JP2016164217A - 樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた難燃性を有し、しかも燃焼後の残渣が充分な形状保持能力を有することにより、顕著な耐火性能を発現し、さらには耐候性、柔軟性、粘着性、及び抗菌性・防カビ性、および耐火性に優れた樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)酢酸ビニル含有率が10〜50質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体 17〜79.9質量%
(B)下記〔a〕及び〔b〕からなるリン酸アミン塩 10〜40質量%
リン酸アミン塩を100質量%として、
〔a〕ピロリン酸ピペラジン及び/又はポリリン酸ピペラジン 50〜65質量%
〔b〕ピロリン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンから選択される少なくとも1種のメラミン化合物 35〜50質量%
(C)酸化亜鉛 0.1〜3質量%
(D)膨張黒鉛 10〜40質量%
〔成分(A)〜(D)の合計は100質量%〕からなる樹脂組成物および同樹脂組成物からなる射出成形体または押出成形体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた難燃性及び耐火性能を有するとともに、優れた耐候性、柔軟性(D硬度)、粘着性及び抗菌性を有する樹脂組成物及びその成形体に関する。
膨張黒鉛を配合した樹脂組成物は、火災の際に不燃性の膨張黒鉛が非常に大きく膨張して、膨張断熱層を形成し、火炎の延焼をくい止めるため、耐火性材料として、特に建築分野に多く使用されている。
膨張黒鉛を配合した樹脂組成物に、リン化合物を添加することが、建築材料などの難燃性及び耐火性の向上に有効であることが記載された例を以下に示す。
エチレン−酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン、又はポリプロピレン/膨張黒鉛/トリフェニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム又はリン酸グアニジンなどのリン化合物からなる難燃性樹脂組成物が開示されている(特許文献1、実施例1〜18)が、UL94Vでの難燃性が、1/16インチ(1.6mm)V−0であり、建物火災においては、十分な難燃性能であるとは言えず、耐火性能はさらに不十分である。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体又は低密度ポリエチレン/膨張黒鉛/ポリリン酸アンモニウム/t-ブチルスルホン酸/水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムからなる耐火性の樹脂組成物が開示されて(特許文献2、実施例1〜3)いる。コーンカロリー燃焼試験機にて、照射熱量35kW/m(水平方向)で30分間与えた後、試験片の裏面(加熱面が表)の温度が260℃以下であるとされているが、260℃以下付近では、紙などの燃えやすい材料が存在すると燃焼する恐れがあり、耐火性能があるとは言えない。十分な耐火性には、試験片の裏面の温度が200℃以下にする必要がある。
さらに、膨張黒鉛を配合していないが、難燃性建材用樹脂組成物として、エチレン−酢酸ビニル共重合体/ピロリン酸メラミン/ピロリン酸ピペラジン/タルク又は酸化亜鉛からなる難燃性樹脂組成物が開示されている(特許文献3、実施例1〜7)。コーンカロリー燃焼試験機にて、照射熱量50kW/m(水平方向)を与え、最大発熱速度210kW/m以下の難燃性能があるとされている。しかしながら、ピロリン酸メラミン/ピロリン酸ピペラジン/タルク又は酸化亜鉛からなる難燃システムは、燃焼時に燃焼をくい止める表面膨張層(Intumescent)を形成するが、燃焼が長く続くと、表面膨張層が分解して煤(スス)となって飛散し、表面膨張層の大きさが小さくなる現象があり、また、膨張黒鉛のように非常に大きく膨張せず、火炎の延焼をくい止めることは困難であり、十分な耐火性能があるとは言えない。
このように、従来の技術では、耐火性能が十分であるとは言えない。
また、膨張黒鉛を配合した耐火性の樹脂組成物は、用途により、耐候性、柔軟性、粘着性、及び抗菌性が求められるが、これらを兼ね備えた樹脂組成物は、開示されていない。
特開平6−025476号公報 特開平9−176404号公報 特開2010−222402号公報
したがって、本発明は、優れた難燃性を有し、しかも燃焼後の残渣が充分な形状保持能力を有することにより、顕著な耐火性能を発現し、さらには耐候性、柔軟性、粘着性、及び抗菌性・防カビ性、および耐火性に優れた樹脂組成物を提供することを目的とする。
特定の酢酸ビニル含有率を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体、特定のリン酸塩系難燃剤、酸化亜鉛及び膨張黒鉛の特定量を溶融混練して得られる耐火性の樹脂組成物からなる。
詳しくは、耐候性、柔軟性、粘着性及び抗菌性に優れ、特に比較的低温(燃焼初期)から高温での燃焼後の残渣が大きく、充分な形状保持能力を有することにより、顕著な耐火性能を発現し、高い耐火性能が得られる。
すなわち、本発明は、下記、
(1)(A)酢酸ビニル含有率が10〜50質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
17〜79.9質量%
(B)下記〔a〕及び〔b〕からなるリン酸アミン塩 10〜40質量%
リン酸アミン塩を100質量%として、
〔a〕ピロリン酸ピペラジン及び/又はポリリン酸ピペラジン 50〜65質量%
〔b〕ピロリン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンから選択される少なくとも1種のメラミン化合物 35〜50質量%
(C)酸化亜鉛 0.1〜3質量%
(D)膨張黒鉛 10〜40質量%
〔成分(A)〜(D)の合計は100質量%〕からなる樹脂組成物、
(2)成分(A)のMIが0.5〜100g/10分である上記(1)に記載の樹脂組成物、
(3)成分(D)の〔D−1〕がピロリン酸ピペラジンであり、〔D−2〕がピロリン酸ジメラミンである上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物および
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる射出成形体または押出成形体を提供する。
例えば、本発明の樹脂組成物は下記のような優れた特性を有している。
(1)難燃性・耐火性
(1-1)比較的低温(火災初期)での難燃性及び耐火性能:発火防止、及び火災初期での延焼をくい止めることができる。
難燃性:UL94にて、0.8mm厚、V−0合格。
耐火性:コーンカロリー燃焼試験機にて、照射熱量35kW/m (水平方向)で30分間与えた後、試験片の裏面(加熱面が表)の温度が200℃以下であり、燃焼残渣の膨張倍率が高く(20倍以上)、燃焼残渣の硬さが高く(破壊強度2kg/cm以上)、燃焼残渣の形状保持性が良好であるため、火災初期での延焼をくい止めることができる。
(1-2)高温での耐火性能:火災時の延焼をくい止めることができる。
耐火性:コーンカロリー燃焼試験機にて、照射熱量50kW/m(水平方向)で30分間与えた後、試験片の裏面(加熱面が表)の温度が200℃以下であり、燃焼残渣の分解による煤(スス)の発生がなく、燃焼残渣の膨張倍率を維持(膨張倍率20倍以上)し、燃焼残渣の硬さが高く(破壊強度2kg/cm以上)、燃焼残渣の形状保持性が良好であるという高い耐火性能を有している。
(2)耐候性
サンシャインウェザーメーターによる耐候性促進試験で、500時間処理後に色相変化(ΔE)が3以下であり、良好な耐候性を示す。
(3)柔軟性
デュロメータ タイプD(以下、D硬度と略記)が57未満であり、高い柔軟を示す。
(4)粘着性
90度ピール強度が1kgf/cm以上という高い粘着性を示す。
(5)抗菌性・防カビ性
抗菌剤を添加していないが、良好な抗菌・防カビ性を示す。驚くべきことに、特定のリン酸塩系難燃剤、酸化亜鉛及び膨張黒鉛の組合せが抗菌・防カビ性に効果があると考えられる。
以下、本発明の成分について説明する。
成分(A)
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体は、従来公知の方法によって得られるものを用いることができるし、市販品を使用することもできる。成分(A)の市販品としては、例えば、株式会社NUCのNUC及びDQDJ、LANXESS社のレバプレンなどが使用できる。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、共重合体中に含まれる酢酸ビニルの含有率が10〜50質量%であり、好ましくは、15〜40質量%、さらに好ましくは、20〜30質量%である〔共重合体中のエチレンと酢酸ビニルの量の合計は100質量%〕。
10質量%未満であると、以下のような不都合が生じる。
・成形したときに脆くなりすぎる。
・柔軟性及び粘着性が低下する。
・難燃性が低下する。
・耐火性が低下する。
・抗菌性が低下する。
また、50質量%を超えると、以下のような不都合が生じる。
・加熱成形時に遊離酢酸が発生してくる。酢酸が発生すると、混練及び加工時に、装置の金属部分が腐食したり、作業者の健康被害を及ぼすことが懸念される。
・混練及び加工時に、酢酸が脱離した際に、架橋反応を起こし、ゲル化しやすくなり、成形不能となる場合がある。また、ゲルは異物となり、製品の品質に悪影響を及ぼす。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトインデックス(MI、190℃、2.16kg荷重で測定)は、0.5〜100g/10分であることが好ましく、さらに好ましくは1〜50g/10分、最も好ましくは3〜30g/10分である。
0.5g/10分未満であると、以下のような不都合が生じる。
・樹脂成分の溶融粘度が高いために、樹脂組成物の溶融混練時に、剪断力により膨張黒鉛が破壊され、膨張黒鉛粒子が小さくなり、膨張黒鉛の膨張性が阻害され、上記の同様に難燃性及び耐火性が低下する。
また、100g/10分を超えると、以下のような不都合が生じる。
・溶融混練時に、ストランドが引けなかったり、押出成形が困難となる。
MIはJIS K7112に準じて測定されるものである。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の樹脂組成物中の配合量は、成分(A)〜(D)の合計量(100質量%)中17〜79.9質量%であり、好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは、25〜65質量%である。
17質量%未満であると、以下のような不都合が生じる。
・樹脂成分が少なく、難燃剤組成量が多くなるために、物性(特に耐衝撃強度)が低下及びコスト高となる。
・柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下する。
・難燃剤組成量が多くなるために上記難燃性は高くなるが、酢酸ビニル成分が少なくなるために上記耐火性が低下する。
また、79.9質量%を超えると、以下のような不都合が生じる。
・難燃剤成分が少なくなるため、上記難燃性及び耐火性が低下する。
・抗菌性が低下する。
本発明の耐火性の樹脂組成物には、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のほか、樹脂成分として、他の樹脂を添加することができる。上記他の樹脂としては、例えば、他のポリオレフィン系樹脂が好ましく、なかでもポリエチレン系樹脂が好ましい。上記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンを主成分とする共重合体、これらの混合物、エチレン−エチレンアクリレート共重合体等が挙げられる。上記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えば、エチレン部を主成分とするエチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられ、上記αオレフィンとしては、例えば、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ブテン、1−ペンテン等が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の特性を維持するという観点から、他の樹脂の添加量はエチレン−酢酸ビニル共重合体に対して10質量%以下、好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
成分(B)
〔a〕及び〔b〕からなるリン酸アミン塩の配合量は成分(A)〜(D)の合計量(100質量%)中10〜40質量%である。本発明において、リン酸アミン塩は主として難燃剤として作用する。
成分(B)が10質量%未満では、難燃性、耐火性、耐候性及び抗菌性が低下する。
40質量%を超えると、難燃性は低下しないが、耐火性、抗菌性、機械特性及び衝撃特性などが低下し、さらにコスト高となる。
成分(B)中の成分〔a〕であるピロリン酸ピペラジン及び/又はポリリン酸ピペラジンは下記の通りである。
ピロリン酸ピペラジンは特開2005−120021号公報等に記載の公知の方法に従って合成することができる。
ポリリン酸ピペラジンは市販品を入手して使用することができる。1種又は両方を使用しても良い。
成分〔a〕の配合量は、リン酸アミン塩(B)を100質量%として、50〜65質量%、好ましくは52〜63質量%、特に好ましくは54〜61質量%である。
成分〔a〕が50質量%未満又は65質量%を超えると、充分な難燃性、耐火性及び抗菌性を得ることが出来ない。
なお、リン酸ピペラジンとピロリン酸ジピペラジンは、混練時に分解発泡するので使用困難である。
成分(B)中の成分〔b〕であるピロリン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンから選択される少なくとも1種のメラミン化合物は市販品を入手して使用することができる。
成分〔b〕の配合量は、リン酸アミン塩(B)を100質量%として、35〜50質量%、好ましくは37〜48質量%、特に好ましくは39〜46質量%である。
成分〔b〕が35質量%未満又は50質量%を超えると、充分な難燃性、耐火性及び抗菌性を得ることが出来ない。
本発明においては、成分〔a〕の特定量と成分〔b〕の特定量を併用しないと効果が得られない。
なお、リン酸メラミンとリン酸ジメラミンは、混練時に分解発泡するので使用困難である。
成分(B)の市販品としては、例えばピロリン酸ピペラジン/ピロリン酸メラミン=60/40(質量比)のADEKA社製のFP2050、FP2100JCが例示できる。
成分(C)
成分(C)の酸化亜鉛は表面処理されていてもよい。酸化亜鉛の市販品としては、例えば、三井金属工業社製の「酸化亜鉛1種」、三井金属工業社製の「部分被膜型酸化亜鉛」、堺化学工業社製の「ナノファイン50」(平均粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛)、堺化学工業社製の「ナノファインK」(平均粒径0.02μmの珪酸亜鉛被膜した超微粒子酸化亜鉛)等の市販品を使用することができる。
上記成分(C)としての酸化亜鉛の配合量は、成分(A)〜(D)の合計量(100質量%)中0.1〜3質量%であり、好ましくは0.3〜2質量%であり、より好ましくは0.5〜1質量%である。
成分(C)が0.1質量%未満又は3質量%を超えると、充分な難燃性、耐火性及び抗菌性を得ることができない。
成分(D)
成分(D)の膨張黒鉛は中和処理されたものが好適に使用される。
膨張性黒鉛とは、従来公知の物質である膨張性黒鉛を中和処理したものである。
上記膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
上述のように酸処理して得られた膨張性黒鉛は、さらにアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和することにより、上記中和処理された膨張黒鉛とする。
上記脂肪族低級アミンとしては特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物としては特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
膨張性黒鉛が中和処理されて調製された膨張黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定の耐火断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はあるが、エチレン−酢酸ビニル共重合体と混練する際に分散性が悪くなり、樹脂組成物における物性の低下が避けられない。
中和処理された、膨張黒鉛の市販品としては、東ソー社製、「GREP−EG」、伊藤黒鉛社製、「9550250」などがあげられる。
成分(D)の配合量は成分(A)〜(D)の合計量(100質量%)中10〜40質量%である。好ましくは15〜35質量%であり、より好ましくは20〜30質量%である。
10質量%未満では、難燃性、耐火性、耐候性及び抗菌性が低下する。
40質量%を超えると、難燃性、耐火性、抗菌性、柔軟性及び粘着性、機械特性及び衝撃特性などが低下し、さらにコスト高となる。
その他添加剤成分
本発明においては、上記成分の他に、本発明の目的を損わない範囲で、必要に応じて従来公知の添加剤、加工助剤等を添加することが出来る。
酸化防止剤としては、フェノール系、リン系化合物、チオエーテル系化合物などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6―ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
酸化防止剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.05〜1.0質量部である。
耐候剤としては、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤等を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
耐候剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.05〜1.0質量部である。
滑剤としては、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸、脂肪酸金属塩系などを用いることができる。
脂肪族アミド系滑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミドなどが挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪族エステル系滑剤としては、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、エルカ酸メチル、ベヘニン酸メチル、ラウリル酸ブチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、ヤシ脂肪酸オクチルエステル、ステアリン酸オクチル、牛脂脂肪酸オクチルエステル、ラウリル酸ラウリル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、ミリスチン酸セチル、炭素数28〜30の直鎖状で分岐がない飽和モノカルボン酸(以下モンタン酸と略記する)とエチレングリコールのエステル、モンタン酸とグリセリンのエステル、モンタン酸とブチレングリコールのエステル、モンタン酸とトリメチロールエタンのエステル、モンタン酸とトリメチロールプロパンのエステル、モンタン酸とペンタエリスリトールのエステル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスクイオレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレートなどが挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪酸系滑剤のうち飽和脂肪酸として、具体的には、ラウリン酸(ドデカン酸)、イソデカン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、ペンタデシル酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、イソステアリン酸、ツベルクロステアリン酸(ノナデカン酸)、2−ヒドロキシステアリン酸、アラキジン酸(イコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)、リグノセリン酸(テトラドコサン酸)、セロチン酸(ヘキサドコサン酸)、モンタン酸(オクタドコサン酸)、メリシン酸等が挙げられ、特に、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸及びモンタン酸などが挙げられる。
脂肪酸系滑剤のうち不飽和脂肪酸として、具体的には、ミリストレイン酸(テトラデセン酸)、パルミトレイン酸(ヘキサデセン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、エライジン酸(trans−9−オクタデセン酸)、リシノール酸(オクタデカジエン酸)、バクセン酸(cis−11−オクタデセン酸)、リノール酸(オクタデカジエン酸)、リノレン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、エレステアリン酸(9,11,13−オクタデカトリエン酸)、ガドレイン酸(イコサン酸)、エルカ酸(ドコサン酸)、ネルボン酸(テトラドコサン酸)等が挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
脂肪酸金属塩系滑剤としては、上記脂肪酸系滑剤の脂肪酸のリチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩及びアルミニウム塩などが挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
滑剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.05〜2.0質量部である。
帯電防止剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系、グリセリン脂肪酸モノエステルなどの脂肪酸部分エステル類などを用いることができる。
具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)メチルアンモニウムメソスルフェート、(3−ラウリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ステアロアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム硝酸塩、ステアロアミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムリン酸塩、カチオン性ポリマー、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキル硝酸エステル塩、リン酸アルキルエステル塩、アルキルホスフェートアミン塩、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ジグリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミン脂肪酸モノエステル、アルキルジエタノールアミド、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリエーテルブロックコポリマー、セチルベタイン、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステルなどが挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
帯電防止剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.05〜3.0質量部である。
核剤としては、ソルビトール類、リン系、ロジン類、石油樹脂類などを用いることができる。
アルキル置換ベンジリデンソルビトールなどのソルビトール類としては、例えば、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−o−メチルベンジリデン2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ−(2’,4’−ジメチルベンジリデン)ソルビトール。リン系としては、リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、有機リン酸塩系複合品。その他、安息香酸ナトリウム、p−t−ブチル安息香酸アルミニウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリンクレー、タルク、ロジン類、石油樹脂類などが挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
核剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.01〜1.0質量部である。
金属不活性化剤としては、トリアジン類、フォスフォン類、エポキシ類、トリアゾール類、ヒドラジド類、オキサミド類などを用いることができる。
具体的には、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、デカンジカルボン酸ジサリチロイルビドラジド、シュウ酸ビスベンジリデンヒドラジド、N,N’−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシル]エチル}オキサミド、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4,−トリアゾール、酸アミド系、メラミン、トリス[2−t−ブチル−4−チオ(2’−メチル−4’−ヒドロキシ−5−t−ブチル)フェニル−5−メチル]ホスファイトなどが挙げられる。これらは2種以上を混合して使用してもよい。
金属不活性化剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.05〜1.0質量部である。
充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭素繊維、マイカ、ワラストナイト、ウィスカなどを用いることができる。
充填剤の配合量は成分(A)〜(D)の合計量100質量部に対して0.5〜10質量部である。
その他、着色剤、ブルーミング防止剤、表面処理剤、抗菌剤、目ヤニ防止剤(特開2009−120717に記載のシリコーンオイル、高級脂肪族カルボン酸のモノアミド化合物、及び高級脂肪族カルボン酸と1価〜3価のアルコール化合物とを反応させてなるモノエステル化合物などの目ヤニ防止剤)等を本願の樹脂組成物の特性を損なわない範囲で添加してもよい。
<製造方法>
本発明における各成分の配合物は、任意の方法で混合し、次いで、溶融混練することによって、耐火性の樹脂組成物及びマスターバッチを製造することができる。例えば、ヘンシェルミキサーに代表される高速撹拌機、バンバリーミキサーに代表されるバッチ式混練機で混合し、次いで、単軸又は二軸の連続混練機、ロールミキサーなどを単独で、又は組み合わせて用いる溶融混練する方法が挙げられる。
<成形方法>
本発明の成形体を得る方法としては、本発明の樹脂組成物を用いた公知公用の成形方法(射出成形、シート成形、押出成型、異形押出成型、熱プレス成形等)が例示でき、経済性、得られる成形体の外観等の理由により、本発明の樹脂組成物は、射出成形機及び溶融押出機を用い、射出成形、異形押出成形及びシート成形する方法が好ましい。
<用途>
成形体の好適な例としては、使用用途は特に限定されないが、例えば、自動車産業、電気及び電子産業、建築材料分野等の、難燃性及び耐火性が要求される用途で使用することができる。また、各用途によって、上記樹脂組成物の配合成分、及び、その配合割合を選択することができる。
特に、建築材料分野においては、耐火性を有する本発明の成形体は、鉄骨の被覆材(柱、梁)、複合壁材、天井、床、間仕切り壁等の壁の裏打ち材、壁貫通樹脂管閉塞材(区画貫通部)、通気部材(軒通気金物用)、防火設備(サッシ等)、特定防火設備(防火戸)、床、屋根延焼防止部材、耐火金庫、電設部材延焼防止(車・車両・工場等)、クーラー配管の壁貫通部(菊座状パッキン)、金属継手等流体リーク防止用パッキン材、建材用熱膨張性防火パッキン等として好適に用いることができる。また、建材用熱膨張性防火パッキンとしては、例えば、窓、扉等の建材に使用されるものが挙げられる。
<実施形態の効果>
上述の実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
本実施形態の耐火性の樹脂組成物によれば、成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体、成分(B)の特定のリン酸アミン塩、成分(C)の酸化亜鉛及び成分(D)の膨張黒鉛の組合せにより、従来にない高度な難燃性及び耐火性能が得られ、また、抗菌剤を添加しないにもかかわらず、驚くべきことに抗菌性能が付与される。
また、成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用し、成分(B)、(C)及び(D)の適度な配合量により、エチレン−酢酸ビニル共重合体単独の粘着性能及び柔軟性に比較して、大きく低下せず、ほぼ同等に近い粘着性能及び柔軟性が付与される。
さらに、成分(B)の特定のリン酸アミン塩及び成分(D)の膨張黒鉛の組合せにより、高度な耐候性が付与される。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、下記の実施例及び比較例に用いる物質およびその物性は下記のとおりである。
成分(A)
〔A−1〕エチレン−酢酸ビニル共重合体〔NUC社製、NUC−3461〕
MFR:14g/10分(190℃、2.16kg)、酢酸ビニル含有率:20質量%、密度:0.94g/cm
〔A−2〕エチレン−酢酸ビニル共重合体〔NUC社製、NUC−3195〕
MFR:5.0g/10分(190℃、2.16kg)、酢酸ビニル含有率:24質量%、密度:0.95g/cm
〔比較成分A−3〕エチレン−酢酸ビニル共重合体〔NUC社製、NUC−3660〕
MFR:5.5g/10分(190℃、2.16kg)、酢酸ビニル含有率:6質量%、密度:0.93g/cm
〔比較成分A−4〕エチレン−酢酸ビニル共重合体〔LANXESS社製、レパプレン600HV〕
ムーニー粘度ML (1+4) 100℃で27±4、酢酸ビニル含有率:60質量%、密度:1.04g/cm
〔A−5〕エチレン−酢酸ビニル共重合体〔NUC社製、NUC―3765D〕
MFR:0.9g/10分(190℃、2.16kg)、酢酸ビニル含有率:18質量%、密度:0.94g/cm
成分(A)に対する比較成分
〔比較成分−A1〕直鎖状低密度ポリエチレン〔ダウケミカル社製、エンゲージ8200〕
メタロセン触媒により重合して得られた直鎖状低密度ポリエチレン、MI:5g/10分(190℃、2.16kg)、密度:0.87g/cm
〔比較成分−A2〕ポリ塩化ビニル樹脂〔重合度1000、徳山積水社製、TS1000R〕
このポリ塩化ビニル樹脂を配合した比較例16においては、塩ビ安定剤として堺化学社製の三塩基性硫酸鉛「TL#7000」を1質量部配合した。
〔比較成分−A3〕
エチレン-プロピレンブロック共重合体〔プライムポリマー社製、J−466HP〕
MI:3g/10分(210℃、2.16kg)、密度:0.90g/cm
成分(B)
・リン酸アミン塩〔I〕〔ADEKA社製、FP2100JC〕
ピロリン酸ジメラミン/ピロリン酸ピペラジン=約40/60(質量比)からなる混合物であり、樹脂組成物中で主として難燃剤として作用する。
・リン酸アミン塩〔II〕〔ADEKA社製、FP2050〕
ピロリン酸ジメラミン/ピロリン酸ピペラジン=約40/60(質量比)からなる混合物であり、樹脂組成物中で主として難燃剤として作用する。
・ピロリン酸ピペラジン
ピロリン酸とピペラジンとをモル比1:1で反応させて製造した。
・ピロリン酸ジメラミン
ピロリン酸とメラミンとをモル比1:2で反応させて製造した。
・ピロリン酸メラミン
ピロリン酸とメラミンとをモル比1:1で反応させて製造した。
・ポリリン酸メラミン
BASF社製、「メラポア200」
成分(B)に対する比較成分
・ポリリン酸アンモニウム〔比較成分−B1〕
クラリアント社製、「AP−462」
・赤燐〔比較成分−B2〕
燐化学工業社製、「ノーバーエクセル140」
・トリフェニルホスフェート〔比較成分−B3〕
大八化学工業社製、「TPP」
・リン酸グアニジン〔比較成分−B4〕
日本カーバイド社製、「アピノン−301」
・t-ブチルホスホン酸〔比較成分−B5〕
和光純薬社製、「試薬グレード」
成分(C)
・酸化亜鉛〔C−1〕
三井金属工業社製、「酸化亜鉛1種」
・酸化亜鉛〔C−2〕
平均粒径0.02μmの超微粒子酸化亜鉛、堺化学工業社製、「ナノファイン50」
成分(C)に対する比較成分
・水酸化アルミニウム〔比較成分−C1〕
日本軽金属社製、B703S
・水酸化マグネシウム〔比較成分−C2〕
協和化学工業社製、キスマ5AC
・タルク〔比較成分−C3〕
日本タルク社製、MAICROACE P−4
・リン酸アミン塩〔III〕〔ADEKA社製、FP2200〕
成分(B)及び成分(C)の混合物である。
ピロリン酸ジメラミン成分/ピロリン酸ピペラジン成分=約40/60質量比からなるリン酸アミン塩〔成分(B)〕と、酸化亜鉛(C)の約95/5(質量比)混合物であり、樹脂組成物中で主として難燃剤として作用する。
成分(D)
・膨張黒鉛〔D−1〕
鈴裕化学社製、GREP−EG
・膨張黒鉛〔D−2〕
伊藤黒鉛社製、9550250
成分(D)は樹脂組成物中で耐火材として作用する。
<その他の添加剤>
分散剤・滑剤
グリセリンモノステアレート[ライオン社製 GS95P]
フェノール系酸化防止剤
オクタデシル3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート[ADEKA社製 アデカスタブAO50]
リン系酸化防止剤
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト[ADEKA社製 アデカスタブ2112]
〔1〕樹脂組成物の製造
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体、成分(B)のリン酸アミン塩、成分(C)の酸化亜鉛、成分(D)の膨張黒鉛及びその他成分を混合し、2軸押出機により溶融混練し、ペレット状の樹脂組成物を得る製造法を用いた。以下、各工程を詳細に説明する。
(1)予備混合
表1〜8に示す配合量で各成分を配合し、室温下、ヘンシェルミキサーで予備混合した。
実施例1〜8及び比較例1〜39においては、成分(A)、(B)、(C)、(D)及びそれぞれの比較成分の合計量100質量部に対して、添加剤として、
GS95P 0.3質量部
アデカスタブAO50 0.2質量部及び
アデカスタブ2112 0.2質量部
を添加した。
(2)溶融混練
得られた予備混合物を、二軸混練機〔池貝鉄鋼(株)製、商品名PCM45II〕を用いて150℃で混練して樹脂組成物を作製し、ストランドカッターを用いてペレット化した。
〔2〕成形
(1)日精樹脂工業社製の射出成形機(FE−120、PS−40)を用いてシリンダー温度150℃、金型温度50℃で射出成形して試験片を作製し、その特性を下記の評価方法で評価し、結果を表1〜8に示す。
なお、成形方法、及びこれらの成形条件は特に限定されない。
Figure 2016164217
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〔3〕評価
(1)難燃性
UL94−V試験
Atlas社製のHVULプラスチックUL燃焼テストチャンバーを用いて、厚み0.8mm及び1.6mmのUL燃焼試験片各5本について、UL94V試験法に従って垂直燃焼試験を行った。
難燃性は、高い順から、V−0、V−1、V−2であり、何れも達成できなかった場合は、not-Vとした。
(2)耐火性
(2−1)コーンカロリー燃焼試験機での燃焼残渣評価
アトラス社製のコーンカロリーメータ(CONE2A)を用いて、長さ100mm、幅100mm、厚さ3.0mmの試験片に、照射熱量35及び50kW/mを30分間与えた後、燃焼後の燃焼残渣について、下記特性の評価を行った。
(2−2)燃焼残渣の膨張倍率
この燃焼後の残渣の厚みT2を測定し、下記式に基づいて膨張倍率を算出した。
膨張倍率(%)=100×燃焼残渣の厚みT2/加熱する前の試験片の厚み3.0。
膨張倍率が30倍以上を◎、20倍以上を○、20倍未満を×とした。
(2−3)燃焼残渣の破断強度
膨張倍率の測定で得られた燃焼後の燃焼残渣を、0.1cm/sで圧縮することによって、加熱残渣の破断強度(kg/cm)を微小圧縮試験機(カトーテック社製)を用いて測定した。破断強度が10以上を◎、2〜10未満を○、2未満を×とした。
また、破断点が存在しなかったものを×とした。
(2−4)燃焼残渣の形状保持性
上記破断点荷重測定時の燃焼残渣について、形状を保持しているものを◎、やや保持しているものを○、形状を保持していないものを×とした。
(2−5)燃焼残渣の裏面温度
試験片の裏面(加熱面が表)の温度を測定し、その温度が、200℃以下のものを○、200℃を超えるものを×とした。
裏面温度が170未満を◎、170〜200未満を○、200以上を×とした。
(3)耐候性
スガ試験機社製の耐候性促進試験機のサンシャインウェザーメーター(SWOM)を用いて、長さ50mm、幅50mm、厚み3.0mmの試験片で、63℃(雨あり)の条件で500時間、紫外線等を照射し、照射前後の試験片の色差(単位:ΔE)を測定、クラック発生の有無を観察した。ΔEの測定には、スガ試験機社製のSMカラーコンピュータSM−3を用いた。ΔEが5.0未満を○、5.0以上を×とした。
(4)柔軟性
TECLOCK社製のデュロメータD硬度計のGS−702Nを用いて、長さ80mm、幅80mm、厚み3.2mmの試験片で、JIS・K7215に準拠して、D硬度を測定した。D硬度が57未満を○、57以上を×とした。
(5)粘着性
ステンレス板/本発明の(耐火性)樹脂組成物/アルミ箔の積層シートを、150℃でプレス成形し、幅10mmの短冊状に切断し、オリエンテック(株)製の万能引張試験機を用いて、ステンレス板と樹脂組成物層の界面で剥離して、90度ピール強度を、JIS C9481に準拠して測定した(単位:kgf/cm)。ピール強度が1kgf/cm以上のものを○、1kgf/cm未満のものを×と評価した。
(6)抗菌性
細菌として大腸菌を使用し、その大腸菌液を5cm×5cm(厚み3mm)の平板表面に滴下した。評価開始時(0時間)の生菌数と、37℃×24時間後の生菌数を測定することにより抗菌力を測定した。
37℃×24時間後の生菌数が、1×10未満のものを○、1×10以上のものを×とした。
[結果]
(1)実施例1〜8
本発明の樹脂組成物は、厚み0.8mmにて難燃性V−0に合格する高い難燃性を示し、照射熱量35及び50kW/mのコーンカロリーにて、共に高度な耐火性を示し、耐候性、柔軟性、粘着性及び抗菌性に優れている。
(2)比較例1〜13
比較例1
成分(B)のリン酸アミン塩〔II〕の配合量が、本発明の範囲外である8質量%の場合、リン酸アミン塩が少ないために、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例2
成分(B)のリン酸アミン塩〔I〕の配合量が、本発明の範囲外である45質量%の場合、リン酸アミン塩が多いために、難燃性は低下していないが、耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例3
成分(D)の膨張黒鉛〔D−2〕の配合量が、本発明の範囲外である8質量%の場合、膨張黒鉛〔D−2〕が少ないために、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例4
成分(D)の膨張黒鉛〔D−2〕の配合量が、本発明の範囲外である45質量%の場合、膨張黒鉛〔D−2〕が多いために、難燃性及び耐火性が低下している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例5
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−2〕の配合量が本発明の範囲外である83質量%の場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−2〕が多いために、成分(B)及び(D)が少なくなり、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例6
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−1〕の配合量が、本発明の範囲外である16質量%の場合、エチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−1〕が少ないために、成分(B)及び(D)が多くなり、難燃性は低下しないが、耐火性が低下している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例7
成分(C)の酸化亜鉛の配合量が、本発明の範囲外である0.05質量%の場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下した。
比較例8
成分(C)の酸化亜鉛の配合量が、本発明の範囲外である3.5質量%の場合、難燃性及び耐火性が低下した。また、抗菌性が低下している。
比較例9
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−2の配合量が本発明の範囲外である100質量%の場合、難燃剤成分である成分(B)、(C)及び(D)が配合されていないため、難燃性及び耐火性が著しく低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例10及び11
成分(B)のピロリン酸ピペラジン〔a〕とピロリン酸ジメラミン〔b〕の比率が本発明の範囲外である場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例12
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔比較成分A−3〕の酢酸ビニル含有率が6質量%という下限値10質量%より低い場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例13
成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔比較成分A−4〕の酢酸ビニル含有率が60%という上限値50質量%より高い場合、混練及び成形加工時にゲル化及び架橋反応が起こり、成形できなかったため、評価不能である。
比較例14
成分(A)の替わりに〔比較成分-A1〕である直鎖状低密度ポリエチレンを用いた場合、難燃性は低下している。また、耐火性評価では、コーンカロリーにて燃焼残渣の形状保持性はやや保持しているものの、その他の耐火性能は低下している。さらに、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例15
成分(A)の替わりに〔比較成分-A3〕であるエチレン−プロピレンブロック共重合体を用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例16
成分(A)の替わりに〔比較成分-A2〕であるポリ塩化ビニル樹脂を用いた場合、難燃性は低下している。また、耐火性評価では、コーンカロリーにて燃焼残渣の形状保持性はやや保持しているものの、その他の耐火性能は低下している。さらに、耐候性、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例17
リン酸アミン塩としてピロリン酸ピペラジンを単独で使用しているため、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例18
リン酸アミン塩としてピロリン酸ジメラミンを単独で使用しているため、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例19
リン酸アミン塩としてポリリン酸メラミンを単独で使用しているため、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例20
成分(B)の替わりに〔比較成分−B1〕であるポリリン酸アンモニウムを用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例21
成分(B)の替わりに〔比較成分−B4〕であるリン酸グアニジンを用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例22
成分(B)の替わりに〔比較成分−B2〕である赤燐を用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例23
成分(B)の替わりに〔比較成分−B3〕であるトリフェニルホスフェートを用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例24
成分(B)の替わりに〔比較成分−B5〕であるt-ブチルホスホン酸10質量%の場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例25
成分(C)の替わりに〔比較成分−C1〕である水酸化アルミニウムを用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下してる。
比較例26
成分(C)の替わりに〔比較成分−C2〕である水酸化マグネシウムを用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例27
成分(C)の替わりに〔比較成分−C3〕であるタルクを用いた場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、抗菌性が低下している。
比較例28
成分(B)の替わりに〔比較成分−B3〕である赤燐を用い、成分(C)の酸化亜鉛を含まず、成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A-2〕及び成分(D)の膨張黒鉛〔D-2〕の配合量が本発明の範囲外である場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例29
成分(B)の替わりにトリフェニルホスフェート〔比較成分−B3〕を用い、成分(C)の酸化亜鉛を含まず、成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−2〕の配合量及び成分(D)の膨張黒鉛〔D−2〕の配合量が本発明の範囲外である場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例30
成分(B)が本発明の範囲外のポリリン酸アンモニウム〔比較成分−B1〕を用い、成分(C)酸化亜鉛を含まず、成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−2〕及び成分(D)の膨張黒鉛〔D−2〕の配合量が本発明の範囲外である場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例31
成分(B)の替わりにリン酸グアニジン〔比較成分−B4〕を用い、成分(C)の酸化亜鉛を含まず、成分(A)のエチレン−酢酸ビニル共重合体〔A−2〕の配合量が本発明の範囲外である場合、難燃性及び耐火性が低下している。また、耐候性及び抗菌性が低下している。
比較例32
成分(B)の替わりにポリリン酸アンモニウム〔比較成分−B1〕を用い、成分(C)の替わりに水酸化アルミニウム〔比較成分−C1〕を用いているので、難燃性は低下している。また、耐火性評価では、コーンカロリーにて燃焼残渣の形状保持性はやや保持しているものの、その他の耐火性能は低下している。さらに、耐候性、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例33
成分(B)の替わりにポリリン酸アンモニウム〔比較成分−B1〕を用い、成分(C)の替わりに水酸化マグネシウム〔比較成分−C2〕を用いているので、難燃性は低下している。また、耐火性評価では、コーンカロリーにて燃焼残渣の形状保持性はやや保持しているものの、その他の耐火性能は低下している。さらに、耐候性、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例34
成分(B)の替わりにポリリン酸アンモニウム〔比較成分−B1〕及びt-ブチルホスホン酸〔比較成分−B5〕を用い、成分(C)の替わりに水酸化アルミニウム〔比較成分−C1〕を用い、成分(D)の膨張黒鉛〔D−2〕の配合量が本発明の範囲外の4質量%であるので、難燃性は低下している。また、耐火性評価では、コーンカロリーにて燃焼残渣の形状保持性はやや保持しているものの、その他の耐火性能は低下している。さらに、耐候性、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例35及び37
成分(C)及び/または(D)を含まないので、難燃性及び耐火性が低下している。コーンカロリー燃焼試験にて、照射熱量50kW/mの場合の燃焼残渣の倍率は、35kW/mの場合の燃焼残渣の倍率より、著しく低くなっており、高温になると、燃焼残渣が分解して細かな煤となって飛散していることを示している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例36
成分(C)の替わりにタルク〔比較成分−C3〕を用い、また成分(D)を含まないので、難燃性(0.8mm)及び耐火性が低下している。コーンカロリー燃焼試験にて、照射熱量50kW/mの場合の燃焼残渣の倍率は、35kW/mの場合の燃焼残渣の倍率より、著しく低くなっており、高温になると、燃焼残渣が分解して細かな煤となって飛散していることを示している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
比較例38及び39
成分(D)を含まないので、難燃性(0.8mm)及び耐火性が低下している。コーンカロリー燃焼試験にて、照射熱量50kW/mの場合の燃焼残渣の倍率は、35kW/mの場合の燃焼残渣の倍率より、著しく低くなっており、高温になると、燃焼残渣が分解して細かな煤となって飛散していることを示している。また、柔軟性、粘着性及び抗菌性が低下している。
本発明の樹脂組成物は耐熱材料または耐火材料の分野で好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. (A)酢酸ビニル含有率が10〜50質量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
    17〜79.9質量%
    (B)下記〔a〕及び〔b〕からなるリン酸アミン塩 10〜40質量%
    リン酸アミン塩を100質量%として、
    〔a〕ピロリン酸ピペラジン及び/又はポリリン酸ピペラジン 50〜65質量%
    〔b〕ピロリン酸ジメラミン、ピロリン酸メラミン及びポリリン酸メラミンから選択される少なくとも1種のメラミン化合物 35〜50質量%
    (C)酸化亜鉛 0.1〜3質量%
    (D)膨張黒鉛 10〜40質量%
    〔成分(A)〜(D)の合計は100質量%〕からなる樹脂組成物。
  2. 成分(A)のMIが0.5〜100g/10分である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 成分(D)の〔D−1〕がピロリン酸ピペラジンであり、〔D−2〕がピロリン酸ジメラミンである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物からなる射出成形体または押出成形体。
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