JP2016160366A - ディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス - Google Patents

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良幸 中村
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Abstract

【課題】 機械的なせん断力に対して高い安定性を持つチーグラナッタ触媒タイプのディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスを提供する。【解決手段】 チーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスであって、EDTAのナトリウム塩を、合成イソプレン重合体100重量部に対して0.3重量部以上添加して得られる。【選択図】 なし

Description

本発明は、ディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスに関する。さらに詳しくは、ポンプでの移送やタンクなどでの撹拌などの機械的なせん断力に対して凝集物の発生が少ないディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスに関する。
従来、天然ゴムのラテックスを含有するディップ成形用組成物をディップ成形して、乳首、風船、手袋、バルーン、サック等の人体と接触して使用されるディップ成形体が得られることが知られている。しかしながら、天然ゴムのラテックスは、人体にアレルギー症状を引き起こすような蛋白質を含有するため、生体粘膜又は臓器と直接接触するディップ成形体としては問題がある場合があった。そのため、天然ゴムの替わりに合成イソプレン重合体を用いる検討がされてきている。合成イソプレン重合体は、チーグラナッタ触媒や、アルキルリチウム触媒を用いて重合することができる。
しかしながら、チーグラナッタ触媒を用いて重合された合成イソプレン重合体を含んでなるチーグラナッタ触媒タイプの合成イソプレン重合体ラテックスは、機械的なせん断力に弱く、ポンプでの移送時に凝集物が発生する等の問題があった。凝集物は、ポンプ移送時の配管を詰まらせる以外にも、ディップ成形体の表面に付着すると外観不良やピンホールの原因になるので、頻繁に除去することが必要になっていた。配管のクリーニングやディップ成形体の不良率アップはコストアップにも繋がるため、機械的なせん断力に強い合成イソプレン重合体ラテックスが求められていた。
機械的せん断力に強くする方法としては、特許文献1のように界面活性剤を増量する方法があるが、泡がピンホールの原因になるため、消泡剤を多量に添加する必要があった。しかしながら、消泡剤を多量に使用すると、チーグラ系重合触媒に由来するTi,Alの存在下では、メカニズムは定かではないが、機械的なせん断力により凝集物が発生し易くなる傾向があることがわかっていた。このためできるだけ消泡剤の使用量を減らす必要があるが、上記理由により消泡剤を減らすことは困難であった。
特許文献2には、共役ジエン重合体に、水と、キレート作用を有するカルボン酸塩を添加する技術が開示されている。本文献の技術は、有機溶媒中で重合した重合体であり、界面活性剤を使用した乳化物ではなく、また、残留塩素低減と着色を防止することが目的である。このため、共役ジエン重合体の乳化物の機械的なせん断力に対する抵抗力を向上させる方策については何ら開示されていない。
このような状況のため、機械的なせん断力に対して高い安定性を持った合成イソプレン重合体ラテックスを得るための新たな手法が求められていた。
国際公開第2013/099501号 特開2014−210866号公報
本発明は、機械的なせん断力に対して高い安定性を持つチーグラナッタ触媒タイプのディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、チーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスであって、合成イソプレン重合体に対してEDTAのナトリウム塩を所定割合以上添加して得られる合成イソプレン重合体ラテックスが上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、
(1) チーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスであって、EDTAのナトリウム塩を、合成イソプレン重合体100重量部に対して0.3重量部以上添加して得られるディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス、
(2) EDTAのナトリウム塩が4ナトリウム塩である(1)記載のディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス
が提供される。
本発明によれば、機械的なせん断力に対して高い安定性を持つチーグラナッタ触媒タイプのディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスが提供される。
以下、本発明のディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスについて説明する。本発明のディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスは、チーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスであって、EDTAのナトリウム塩を、合成イソプレン重合体100重量部に対して0.3重量部以上添加して得られる。
(合成イソプレン重合体)
本発明で用いる合成イソプレン重合体は、イソプレンを重合して得られる。また、本発明で用いる合成イソプレン重合体は、イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を共重合したものであってもよい。合成イソプレン重合体のイソプレン単位の含有量は、柔軟で、引張強さに優れるディップ成形体が得られ易いことから、全単量体単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%(イソプレンの単独重合体)である。
イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のイソプレン以外の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;スチレン、アルキルスチレンなどのビニル芳香族単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等の架橋性単量体;が挙げられる。なお、これらのイソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体は、1種を単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
合成イソプレン重合体中のイソプレン単位としては、イソプレンの結合状態により、シス結合単位(1,4−シス構造)、トランス結合単位(1,4−トランス構造)、1,2−ビニル結合単位、3,4−ビニル結合単位の4種類が存在する。
そして、ディップ成形体の引張強さ向上の観点から、合成イソプレン重合体に含まれるイソプレン単位中のシス結合単位(1,4−シス構造)の含有率は、全イソプレン単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
合成イソプレン重合体の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で、10,000〜5,000,000、好ましくは500,000〜5,000,000、特に好ましくは800,000〜4,000,000である。合成イソプレン重合体の重量平均分子量が小さ過ぎると、得られるディップ成形体の引張強さが低下する傾向があり、逆に大き過ぎると、合成イソプレン重合体のラテックスが製造し難くなる傾向がある。
また、合成イソプレン重合体のポリマームーニー粘度〔ML1+4、100℃〕は、50〜80、好ましくは60〜80、特に好ましくは70〜80である。
本発明に用いる合成イソプレン重合体は、トリアルキルアルミニウム−四塩化チタン等からなるチーグラナッタ触媒を用いて、不活性重合溶媒中で、イソプレンを溶液重合して得ることができる。そして、得られた合成イソプレンの重合体溶液を、そのまま用いても良いが、該重合体溶液から固形の合成イソプレン重合体を取り出した後、その固形の合成イソプレン重合体を有機溶媒に溶解して用いることもできる。
この際、合成イソプレン重合体を合成した後に、重合体溶液中に残った重合触媒の残渣などの不純物を取り除いてもよい。
また、市販の固形の合成イソプレン重合体を用いてもよい。
(ディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス)
本発明のディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス(以下、単に「合成イソプレン重合体ラテックス」ということがある。)は、上記のチーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスである。
合成イソプレン重合体ラテックスの製造方法としては、例えば、有機溶媒に溶解または微分散した合成イソプレン重合体の溶液または微細懸濁液を、界面活性剤の存在下に、水中で乳化し、必要により有機溶媒を除去して、合成イソプレン重合体ラテックスを製造する方法が、イソプレン単位中のシス結合単位の割合が高い合成イソプレン重合体を用いることができ、引張強さに優れるディップ成形体が得られる点から好ましい。
上記の製造方法で用いる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等を挙げることができる。これらのうち、芳香族炭化水素溶媒、脂環族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒が好ましく、シクロヘキサン、トルエン、n−ヘキサン、ペンタンが特に好ましい。
なお、有機溶媒の使用量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは2,000重量部以下、より好ましくは20〜1,500重量部である。
上記の製造方法で用いる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性界面活性剤;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸、ロジン酸の如き脂肪酸のナトリウムまたはカリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性の界面活性剤;等が挙げられるが、アニオン性界面活性剤が好適であり、ロジン酸ナトリウム、ロジン酸カリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。なお、これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは0.5〜30重量部である。この量が少なすぎると、ラテックスの安定性が劣る傾向にあり、逆に多すぎると、発泡しやすくなり、ディップ成形時に問題が起きる可能性がある。
上記の製造方法で使用する水の量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは50〜5,000重量部、より好ましくは100〜3,000重量部である。
使用する水の種類としては、硬水、軟水、イオン交換水、蒸留水、ゼオライトウォーターなどが挙げられる。また、メタノールなどのアルコールに代表される極性溶媒を水と併用してもよい。
合成イソプレン重合体の有機溶媒溶液または微細懸濁液を、界面活性剤の存在下、水中で乳化する装置は、一般に乳化機又は分散機として市販されているものであれば特に限定されず使用できる。そして、界面活性剤の添加方法は、特に限定されず、予め水および/または合成イソプレン重合体の有機溶媒溶液または微細懸濁液に添加しても、乳化操作を行っている最中に、乳化液に添加してもよく、一括添加しても、分割添加してもよい。
乳化装置としては、例えば、商品名:ホモジナイザー(IKA社製)、商品名:ポリトロン(キネマティカ社製)、商品名:TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機;商品名:TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、商品名:コロイドミル(神鋼パンテック社製)、商品名:スラッシャー(日本コークス工業社製)、商品名:トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、商品名:キャビトロン(ユーロテック社製)、商品名:マイルダー(太平洋機工社製)、商品名:ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機;商品名:マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、商品名:ナノマイザー(ナノマイザー社製)、商品名:APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機;膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機;商品名:バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機;商品名:超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機;等が挙げられる。なお、乳化装置による乳化操作の条件は、特に限定されず、所望の分散状態になるように、処理温度、処理時間などを適宜選定すれば良い。
上記の方法においては、乳化操作を経て得られた乳化物から、有機溶媒を除去して、合成イソプレン重合体ラテックスを得ることが好ましい。乳化物から有機溶媒を除去する方法は、特に限定されず、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法を採用することができる。
この有機溶媒の除去操作において、界面活性剤に起因する発泡を抑制するため、消泡剤を用いることができる。消泡剤としては、ミネラルオイル系消泡剤、シリコーン系消泡剤、ポリマー系消泡剤などが挙げられる。これらの中でもシリコーンオイル等のシリコーン系消泡剤を好ましく用いることができる。消泡剤の使用量は、界面活性剤の使用量にもよるが、合成イソプレン重合体100重量部に対して好ましくは100〜2000ppmとなる量である。この量が多すぎると、得られるディップ成形体の表面にハジキが発生しやすくなる。
また、有機溶媒を除去した後、必要に応じ、合成イソプレン重合体ラテックスの固形分濃度を上げるために、減圧蒸留、常圧蒸留、遠心分離、膜濃縮等の方法で濃縮操作を施してもよい。
なお、有機溶媒の除去操作の前後において、凝集物を除去する操作を行ってもよい。
合成イソプレン重合体ラテックスの固形分濃度は、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは40〜70重量%である。固形分濃度が低すぎると、ディップ成形用組成物の固形分濃度が低くなるためディップ成形体の膜厚が薄くなり破れ易くなる。逆に高すぎると、合成イソプレン重合体ラテックスの粘度が高くなり、配管での移送や調合タンク内での撹拌が難しくなる。
また、合成イソプレン重合体ラテックス中のラテックス粒子(合成イソプレン重合体粒子)の体積平均粒子径は、好ましくは0.5〜10μm、より好ましくは0.5〜3μm、特に好ましくは0.5〜2μmである。この体積平均粒子径が小さすぎると、ラテックス粘度が高くなりすぎて取り扱い難くなる場合があり、逆に大きすぎると、合成イソプレン重合体ラテックスを貯蔵した際に、ラテックス表面に皮膜が生成する場合がある。
合成イソプレン重合体ラテックスの電導度は、0.6mS/cm〜2.0mS/cmであることが好ましい。電導度が小さすぎると、乳化時や濃縮時に凝集物が多量に発生する場合がある。また、電導度が大きすぎると、脱溶剤時に発泡が激しくなったり、ディップ成形用組成物を移送する際や配合時に泡立ちが激しく、手袋にピンホールなどの欠陥を残す場合がある。
なお、電導度は、METTLER TOLEDO社製導電率計(商品名:SG78−FK2)を使用し、測定温度25℃で測定した値である。
合成イソプレン重合体ラテックスの脂環族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒の合計含有量は500重量ppm以下であることが好ましい。また、脂環族炭化水素溶媒としてはシクロヘキサンが好ましく、脂肪族炭化水素溶媒としてはノルマルペンタンが好ましく、芳香族炭化水素溶媒としてはトルエンが好ましい。脂環族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒の合計含有量、特にシクロヘキサン、ペンタンおよびトルエンの合計含有量が多すぎると、ディップ成形用組成物の臭気がきつくなる傾向がある。
なお、脂環族炭化水素溶媒、脂肪族炭化水素溶媒および芳香族炭化水素溶媒の合計含有量の測定は、ガスクロマトグラフィー法など、一般的に使用可能な測定方法で測定することができる。
本発明の合成イソプレン重合体ラテックスは、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩を添加して得られる。EDTAのナトリウム塩としては、EDTAの2ナトリウム塩(EDTA・2H・2Na)、EDTAの3ナトリウム塩(EDTA・H・3Na)、およびEDTAの4ナトリウム塩(EDTA・4Na)等が挙げられ、EDTA・H・3NaおよびEDTA・4Naが好ましく、EDTA・4Naがより好ましい。なお、EDTAのナトリウム塩は、通常、水和物として添加される。
本発明の合成イソプレン重合体ラテックスにおいて、EDTAのナトリウム塩の配合量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して0.3重量部以上、好ましくは0.4重量部以上である。EDTAのナトリウム塩の添加量が少なすぎると、合成イソプレンラテックスの機械的せん断力に対する安定性が低下する。また、EDTAのナトリウム塩の添加量を上記範囲とすることにより、チーグラナッタ触媒由来のTi,Alをキレートすることができると考えられる。その結果、合成イソプレン重合体ラテックスの機械的せん断力に対する安定性を高めることができる。
また、合成イソプレン重合体ラテックスには、ラテックスの分野で通常配合される、EDTAのナトリウム塩以外のキレート化剤、pH調整剤、防腐剤、架橋剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を配合しても良い。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;アンモニア;トリメチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン化合物;等が挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
(ディップ成形体)
本発明のディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスを含むディップ成形用組成物をディップ成形することにより、ディップ成形体を得ることができる。
(ディップ成形用組成物)
ディップ成形用組成物としては、例えば、合成イソプレン重合体ラテックス、加硫剤、加硫促進剤、および必要に応じて用いられる酸化亜鉛、分散剤などのその他の成分を含む。
(加硫剤)
加硫剤としては、例えば、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等の硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N’−ジチオ−ビス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等の硫黄含有化合物等を用いることができる。なかでも、硫黄が好ましく使用できる。これらの加硫剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
加硫剤の使用量は、特に限定されないが、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。この量が少なすぎても、多すぎても、ディップ成形体の引張強さが低下する傾向がある。
(加硫促進剤)
加硫促進剤としては、ディップ成形において通常用いられるものが使用でき、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニリル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。これらの加硫促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
加硫促進剤の使用量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、更に好ましくは0.1〜2重量部である。この量が少ないとディップ成形体の引張強さが低下する場合がある。また、この量が過大であると、ディップ成形体の破断直前の伸び、および引張強さが低下する場合がある。
(その他の成分)
(酸化亜鉛)
ディップ成形用組成物は、酸化亜鉛を必要に応じて含有してもよい。酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜2重量部である。この量が少なすぎるとディップ成形体の引張強さが低下する傾向があり、逆に多すぎると、ディップ成形用組成物中の合成イソプレン重合体粒子の安定性が低下して粗大な凝集物が発生する場合がある。
(分散剤)
ディップ成形用組成物は、分散剤を必要に応じて含有してもよく、分散剤としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸及びロジン酸などの脂肪酸のナトリウムまたはカリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられるが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。なお、これらの界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
分散剤の使用量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、更に好ましくは0.05〜3重量部である。この量が少ないとディップ成形用組成物の配合安定性が低下したり、前加硫時に凝集物が多くなる場合がある。また、この量が過大であると、ディップ成形用組成物が泡立ち易くなり、ピンホールが発生し易くなる場合がある。
(配合剤)
ディップ成形用組成物には、さらに、老化防止剤;カーボンブラック、シリカ、タルク等の補強剤;炭酸カルシウム、クレー等の充填剤;紫外線吸収剤;可塑剤;等の配合剤を必要に応じて配合することができる。
老化防止剤としては、2,6−ジ−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、2,2’−メチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、などの硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤;2,2’−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどのチオビスフェノール系老化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール・ジホスファイトなどの亜燐酸エステル系老化防止剤;チオジプロピオン酸ジラウリルなどの硫黄エステル系老化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4’―(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物などのアミン系老化防止剤;6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系老化防止剤;2,5−ジ−(t−アミル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン系老化防止剤;などが挙げられる。これらの老化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、または2種以上を併用してもよい。
老化防止剤の使用量は、合成イソプレン重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。この量が少なすぎると、合成イソプレン重合体が劣化する場合がある。また、この量が多すぎると、ディップ成形体の引張強さが低下する場合がある。
ディップ成形用組成物の調製方法は、特に限定されない。当該調整方法としては、ボールミル、ニーダー、ディスパー等の分散機を用いて、合成イソプレン重合体のラテックスに、加硫剤、加硫促進剤、上記の分散剤および必要に応じて配合されるその他の成分を混合する方法や、予め上記の分散機を用いて、合成イソプレン重合体のラテックス以外の所望の配合成分の水性分散液を調製した後、該水性分散液を合成イソプレン重合体のラテックスに混合する方法などが挙げられる。また、合成イソプレン重合体のラテックスに前記の分散剤を予め混合した後、加硫剤、加硫促進剤、および必要に応じて配合されるその他の成分を添加することもできる。
ディップ成形用組成物のpHは7以上であることが好ましく、pH8〜12の範囲であることがより好ましい。
ディップ成形用組成物の固形分濃度は、例えば、15〜65重量%の範囲である。ディップ成形用組成物は、ディップ成形に供する前に、熟成(前加硫ともいう。)させてもよい。
前加硫する時間は、特に限定されず、前加硫温度にも依存するが、好適な引張強さを有するディップ成形体が得られる観点から、好ましくは1〜14日間であり、更に好ましくは1〜7日間である。
前加硫温度は、好ましくは20〜40℃である。
前加硫した後、ディップ成形に供されるまで、好適な引張強さを有するディップ成形体が得られる観点から、好ましくは10〜25℃で貯蔵することが好ましい。
(ディップ成形)
ディップ成形は、ディップ成形用組成物に型を浸漬し、型の表面に当該組成物を沈着させ、次に型を当該組成物から引き上げ、型の表面に沈着した当該組成物を乾燥させる方法である。ディップ成形用組成物に浸漬される前の型を予熱させてもよい。型をディップ成形用組成物に浸漬する前又は型をディップ成形用組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用できる。凝固剤の使用方法の具体例は、ディップ成形用組成物に浸漬する前の型を凝固剤溶液に浸漬して型に凝固剤を付着させる方法(アノード凝着浸漬法)、ディップ成形用組成物を沈着させた型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)である。
厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
凝固剤の具体例は、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのハロゲン化金属;硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛などの硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;などの水溶性多価金属塩である。なかでも、カルシウム塩が好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。これらの水溶性多価金属塩は、単独または2種以上組み合わせて用いることができ、好ましくは水溶液の状態で使用する。この水溶液は、さらにメチルアルコール、エチルアルコールなどの水溶性有機溶媒やノニオン性界面活性剤を含有し得る。凝固剤の濃度は、水溶性多価金属塩の種類によっても異なるが、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは8〜30重量%である。
型をディップ成形用組成物から引き上げた後、例えば、加熱して型上に形成された沈着物を乾燥させる。乾燥条件は適宜選択する。
次いで、加熱して、型上に形成された沈着物を加硫する。
加硫時の加熱条件は、特に限定されないが、好ましくは60〜150℃、より好ましくは100〜130℃の加熱温度で、好ましくは10〜120分の加熱時間である。
加熱の方法は、特に限定されないが、オーブンの中で温風で加熱する方法、赤外線を照射して加熱する方法などである。
ディップ成形用組成物を沈着させた型を加熱する前あるいは加熱した後に、水溶性不純物(例えば、余剰の界面活性剤、凝固剤)を除去するために、好ましくは型を水または温水で洗浄する。
加硫後のディップ成形体は、型から脱着される。脱着方法の具体例は、手で型から剥がす方法、水圧又は圧縮空気圧力により剥がす方法である。形成途中のディップ成形体が脱着に対する十分な強度を有していれば、途中工程で脱着し、引き続き、その後の処理を継続してもよい。
ディップ成形体が手袋である場合、ディップ成形体同士の接触面における密着を防止し、着脱の際の滑りをよくするために、タルク、炭酸カルシウムなどの無機微粒子又は澱粉粒子などの有機微粒子を手袋表面に散布したり、微粒子を含有するエラストマー層を手袋表面に形成したり、手袋の表面層を塩素化したりしてもよい。
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定され
ない。なお、以下の「%」および「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。
実施例及び比較例において以下のように各物性の測定及び評価を行った。
重量平均分子量
実施例及び比較例で得られた合成イソプレン重合体ラテックスを固形分濃度で0.1重量%となるように、テトラヒドロフランに溶解した。この溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析し、合成イソプレン重合体の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量として算出した。
シス結合単位(1,4−シス構造)の含有率
実施例及び比較例で得られた合成イソプレン重合体ラテックスにメタノールを添加し、凝固した。得られた凝固物を乾燥した後、1H−NMR分析して、合成イソプレン重合体中の全イソプレン単位に対するシス結合単位(1,4−シス構造)の含有率を示した。
Al含有量
ICP-AES SPS5100(SISナノテクノロジー社製)を使用して、内標準検量線法を用いて下記の手順により測定した。
(1)白金るつぼに試料を約0.5g秤量した。空試験用の白金るつぼも用意した。
(2)ヒーター上で徐々に加熱した。(空試験用白金るつぼについても同様の操作を行った。)
(3)煙が出なくなったらバーナーで強熱後、蓋をして550℃の電気炉中で灰化した。
(4)放冷後、硝酸0.2mLと超純水約7mLを添加した。
(5)加温後、ポリ容器に移して10mLに定容した。
(6)適宜希釈して、ICP-AESで測定した。
Ti含有量
ICP-AES SPS5100(SISナノテクノロジー社製)を使用して、内標準検量線法を用いて下記の手順により測定した。
(1)試料約0.5gをメスフラスコに秤量した。空試験用のメスフラスコを用意した。
(2)硫酸、硝酸で湿式分解をした。(空試験用メスフラスコについても同様の操作を行った。)
(3)10mLに定容後、適宜希釈してICP-AESで測定した。
Al含有量とTi含有量の合計量
上記にて測定したAl含有量及びTi含有量の合計量を求め、Al含有量とTi含有量の合計量とした。
機械的安定性試験
ASTMD1417-10の「Determination of Mechanical Stability」に記載の方法に従い、試験を行った。なお、使用するステンレススチールディスクは、ASTMD1076-19の「Mechanical Stability」に記載の直径が20.83±0.03mmのステンレススチールディスクを使用した。
合成イソプレン重合体ラテックスの製造例
重量平均分子量が1,300,000の合成イソプレン重合体(商品名「IR2200L」、日本ゼオン(株)製、イソプレンの単独重合体、シス結合単位(1,4−シス構造)の含有率98%)100部を、シクロヘキサン(和光純薬工業(株)製)1150部に溶解し、合成イソプレン重合体のシクロヘキサン溶液(b1)を得た。次に、ロジン酸ナトリウム(商品名「ロンジスN−18」、荒川化学(株)製)0.8重量%およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名「ネオペレックスG−15」、花王(株)製)0.4重量%を含有してなる、合成イソプレン重合体を含まない界面活性剤水溶液(a1)1245部を調整した。
そして、上記合成イソプレン重合体のシクロヘキサン溶液(b1)の全量、および、上記界面活性剤水溶液(a1)の全量を、SUS304製の容器に入れて攪拌混合し、続いてホモジナイザー(商品名「マイルダーMDN−303V」、太平洋機工(株)製)によって乳化分散処理を施し、乳化混合液(c1)を得た。
次に、消泡剤(商品名「SM5515」:東レ・ダウコーニング社製)を合成イソプレン重合体100部に対して400ppmになるように添加し、溶剤除去用タンク内で上記乳化混合液(c1)から、シクロヘキサンを留去して、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)を得た。そして、200メッシュステンレス製金網を用い、合成イソプレン重合体ラテックス(e1)中の凝集物を除去した。
次に、凝集物を除去後の合成イソプレン重合体ラテックス(e1)に対し、密閉ディスク型連続遠心分離機(アルファ・ラバル社製SGR509)により、9000G、通液流量1600L/hrの条件で遠心分離した。その結果、固形分濃度61重量%、Al含有量150ppm、Ti含有量380ppm(即ち、Al含有量とTi含有量の合計量530ppm)、消泡剤含有量30ppmの合成イソプレン重合体ラテックスを得た。当該遠心分離機のボウルを開け、ディスクを開放すると、凝集物はほとんど見られなかった。
実施例1
上記の製造例で製造した合成イソプレン重合体ラテックスに、合成イソプレン重合体100部に対して、EDTA・4Na・4H2O(商品名:キレスト400、キレート株式会社製)を0.4部添加して、実施例1の合成イソプレン重合体ラテックスを得た。得られた合成イソプレン重合体ラテックスの機械的なせん断力に対する抵抗力(機械的安定性試験)を測定した。結果を表1に示す。
実施例2
上記の製造例で製造した合成イソプレン重合体ラテックスに、合成イソプレン重合体100部に対して、EDTA・H・3Na・3H2O(商品名:キレストC、キレート株式会社製)を0.4部添加して、実施例2の合成イソプレン重合体ラテックスを得た。得られた合成イソプレン重合体ラテックスの機械的なせん断力に対する抵抗力(機械的安定性試験)を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
上記の製造例で製造した合成イソプレン重合体ラテックスに対してEDTAを添加せず、比較例1の合成イソプレン重合体ラテックスとした。この合成イソプレン重合体ラテックスの機械的なせん断力に対する抵抗力(機械的安定性試験)を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
EDTA・4Na・4H2Oの添加量を0.2部に変えたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の合成イソプレン重合体ラテックスを得た。得られた合成イソプレン重合体ラテックスの機械的なせん断力に対する抵抗力(機械的安定性試験)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016160366
表1に示すように、重合触媒としてチーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスであって、EDTAのナトリウム塩を、合成イソプレン重合体100部に対して0.3部以上添加して得られるディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックスは、機械的安定性が良好であった(実施例1および2)。
一方、EDTAのナトリウム塩の添加量が、合成イソプレン重合体100部に対して0.3部未満である場合は、ラテックスの機械的安定性が低いものであった(比較例1および2)。

Claims (2)

  1. チーグラナッタ触媒を用いて溶液重合された合成イソプレン重合体を界面活性剤で乳化して得られるラテックスであって、EDTAのナトリウム塩を、合成イソプレン重合体100重量部に対して0.3重量部以上添加して得られるディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス。
  2. EDTAのナトリウム塩が4ナトリウム塩である請求項1記載のディップ成形用合成イソプレン重合体ラテックス。
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