JP2016160275A - 光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ビニルホルムアミドを実質的に含まず、エーテル基含有単官能モノマーを光重合性成分の総質量に対して0.1〜20質量%含有し、環状構造含有単官能モノマーを光重合性成分の総質量に対して35〜70質量%含有し、かつ、多官能モノマーを光重合性成分の総質量に対して5〜40質量%含有する光重合性成分と、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を光重合性成分の総質量に対して3〜20質量%含有し、二酸化チタンを含有し、25℃における粘度が100mPa・s以下である光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物。
【選択図】なし
Description
しかし、この様なインクジェットインキを使用して印刷物を製造した場合、ポリ塩化ビニル系シートへの密着性は良好となるが、コックリング(基材がたわむ現象)が起こりやすくなるという問題を有している。
このような、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物としては、例えば、顔料、ベンジルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、分子内に2個の光重合性官能基及び分子内に2個のアミノ基を有すアクリル化アミン化合物、及び増感剤を含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物(特許文献2参照)、顔料、特定量の分子内に(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を有する化合物、及び特定量のビニルカプロラクタムを含有する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物(特許文献3参照)が提案されている。
また、本発明は、(2)前記エーテル基含有単官能モノマーが、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、前記環状構造含有単官能モノマーが、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレートから選ばれる少なくとも1種である、上記(1)項に記載の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物である。
また、本発明は、(3)前記多官能モノマーが1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートから選ばれる少なくとも1種である、上記(1)項又は(2)項に記載の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物である。
また、本発明は、(4)上記(1)項〜(3)項のいずれかに記載の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いるインクジェット記録方法であって、前記光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を被記録媒体に付着させ、付着させた光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物に、発光ダイオードを光源とし、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線を照射する、インクジェット印刷方法である。
尚、本発明において、後述する発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線とは、「発光ピーク波長が350〜420nmの範囲である紫外線を発生する、発光ダイオードから照射される光」と定義する。
本発明の白色インク組成物は、少なくとも光重合性成分、二酸化チタン、及びアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する。
本発明の白色インク組成物は、光重合性成分として、ビニルホルムアミドを実質的に含まず、エーテル基含有単官能モノマー、環状構造含有単官能モノマー、多官能モノマーの3成分を含有する。
ここで、ある1種の化合物が、これらの3成分の内の複数に包含されても良く、いずれか1成分のみに包含されても良い。
なお本発明において、ビニルホルムアミドを実質的に含まないこととは、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物中のビニルホルムアミドの濃度が、光重合性成分の総質量に対して2質量%以下であることであり、さらに1質量%以下、より少なくは0.5質量%以下、最も少なくは0質量%の場合である。
エーテル基含有単官能モノマーの含有量は、光重合性成分の総質量に対して0.1〜20質量%、好ましくは、5〜15質量%である。上記エーテル基含有単官能モノマーの含有量が0.1質量%未満であると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いて形成した印刷物の薄膜での硬化性が低下し、一方、20質量%を超えると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いて形成した印刷物のイソプロピルアルコール等の溶剤に対する耐溶剤性が低下する傾向となる。
本発明において、環状構造含有単官能モノマーの含有量は、光重合性成分の総質量に対して35〜70質量%、好ましくは35〜65質量%である。光重合性成分の総質量に対して35質量%未満であると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物のポリ塩化ビニル系シートに対する密着性が低下する傾向となり、一方、70質量%を超えると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いて形成した印刷物の耐擦性、耐溶剤性が低下する傾向となる。
本発明において、多官能モノマーの含有量は、光重合性成分の総質量に対して5〜40質量%、好ましくは、5〜35質量%である。多官能モノマーの含有量が5質量%未満であると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いて形成した印刷物のイソプロピルアルコール等の溶剤に対する耐溶剤性が低下する傾向となる。一方、40質量%を超えると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いて形成した印刷物のポリ塩化ビニル系シートに対する密着性が低下する傾向となる。
さらに、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を構成する光重合性成分として、本発明の性能を低下させないような含有量で、上述した特定のモノマー、光重合性成分以外の他の光重合性成分を併用することも可能である。この様な他の光重合性成分としては、エチレン性二重結合含有化合物であれば、モノマー、プレポリマー、オリゴマー等、特に制限なく使用できる。
上記他の光重合性成分としては、イソブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート等の低粘度の光重合性成分、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等が例示できる。これら他の光重合性成分は、一種又は必要に応じて二種以上用いてもよい。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、450〜300nmの波長の光により開始剤機能が発現するアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤(化合物)を使用する。なお、上記「450〜300nmの波長の光により開始剤機能が発現する」とは、450〜300nmの波長全域にわたって光吸収特性を有することをいう。このようなアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いることで、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物に、さらにLEDに対する硬化性を付与することができる。
具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:TPO、Lambson社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819、BASF社製)等が挙げられる。
これらアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は、光重合性成分の総質量に対して3〜20質量%の範囲であり、より好ましくは10〜20質量%の範囲である。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が3質量%未満では、硬化性が十分でないことがある。一方、20質量%を超えると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物の貯蔵安定性が低下する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物には、さらに、発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性を促進するために、主に400nm以上の紫外線の波長域で光吸収特性を有し、その範囲の波長の光により硬化反応の増感機能が発現する光増感剤(化合物)を併用使用することができる。
なお、上記「400nm以上の波長の光により増感機能が発現する」とは、400nm以上の波長域で光吸収特性を有することをいう。このような増感剤を用いることで、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物のLED硬化性を促進させることができる。
上記光増感剤としては、アントラセン系増感剤、チオキサントン系増感剤等で、好ましくは、チオキサントン系増感剤である。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
具体的には、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン系増感剤、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤を挙げることができる。市販品の代表例としては、アントラセン誘導体では、DBA、DEA(川崎化成工業社製)、チオキサントン系増感剤では、DETX、ITX(Lambson社製)等が例示できる。
増感剤の含有量は、光重合性成分の総質量に対して0〜4質量%の範囲である。4質量%を超えると、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を黄色に変色させる場合があるため、好ましくない。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物は、二酸化チタンを含有する。二酸化チタンとしては、従来からインクジェット用インクに使用されているもので、ルチル型、アナターゼ型等の各種の酸化チタンが使用できる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物における二酸化チタンの含有量は、光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物の全量に対して1〜20質量%であることが好ましい。二酸化チタンの含有量が1質量%未満では、得られる印刷物の画像品質が低下する傾向がある。一方、20質量%を超えると、光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物の粘度特性に悪影響を与える傾向がある。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物は、必要に応じて顔料分散剤を含有していてもよい。
顔料分散剤は、顔料の分散性、本発明の白色インク組成物の保存安定性を向上させるために使用するもので、従来から使用されているものを特に制限なく使用できるが、その中でも高分子分散剤を使用することが好ましい。このような顔料分散剤としては、カルボジイミド系分散剤、ポリエステルアミン系分散剤、脂肪酸アミン系分散剤、変性ポリアクリレート系分散剤、変性ポリウレタン系分散剤、多鎖型高分子非イオン系分散剤、高分子イオン活性剤等が挙げられる。これら顔料分散剤は単独で又は2種以上を混合して使用できる。
上記顔料分散剤は、使用する全顔料の量を100質量部としたときに、1〜200質量部含有することが好ましい。顔料分散剤の含有量が1質量部未満では、顔料分散性、本発明の白色インク組成物の貯蔵安定性が低下する場合がある。一方、200質量部を超えて含有させることもできるが効果に差がでない場合もある。顔料分散剤の含有量のより好ましい下限は5質量部、より好ましい上限は60質量部である。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物は、使用するインクジェットヘッドに応じて、界面活性剤として従来から光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に使用されているシリコーン系界面活性剤等の界面活性剤を、吐出安定性を改良するために含有することが好ましい。
シリコーン系界面活性剤の具体例としては、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用して用いることができる。
本発明の白色インク組成物における、界面活性剤の含有量は0.005〜1.0質量%である。0.005質量%未満であると、本発明の白色インク組成物の表面張力が高くなり、インクジェットヘッドからの吐出安定性が低下する。一方、1.0質量%を超えると、本発明の白色インク組成物中に泡が増加し吐出安定性が低下する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物には、必要に応じて種々の機能性を発現させるため、各種の添加剤を添加することができる。具体的には、光安定化剤、表面処理剤、酸化防止剤、老化防止剤、架橋促進剤、重合禁止剤、可塑剤、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、保湿剤等が挙げられる。
また、本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物は、25℃における粘度が、100mPa・s以下である。さらに光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物の具体的な粘度を、各インクジェット装置に適応するように設計することもできる。
なお、本明細書において粘度とは、E型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を用いて、25℃、20rpmの条件で測定した粘度である。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物は、上記した特定の光重合性成分とアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を特定量含有させることで、紫外線、特に発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性に優れ、床材、塩化ビニル、ポリカーボネート等の基材に対する密着性及び耐擦性が良好で、吐出安定性及び貯蔵安定性に優れ、高い引火点、低皮膚刺激性及び低臭気といった安全性の全てにおいて優れたものとすることができる。
なお、二酸化チタン、顔料分散剤及び光重合性成分を混合することにより、予めコンクベースインクを得ておき、そのコンクベースインクに所望の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物の組成となるように、光重合性成分、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を添加して調製することもできる。
本発明の白色インク組成物を印字する基材としては、床材、塩化ビニル、ポリカーボネート等が好ましいが、従来から光硬化型インクジェット印刷用インク組成物が印字される基材(紙、プラスチックフィルム、カプセル、ジェル、金属箔、ガラス、布等)であれば問題なく印字できる。
例えば、基材への吐出(画像の印字)は、本発明の白色インク組成物をインクジェット記録用プリンターの低粘度対応のプリンタヘッドに供給し、基材に対して塗膜の膜厚が、例えば、1〜60μmとなるように該インク組成物をプリンタヘッドから吐出することにより行うことができる。また、光での露光、硬化(画像の硬化)は、画像として基材に塗布された本発明の白色インク組成物の塗膜に光を照射することにより行うことができる。
本発明の白色インク組成物を印字するインクジェット記録方式用プリンター装置としては、従来から使用されているインクジェット記録方式用プリンター装置が利用できる。なお、コンティニュアスタイプのインクジェット記録方式用プリンター装置を用いる場合は、本発明の白色インク組成物にさらに導電性付与剤を加え電導度の調節をする。
上記塗膜の硬化における光源としては、紫外線(UV)、紫外線(発光ダイオード(LED))、電子線、可視光線等を挙げることができ、環境面から好ましくは発光ピーク波長が350〜420nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオード(LED)である。
<実施例1〜3及び比較例1〜8>
光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物の調製
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
以下の実施例、比較例で使用した材料は次の通りである。
<顔料分散剤>
ソルスパース56000(ルーブリゾール社製)
<光重合性成分>
ビスコート#160:ベンジルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
ビームセット770:ビニルホルムアミド(荒川化学工業社製)
SR285:テトラヒドロフルフリルアクリレート(サートマー社製)
SR454:トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリアクリレート (サートマー社製)
SR440:イソデシルアクリレート(サートマー社製)
SR508:ジプロピレングリコールジアクリレート(サートマー社製)
<アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤>
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(L ambson社製)
<非アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤>
IRGACURE184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BAS F社製)
<増感剤>
DETX:2,4−ジエチルチオキサントン(Lambson社製)
<添加剤>
UV−22:Irgastab UV 22:2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル) −4−(フェニルメチレン)−2,5−シクロヘキサジン−1−オンとグリ セロールトリアクリレートの混合物(質量比20:80)(BASF社製)
BYK−315:シリコーン系添加剤(BYK Chemie社製)
二酸化チタンと顔料分散剤(ソルスパース56000)と光重合性成分(ビスコート#160)とを、配合比率(質量比率)が40/4/56となるように配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させて、ホワイトコンクベースを得た。
得られたホワイトコンクベースに、表1の配合組成(質量%)となるように各成分を配合し、撹拌混合して、実施例1〜3及び比較例1〜8の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた各光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物について、E型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を使用して、温度25℃、ローター回転速度20rpmの条件で、粘度を測定した。結果を表1に示す。
(通常膜厚)
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を、PVC80(リンテック社製)に#4のバーコーターで塗布した。次いで、フォセオン・テクノロジー社製UV−LED光ランプを用いて硬化させた。
下記の方法で、UV−LED光ランプを利用した時の硬化性、密着性、耐溶剤性、耐擦性を評価した。結果を表1に示す。
フォセオン・テクノロジー社製UV−LED光ランプにて、ランプとインクの塗布面との距離2cm、1回当たりの照射時間1秒の照射条件(1秒間当たりのUV積算光量60mJ/cm2)下で、表面のタックがなくなるまでの照射回数にて評価した。
表面のタックがなくなるまで硬化させた各白色インク組成物の硬化塗膜をカッターナイフでクロスカットし、カットした部分にセロハンテープを貼り、これを引き剥がすことにより硬化塗膜の剥離具合を以下の基準で評価した。
○:硬化塗膜の剥離なし
△:硬化塗膜の剥離があったが剥離面積が20%未満
×:硬化塗膜の剥離面積が20%以上
学振型堅牢度試験機(大栄科学精器製作所製)を用いて、イソプロピルアルコールをしみ込ませた晒し布で500gの荷重をかけて、20回白色インク組成物の硬化塗膜を擦ったときの、硬化塗膜の溶解の具合を判断するために、晒し布の汚染と擦られた硬化塗膜面の状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:晒し布の汚染、硬化塗膜の損耗が共に認められない
△:晒し布が汚染されるが、硬化塗膜の損耗が観察されない
×:晒し布が汚染され、硬化塗膜の損耗もある
学振型堅牢度試験機(大栄科学精器製作所製)を用いて、晒し布で500g×200回塗膜を擦ったときの、塗膜の取られ具合を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:塗膜の取られ無し
△:塗膜の表面に傷がある
×:塗膜が取られ基材がみえる
25℃の雰囲気温度下に、低粘度インク用のインクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置と、実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた各白色インク組成物とを24時間置き、インクジェット記録装置及び各白色インク組成物の温度を25℃とした。その後25℃の雰囲気温度下で、各白色インク組成物を用いてPVC80(リンテック社製)上に、連続的に印字して、吐出安定性の評価を行い、以下の基準で評価した。
○:印刷の乱れがなく、安定して吐出できる
×:印刷の乱れがある、又は安定して吐出できない
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた各白色インク組成物をそれぞれガラス瓶に採り、密栓して40℃で7日間保存した後の状態を、下記評価基準に従って評価した。
○:増粘、沈降物が共に認められない
△:軽く振ると元に戻る程度の増粘や沈降物が認められる
×:強く振っても元に戻らない程度の増粘や沈降物が認められる
実施例1〜3及び比較例1〜8で得られた光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を、PVC80(リンテック社製)に#3のバーコーターで塗布した。次いで、フォセオン・テクノロジー社製UV−LED光ランプを用いて硬化させた。
下記の方法で、UV−LED光ランプを利用した時の硬化性を評価した。結果を表1に示す。
(UV−LED光ランプを利用した時の硬化性)
フォセオン・テクノロジー社製UV−LED光ランプにて、ランプとインクの塗布面との距離2cm、1回当たりの照射時間1秒の照射条件(1秒間当たりのUV積算光量60mJ/cm2)下で、表面のタックがなくなるまでの照射回数にて評価した。
しかしながら、ビニルホルムアミドを含有する比較例1によると、貯蔵安定性に劣る結果になった。エーテル基含有単官能モノマーを含まない比較例3によると、薄膜を含むLED硬化性に劣る結果となり、過剰に含有させた比較例4によると、耐溶剤性に劣る結果となった。環状構造含有単官能モノマーの含有量が少ない比較例2によると、密着性に劣る結果となり、過剰に含有させた比較例5によると、耐溶剤性及び耐擦性に劣る結果となった。多官能モノマーの含有量が少ない比較例6によると、耐溶剤性及び耐擦性に劣る結果となった。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が少ない比較例7によると、薄膜を含むLED硬化性に劣る結果となり、過剰に含有させた比較例8によると、貯蔵安定性に劣る結果となった。
Claims (4)
- ビニルホルムアミドを実質的に含まず、エーテル基含有単官能モノマーを光重合性成分の総質量に対して0.1〜20質量%含有し、環状構造含有単官能モノマーを光重合性成分の総質量に対して35〜70質量%含有し、かつ、多官能モノマーを光重合性成分の総質量に対して5〜40質量%含有する光重合性成分と、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を光重合性成分の総質量に対して3〜20質量%含有し、二酸化チタンを含有し、25℃における粘度が100mPa・s以下である光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物。
- 前記エーテル基含有単官能モノマーが、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレートから選ばれる少なくとも1種であり、前記環状構造含有単官能モノマーが、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、アクリロイルモルホリン、イソボルニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレートから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物。
- 前記多官能モノマーが1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートから選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を用いるインクジェット印刷方法であって、前記光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物を被記録媒体に付着させ、付着させた光硬化型インクジェット印刷用白色インク組成物に、発光ダイオードを光源とし、発光ピーク波長が350〜420nmの範囲にある紫外線を照射する、インクジェット印刷方法。
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