JPWO2019003744A1 - 膜成形体 - Google Patents

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Abstract

重合体ラテックスと硫黄とを含有するラテックス組成物を架橋してなる膜成形体であって、前記膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、前記重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が、50重量%以上であり、前記重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が3.0〜5.0である膜成形体を提供する。

Description

本発明は、ディップ成形体などの膜成形体に関し、さらに詳しくは、引張強度に優れた膜成形体に関する。
従来、天然ゴムや合成ゴムのラテックスを含有するラテックス組成物をディップ成形して得られるディップ成形体などの膜成形体は、乳首、風船、手袋、バルーン、サック等として好適に用いられている。
たとえば、特許文献1には、重量平均分子量が10,000〜5,000,000である、合成ポリイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のラテックスと、硫黄系加硫剤および加硫促進剤を含有してなるディップ成形用組成物、およびこのようなディップ成形用組成物を用いて得られるディップ成形体が開示されている。しかしながら、この特許文献1に開示されたディップ成形用組成物を用いて得られるディップ成形体は、引張強度が必ずしも十分なものではなく、そのため、引張強度のさらなる改善が求められていた。
特開2012−62487号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、引張強度に優れたディップ成形体などの膜成形体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、重合体ラテックスと硫黄とを含有するラテックス組成物を架橋してなる膜成形体において、膜成形体中に含まれる硫黄のうち、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が所定量以上であり、かつ、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が所定の範囲にある場合に、該膜成形体が引張強度に優れたものとなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、重合体ラテックスと硫黄とを含有するラテックス組成物を架橋してなる膜成形体であって、前記膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、前記重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が、50重量%以上であり、前記重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が3.0〜5.0である膜成形体が提供される。
本発明の膜成形体において、前記重合体が、ポリイソプレンであることが好ましい。
本発明の膜成形体において、前記重合体が、10,000〜5,000,000の重量平均分子量を有する合成ポリイソプレンであることが好ましい。
本発明によれば、引張強度に優れたディップ成形体などの膜成形体を提供することができる。
本発明の膜成形体は、重合体ラテックスと硫黄とを含有するラテックス組成物を架橋してなり、膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が、50重量%以上であり、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が3.0〜5.0である膜状の成形体である。
<重合体ラテックス>
本発明で用いる重合体ラテックスとしては、特に限定されないが、引張強度により優れるという観点より、ゴム状の重合体のラテックスが好ましく、天然ゴムのラテックス、合成ゴムのラテックスのいずれであってもよいが、本発明の膜成形体を、乳首、風船、手袋、バルーン、サック等の人体と接触して使用される用途に用いた場合における、アレルギー症状の発生を有効に防止できるという観点より、合成ゴムのラテックスが好ましい。
合成ゴムとしては、特に限定されないが、合成ポリブタジエン、合成ポリイソプレン、合成ポリクロロプレン等の共役ジエン単量体の単独重合体もしくは共重合体;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−イソプレン共重合体、ブチルアクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体との共重合体;アクリレート系(共)重合体等が挙げられる。これらのなかでも、膜成形体とした場合における、引張強度および伸びに優れることから、合成ポリイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
以下、本発明で用いる重合体ラテックスが、合成ポリイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のラテックスである場合を例示して、説明を行う。ただし、本発明は、これら合成ポリイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体のラテックスに、何ら限定されるものではない。
合成ポリイソプレンラテックスは、イソプレンを重合して得られる合成ポリイソプレンのラテックスである。合成ポリイソプレンラテックスに含まれる、合成ポリイソプレンは、イソプレンの単独重合体であってもよいし、イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを共重合したものであってもよい。合成ポリイソプレン中のイソプレン単位の含有量は、柔軟で、引張強度に優れるディップ成形体が得られやすいことから、全単量体単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは100重量%(イソプレンの単独重合体)である。
イソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、ブタジエン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等のイソプレン以外の共役ジエン単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のエチレン性不飽和ニトリル単量体;スチレン、アルキルスチレン等のビニル芳香族単量体;(メタ)アクリル酸メチル(「アクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸メチル」の意味であり、以下、(メタ)アクリル酸エチルなども同様。)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体;などが挙げられる。これらのイソプレンと共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体は、1種単独でも、複数種を併用してもよい。
合成ポリイソプレンは、従来公知の方法、たとえばトリアルキルアルミニウム−四塩化チタンからなるチーグラー系重合触媒やn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム重合触媒を用いて、不活性重合溶媒中で、イソプレンと、必要に応じて用いられる共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とを溶液重合して得ることができる。溶液重合により得られた合成ポリイソプレンの重合体溶液は、後述する合成ポリイソプレンラテックスの製造にそのまま用いてもよいが、該重合体溶液から、一度、固形の合成ポリイソプレンを取り出した後、有機溶媒に溶解して、合成ポリイソプレンラテックスの製造に用いることもできる。
この際、合成した後に重合体溶液中に残った重合触媒の残渣などの不純物を取り除いてもよい。また、重合中または重合後の溶液に、後述する老化防止剤を添加してもよい。また、市販の固形の合成ポリイソプレンを用いることもできる。
合成ポリイソプレン中のイソプレン単位としては、イソプレンの結合状態により、シス結合単位、トランス結合単位、1,2−ビニル結合単位、3,4−ビニル結合単位の4種類が存在する。得られるディップ成形体の引張強度向上の観点から、合成ポリイソプレンに含まれるイソプレン単位中のシス結合単位の含有割合は、全イソプレン単位に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
合成ポリイソプレンの重量平均分子量は、ゲル・パーミーエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で、好ましくは10,000〜5,000,000、より好ましくは500,000〜4,500,000、さらに好ましくは800,000〜4,000,000であり、特に好ましくは2,500,000〜4,000,000である。合成ポリイソプレンの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、ディップ成形体などの膜成形体とした場合における、得られる膜成形体の引張強度をより高めることができるとともに、合成ポリイソプレンラテックスが製造しやすくなる傾向がある。
また、合成ポリイソプレンのポリマー・ムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、好ましくは50〜100、より好ましくは60〜95、さらに好ましくは70〜90、最も好ましくは75〜85である。
合成ポリイソプレンラテックスを得るための方法としては、たとえば、(1)有機溶媒に溶解または微分散した合成ポリイソプレンの溶液または微細懸濁液を、界面活性剤の存在下に、水中で乳化し、必要により有機溶媒を除去して、合成ポリイソプレンラテックスを製造する方法、(2)イソプレン単独または、イソプレンとそれと共重合可能なエチレン性不飽和単量体との混合物を、アニオン性界面活性剤の存在下に、乳化重合もしくは懸濁重合して、直接、合成ポリイソプレンラテックスを製造する方法、が挙げられるが、イソプレン単位中のシス結合単位の割合が高い合成ポリイソプレンを用いることができ、引張強度等の機械的特性に優れる膜成形体が得られやすいという点から、上記(1)の製造方法が好ましい。
上記(1)の製造方法で用いる有機溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン等の脂環族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等を挙げることができる。これらのうち、脂環族炭化水素溶媒が好ましく、シクロヘキサンが特に好ましい。
なお、有機溶媒の使用量は、合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは2,000重量部以下、より好ましくは20〜1,500重量部、更に好ましくは500〜1000重量部、最も好ましくは100〜400重量部である。
上記(1)の製造方法で用いる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤としては、たとえば、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、リノレン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム等の脂肪酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、セチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、セチルベンゼンスルホン酸カリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸カリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等のアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸カリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等のモノアルキルリン酸塩;等が挙げられる。
これらアニオン性界面活性剤の中でも、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、脂肪酸塩およびアルキルベンゼンスルホン酸塩が特に好ましい。
また、合成ポリイソプレン由来の、微量に残留する重合触媒(特に、アルミニウムとチタニウム)をより効率的に除去でき、これにより、ラテックス組成物を製造する際における、凝集物の発生が抑制されることから、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩およびポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、脂肪酸塩とを併用して用いることが好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸塩と、脂肪酸塩とを併用して用いることが特に好ましい。ここで、脂肪酸塩としては、ロジン酸ナトリウムおよびロジン酸カリウムが好ましく、ロジン酸ナトリウムがより好ましく、また、アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸カリウムが好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムがより好ましい。また、これらの界面活性剤は、1種単独でも2種以上を併用してもよい。
また、上記(1)の製造方法においては、アニオン性界面活性剤以外の界面活性剤を併用してもよく、このようなアニオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、α,β−不飽和カルボン酸のスルホエステル、α,β−不飽和カルボン酸のサルフェートエステル、スルホアルキルアリールエーテル等の共重合性の界面活性剤が挙げられる。さらに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等の非イオン性界面活性剤も併用してもよい。
上記(1)の製造方法で用いる界面活性剤の使用量は、合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。なお、2種類以上の界面活性剤を用いる場合においては、これらの合計の使用量を上記範囲とすることが好ましい。
上記(1)の製造方法で使用する水の量は、合成ポリイソプレンの有機溶媒溶液100重量部に対して、好ましくは10〜1,000重量部、より好ましくは30〜500重量部、最も好ましくは50〜100重量部である。使用する水の種類としては、硬水、軟水、イオン交換水、蒸留水、ゼオライトウォーターなどが挙げられ、軟水、イオン交換水および蒸留水が好ましい。
有機溶媒に溶解または微分散した合成ポリイソプレンの溶液または微細懸濁液を、界面活性剤の存在下、水中で乳化する装置は、一般に乳化機または分散機として市販されているものであれば特に限定されず使用できる。合成ポリイソプレンの溶液または微細懸濁液に、界面活性剤を添加する方法としては、特に限定されず、予め、水もしくは合成ポリイソプレンの溶液または微細懸濁液のいずれか、あるいは両方に添加してもよいし、乳化操作を行っている最中に、乳化液に添加してもよく、一括添加しても、分割添加してもよい。
乳化装置としては、たとえば、商品名「ホモジナイザー」(IKA社製)、商品名「ポリトロン」(キネマティカ社製)、商品名「TKオートホモミキサー」(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機;商品名「TKパイプラインホモミキサー」(特殊機化工業社製)、商品名「コロイドミル」(神鋼パンテック社製)、商品名「スラッシャー」(日本コークス工業社製)、商品名「トリゴナル湿式微粉砕機」(三井三池化工機社製)、商品名「キャビトロン」(ユーロテック社製)、商品名「マイルダー」(太平洋機工社製)、商品名「ファインフローミル」(太平洋機工社製)等の連続式乳化機;商品名「マイクロフルイダイザー」(みずほ工業社製)、商品名「ナノマイザー」(ナノマイザー社製)、商品名「APVガウリン」(ガウリン社製)等の高圧乳化機;商品名「膜乳化機」(冷化工業社製)等の膜乳化機;商品名「バイブロミキサー」(冷化工業社製)等の振動式乳化機;商品名「超音波ホモジナイザー」(ブランソン社製)等の超音波乳化機;等が挙げられる。なお、乳化装置による乳化操作の条件は、特に限定されず、所望の分散状態になるように、処理温度、処理時間などを適宜選定すればよい。
上記(1)の製造方法においては、乳化操作を経て得られた乳化物から、有機溶媒を除去することが望ましい。
乳化物から有機溶媒を除去する方法としては、得られる合成ポリイソプレンラテックス中における、有機溶媒(好ましくは脂環族炭化水素溶媒)の含有量を500重量ppm以下とすることのできる方法が好ましく、たとえば、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法を採用することができる。
また、得られるディップ成形体の引張強度向上の観点から、このようにして得られた合成ポリイソプレンラテックスについて、水相中で、合成ポリイソプレンにカルボキシル基を有する単量体をグラフト重合することで、合成ポリイソプレンラテックスを構成する合成ポリイソプレンをカルボキシル基を有するものとすることが好ましい。すなわち、得られるディップ成形体の引張強度向上の観点から、重合体としては、カルボキシ変性合成ポリイソプレンが好ましい。
水相中で、合成ポリイソプレンにカルボキシル基を有する単量体をグラフト重合する方法としては、特に限定されず、従来公知のグラフト重合方法が採用できる。
カルボキシル基を有する単量体としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸単量体;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ブテントリカルボン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2−ヒドロキシプロピル等のエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の多価カルボン酸無水物;などを挙げることができるが、アクリル酸およびメタクリル酸が特に好ましい。なお、これらの単量体は1種単独でも、2種以上を併用して用いてもよい。
また、上記カルボキシル基は、アルカリ金属やアンモニア等との塩になっているものも含まれる。
カルボキシル基を有する単量体の使用量は、合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜100重量部、より好ましくは0.01重量部〜40重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜20重量部である。
カルボキシル基を有する単量体を合成ポリイソプレンラテックスに添加する方法としては、特に限定されず、一括添加、分割添加、連続添加等の公知の添加方法を採用することができる。
グラフト重合の重合触媒(グラフト重合触媒)としては、たとえば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物;等を挙げることができるが、得られるディップ成形体の機械的特性向上の観点から、有機過酸化物が好ましく、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドが特に好ましい。
上記グラフト重合触媒は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。グラフト重合触媒の使用量は、その種類によって異なるが、合成ポリイソプレン100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量部である。また、グラフト重合触媒を添加する方法としては、特に限定されず、一括添加、分割添加、連続添加等の公知の添加方法を採用することができる。
また、有機過酸化物は、還元剤との組み合わせで、レドックス系重合開始剤として使用することができる。還元剤としては、特に限定されないが、たとえば、硫酸第一鉄、ナフテン酸第一銅等の還元状態にある金属イオンを含有する化合物;メタンスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;ジメチルアニリン等のアミン化合物;等が挙げられる。これらの還元剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
還元剤の添加量は、特に限定されないが、有機過酸化物1重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましい。
カルボキシ変性合成ポリイソプレンにおけるカルボキシル基を有する化合物による変性率は、得られるラテックス組成物の使用目的に応じて適宜制御すればよいが、好ましくは0.01〜10%であり、より好ましくは0.05〜7.50%、さらに好ましくは0.1〜5.0%である。なお、変性率は、下記式(i)で表される。
変性率(モル%)=(X/Y)×100 ・・・(i)
なお、上記式(i)においては、Xは、カルボキシ変性合成ポリイソプレン中におけるカルボキシル基の数を、Yは、カルボキシ変性合成ポリイソプレンの総モノマー単位数をそれぞれ表す。Xは、カルボキシ変性合成ポリイソプレンをH−NMRで測定することにより求めることができる。また、Yは、(カルボキシ変性合成ポリイソプレンの重量平均分子量(Mw))/(カルボキシ変性合成ポリイソプレンを構成する各モノマー単位の含有割合に応じた平均分子量)を計算することにより求めることができる。
上記のようにして得られる、合成ポリイソプレンラテックスには、ラテックスの分野で通常配合される、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を配合してもよい。
pH調整剤としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;アンモニア;トリメチルアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン化合物;等が挙げられるが、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
また、必要に応じ、合成ポリイソプレンラテックスの固形分濃度を上げるために、減圧蒸留、常圧蒸留、遠心分離、膜濃縮等の方法で濃縮操作を施してもよい。
合成ポリイソプレンラテックスの固形分濃度は、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%である。固形分濃度を上記範囲とすることにより、該ラテックスを貯蔵した際における重合体粒子の分離を抑制することができるとともに、重合体粒子同士が凝集して粗大凝集物が発生することを抑制できる。
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ラテックス(カルボキシル基含有SISラテックス)は、スチレンとイソプレンのブロック共重合体(SIS)(「S」はスチレンブロック、「I」はイソプレンブロックをそれぞれ表す。)のラテックスである。
SISラテックスの製造方法としては、特に限定されないが、有機溶媒に溶解または微分散したSISの溶液または微細懸濁液を、界面活性剤の存在下に、水中で乳化し、必要により有機溶媒を除去して、SISラテックスを製造する方法が好ましい。
SISは、従来公知の方法、たとえばn−ブチルリチウムなどの活性有機金属を開始剤として、不活性重合溶媒中で、イソプレンとスチレンとをブロック共重合して得ることができる。そして、得られたSISの重合体溶液は、SISラテックスの製造にそのまま用いてもよいが、該重合体溶液から、一度、固形のSISを取り出した後、その固形のSISを有機溶媒に溶解して、SISラテックスの製造に用いることもできる。
この際、合成した後に重合体溶液中に残った重合触媒の残渣などの不純物を取り除いてもよい。また、重合中または重合後の溶液に、後述する老化防止剤を添加してもよい。また、市販の固形のSISを用いることもできる。
有機溶媒としては、上記合成ポリイソプレンの場合と同様のものを使用することができ、芳香族炭化水素溶媒および脂環族炭化水素溶媒が好ましく、シクロヘキサンおよびトルエンが特に好ましい。
なお、有機溶媒の使用量は、SIS100重量部に対して、通常50〜2,000、好ましくは80〜1,000重量部、より好ましくは10〜500重量部、さらに好ましくは150〜300重量部である。
界面活性剤としては、上記合成ポリイソプレンの場合と同様のものを例示することができ、アニオン性界面活性剤が好適であり、ロジン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、SIS100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、最も好ましくは1〜10重量部である。この量が少なすぎると、ラテックスの安定性が劣る傾向にあり、逆に多すぎると、発泡しやすくなり、膜成形体の製造時に問題が起きる可能性がある。
上述したSISラテックスの製造方法で使用する水の量は、SISの有機溶媒溶液100重量部に対して、好ましくは10〜1,000重量部、より好ましくは30〜500重量部、最も好ましくは50〜100重量部である。
使用する水の種類としては、硬水、軟水、イオン交換水、蒸留水、ゼオライトウォーターなどが挙げれる。また、メタノールなどのアルコールに代表される極性溶媒を水と併用してもよい。
SISの有機溶媒溶液または微細懸濁液を、界面活性剤の存在下、水中で乳化する際に用いる装置としては、上記合成ポリイソプレンの場合と同様のものを例示することができる。また、界面活性剤の添加方法は、特に限定されず、予め水もしくはSISの有機溶媒溶液または微細懸濁液のいずれか、あるいは両方に添加してもよいし、乳化操作を行っている最中に、乳化液に添加してもよく、一括添加しても、分割添加してもよい。
上述したSISラテックスの製造方法においては、乳化操作を経て得られた乳化物から、有機溶媒を除去して、SISラテックスを得ることが好ましい。乳化物から有機溶媒を除去する方法は、特に限定されず、減圧蒸留、常圧蒸留、水蒸気蒸留、遠心分離等の方法を採用することができる。
また、このようにして得られたSISラテックスについて、水相中で、SISラテックスにカルボキシル基を有する単量体をグラフト重合することで、SISラテックスを構成するSISをカルボキシル基を有するものとしてもよい。SISにカルボキシル基を有する単量体をグラフト重合する方法としては、たとえば、上述したカルボキシル基含有合成ポリイソプレンの場合と同様の方法を用いることができる。
上記のようにして得られる、SISラテックスには、ラテックスの分野で通常配合される、pH調整剤、消泡剤、防腐剤、キレート化剤、酸素捕捉剤、分散剤、老化防止剤等の添加剤を配合してもよい。pH調整剤としては、上記合成ポリイソプレンの場合と同様のものを例示することができ、アルカリ金属の水酸化物またはアンモニアが好ましい。
また、必要に応じ、合成ポリイソプレンラテックスの固形分濃度を上げるために、減圧蒸留、常圧蒸留、遠心分離、膜濃縮等の方法で濃縮操作を施してもよい。
本発明で用いるSISラテックスの固形分濃度は、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%である。固形分濃度が低すぎると、SISラテックスを貯蔵した際に、SISラテックス中のラテックス粒子(SIS粒子)が分離する懸念があり、逆に高すぎると、SIS粒子同士が凝集して粗大凝集物が発生する場合がある。
このようにして得られるSISラテックスに含まれる、SIS中のスチレンブロックにおけるスチレン単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは100重量%である。
また、SIS中のイソプレンブロックにおけるイソプレン単位の含有量は、全単量体単位に対して、好ましくは70〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%、さらに好ましくは100重量%である。
なお、SIS中のスチレン単位とイソプレン単位の含有割合は、「スチレン単位:イソプレン単位」の重量比で、通常1:99〜90:10、好ましくは3:97〜70:30、より好ましくは5:95〜50:50、さらに好ましくは10:90〜30:70の範囲である。
SISの重量平均分子量は、ゲル・パーミーエーション・クロマトグラフィー分析による標準ポリスチレン換算で、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは50,000〜500,000、さらに好ましくは100,000〜300,000である。SISの重量平均分子量を上記範囲とすることにより、ディップ成形体の引張強度をより高めることができるとともに、SISのラテックスが製造しやすくなる傾向がある。
SISラテックス中のラテックス粒子(SIS粒子)の体積平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.5〜3μm、さらに好ましくは1〜2μmである。ラテックス粒子の体積平均粒子径を上記範囲とすることにより、ラテックス粘度が適度なものとなり取り扱いやすくなるとともに、SISラテックスを貯蔵した際に、ラテックス表面に皮膜が生成することを抑制できる。
<ラテックス組成物>
本発明で用いるラテックス組成物は、上述した合成ポリイソプレンおよび/またはスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などの重合体ラテックスに、架橋剤としての硫黄を配合してなるものである。
硫黄としては、特に限定されず、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄等を用いることができる。
本発明で用いるラテックス組成物中における、硫黄の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.5〜3.0重量部、より好ましくは1.0〜2.0重量部、さらに好ましくは1.2〜1.8重量部である。硫黄の配合量を、上記範囲とすることで、得られる膜成形体の引張強度をより高めることができる。
また、本発明で用いるラテックス組成物は、架橋促進剤をさらに含有していてもよく、架橋促進剤としては、たとえば、ジエチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカルバミン酸、ジ−2−エチルヘキシルジチオカルバミン酸、ジシクロヘキシルジチオカルバミン酸、ジフェニルジチオカルバミン酸、ジベンジルジチオカルバミン酸などのジチオカルバミン酸類およびそれらの亜鉛塩;メチルキサントゲン酸、エチルキサントゲン酸、プロピルキサントゲン酸、イソプロピルキサントゲン酸、ブチルキサントゲン酸、ペンチルキサントゲン酸、ヘキシルキサントゲン酸、ヘプチルキサントゲン酸、オクチルキサントゲン酸、2−エチルヘキシルキサントゲン酸、デシルキサントゲン酸、ドデシルキサントゲン酸などのキサントゲン酸およびそれらの亜鉛塩;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛、2−メルカプトチアゾリン、ジベンゾチアジル・ジスルフィド、2−(2,4−ジニトロフェニルチオ)ベンゾチアゾール、2−(N,N−ジエチルチオ・カルバイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、2−(4′−モルホリノ・ジチオ)ベンゾチアゾール、4−モルホニリル−2−ベンゾチアジル・ジスルフィド、1,3−ビス(2−ベンゾチアジル・メルカプトメチル)ユリアなどが挙げられるが、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛が好ましい。これらの架橋促進剤は、1種単独でも、2種以上を併用して用いることもできる。
本発明で用いるラテックス組成物中における、架橋促進剤の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.5〜3.0重量部、より好ましくは1.0〜2.0重量部、さらに好ましくは1.2〜1.8重量部である。架橋促進剤の配合量を、上記範囲とすることで、得られる膜成形体の引張強度をより高めることができる。
また、本発明で用いるラテックス組成物は、さらに酸化亜鉛を含有することが好ましい。本発明で用いるラテックス組成物中における、酸化亜鉛の含有量は、特に限定されないが、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜2重量部である。酸化亜鉛の配合量を、上記範囲とすることで、ラテックス組成物の安定性を良好なものとしながら、得られる膜成形体の引張強度をより高めることができる。
本発明で用いるラテックス組成物には、さらに、分散剤;老化防止剤;カーボンブラック、シリカ、タルク等の補強剤;炭酸カルシウム、クレー等の充填剤;紫外線吸収剤;可塑剤;等の配合剤を必要に応じて配合することができる。
老化防止剤としては、2,6−ジ−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スチレン化フェノール、2,2’−メチレン−ビス(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、アルキル化ビスフェノール、p−クレゾールとジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、などの硫黄原子を含有しないフェノール系老化防止剤;2,2’−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−o−クレゾール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノールなどのチオビスフェノール系老化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコール・ジホスファイトなどの亜燐酸エステル系老化防止剤;チオジプロピオン酸ジラウリルなどの硫黄エステル系老化防止剤;フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4’―(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物などのアミン系老化防止剤;6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどのキノリン系老化防止剤;2,5−ジ−(t−アミル)ハイドロキノンなどのハイドロキノン系老化防止剤;などが挙げられる。これらの老化防止剤は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
本発明で用いるラテックス組成物中における、老化防止剤の含有量は、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
分散剤としては、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸およびロジン酸などの脂肪酸のナトリウムまたはカリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられるが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが特に好ましい。なお、これらの分散剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いるラテックス組成物中における、分散剤の含有量は、重合体ラテックス中に含まれる重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部であり、より好ましくは0.05〜3重量部である。
また、本発明で用いるラテックス組成物は、得られる膜成形体を引張強度により優れたものとするこという観点より、ディップ成形などの膜成形に供する前に、熟成(前架橋)させることが好ましい。熟成する時間は、特に限定されず、熟成の温度にも依存するが、好ましくは1〜7日間であり、より好ましくは1〜3日間である。なお、前架橋の温度は、好ましくは20〜40℃である。また、ラテックス組成物中に含まれる重合体粒子同士が凝集してしまうことを防止するという観点より、熟成は、攪拌下で行うことが好ましく、この際における撹拌速度は、好ましくは100〜400rpmであり、より好ましくは200〜300rpmである。なお、攪拌に際しては、ラテックス組成物中に含まれる重合体粒子同士が凝集してしまうことを防止するため、ラテックス組成物中の重合体粒子に対し、せん断力が掛からないような態様にて攪拌を行うことが好ましく、具体的には、攪拌容器中にて攪拌翼を用いて、攪拌を行うことが好ましい。
<膜成形体>
本発明の膜成形体は、上述したラテックス組成物を架橋してなる膜状の成形体である。
本発明の膜成形体としては、特に限定されないが、上述したラテックス組成物をディップ成形し、次いで、ラテックス組成物を架橋することにより得られるディップ成形体であることが好ましい。以下、本発明の膜成形体の一態様としてのディップ成形体を例示して、本発明の膜成形体について説明する。
ディップ成形は、ラテックス組成物に型を浸漬し、型の表面に当該組成物を沈着させ、次に型を当該組成物から引き上げ、その後、型の表面に沈着した当該組成物を乾燥させる方法である。なお、ラテックス組成物に浸漬される前の型は予熱しておいてもよい。また、型をラテックス組成物に浸漬する前、または、型をラテックス組成物から引き上げた後、必要に応じて凝固剤を使用できる。
凝固剤の使用方法の具体例としては、ラテックス組成物に浸漬する前の型を凝固剤の溶液に浸漬して型に凝固剤を付着させる方法(アノード凝着浸漬法)、ラテックス組成物を沈着させた型を凝固剤溶液に浸漬する方法(ティーグ凝着浸漬法)などがあるが、厚みムラの少ないディップ成形体が得られる点で、アノード凝着浸漬法が好ましい。
凝固剤の具体例としては、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウムなどのハロゲン化金属;硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛などの硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛など酢酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩;などの水溶性多価金属塩である。なかでも、カルシウム塩が好ましく、硝酸カルシウムがより好ましい。これらの水溶性多価金属塩は、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
凝固剤は、好ましくは水溶液の状態で使用する。この水溶液は、さらにメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒やノニオン性界面活性剤を含有していてもよい。凝固剤の濃度は、水溶性多価金属塩の種類によっても異なるが、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
型をラテックス組成物から引き上げた後、通常、加熱して型上に形成されたラテックス組成物からなる膜を乾燥させる。乾燥条件は適宜選択すればよい。
次いで、加熱して、型上に形成されたラテックス組成物からなる膜を架橋させる。
架橋時の加熱条件は、特に限定されないが、好ましくは80〜150℃、より好ましくは110〜130℃の加熱温度で、好ましくは5〜120分、より好ましくは10〜60分の加熱時間である。
加熱の方法は、特に限定されないが、オーブンの中で温風で加熱する方法、赤外線を照射して加熱する方法などがある。
また、ラテックス組成物からなる膜が形成された型を加熱する前あるいは加熱した後に、水溶性不純物(たとえば、余剰の界面活性剤や凝固剤)を除去するために、型を水または温水で洗浄することが好ましい。用いる温水としては好ましくは40℃〜80℃であり、より好ましくは50℃〜70℃である。
架橋後のディップ成形体は、型から脱着される。脱着方法の具体例は、手で型から剥がす方法、水圧または圧縮空気圧力により剥がす方法等が挙げられる。架橋途中のディップ成形体が脱着に対する十分な強度を有していれば、架橋途中で脱着し、引き続き、その後の架橋を継続してもよい。
以上、本発明の膜成形体の一例としてディップ成形体を例示して説明したが、本発明の膜成形体としては、このようなディップ成形体に限定されるものではなく、その厚みが、好ましくは0.03〜0.50mm、より好ましくは0.05〜0.40mm、特に好ましくは0.08〜0.30mmである膜状の成形体であればよく、特に限定されない。
そして、本発明の膜成形体は、膜成形体中に含有されている、架橋剤としての硫黄に関し、次の要件を満たすものである。すなわち、本発明の膜成形体は、膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が、50重量%以上であり、かつ、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数(硫黄原子の連続結合数の平均値)が3.0〜5.0であるものである。本発明によれば、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合、および重合体と結合している硫黄の平均連鎖数を上記所定の範囲とするものであり、これにより、膜成形体を引張強度に優れたものとすることができるものである。
本発明の膜成形体において、膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合は、50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上、より好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは85重量%以上である。重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が少なすぎると、膜成形体は、引張強度に劣るものとなってしまう。なお、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合の上限は、特に限定されないが、好ましくは99重量%以下である。
膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合の測定方法としては、たとえば、次の方法が挙げられる。すなわち、まず、膜成形体について、重合体と結合していない未反応の硫黄を抽出する処理を行う。次いで、未反応の硫黄を抽出した膜成形体について、蛍光X線分析を行うことで、未反応の硫黄を抽出した膜成形体中の硫黄の含有量を測定する。そして、抽出された未反応の硫黄の含有量S1と、蛍光X線分析により測定された、未反応の硫黄を抽出した膜成形体中の硫黄の含有量S2とから、下記式にしたがって、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合を求めることができる。
重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合(%)={抽出された未反応の硫黄の含有量S1/(抽出された未反応の硫黄の含有量S1+未反応の硫黄を抽出した膜成形体中の硫黄の含有量S2)}×100
あるいは、まず、未反応の硫黄を抽出する前の膜成形体について、蛍光X線分析を行うことで、未反応の硫黄を抽出する前の膜成形体の硫黄の含有量S3を予め測定し、次いで、膜成形体について、重合体と結合していない未反応の硫黄を抽出する処理を行い、未反応の硫黄を抽出した膜成形体について、蛍光X線分析を行うことで、未反応の硫黄を抽出した膜成形体中の硫黄の含有量S2を測定し、下記式にしたがって、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合を求めることもできる。
重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合(%)={1−(未反応の硫黄を抽出した膜成形体中の硫黄の含有量S2/未反応の硫黄を抽出する前の膜成形体の硫黄の含有量S3)}×100
なお、膜成形体から、重合体と結合していない未反応の硫黄を抽出する方法としては、膜成形体を、抽出溶媒としてのクロロホルム/アセトン混合溶液(クロロホルム:アセトン=7:3(重量比))中に、25℃において、24時間浸漬させ、次いで、アセトンで洗浄するという操作を2回繰り返した後、さらに、抽出溶媒としてのテトラヒドロフラン/アセトン混合溶液(テトラヒドロフラン:アセトン=7:3(重量比))中に、25℃において、24時間浸漬させ、次いで、アセトンで洗浄するという操作を2回繰り返す方法が挙げられる。
また、蛍光X線分析においては、たとえば、次の方法により測定を行うことができる。すなわち、まず、硫黄含有量が既知であるイソプレンゴムのラテックスの固形物について、蛍光X線分析によりX線強度を測定し、この測定結果から、X線強度と硫黄濃度との関係を示す検量線を作成する。次いで、膜成形体について、蛍光X線分析によりX線強度を測定し、作成した検量線を用いて、得られたX線強度から、膜成形体中の硫黄含有量を求める方法が挙げられる。
また、本発明の膜成形体において、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数は3.0〜5.0であり、好ましくは3.3〜4.8、より好ましくは3.5〜4.5、さらに好ましくは3.5〜4.0である。重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が低すぎると、膜成形体は、クラックが発生しやすい状態となってしまい、一方、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が多すぎると、膜成形体は、引張強度に劣るものとなってしまう。
重合体と結合している硫黄の平均連鎖数の測定方法としては、たとえば、次の方法が挙げられる。すなわち、まず、膜成形体について、重合体と結合していない未反応の硫黄を抽出する処理を行う。次いで、未反応の硫黄を抽出した膜成形体について、X線吸収微細構造分析(X−ray absorption fine structure:XAFS)を行うことで、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数を求めることができる。
なお、X線吸収微細構造分析(XAFS)においては、たとえば、次の方法により測定を行うことができる。すなわち、放射光軟X線を2440〜2550eVのエネルギー範囲で、未反応の硫黄を抽出した膜成形体に照射し、未反応の硫黄を抽出した膜成形体に入射することによって得られる硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを測定する。そして、同様の測定を、硫黄原子8量体の標準試料(粉末硫黄)、およびモノスルフィドの標準試料(L−システイン)について行い、これらの測定結果から、硫黄連鎖数と、X線吸収スペクトルのピーク位置を示すエネルギー値(eV)との関係を示す検量線を作成し、作成した検量線を用いて、未反応の硫黄を抽出した膜成形体のX線吸収スペクトルのピーク位置のエネルギー値(eV)から、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数を求めることができる。
また、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合、および重合体と結合している硫黄の平均連鎖数を上記所定の範囲とする方法としては、特に限定されないが、たとえば、膜成形体を得る際に用いる、ラテックス組成物について、熟成(前架橋)を行う際における条件、具体的には、熟成温度、熟成時間、攪拌速度を上述した範囲で調整する方法や、ラテックス組成物に配合する架橋促進剤の種類や量を調整する方法、ラテックス組成物について架橋を行う際における架橋温度および架橋時間などが挙げられる。
本発明の膜成形体は、高い引張強度を備えるものであるため、手袋;哺乳瓶用乳首、スポイト、チューブ、水枕、バルーンサック、カテーテル、コンドームなどの医療用品;風船、人形、ボールなどの玩具;加圧成形用バック、ガス貯蔵用バックなどの工業用品;指サックなど各種用途に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、以下の「部」は、特に断りのない限り、重量基準である。なお、各種の物性は以下のように測定した。
(1)ディップ成形体中における、重合体と結合していない未反応の硫黄の抽出操作、および、未反応の硫黄の含有量の測定
ディップ成形体を、2cm×2cmの大きさに細断し、これを測定サンプルとした。そして、得られた測定サンプルを50mlのガラス製サンプル瓶に入れ、抽出溶媒として、クロロホルム/アセトン混合溶液(クロロホルム(国産化学社製、試薬特級):アセトン(国産化学社製、試薬特級)=7:3(重量比))30mlを加えて24時間静置した後に、クロロホルム/アセトン混合溶液中から、測定サンプルを取り出し、アセトンで洗浄した。本測定では、上記抽出操作(クロロホルム/アセトン混合溶液中への浸漬およびアセトンでの洗浄)を2回繰り返した。
次いで、クロロホルム/アセトン混合溶液中への浸漬およびアセトンでの洗浄を2回行った測定サンプルを、別の50mlのガラス製サンプル瓶に入れ、抽出溶媒として、テトラヒドロフラン/アセトン混合溶液(テトラヒドロフラン(和光純薬工業社製、和光特級):アセトン(国産化学社製、試薬特級)=7:3(重量比))30mlを加えて24時間静置した後に、テトラヒドロフラン/アセトン混合溶液中から、測定サンプルを取り出し、アセトンで洗浄した。本測定では、上記抽出操作(テトラヒドロフラン/アセトン混合溶液中への浸漬およびアセトンでの洗浄)を2回繰り返した。
以上のような抽出操作を行うことで、未反応の硫黄を抽出したサンプルを得た。また、この際に用いた抽出溶媒および洗浄液としてのアセトン中に含まれる、抽出された未反応の硫黄の含有量(S1)については、イオンクロマト装置(製品名「ICS−1500」、DIONEX社製)を用いて測定した。なお、イオンクロマト装置の測定条件としては、カラム:AS12A+AG12A、溶離液:2.7mM NaCO/0.3mM NaHCO、検出器:電気伝導度式とした。
(2)未反応の硫黄を抽出したサンプル中における、硫黄の含有量の測定
まず、検量線作成用のサンプルとして、硫黄含有量(μg/g)が既知であるイソプレンゴムラテックスの固形物について、走査型蛍光X線分析装置(製品名「ZSX Prims」、リガク社製)を用いて、蛍光X線分析によりX線強度を測定した。なお、X線の条件としては、電圧:50kV、電流:60mA、測定径:10mmとした。そして、得られた測定結果より、X線強度と、硫黄濃度との関係を示す検量線を作成した。
次いで、上記(1)にて得られた、未反応の硫黄を抽出したサンプルを1.5cm×1.5cmの大きさに細断し、細断したサンプルについて、上記と同様の条件にて蛍光X線分析を行うことにより、X線強度を測定した。そして、測定の結果得られたX線強度、および、上記にて求めた検量線から、未反応の硫黄を抽出したサンプル中における、硫黄濃度を求め、得られた硫黄濃度から、2cm×2cmのサイズに換算した場合における、未反応の硫黄を抽出したサンプル中の硫黄の含有量(S2)を算出した。
(3)ディップ成形体中における、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合
上記(1)にて測定した、抽出された未反応の硫黄の含有量(S1)、および、上記(2)にて測定した、未反応の硫黄を抽出したサンプル中の硫黄の含有量(S2)から、下記式にしたがって、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合を求めた。
重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合(%)={抽出された未反応の硫黄の含有量(S1)/(抽出された未反応の硫黄の含有量(S1)+未反応の硫黄を抽出したサンプル中の硫黄の含有量(S2))}×100
(4)ディップ成形体中における、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数の測定
ディップ成形体中における、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数は、上記(1)にて得られた、未反応の硫黄を抽出したサンプルを1cm×0.5cmの大きさに細断したサンプルを用い、該サンプルに対し、X線吸収微細構造分析(XAFS)を行うことにより求めた。XAFS測定は、放射光施設「あいちシンクロトロン光センター(愛知県瀬戸市)」のビームラインBL6N01にて行った。
具体的には、未反応の硫黄を抽出したサンプルを、ビームラインBL6N01に設けられたXAFS測定用チャンバーに導入し、放射光軟X線を2440〜2550eVのエネルギー範囲で照射し、未反応の硫黄を抽出したサンプルに入射することによって得られる硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルを測定した。また、これと同時に、硫黄原子8量体の標準試料(粉末硫黄;Sigma・Aldrich社製、Reagent grade)、およびモノスルフィドの標準試料(L−システイン;和光純薬工業社製、和光特級)についても、XAFS測定を行い、得られた硫黄K殻吸収端のX線吸収スペクトルのピーク位置を示す入射X線のエネルギー値(eV)から、下記式に示す、硫黄連鎖数と、ピーク位置を示すエネルギー値(eV)との関係を示す検量線を得た。
y=−5.83x+14417
そして、同じく同時にXAFS測定を行ったKSO標準試料のX線吸収スペクトルを用いてキャリブレートした後、上記にて測定した、未反応の硫黄を抽出したサンプルのX線吸収スペクトルを用いて、上記式に基づいて、未反応の硫黄を抽出したサンプルにおける、硫黄の平均連鎖数(すなわち、ディップ成形体中における、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数)を求めた。
なお、上記式は、モノスルフィドの標準試料(L−システイン)のX線吸収スペクトルのピーク位置におけるエネルギー値2472.8eVを硫黄連鎖数「1」とし、硫黄原子8量体の標準試料(粉末硫黄)のX線吸収スペクトルのピーク位置におけるエネルギー値2471.6eVを硫黄連鎖数「8」とし、これらの測定結果を、y=ax+b(a=各標準試料のX線吸収スペクトルのピーク位置におけるエネルギー値、b=各標準試料の硫黄連鎖数)で表される一次関数方程式に代入することで、得たものである。
そして、このようにして得られた上記式に、未反応の硫黄を抽出したサンプルにおける、X線吸収スペクトルのピーク位置におけるエネルギー値を、上記式のxに代入することで、硫黄連鎖数yを求めた。
(5)ディップ成形体の引張強度
ディップ成形体の引張強度は、ASTM D412に基づいて測定した。具体的には、ディップ成形体をダンベル(Die−C)で打ち抜き、測定用試験片を作製し、得られた試験片をテンシロン万能試験機(オリエンテック社製「RTC−1225A」)で引張速度500mm/minで引っ張り、破断直前の引張強度(単位:MPa)を測定した。
(6)ディップ成形体のピンホール数
ディップ成形体のピンホール数は、ディップ成形体1枚をはさみで切り開きシート状にし、切り開いたシートの裏面からバックライトで光を照射しながらシート表面を拡大鏡で観察し、ピンホールの数を数えた。前記ディップ成形体1枚当たりのピンホールの数をそのディップ成形体のピンホール数とした。
<実施例1>
(合成ポリイソプレンの重合体溶液の製造)
乾燥され、窒素置換された撹拌機付きのオートクレーブに、シクロヘキサン1150部とイソプレン100部、およびテトラメチルエチレンジアミン0.0015部を仕込んだ。オートクレーブ内の温度を60℃にし、撹拌しながら、n−ブチルリチウム15.6重量%を含有するヘキサン触媒溶液0.018部を加えて1時間反応させた。重合反応率は99%であった。得られたポリマー溶液に重合停止剤としてメタノール0.0027部を添加し、反応を停止させ、合成ポリイソプレンの重合体溶液(A−1)を得た。合成ポリイソプレンは、重量平均分子量(Mw)が3,800,000で、分子量分布(Mw/Mn)は1.35であった。
(合成ポリイソプレンラテックスの製造)
次いで、この合成ポリイソプレンの重合体溶液(A−1)全量1250部(合成ポリイソプレン100部、シクロヘキサン1150部)と、ロジン酸カリウム0.8重量%(上記合成ポリイソプレンに対して10部)を含有してなる界面活性剤水溶液1250部とを、SUS304製の容器に入れて撹拌混合し、続いてホモジナイザー(商品名「マイルダーMDN−303V」、太平洋機工社製)によって乳化分散処理を施し、乳化液(B−1)を得た。
次に、上記にて得られた乳化液(B−1)を、溶剤除去用タンクに移し、減圧蒸留により、シクロヘキサンを除去した乳化液(C−1)を得た。なお、蒸留時間は6時間とした。また、シクロヘキサンを除去した乳化液(C−1)の固形分濃度は、10重量%であった。そして、200メッシュステンレス製金網を用い、乳化液(C−1)中の凝集物を除去した。
次いで、上記にてシクロヘキサンを除去した乳化液(C−1)について、溶媒をさらに除去することで、固形分濃度を20重量%に調整した。その後、冷却遠心分離機(型式「H−2000B」、コクサン社製)にロータMNをセットし、容量500mlの遠沈管に乳化液(C−1)を入れ、設定温度20℃、遠心加速度4,000G、処理時間20分間の条件で、遠心分離操作を行った。回転が止まった後、直ちに遠沈管内から、軽液として濃縮乳化液(D−1)を得て、得られた濃縮乳化液(D−1)を重液と混合することで、固形分濃度が60重量%に調整された合成ポリイソプレンラテックス(E-1)を得た。
(ラテックス組成物の調製)
得られた合成ポリイソプレンラテックス(E-1)を撹拌しながら、合成ポリイソプレンラテックス(E-1)中の合成ポリイソプレン100部に対して、固形分換算で、酸化亜鉛1.5部、硫黄1.5部、架橋促進剤1.5部(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.3部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛0.5部、およびメルカプトベンゾチアゾール亜鉛0.7部)、および分散剤(ナトリウム塩)0.8部となるように、各配合剤の水分散液を添加した後、水酸化カリウム水溶液を添加して、pHを10.5に調整したラテックス組成物を得た。
(ラテックス組成物の熟成)
得られたラテックス組成物を、30℃に調整された撹拌容器中で、攪拌翼として3段の傾斜パドル翼を用い、250rpmにて攪拌しながら、24時間熟成(前架橋)させた。
(ディップ成形体の製造)
市販のセラミック製手型(シンコー社製)を洗浄し、70℃のオーブン内で予備加熱した後、18重量%の硝酸カルシウムおよび0.05重量%のポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名「エマルゲン109P」、花王社製)を含む凝固剤水溶液に5秒間浸漬し、取り出した。次いで、凝固剤で被覆された手型を70℃のオーブン内で30分以上乾燥した。
その後、凝固剤で被覆された手型をオーブンから取り出し、熟成後のラテックス組成物に10秒間浸漬した。次いで、室温で10分間風乾してから、この手型を60℃の温水中に5分間浸漬した。さらに、120℃のオーブン内に置き、20分間架橋を行った後、室温まで冷却し、タルクを散布してから手型から剥離することで、ディップ成形体を得た。得られたディップ成形体について、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合の測定、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数の測定、および引張強度の測定を、上述方法に従って行った。結果を表1に示す。
<実施例2、実施例3>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、48時間(実施例2)、72時間(実施例3)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、168時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例4>
(合成ポリイソプレンの重合体溶液の製造)
乾燥され、窒素置換された撹拌機付きのオートクレーブに、シクロヘキサン1150部とイソプレン100部、およびテトラメチルエチレンジアミン0.0051部を仕込んだ。オートクレーブ内の温度を60℃にし、撹拌しながら、n−ブチルリチウム15.6重量%を含有するヘキサン触媒溶液0.062部を加えて1時間反応させた。重合反応率は99%であった。得られたポリマー溶液に重合停止剤としてメタノール0.0093部を添加し、反応を停止させ、合成ポリイソプレンの重合体溶液(A−2)を得た。合成ポリイソプレンは、重量平均分子量(Mw)が1,100,000で、分子量分布(Mw/Mn)は1.27であった。
(合成ポリイソプレンラテックスの製造)
次いで、合成ポリイソプレンの重合体溶液(A−1)に代えて、上記にて得られた合成ポリイソプレンの重合体溶液(A−2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、合成ポリイソプレンラテックス(E-2)を得た。
(ラテックス組成物の調製、ラテックス組成物の熟成、ディップ成形体の製造)
次いで、合成ポリイソプレンラテックス(E-1)に代えて、上記にて得られた合成ポリイソプレンラテックス(E-2)を使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物を調製し、実施例1と同じ条件にて熟成(前架橋)を行い、得られた熟成後のラテックス組成物を用いて、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得た。そして、得られたディップ成形体について、実施例1と同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例5、実施例6>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、48時間(実施例5)、72時間(実施例6)にそれぞれ変更した以外は、実施例4と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例2>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、168時間に変更した以外は、実施例4と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例7>
ラテックス組成物を調製する際における、架橋促進剤の配合量を3部(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.6部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛1部、およびメルカプトベンゾチアゾール亜鉛1.4部)に、変更した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物を調製し、同様に、ラテックス組成物の熟成を行った。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例3〜5>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、48時間(比較例3)、72時間(比較例4)、および168時間(比較例5)にそれぞれ変更した以外は、実施例7と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例7と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表1に示す。
<実施例8>
ラテックス組成物を調製する際における、架橋促進剤の配合量を3部(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.6部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛1部、およびメルカプトベンゾチアゾール亜鉛1.4部)に、変更した以外は、実施例4と同様にして、ラテックス組成物を調製し、同様に、ラテックス組成物の熟成を行った。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例4と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例6〜8>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、48時間(比較例6)、72時間(比較例7)、および168時間(比較例8)にそれぞれ変更した以外は、実施例8と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例8と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例9>
ディップ成形体を得る際における、架橋温度を70℃に変更した以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例10〜12>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、48時間(比較例10)、72時間(比較例11)、および168時間(比較例12)に変更した以外は、比較例9と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、比較例9と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例13>
ディップ成形体を得る際における、架橋温度を70℃に変更した以外は、実施例4と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例14〜16>
ラテックス組成物の熟成時間を24時間から、48時間(比較例14)、72時間(比較例15)、および168時間(比較例16)に変更した以外は、比較例9と同様にして、熟成後のラテックス組成物を得た。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、比較例9と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例17>
実施例1と同様にして得られたラテックス組成物についての熟成を、30℃に調整された撹拌容器中で、マグネチックスターラーを使用し、250rpmにて攪拌しながら、24時間の条件で行ったところ、ラテックス組成物中に含まれる合成イソプレン粒子の凝集が大量に発生してしまったため、80メッシュのSUS製金網で濾過した。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例18>
実施例1と同様にして得られたラテックス組成物についての熟成を、30℃に調整された撹拌容器中で、攪拌翼として3段の傾斜パドル翼を用い、500rpmにて攪拌しながら、24時間の条件で行ったところ、ラテックス組成物中に含まれる合成イソプレン粒子の凝集が大量に発生してしまったため、80メッシュのSUS製金網で濾過した。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<比較例19>
実施例1と同様にして得られたラテックス組成物についての熟成を、30℃に調整された撹拌容器中で、攪拌翼として3段の傾斜パドル翼を用い、50rpmにて攪拌しながら、24時間の条件で行った。そして、得られた熟成後のラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表2に示す。
<実施例9>
(カルボキシ変性合成ポリイソプレンのラテックスの製造)
実施例1で得られた合成ポリイソプレンラテックス(E-1)中の合成ポリイソプレン100部に対して、蒸留水850部を添加して希釈した。この希釈したラテックスを窒素置換された攪拌機付き重合反応容器に仕込み、撹拌しながら温度を30℃にまで加温した。また、別の容器を用い、メタクリル酸2部と蒸留水16部を混合してメタクリル酸希釈液を調製した。このメタクリル酸希釈液を、30℃にまで加温した重合反応容器内に、30分間かけて添加した。
さらに、別の容器を用い、蒸留水7部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(商品名「SFS」、三菱ガス化学社製)0.32部、硫酸第一鉄(商品名「フロストFe」、中部キレスト社製)0.01部からなる溶液を調製した。この溶液を重合反応容器内に添加した後、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド(商品名「パーオクタH」、日本油脂社製)0.5部を添加して30℃で1時間反応を行い、さらに70℃で2時間反応させることで、合成ポリイソプレンにメタクリル酸をグラフト重合させた。
次いで、水酸化ナトリウムを添加してpHを10に調整した後、これを連続遠心分離機(商品名「SRG510」、アルファラバル社製)を用いて、4,000〜5,000Gで遠心分離(流速は1700kg/hr、遠心分離機の背圧(ゲージ圧)は0.08MPa)を行い、固形分濃度が55重量%であるカルボキシ変性合成ポリイソプレンのラテックスを得た。得られたラテックス中に含まれるカルボキシ変性合成ポリイソプレンにおける、下記式(i)にしたがって求めたメタクリル酸による変性率は0.8%であった。
変性率(%)=(X/Y)×100 ・・・(i)
上記式(i)中、Xは、カルボキシ変性合成ポリイソプレン中におけるカルボキシル基の数を表し、Yは、カルボキシ変性合成ポリイソプレンの総モノマー単位数を表す。
(ラテックス組成物の調製、ラテックス組成物の熟成、ディップ成形体の製造)
次いで、合成ポリイソプレンラテックス(E-1)に代えて、上記にて得られたカルボキシ変性合成ポリイソプレンのラテックスを使用した以外は、実施例1と同様にして、ラテックス組成物を調製し、実施例1と同じ条件にて熟成(前架橋)を行い、得られた熟成後のラテックス組成物を用いて、実施例1と同様にして、ディップ成形体を得た。そして、得られたディップ成形体について、実施例1と同様に各種測定を行った。結果を表3に示す。
<実施例10>
架橋促進剤1.5部(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛0.3部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛0.5部、およびメルカプトベンゾチアゾール亜鉛0.7部)に代えて、架橋促進剤2.0部(ジイソプロピルキサントゲン酸亜鉛、商品名「ノクセラーZIX−O」、大内新興化学工業社製)を用い、ラテックス組成物の熟成温度を25℃、pHを8.0に変更した以外は、実施例9と同様にして、ディップ成形体を得て、同様に各種測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2019003744
Figure 2019003744
表1、表2中、比較例1、比較例2、比較例4、比較例5、比較例7、比較例8については、得られたディップ成形体中にクラックが発生しており、引張強度の測定を行うことができなかった。
Figure 2019003744
表1、表2、表3に示すように、膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が、50重量%以上であり、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が3.0〜5.0である膜成形体は、引張強度に優れるものとなることが確認できる(実施例1〜10)。
一方、重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が50重量%超であったり、あるいは、重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が5.0を超えているか3.0未満である場合には、膜成形体は引張強度に劣り、ピンホールが発生しているものとなる結果となった(比較例1〜19)。

Claims (3)

  1. 重合体ラテックスと硫黄とを含有するラテックス組成物を架橋してなる膜成形体であって、
    前記膜成形体中に含まれる硫黄の全量100重量%に対する、前記重合体と結合していない未反応の硫黄の含有割合が、50重量%以上であり、
    前記重合体と結合している硫黄の平均連鎖数が3.0〜5.0である膜成形体。
  2. 前記重合体が、ポリイソプレンである請求項1に記載の膜成形体。
  3. 前記重合体が、10,000〜5,000,000の重量平均分子量を有する合成ポリイソプレンである請求項1または2に記載の膜成形体。
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