JP2016163470A - モータ駆動装置 - Google Patents

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Takashi Seo
崇志 瀬尾
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Abstract

【課題】ユニットケースに内蔵したモータ機構や変速機構の軸方向の移動ガタ量を抑制することができるモータ駆動装置を提供すること。【解決手段】モータケースCaseに設けられてモータ/ジェネレータMGによって回転駆動されるモータシャフト6を回転可能に支持する入力側軸受20と、モータケースCaseに設けられてギヤトレインGTのキャリア15を回転可能に支持する出力側軸受30と、モータシャフト6とキャリア15の間に介装されて互いに相対回転可能に支持する第1中間軸受40及び第2中間軸受50と、入力側軸受20を介してモータケースCaseに対するモータ/ジェネレータMGの軸方向両側への移動を規制するモータ機構位置規制手段21と、出力側軸受30を介してモータケースCaseに対するギヤトレインGTの軸方向両側への移動を規制する変速機構位置規制手段31と、を備える構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ機構と変速機構を内蔵したユニットケースに設けられた軸受を介して、入力シャフト及び変速機構の出力側回転部材を回転可能に支持するモータ駆動装置に関する発明である。
従来、モータ機構と、このモータ機構によって回転駆動される入力シャフトの回転を減速(変速)して出力する変速機構と、モータ機構及び変速機構を内蔵するユニットケースと、を備えたモータ駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のモータ駆動装置では、ユニットケースに設けられた入力側軸受を介して、入力シャフトを回転可能に支持している。また、ユニットケースに設けられた出力側軸受を介して、変速機構の出力側回転部材を回転可能に支持している。さらに、入力シャフトと変速機構の出力側回転部材の間には、双方を互いに相対回転可能に支持する中間軸受を介装している。
特開2009-190440号公報
ところで、従来のモータ駆動装置にあっては、入力側軸受の軸方向一端側をユニットケースに突き当てることで、入力シャフトと、中間軸受と、変速機構の出力側回転部材の三者が一体になって、モータ機構及び変速機構の軸方向一方側の移動規制を行う。また、出力側軸受の軸方向他端側をユニットケースに突き当てることで、入力シャフトと、中間軸受と、変速機構の出力側回転部材の三者が一体になって、モータ機構及び変速機構の軸方向他方側の移動規制を行う。
しかしながら、モータ機構及び変速機構の軸方向の移動規制を複数の部品を介して行うことで、各部品の公差やクリアランスが累積してしまい、移動ガタ量が増加する。その結果、ガタが詰まる際の音や振動が大きくなるという問題が発生する。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ユニットケースに内蔵したモータ機構や変速機構の軸方向の移動ガタ量を抑制することができるモータ駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のモータ駆動装置は、モータ機構と、変速機構と、ユニットケースと、入力側軸受と、出力側軸受と、中間軸受と、モータ機構位置規制手段と、変速機構位置規制手段と、を備えている。
前記モータ機構は、入力シャフトを回転駆動する。
前記変速機構は、入力シャフトに連結する入力側回転部材と、入力側回転部材の回転を変速する変速部と、変速部によって変速した回転を出力する出力側回転部材と、を有する。
前記ユニットケースは、モータ機構及び変速機構を内蔵する。
前記入力側軸受は、ユニットケースに設けられ、入力シャフトを回転可能に支持する。
前記出力側軸受は、ユニットケースに設けられ、変速機構の出力側回転部材を回転可能に支持する。
前記中間軸受は、入力シャフトと出力側回転部材の間に設けられ、入力シャフトと出力側回転部材を互いに相対回転可能に支持する。
前記モータ機構位置規制手段は、入力側軸受を介して、ユニットケースに対するモータ機構の軸方向両側への移動を規制する。
前記変速機構位置規制手段は、出力側軸受を介して、ユニットケースに対する変速機構の軸方向両側への移動を規制する。
よって、本発明のモータ駆動装置では、モータ機構位置規制手段により、ユニットケースに対するモータ機構の軸方向両側への移動が入力側軸受を介して規制されることで、モータ機構の軸方向位置は、変速機構の軸方向位置に影響を与えることなく規制される。また、変速機構位置規制手段により、ユニットケースに対する変速機構の軸方向両側への移動が出力側軸受を介して規制されることで、変速機構の軸方向位置は、モータ機構の軸方向位置に影響を与えることなく規制される。
すなわち、モータ機構の軸方向の位置規制と、変速機構の軸方向の位置規制を、各々独立して行うことができる。これにより、モータ機構や変速機構が軸方向に移動しても、部品間の寸法公差やクリアランスの累積を抑えることができる。この結果、モータ機構や変速機構の軸方向の移動ガタ量を抑制することができる。
実施例1のモータ駆動装置の全体構成を示す全体断面図である。 実施例1のステップドピニオンを示す平面図である。 図1におけるX1部の拡大図である。 図1におけるY1部の拡大図である。 図4におけるY2部の拡大図である。 出力側軸受の装着状態を出力側カバーから軸方向に見たときの説明図である。 図1におけるZ1部の拡大図である。 比較例のモータ駆動装置の全体構成を示す全体断面図である。 モータ/ジェネレータの力行時にステップドピニオンに生じる噛み合い反力を示す説明図である。 モータ/ジェネレータの回生時にステップドピニオンに生じる噛み合い反力を示す説明図である。
以下、本発明のモータ駆動装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、構成を説明する。
実施例1におけるモータ駆動装置の構成を、「モータ駆動装置の全体構成」、「入力側軸受の詳細構成」、「出力側軸受の詳細構成」、「第1中間軸受の詳細構成」、「第2中間軸受の詳細構成」に分けて説明する。
[モータ駆動装置の全体構成]
図1は、実施例1のモータ駆動装置を示す全体断面図である。以下、図1に基づき、実施例1のモータ駆動装置の全体構成を説明する。
実施例1のモータ駆動装置は、例えば、電気自動車の左右後輪等に設けられるインホイールモータに適用される。このモータ駆動装置は、図1に示すように、駆動ユニット本体Aと、変位吸収機構Bと、を備えている。
前記駆動ユニット本体Aは、走行駆動源としての機能を持ち、モータケースCase(ユニットケース)に、三相交流の埋込磁石同期モータ構造によるモータ/ジェネレータMG(モータ機構)と、遊星歯車からなるギヤトレインGT(変速機構)と、を内蔵することで構成される。
この駆動ユニット本体Aは、モータ/ジェネレータMGの力行時には、三相交流の電流をステータ8に巻き付けたステータコイル8bに印加することで、ロータ7を一体に有するモータシャフト6(入力シャフト)を回転し、モータシャフト6の回転をギヤトレインGTにより減速(変速)してキャリア15(出力側回転部材)から出力する。モータ/ジェネレータMGの回生時には、キャリア15から入力される回転を、ギヤトレインGTにより増速してモータシャフト6及びロータ7を回転することで、ロータ7にエアギャップを介して配置されたステータ8のステータコイル8bに三相交流の電流を発生させる。
前記モータケースCaseは、ケース本体1と、入力側カバー2と、蓋部材3と、出力側カバー4と、を有して構成される。
前記ケース本体1は、両端が開放した中空円筒部材であり、内側面にステータコイル8bと、ギヤトレインGTのリングギヤ13が固定される。
前記入力側カバー2は、ケース本体1の一端側の開口を塞ぐように、ケース本体1にボルト固定される。この入力側カバー2は、モータシャフト6の一端が挿入される開口2aを有している。この開口2aの内側には、モータシャフト6の一端を回転可能に支持する入力側軸受20が設けられている。
前記蓋部材3は、入力側カバー2の開口2aを塞ぐように、入力側カバー2にボルト固定される。
前記出力側カバー4は、ケース本体1の他端側の開口を塞ぐように、ケース本体1にボルト固定される。この出力側カバー4は、キャリア15の円筒シャフト部15aが突出する開口4aを有している。この開口4aの内側には、円筒シャフト部15aを回転可能に支持する出力側軸受30が設けられている。また、開口4aの周縁部の外側には、シールケース5aに取り付けられたオイルシール5が装着されている。このオイルシール5は、内径部が円筒シャフト部15aの外周面に対して所定のシール圧にて接触し、モータケースCaseに封入されたオイルの漏れを阻止する。
前記モータ/ジェネレータMGは、モータシャフト6(入力シャフト)と、ロータ7と、ステータ8と、を有して構成される。
前記モータシャフト6は、一端部がモータケースCaseの入力側カバー2の開口2aに差し込まれ、入力側軸受20を介してこの開口2aの内周面に回転可能に支持されている。また、他端部は、ギヤトレインGTのキャリア15の円筒シャフト部15aの内側に差し込まれ、この円筒シャフト部15aとの間に介装された第1中間軸受40によって、互いに相対回転可能に支持されている。
前記ロータ7は、モータシャフト6の中間部から径方向に延びるロータフランジ9の外周に嵌装され、モータシャフト6と一体的に回転可能となっている。このロータ7は、図外の永久磁石を埋設した積層鋼板により構成される。
前記ステータ8は、ケース本体1の内側面に固定され、ロータ7に対しエアギャップを介して配置される。このステータ8は、打ち抜き積層鋼板によるステータティース8aのそれぞれにステータコイル8bを巻き付けることで構成される。
なお、ステータコイル8bには、U相・V相・W相に分けた接続端子10を介して不図示のハーネスが接続される。また、モータシャフト6の中心部には、ギヤトレインGTのギヤ噛み合い部分や軸受等の必要部位を潤滑及び冷却するオイルが流れる軸芯油路11が形成される。オイルは、入力側カバー2に設けたオイルポンプO/Pから供給される。
前記ギヤトレインGTは、ロータフランジ9と出力側カバー4の間のスペースに配置され、サンギヤ12と、リングギヤ13と、ステップドピニオン14と、キャリア15と、を有する。そして、サンギヤ入力・リングギヤ固定・キャリア出力とすることにより、モータシャフト6からの入力回転を減速して出力する。
前記サンギヤ12は、モータシャフト6の外周面に一体的に形成され、モータシャフト6と一体に回転する。すなわち、このサンギヤ12は、モータシャフト6に連結する入力側回転部材に相当する。
前記リングギヤ13は、ケース本体1の内側面に、セレーション結合により回転不能に固定されている。さらに、このリングギヤ13は、ケース本体1と出力側カバー4の間に挟持され、軸方向に移動不能となっている。
前記ステップドピニオン14は、サンギヤ12とリングギヤ13の間に複数配置され、双方に噛み合うと共に、キャリア15によって回転可能に支持されている。このステップドピニオン14は、サンギヤ12と噛み合う大ピニオン14a(第1ピニオン)と、大ピニオン14aよりも小さい径に設定されると共にリングギヤ13と噛み合う小ピニオン14b(第2ピニオン)と、を有している。ここで、前記サンギヤ12、リングギヤ13、ステップドピニオン14の大ピニオン14a及び小ピニオン14bは、いずれも歯が軸線に対して斜めに切られて螺旋状となったヘリカルギア(はすば歯車)である。
さらに、このステップドピニオン14では、図2に示すように、大ピニオン14aの歯のねじれ方向と小ピニオン14bの歯のねじれ方向が互いに逆向きに設定されている。また、大ピニオン14aのねじれ角θ1と小ピニオン14bのねじれ角θ2との比(ねじれ角比)と、大ピニオン14aのピッチ円径R1と小ピニオン14bのピッチ円径R2との比(ピッチ円径比)とが、同一値になるように設定されている。すなわち、下記式(1)が成立するように各値を設定している。
θ1:θ2 = R1:R2 ・・・(1)
なお、このリングギヤ13及びステップドピニオン14は、サンギヤ12の回転を変速する変速部に相当する。
前記キャリア15は、ステップドピニオン14を介してサンギヤ12に連結すると共に、変位吸収機構Bのギヤカップリング軸17が結合されている。このキャリア15は、リングギヤ13及びステップドピニオン14によって減速(変速)された回転を出力する出力側回転部材に相当する。
前記キャリア15は、円筒シャフト部15aと、フランジ部15bと、支持円盤部15cと、連結部15dと、を有している。
前記円筒シャフト部15aは、両端が開放した円筒スリーブ部材であり、モータシャフト6と同軸に配置され、一端部がモータケースCaseの出力側カバー4の開口4aに差し込まれ、出力側軸受30を介してこの開口4aの内周面に回転可能に支持されている。
また、円筒シャフト部15aの一方にはモータシャフト6が差し込まれ、他方には変位吸収機構Bのギヤカップリング軸17が差し込まれている。さらに、円筒シャフト部15aの内部には、モータシャフト6とギヤカップリング軸17とを隔てる位置に、隔壁シール部材15eが油密状態で配置されている。
そして、円筒シャフト部15aの一端部内周面とモータシャフト6との間には、第1中間軸受40が介装され、互いに相対回転可能に支持されている。また、円筒シャフト部15aの他端部内周面には第1内歯部15fが形成され、ギヤカップリング軸17の外周面に形成された第1外歯部17bが噛み合い結合している。これにより、キャリア15とギヤカップリング軸17とは、一体的に回転可能になっている。
前記フランジ部15bは、円筒シャフト部15aの外周面から径方向に突出している。このフランジ部15bの内部には、オイルが流れるオイル流路が形成されている。
前記支持円盤部15cは、モータシャフト6を取り囲むと共に、フランジ部15bに対向するドーナツ状の円盤であり、フランジ部15bからロータフランジ9に向けて延在された連結部15dの先端に連結されている。
そして、この支持円盤部15cとフランジ部15bの間にステップドピニオン14が配置され、このステップドピニオン14は、フランジ部15b及び支持円盤部15cを貫通する回転軸15gによって回転可能に支持されている。
さらに、支持円盤部15cの内周面とモータシャフト6の間には、第2中間軸受50が介装され、互いに相対回転可能に支持されている。
なお、ロータフランジ9と入力側カバー2との間のスペースには、ロータ7の回転角度を検出するレゾルバ16aが配置されると共に、図示しないパーキングポールが噛み合うことでモータシャフト6を固定するパークギヤ16bがモータシャフト6にスプライン結合している。
前記変位吸収機構Bは、図示しないホイールに固定されるホイールハブ軸18の変位や傾きを駆動ユニット本体Aのモータ/ジェネレータMGやギヤトレインGTへ伝達することを防止或いは抑制する機能を持ち、ギヤカップリング軸17を有している。このギヤカップリング軸17は、駆動ユニット本体Aの円筒シャフト部15aとホイールハブ軸18との間を、変位吸収可能に連結する。
なお、ホイールハブ軸18は、モータケースCaseの出力側カバー4の外側面に固定されたアクスルケース19に対し、ハブベアリング19aを介して回転可能に支持されている。
図1に示す変位吸収機構Bでは、単独で交換可能なギヤカップリング軸17を、円筒シャフト部15aとホイールハブ軸18に対し、変位を吸収しつつ駆動伝達可能に嵌合することで構成される。
前記ギヤカップリング軸17は、ギヤ連結軸部17aの両側位置にそれぞれ、第1外歯部17bと第2外歯部17cを設けて構成される。第1外歯部17bは、円筒シャフト部15aの第1内歯部15fに対して変位吸収可能にセレーション嵌合されている。第2外歯部17cは、ホイールハブ軸18の内周面に形成された第2内歯部18aに対して変位吸収可能にセレーション嵌合されている。
なお、ギヤカップリング軸17の両端面は円弧状に湾曲し、それぞれ隔壁シール部材15eと、ホイールハブ軸18に設けられたエンドキャップシール部材18bに球面接触している。また、このギヤカップリング軸17は、全周がシールされたカップリング空間に、図外の潤滑グリースと共に装着される。
[入力側軸受の詳細構成]
図3は、図1におけるX1部の拡大図である。以下、図3に基づき、実施例1の入力側軸受の詳細構成を説明する。
前記入力側軸受20は、図3に示すように、モータシャフト6の一端部と、入力側カバー2の開口2aの間に介装され、モータシャフト6の外周面に接触する内輪20aと、入力側カバー2の開口2aの内周面に接触する外輪20bと、内輪20aと外輪20bの間に配置された転動体20cと、不図示の転動体保持器と、を有している。
そして、この実施例1では、モータ機構位置規制手段21によって、入力側軸受20を介して、モータケースCaseに対するモータ/ジェネレータMGの軸方向両側(蓋部材3側及び変位吸収機構B側)への移動を規制している。
なお、モータ機構位置規制手段21は、ここでは、第1環状溝22と、第1止め輪23と、第2環状溝24と、第2止め輪25と、モータシャフト6に形成した段差部6aと、蓋部材3と、によって構成されている。
すなわち、入力側軸受20の内輪20aは、変位吸収機構B側の軸方向端部が、モータシャフト6にスプライン結合したパークギヤ16bに接触し、このパークギヤ16bを介してモータシャフト6に形成された段差部6aに干渉可能になっている。また、モータシャフト6の外周面には第1環状溝22が形成され、欠円環状の第1止め輪23が装着されている。そして、内輪20aの蓋部材3側の軸方向端部は、第1環状溝22に装着された第1止め輪23に接触している。
このように、内輪20aは、パークギヤ16bと第1止め輪23に干渉することで、モータシャフト6に対して軸方向両側への移動が規制される。つまり、内輪20aとモータシャフト6とは、軸方向に一体的に移動可能となる。
一方、入力側軸受20の外輪20bには第2環状溝24が形成され、この第2環状溝24に第2止め輪25が装着されている。この第2止め輪25は、入力側カバー2の開口2aの内周面に形成された切欠部2bに干渉し、外輪20bの変位吸収機構B側への移動を規制する。また、この外輪20bの蓋部材3側の軸方向端部は、環状プレート26及び整流プレート27を介して蓋部材3に干渉可能になっている。ここで、蓋部材3はネジN1によって入力側カバー2に固定されており、入力側カバー2と一体化している。つまり、外輪20bは、第2止め輪25と蓋部材3によって、入力側カバー2に対して軸方向両側への移動が規制される。
さらに、内輪20aと外輪20bとは、転動体20cを挟持しており、軸方向に位置ずれすることはない。そのため、入力側カバー2に対して外輪20bの軸方向両側への移動を規制したことで、入力側カバー2に対する内輪20aの軸方向両側への移動が規制される。これにより、内輪20aと軸方向に一体的に移動可能なモータシャフト6も、入力側カバー2に対して軸方向両側への移動が規制されることになる。そして、モータシャフト6の軸方向両側への移動が規制されたことで、モータ/ジェネレータMGの軸方向両側への移動が規制される。
このように、モータ/ジェネレータMGは、モータ機構位置規制手段21により、入力側軸受20を介してモータケースCaseに対する軸方向両側への移動が規制される。
[出力側軸受の詳細構成]
図4は、図1におけるY1部の拡大図である。図5は、図4におけるY2部の拡大図である。図6は、出力側軸受の装着状態を変位吸収機構側から軸方向に見たときの説明図である。以下、図4〜図6に基づき、実施例1の出力側軸受の詳細構成を説明する。
前記出力側軸受30は、図4に示すように、ギヤトレインGTのキャリア15と、出力側カバー4の開口4aの間に介装され、キャリア15の外周面に接触する内輪30aと、出力側カバー4の開口4aの内周面に接触する外輪30bと、内輪30aと外輪30bの間に配置された転動体30cと、不図示の転動体保持器と、を有している。
そして、この実施例1では、変速機構位置規制手段31によって、出力側軸受30を介して、モータケースCaseに対するギヤトレインGTの軸方向両側への移動を規制している。
なお、ここでは、変速機構位置規制手段31は、第3環状溝32と、第3止め輪33と、軸受側環状溝34と、ケース側環状溝35と、位置規制部材36と、キャリア15に形成された段差部15hと、によって構成されている。
すなわち、出力側軸受30の内輪30aは、蓋部材3側の軸方向端部が、円筒シャフト部15aから突出したフランジ部15bの根元位置に形成された段差部15hに接触している。また、円筒シャフト部15aの外周面には第3環状溝32が形成され、欠円環状の第3止め輪33が装着されている。そして、内輪30aの変位吸収機構B側の軸方向端部は、第3環状溝32に装着された第3止め輪33に接触している。
このように、内輪30aは、段差部15hと第3止め輪33とにそれぞれ干渉することで、キャリア15に対して軸方向両側への移動が規制される。つまり、内輪30aとキャリア15とは、軸方向に一体的に移動可能となる。
一方、出力側軸受30の外輪30bの外周面には、出力側カバー4に対して開放した軸受側環状溝34が形成されている。また、外輪30bに対向する出力側カバー4の開口4aの内周面には、出力側軸受30に対して開放したケース側環状溝35が形成されている。そして、この軸受側環状溝34及びケース側環状溝35の双方に位置規制部材36が嵌合している。この位置規制部材36の軸方向両面が、それぞれ軸受側環状溝34及びケース側環状溝35に干渉することで、外輪30bは、出力側カバー4に対して軸方向両側への移動が規制される。
さらに、内輪30aと外輪30bとは、転動体30cを挟持しており、軸方向に位置ずれすることはない。そのため、出力側カバー4に対して外輪30bの軸方向両側への移動を規制したことで、出力側カバー4に対する内輪30aの軸方向両側への移動が規制される。これにより、内輪30aと軸方向に一体的に移動可能なキャリア15も、出力側カバー4に対して軸方向両側への移動が規制されることになる。そして、キャリア15の軸方向両側への移動が規制されたことで、ギヤトレインGTの軸方向両側への移動が規制される。
このように、ギヤトレインGTは、変速機構位置規制手段31により、出力側軸受30を介してモータケースCaseに対する軸方向両側への移動が規制される。
そして、前記位置規制部材36は、図6に示すように、ステンレスばね鋼等の弾性材製の金属板を打ち抜き形成することで形成される略C字形の欠円環形状を呈しており、径方向の弾力を有する。この位置規制部材36は、不連続部分を挟んで対向する部分に、外径側が径方向に突出した傾斜面36a,36aが設けられ、拡径用工具(図示せず)の先端部が当接可能となっている。
また、図5に示すように、ケース側環状溝35の溝深さD1は、位置規制部材36の径方向幅寸法W1よりも大きい値に設定されている。これにより、位置規制部材36が拡径した際、ケース側環状溝35内に没入可能となっている。
さらに、出力側カバー4には、シールケース5aが取り付けられる外側面に開放すると共に、円筒シャフト部15aの軸方向に延在してケース側環状溝35に連通し、位置規制部材36へのアクセスを可能にする作業用開口部37が形成されている。この作業用開口部37は、拡径用工具の先端部を差し込み可能な大きさであり、拡径用工具を介して位置規制部材36の傾斜面36aへのアクセスを可能にする。
また、位置規制部材36は、ケース側環状溝35及び軸受側環状溝34の双方に嵌合している状態で、一対の傾斜面36a,36aが作業用開口部37に臨むように配置される(図6参照)。
次に、変速機構位置規制手段31による出力側軸受30の軸方向位置の固定手順を説明する。このとき、まず、外輪30bの軸方向位置を固定し、その後内輪30aの軸方向位置を固定する。
出力側軸受30の軸方向位置を固定させるには、予めモータケースCase内に配置したモータ/ジェネレータMGに対し、ギヤトレインGTを取り付ける。ギヤトレインGTを取り付けたら、ケース本体1に出力側カバー4を固定する。
そして、まず、出力側カバー4の開口4aに形成されたケース側環状溝35に位置規制部材36を装着する。
このとき、開口4aの内側に位置規制部材36を縮径した状態で差し込む。そして、この位置規制部材36をケース側環状溝35に対向させると、位置規制部材36自身の弾性力で拡径して外周縁部がケース側環状溝35に嵌まり込む。これにより、ケース側環状溝35に位置規制部材36が装着される。なお、このとき一対の傾斜面36a,36aが作業用開口部37に臨むように、位置規制部材36の周方向位置を調整する。
ケース側環状溝35に位置規制部材36を装着したら、次に、拡径用工具(図示せず)を作業用開口部37に差し込み、この拡径用工具の先端部を傾斜面36a,36aに当接させる。そして、この拡径用工具によって一対の傾斜面36a,36aを離間させることで、位置規制部材36を拡径させる。ここで、ケース側環状溝35の溝深さD1が、位置規制部材36の径方向幅寸法W1よりも大きい値に設定されている。このため、位置規制部材36は、拡径されることでケース側環状溝35に没入する。
そして、ケース側環状溝35に位置規制部材36を没入させた状態で、出力側カバー4の外側からモータケースCaseの内部に向かって、出力側軸受30をギヤトレインGTの軸方向に移動させ、出力側カバー4とキャリア15の間に嵌め込む。
このとき、ケース側環状溝35から突出している位置規制部材36の不連続部分及び一対の傾斜面36a,36aが作業用開口部37に臨んでいるので、出力側カバー4に干渉することはない。
出力側軸受30を出力側カバー4とキャリア15の間に嵌め込み、軸受側環状溝34をケース側環状溝35に対向させたら、拡径用工具(図示せず)の先端部を傾斜面36a,36aから外す。これにより、位置規制部材36は、自身の弾力で縮径して内周縁部が軸受側環状溝34に入り込む。
なお、位置規制部材36の外周縁部は、ケース側環状溝35に入り込んだままであるため、この位置規制部材36は、ケース側環状溝35及び軸受側環状溝34の双方に嵌合し、外輪30bは出力側カバー4に対して軸方向両側への移動が規制される。
その後、第3止め輪33を第3環状溝32に装着する。これにより、出力側軸受30の内輪30aがキャリア15に設けた段差部15hと第3止め輪33の間に位置規制され、キャリア15と軸方向に一体的に移動可能となる。
この結果、出力側軸受30を介して、モータケースCaseに対し、ギヤトレインGTの軸方向両側への移動が規制される。
最後に、予めシールケース5aの内側に装着した環状のオイルシール5に、出力側カバーから突出したキャリア15の円筒シャフト部15aを差し込む。そして、シールケース5aをネジN2によって出力側カバー4に固定し、モータケースCaseとキャリア15との間を油密にし、オイル漏れを防止する。
[第1中間軸受の詳細構成]
図7は、図1におけるZ1部の拡大図である。以下、図7に基づき、実施例1の第1中間軸受の詳細構成を説明する。
前記第1中間軸受40は、図7に示すように、モータシャフト6の端部と、ギヤトレインGTのキャリア15の円筒シャフト部15aと間に介装され、キャリア15に接触する外輪40bと、モータシャフト6と外輪40bの間に配置された転動体40cと、不図示の転動体保持器と、を有している。
前記外輪40bは、キャリア15の円筒シャフト部15aの内周に嵌着している。この外輪40bは、変位吸収機構B側の軸方向端部が、円筒シャフト部15aの内側に配置された隔壁シール部材15eに接触し、蓋部材3側の軸方向端部が、円筒シャフト部15aの内周面に形成された第4環状溝41に装着された欠円環状の第4止め輪42に接触する。これにより、外輪40bは、キャリア15に対して軸方向両側への移動が規制される。つまり、外輪40bとキャリア15とは、軸方向に一体的に移動可能となる。
一方、転動体40cは、モータシャフト6の外周に接触している。この転動体40cとモータシャフト6とは直接接触しており、モータシャフト6が軌道面として使用される。また、転動体40cは、軸方向位置が規制されておらず、モータシャフト6に対して軸方向に相対的に移動可能になっている。
ここで、外輪40bと転動体40cとは、軸方向に位置ずれすることはない。そのため、モータシャフト6に対し、転動体40cの軸方向位置を規制していないことで、モータシャフト6に対して外輪40bも軸方向位置が規制されない。さらに、外輪40bと軸方向に一体的に移動可能なキャリア15も、モータシャフト6に対して軸方向位置が規制されない。
すなわち、第1中間軸受40は、モータシャフト6とキャリア15を互いに相対回転可能に支持する際、軸方向に自由な支持とする。
[第2中間軸受の詳細構成]
以下、図7に基づき、実施例1の第2中間軸受の詳細構成を説明する。
前記第2中間軸受50は、図7に示すように、モータシャフト6の中間部と、ギヤトレインGTのキャリア15の支持円盤部15cとの間に介装され、モータシャフト6に接触する内輪50aと、キャリア15に接触する外輪50bと、内輪50aと外輪50bの間に配置された転動体50cと、不図示の転動体保持器と、を有している。
前記内輪50aは、モータシャフト6の外周に嵌着している。この内輪50aは、蓋部材3側の軸方向端部が、モータシャフト6に形成された段差部6bに接触し、変位吸収機構B側の軸方向端部が、モータシャフト6の周面に形成された第5環状溝51に装着された欠円環状の第5止め輪52に接触する。これにより、内輪50aは、モータシャフト6に対して軸方向両側への移動が規制される。つまり、内輪50aとモータシャフト6とは、軸方向に一体的に移動可能となる。
一方、前記外輪50bは、キャリア15の支持円盤部15cの内周に嵌着している。この外輪50bは、軸方向位置が規制されておらず、キャリア15に対して軸方向に相対的に移動可能になっている。
ここで、内輪50aと外輪50bとは、転動体50cを挟持しており、軸方向に位置ずれすることはない。そのため、キャリア15に対し、外輪50bの軸方向位置を規制していないことで、キャリア15に対して内輪50aも軸方向位置が規制されない。さらに、内輪50aと軸方向に一体的に移動可能なモータシャフト6も、キャリア15に対して軸方向位置が規制されないことになる。
すなわち、第2中間軸受50は、モータシャフト6とキャリア15を互いに相対回転可能に支持する際、軸方向に自由な支持とする。
次に、作用を説明する。
まず、「比較例のモータ駆動装置の構成と課題」を説明し、続いて、実施例1のモータ駆動装置における作用を「軸方向移動時の位置規制作用」、「その他の特徴的作用」に分けて説明する。
[比較例のモータ駆動装置の構成と課題]
図8は、比較例のモータ駆動装置の全体構成を示す縦断面図である。以下、図8に基づき、比較例のモータ駆動装置の構成と課題を説明する。
比較例のモータ駆動装置は、図8に示すように、モータ機構であるモータ/ジェネレータMGと、変速機構であるギヤトレインGTと、これらを内蔵するユニットケースであるモータケースCaseと、を備えている。
そして、モータ/ジェネレータMGによって回転駆動されるモータシャフト6は、モータケースCaseに設けられた入力側軸受20によって回転可能に支持されている。一方、ギヤトレインGTの出力側回転部材であるキャリア15は、モータケースCaseに設けられた出力側軸受30によってモータケースCaseに回転可能に支持されている。
この比較例のモータ駆動装置では、入力側軸受20の外輪20bは、蓋部材3側の軸方向端部(図8において左側端部)が、モータケースCaseの端部に固定された蓋部材3に接触している。つまり、モータ/ジェネレータMGの蓋部材3側の軸方向位置は、入力側軸受20を介して蓋部材3により規制される。しかしながら、入力側軸受20の外輪20bの変位吸収機構B側の軸方向端部(図8において右側端部)は、軸方向位置が規制されておらず、モータシャフト6と共に変位吸収機構Bに向かって軸方向に移動可能になっている。
また、出力側軸受30の変位吸収機構B側の軸方向端部(図8において右側端部)は、モータケースCaseの出力側カバー4に固定したシールケース5aに接触している。つまり、ギヤトレインGTの変位吸収機構B側の軸方向位置は、出力側軸受30を介してシールケース5aにより規制される。しかしながら、出力側軸受30の外輪30bの蓋部材3側の軸方向端部(図8において左側端部)は、軸方向位置が規制されておらず、キャリア15と共に軸方向に移動可能になっている。
さらに、モータシャフト6とキャリア15との間には、第1中間軸受40と、第2中間軸受50が介装され、相互に回転可能に支持されている。
ここで、第2中間軸受50は、キャリア15の支持円盤部15cの内周縁に形成された段差部分αと、モータシャフト6の中間部外周面に形成された段差部分βとの間に挟持されている。
すなわち、モータ/ジェネレータMGが変位吸収機構B側に移動すると、段差部分βによって第2中間軸受50を変位吸収機構B側に押圧する。そして、第2中間軸受50がキャリア15の段差部分αに干渉して、ギヤトレインGTを変位吸収機構Bに向かって移動させる。ここで、ギヤトレインGTは、出力側軸受30がシールケース5aに干渉することで、変位吸収機構B側の軸方向位置が規制されている。このため、モータ/ジェネレータMGの変位吸収機構B側の軸方向位置は、第2中間軸受50と、ギヤトレインGTのキャリア15と、出力側軸受30を介して規制される。
また、ギヤトレインGTが蓋部材3側に移動すると、段差部分αによって第2中間軸受50を蓋部材3側に押圧する。そして、第2中間軸受50がモータシャフト6の段差部分βに干渉して、モータ/ジェネレータMGを蓋部材3に向かって移動させる。ここで、モータ/ジェネレータMGは、入力側軸受20が蓋部材3に干渉することで、蓋部材3側の軸方向位置が規制されている。このため、ギヤトレインGTの蓋部材3側の軸方向位置は、第2中間軸受50と、モータ/ジェネレータMGのモータシャフト6と、入力側軸受20を介して規制される。
このように、比較例のモータ駆動装置では、モータ/ジェネレータMGやギヤトレインGTの軸方向移動規制を、複数の部品を介して行っている。そのため、例えば、モータ/ジェネレータMGに対して変位吸収機構B側に向かう軸方向の力が作用すると、モータ/ジェネレータMGのモータシャフト6は、モータシャフト6と第2中間軸受50の間の寸法公差と、第2中間軸受50とキャリア15の間の寸法公差と、キャリア15と出力側軸受30の間の寸法公差と、出力側軸受30とモータケースCaseの間の寸法公差の分だけ移動することになる。また、ギヤトレインGTに対して蓋部材3側に向かう軸方向の力が作用すると、ギヤトレインGTのキャリア15は、キャリア15と第2中間軸受50の間の寸法公差と、第2中間軸受50とモータシャフト6の間の寸法公差と、モータシャフト6と入力側軸受20の間の寸法公差と、入力側軸受20とモータケースCaseの間の寸法公差の分だけ移動することになる。
すなわち、モータ/ジェネレータMGやギヤトレインGTに軸方向の力が作用したことで軸方向に移動する際、部品間の寸法公差が累積されてしまい、モータ/ジェネレータMGやギヤトレインGTの移動量が大きくなって、ガタが詰まる際に生じる音や振動が大きくなってしまう。特に、駆動力の方向反転時に移動ガタ量の増大が顕著になる。
また、ギヤトレインGTの各ギヤ(サンギヤ12、リングギヤ13、ステップドピニオン14)においてヘリカルギヤを採用した場合では、キャリア15の軸方向移動量が大きくなることで、この軸方向移動とヘリカルギヤ角度により発生するギヤの回転ガタ量(駆動バックラッシ)も大きくなる。そして、その回転ガタ量の増大により、モータ駆動装置全体の駆動制御性が悪化するという問題が生じる。
しかも、モータシャフト6に作用する軸方向荷重やキャリア15に作用する軸方向荷重は、上記の各軸受(第2中間軸受50や入力側軸受20、出力側軸受30)に伝播して支持される。このため、各軸受は軸方向荷重に耐えうるだけの強度が必要となり、小型化を図ることが困難になる。
なお、ギヤトレインGTにおいて、シングルピニオン構造を適用する等したことで、ピニオンの噛み合い箇所が軸方向に一箇所である場合には、噛み合い反力がなんら相殺されることなく、各軸受からモータシャフト6へと伝達されてしまう。そのため、各軸受の小型化がさらに困難になる。
[軸方向移動時の位置規制作用]
実施例1のモータ駆動装置において、モータ/ジェネレータMGが回転駆動した際、駆動反力の分力荷重や、各軸受で生じるスキュー、振動等の影響により、モータ/ジェネレータMG及びギヤトレインGTに、蓋部材3或いは変位吸収機構Bに向かう軸方向の力が加わることがある。
ここで、モータ/ジェネレータMGに蓋部材3に向かう軸方向の力(図1において左側に向かう力)が加わると、モータシャフト6は、パークギヤ16bを介して入力側軸受20の内輪20aを蓋部材3側に押圧する。そして、この内輪20aに作用した軸方向の力によって、外輪20bが蓋部材3側に移動する。このとき、入力側軸受20の外輪20bは、環状プレート26及び整流プレート27を介して蓋部材3に突き当たり、軸方向への移動が規制される。このように、外輪20bの軸方向移動が規制されることで、内輪20aの軸方向移動も規制され、この内輪20aにパークギヤ16bを介して突き当たるモータシャフト6の軸方向移動も規制される。
すなわち、モータ/ジェネレータMGは、モータ機構位置規制手段21により、入力側軸受20を介して、モータケースCaseに対する蓋部材3側への移動が規制される。
そのため、モータ/ジェネレータMGは、蓋部材3に向かう軸方向の力が加わった際、モータシャフト6と入力側軸受20との間の公差と、入力側軸受20と蓋部材3との間の公差の分だけ、蓋部材3側に移動することになる。
一方、ギヤトレインGTに蓋部材3に向かう軸方向の力が加わると、キャリア15に設けた第3止め輪33が出力側軸受30の内輪30aに干渉し、この内輪30aを蓋部材3側に押圧する。そして、この内輪30aに作用した軸方向の力によって、外輪30bが蓋部材3側に移動する。このとき、外輪30bに形成された軸受側環状溝34が位置規制部材36に干渉して、この位置規制部材36を蓋部材3側に押圧する。さらに、この位置規制部材36は、出力側カバー4に形成されたケース側環状溝35に干渉する。これにより、出力側軸受30の外輪30bは、蓋部材3側への軸方向移動が規制される。このように、外輪30bの軸方向移動が規制されることで、内輪30aの軸方向移動も規制され、この内輪30aに対し、周面に設けた第3止め輪33が干渉するキャリア15の軸方向移動も規制される。
すなわち、ギヤトレインGTは、変速機構位置規制手段31により、出力側軸受30を介して、モータケースCaseに対する蓋部材3側への移動が規制される。
そのため、ギヤトレインGTは、蓋部材3に向かう軸方向の力が加わった際、キャリア15と出力側軸受30との間の公差と、出力側軸受30と出力側カバー4との間の公差の分だけ、蓋部材3側に移動することになる。
また、モータ/ジェネレータMGに変位吸収機構Bに向かう軸方向の力(図1において右側に向かう力)が加わると、モータシャフト6に設けた第1止め輪23が入力側軸受20の内輪20aに干渉し、この内輪20aを変位吸収機構B側に押圧する。そして、この内輪20aに作用した軸方向の力によって、外輪20bが変位吸収機構B側に移動する。このとき、外輪20bに設けられた第2止め輪25が入力側カバー2に形成された切欠部2bに干渉し、外輪20bの変位吸収機構B側への移動が規制される。このように、外輪20bの軸方向移動が規制されることで、内輪20aの軸方向移動も規制され、この内輪20aに対し、周面に設けた第1止め輪23が干渉するモータシャフト6の軸方向移動も規制される。
すなわち、モータ/ジェネレータMGは、モータ機構位置規制手段21により、入力側軸受20を介して、モータケースCaseに対する変位吸収機構B側への移動が規制される。
そのため、モータ/ジェネレータMGは、変位吸収機構Bに向かう軸方向の力が加わった際、モータシャフト6と入力側軸受20との間の公差と、入力側軸受20と入力側カバー2との間の公差の分だけ、変位吸収機構B側に移動することになる。
一方、ギヤトレインGTに変位吸収機構Bに向かう軸方向の力が加わると、キャリア15に形成した段差部15hが出力側軸受30の内輪30aに突き当たり、この内輪30aを変位吸収機構B側に押圧する。そして、この内輪30aに作用した軸方向の力によって、外輪30bが変位吸収機構B側に移動する。このとき、外輪30bに形成された軸受側環状溝34が位置規制部材36に干渉して、この位置規制部材36を変位吸収機構B側に押圧する。さらに、この位置規制部材36は、出力側カバー4に形成されたケース側環状溝35に干渉する。これにより、出力側軸受30の外輪30bは、変位吸収機構B側への軸方向移動が規制される。このように、外輪30bの軸方向移動が規制されることで、内輪30aの軸方向移動も規制され、この内輪30aに対して段差部15hが突き当たるキャリア15の軸方向移動も規制される。
すなわち、ギヤトレインGTは、変速機構位置規制手段31により、出力側軸受30を介して、モータケースCaseに対する変位吸収機構B側への移動が規制される。
そのため、ギヤトレインGTは、変位吸収機構Bに向かう軸方向の力が加わった際、キャリア15と出力側軸受30との間の公差と、出力側軸受30と出力側カバー4との間の公差の分だけ、変位吸収機構B側に移動することになる。
このように、モータ/ジェネレータMGとギヤトレインGTにおいて、それぞれが独立して蓋部材3側への軸方向移動及び変位吸収機構B側への軸方向移動を規制されることになり、他方に影響を与えることがない。そのため、これらが軸方向に移動する際に生じる移動ガタ量を抑制することができ、ガタが詰まる際の音や振動を低減することができる。
特に、駆動力の反転時、つまりモータ/ジェネレータMGが力行状態から回生状態(又は、回生状態から力行状態)へと切り替わる際には、モータ/ジェネレータMG及びキャリア15の軸方向移動量が比較的大きくなる。しかしながら、モータ/ジェネレータMGとキャリア15とを独立して軸方向移動を規制したことで、ガタ詰まり時の音や振動を抑制することができる。
また、例えば蓋部材3側に移動する際のモータ/ジェネレータMGの荷重は、モータシャフト6→パークギヤ16b→入力側軸受20の内輪20a→転動体20c→外輪20b→蓋部材3と伝達される。一方、蓋部材3側に移動する際のギヤトレインGTの荷重は、キャリア15→第3止め輪33→出力側軸受30の内輪30a→転動体30c→外輪30b→位置規制部材36→出力側カバー4へと伝達される。
そのため、比較例のモータ駆動装置よりも荷重伝達経路を短縮することができ、強度を必要とする部位を限定することが可能となる。この結果、各軸受や各止め輪等を小型化することができる。
さらに、モータシャフト6とキャリア15の間に介装された第1,第2中間軸受40,50は、それぞれモータシャフト6とキャリア15を、互いに相対回転可能に支持する際、軸方向に自由な支持としている。そのため、軸方向に力を伝達する必要がなく、この第1,第2中間軸受40,50の小型化が可能となる。また、第1,第2中間軸受40,50の小型化でモータ駆動装置全体のレイアウトが有利になり、モータ駆動装置全体の小型化、短軸化を図ることができる。
一方、この実施例1では、サンギヤ12、リングギヤ13、ステップドピニオン14の大ピニオン14a及び小ピニオン14bが、それぞれヘリカルギア(はすば歯車)であり、軸方向移動量に応じた回転方向のガタが発生してしまう。
しかしながら、ギヤトレインGTの軸方向への移動ガタ量を抑えることで、軸方向移動量とヘリカルギヤ角度によって生じるギヤの回転ガタ量も抑制することができる。これにより、ガタが詰まる際の音や振動の低減効果をさらに向上すると共に、回転ガタ量の低減に伴って駆動装置全体の駆動制御性の向上を図ることができる。
[その他の特徴的作用]
この実施例1では、変速機構位置規制手段31が、出力側軸受30の外輪30bに形成した軸受側環状溝34と、出力側カバー4に形成したケース側環状溝35と、この軸受側環状溝34及びケース側環状溝35の双方に嵌合する位置規制部材36と、を有している。
そのため、モータケースCaseに対するギヤトレインGTの軸方向両側、つまり蓋部材3側と、変位吸収機構B側との両方向への移動規制を、一つの部品(位置規制部材36)によって実施することができる。
そして、この位置規制部材36を用いたことで、変速機構位置規制手段31の小型化、軸方向寸法の短縮化を図ることができる。また、部品点数の低減を図ることができ、部品の組み付け、組み外しに必要な作業時間を短縮することができる。
さらに、実施例1では、出力側カバー4に作業用開口部37を形成している。この作業用開口部37は、シールケース5aが固定される外側面に開放すると共に、ギヤトレインGTのキャリア15の軸方向に延在してケース側環状溝35に連通し、位置規制部材36へのアクセスを可能にする。
そのため、位置規制部材36を出力側カバー4と出力側軸受30の間に組み付ける際、出力側カバー4の外側からの作業によって組み付け、組み外しすることができる。つまり、他の部品が近接している等の構造上の理由によって、位置規制部材36の組み付けが困難であっても、この位置規制部材36の組み付けを可能とすることができる。
また、実施例1では、モータケースCaseの出力側カバー4と、キャリア15の円筒シャフト部15aとの間には、モータケースCaseの内部に封入されたオイルの漏れを防止するオイルシール5が設けられている。ここで、オイルシール5は、出力側カバー4とは別体のシールケース5aを介して、出力側カバー4に固定されている。
そのため、オイルシール5の外径部(出力側カバー4との接触部分)と内径部(円筒シャフト部15aとの接触部分)との同時組み付けを行うことなく、オイルシール5の組み付けを行うことができる。そして、オイルシール5の内径部と円筒シャフト部15aの組付時の同軸確保や、直角度確保が容易になり、内径部に形成されたリップ部5b(図5参照)の損傷を防止することができる。
さらに、この実施例1では、ギヤトレインGTが、サンギヤ12に噛み合う大ピニオン14aと、リングギヤ13に噛み合う小ピニオン14bとを有するステップドピニオン14を備えた遊星歯車から構成されている。そして、図2に示すように、このステップドピニオン14をヘリカルギヤとすると共に、大ピニオン14aのギヤねじれ方向と小ピニオン14bのギヤねじれ方向を互いに逆向きに設定する。さらに、大ピニオン14aと小ピニオン14bのねじれ角比と、大ピニオン14aと小ピニオン14bのピッチ円径比と、を同一値に設定している。
そのため、図9に示すように、モータ/ジェネレータMGとギヤトレインGTの間で駆動力伝達が行われる際、大ピニオン14aとサンギヤ12との噛み合い部分で発生する軸方向分力荷重F1と、小ピニオン14bとリングギヤ13との噛み合い部分で発生する軸方向分力荷重F2とは、同じ大きさの逆向きの力になる。すなわち、これらの軸方向分力荷重F1,F2は、ステップドピニオン14内で互いに相殺され、外部に作用する軸方向荷重を発生させることがない。
さらに、図10に示すように、モータ/ジェネレータMGの回生時(キャリア15から駆動トルクが入力される場合)であっても、大ピニオン14aとサンギヤ12との噛み合い部分で発生する軸方向分力荷重F1と、小ピニオン14bとリングギヤ13との噛み合い部分で発生する軸方向分力荷重F2とは、同じ大きさの逆向きの力となり、ステップドピニオン14内で互いに相殺される。
なお、図9及び図10において、F3はサンギヤ12に作用する軸方向噛み合い反力であり、F4はリングギヤ13に作用する軸方向噛み合い反力である。
そしてこのようにステップドピニオン14の噛み合い部分で生じる軸方向分力荷重F1,F2がステップドピニオン14内で相殺されることで、モータ機構位置規制手段21や変速機構位置規制手段31に対して、軸方向荷重が積極的に入力されてしまうことを防止できる。そして、これらの位置規制手段21,31における止め輪等を小型化することができる。さらに、このステップドピニオン14の軸方向の移動を抑制することができ、ステップドピニオン14の軸方向移動に伴う音や振動の発生と、バックラッシの増加に伴う制御性の悪化を防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のモータ駆動装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 入力シャフト(モータシャフト6)を回転駆動するモータ機構(モータ/ジェネレータMG)と、
前記入力シャフト(モータシャフト6)に連結する入力側回転部材(サンギヤ12)と、前記入力側回転部材(サンギヤ12)の回転を変速(減速)する変速部(リングギヤ13、ステップドピニオン14)と、前記変速部(リングギヤ13、ステップドピニオン14)によって変速(減速)した回転を出力する出力側回転部材(キャリア15)と、を有する変速機構(ギヤトレインGT)と、
前記モータ機構(モータ/ジェネレータMG)及び前記変速機構(ギヤトレインGT)を内蔵するユニットケース(モータケースCase)と、
前記ユニットケース(モータケースCase)に設けられ、前記入力シャフト(モータシャフト6)を回転可能に支持する入力側軸受20と、
前記ユニットケース(モータケースCase)に設けられ、前記変速機構(ギヤトレインGT)の出力側回転部材(キャリア15)を回転可能に支持する出力側軸受30と、
前記入力シャフト(モータシャフト6)と前記出力側回転部材(キャリア15)の間に設けられ、前記入力シャフト(モータシャフト6)と前記出力側回転部材(キャリア15)を互いに相対回転可能に支持する中間軸受(第1中間軸受40、第2中間軸受50)と、
前記入力側軸受20を介して、前記ユニットケース(モータケースCase)に対する前記モータ機構(モータ/ジェネレータMG)の軸方向両側への移動を規制するモータ機構位置規制手段21と、
前記出力側軸受30を介して、前記ユニットケース(モータケースCase)に対する前記変速機構(ギヤトレインGT)の軸方向両側への移動を規制する変速機構位置規制手段31と、
を備える構成とした。
これにより、ユニットケース(モータケースCase)に内蔵したモータ機構(モータ/ジェネレータMG)や変速機構(ギヤトレインGT)の軸方向の移動ガタ量を抑制することができる。
(2) 前記変速機構位置規制手段31は、前記出力側軸受30に形成した軸受側環状溝34と、前記ユニットケース(モータケースCase)に形成したケース側環状溝35と、前記軸受側環状溝34及び前記ケース側環状溝35の双方に嵌合する位置規制部材36と、を有する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、変速機構(ギヤトレインGT)の軸方向両側への移動規制を、一つの部品(位置規制部材36)によって実施することができ、変速機構位置規制手段31の小型化、軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
(3) 前記ユニットケース(モータケースCase)は、外側面に開放すると共に、前記変速機構(ギヤトレインGT)の軸方向に延在して前記ケース側環状溝35に連通し、前記位置規制部材36へのアクセスを可能にする作業用開口部37を有する構成とした。
これにより、(2)の効果に加え、構造上の理由によって、位置規制部材36の組み付けが困難であっても、位置規制部材36の組み付けを可能とすることができる。
(4) 前記変速機構(ギヤトレインGT)を、サンギヤ12と、リングギヤ13と、前記サンギヤ12に噛み合う第1ピニオン(大ピニオン14a)及び該第1ピニオン(大ピニオン14a)とは異なる径を有すると共に前記リングギヤ13に噛み合う第2ピニオン(小ピニオン14b)を有するステップドピニオン14と、を備えた遊星歯車から構成し、
前記ステップドピニオン14をヘリカルギヤとすると共に、前記第1ピニオン(大ピニオン14a)のギヤねじれ方向と前記第2ピニオン(小ピニオン14b)のギヤねじれ方向を互いに逆向きに設定し、且つ、前記第1ピニオン(大ピニオン14a)と前記第2ピニオン(小ピニオン14b)とのねじれ角比と、前記第1ピニオン(大ピニオン14a)と前記第2ピニオン(小ピニオン14b)のピッチ円径比とを近似値に設定する構成とした。
これにより、(1)から(3)のいずれかの効果に加え、第1ピニオン(大ピニオン14a)と第2ピニオン(小ピニオン14b)の噛み合い部分で生じる軸方向分力荷重F1,F2を相殺させ、モータ機構位置規制手段21や変速機構位置規制手段31に対して、積極的に軸方向荷重が入力されることを防止できる。また、ステップドピニオン14の軸方向移動に伴う音や振動の発生と、バックラッシの増加に伴う制御性の悪化を防止することができる。
(5) 前記ユニットケース(モータケースCase)と前記出力側回転部材(キャリア15)との間には、前記ユニットケース(モータケースCase)の内部に封入されたオイルの漏れを防止するオイルシール5を介装し、
前記オイルシール5は、前記ユニットケース(モータケースCase)と別体のシールケース5aを介して前記ユニットケース(モータケースCase)に固定する構成とした。
これにより、(1)から(4)のいずれかの効果に加え、オイルシール5の内径部と円筒シャフト部15aの組付時の同軸確保や、直角度確保が容易になり、内径部に形成されたリップ部5bの損傷を防止することができる。
以上、本発明のモータ駆動装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、変速機構位置規制手段31が、軸受側環状溝34と、ケース側環状溝35と、位置規制部材36と、を有している例を示したが、これに限らない。モータ機構位置規制手段21が、軸受側環状溝と、ケース側環状溝と、位置規制部材と、を有し、一つの部品(位置規制部材)によってモータケースCaseに対するモータ/ジェネレータMGの軸方向両側への移動規制を実施してもよい。
また、モータ機構位置規制手段21が、軸受側環状溝と、ケース側環状溝と、位置規制部材と、を有する場合において、モータケースCaseの入力側カバー2の外側面に開放すると共に、モータ/ジェネレータMGの軸方向に延在して、ケース側環状溝に連通し、位置規制部材へのアクセスを可能にする作業用開口部を形成してもよい。なおこのとき、作業用開口部は、蓋部材3によって封鎖することが考えられる。
また、この実施例1では、ステップドピニオン14において、大ピニオン14aと小ピニオン14bのねじれ角比と、大ピニオン14aと小ピニオン14bのピッチ円径比とが、同一値になるように設定し、上述の式(1)が成立するように各値を設定する例を示したが、ねじれ角比とピッチ円径比とが完全に同一値でなくてもよい。このねじれ角比の値とピッチ円径比の値を同一の値に近づけるほど、大ピニオン14aとサンギヤ12との噛み合い部分で発生する軸方向分力荷重F1と、小ピニオン14bとリングギヤ13との噛み合い部分で発生する軸方向分力荷重F2とが、同じ大きさの力となる。このため、ねじれ角比とピッチ円径比とを近似値に設定することで、上記軸方向分力荷重F1と軸方向分力荷重F2とを近い値にすることができ、ステップドピニオン14の外部に作用する軸方向荷重を抑制することができる。すなわち、ねじれ角比とピッチ円径比とを近似値に設定すればよい。
さらに、この実施例1では、中間軸受として、第1中間軸受40及び第2中間軸受50を設けた例を示したが、これに限らない。中間軸受は一つであってもよいし、三つ以上を設けてもよい。いずれにしても、軸方向に自由に移動可能な状態でモータシャフト6とキャリア15を互いに回転可能に支持すればよい。
そして、実施例1では、ケース側環状溝35の溝深さD1を位置規制部材36の径方向幅寸法W1よりも大きい値に設定し、出力側軸受30を出力側カバー4とキャリア15の間に嵌め込む際に、位置規制部材36を拡径してケース側環状溝35に没入させる例を示した。しかしながら、これに限らず、軸受側環状溝34の溝深さを、位置規制部材36の径方向幅寸法W1よりも大きい値に設定してもよい。この場合では、予め位置規制部材36を軸受側環状溝34に装着し、位置規制部材36を縮径してケース側環状溝35に没入させた状態で、出力側軸受30を出力側カバー4とキャリア15の間に嵌め込むことができる。
さらに、この実施例1では、本発明のモータ駆動装置を電気自動車のインホイールモータに適用した例を示したが、これに限らない。車両前部等に形成されたモータルームに配置されたモータ駆動ユニットに適用してもよい。
また、変速機構としてのギヤトレインGTは、モータシャフト6の回転を一段減速して出力する例を示したが、複数段階変速するものであってもよいし、増速するものであってもよい。
A 駆動ユニット本体
B 変位吸収機構
Case モータケース(ユニットケース)
MG モータ/ジェネレータ(モータ機構)
GT ギヤトレイン(変速機構)
1 ケース本体
2 入力側カバー
2a 開口
3 蓋部材
4 出力側カバー
4a 開口
5 オイルシール
5a シールケース
6 モータシャフト(入力シャフト)
7 ロータ
8 ステータ
12 サンギヤ(入力側回転部材)
13 リングギヤ(変速部)
14 ステップドピニオン(変速部)
14a 大ピニオン(第1ピニオン)
14b 小ピニオン(第2ピニオン)
15 キャリア(出力側回転部材)
15a 円筒シャフト部
20 入力側軸受
21 モータ機構位置規制手段
30 出力側軸受
31 変速機構位置規制手段
34 軸受側環状溝
35 ケース側環状溝
36 位置規制部材
40 第1中間軸受
50 第2中間軸受

Claims (5)

  1. 入力シャフトを回転駆動するモータ機構と、
    前記入力シャフトに連結する入力側回転部材と、前記入力側回転部材の回転を変速する変速部と、前記変速部によって変速した回転を出力する出力側回転部材と、を有する変速機構と、
    前記モータ機構及び前記変速機構を内蔵するユニットケースと、
    前記ユニットケースに設けられ、前記入力シャフトを回転可能に支持する入力側軸受と、
    前記ユニットケースに設けられ、前記変速機構の出力側回転部材を回転可能に支持する出力側軸受と、
    前記入力シャフトと前記出力側回転部材の間に設けられ、前記入力シャフトと前記出力側回転部材を互いに相対回転可能に支持する中間軸受と、
    前記入力側軸受を介して、前記ユニットケースに対する前記モータ機構の軸方向両側への移動を規制するモータ機構位置規制手段と、
    前記出力側軸受を介して、前記ユニットケースに対する前記変速機構の軸方向両側への移動を規制する変速機構位置規制手段と、
    を備えることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載されたモータ駆動装置において、
    前記モータ機構位置規制手段又は前記変速機構位置規制手段の少なくとも一方は、前記入力側軸受又は前記出力側軸受に形成した軸受側環状溝と、前記ユニットケースに形成したケース側環状溝と、前記軸受側環状溝及び前記ケース側環状溝の双方に嵌合する位置規制部材と、を有する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  3. 請求項2に記載されたモータ駆動装置において、
    前記ユニットケースは、外側面に開放すると共に、前記モータ機構又は前記変速機構の軸方向に延在して前記ケース側環状溝に連通し、前記位置規制部材へのアクセスを可能にする作業用開口部を有する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたモータ駆動装置において、
    前記変速機構を、サンギヤと、リングギヤと、前記サンギヤに噛み合う第1ピニオン及び該第1ピニオンとは異なる径を有すると共に前記リングギヤに噛み合う第2ピニオンを有するステップドピニオンと、を備えた遊星歯車から構成し、
    前記ステップドピニオンをヘリカルギヤとすると共に、前記第1ピニオンのギヤねじれ方向と前記第2ピニオンのギヤねじれ方向を互いに逆向きに設定し、且つ、前記第1ピニオンと前記第2ピニオンとのねじれ角比と、前記第1ピニオンと前記第2ピニオンのピッチ円径比とを近似値に設定する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたモータ駆動装置において、
    前記ユニットケースと前記出力側回転部材との間に、前記ユニットケースの内部に封入されたオイルの漏れを防止するオイルシールを介装し、
    前記オイルシールを、前記ユニットケースと別体のシールケースを介して前記ユニットケースに固定する
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
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