JP2016161064A - 内接噛合遊星歯車機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸33は、第2偏心軸心AX3上に設けられた第2偏心部61を有する。第2偏心軸心AX3は、回転軸心AX1に対して第1偏心軸心AX2とは反対側に位置する。減速機13は、内歯車41の内側に設けられた円盤62を備える。円盤62は、第2偏心部61によって第2偏心軸心AX3まわりに回転可能に支持されている。回転軸心と第1偏心軸心との距離をE1、回転軸心と第2偏心軸心との距離をE2、遊星歯車の歯先円直径をD1、遊星歯車の歯底円直径をD2、円盤の外径をD3と定義すると{(D1/2)−E1}<{(D3/2)+E2}の関係が成り立つ。これにより、非噛み合い部分にて遊星歯車42の歯先部よりも先に円盤62が内歯車41の歯先部と接触し、また、遊星歯車42の非噛み合い側へのずれが規制される。
【選択図】図4
Description
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルク伝達効率の低下と伝達トルクの変動とを抑制することができる内接噛合遊星歯車機構を提供することである。
入力軸は、内歯車と同心の回転軸心上に設けられている同心部と、回転軸心に対して偏心する第1偏心軸心上に設けられている第1偏心部と、回転軸心に対して第1偏心軸心とは反対側にある第2偏心軸心上に設けられている第2偏心部と、を有する。
出力軸は、回転軸心上に設けられ、回転軸心まわりに回転可能である。
伝達手段は、遊星歯車の自転を出力軸に伝達する。
円盤は、内歯車の内側に設けられ、第2偏心部によって第2偏心軸心まわりに回転可能に支持されている。
{(D1/2)−E1}<{(D3/2)+E2}
また、「非噛み合い部分」において円盤と内歯車とが接触することによって、遊星歯車の「非噛み合い」側へのずれが規制される。そのため、遊星歯車が「非噛み合い」側へずれることに起因して「噛み合い部分」における内歯車と遊星歯車との噛み合いが浅くなること、が抑制される。したがって、本発明によれば、「噛み合い部分」における内歯車と遊星歯車との噛み合いが浅くなることを抑制し、伝達トルクの変動が大きくなることを抑制することができる。
[一実施形態]
本発明の一実施形態による内接噛合遊星歯車機構は、図1に示す回転式アクチュエータ10において減速機13として用いられている。回転式アクチュエータ10は、例えば車両のシフトバイワイヤシステムの駆動部として用いられる。
先ず、回転式アクチュエータ10の全体構成について図1〜図3を参照して説明する。
回転式アクチュエータ10は、ケース11と、モータ12と、減速機13とを備えている。
ケース11は、カップ状の第1ケース21および第2ケース22から構成されている。第1ケース21と第2ケース22とは、開口端部同士が突き合わされ、ボルト23により互いに固定されている。第1ケース21にはカップ状の金属プレート24が埋め込まれている。
ステータ31は、金属プレート24の内側に圧入されている筒状のステータコア34と、ステータコア34が有する図示しないスロットに設けられている複数のコイル35と、を有する。
ロータ32は、筒状であり、ステータ31の内側に設けられている。
回転軸33は、ロータ32の内側に圧入されている。回転軸33の一端部36は、第1ケース21によって軸受51を介して支持されている。回転軸33の他端部37は、減速機13の出力軸43によって軸受52を介して支持されている。回転軸33は、ロータ32と共に回転軸心AX1まわりに回転可能である。
内歯車41は、回転軸心AX1上に設けられ、第2ケース22に固定されている。
回転軸33は、モータ12のモータ軸と減速機13の入力軸とを兼ねている。つまり、回転軸33は、特許請求の範囲に記載の「入力軸」に相当する。回転軸33は、一端部36と他端部37との間にモータ軸部45と第1偏心部46とを有する。一端部36と他端部37とモータ軸部45とは、回転軸心AX1上に設けられており、特許請求の範囲に記載の「同心部」に相当する。第1偏心部46は、回転軸心AX1に対して偏心する第1偏心軸心AX2上に設けられている。
伝達手段44は、突起47および通孔48から構成されている。突起47は、遊星歯車42に形成されており、軸方向へ突き出している。通孔48は、出力軸43に形成されており、突起47が挿入されている。遊星歯車42の自転は、突起47と通孔48の内壁との接触によって出力軸43に伝達される。
次に、減速機13の特徴構成について図2〜図4を参照して説明する。図4では、構成を分かり易くするために各部は模式的に示されており、各部の寸法比は必ずしも正確なものではない。
{(D1/2)−E1}<{(D3/2)+E2}・・・(1)
{(D2/2)+E1}>{(D3/2)−E2}・・・(2)
以上説明したように、本実施形態では、回転軸33は第2偏心部61を有する。第2偏心部61は、第2偏心軸心AX3上に設けられている。第2偏心軸心AX3は、回転軸心AX1に対して第1偏心軸心AX2とは反対側に位置する。そして、減速機13は円盤62を備える。円盤62は、内歯車41の内側に設けられ、第2偏心部61によって第2偏心軸心AX3まわりに回転可能に支持されている。そして、前述の式(1)、式(2)の関係が成り立つ。
本発明の他の実施形態では、前述の式(2)を満たしていなくてもよい。少なくとも式(1)を満たしていれば、トルク伝達効率の低下と伝達トルクの変動とを抑制する効果が得られる。
前述の実施形態では、回転軸心に直交する断面において、回転軸心と第1偏心軸心と第2偏心軸心とが一直線上に並ぶように位置していた。これに対して、本発明の他の実施形態では、回転軸心に直交する断面において、回転軸心と第1偏心軸心と第2偏心軸心とが一直線上に並んでいなくてもよい。上記断面において、第2偏心軸心は、回転軸心に対して第1偏心軸心とは反対側に位置していればよい。
本発明の他の実施形態では、回転式アクチュエータは、車両のシフトバイワイヤシステム以外の装置に用いられてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
41・・・内歯車 42・・・遊星歯車
43・・・出力軸 44・・・伝達手段
46・・・第1偏心部 61・・・第2偏心部
62・・・円盤 D1・・・歯先円直径
D2・・・歯底円直径 D3・・・円盤の外径
E1・・・回転軸心と第1偏心軸心との距離
E2・・・回転軸心と第2偏心軸心との距離
Claims (2)
- 内歯車(41)と、
前記内歯車と同心の回転軸心(AX1)上に設けられている同心部(36、37、45)、前記回転軸心に対して偏心する第1偏心軸心(AX2)上に設けられている第1偏心部(46)、および、前記回転軸心に対して前記第1偏心軸心とは反対側にある第2偏心軸心(AX3)上に設けられている第2偏心部(61)、を有する入力軸(33)と、
前記内歯車に内接するように噛み合い、前記第1偏心部によって前記第1偏心軸心まわりに回転可能に支持され、前記入力軸が前記回転軸心まわりに回転すると、前記第1偏心軸心まわりに自転しながら前記回転軸心まわりに公転する遊星歯車(42)と、
前記回転軸心上に設けられ、前記回転軸心まわりに回転可能な出力軸(43)と、
前記遊星歯車の自転を前記出力軸に伝達する伝達手段(44)と、
前記内歯車の内側に設けられ、前記第2偏心部によって前記第2偏心軸心まわりに回転可能に支持されている円盤(62)と、
を備え、
前記回転軸心と前記第1偏心軸心との距離をE1、前記回転軸心と前記第2偏心軸心との距離をE2、前記遊星歯車の歯先円直径をD1、前記遊星歯車の歯底円直径をD2、前記円盤の外径をD3、と定義したとき、
{(D1/2)−E1}<{(D3/2)+E2}
の関係が成り立つことを特徴とする内接噛合遊星歯車機構。 - {(D2/2)+E1}>{(D3/2)−E2}
の関係が成り立つことを特徴とする請求項1に記載の内接噛合遊星歯車機構。
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