JP2021075508A - エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法 - Google Patents

エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021075508A
JP2021075508A JP2019205672A JP2019205672A JP2021075508A JP 2021075508 A JP2021075508 A JP 2021075508A JP 2019205672 A JP2019205672 A JP 2019205672A JP 2019205672 A JP2019205672 A JP 2019205672A JP 2021075508 A JP2021075508 A JP 2021075508A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
underfill material
general formula
following general
epoxy compound
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019205672A
Other languages
English (en)
Inventor
智也 増田
Tomoya Masuda
智也 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Showa Denko Materials Co Ltd
Priority to JP2019205672A priority Critical patent/JP2021075508A/ja
Publication of JP2021075508A publication Critical patent/JP2021075508A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Epoxy Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

【課題】硬化前における充填性に優れ、且つ、硬化物としたときに優れた耐熱性を示すアンダーフィル材を形成可能なエポキシ化合物及びその製造方法、前記エポキシ化合物を含むアンダーフィル材、並びに、これにより封止された半導体パッケージ及びその製造方法の提供。【解決手段】具体的なエポキシ化合物(B-1)の構造および製造法は下記に挙げられる。【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法に関する。
トランジスタ、IC(Integrated Circuit)等の電子部品装置に用いられる各種半導体素子(以下、チップともいう)の封止の分野では、生産性、製造コスト等の面から樹脂による封止が主流となっている。封止用の樹脂としては、エポキシ樹脂が広く用いられている。これは、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性においてバランスに優れているためである。
半導体素子の表面実装方法としては、電子部品装置の小型化及び薄型化に伴い、ベアチップを直接配線基板上に実装する、いわゆるベアチップ実装が主流となっている。ベアチップ実装による半導体装置としては、例えば、COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等が挙げられ、これらの半導体装置においては、液状の封止樹脂組成物が広く使用されている。
また、半導体素子を配線基板(以下、単に「基板」ともいう)上に直接バンプ接続してなるフリップチップ型の半導体装置では、バンプ接続した半導体素子と配線基板との間隙に充填する封止樹脂(アンダーフィル材)として、液状樹脂組成物が使用されている。例えば、特許文献1には、多官能エポキシ樹脂、並びにフェノール系化合物及び酸無水物を含む硬化剤を用いたアンダーフィル材が記載されている。これらの液状樹脂組成物は、電子部品を温湿度及び機械的な外力から保護する重要な役割を果たしている。
一方、電子機器の小型化、軽量化及び高性能化に伴い、実装の高密度化が進み、電子部品の発熱が顕著となってきている。特に、車載用等のパワー半導体は、高温環境下に長時間曝されることが予想される。
特開2004−256646号公報
近年、パワー半導体の分野においても、小型化及び薄型化されたフリップチップ型の半導体装置の適用が進んできた。このため、低温から高温までの幅広い環境下における長時間の動作に耐えうる性能を有するアンダーフィル材に対する要求がでてきた。しかしながら、液状樹脂組成物を用いるアンダーフィル材において、パワー半導体用の封止材としての条件を充分に満足することは困難であった。例えば、従来のエポキシ樹脂は、作業時の温度条件下における粘性が低く充填性こそあるものの、これを含むアンダーフィル材の硬化物の耐熱性が低く、高温環境下で長時間配置すると、硬化物にクラックが発生する傾向にあった。
本発明は、上記状況に鑑み、硬化前における充填性に優れ、且つ、硬化物としたときに優れた耐熱性を示すアンダーフィル材を形成可能なエポキシ化合物及びその製造方法、前記エポキシ化合物を含むアンダーフィル材、並びに、これにより封止された半導体パッケージ及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のエポキシ化合物及び前記エポキシ化合物をエポキシ樹脂として含むアンダーフィル材を見出した。より詳しくは、本発明は、以下に関する。
[1] 下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物。(下記一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(C)中、n1は0又は1の整数を表し、mは3以上の整数を表し、Arは炭素数5〜10の芳香族基を表す。ただし、Arが炭素数6のフェニル基である場合、mは5又は6の整数を表す。)
Figure 2021075508

[2] 芳香族化合物をエポキシ化することで、下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物を得るエポキシ化工程を含む、エポキシ化合物の製造方法。(下記一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(C)中、n1は0又は1の整数を表し、mは3以上の整数を表し、Arは炭素数5〜10の芳香族基を表す。ただし、Arが炭素数6のフェニル基である場合、mは5又は6の整数を表す。)
Figure 2021075508

[3] 前記エポキシ化工程が、2つ以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物と、グリシジル基を有するハロゲン化合物とを、エーテル結合形成反応により反応させ、前記エポキシ化合物を得る工程である、[2]に記載のエポキシ化合物の製造方法。
[4] [1]に記載のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂と、
硬化剤と、
を含有するアンダーフィル材。
[5] 基板と、
前記基板の上に配置された半導体素子と、
前記半導体素子を封止している[4]に記載のアンダーフィル材の硬化物と、
を備える、半導体パッケージ。
[6] 基板と前記基板の上に配置された半導体素子との間の空隙を[4]に記載のアンダーフィル材で充填する工程と、
前記アンダーフィル材を硬化する工程と、
を有する、半導体パッケージの製造方法。
本開示によれば、硬化前における充填性に優れ、硬化物としたときに優れた耐熱性を示すアンダーフィル材を形成可能なエポキシ化合物及びその製造方法、前記エポキシ化合物を含むアンダーフィル材、並びに、これにより封止された半導体パッケージ及びその製造方法が提供される。
本開示のエポキシ化合物である化合物(B−1)のH−NMRスペクトルである。 本開示のエポキシ化合物である化合物(B−1)のDSC曲線である。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「液状」とは、常温(25℃)において液状であることを意味する。具体的には、25℃において、E型粘度計で測定される粘度が1000Pa・s以下であることを意味する。
本明細書において「エポキシ化合物」とは、分子中にエポキシ基を有する化合物を意味し、「エポキシ樹脂」とは、複数のエポキシ化合物を集合体として捉える概念を意味する。
≪エポキシ化合物≫
本開示のエポキシ化合物は、下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物である。
以下、下記一般式(A)、下記一般式(B)及び下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物を、まとめて単に「エポキシ化合物」とも称す。
Figure 2021075508
一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。
一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。
一般式(C)中、n1は0又は1の整数を表し、mは3以上の整数を表し、Arは炭素数5〜10の芳香族基を表す。ただし、Arが炭素数6のフェニル基である場合、mは5又は6の整数を表す。
本開示のエポキシ化合物は、上記構造を有することにより、これを含む樹脂組成物としたときに粘性が低く、取り扱い性に優れる。また、本開示のエポキシ化合物は、上記構造を有することにより、これを含む樹脂組成物を硬化させてなる硬化物が、高いガラス転移点(例えば、150℃以上)を有し、優れた耐熱性を示す。この要因は必ずしも明らかではないが、以下の様に推察することができる。
本開示のエポキシ化合物は、フェニル基等の分子量の小さい芳香族環に、3つ以上のグリシジルエーテル基又はグリシジル基が置換した構造を有する。つまり、本開示のエポキシ化合物は、エポキシ当量が小さくなる傾向にある。そのため、本開示のエポキシ化合物を含むアンダーフィル材を硬化させてなる硬化物は、ガラス転移点が高くなり易い。その結果、例えば、硬化物を150℃の環境下で1000時間配置したときにおいても、硬化物のクラックの発生が抑制される、即ち、耐熱性に優れると考えられる。
一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。
例えば、製造コストをより抑える観点からは、n1、n2及びn3の1種以上が1であることが好ましく、2種以上が1であることがより好ましく、3種すべてが1であることがさらに好ましい。
例えば、耐熱性の観点からは、n1、n2及びn3の1種以上が0であることが好ましく、2種以上が0であることがより好ましく、3種すべてが0であることがさらに好ましい。
一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。
例えば、製造コストをより抑える観点からは、n1、n2、n3及びn4の2種以上が1であることが好ましく、3種以上が1であることがより好ましく、4種すべてが1であることがさらに好ましい。
例えば、耐熱性の観点からは、n1、n2、n3及びn4の2種以上が0であることが好ましく、3種以上が0であることがより好ましく、4種すべてが0であることがさらに好ましい。
一般式(C)中、Arが炭素数6以外の芳香族基、つまり、炭素数5又は7〜10の芳香族基である場合、mは3以上の整数を表し、3〜8の整数であることが好ましく、3又は4の整数であることがより好ましい。
一般式(C)中、Arで表される炭素数5〜10の芳香族基としては、置換又は無置換の芳香族基が挙げられる。
炭素数5〜10の芳香族基としては、ベンゼン、ピリジン、ナフタレン、キノリン、イソキノリン等の芳香族環からmの値に応じた数の水素原子を除いた芳香族基が挙げられる。
上記の中でも、一般式(C)中、Arで表される炭素数5〜10の芳香族基は、ベンゼンからmの値に応じた数の水素原子を除いた芳香族基であることが好ましい。
前記芳香族基がベンゼンからmの値に応じた数の水素原子を除いた芳香族基であると、エポキシ化合物のエポキシ当量を小さく抑えられるため、硬化物のガラス転移点が高くなり易く、耐熱性がより優れる傾向にある。また、室温における粘度が低くなり易く、硬化前における充填性により優れる傾向にある。
芳香族基の炭素数とは、置換基を含まない芳香族基のみからなる骨格の炭素数を意味する。
一般式(C)中、Arで表される炭素数5〜10の芳香族基における置換基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、ハロゲン原子(塩素原子、ヨウ素原子及び臭素原子)等が挙げられる。
以下、一般式(A)、一般式(B)及び一般式(C)で表されるエポキシ化合物の具体例を示すが、本開示のエポキシ化合物はこれに制限されない。
Figure 2021075508
Figure 2021075508
Figure 2021075508
≪エポキシ化合物の製造方法≫
本開示のエポキシ化合物の製造方法は、芳香族化合物をエポキシ化することで、下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物を得るエポキシ化工程を含む。
下記一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(C)中、n1は0又は1の整数を表し、mは3以上の整数を表し、Arは炭素数5〜10の芳香族基を表す。ただし、Arが炭素数6のフェニル基である場合、mは5又は6の整数を表す。
(0001)
Figure 2021075508
上記一般式(A)〜(C)で表されるエポキシ化合物における、各n1〜n4及びmの好ましい態様は、先述の本開示のエポキシ化合物にて説明した通りである。
(エポキシ化工程)
エポキシ化工程では、芳香族化合物をエポキシ化することで、下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物を得る。
芳香族化合物をエポキシ化する具体的な方法は、特に制限されず、適宜公知のエポキシ化方法を適用してよい。
エポキシ化工程は、例えば、下記工程(1)〜(2)からなる群より選択される少なくとも1種の工程であってもよい。
(1)エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物を、酸化剤を用いてエポキシ化し、エポキシ化合物を得る工程。
(2)2つ以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物と、グリシジル基を有するハロゲン化合物とを、エーテル結合形成反応により反応させ、エポキシ化合物を得る工程。
エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物とは、一般式(A)〜(C)で表されるエポキシ化合物におけるグリシジルエーテル基又はグリシジル基が置換される位置に、「芳香族性を有しない不飽和結合を含む基」を有する芳香族化合物を表す。
例えば、一般式(A)〜(C)で表されるエポキシ化合物中、芳香族基に置換される基が全てグリシジルエーテル基である場合、エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物は、前記グリシジルエーテル基が置換される位置に、アリルオキシ基を有する化合物である。
酸化剤は、特に制限されず、適宜公知の材料を適用してよい。酸化剤としては、メタクロロ過安息香酸(m−CPBA)、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸等の過酸;チタノシリケート等のゼオライト;過酸化水素;メチルトリオキソレニウム等のレニウム酸化物;マンガンポルフィリン、鉄ポルフィリン等のポルフィリン錯体;次亜塩素酸塩;マンガンSalen等のSalen錯体;タングステン化合物等の遷移金属触媒などが挙げられる。上記の中でも、酸化剤は、エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物をより効率的にエポキシ化させる観点から、メタクロロ過安息香酸であることが好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物、及び、2以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物は、合成品であっても、市販品であってもよい。
2つ以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物は、2つ〜8つのフェノール性水酸基を有する芳香族化合物であることが好ましく、2つ〜5つのフェノール性水酸基を有する芳香族化合物であることがより好ましく、2つ〜4つのフェノール性水酸基を有する芳香族化合物であることがさらに好ましい。
(その他の工程)
本開示のエポキシ化合物の製造方法は、その他の工程を含んでいてもよい。
本開示のエポキシ化合物の製造方法は、前記エポキシ化工程の前(より好ましくは前記工程(1)の前)に、2つ以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とハロゲン化アリル化合物とを反応させ前記エチレン性不飽和結合を有する芳香族化合物を合成する工程(3)を、さらに含んでいてもよい。
≪アンダーフィル材≫
本開示のアンダーフィル材は、本開示のエポキシ化合物を含む組成であれば、特に制限されず、その他の添加剤を含んで構成されていてもよい。例えば、本開示のアンダーフィル材は、本開示のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂と、硬化剤と、を含有するアンダーフィル材であることが好ましい。
(エポキシ樹脂)
本開示のエポキシ樹脂は、本開示のエポキシ化合物、つまり、一般式(A)、一般式(B)及び一般式(C)で表されるエポキシ化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む。
本開示のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂であると、硬化前の粘度低減効果と、硬化後の耐熱性と、のバランスに優れるアンダーフィル材となると考えられる。
(本開示のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、硬化前の粘度低減効果と硬化後の諸特性のバランスの観点から、本開示のエポキシ化合物の他に、本開示のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。
本開示のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂を含む場合、本開示のエポキシ化合物の含有率は、エポキシ樹脂全体の1質量%〜80質量%であることが好ましく、5質量%〜60質量%であることがより好ましく、10質量%〜55質量%であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂が本開示のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂を含む場合、その種類は特に制限されない。例えば、本開示のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、アルコールエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、及びシロキサン系エポキシ樹脂が挙げられる。本開示のエポキシ化合物以外のエポキシ樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。中でも、流動性の観点からはエポキシ樹脂はビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の種類は、特に制限されず、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等が挙げられる。上記の中でも、アンダーフィル材として硬化前の充填性により優れる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、常温で液状のものであることが好ましく、常温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂であることがより好ましい。
常温で液状のビスフェノール型エポキシ樹脂は、合成品であっても市販品であってもよい。例えば、常温で液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、新日鉄住金化学株式会社の商品名「エポトート YDF−8170C」が挙げられる。
エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂を含む場合、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ樹脂全体に占める割合は特に制限されず、アンダーフィル材の所望の特性に応じて選択できる。例えば、5質量%〜90質量%であってもよく、10質量%〜85質量%であってもよく、15質量%〜85質量%であってもよい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂が常温で液状である場合、ビスフェノール型エポキシ樹脂の粘度は、特に制限されず、充填性の観点から、25℃での粘度が50Pa・s以下であることが好ましく、30Pa・s以下であることがより好ましく、10Pa・s以下であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に制限されない。エポキシ樹脂のエポキシ当量(分子量/エポキシ基数)は、成形性、耐リフロー性及び電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、80g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、80g/eq〜600g/eqであることがより好ましく、80g/eq〜300g/eqであることがさらに好ましい。本開示において、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
エポキシ樹脂の軟化点又は融点は特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点から、エポキシ樹脂の軟化点又は融点は40℃〜180℃であることが好ましく、アンダーフィル材の調製の際の取扱い性の観点からは50℃〜130℃であることがより好ましい。エポキシ樹脂の軟化点又は融点は、JIS K 7234:1986及びJIS K 7233:1986に記載の単一円筒回転粘度計法により測定される値とする。
エポキシ樹脂の純度の指標の1つとなる加水分解性塩素量は、IC等の半導体素子上の配線の腐食を抑制し、耐湿性の優れたアンダーフィル材を得る観点から、500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であることがより好ましい。加水分解性塩素量とは、エポキシ樹脂1gをジオキサン30mLに溶解し、1N(mol/L)のKOHメタノール溶液5mLを添加して30分間リフラックス後、電位差滴定により求める値を尺度としたものである。
アンダーフィル材の総量に対するエポキシ樹脂の含有率は特に制限されない。アンダーフィル材の総量に対するエポキシ樹脂の含有率は、粘度、ガラス転移温度、耐熱性等の観点から、0.5質量%〜75質量%であることが好ましく、20質量%〜70質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることがさらに好ましい。
アンダーフィル材が全体として常温(25℃、以下同様)で液状である限り、エポキシ樹脂は、常温で固形であっても液状であってもよく、両者を併用してもよい。アンダーフィル材を低粘度化する観点からは、常温で液状のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
アンダーフィル材は、所望の効果が達成される範囲内であれば、常温で固形である固形エポキシ樹脂を使用してもよい。この場合、成形時の流動性の観点から、固形エポキシ樹脂の含有率は、エポキシ樹脂全量に対して20質量%以下とすることが好ましい。
(硬化剤)
本開示のアンダーフィル材は硬化剤を含む。硬化剤の種類は特に制限されず、アンダーフィル材の所望の特性等に応じて選択してよい。硬化剤の種類としては、アミン硬化剤、フェノール硬化剤、酸無水物硬化剤、ポリメルカプタン硬化剤、ポリアミノアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤、ブロックイソシアネート硬化剤等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材に使用する硬化剤は、常温で液状のものが好ましく、低吸水性及び被着体への接着性の観点からは、アミン硬化剤であることが好ましい。アミン硬化剤としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン化合物;ジエチルトルエンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物などが挙げられる。これらの中でも、アミン硬化剤としては、芳香族アミン化合物が好ましい。
硬化剤の官能基当量は、特に制限されない。硬化剤の官能基当量は、反応性及び組成物特性の観点から、30g/eq〜300g/eqであることが好ましく、35g/eq〜200g/eqであることがより好ましい。硬化剤の官能基当量は、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値とする。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比は、それぞれの未反応分を少なく抑える観点からは、エポキシ樹脂のエポキシ基の数に対する硬化剤の官能基(アミン硬化剤の場合は活性水素)の数の比(硬化剤の官能基数/エポキシ樹脂のエポキシ基数)が0.5〜2.0の範囲内となるように設定されることが好ましく、0.6〜1.3の範囲内となるように設定されることがより好ましく、0.8〜1.2の範囲内となるように設定されることがさらに好ましい。
(無機充填材)
アンダーフィル材は、無機充填材を含んでもよい。
アンダーフィル材が無機充填材を含むことで、硬化後の熱膨張率を所望の値に調節しやすくなる。また、熱伝導性等の諸特性を向上させることができる。
無機充填材の種類は、特に制限されない。具体的には、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の無機材料が挙げられる。上記無機充填材の中でも、熱膨張率低減の観点からはシリカが好ましく、熱伝導性向上の観点からはアルミナが好ましい。
本開示のアンダーフィル材は、難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。
無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材に含まれる無機充填材の含有率は、特に制限されない。
硬化後の熱膨張率を低減し、クラックの発生をより効果的に抑制する観点からは、無機充填材の含有率は多いほど好ましい。例えば、無機充填材の含有率は、アンダーフィル材の総量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。
一方、粘度上昇を抑制する観点からは、無機充填材の含有率は、少ないほど好ましい。例えば、無機充填材の含有率は、アンダーフィル材の総量に対して80質量%以下であることが好ましい。
無機充填材の平均粒子径は、特に制限されない。
無機充填材の平均粒子径は、例えば、平均粒子径が0.05μm〜20μmであることが好ましく、0.1μm〜15μmであることがより好ましい。
無機充填材の平均粒子径が0.05μm以上であると、アンダーフィル材の粘度の上昇がより抑制される傾向にある。一方、無機充填材の平均粒子径が20μm以下であると、狭い隙間への充填性がより向上する傾向にある。
無機充填材の平均粒子径は、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により得られる体積基準の粒度分布において小径側からの体積の累積が50%となるときの粒子径(体積平均粒子径、D50)として測定することができる。
<添加剤>
本開示のアンダーフィル材は、上述の成分に加えて、硬化促進剤、応力緩和剤、カップリング剤、着色剤等の各種添加剤をさらに含んでもよい。アンダーフィル材は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(硬化促進剤)
本開示のアンダーフィル材は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化促進剤の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂及び硬化剤の種類、アンダーフィル材の所望の特性等に応じて選択できる。
アンダーフィル材が硬化促進剤を含む場合、その量は硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計含有量)100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(応力緩和剤)
本開示のアンダーフィル材は、応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤としては、熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の粒子などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材が応力緩和剤を含む場合、その量は硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計含有量)100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(カップリング剤)
本開示のアンダーフィル材は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルメトキシシラン、エポキシシラン、フェニルシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、フェニルアミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン化合物、チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム化合物などが挙げられる。これらの中でもシラン化合物(シランカップリング剤)が好ましい。カップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
本開示のアンダーフィル材は、着色剤を含んでもよい。着色剤としては、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、鉛丹、ベンガラ等が挙げられる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アンダーフィル材が着色剤を含む場合、その量は硬化性樹脂成分(エポキシ樹脂と硬化剤の合計含有量)100質量部に対して0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.1質量部〜5質量部であることがより好ましい。
(粘度)
本開示のアンダーフィル材は、基板と半導体素子との間の空隙を充填する際の粘度が充分に低いことが好ましい。具体的には、110℃における粘度が1.0Pa・s以下であることが好ましく、0.75Pa・s以下であることがより好ましく、0.50Pa・s以下であることがさらに好ましい。本開示においてアンダーフィル材の110℃における粘度は、レオメーター(例えば、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製の「AR2000」)により、40mmのパラレルプレートにて、せん断速度:32.5/secの条件で測定される値である。
(アンダーフィル材の用途)
本開示のアンダーフィル材は、種々の実装技術に用いることができる。本開示のアンダーフィル材は、特に、フリップチップ型実装技術に用いるアンダーフィル材として好適に用いることができる。より具体的に例えば、バンプ等で接合された半導体素子と基板の間の隙間を充填する用途に好適に用いることができる。
本開示のアンダーフィル材は、硬化前の充填する温度(例えば、110℃)における粘度が低く、充填性に優れる。また、本開示のアンダーフィル材は、硬化物としたときに優れた耐熱性を示す。例えば、アンダーフィル材を硬化してなる硬化物を、150℃の環境下で1000時間配置した場合においても、硬化物のクラックの発生が抑制される。そのため、高い耐熱性が求められる車載等のパワー半導体用のアンダーフィル材として好適である。
アンダーフィル材を用いて半導体素子と基板の間の隙間を充填する方法は、特に制限されない。例えば、ディスペンサー等を用いて公知の方法により行うことができる。
<半導体パッケージ>
本開示の半導体パッケージは、基板と、前記基板上に配置された半導体素子と、前記半導体素子を封止している上述したアンダーフィル材の硬化物と、を備える。上記半導体パッケージにおいて、半導体素子及び基板の種類は特に制限されず、半導体パッケージの分野で一般的に使用されるものから選択できる。
<半導体パッケージの製造方法>
本開示の半導体パッケージの製造方法は、本開示のアンダーフィル材を用いた方法であれば特に限定されない。例えば、半導体パッケージの製造方法は、基板と前記基板上に配置された半導体素子との間の空隙を上述したアンダーフィル材で充填する工程と、前記アンダーフィル材を硬化する工程と、を含むことが好ましい。
上記方法において、半導体素子と基板の種類は特に制限されず、半導体パッケージの分野で一般的に使用されるものから選択してよい。アンダーフィル材を用いて半導体素子と基板の間の隙間を充填する方法、及び充填後にアンダーフィル材を硬化する方法は特に制限されず、公知の手法で行うことができる。
以下、本開示のエポキシ化合物及びこれを用いたアンダーフィル材について、実施例により具体的に説明するが、本開示の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
≪本開示のエポキシ化合物の合成例≫
以下に示す合成経路にて、本開示のエポキシ化合物(B−1)を合成した。
Figure 2021075508
[化合物(1)の合成]
反応容器に酢酸150mLを仕込み、3℃〜5℃の氷浴で冷やしながら、Resorcinol10gを徐々に添加した。次いで、同じ温度条件下、33%過酢酸70gを、反応容器に徐々に滴下し、室温(23℃)にまで昇温させた後、6時間さらに撹拌して反応させた。得られた析出物を濾過により濾取し、この析出物を酢酸により洗浄した。その後、析出物を減圧乾燥し、黄銅色の結晶として化合物(1)を収率59%で得た。
[化合物(2)の合成]
反応容器に化合物(1)17gと、テトラヒドロフラン340mLと、0.26gの5%Pd/Cと、を仕込み、この反応容器に対し水素を充填した10Lバルーンを取り付けた。化合物(1)が溶解するまで、反応系を30℃で撹拌した後、同じ温度で終夜撹拌し、反応させた。その後、濾過によりPd/Cを濾別し、濾液を減圧濃縮した。得られた粗生成物を、テトラヒドロフラン100mLを用いて洗浄し、白色結晶である化合物(2)を収率93%で得た。
[化合物(B−1)の合成]
アルゴンガス雰囲気下、反応容器に、化合物(2)3g及びエピクロロヒドリン39gを仕込み、室温(23℃)で撹拌した。ついで、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム0.24gを添加して、徐々に加熱し、80℃で加熱撹拌を終夜行った。反応溶液を室温(23℃)にまで放冷後、過剰のエピクロロヒドリンを減圧留去した。得られた濃縮残渣に、酢酸エチル70mL及び20質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温(23℃)で30分間撹拌した。その後、有機層と水層とを分離し、有機層を水、食塩水の順で洗浄し、硫酸ナトリウムにより脱水した。溶媒を留去した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(B−1)を収率13%で得た。得られた化合物(B−1)のガラス転移温度は、128.7℃であった。また、化合物(B−1)のH−NMRスペクトルを図1に、DSC曲線を図2にそれぞれ示す。
[実施例1〜2及び比較例1〜4]
≪アンダーフィル材の作製≫
各例のアンダーフィル材を、表1に示す材料及び量(質量部)で混合し、調製した。本開示のエポキシ化合物以外の各材料の詳細は下記の通りである。なお、表1中、「−」は、各材料を含まないことを意味する。
・エポキシ樹脂1:
液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量:160g/eq
商品名「エポトート、YDF−8170C」、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
・エポキシ樹脂2:
トリグリシジル−p−アミノフェノール、エポキシ当量:95g/eq
商品名「jER 630」、三菱ケミカル株式会社
・エポキシ樹脂3:
サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、軟化点:60〜72℃
エポキシ当量:158〜178℃
商品名「EPPN−502H」、日本火薬株式会社
・エポキシ樹脂4:
上記合成例で示した化合物(B−1)、エポキシ当量:92g/eq
・硬化剤1:
ジエチルトルエンジアミン、活性水素当量:45g/eq、
商品名「jERキュア W」、三菱ケミカル株式会社
・硬化剤2:
3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
活性水素当量:63g/eq、商品名「カヤハード A−A」、日本火薬株式会社
・着色剤:
カーボンブラック、商品名「MA−100」、三菱ケミカル株式会社
・カップリング剤:
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
商品名「KBM−403」、信越化学工業株式会社
・無機充填材:
体積平均粒子径が0.5μmの球状溶融シリカ、
商品名「SO−24H/25C」、株式会社アドマテックス
−充填性の評価−
各例のアンダーフィル材について、粘度及び充填時間をそれぞれ下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(1)粘度
各例のアンダーフィル材の粘度(Pa・s)を、AR2000(TAインスツルメント社)を用いて、40mmパラレルプレート、せん断速度32.5(1/s)、温度110℃の条件で測定した。
(2)充填時間
ガラス基板上に、25μmの間隙を設けて、半導体装置の代わりにガラス板(20mm×20mm)を固定した試験片を作製した。次に、この試験片を110℃に設定したホットプレート上に置き、ガラス板の一端側に、各例のアンダーフィル材を塗布し、間隙がアンダーフィル材で満たされるまでの充填時間(秒)を測定した。
−硬化物特性の評価−
各例のアンダーフィル材を硬化して得られた硬化物のガラス転移温度(℃)、熱膨張率(ppm/℃)をそれぞれ下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(3)ガラス転移温度の測定方法
熱機械分析装置(TMA2940、TAインスツルメント社)を用いて、硬化させた各例のアンダーフィル材を、直径8mm、長さ20mmのサイズに切り出し、圧縮法にて0℃から300℃まで5℃/分で昇温測定し、50℃と150℃における接線の交点に対応する温度をガラス転移温度(℃)とした。
(4)熱膨張率の測定方法
上記ガラス転移温度と同じ装置、条件で、各例のアンダーフィル材について測定を行い、10〜30℃における接線の傾きを熱膨張率(ppm/℃)とした。
−耐熱性の評価−
各例のアンダーフィル材を硬化して得られた硬化物の質量減少率を、下記の方法で測定した。結果を表1に示す。
(5)質量減少率の測定方法
硬化させた各例のアンダーフィル材を、60×10×3mmtのサイズに切り出し、150℃で所定時間加熱し、下記計算式によって質量減少率(質量%)を算出した。
質量減少率(%)=((加熱前質量)−(加熱後質量))/(加熱前質量)
Figure 2021075508
表1に示す通り、実施例のエポキシ化合物は、硬化前における充填性に優れることがわかった。また、比較例のエポキシ化合物に比べて、硬化物としたときに優れた耐熱性を示すアンダーフィル材を形成可能であることがわかった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物。(下記一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(C)中、n1は0又は1の整数を表し、mは3以上の整数を表し、Arは炭素数5〜10の芳香族基を表す。ただし、Arが炭素数6のフェニル基である場合、mは5又は6の整数を表す。)
    Figure 2021075508
  2. 芳香族化合物をエポキシ化することで、下記一般式(A)、下記一般式(B)又は下記一般式(C)で表されるエポキシ化合物を得るエポキシ化工程を含む、エポキシ化合物の製造方法。(下記一般式(A)中、n1、n2及びn3は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(B)中、n1、n2、n3及びn4は、各々独立に0又は1の整数を表す。下記一般式(C)中、n1は0又は1の整数を表し、mは3以上の整数を表し、Arは炭素数5〜10の芳香族基を表す。ただし、Arが炭素数6のフェニル基である場合、mは5又は6の整数を表す。)
    Figure 2021075508
  3. 前記エポキシ化工程が、2つ以上のフェノール性水酸基を有する芳香族化合物と、グリシジル基を有するハロゲン化合物とを、エーテル結合形成反応により反応させ、前記エポキシ化合物を得る工程である、請求項2に記載のエポキシ化合物の製造方法。
  4. 請求項1に記載のエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    を含有するアンダーフィル材。
  5. 基板と、
    前記基板の上に配置された半導体素子と、
    前記半導体素子を封止している請求項4に記載のアンダーフィル材の硬化物と、
    を備える、半導体パッケージ。
  6. 基板と前記基板の上に配置された半導体素子との間の空隙を請求項4に記載のアンダーフィル材で充填する工程と、
    前記アンダーフィル材を硬化する工程と、
    を有する、半導体パッケージの製造方法。
JP2019205672A 2019-11-13 2019-11-13 エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法 Pending JP2021075508A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019205672A JP2021075508A (ja) 2019-11-13 2019-11-13 エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019205672A JP2021075508A (ja) 2019-11-13 2019-11-13 エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021075508A true JP2021075508A (ja) 2021-05-20

Family

ID=75898821

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019205672A Pending JP2021075508A (ja) 2019-11-13 2019-11-13 エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021075508A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108192293B (zh) 电子部件用液体状树脂组合物及电子部件装置
TWI555770B (zh) 電子零件用液狀樹脂組成物及電子零件裝置
TWI502016B (zh) Epoxy resin compositions, epoxy resins and hardened products
JP2015189848A (ja) 電子部品用液状樹脂組成物及び電子部品装置
JP6125775B2 (ja) 液状封止用エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電子部材
JPWO2008020594A1 (ja) 変性液状エポキシ樹脂、並びにそれを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2018048276A (ja) アンダーフィル材及びそれを用いた電子部品装置
JP2016000801A (ja) エポキシ樹脂用希釈剤、及びエポキシ樹脂組成物
JP6825643B2 (ja) 電子部品用液状樹脂組成物及び電子部品装置
JP2004083711A (ja) 液状エポキシ樹脂組成物
JP2021075508A (ja) エポキシ化合物及びその製造方法、アンダーフィル材、並びに、半導体パッケージ及びその製造方法
JP7454906B2 (ja) アンダーフィル材、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
KR102668249B1 (ko) 언더필재, 반도체 패키지 및 반도체 패키지의 제조 방법
JP2013072058A (ja) アンダーフィル材料、半導体装置及びその製造方法
JP2017028050A (ja) アンダーフィル材及びそれを用いた電子部品装置
US6232411B1 (en) Hydrogenated diglycidyl ethers of bipheny-4,4′-diol
JP2021174939A (ja) アンダーフィル用樹脂組成物及びその製造方法、半導体装置の製造方法、並びに半導体装置
JP2020119944A (ja) アンダーフィル材、半導体パッケージ及び半導体パッケージの製造方法
JP5040404B2 (ja) 封止材用エポキシ樹脂組成物、その硬化体および半導体装置
JP2020070347A (ja) アンダーフィル用樹脂組成物並びに電子部品装置及びその製造方法
WO2021201060A1 (ja) エポキシアミンアダクト、硬化触媒、樹脂組成物、封止材、接着剤、及び硬化物
JP7455017B2 (ja) アンダーフィル材、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
JP2004204082A (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP3118763B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体封止材料
JP2004277717A (ja) エポキシ樹脂の製造方法