル錯体を((H52)2N)3Ta=N(C
25)錯体にした以外は実施例1と同様にしてMOCV
D用溶液原料を調製した。 <比較例7>タンタル錯体を((H52)2N)3Ta=N(C
3)錯体にした以外は実施例1と同様にしてMOCVD
用溶液原料を調製した。
【0025】<比較試験>実施例1〜84及び比較例1
〜7で得られた溶液原料をそれぞれ5種類用意した。基
板として、基板表面にSiO2膜(厚さ5000Å)が
熱酸化により形成されたシリコン基板を用意した。用意
した基板を図1に示すMOCVD装置の成膜室に設置
し、基板温度を450℃とした。気化温度を70℃、圧
力を2Torr即ち約266Paにそれぞれ設定した。
キャリアガスとしてArガスを用い、その流量を100
ccmとした。また反応ガスとしてNH3ガスを用い、
その流量を100ccmとした。溶液原料を0.01c
c/分の割合で供給し、1、5、10、20及び30分
となったときにそれぞれ1種類ごとに成膜室より取り出
し、基板上に成膜されたタンタル含有薄膜である窒化タ
ンタル薄膜について以下に示す試験を行った。
【0026】 膜厚測定 成膜を終えた基板上の窒化タンタル薄膜を断面SEM
(走査型電子顕微鏡)像から膜厚を測定した。
【0027】 剥離試験 各成膜時間で取り出した窒化タンタル薄膜の上に銅薄膜
をスパッタリング法により成膜し、この銅薄膜を形成し
た基板に対して剥離試験(JIS K 5600−5−
6)を行った。具体的には、先ず、基板上の銅薄膜にこ
の膜を貫通するように縦横それぞれ6本づつ等間隔に切
込みを入れて格子パターンを基板に形成した。次に、形
成した格子パターンの双方の対角線に沿って柔らかいは
けを用いて前後にブラッシングした。
【0028】 熱安定性評価試験 図2に示す試験装置を用いて以下の試験を行った。この
図2に示す装置は、図1に示すMOCVD装置の成膜室
を取り除いた構成を有する。先ず、室温で70℃に加熱
した気化器26まで溶液原料を搬送し、2Torrの減
圧下で70℃に加熱して溶液原料を気化させ、その後に
気化器26下段のポンプ側に設けられたコールドトラッ
プ15にて気化後の化合物を捕獲した。装置内に投入し
た原料に対する捕獲量からトラップ回収率を算出した。
また、圧力センサーにより気化器内部における圧力上昇
を測定した。例えば、表中の数値が60%閉塞ならば、
2Torrの1.60倍の圧力が気化器内で生じている
ことを表す。
【0029】実施例1〜84及び比較例1〜7で得られ
た溶液原料を用いた試験結果を表1〜12にそれぞれ示
す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】
【表11】
【0041】
【表12】
【0042】表11及び表12より明らかなように、比
較例1〜7の溶液原料を用いて成膜されたタンタル含有
薄膜は成膜時間当たりの膜厚にばらつきがあり、成膜再
現性が悪いことが判る。また成膜速度も非常に遅い。ま
た密着性評価試験では、殆どのサンプルにおいて基板表
面から銅薄膜が剥離してしまっていた。熱安定性評価試
験では、トラップ回収率が低く、大部分が装置内部に付
着してしまったと考えられる。また気化器内部の圧力上
昇値も成膜時間が長くなるにつれて上昇しており、分解
物が気化器内部や配管内部に付着して圧力上昇したと考
えられる。これに対して表1〜11より明らかなよう
に、実施例1〜84の溶液原料を用いて作製されたタン
タル含有薄膜は、成膜時間が進むに従って膜厚も厚くな
っており、成膜安定性が高いことが判る。密着性評価試
験では、銅薄膜が剥離する割合が低く、非常に密着性が
高いことが判る。熱安定性評価試験では、高いトラップ
回収率を示し、気化器内部の圧力上昇値も1%程度と殆
ど閉塞するおそれがない。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、上記式(1)に示す
タンタル錯体は、この一般式のR’を炭素数6〜11の
直鎖又は分岐状アルキル基にすることにより、化学的に
安定になるため、従来の炭素数1〜5のR’での熱的不
安定による多量化形成を解消し、タンタル錯体の分子の
大きさを均一に揃え、更にその構造に立体障害を持たせ
ることにより、タンタル錯体同士の多量化を抑制し、分
子レベルで気化安定性を大きく改善した化合物である。
このタンタル錯体を有機溶媒、飽和炭化水素及びエステ
ル化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化
合物に溶解した本発明のMOCVD用溶液原料は、銅薄
膜の下地としてそのバリア性に優れ、高純度である特長
を有する。本発明の溶液原料を用いてSiO2膜上にタ
ンタル含有薄膜を気相成長させる際、高い成膜速度で安
定な成膜が可能となる。得られたタンタル含有薄膜上へ
銅薄膜を作製する際に、成膜法を問わず、密着性に優れ
た銅薄膜が作製可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MOCVD装置の概略図。
【図2】本発明の実施例に使用される装置を示す概略
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木 勝実 茨城県那珂郡那珂町向山1002番地14 三菱 マテリアル株式会社総合研究所那珂研究セ ンター内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA03 AB99 4H050 AA01 AA03 AB99 WB14 4K030 AA11 AA13 BA17 BA38 4M104 BB32 DD45

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(1)で示されるタンタル錯体。 【化1】 但し、Rはエチル基であって、R’は炭素数6〜11の
    直鎖又は分岐状アルキル基である。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタンタル錯体を有機溶媒
    に溶解したことを特徴とする有機金属化学蒸着法用溶液
    原料。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が飽和炭化水素及びエステル化
    合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上の化合物
    である請求項2記載の溶液原料。
  4. 【請求項4】 飽和炭化水素が、炭素数6〜10の直鎖
    状又は分岐状炭化水素である請求項3記載の溶液原料。
  5. 【請求項5】 飽和炭化水素が、ヘキサン、シクロヘキ
    サン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、
    プロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、n-オ
    クタン、イソオクタン、n-デカン及びn-ドデカンからな
    る群より選ばれた1種又は2種以上の化合物である請求
    項3又は4記載の溶液原料。
  6. 【請求項6】 エステル化合物が、酢酸メチル、酢酸エ
    チル、酢酸ブチル及び酢酸ペンチルからなる群より選ば
    れた1種又は2種以上の化合物である請求項3記載の溶
    液原料。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6いずれか記載の溶液原
    料を用いて有機金属化学蒸着法により作製されたタンタ
    ル含有薄膜。
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