JP2019007603A - 遊星歯車機構を用いた変速装置、伝動装置、電動作業車両 - Google Patents
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Abstract
Description
(2)第2の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置は、第1の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置において、前記リングギアの外周面と前記保持部の内周面との間に間隙が設けられている。
(3)第3の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置は、第1および2の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置において、前記リングギアの径方向の変位で前記軸状部材が前記保持部の内周面に押圧されたとき、全周において、前記リングギアの外周面と前記保持部の内周面との間に間隙が存在する。
(4)第4の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置は、第1の態様から第3の態様のいずれかの態様の遊星歯車機構を用いた変速装置において、前記リングギアの外周面において軸方向に延在し、かつ径方向外側に開放されて窪む第1溝と、前記保持部の内周面において軸方向に延在し、かつ径方向内側に開放されて窪む第2溝とを有し、前記第1溝と第2溝とが対向して形成される挿入孔に前記軸状部材が挿入されている。
(5)第5の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置は、第2の態様による遊星歯車機構における前記間隙の大きさをG、前記軸状部材の径方向寸法をPD、前記リングギアに設けた第1溝の深さをRD、前記保持部に設けた第2溝の径方向の深さをCDとしたとき、CD+RD−PD<Gである。
(6)第6の態様による遊星歯車機構を用いた変速装置は、第1の態様から第5の態様のいずれかの態様の遊星歯車機構を用いた変速装置において、前記軸状部材は断面円形のピンであり、前記挿入孔は周方向に120度ピッチで3箇所に設けられ、前記3箇所の挿入孔に前記ピンがそれぞれすきま嵌めで嵌め合わされている。
(7)第7の態様による伝動装置は、第1の態様から第6の態様のいずれかの変速装置と、前記変速装置に駆動力を入力する電動機とを備える。
(8)第8の態様による電動作業車両は、第7の態様による一対の伝動装置と、前記一対の伝動装置のそれぞれのキャリアに設けられたハブに装着された左右のタイヤと、前記一対の伝動装置のそれぞれの電動機を駆動制御するコントローラとを備える。
リングギア26は、環状のギア本体26aと、ギア本体26aの内周側の内接歯車26bとを有する。ギア本体26aの外周面には断面形状が略半円形状のリング溝26cが径方向に所定深さ、軸方向に所定長さに形成されている。リング溝26cは、遊星歯車機構の径方向外側に開放された窪みである。実施の形態の変速装置1では、リング溝26cは、周方向に等間隔で、すなわち120度ピッチで3箇所に設けられている。
ケース10は、リングギア26が嵌め込まれ、リングギア26を回転不能に保持するリングギア保持部11を有する。リングギア保持部11はリングギア26の厚みに相当する深さを有する環状凹部として形成されている。リングギア保持部11の開口縁から環状凹部に向けて後述するケース溝11aが120度ピッチで形成されている。すなわち、リング保持部11の内周面には断面形状が略半円形状のケース溝11aが径方向に所定深さ、軸方向に所定長さに形成されている。ケース溝11aは、遊星歯車機構の径方向内側に開放された窪みである。実施の形態の変速装置では、ケース溝11aは、周方向に等間隔で、すなわち120度ピッチで3箇所に設けられている。
実施の形態の変速装置1では、リングギア26の外径と、ケース10の内径とを適切に設定して所定寸法Gの間隙15を形成する。また、ピン40の直径PDと、リング溝26cの溝深さRDと、ケース溝11aの溝深さCDとの寸法を適切に設定してリングギア26からケース10に伝わる振動と音が所定レベル以下となるようにする。
CD+RD>PD (1)
(1)式は、ピン40が挿入孔41にすきま嵌めで挿入されることを示す。
リングギア26とケース11との間に設けられている間隙15の寸法Gは、以下の(2)式で示される。
G>CD+RD−PD (2)
(2)式は、リングギア26からケース10へどのような力が作用しても、すなわちリングギア26からケース10に対して径方向の入力と捩り方向の入力が作用しても、間隙15が存在することを示す。
(1)実施形態の遊星歯車機構を用いた変速装置1は、リングギア26、サンギア24、およびキャリア27に保持されたプラネタリギア25を有する遊星歯車機構20と、リングギア26をフロート状態で保持する保持部11と、リングギア26を保持部11に保持する複数の軸状部材、例えばピン40とを備える。具体的には、リングギア26の外周面と保持部11の内周面との間に間隙15を設け、リングギア26をフロート状態で保持部11に保持している。実施形態では、次のような構成を採用してフロート状態、すなわちフローティング構造を実現している。
すなわち、リングギア26の径方向の変位で軸状部材であるピン40が保持部11の内周面に押圧されたとき、全周において、リングギア26の外周面と保持部11の内周面との間に間隙が存在するように構成されている。
これにより、遊星歯車機構付き変速装置1を大型化することなく、すなわち、従来例のように中間部材をリングギア26と保持部11との間に介在させることなく、リングギア26を保持部11に保持することができる。また、遊星歯車機構20で発生してケース10に伝達される振動や音が抑制され、変速装置1の騒音レベルを低減することができる。
プラネタリギア25とリングギア26との噛み合い構造にあっては、プラネタリギア25とリングギア26の加工精度、ならびにキャリア27の加工精度、およびリングギア26の熱処理歪み等のバラツキによる噛み合い不良に起因する起振力も考慮する必要がある。そのため、起振力を抑制するためには、高い加工精度が要求され、熱処理歪みも考慮した設計や製造技術の検討も不可欠である。このため、高コスト化の要因となる。この点、上述したフローティング構造を採用することにより、それほど高い加工精度が必要でなく、また、熱処理歪みもそれほど考慮する必要がない。その結果、コストアップすることなく低騒音レベルの遊星歯車機構を実現できる。
これにより、遊星歯車機構20で発生してケース10に伝達される振動や音を抑制するようにした遊星歯車機構20の設計、製作が容易であり、かつ、変速装置1に組み込む際の組立性も向上する。よって、コストが嵩むこともない。
図8は、電動フォークリフトの構成を示す図である。電動フォークリフト60は、本体61と、フォーク62と、左右の前後輪63FR、63FL、63RR,63RLと、左右の前輪を駆動する左右の走行駆動装置64R、64Lと、コントローラ65と、バッテリ66と、左右の電動機用インバータ67R、67Lとを有する。図示しない前後進レバーを前進に切換えてアクセルペダルを踏み込むと、ペダル踏み込み量に応じたトルクで走行駆動装置64R,64Lが回転してタイヤに走行駆動力を与え、フォークリフトが前進する。
これにより、小型で、低騒音の伝動装置を提供できる。
実施形態のように、低騒音化を図った伝動装置を用いることにより、静粛な電動フォークリフトが提供できる。
(変形例1)
実施形態の遊星歯車機構を有する変速装置1は、リングギア26と保持部11との間に間隙15を設け、さらに、リングギア26と保持部11との間にピン40を介在させてフロート状態を実現したが、その他の構造でフロート状態を実現することもできる。
実施形態の遊星歯車機構20では、サンギア24に入力された駆動力をキャリア27から出力するためリングギア26をケース10に固定したが、入力と出力は適宜のギアを設定することができる。また、リングギア26は、静止物体であるケース10に固定保持されて回転反力をケース10で受けるようにした。しかし、本発明では、リングギア26により回転駆動力を伝達される可動部材を有する構成でもよい。すなわち、サンギア24を固定し、キャリア27から動力を入力してリングギア26を回転して可動部材から駆動力を出力する構成でもよい。
実施形態では、ピン40は120度ピッチで3箇所に使用したが、2箇所以上であれば3箇所に限定されない。また、リングギア26とケース11との間には間隙15が設けられ、間隙15の大きさG、ピン40の直径PD、ケース溝11aの径方向深さCD、リングギア溝26cの径方向深さRDの寸法の間には上記式(1)(2)とは異なる以下(3)、(4)式のようにしてもよい。
CD+RD=PD (3)
G=CD+RD−PD (4)
リングギア26の反力をケース10に伝達する軸状部材は、実施形態では断面円形のピン40としたが、断面形状は円形に限定されない。リングギア26の径方向の入力と周方向の入力を効率よくケース10に伝達し、かつ、リングギア26が径方向に最大変位したときでも、リングギア26とケース10の間に間隙15が残るような形状や寸法に設定されていれば円形に限定されず、楕円形状や多角形であってもよい。
実施の形態の遊星歯車機構を用いた変速装置1は、電動機2の駆動力を減速して走行駆動力とする伝動装置に組み込まれるものとして説明したが、本発明による遊星歯車機構を用いる変速装置はこれに限定されない。たとえば、巻上装置の伝動装置として使用することもできる。
図8では、遊星歯車機構を有する変速装置を用いた伝動装置をフォークリフトの走行駆動装置に適用した構成を示したが、本発明による電動作業車両は、電動フォークリフトに限らず、ホイールローダなど他の産業車両にも適用することができる。
Claims (8)
- リングギア、サンギア、およびキャリアに保持されたプラネタリギアを有する遊星歯車機構と、
前記リングギアをフロート状態で保持する保持部と、
前記リングギアを前記保持部に保持する複数の軸状部材とを備える、遊星歯車機構を用いた変速装置。 - 請求項1に記載の遊星歯車機構を用いた変速装置において、
前記リングギアの外周面と前記保持部の内周面との間に間隙が設けられている、遊星歯車機構を用いた変速装置。 - 請求項1または2に記載の遊星歯車機構を用いた変速装置において、
前記リングギアの径方向の変位で前記軸状部材が前記保持部の内周面に押圧されたとき、全周において、前記リングギアの外周面と前記保持部の内周面との間に間隙が存在する、遊星歯車機構を用いた変速装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の遊星歯車機構を用いた変速装置において、
前記リングギアの外周面において軸方向に延在し、かつ径方向外側に開放されて窪む第1溝と、前記保持部の内周面において軸方向に延在し、かつ径方向内側に開放されて窪む第2溝とを有し、前記第1溝と第2溝とが対向して形成される挿入孔に前記軸状部材が挿入されている、遊星歯車機構を用いた変速装置。 - 請求項2を引用する請求項3、請求項2を引用する請求項4、および請求項2を引用する請求項3を引用する請求項4のいずれか1項に記載の遊星歯車機構を用いた変速装置において、
前記間隙の大きさをG、前記軸状部材の径方向寸法をPD、前記リングギアに設けた第1溝の深さをRD、前記保持部に設けた第2溝の径方向の深さをCDとしたとき、
CD+RD−PD<Gである、遊星歯車機構を用いた変速装置。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の遊星歯車機構を用いた変速装置において、
前記軸状部材は断面円形のピンであり、
前記ピンの挿入孔は周方向に120度ピッチで3箇所に設けられ、
前記3箇所の挿入孔に前記ピンがそれぞれすきま嵌めで嵌め合わされている、遊星歯車機構を用いた変速装置。 - 請求項1から6までのいずれか1項に記載の遊星歯車機構を用いた変速装置と、
前記変速装置に駆動力を入力する電動機とを備えた、遊星歯車機構を用いた伝動装置。 - 請求項7に記載の一対の伝動装置と、
前記一対の伝動装置のそれぞれのキャリアに設けられたハブに装着された左右のタイヤと、
前記一対の伝動装置のそれぞれの電動機を駆動制御するコントローラとを備える、電動作業車両。
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JP2017126290A JP2019007603A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 遊星歯車機構を用いた変速装置、伝動装置、電動作業車両 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117005996A (zh) * | 2022-04-28 | 2023-11-07 | 北京金风科创风电设备有限公司 | 一种浮动轮组、变速装置及风力发电机组 |
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JPS52145283U (ja) * | 1976-04-27 | 1977-11-04 | ||
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JP2006213182A (ja) * | 2005-02-03 | 2006-08-17 | Ntn Corp | 電動式車輪駆動装置 |
FR2914719A1 (fr) * | 2007-04-05 | 2008-10-10 | Peugeot Citroen Automobiles Sa | Train d'engrenages epicycloidal et boite de vitesses equipe d'un tel train |
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2017
- 2017-06-28 JP JP2017126290A patent/JP2019007603A/ja active Pending
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