JP2016160340A - ビナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

ビナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂組成物及び硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】光学レンズ、光学フィルム、プラスチック光ファイバー、光ディスク基板等の光学部材及び半導体封止材用として好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、とりわけLED用封止材として最適な特性を有する硬化物が提供可能なエポキシ樹脂組成物の提供。
【解決手段】以下式(1)
Figure 2016160340

で示す構造を有するビナフタレン骨格含有エポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物を用いることにより前記課題が解決可能となる。更に、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は室温でも液体であることから、本発明のエポキシ樹脂組成物は作業性と流動性に優れるという特徴も兼ね備えている。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビナフタレン骨格を有する新規なエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、一般的に、種々の硬化剤で硬化させることにより、機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などに優れた硬化物となる。その為に、エポキシ樹脂は、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。
その中で、上述した一般的なエポキシ樹脂としての利用分野の他、発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子用の封止材料といった新たな分野での利用に活発な研究開発が行われている。特に近年、青色LED素子と蛍光体との組み合わせによる白色LEDの高度化及び青色、紫外LED素子の高出力化に伴い、従来の封止材および封止方法ではLED本来の特性維持が困難であることから、新規パッケージ材料開発にも拍車がかかっている(例えば非特許文献1)。
LEDデバイスの一般な構造としては大別して、砲弾型と表面実装型があげられるが、砲弾型LEDは、リードフレームに形成された凹状の反射枠内(通常カップと呼ばれる)にLED素子を実装し、Au線にてリードフレーム端子との電気的導通をとりその周りをエポキシ樹脂でキャスティング方式によりモールドすることに形状を形成している。しかしながら、LED素子からの光を効率よく取り出すためには封止樹脂の屈折率が重要であり、そのため、封止剤として用いた場合に高屈折率となるエポキシ樹脂組成物が望まれている。
また、表面実装型LEDは、近年、LED素子を基板にフリップチップ実装されるが、接合部分との補強のための、チップ下の封止材(アンダーフィル材)として用いられるエポキシ樹脂は、LED素子と基板との電気的な接合の信頼性向上の為、一般的な硬化温度である100〜150℃で低弾性であるエポキシ樹脂組成物が望まれている(例えば特許文献1)。さらに、LED素子の下方向へ出射される光も高効率で取り出すために、砲弾型LEDの封止剤として用いられるエポキシ樹脂同様、高屈折率であるほうがさらによいとされる。
特開2014−236175号公報
各種光学部材における透明樹脂の設計と製造技術、情報機構(2007 第3章、P.133〜217)
本発明の目的は、光学レンズ、光学フィルム、プラスチック光ファイバー、光ディスク基板等の光学部材及び半導体封止材用として好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、とりわけLED用封止材として最適な特性を有する硬化物が提供可能なエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で示す構造を有するビナフタレン骨格含有エポキシ樹脂と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物とすることにより前記課題が解決可能であることを見出した。具体的には本発明は以下のものを含む。
〔1〕
以下一般式(1)
Figure 2016160340

(式中nは0または1以上の整数である。)
で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物。
〔2〕
硬化剤がアミン系硬化剤及び/又は酸無水物系硬化剤である〔1〕記載のエポキシ樹脂組成物。
〔3〕
〔1〕または〔2〕記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物は、硬化剤の種類に依らずとも高屈折率かつ高温時の弾性率が低いといった物性を有することから、本発明のエポキシ樹脂組成物は光学レンズ、光学フィルム、プラスチック光ファイバー、光ディスク基板等の光学部材及び半導体封止材用として、とりわけ、光の取り出しの高効率化やフリップチップ実装の接合信頼性向上に特に有効なLED用封止材として好適に用いることができる。
また、一般的にビナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂は、その剛直な構造から室温で固体となり、エポキシ樹脂組成物として使用する際に作業性や流動性の点で問題となるが、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は室温でも液体であることから、本発明のエポキシ樹脂組成物は作業性と流動性に優れるという特徴も有している。
式(1)で表されるエポキシ樹脂(1)の13C−NMR(CDCl)チャートである。 式(1)で表されるエポキシ樹脂(1)の質量分析チャートである。
<上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂及びその製造方法>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、
以下一般式(1)
Figure 2016160340

(式中nは0または1以上の整数である。)
で表わされるエポキシ樹脂と硬化剤を含む。まず、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂(以下、本発明のエポキシ樹脂と称することもある)及びその製造方法について詳述する。
本発明のエポキシ樹脂の繰り返し単位数であるnの値(n数)は本発明のエポキシ樹脂の用途に併せて任意に選択することができ、n数が単一のものを精製により得ることも可能ではあるが、通常はn数の異なるエポキシ樹脂が混合したものを本発明のエポキシ樹脂として使用する。また、本発明のエポキシ樹脂には中間体であるモノグリシジル体、少量の加水分解性塩素、α−グリコール等の不純物及びn=1のエポキシ樹脂の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体などの少なくとも1つが混合している場合がある。
本発明のエポキシ樹脂のn数は好ましくは0または1〜10の整数、更に好ましくは0または1〜2の整数、最も好ましくは0または1とする。n数が3を超えるものの割合が高くなると、相溶性が悪くなり、組成物とする際に、添加量に制約が生じる等の不都合が生じる場合がある。また、より低粘度のエポキシ樹脂とする為には、n=0である樹脂の割合を通常は65%以上、好ましくは85%以上とする。
本発明のエポキシ樹脂は、室温で液体であり、さらに溶融粘度が低いといった特徴を示す。たとえば、本発明のエポキシ樹脂の100℃における溶融粘度は50〜200mPa・s、150℃における溶融粘度は、5〜30mPa・sである為、ハンドリング性に優れている。
本発明のエポキシ樹脂は上述のような特徴を有していることから、後述する、本発明のエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物として用いられることはもちろんのこと、他のエポキシ樹脂等を硬化させる硬化剤としても用いることができる。また、エポキシ(メタ)アクリレートなどの熱硬化性樹脂原料として用いてもよい。
続いて本発明のエポキシ樹脂の製造方法について詳述する。本発明のエポキシ樹脂は、例えば、アルカリ金属水酸化物存在下、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンとエピハロヒドリンを反応させることにより得られる。
原料として使用する2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは、市販品を用いてもよく、慣用の方法、例えば、1,1’−ビ−2−ナフトールと所定量のエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドとを、不活性溶媒及びアルカリ触媒存在下反応させ2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンとしたものをそのまま用いてもよく、また、前記反応終了後の反応生成物から、慣用の精製方法(抽出、晶析など)を利用して精製したものを用いてもよい。本発明において原料として使用する2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの純度は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、特に好ましくは99重量%以上である。
本発明におけるアルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が例示され、その使用量は2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの水酸基1モル当量に対し通常0.8〜4.0モル、好ましくは2.0〜3.0モルである。アルカリ金属水酸化物は固体であっても水溶液であっても良い。
本発明において使用するエピハロヒドリンとしては、具体的には、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等が例示され、その使用量は2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの水酸基1モル当量に対し通常2〜30モル、好ましくは3〜20モルである。なお、上記式(1)で表されるエポキシ樹脂の繰り返し単位数であるnの値(n数)は、エピハロヒドリンの使用量により調整が可能である。すなわち、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンに対してエピハロヒドリンを大過剰に使用すると、nが0の化合物が主成分として得られ、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンに対してエピハロヒドリンの使用量を下げていけば、nが0より大きい化合物の割合を高くすることが可能である。
2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンとエピハロヒドリンとを反応させる際の反応方法としては、例えば、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンとエピハロヒドリンとを反応容器に投入し、溶解混合させた後、20〜120℃、好ましくは40〜90℃でアルカリ金属水酸化物を添加し、その後、20〜120℃、好ましくは40〜90℃で1〜24時間反応させることにより本発明のエポキシ樹脂を得ることが出来る。なお、アルカリ金属水酸化物は一括添加しても良いが、所定の反応温度を維持する為、一定時間、例えば1〜10時間かけて滴下等の方法により連続的に添加すること、または、必要量を分割添加することが好ましい。
前記反応を実施する際、アルカリ金属水酸化物の水溶液を使用する場合は、該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加する一方で、反応系を減圧下、または常圧下で還流状態とし、水及び未反応のエピハロヒドリンを留出させた後留出液を分液し、水は系外へ除去し、エピハロヒドリンは反応系内へと戻すことが好ましい。
前記反応を実施する際、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を用いることが、反応性向上の観点から好ましい。4級アンモニウム塩を使用する場合の使用量は2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン1モルに対し、通常0.01〜0.50モル、好ましくは0.02〜0.20モル使用する。また、4級アンモニウム塩を使用する場合、通常、アルカリ金属水酸化物を2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンとエピハロヒドリンの溶解混合物に添加する前に添加する。
前記反応後、そのまま上記式(1)で表されるエポキシ樹脂を使用しても良いが、下記<1>〜<3>に示す後処理工程を適宜施し、所望の該エポキシ樹脂とすることが好ましい。
<1>無機分等除去工程及び濃縮工程
前記反応で得られた反応生成物を必要に応じろ過および/または水洗・分液除去し、不溶解分、無機塩、及びアルカリ金属水酸化物を除去する。その後、前記反応においてエピハロヒドリンを大過剰使用した場合、内温100〜150℃、内圧30mmHg以下、好ましくは、10mmHg以下でエピハロヒドリンを除去することが好ましい。
<2>閉環工程
加水分解性ハロゲンの含有量がより少ないエポキシ樹脂とするために、前記反応後のエポキシ樹脂または<1>で示す後処理工程を施したエポキシ樹脂に有機溶媒を添加した後、アルカリ金属水酸化物を添加し、通常20〜120℃で撹拌することにより加水分解性ハロゲンの含有量がより少ないエポキシ樹脂とすることができる。
閉環工程で使用する有機溶媒としてはエポキシ樹脂やアルカリ金属水酸化物と反応しないものであればどのようなものでも良く、例えばトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が例示される。また、閉環工程で使用するアルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが例示され、固体であっても水溶液であっても良いが、好ましくは水溶液が用いられる。また、アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンの水酸基1モル当量に対して通常0.01〜2.5モル、好ましくは0.20〜1.2モルである。本閉環工程は通常0.5〜6時間で実施される。
<3>精製工程
前記閉環工程終了後、閉環工程で得られた反応物を必要に応じろ過および/または水洗・分液除去を行い副生したタール分や塩を除去する。その後、pHが8.0〜4.0になるよう、リン酸、リン酸ナトリウム、シュウ酸、酢酸等の酸で中和を行う。中和後、水洗・分液除去を繰り返し、必要に応じろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、減圧下、閉環工程で使用した有機溶媒を留去することにより本発明のエポキシ樹脂を得る。
<本発明のエポキシ樹脂組成物>
続いて、本発明の上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物について詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂と硬化剤を含む。また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、他のエポキシ樹脂、無機フィラー、カップリング剤等を適宜配合することができる。
本発明の硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているもが使用可能である。これら硬化剤の中でも酸無水物類(酸無水物系硬化剤)、アミン類(アミン系硬化剤)、イミダゾール類(イミダゾール系硬化剤)、カチオン重合開始剤、有機リン化合物、フェノール系硬化剤が硬化剤として入手容易であり、かつ取扱性が良いことから好ましく、特に酸無水物類(酸無水物系硬化剤)及びアミン類(アミン系硬化剤)が好ましい。これら硬化剤は単独で用いてもよく、必要に応じ2種以上併用してもよい。
酸無水物類として具体的には酸無水物、酸無水物の変性物等が挙げられる。酸無水物としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
酸無水物の変性物としては、例えば、上述した酸無水物をグリコールで変性したもの等
が挙げられる。ここで、変性に用いることのできるグリコールの例としては、エチレンギ
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類
;ポリエチレンギリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。更には、これらのうちの2種類
以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルリコールを用
いることもできる。
これら酸無水物類の中でもテトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物が好ましい。またこれら酸無水物類は単独で用いても良く、必要に応じ2種以上併用してもよい。
アミン類としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類、第3級アミン等が挙げられる。脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,12−ジアミノドデカン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。芳香族アミン類としては、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、2,4−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。第3級アミンとしては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
これらアミン類の中でもエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,12−ジアミノドデカン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが好ましい。またこれらアミン類は単独で用いても良く、必要に応じ2種以上併用してもよい。
イミダゾール類としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、エポキシイミダゾールアダクド等が例示される。これらイミダゾール類の中でも2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。またこれらイミダゾール類は単独で用いても良く、必要に応じ2種以上併用してもよい。
カチオン重合開始剤については、三フッ化ホウ素等のルイス酸、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の芳香族オニウム塩が挙げられる。
有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
フェノール系硬化剤については、フェノールノボラック、キシリレンノボラック、ビスAノボラック、トリフェニルメタンノボラック、ビフェニルノボラック、ジシクロペンタジエンフェノールノボラック、テルペンフェノールノボラック等が挙げられる。
これら詳述した硬化剤の使用量は、イミダゾール、カチオン重合開始剤、有機リン化合物のような触媒型の硬化剤であれば、上記式(1)で表わされるエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂に対して通常1〜8重量部使用する。また、その他の硬化剤については、エポキシ組成物中の全エポキシ基1当量に対して通常0.5〜1.5当量使用し、好ましくは0.7〜1.2当量使用する。触媒型の硬化剤の場合、全エポキシ樹脂に対して1重量部以上8重留部以下使用することにより、また、その他の硬化剤の場合、エポキシ組成物中の全エポキシ基1当量に対して0.5当量以上1.5当量以下使用することにより、硬化を完全とすることができ、その結果、良好な硬化物性を有する硬化物を得ることができる。
本発明の上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を含んでいても良い。用いることができる硬化促進剤として例えば、トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物の他、前述した硬化剤としても用いることが可能な2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類が挙げられる。硬化促進剤を使用する場合の使用量は、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して通常0.2〜5.0重量部用いる。
本発明の上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物には、さらに、必要に応じて、慣用の希釈、添加剤(例えば、ガラス繊維や無機フィラー、難燃剤、サイジング剤やカップリング剤、着色材、安定材、帯電防止材など)などを含んでいても良い。また、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂は、上記式(1)で表わされるエポキシ樹脂のみでもよく、他のエポキシ樹脂を含んでいても良い。
併用しうる他のエポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの他のエポキシ樹脂は、単独又は2種類以上組み合わせてもよい。
上記式(1)で表わされるエポキシ樹脂と共に他のエポキシ樹脂を併用する場合、全エポキシ樹脂中の他のエポキシ樹脂の配合量は、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上であり、一方、好ましくは99重量%以下であり、より好ましくは95重量%以下である。
<上記式(1)で表わされるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物>
以下、上記式(1)で表わされるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物(以下、本発明の硬化物と称することもある)について詳述する。
本発明の硬化物は、例えば上記式(1)で表わされるエポキシ樹脂、硬化剤並びに必要により併用しうる他のエポキシ樹脂や硬化促進剤、無機フェラーや難燃剤など必要に応じて配合される添加物等を均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、得られたエポキシ樹脂組成物を、金型に流し込み注型した後、光及び/又は熱により硬化させることによって得られる。例えば、熱により硬化させる場合は、硬化温度は、使用する硬化剤や併用する他のエポキシ樹脂によって異なるが、通常25〜250℃の範囲であり、80〜240℃の範囲が好ましく、100〜230℃の範囲がより好ましい。硬化方法としては高温で一気に硬化させることもできるが、段階的に昇温し、硬化反応を進めることが好ましい。具体的には80〜150℃の間で初期硬化を行い、その後、100℃〜230℃の間で後硬化を行う。
得られた本発明の硬化物の屈折率は通常1.58以上となる。また、一般的なエポキシ樹脂の硬化温度である100℃〜150℃の間で弾性率が低くなることから、150℃における貯蔵弾性率は通常50MPa以下となる。なおこれら屈折率及び貯蔵弾性率は後述する条件にて測定された値により定義される。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において各測定値は、次の方法、測定条件に従った。
〔1〕HPLC純度
次の測定条件でHPLC測定を行ったときの面積百分率値をHPLC純度とした。
・装置:(株)島津製作所製「LC−2010AHT」
・カラム:一般財団法人 化学物質評価研究機構製「L−column ODS」
(5μm、4.6mmφ×250mm)
・カラム温度:40℃
・検出波長:UV 254nm
・移動相:A液=30%メタノール、B液=メタノール
・移動相流量:1.0ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:30%(0分)→100%(25分後)→100%(35分後)
〔2〕NMR測定
13C−NMRは、内標準としてテトラメチルシランを用い、溶媒としてCDClを用いて、JEOL−ESC400分光計によって記録した。
[3]LC−MS測定
LC−MSは次の測定条件で分離、質量分析し、目的物を同定した。
・装置:(株)Waters製「Xevo G2 Q−Tof」
・カラム:(株)Waters製「ACQUITY UPLC BEH C18」
(1.7μm、2.1mmφ×100mm)
・カラム温度:40
・検出波長:UV 230−800nm
・移動相:A液=超純水、B液=メタノール
・移動相流量:0.3ml/分
移動相グラジエント:B液濃度:60%(0分)→70%(10分後)→100%(12分後)
検出法:Q−Tof
イオン化法:ESI(+)法
Ion Source:電圧(+)2.0kV、温度120℃
Sampling Cone :電圧 10V、ガスフロー50L/h
Desolvation Cas:温度500℃、ガスフロー1000L/h
〔4〕エポキシ当量
自動滴定装置(京都電子製 AT−5100)を用いて、JIS K7236による方法で測定した。
〔5〕溶融粘度
B型粘度計(TOKIMEC INC製、MODEL:BBH)を用いて、ローターHH−1にて、20〜100rpmで100℃及び150℃に加熱して測定した。
〔6〕上記式(1)で表されるエポキシ樹脂の屈折率及びアッベ数
アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)を用いて、20℃における屈折率(波長:589nm)及び20℃におけるアッベ数(波長:486、589、656nm)を測定した。なおサンプル調製及び屈折率・アッベ数の算出は以下の方法にて行った。
得られた本発明のエポキシ樹脂をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解して10重量%、20重量%及び30重量%溶液を調製し、各溶液について前述の条件にて屈折率及びアッベ数を測定した。次に、得られた3点の測定値から近似曲線を導き、これを100重量%に外挿したときの値を得られた樹脂の屈折率及びアッベ数とした。
<上記式(1)で表されるエポキシ樹脂の製造例>
<実施例1>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた2Lのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)150.0g(0.40mol)、エピクロルヒドリン742.0g(8.00mol)を仕込み、50℃に昇温し、溶解させ、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド13.7g(0.06mol)を添加した。さらに、80℃に昇温し、粒状水酸化ナトリウム66.5g(1.66mol)を80分かけて分割添加し、同温度で4時間攪拌した時点で、HPLCにより反応混合液の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応混合液に水を加えて、生成塩等を溶解、生成した不溶解分を濾過除去した後、下層を分液し、さらに水で1回洗浄した後、130℃まで加熱、10mmHg減圧下で過剰のエピクロルヒドリン等を留去し、80℃まで冷却後、残留物にトルエンを加え溶解した。このトルエン溶液に、80℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液50.0g(0.30mol)を添加し、同温度で6時間攪拌した後、不溶解分を濾過後、下層を分液除去した。その後、酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、有機層を水で洗浄した後、有機層を濾過し、不溶解分を除去した後、減圧濃縮することにより、トルエンを留去して、黄褐色粘調性液体の上記式(1)で表されるエポキシ樹脂172.7gを得た。みかけ収率は89.2%であった。
得られたエポキシ樹脂をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが86.6%であり、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が4.8%、上記式(1)においてn=1のものが1.9%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が1.8%、上記式(1)においてn=2以上のものが0.1%以下含まれていた。得られたエポキシ樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:256g/eq
・溶融粘度;100℃:80mPa・s、150℃:15mPa・s
・屈折率:1.60
・アッベ数:21.5
得られたエポキシ樹脂の13C−NMR(CDCl)チャートを図1に示す。ここで、115.4〜154.2ppmまではナフタレン骨格の炭素に帰属され、43.9、50.6、69.8ppmはグリシジル基の炭素、71.4、71.7ppmは、エトキシ基の炭素に帰属される。また、得られたエポキシ樹脂の内、上記式(1)におけるn=0のものの、LC−MSを用いて得られた質量分析の結果を図2に示す。本分析におけるエポキシ樹脂の計算値(TOF MS ESI;C3030+Na):は509.1940であり、実測値は509.1955であった。
<実施例2>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)15.00g(0.040mol)、エピクロルヒドリン74.20g(0.800mol)を仕込み、50℃に昇温、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.37g(0.006mol)を添加した。添加後80℃に昇温し、粒状水酸化ナトリウム8.00g(0.200mol)を同温度で90分かけて分割添加し、更に同温度で3時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物に水を加え、ろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、130℃まで加熱し、内圧10mmHgで濃縮を行った。その後、60℃まで冷却し、残留物にトルエンを加え溶解した。このトルエン溶液に、60℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液3.30g(0.020mol)を添加し、更に同温度で2時間攪拌した後ろ過を行うことによって不溶解分を除去後、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。更に、有機層を食塩水及び水で数回洗浄・分液除去操作を行った後、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体の上記式(1)で表されるエポキシ樹脂16.64g(みかけ収率85.5%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが82.3%であり、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が5.0%、上記式(1)においてn=1のものが2.0%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が2.1%、上記式(1)においてn=2以上のものが0.2%含まれていた。得られたエポキシ樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:258g/eq
・溶融粘度;100℃:87mPa・s、150℃:17mPa・s
<実施例3>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)15.00g(0.040mol)、エピクロルヒドリン37.10g(0.400mol)を仕込み、50℃に昇温、溶解後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.37g(0.006mol)を添加した。添加後80℃に昇温し、粒状水酸化ナトリウム6.65g(0.166mol)を同温度で50分かけて分割添加し、更に同温度で4時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物に水を加え、ろ過を行うことによって不溶解分をろ過除去した後、130℃まで加熱し、内圧10mmHgで濃縮した。その後、80℃まで冷却し、残留物にトルエンを加え溶解した。このトルエン溶液に、80℃で30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10.95g(0.082mol)を添加し、同温度で3時間攪拌した後、水を追加し水洗を行い、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。更に水洗・分液除去操作を行い、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に、減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体の上記式(1)で表されるエポキシ樹脂16.28g(みかけ収率84.2%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが73.0%であり、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が2.1%、上記式(1)においてn=1のものが4.1%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が6.2%、上記式(1)においてn=2以上のものが1.2%含まれてた。得られたエポキシ樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:251g/eq
・溶融粘度;100℃:68mPa・s、150℃:15mPa・s
<実施例4>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)20.00g(0.053mol)、エピクロルヒドリン29.70g(0.321mol)を仕込み、80℃に昇温、溶解させた後、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド1.82g(0.008mol)を添加した。その後、粒状水酸化ナトリウム8.87g(0.222mol)を同温度で90分かけて分割添加し、更に同温度で3時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
反応生成物にトルエン40gを加えた後にろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、このトルエン溶液に、30℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.50g(0.027mol)を添加し、同温度で3時間攪拌した。その後、水を追加し水洗を行い、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。更に、水洗、分液除去を行った後、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に、減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体の上記式(1)で表されるエポキシ樹脂25.26g(みかけ収率97.9%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが77.9%であり、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が0.6%、上記式(1)においてn=1のものが3.6%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が7.4%、上記式(1)においてn=2以上のものが1.5%含まれてた。得られたエポキシ樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:254g/eq
・溶融粘度;100℃:77mPa・s、150℃:16mPa・s
<実施例5>
攪拌器、冷却器及び温度計を備えた200mlのガラス製反応容器に、窒素雰囲気下で2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン(田岡化学工業(株)製、商品名TBIS−BNE)20.00g(0.053mol)、エピクロルヒドリン20.80g(0.225mol)を仕込み、80℃に昇温、溶解させた後、テトラブチルアンモニウムブロマイド、2.58g(0.008mol)を添加した。その後、粒状水酸化ナトリウム8.87g(0.222mol)を同温度で80分かけて分割添加し、更に同温度で2時間攪拌した後、HPLCにより反応生成物の分析を行ったところ、原料2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンは0.1%以下であった。
得られた反応生成物にトルエン40gを加えた後にろ過を行うことによって不溶解分を除去した後、このトルエン溶液に、40℃で24重量%の水酸化ナトリウム水溶液4.50g(0.027mol)を添加し、同温度で2時間攪拌した後、水を追加し水洗を行い、水層を分液除去した。その後、水及び酸を加えて中和した後、水層を分液除去した。次いで、水洗・分液操作を行った後、有機層をろ過し不溶解分を除去した後に減圧濃縮することによって、黄褐色粘調性液体の上記式(1)で表されるエポキシ樹脂25.34g(みかけ収率98.3%)を得た。
得られた黄褐色粘調性液体をHPLCで分析した所、上記式(1)においてn=0のものが68.3%であり、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンにエピクロヒドリンが1個付加したモノグリシジル体が0.4%、上記式(1)においてn=1のものが3.9%、n=1の水酸基にさらにエピクロヒドリンが付加したトリグリシジル体が9.0%、上記式(1)においてn=2以上のものが3.2%含まれてた。得られたエポキシ樹脂の物性を以下に示す。
・エポキシ当量:280g/eq
・溶融粘度;100℃:150mPa・s、150℃:23mPa・s
<上記式(1)で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物の製造例>
<実施例6>
実施例1で得た上記式(1)で表されるエポキシ樹脂5.00gに4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物を3.28g、トリフェニルホスフィンを0.25g加え、ディスパーで撹拌し、減圧下(0.6〜1.0kPa)で脱泡後、高温恒温器((株)楠本化成株式会社 ETAC HT310)を使用し120℃で2時間、145℃で2時間、165℃で2時間加熱し硬化物を得た。得られた硬化物について、下記記載の方法にて屈折率、貯蔵弾性率を測定した。結果を下記表1に示す。
<実施例7>
実施例1で得た上記式(1)で表されるエポキシ樹脂5.00gに1,12−ジアミノドデカンを0.98g加え、ディスパーで撹拌し、減圧下(0.6〜1.0kPa)で脱泡後、高温恒温器((株)楠本化成株式会社 ETAC HT310)を使用し110℃で2時間、130℃で2時間、160℃で2時間加熱し硬化物を得た。得られた硬化物について、下記記載の方法にて屈折率、貯蔵弾性率を測定した。結果を下記表1に示す。
<比較例1>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(AER 260 旭化成ケミカルズ(株)製)5.00gに、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物4.44g、トリフェニルホスフィン0.25gを加え、ディスパーで撹拌し、減圧下(0.6〜1.0kPa)で脱泡後、高温恒温器((株)楠本化成株式会社 ETAC HT310)を使用し105℃で2時間、135℃で2時間、155℃で2時間加熱し硬化物を得た。得られた硬化物について、下記記載の方法にて屈折率、貯蔵弾性率を測定した。結果を下記表1に示す。
<比較例2>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(AER 260 旭化成ケミカルズ(株)製)5.00gに1,12−ジアミノドデカンを1.32g加え、ディスパーで撹拌し、減圧下(0.6〜1.0kPa)で脱泡後、高温恒温器((株)楠本化成株式会社 ETAC HT310)を使用し65℃で2時間、80℃で2時間、100℃で2時間加熱し硬化物を得た。得られた硬化物について、下記記載の方法にて屈折率、貯蔵弾性率を測定した。結果を下記表1に示す。
(屈折率及び貯蔵弾性率の測定)
〔7〕屈折率
実施例6、7で得られた本発明のジエポキシビスフェノールフルオレン硬化物及び比較例1、2で得られたビスフェノールA型エポキシ樹脂硬化物ついて、アッベ屈折計((株)アタゴ製「多波長アッベ屈折計 DR−2M」)を用いて、23℃における屈折率(波長:589nm)を測定した。(試験片サイズ3×8×40mm)
〔8〕貯蔵弾性率
実施例6,7及び比較例1、2で得られた硬化物について高分子熱特性測定装置(日立ハイテクサイエンス DMS−6100)を用いて10Hzでの50℃、100℃、150℃、200℃における貯蔵弾性率測定した。(試験片サイズ3×5×50mm)
Figure 2016160340

Claims (3)

  1. 以下一般式(1)
    Figure 2016160340

    (式中nは0または1以上の整数である。)
    で表されるエポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物。
  2. 硬化剤がアミン系硬化剤及び/又は酸無水物系硬化剤である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
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